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1960-06-17 第34回国会 衆議院 本会議 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年六月十七日(金隈日)     —————————————  議事日程 第三十三号   昭和三十五年六月十七日     午後一時開議  第一 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案内閣提出)  第二 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案内閣提出)  第三 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案内閣提出)  第四 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律案内閣提出)  第五 母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第六 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の一部を改正する法律案農林水産委員長提出)  第七 開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第八 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案内閣提出)  第九 開拓者資金融通法による政府貸付金償還条件緩和等に関する特別措置法案内閣提出)  第十 同和対策審議会設置法案中井一夫君外百十一名提出)  第十一 繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十二 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十三 道路交通法案内閣提出参議院送付)  第十四 消防法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十五 国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案内閣提出)  第十六 東海道幹線自動車国道建設法案遠藤三郎君外五十五名提出)  第十七 日本開発銀行法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十八 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案内閣提出)  第十九 身体障害者雇用促進法案内閣提出)  第二十 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣提出)      昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算      昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算  第二十一 昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書       昭和三十一年度政府関係機関決算書       昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算       昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算  第二十二 昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書       昭和三十二年度政府関係機関決算書  第二十三 昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総計算書  第二十四 昭和三十一年度国有財産無償貸付状況計算書  第二十五 昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書  第二十六 昭和三十二年度国有財産無償貸付状況計算書  第二十七 昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書     ————————————— ○本日の会議に付した案件  六月十五日の国会乱入事件等に関する緊急質問千葉三郎提出)  暴力排除民主主義擁護に関する決議案船田中君外四名提出)  天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案内閣提出)  昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定の漁業施設設置に関する特別措置法案内閣提出)  昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案内閣提出)  日程第一 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案内閣提出)  日程第二 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案内閣提出)  日程第三 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案内閣提出)  日程第四 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律案内閣提出)  日程第五 母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第六 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の一部を改正する法律案農林水産委員長提出)  日程第七 開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第八 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第九 開拓者資金融通法による政府貸付金償還条件緩和等に関する特別措置法案内閣提出)  日程第十 同和対策審議会設置法案中井一夫君外百十一名提出)  日程第十一 繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十二 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十三 道路交通法案内閣提出参議院送付)  日程第十四 消防法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十五 国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案内閣提出)  日程第十六 東海道幹線自動車国道建設法案遠藤三郎君外五十五名提出)  日程第十九 身体障害者雇用促進法案内閣提出)  日程第二十 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣提出)        昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算        昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算  日程第二十一 納金整理資金受払計算書         昭和三十一年度政府関係機関決算書         昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算         昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算  日程第二十二 納金整理資金受払計算書         昭和三十二年度政府関係機関決算書  日程第二十三 昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総計算書  日程第二十四 昭和三十一年度国有財産無償貸付状況計算書  日程第二十五 昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書  日程第二十六 昭和三十二年度国有財産無償貸付状況計算書  日程第二十七 昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書     午後一時五十八分開議      —————・—————
  2. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより会議を開きます。
  3. 天野公義

    天野公義君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、千葉三郎提出、六月十五日の国会乱入事件等に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。
  4. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  六月十五日の国会乱入事件等に関する緊急質問を許可いたします。千葉三郎君。     〔千葉三郎登壇
  6. 千葉三郎

