運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-04-19 第34回国会 参議院 外務委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月十九日(火曜日)    午前十時二十三分開会   —————————————   委員の異動 四月十四日委員青柳秀夫君及び野村吉 三郎君辞任につき、その補欠として大 沢雄一君及び井野碩哉君議長おい て指名した。 四月十五日委員大沢雄一君及び井野碩 哉君辞任につき、その補欠として青柳 秀夫君及び野村吉三郎君を議長おい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     木内 四郎君    理事            青柳 秀夫君            井上 清一君            苫米地英俊君            森 元治郎君    委員            鹿島守之助君            草葉 隆圓君            笹森 順造君            杉原 荒太君            永野  護君            野村吉三郎君            堀木 鎌三君            羽生 三七君            大和 与一君            石田 次男君            佐藤 尚武君   政府委員    外務政務次官  小林 絹治君   事務局側    常任委員会専門    員       渡邊 信雄君   説明員    外務大臣官房審    議官      三宅喜二郎君    大蔵省主税局税    制第一課長   塩崎  潤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○所得に対する租税に関する二重課税  の回避のための日本国インドとの  間の協定締結について承認を求め  るの件(内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 木内四郎

    委員長木内四郎君) ただいまより外務委員会を開会いたします。  初めに、理事補欠互選についてお諮りいたします。理事青柳秀夫君は、去る十四日に委員を辞任されましたが、さらに翌十五日再び委員になられました。よって青柳秀夫君を理事補欠に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり]
  3. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めて、さように決定いたします。
  4. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税回避のための日本国インドとの間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  本件は、去る三月二十九日に衆議院から送付されて参ったものでございます、本案につきましては、すでに提案の理由の説明を聴取いたしておりますが、さらに、一応補足説明政府委員から聴取いたしたいと思います。
  5. 塩崎潤

