○
国務大臣(
藤山愛一郎君) 御
承知の
通り、
日本として
北洋漁業に
関係している
業者、あるいは
漁船員の
方々というものは相当ございますので、むろん
相当量を確保して、そうして
出漁船の数、あるいはそれに
関連しております
労働者の
方々を多数にこれによってやっていくことが望ましいこと、むろんでございます。一方、今日の世界の何と申しますか、
サヶの
カン詰の需要というものは決して減っておるわけでございません。従って、そういう
見地から見ましても、できるだけよけいとることが望ましいことは申すまでもないことでございます。しかしながら、今申し上げましたように、
魚族保存という
見地、そうして事実、科学的に立証されてくるような
魚族減少の事実があるとすれば、それに対応して問題を考えなければならぬことも、これまた当然のことでありまして、従いまして、それらの
数字を決定するには、今申し上げましたように、大体技術的な
見地に立った基礎の上に立ってきめて参るというのが必要でありまして、
日本の船がこれだけあるのだから、あるいは労務者がこれだけだから、ぜひともこれだけでなければならないと、そうしてサケ、
マスの
資源は減少しちゃったってかまわないのだ、これだけとりさえすればいいのだということでは
永久の
立場にはならぬと思います。でありますから、そういう
見地に立って言っておるのであります。何か私が十一万トンというようなことを言ったということですが、これは
交渉の始まります前に、何といったって、去年の十六万トンなんという
数字を言ったって不確定な
数字であります。今年そんなに大きな
数字を言うわけにはいかないのだ、最少の
数字でなければいけないのだというような雑談をいたしましたときに、たまたま、それしゃ十一万トンですかというような話か出たのでそういうことを申し上げたので、今日われわれとして確定的に何万トンということを申し上げる筋合いでないことは、
交渉を直前に控えて当然のことでありまして、その点については、はっきりした
数字を申し上げるわけにはいかないと存じます。