    千葉三郎君 私は、一昨十五日から十六日の未明にかけて行なわれた全学連等による国会構内乱入事件に関して、重大な二、三の点について、総理大臣並びに関係大臣にお尋ねいたしたいと思います。  いわゆる安保阻止運動の推移については、かねてその暴力行為について憂慮していたのでありまするが、一昨十五日は、ついに国会乱入事態を巻き起こし、多数の死傷者まで出すに至りました。これは、わが国議会史上空前の汚点をとどめたものとして、遺憾にたえません。(拍手)  政府は、この事態の容易ならざることを憂慮して、予定されていたアイゼンハワー大統領訪日を適当な時期まで延期するように決定したのでありまするが、これは賓客に対する礼儀を失するばかりではなく、友邦の対日感情の悪化、国際的信用の失墜のおそれを生じておりましてこの全学連暴行はまことに遺憾千万といわなければなりません。(拍手)  およそ、日本憲法と、そのもとにおいて成立した法的秩序集団暴力によって破壊されつつある現状は、まことに日本民主主義政治にとって不幸きわまりないことでありまするが、しかも、この集団暴力事件は今後もなお続けられる可能性があるのであります。政府はこれに対して万全の処置を講じておられるはずでありまするが、この際、善良なる国民の不安を一掃して、国際的な民主主義日本としての信頼を保持する上からも、はっきりした方針を明らかにしていただきたいと思うのであります。これについて総理大臣の所信をはっきりお伺いしたいと思います。  次に、国会乱入事件の重大な問題点は、これが明らかに事前に計画され、組織的な行動をとったということであります。たとえば、全学連北小路中央執行委員都学連の西部副委員長等は、同日の午後四時ごろ、約七千五百名のデモを前にして、きょうは目のさめるような行動に出て国会内に突入するとアジっておる事実がある。また、はさみ、ペンチ、なた等を所持しており、門のとびらを破壊するために強い綱を用意するなど、突入する準備態勢を整えており、さらに、午後四時四十分ごろには戦術会議を開いて、正門から入った方がよろしいか、あるいは弱いところから入った方がよろしいかということで論議した後に、弱い南門から突入することを決定したのであります。こういうふうに、国会乱入を当日の行動のスローガンとして掲げておったばかりでなく、これらの具体的な事例によりまして、計画的な犯行であるということは、もはや疑う余地がございません。治安当局調査の結果を、この際明らかにしていただきたいと思います。  さらに、全学連を構成する学生団体は、すでに暴力主義的破壊団体容疑団体として、破防法の第三条に基づく調査の対象に指定されておりまするが、このように継続反復して暴力的破壊活動をしておるのでありまするから、この際、騒擾の罪としてこれが適用を行なうべきではないかと思うのでありますが、この点に対して法務大臣所見をお伺いしたいと思います。(拍手)  さらに、同日の事件におきまして、不幸にも女子学生の一人が死亡された事実があります。故人に対しては哀悼の意を表する次第でありまするが、同時に、これに伴って明らかにしなければならない点が多い。それは故人死因であります。それについて全学連その他種々の憶測が行なわれ、この痛ましい事件を、逆に宣伝手段に利用しておるのであります。この際、はっきりした診断結果を当局から発表していただきたい。これが第二の問題であります。  一方、政府当局も、このうら若い女子学生が、生命の危険を冒してまでも、なぜあのような行動に出たのであろうか、ということを深く考える必要があろうと思います。純真な学生たちを過激な行動にかり立てるこの原因、これは、明らかに、現行教育制度大学制度に何らかの欠点があるのではないかと思う。(拍手)戦後乱立した日本大学は、設備といい、教授の素質といい、決して完全なものではない。私は、今の日本学生生活には潤いもなく、みじめな生活であると思う。もう少し優秀な学生を作るために教授陣営待遇改善、また学園厚生施設その他を充実させることも必要である。そして、学生学園に帰って、本来の勉強にいそしみ、楽しい学園生活を送られるようにしなければならないと思いまするが、他面、この純真な学生を直接に指導し、大きな影響を与える教授陣営についても、大所高所から考慮が払われてしかるべきものであると思う。(拍手)現在の教授陣の中には、学問研究の自由を逸脱して、そして、みずからのマルクス理論の実践に走る人々が少なくないのであります。大牟田地方における、あの向坂教室のごときは、その顕著なる一例であります。(拍手)一昨日のデモ事件を見ましても、教授たちの中から、教授グループ自動車に乗って、そして学生指導一しているのを、私どもは目撃いたしました。特に、官公立大学教授がこのような行動に出ておりますることは、明らかに国家公務員法等の違反であると思う。(拍手)これに対して、文部省その他の態度はどうであるか、私は、この際、はっきりした態度を望むものであります。文部大臣並びに総理大臣所見をお伺いしたいと思います。  次に、これらの学生をここにかり立てた背後の力でありまして、いわゆる事件背後関係でありまするが、昨年の三月に藤山外務大臣マッカーサー大使が交渉に入ったときに、東京のまん中、しかも、神田の学士会館で、フェドレンコ大使が痛烈なる反対論をした。その後引き続き、グロムイコは四次にわたる覚書を発表しておる。のみならず、今回におきましては、フルシチョフはインドネシアの国会においてまでこの安保条約反対をしておりまするが、さらに最近になりますると、中共におきましては、従来対日放送が  一日八回であったのが、今や一日に四回に改められましたけれども、午後の一六時半から十二時まで、のべつまくなしに対日放送、しかも、最近は劉少奇まで入ってきております。これは、中共のいわゆる人民公社の不完備によるその不平不満を押えるために、対日宣伝、特に反米、反岸、この二点にしぼって宣伝しておるのであります。最近、総評代表中共に参りまして——四月二十六日に参りましたが、そのときに、総評代表中華全国工会代表、また朝鮮職業同盟代表、この三者間において協定が結ばれております。その協定は、アメリカ帝国主義反対闘争連帯委員会という名前のものでやっておりまするが、そのうち、去る五月二十日付の反米闘争といたしまして、安保批准阻止闘争アメリカ帝国主義反対闘争に方向づけ、このために、あくまでアイク訪日阻止する、第二は、三国の連帯委員会は共同してアイク訪日、訪朝、訪台阻止する、第三は訪台阻止のために金門馬祖の攻撃を激化させることを要請する、この協定を五月の二十日にしたのであります。こういうふうにいたしまして、彼らは、着々として、日本一に対する宣伝日本に対する内面指導を進めておる。これに踊らされておるのが国民会議であり、また、社会党であり、全学連である。(拍手)  昨日、政府は、これらのことにつきまして声明を発しましたが、この間の運動はことごとく舶来です。外国からきたものなんです。その外国勢力、いわゆる国際共産勢力に踊らされておるということは、疑う余地がございません。私どもは、日本の将来を見るにつけて、この阻止運動が組織的な大きな力になってしまっており、彼らが法律暴力によって踏み越すことをもう既成事実のように考えておる実情でありまするから、今後、政府は、これに対して断々固たる決意を示さなければなりません。  そうした意味におきまして、総理大臣の、この際はっきりした所見を明らかにしていただいて、私の質問を終わることといたします。(拍手)     〔国務大臣岸信介登壇
  7. 岸信介

    国務大臣岸信介君) お答えをいたします。  最近、わが国において集団的暴力によって法秩序破壊しようというような暴力が各所に見られることは、まことに遺憾でございます。過日の全学連国会乱入事件というものも、その一つの現われでございます。私は、真の民主主義を守るためには、国会内はもちろんのこと、院外におきましても、あらゆる面において集団的暴力によって法秩序破壊するような行動は、断固としてこれを排撃しなければならないと考えております。(拍手)しこうして、この背後関係が、御指摘のように、今日、国際関係のいわゆる東西両陣営の対立、この関係において、常に国際共産主義自由民主主義国に対して、あらゆる面において浸透作戦をとっておる、また、その影響下に、こうした共産党、あるいは共産党系労働組合、あるいは学生団体等が、その指導のもとに、暴力的な行為によって民主主義的法秩序破壊を行なっておるという事実を無視することはできないのであります。特に、ハリ会議決裂後におけるところ国際情勢を検討しまずと、この趨勢がきわめて著しく、また、その行動がきわめて過激になっておる状況であります。私は、今回のこの憂慮すべき事態が、ただ単にあの事件が突発的にできたのではなくして、事前に十分な計画が立てられ、しこうして、背後においてはそうした大きな力の指導のもとに行なわれておるということを、国民も明確に意識し、政府におきましても、これに対して断固たる処置をとる必要があると、強い決意を持っておるものでございます。(拍手)百どうか、各政党におきましても、この事態に対処して、真の民主主義を守るために、一切のこうした集団的暴力行為、その背後におそるべき関係がひそんでおるということを正確に認識、把握して御協力を得るように、特にお願いいたしたいと思います。(拍手)     〔国務大臣井野碩哉君登壇
  8. 井野碩哉