    説明員塩崎潤君) インドとの租税条約につきまして概要を御説明申し上げます。  昨年、パキスタンとの租税条約を御提案申し上げまして、御承認を得たわけでございますが、東南アジア諸国との租税条約は、私ども非常に強く熱望いたしておりまして努力中でございますが、これが二番目の租税条約でございます。で、すでに私ども租税協定締結しております数は、アメリカ、スエーデン、デンマーク、ノルウエー、パキスタンと、すでに五ヵ国ございます。で、インドを御承認願えれば、これが六カ国目の租税条約になるわけでございます。で、今までの租税条約の型と違います点につきまして、概要を御説明申し上げたいと思います。最も特徴的なところは、御存じのように、たびたび新聞紙上にも報ぜられておりますところの、私どもタックス・スペアリングと言っておりますが、租税節約と申しますか、その規定でございます。その概要を申し上げますと、こういうことでございます。御存じのように、私どもが過去に締結いたしましたところの二重課税防止条約の最も基本的な排除方法といたしましてとっておりますところは、内国税法にございますところの税額控除方法でございます。御存じのように、インドから一〇〇利子を得ることになりますと、インドでは六三%の所得税がかかります。日本では三七%の手取りになりまして日本企業が受取るわけでございますが、日本税法によりますと、一〇〇利益に入れまして、インドで六三課税されておりますから、日本法人税は三八%でございます。六三%というのは、三八%よりも三五%高いわけでございますので、これに対しましては課税しない、こういうことになっております。で、条約を作りますと、そのことを確認いたしまして、税額控除規定を、条約でこれをもう一ぺん保証いたします。これがアメリカその他五カ国と結びましたところの基本的な二重課税排除方法でございます。従いまして、インドのように税率が非常に高いところでは、今いったような結果が起こりまするけれども、たとえば相手国が二五%という法人税であったといたします。そうすると、一〇〇に対しまして二五%法人税がかかりまして、こちらでは、受け取りましたネットの金額が七五になります。しかしながら、日本では一〇〇を益金に入れまして、三八%課税いたしますが、ほかの国で納めました二五%という税金は三八%から控除いたしまして、残りの十三%の税金を納めていただく、こういうことになるわけでございます。これが各国に結びました根本的な二重課税排除方法でございます。そこで、この目印租税条約特徴といたしましては、この点を大きく修正いたしまして、こういうふうにいたしております。と申しますのは、御承知の通りインドにおきましては、経済開発計画の名のもとに、多くの経済開発をやっておるわけでございまして、その一つの支柱といたしましてインド税制におきまして、種々投資誘引策がございます。たとえば長期貸付金利子に対しまして免税措置がございます。それから新規産業につきましては、自己資本の六%までの資本につきまして、五年間免税という制度がございます。それからまた第三番目に、主要産業への投資に対しまして、配当の税率軽減されておるのでございます。六三%を二〇%にする。それからまたこれはイギリス方式でございまするけれども新規所得機械船舶につきましては、特別控除制度がございます。償却額と違いまして、機械ならば二五%利益から控除するという制度でございます。船舶なら四〇%控除する。日本償却制度ならば、その後の償却で取り返すわけでございますが、この制度は完全な免税でございます。こういった免税あるいは軽減制度がございます。そこで、インドが最も希望いたしまして、私どもも理屈ありと考えましたのは、このようなインド経済開発のための税制上の誘引措置が、相手国税制によりまして奪われるということを一つ排除したい、こういう趣旨でございます。と申しますのは、今申し上げましたように、長期貸付金利子を、インド誘引措置といたしまして免税いたします。一〇〇に対しまして六三%かかるべきところの法人税がゼロになる。ところが、わが国で一〇〇で受け取りますと三八%税金を取り返すことになる。インドにいたしますれば、免税は、結局日本政府のために免税したということになりはしないか。せっかく企業投資を誘引するために免税したことが、そのまま税額控除制度によりまして相手国政府収入になる、これはそのこと自体、インド投資誘引措置税制のねらいでもございます。そこでインド各国と結びましたところの租税協定は、このインド投資誘引措置を、税額控除方法によって取り返さないということを規定しておるわけでございますが、日本もそういうふうにいたしまして、その税額控除制度を認めたのが、このインドとの租税条約の基本的な特徴でございます。で、具体的に申し上げますれば、貸付金利子延べ払い、たとえばルールケラーあるいはバイラディラ投資形態は、日本では延べ払いの形で行なわれます。年利五分五厘あるいは六分の利子インド政府から受け取ることになるわけでございます。本来ならば六三%課税になるわけでございますが、インド政府免税いたします。そういたしますと、一〇〇受け取りまして、六三%を免除されずに一〇〇そのままこちらに入って参りますと、三八取り返すことになりますが、この租税条約は、インド政府で普通の税金を納めたものと見まして、日本税額控除規定を適用する、こういうことになっております。従いまして六三%の規定の適用があったとする、そうすると六三彩の税率は、日本の三八%よりも高目でございますので、すでにもう六三先納めたものとみなしておりますから、もう日本政府では税金課税しない。政府ではそのまま、企業はそのまま収入になる。これはまたインドに対しまして、一つ投資誘引措置になる、これが大きな特徴でございます。アメリカバンスタンとの租税協定も、現在までのところはこのような税額控除制度はございません。大体相互に控除できる限度を、相互税率軽減するという程度の二重課税排除方法でございまして、今申し上げましたような、みなし税額控除あるいはタックス・スペアリングといっておりますが、そういった制度は今回が初めてでございます。それが根本的な目印租税協定特徴でございます。なおこのほかに事業所得についての範囲明確化——御存じのように東南アジア諸国におきましての税務行政は、私どもの考えておりますような税務行政とは若干違った様相を示しておりますが、なるべくその場合におきましても、相互の理解の範囲内におい課税するというような趣旨で、事業所得範囲明確化、このような規定を設けております。航空機所得につきましては、相互免税船舶につきましては二分の一の免税規定を設けてございます。パキスタンとの間におきましては、航空機相互免税、これが船舶につきましては免税規定はございませんが、インドとの間におきましては半分だけ免税する。で、インドとの間におきましてインドはまだ船舶保有がほとんどございませんので、いずれまたインド側船舶保有がふえて参りますれば、その間につきましても実質的な相互免税の問題が起こるかもしれませんけれども、現在のところは、二分の一の相互免税、二分の一の軽減方式をとっておるのでございます。  以上簡単でございますが、目印租税協定のほかの条約と違いますところのおもな特徴を申し上げた次第でございます。
  6. 木内四郎

    委員長木内四郎君) それでは御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  7. 羽生三七

    羽生三七君 課税の具体的な内容は別として、インド日本との間の経済上のつながり、たとえば貿易おいてはどの程度、それからおもなる事業というのはどういうものがあるか、そういう経済上の関連性概要がわかったら、簡単でよろしいですから御説明いただきたい。
  8. 塩崎潤