    国務大臣井野碩哉君) 今回の全学連等暴力行動に対しまして破防法の適用ありやいなやとの御質問でございますが、私としましては、今回の行動は、破防法第四条第二号以下の騒擾罪または公務執行妨害職務強要罪に該当するに十分と存じまして公安調査庁に対し、十分事実を調査し、適切な処置をとるよう命令をいたしました。  次に、樺美智子さんの死因についてのお尋ねでございますが、慶応中館教授解剖の結果、検察庁の方から報告が参りましたが、それによりますと、すい臓炎を中心として、内臓関係相当出血がある、頸部の内部にも出血がある、左前胸部筋肉内にも出血がある。死亡原因は、さらに精密検査を要しますが、現在の解剖の結果によりますと、腹部の出血は、人体のようなものの相当の圧迫が想像され、頸部の方は、かなり固いものによると想像されますが、たとえば、警察の警棒のごときものではなく、人間のひざのようなものであるということであります。結論としては、急性出血性すい臓炎に、頸部に強い力が加わったための窒息死と見られるとの報告を受けております。     〔国務大臣松田竹千代登壇
  9. 松田竹千代

    国務大臣松田竹千代君) 近年、わが国大学、特に国立大学学生が、いわゆるデモと称し、デモの範疇を逸脱し、集団暴力行為にしばしば出てきておるというこの状態に対しては、まことに遺憾千万でありまして、私は、かくのごとき学生に対しては、当然、大学当局学園から排除すべきものであるということを、国会においても特に述べて参った次第でありまするが、今回のハガチー事件といい、あるいは一昨日来の国会周辺における大学生等による集団暴力の結果、わが国国会法の上においても国家最高の権力の府とし、あるいは伝統の上においても最も神聖なるところとして尊重されて参ったこの国会が、ついに暴力ざたの結果、流血の惨事によってそれが汚されたということに対しては、単に遺憾というような言葉をもってしては、とうてい私どもの気持を表現するに足りないほどのものであると私は考えます。(拍手)しかも、その学生の、かかる行動に対しましては、私は、文教をあずかる一人として、主としてその動機、その心情、その経過等について、個人々々に会って、これをしさいに調査し、研究いたしておるのでございますが、聞くところによれば、ただいまの千葉議員の御質疑の通りに、その背後には、大学教官が、これら若き学徒を教唆宣伝して、これを学園外運動にかり立てていくというようなことは、これは、中立を守っていかなければならぬ大学教官として、学問研究の範囲を逸脱して、明らかに政治行動に移っているものと見なければな「畠の誇りましてかくのごときことが、もし今日において改められなければ、私は、学園の、大学の自治ということを彼らみずからの行動によって危うくするものであると考える次第でありまして、私は、これらのことについて十分に調査いたし、適切な措置をとりたいと考えている次第でございます。(拍手)     〔国務大臣石原幹市郎登壇
  10. 石原幹市郎

    国務大臣石原幹市郎君) 今回の事件は、わが国史上まれな一大不祥事件でありまして、まことに遺憾きわまりないことと考えております。  今回の事件は、全く計画的に行なわれた暴力行為であると認めております。全学連主流派は、当日、参議院における安保条約審議阻止するため、議長等の登院を阻止、それができなければ国会に突入することを、あらかじめ計画していたのであります。これを裏づけるものとして、現に、国会周辺に集合した学生の中には、さくの有刺鉄線を切るためのペンチや門扉を破壊するためのまさかり、阻止線の車両を引っぱり出すためのロープ等を、あらかじめ準備してきておりまして、しかも、随所でこれらのものを使用しているところから見ましても、全く計画的な暴力行為と認められるのでありまして、本件につきましては、徹底的にこれを追及、処断する所存でございます。  女子学生樺氏の死因につきましては、地検特捜部解剖所見については先ほど法務大臣より発表がございましたが、警察調査によりましても、あのときは警察部隊とは接触しておらず、学生等国会構内に乱入する際、周辺の圧力により倒れ、次いで死亡するに至ったものと考えているのでありまして、頭部に外傷のないところ等からも考えまして、警察官の暴行による死亡であるなどということは断じてないと考えておるものでございます。(拍手故人死亡につきましては、まことにお気の毒に存じております。  今回の事件につきましては、これらの責任をあくまで追及いたしますとともに、今後なお治安上楽観を許さない状況にありますので、事態に応じ、十分な警備力を配置し、万全の態勢をもって臨む所存でございます。(拍手)      ————◇—————
  11. 天野公義

    天野公義君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、船田中君外四名提出暴力排除民主主義擁護に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  12. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  暴力排除民主主義擁護に関する決議案を議題といたします。  提出者趣旨弁明を許します。船田中君。     〔船田中君登壇
  14. 船田中

    船田中君 私は、自由民主党を代表して、ただいま上程せられました暴力排除民主主義擁護に関する決議案につき、その趣旨を申し述べたいと存じます。  まず、決議案文を朗読いたします。    暴力排除民主主義擁護に関する決議   およそ暴力は、その原因、その理由のいかんを問わず、平和と民主主義破壊する最大の敵である。   わが国現下の世情を見るとき、しばしば暴力が行使せられ、特に少数者がその政治的目的を達成するため、集団的計画的に暴力を用いてはばからざるがごとき傾向は、ひとり公安を害し、社会秩序を破るのみならず、実に平和と民主主義を根底から破壊するものである。しかもそれが外国の反民主的勢力影響下に行なわれる場合は、ただに国内問題にとどまらず国際的に重大な危機を招くおそれもある。   今日、もしこのような暴力を寸毫といえども容認するようなことがあるときは、自由と人権を尊重する民主主義は失われ、世界平和の維持にも重大な障害となることは疑いない。   よって政府は、ここにすみやかに法と秩序を維持するため、あらゆる施策を講じて、暴力の一掃を図り、もって国民の不安と憂慮を除去すべきことを要望する。  右決議する。   〔拍手〕  近時、わが国における集団的、組織的暴力横行は、まことに憂慮すべきものがあります。小にしては町の中に横行するぐれん隊の暴力行為から、三池争議のごとき労働争議における暴力横行、ことに本月十日の羽田空港のハガチー襲撃事件及び本月十五日の国会乱入事件のごときは、一見、暴力革命予行演習を思わしめるものがあります。(拍手)これらの一連の集団的暴力破壊行動が、善良な国民に深刻な不安を感ぜしむるに至るとともに、国際的には、わが国があたかも無政府状態にあるかのごとき印象を与え、これまで築き上げてきた国際的信用を一瞬にして失い去ったのであります。このような内外の重大、深刻な影響を思うとき、私どもは、まことに遺憾かつ痛憤にたえないのであります。(拍手)  そもそも、このような計画的な一連の集団暴力が助長、激化された原因を静かに振り返ってみまするに、一つは、わが国内における民主主義の未熟さもありますが、暴力排除に対する制度と国内治安体制の不備欠陥に根本要因があり、また、他の重大な要因としては、一部の反民主的勢力が公然と暴力を肯定し、これを扇動、助長したことを、われわれは絶対に見のがすことができないのであります。(拍手)内外の歴史を見ましても、全体主義、独裁主義の台頭は、暴力に対する寛容がその導因になっておるのでありまして、西ヨーロッパにおけるファシズムやナチスの発生、あるいは戦前わが国における軍部独裁の実情を顧みても明らかであります。私は、政府及び国民が、今にして暴力の排除に抜本的にして強力な対策を講ずるのでなければ、必ず悔いを百年の後に残すことを心より憂うるものであります。  政府は、国会の良識の上に立って、すみやかに適切なる対策を講じ、もって国民に安心感を与えるととも、失われた国際的信用の挽回に国民とともに最善を尽くすべきであると確信するものであります。(拍手)  以上をもちまして私の趣旨弁明を終わります。(拍手
  15. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立]
  16. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立総員。よって、本案は全会一致可決いたしました。(拍手
  17. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) この際、内閣総理大臣より発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣岸信介君。     〔国務大臣岸信介登壇
  18. 岸信介

    国務大臣岸信介君) ただいま満場一致御決議になりました決議案につきましては、政府も全然その趣旨に賛成でございまして、政府としては、この決議案趣旨に沿うて万全を尽くすということを申し上げたいと存じます。(拍手
  19. 天野公義

    天野公義君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定の漁業施設設置に関する特別措置法案昭和三一十五年五月のチリ地震津波による災害一を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案、右四案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  20. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野公義君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  21. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定の漁業施設設置に関する特別措置法案昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案、右四案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。農林水産委員長吉川久衛君。     〔吉川久衛君登壇
  22. 吉川久衛

    ○吉川久衛君 ただいま議題となりました四法案につき、農林水産委員会における審議の経過並びに結果について、その概要を御報告いたします。  まず、天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、本年五月のチリ地震津波により特に著しい被害を受けた地域内の被害漁民に対し、いわゆる天災融資法に基づいて貸し付けられる経営資金について、その貸付限度額を引き上げようとするものであってそのおもな内容は、真珠またはカキの養殖に必要な資金については、現行の貸付限度額十五万円を五十万円までに、その他の漁業経営資金については二十万円までに引き上げることであります。  次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案について申し上げます。  本津波により水産業関係共同利用施設が特に甚大な被害を受けたことは御承知の通りでありまして、これらの施設の復旧は、沿岸漁民の漁業経営上、一日もゆるがせにできないものであります。よって、これが復旧を促進するため、共同利用施設等の災害復旧に対する補助につき特例措置を講じようというのが、本案提出の理由であります。すなわち、その内容のおもな点は、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基づき、国庫補助の対象となる復旧事業費が現行十万円以上となっているのを三万円以上に改め、また、被害激甚地に対する補助率を十分の九に、その他の地域に対する補助率を十分の五に引き上げるとともに、真珠及びカキなどの養殖施設については、その被害の激甚さと沿岸漁業振興上の重要性にかんがみ、特に個人施設についても十分の九以内の国庫補助の道を開くことであります。  次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定の漁業施設設置に関する特別措置法案について申し上げます。  今次災害により北海道及び三陸方面の漁村部落は集中的な被害を受けたのでありますが、これらの被害漁村部落に対し、その部落に適した漁業を応急的に実施せしめ、または必要な共同利用施設を設置せしめる等により、被害漁民の迅速な立ち上がりをはかることを目的としてこれらの被害部落を地区内に含む漁業協同組合が共同利用に供する水産養殖施設、網漁具等を設置し、これに対して都道府県がその費用の二分の一以上を補助した場合には、国は当該都道府県に対し、その全額を補助しようとするのが、本案の提出の理由及び内容であります。  最後に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案について申し上げます。  本案は、今回のチリ地震津波により著しい被害を受けた小型漁船の復旧を促進し、沿岸零細漁民の生産手段を確保するため、組合員の所有する小型漁船の被害の著しい漁業協同組合が、その所有漁船について沈没、滅失、その他著しい損害を受けた組合員の共同利用に供するため小型漁船を建造する場合において、都道府県がその建造費の三分の二を補助する場合、国は、予算の範囲内で、この都道府県の補助額の二分の一を補助することができるようにしようとするものであります。  以上の四案は、六月十三日本委員会に付託となり、同十六日政府より提案理由の説明を聴取し、同日質疑を行ない、討論を省略して採決いたしました結果、いずれも全会一致をもって原案通り可決すべきものと議決した次第であります。  以上をもって報告を終わります。(拍手
  23. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 四案を一括して採決いたします。  四案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、四案は委員長報告通り可決いたしました。
  25. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより本日の日程に入ります。  日程第一、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案日程第二、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長羽田武嗣郎君。     〔羽田武嗣郎君登壇
  26. 羽田武嗣郎