    説明員塩崎潤君) まず交易状況を申し上げます。インド日本との輸出輸入関係でございますが、インドから日本輸出いたしますものは、日本インドにおきます輸出におきまして三番目の地位を占めてございます。一九五七年、五八年の二カ年をみて参りますと、イギリスが一番目、第二番目がアメリカ、三番目が日本でございます。第四番目がオーストラリア、五番目がセイロン、こんな状況でございます。輸入日本は五番目でございます。一番はイギリス、二番はアメリカ、三番目は西独、四番目はビルマ、五番目が日本、こういう地位を占めてございます。  それから日本インドにおきますところの進出状況と申しますか、企業進出状況でございますが、インドにおきましては、日本現地法人といたしまして六つございます。支店の数が十六カ所、駐在員事務所が七十七、こういう状況でございます。全体を合わせまして東南アジアでは最も多いかと思います。タイ国駐在員事務所と比べますと、タイよりも多目でございます。  で、貿易は、今金額を落としましたが、輸出が六千八十四万二千ドル、輸入が七千二百七十七万八千ドルでございます。それからまた延べ払い輸出でございますが、現在のところ、まだ現地に対しますところの株式投資その他の投資よりも、延べ払い輸出が最も大きな項目でございますが、これが現在のところ千八百二十四万五千ドルの延べ払い輸出がございます。今申し上げました延べ払い輸出のようなものにつきましては、向こう側免税措置がございます。投資といたしましては、証券投資が百二十万一千ドル、債券投資が七十七万四千ドルでございます。  さらに技術援助でございますが、最近技術援助は非常に盛んでございますが、ロイアリティという形で二十九件いっていると思います。それから技術者の派遣の数が百七十九人、それからこちら側が研修生といたしまして受け入れております数が二百五十一人でございます。この研修生制度につきましては、この租税条約によりまして、一定限度内の相互免税制度がございます。  以上簡単でございますが、経済交流状況でございます。
  9. 羽生三七

    羽生三七君 大きな企業というと、どういうものがあるのですか、六つの法人事業は。
  10. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) 一つは漁業の協力、それから魔法びんの製造業、それから螢光灯製造、それからガラスの製造業、それから万年筆の製造業、それからあと若干鉱山関係のものがございます。
  11. 羽生三七

    羽生三七君 製鉄関係どうなっておりますか。
  12. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) 製鉄につきましては、これは鉱山開発に、日本が技術的並びに機械プラント類輸出に対する延べ払いの形で協力することになっておりまして投資ということにはなっておりません。その第一は、ルールケラー鉄鉱山開発でございますが、これにつきましては、日本は八百万ドルの延べ払いを与えることになっております。主として品目は鉱山機械でございます。第二は、最近民間使節団が行かれまして交渉されましたバイラディラ鉱山開発でございますが、これにつきましては、交渉団向こうとの間に、政府承認条件として覚書をかわされたのであります。これにつきましては、日本側からは、二千百万ドルのやはり延べ払いの形による融資と、それから技術的な協力、こうなされることになっております。政府におきましても、最近閣議におきましてもそのラインの協力承認いたしました。
  13. 永野護

    永野護君 直接の関係はないかもしれませんが、インドゴアとの関係は、最近どうなっておりますか。
  14. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) 私ども数年前おりましたころは、コアを回収するというので、いろいろとサチャグラファ運動という非暴力による回収運動が盛んになっておりましてその間、ポルトガルとの間に非常に問題を起こしたのでありますが、その後インド側では、こういった民間運動なり外交交渉による活発な動きというものはございませんので、時が解決するのを待っているという状況でございます。
  15. 永野護

    永野護君 今現にゴア政府といろいろ具体的の交渉が進んでおるのですが、危険はないのでしょうか。観測でよろしいのですが……。
  16. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) これは現在先ほど簡単に申し上げましたようなことで、無理にインドが取り返すというようなことは、インドの標傍しております平和主義の原則にも反しますので、またインドが中共に対して主張しておるようなことと矛盾することになりますので、そう無理なことはやらないで、将来適当な時がくれば、平和的な方法でいろいろな条件を定めて、ポルトガルが聞けば回収することになると思いますが、さしあたり危険はないと思います。
  17. 永野護

    永野護君 相当長期交渉が幾つか進んでおるようですけれども、五年や十年くらいは大体大丈夫だと観測されますか、観測ですけれども
  18. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) 十年といわれますとなかなか見通しが立ちませんが、まあここ数年はそう危険はないと思いますし、回収するという場合におきましても、そういう無理な方法ポルトガル交渉による同意をしないのにやるということはないと思っております。
  19. 永野護