    ○羽田武嗣郎君 ただいま議題になりました、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案でありますが、この法案の内容は、チリ地震津波による災害を受けた地域における対策事業の計画的な実施をはかることを目的とし、総理府にチリ地震津波対策審議会を置き、主務大臣は、関係地方公共団体の意見を聞き、審議会の議を経て津波対策事業計画案を作成し、閣議の決定を求めなければならぬこと、及び、政府は、津波対策事業計画を実施するために必要な措置を講じ、国の財政の許す範囲内においてその実施の促進に努めることというのが、本法案の内容であります。  次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案でありますが、この法案の内容は、チリ地震津波による災害で、政令で定める地域に発生したものに関して、事業主体が、災害により住宅を失った者に賃貸するため第二種公営住宅を建設するときは、国は予算の範囲内でその費用の四分の三を補助することができることとするとともに、国の補助の対象とする戸数を、災害により滅失した住宅の戸数の五割に相当する戸数とするというのが、本法案の内容であります。  両法案は、六月十三日本委員会に付託せられ、六月十四日提案理由の説明を聴取し、質疑に入ったのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて、討論を省略して採決の結果、両法案とも全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  27. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告通り可決いたしました。……。
  29. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第三、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。商工委員長中村幸八君。     〔中村幸八君登壇
  30. 中村幸八

    ○中村幸八君 ただいま議題となりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案に  つきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  去る五月二十四日のチリ地震津波が三陸地方を初め太平洋沿岸各地の中小企業者に甚大な被害をもたらしたのは御承知の通りでありますが、被害中小企業者の急速なる立ち直りのためには、再建資金融通の円滑化をはかることが刻下の急務となっているのであります。すでに、政府におきましては、政府関係金融機関の資金災害融資に重点的に振り向けることとしたほか、貸付金利の引き下げの措置を講じつつあるのでありまするが、商工組合中央金庫の行なう災害融資について引き下げ金利を適用するには特別の立法措置が必要とされ、このために本法案が提出されたのであります。  すなわち、本案の内容は、商工組合中央金庫が政令で指定する被害中小企業者に対し再建資金を貸し付ける場合、一人当たり五十万円までについては、三年間を限り年六分五厘の利率を適用することとし、通常金利との差額を政府が利子補給することとしたものであります。  本案は、六月十四日当委員会に付託され、同日の本会議における趣旨説明の後、委員会において池田通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、引き続き質疑を行ない、質疑終了後、直ちに採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告を申し上げます。(拍手
  31. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告通り可決いたしました。……。
  33. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第四、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。地方行政委員長濱地文平君。     〔濱地文平君登壇
  34. 濱地文平

    ○濱地文平君 昭和三十五年五月のチリ地震津波により災害を受けた地方公共団体起債特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果の概要を御報告申し上げます。  本案は、今回のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体に対して起債特例を認め、もってその財政運営に遺憾なからしめようとするものであります。  その内容は、第一に、被災地方公共団体で政令で指定されたものは、地方財政法第五条の特例として地方債の発行を認められること、第二に、この地方債発行の目的は、地方税等の減免による歳入の不足を補うため、または災害対策に要する経費に充てるためであること、第三に、この地方債の資金は、資金運用部資金または簡易生命保一険及び郵便年金特別会計の積立金をもって充てるものとし、また、その地方債の利息の定率及び償還方法は政令で定めることなどを要点とするものであります。  本案は、六月十三日本委員会に付託され、翌十四日丹羽自治政務次官より提案理由の説明を聴取し、同日質疑を終了、直ちに討論を省略して採決を行ないましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  35. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  36. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は委員長報告通り可決いたしました。手
  37. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第五、母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。社会労働委員長永山忠則君。     [永山忠則君登壇
  38. 永山忠則

    ○永山忠則君 ただいま議題となりました母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につき、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本改正法律案のおもなる内容について申し上げますれば、まず第一は、母子世帯の中には事業経営の能力に欠けるため現行制度を十分活用できないものが多く、また、母子世帯の母は就職の機会がきわめて少ないので、その実情にかんがみ、これら母子世帯の経済的自立をはかるために、社会法人または民法第三十四条の規定により設立された法人が母子世帯の母を使用して行なう事業について、事業開始資金及び事業継続資金を貸し付けることができるようにいたすものでありますが、その場合、貸付金額の限度をそれぞれ百万円及び三十万円とし、その利率を年五分として、適当な収益事業を行なわせようとするものであります。第二は、住宅補修資金の貸付について、新たに六ヵ月の据置期間を設けて償還を容易ならしめることであり、第三は、災害による被災母子世帯に対する事業開始資金、事業継続資金または住宅補修資金について、その据置期間を貸付の日から二年間まで延長できるようにすること等であります。  本法案は、四月二十七日委員会に付託され、五月五日政府より提案理由の説明を聴取いたしたのでありますが、本月十四日の委員会において採決に入りましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  39. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告通り可決いたしました。
  41. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第六は、委員長提出の議案でありまするから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。  日程第六、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の一部を改正する法律案日程第七、開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案日程第八、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案日程第九、開拓者資金融通法による政府貸付金償還条件緩和等に関する特別措置法案、右四案を一括して議題といたします。  提出者趣旨弁明並びに委員長の報告を求めます。農林水産委員長吉川久衛君。     〔吉川久衛君登壇
  43. 吉川久衛

    ○吉川久衛君 ただいま議題となりました、農林水産委員長提出積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由、並びに、内閣提出開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案外二件の農林水産委員会における審査の経過及び結果について御説明及び御報告を申し上げます。  まず、農林水産委員長提出積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  御承知のように、この法律の対象となります地帯は一道一府二十四県に及び、面積にしておおむね二百五十万ヘクタールにも達し、積雪寒冷がはなはだしく、かつ耕地の利用率が著しく低く、自然的、社会的、経済的に恵まれないところでありますが、国民食糧の供給地としては、きわめて枢要な地位を占めております。そこで、これら積雪寒冷単作地帯の農業生産の基礎条件を整備し、その生産力を高めますことは、この地帯の農業経営の安定と農民生活の改善となるばかりでなく、国民経済の発展に寄与するところきわめて大でありますので、昭和二十六年三月この法律が制定され、昭和三十年七月に有効期限の延長についての法律の制定を見た次第でありまして、この法律施行以来、昭和三十四年度までに、農業振興計画に基づきまして、総事業費で約五百五十八億円、国費で約二百十八億円の土地改良事業を実施し、相当の実績を上げて参ったのであります。しかしながら、これまでの土地改良事業を見ましても、立法当初の計画に対しまして、昭和三十五年度予算を含めて五一%の進捗度にすぎず、しかも、残された地域は比較的諸条件が悪く、自己負担力の少ない地域であり、また、営農改善の面におきましても、裏作導入、田畑輪換等、今後に残されたなすべき事業がきわめて多い実情であります。しかるに、この法律昭和三十六年三月三十一日限りで失効いたしますので、この際、この法律の有効期限をさらに五カ年延長いたしまして、この地帯の農業振興を促進いたしますとともに、農家所得の増強対策等についても検討を加え、この法律制定の目的を達成するよう努力すべきであると考え、本案を提出した次第であります。  以上が提案理由及びその内容であります。  委員会におきましては、五月十一日、全会一致の賛成をもって、この案を委員会の成案とすることに決定した次第であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  次に、内閣提出の三法案につき、農林水産委員会における審査の経過及び結果について、その大要を一括御報告いたします。  戦後、食糧の増産、失業人口の吸収等の使命をになって未開の地に入植した開拓者のうちには、一般農家に比し、こうも遜色のない営農実績を上げておるものもありまするが、一方には、立地条件の劣悪、投下資本の不足、建設工事の遅延、連続する災害等によって十余年を経た今日においても、いまだに経営の基礎が確立せず、不振にあえぐ者が少なくない現状にあることは、否定できないところであります。これがため、昭和三十二年には開拓営農振興臨時措置法が制定され、政府は、この法律に基づき、営農改善計画を立てて経営の立て直しをはかる不振農家に対し、営農資金の追加供給、建設工事の促進、災害資金の借りかえ等の措置を講じて参ったのであります。しかし、このような開拓営農振興対策の実施にもかかわらず、経済事情の変動、各種償還金の重圧等により、それだけでは不振開拓者の経営を真に安定せしめることが困難であると認められるに至り、ここにこの三法案の提出を見るに至ったのであります。  以下、これらの法案のおもな内容について申し上げます。  まず、開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案は、従来、開拓者の災害に対しては、天災融資法に基づき系統金融機関から災害資金融通して参ったのでありますが、今後、不振開拓者に対しては、この資金のほか、災害のため営農改善計画の達成ができなくなると認められる場合には、開拓者資金融通特別会計から災害資金の貸付ができるようにすること、及び、開拓営農振興に関する重要事項を調査審議するため農林省に審議会を設置することの二点を骨子としているのであります。  次に、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案は、この法律による今後の政府貸付金については、毎年度の貸付金ごとに据置期間を増減して、各資金の償還の始期及び終期を一致させて経理の一本化をはかるようにすること、及び、北海道の不振開拓者に対する振興対策資金の貸付条件は、従来、据置期間三年、償還期間九年でありましたが、これをそれぞれ五年及び十五年に延長することの二点を内容とするものであります。  また、開拓者資金融通法による政府貸付金償還条件緩和等に関する特別措置法案は、既往の政府貸付金の償還が困難な開拓者については、三十五年度以降二カ年間にわたり、三十五年三月三十一日までの未納の元金、利子及び延滞金はこれを分割償還できるように元加し、さらに、営農状態の特に不安定な者は、おおむね据置期間五年を置いて十五年間に、それ以外の不安定な者は、据置期間を置かないで、おおむね十五年間にそれぞれ償還できるよう貸付条件を緩和すること、また、従来、政府貸付の個人資金は、一たん開拓農業協同組合に貸し付け、さらに組合が個人に転貸していたのでありますが、これを個人の債務に切りかえ、国が個人ごとに債権の管理を行なうようにすること等を規定しているのであります。  開拓営農振興臨時措置法改正法案は二月二十四日、開拓者資金融通法改正法案及び政府貸付金償還条件緩和法案は三月十九日、それぞれ委員会に付託され、三月二十二日これら三法案の提案理由の説明を、四月十二日その補足説明をそれぞれ政府から聴取し、翌十三日より一括して審査に入り、五月十七日までの間に数回にわたり質疑を行ない、その間、四月十九日には参考人を招致してその意見を徴する等、慎重な審議を行なったのであります。  しかして、五月十七日、日本社会党芳賀貢君から、不振開拓者の営農を一そう安定せしめますために、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の共同提案により、三法案に対する修正案が提出せられたのであります。  開拓営農振興臨時措置法改正法案に対する修正の内容は、開拓者が災害資金の貸付を受ける場合の災害原因に低温を加えること、開拓営農振興審議会の委員の数が政府原案では十名以内となっているのを十四名以内とすることの二点であります。  開拓者資金融通法改正法案の修正個所は、北海道の不振開拓者のみに対し振興対策資金の貸付条件の緩和措置がとられているのを、内地の不振開拓者に対しても同一の措置をとることとした点であります。  また、政府貸付金償還条件緩和法案の修正内容は、三十五年三月三十一日まで未納となっている利子及び延滞金は元加することなく、無利子で、しかも、長期にわたって割賦償還することができるように、条件の一そうの緩和をはかった等の点であります。  そこで、三法案に対するそれぞれの修正案及び修正部分を除く政府原案につき、討論を省略し採決いたしましたところ、全会一致をもって三法案はいずれもこれを修正すべきものと議決した次第であります。  なお、これらの各法案にはそれぞれ附帯決議が付されたのでありますが、会議録によりごらん願うこととし、省略させていただきます。  以上、御報告を終わります。(拍手
  44. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これよりただいまの四案につき採決いたすのでありまするが、そのうち、まず、日程第六につき採決いたします。  本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。  次に、日程第七ないし第九の三案を一括して採決いたします。  三案の委員長の報告はいずれも修正であります。三案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告通り決しました。……。
  47. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第十、同和対策審議会設置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長福田一君。     〔福田一君登壇
  48. 福田一