    永野護君 わかりました。
  20. 羽生三七

    羽生三七君 アジアの中の一番大国といわれておるインドとの貿易が、延べ払いは別としても、片道六千万ドルわずかオーバーする程度、非常に何か少ないような気がするのですが、今後の見通しなんかどうなんですか。今は漸増的な趨勢にあるものかどうか。その辺少し承りたいと思います。
  21. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) 先ほど大蔵省課長があげられました昨年度の数字でございますが、昨年度は一昨年度よりは減っておるのでございますが、それは例の円借款の、先年日本インドに対して五千万ドルの円借款を与えたわけでございますが、それの実施の方法につきましていろいろ専門的な折衝が行なわれておりました。それの動き出すのが非常におくれておりました次第でございます。一方インド国内におきまして、円借款の利用について、政府事業民間事業と、またその中におけるいろいろの企業の間にこれを利用したいという競争がございまして、インド側でなかなか決定がおくれたという事情がございまして、昨年度は若干減ったと思うのでございますが、これが動き出し、また先ほど申し上げましたルールケラー鉱山開発等が進めば、それだけ鉱山機械鉄道関係資材、そういったものが出ると思いますので、貿易はだんだん伸びていくという見通しであるのでございます。
  22. 佐藤尚武

    佐藤尚武君 先ほどの鉄の鉱山開発について補足的に説明をお願いしたいのですが、今の御説明では、片方にはたしか六百万ドルとか、もう一つの方には二千何百万ドルの融資、それに技術援助というようなことが行なわれているというような御説明であったと聞きましたが、その融資というのは、いわゆる単純な融資であって日本企業そのものに関与していないということなのか、あるいはその企業に対しても日本インドの会社と共同して経営に当たるというような形でやっているのか、技術援助というのは融資に伴っての単純な技術援助であって、企業そのものに対する関与というわけではないのか、その辺もう少し説明していただきたいと思います。それからもう一つは、そこから掘り出された鉱物は、日本に対してどういうふうに輸出されるのか、それも承りたい。
  23. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) まず鉄鉱山開発につきましては、先ほど申し上げましたルールケラーが取り上げられた次第でございます。その際に日本側といたしましては、やはり企業の中に立ち入って鉱山開発を能率的に日本の需要にできるだけマッチするような方法開発させるということを望んだのでございますが、インドにおきましては、インドに限らず東南アジア諸国におきましては、経済的国民主義が非常に強烈でございまして、ああいったような鉄鉱山開発というような重要企業につきましては、外国投資を認めないということに法律によってなっておりますので、従って経営参加による協力ということはインドが承諾しなかった次第でございます。しかし鉱山開発計画の作成とか、あるいはどういう機械輸入すべきかというようなことにつきましては、外国技術者コンサルタントとして援助を求めるということになっておりまして、そのコンサルタントには日本の日鉄鉱業の技師が選ばれて現在行っておりまして、インドに対していろいろと助言なり指導をしている次第でございます。そういった面で技術指導と申し上げたわけでございます。おもな協力は、先ほど申し述べましたように、鉱山機械を、延べ払いによる融資を与えて、日本から鉱山機械を出す、それが八百万ドルということになっております。アメリカはそれに対して二千万ドルほど出すことになっております。インド国内で必要な資材、労力の供給のために二千五百万ドル出すということになっております。そういたしまして、ルールケラーで一番最近開発されました際に四百万トンほどの鉄鉱石が出るのでありますが、そのうち二百万トンはインド製鉄業に使い、日本に対しては年間二百万トン出すことになっております。それから価格は、日本が他の国から輸入する国際価格といいますか、それよりも若干安くするということに大体きまっております。そうしてルールケラーは、一九六四年に準備が終わりまして、日本に対して第一回の四百万トンが来ることになっております。それからバイラディラ鉱山につきましては、ここはルールケラーよりも積み出し港に対する距離が近く、品質もいいわけでございまして日本バイラディラを非常に重要視しておりましてこれを開発したいという申し出をかねてから申し入れてあったのでありますが、向こうもそれを承諾いたしまして、それをこの間民間の、ミッションが行かれて大体の話をしてこられたわけでございます。これはアメリカは直接加わりませんで、日本インドだけで協力して開発するわけでありますが、日本からは先ほど申したように、二千百万ドルの延べ払いによる融資を与えて、それから従いましてルールケラーの場合以上に日本との関係が深いわけでございますから、これはやはり日本技術者計画を立てる際、あるいは購入すべき機械選定というような場合に、日本技術者を入れることと、企業自身でありませんが、企業が始まる前に日本技術者指導なり助言を得ることになると思います。このバイラディラ開発されました際は四百万トンの鉄鉱石日本に来ることになっております。それのやって参ります年は一九六七年の予定でございます。インド国内資材の買いつけ、それから現地労務調達のために四千五百万ドルか五千万ドルくらいの国内通貨を出すということになっております。
  24. 佐藤尚武