    ○福田一君 ただいま議題となりました同和対策審議会設置法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知の通り、本案は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の共同提案にかかるものであります。  まず、法案の要旨を申し上げます。  政府の資料によりますと、全国に散在している同和地区は約四千に及び、その住民は約二十五万世帯、百二十万人に達しており、これらの地区における生活環境は、はなはだ劣悪なものが多く、地区住民のほとんど大部分は、経済的な基盤を欠いて生活苦にあえいでおるのが、その実態であります。また、地区外に居住する関係者も、ほとんど同様の状況のものが多数であります。そのため、旧来の差別問題も必ずしも払拭されていないという、まことに放置することのできない状況にあるのであります。  本案は、これらの事情にかんがみまして、同和問題の解決に資するため、総理府の付属機関として、存続期間を二年とする同和対策審議会を設置しようとするものでありまして、その内容のおもなる点について申し上げますと、審議会の所掌事務は、同和問題の解決のために必要な総合的施策の樹立、その他同和地区に関する社会的、経済的諸問題の解決に関する重要事項について調査審議を行ない、これらの事項に関して内閣総理大臣の諮問に答申し、必要に応じましては内閣総理大臣に建議することができることになっております。  審議会は二十人以内の委員で組織し、その委員には、関係行政機関の職員十一人以内、同和問題に関して経験を有する者及び同和問題に関して識見を有する者九人以内を内閣総理大臣がそれぞれ任命することとし、審議会に、専門の事項を調査審議させるため、学識経験者または関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣の任命する専門委員十人以内を置くことができることにいたしております。さらに、委員及び専門委員を補佐させるため、関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣の任命する幹事二十人以内を置き、また、審議会の事務を処理させるため事務局を設けることになっております。  本案は、五月十六日本委員会に付託され、十七日提案理由の説明を聞いた後、提案者及び政府に対して質疑が行なわれたのでありますが、その中心となりましたものは、委員の人選並びに審議会の運営にあたっては、党派に偏するようなことがなく、大局的な見地に立ってこれを実施せられたい、との意見でありました。  なお、本案につきまして内閣の意見を求めましたところ政府は、法案の趣旨、精神を全面的に尊重して対処したいと考えている旨を述べられたのであります。  採決の結果、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  49. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告通り可決いたしました。
  51. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第十一、繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案日程第十二、石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。商工委員長中村幸八君。     [中村幸八君登壇
  52. 中村幸八

    ○中村幸八君 ただいま議題となりました繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案外一件につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  まず、繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  貿易自由化の進展に伴い、繊維原料の輸入自由化が明年四月より実施されることになったのは御承知の通りでありまするが、適切なる準備態勢を欠いたまま自由化に入るならば、繊維産業のみならず、国民経済各般に好ましからざる影響を及ぼすおそれがきわめて大きいのでありまして、繊維総合対策懇談会の答申におきましても、この点が特に強調されているのであります。  本改正案は、繊維原料の輸入自由化に伴う混乱を未然に防止して繊維工業の安定的発展をはかるために提案されたものでありまして、その内容について申し上げますと、  第一は、過剰設備の処理に関する共同行為の指示にあたっては、繊維製品の需給あるいは輸出についての当面の事情をも参酌すべきことを明文化しようとするものであります。  第二は、過剰設備の処理が共同行為のみをもってしては不十分な場合には、関係全事業者に対し設備の処理命令を発することができることといたしております。  第三は、無登録設備の使用禁止規定に違反した者に対する格納もしくは封印命令並びに過剰設備の処理命令に違反した者に対する使用停止命令の規定を新たに設けようとするものであります。  第四は、法律の有効期間を四年延長するとともに、設備の新増設あるいは過剰設備の処理に関する目標年度を昭和四十年度に変更することといたしております。  本案は、三月九日当委員会に付託され、十一日池田通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、四月二十八日より質疑に入りました。その後数次にわたり審議を続けて参りましたが、五月十七日に至り質疑を終了し、次いで自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案による修正案が提出され、民主社会党武藤武雄君の趣旨説明の後、直ちに採決に付しましたところ、全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定いたしました。  修正点は、過剰設備処理の共同行為の実施に関する苦情の申し出の規定を新たに設けたものであります。  なお、採決後、これも各党共同提案の附帯決議案提出され、日本社会党東海林稔君の趣旨説明の後、これまた全会一致をもって提案通りの附帯決議を付することに決した次第であります。  次に、石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案につい  て申し上げます。  本改正案は、近来化学工業原料としての天然ガスの地位がますます重要度を加えつつある事態に即応して、生産性の高い構造性ガスの探鉱をも補助金交付の対象として追加するとともに、補助事業が成功した場合における納付金の納付義務者として被補助租鉱権者等を追加しようとするものであります。  本案は、四月十四日池田通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来、参考人の意見を聞く等、慎重な審議を行なったのであります。  五月十七日、質疑を終了しましたので採決に付しましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決しました。  なお、採決後、自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案による附帯決議案提出され、日本社会党櫻井奎夫君の趣旨説明の後、全会一致をもって提案通りの附帯決議を付することに決した次第であります。  以上、御報告を申し上げます。(拍手
  53. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。  日程第十一の委員長の報告は修正であります。第十二の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告通り決しました。……。
  55. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第十三、道路交通法案日程第十四、消防法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。地方行政委員長濱地文平君。     〔濱地文平君登壇
  56. 濱地文平