    佐藤尚武君 今の御説明でだいぶわかってきましたが、初めのルールケラー鉱山に対しても日本技術援助コンサルタントという形でやっておるというお話、それは日本一カ国でそのコンサルタントを出しておるのか、あるいは日本が中心となって、そしてよその国からも同じように技術者が来てやっているのかどうか、そういう点。  それからもう一つバイラディラとかいうとこの鉱山は、先ほどのお話インドでは外国企業参加を認めないという法律があるというお話でしたが、ただいまの御説明では何か日本企業に参加しておるかのように私には聞こえたのです。その辺御説明を願いたい。
  25. 三宅喜二郎

    説明員三宅喜二郎君) インドにおきましてそういった鉄鉱山開発というような重要産業には、外国資本による協力とか、経営の中に入っての協力とかいうものは認めないのでございまして、現在までバイラディラまたはルールケラー開発準備段階でございまして、準備段階おい計画の策定とか購入すべき鉱山機械選定等について、日本コンサルタント助言なり、指導というものを受けておる次第でございます。企業自身ができ上がってその中に入っておるわけではございません。その鉱山関係につきましては日本だけでなしに、インド技術者はもちろん参画といいますか、主体になってやっておるわけですが、外国技術者としては日本技術者だけでございます。あるいはそのほか鉄道を敷かなければいけませんから、そういう関係では、鉄道関係ではアメリカが技術的な指導といいますか、協力をしておるということでございます。
  26. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 この機会にちょっと参考までに伺いたいのですが、税金の額ですが、大体日本でもってインドの人が払っているというか、日本で徴収している所得税あるいは法人税というものは金額でどれくらいあるものかということ。  それからインドの方で日本関係の人からとっている所得税付加税加重税というものが全体でとれくらいになっているか。  なおついでにアメリカとの関係は非常に多いのだと思うのですが、アメリカ人が、あるいはアメリカ法人日本で納めているこういうような税額は大体どれくらいのものか、ちょっと御説明願いたい。
  27. 塩崎潤

    説明員塩崎潤君) ただいま青柳先生の御要求の点でございますが、詳しい資料は現在のところ十分完備しておりませんので、いずれあとから資料として提出したいと思いますが、大ざっぱに申し上げまして、インド企業あるいはまたインド人日本におきまして払っておる税額はきわめて少ない、御存じ通りでございます。インド企業進出日本にはほとんどございませんし、せいぜいございますとすれば、日本から資材を買いつけるところの貿易商社がある程度でございます。逆に日本企業インドにおきまして払っておりますところの税額、それへらまた日本人がインドで払っておる斜額でございますが、この点は今の逆産相当ございます。ただし現在のところその総額は不明でございまして、私どもがここで用意いたしております資料はどの程度租税条約によりましてインド側免税を行ない、これを受けまして日本側が先ほど申し上げましたみたし税額控除でどの程度免税されるかを調べたものがありますので、この点を申し上げます。私どもの見込みといたしまして、年間インドで本来かかりますところの税金免税されるものが十億四千四百万円ばかりございます。これはもちろんインド税金が先ほど由しましたように日本税率より高い、日本法人税は三八%で住民税を入れましても四三・一二%、インドはすべて六三%でございますが、これで計算いたしまして、インド租税誘引措置によりまして免税されます金額は十億四千四百万円、これを受けまして日本でどの程度免税になるか、本来この程度税金がかかりますと、日本では税額控除で取り返しのきかないほどの高目でございますが、免税になりますから、向こうの六三%までは納めたものと見る、あるいはまた中には六三%じゃないものがございまして、三八%の差額を取り返すものもございます。日本でこれを受けまして免税になる金額は六億三千二百万円でございます。なおアメリカ税額はただいま用意いたしておりませんので、いずれ資料といたしまして後ほど提出いたしたいと思います。
  28. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 他に御発言もなければ質疑は終了したものと認めて差しつかえございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めます。  それでは質疑は終了いたしまして、直ちに討論をお願いいたしたいと思います。御意見のある方は賛否を明らかしてお述べを願いたいと思います。——別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより直ちに採決をいたしたいと思います。新得に対する租税に関する二重課税回避のための日本国インドとの間の協定締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。本件に承認を与うることに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  31. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 全会一致と認めます。よって本件は全会一致をもって承認を与うることに決定いたしました。  なお、諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 木内四郎

    委員長木内四郎君) 御異議ないと認めます。  他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたしたいと思います。    午前十時五十八分散会