    ○濱地文平君 ただいま議題となりました道路交通法案及び消防法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、道路交通法案について申し上げます。  御承知のように、現行の道路交通取締法が制定されましたのは昭和二十二年のことでありまして、その後、交通事情は画期的な変化を遂げ、とりわけ、大都市における道路交通は異常なまでに発達、変貌し、しかも、近き将来におきまして、その一そうの複雑と困難とが予想される次第であります。他方、これに伴い、交通事故もまた急激に増加し、この結果、現行法令によりましては、もはや道路交通の実情に著しく適合し得ないばかりか、相次ぐ弥縫的な法改正の結果として、法体系の上にも幾多不整備の個所を生じてきているのであります。  本案は、このような現実に立脚して、道路交通における危険を防止し、その安全と円滑をはかるため、法体系の整備はもとより、現下の新しい交通事情に即応した道路交通の基本法として、現行の道路交通取締法及び同施行令にかわり、新しい立法措置として提出されたものでありまして、その要旨は大要次のごとくであります。  すなわち、第一に、法の目的として、単に道路における危険を防止し、その他交通の安全をはかることのみでなく、積極的に交通の円滑をもはかるものであることを明らかにし、その名称も、現行の道路交通取締法から道路交通法と改めております。  第二に、法体系を整備し、あわせて、国民のだれでもこの法律を容易に理解できるよう、たとえば、罰則のごときも、それぞれの関係条文ごとに明記するなど、用語及び表現の平易化をはかっております。  第三には、交通規制のための道路標示の設置に関する規定のほか、交通の規制に関する規定を整備したことであります。  第四には、歩行者の通行につきまして、その通行方法の基本を明らかにするとともに、規定を整備し、歩行者の保護の徹底をはかったことであります。  第五に、最近における道路交通の実情にかんがみ、現行の規定に全面的な検討を加え、車両等の交通方法の合理化に必要な規定を整えたことであります。  第六に、道路における車両等の通行の停滞のため交通が著しく混雑するおそれがある場合における混雑緩和の措置、あるいは酒気帯び運転の禁止等、交通の円滑をはかり危険を防止するための措置を強化したことであります。  第七に、最近における交通事故及び交通法令違反の原因には、単に運転者の責めに帰すべきもののみならず、むしろ、その雇用者ないし車両運行管理者の責任と思われるものが少なくない実情にかんがみ、雇用者等の義務についての規定を設け、それらの者が運転者とともに交通秩序の確立に責任のあることを明らかにしたことであります。  第八に、運転免許の種別を整理して、その簡素化をはかっておりますが、そのうち、運転免許の年令につきましては、政府原案において、普通車の免許年令を十六才、第一種原付免許にあっては十四才となっておりましたものを、参議院において、現下の交通事故の激増及びこの問題に対する世論の動向にこたえ、免許年令をそれぞれ二才引き上げております。  そのほか、各都道府県における運転免許関係事務の斉一化、適正化のため、全国的な基準を命令で定めることとする等、運転免許制度の合理化をはかったことであります。  最後に、罰則につきましては、現行法制定以後の社会情勢の変化及び現行各種法令に規定する罰則との均衡を考慮して、全面的にこれを改正するとともに、過失犯の規定及び両罰規定を整備し、また、運転者が交通違反を犯した場合において酒気を帯びていたときの刑の加重についても規定したこと等であります。  本案は、去る二月十七日本委員会に予備付託となり、二月二十六日石原国務大臣より提案理由の説明を聴取いたしましたが、三月三十一日参議院で修正議決され、本付託となりました。当委員会におきましては、本法案が全文百四十余条よりなる道路交通の基本法であり、かつ、一般国民の日常生活にも影響するところまことに大なるものがありますので、前後十回余にわたって委員会を開き、また、特に道路交通法案審査小委員会を設け、その間、運輸委員会との連合審査会を開会するほか、参考人の出席を求めてその意見を聞き、あるいは実地調査を行なうなど、熱心かつ慎重に審査を行なったのであります。  その詳細につきましては会議録によって御了承をいただきたいと存じますが、あとにも述べますような本法案に対する修正案及び附帯決議におきまして取り上げられた諸問題のほか、熱心に論議された事項のうち二、三の点について御報告申し上げますと、まず、「本案の目的とする道路交通の安全と円滑も、道路交通行政の一元化ないし総合化をはかることなくしては、とうてい達成し得ないのではないか」との質問に対しましては、政府側より、「警察庁ほか交通に関係を有する行政機関相互間の連絡調整を徹底して、総合的な道路交通行政の実現を期するため、内閣に強力な機関を設置するよう推進したい」との答弁があり、また、「本法の趣旨を徹底するための方策いかん」との質問に対しましては、「交通道徳の確立と交通法令の普及をはかるため、国民運動を展開するほか、学校教育を通じ交通知識を普及するなど、法の趣旨及び内容の周知徹底に努めたい」旨の答弁がありました。  五月十七日、本案につきまして、相川勝六小委員長より、右小委員会における審査の経過及び結果について報告があり、次いで、質疑を終了いたしましたところ、小委員会の結論に基づき、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案にかかる修正案が提出され、日本社会党川村継義委員よりその趣旨説明が行なわれたのであります。  その要旨は、第一に、公安委員会は、信号機設置の権能を有するにとどまらず、いやしくも必要と認められる場所については、積極的にその設置に努力しなければならない旨を規定して、その責任と義務を明確にしたことであります。  第二は、児童または幼児の登下校の際における交通事故の頻発にかんがみ、特に誘導、合図等の措置をとる必要があると認められる場所については、警察官のみならず、緑のおばさんのごとき人々も、これらの措置をとることによって学童、幼児の保護に当たることが強く要請される旨を法的に規定したことであります。  第三は、公安委員会の行なう道路の交通に関する調査につき、これを単に調査にとどめず、必要と認めるときは、公安委員会は意見を付してその調査の結果を道路の管理者または関係行政庁に通知することにより、道路交通の安全と円滑に資そうとするものであります。  以上が修正案の要旨であります。  次いで、採決に付しましたところ、全会一致をもって三党共同修正案の通り修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、自由民主党纐纈彌三委員より、自由民主党、日本社会党、民主社会党共同の附帯決議案提出されましたが、これまた全会一致をもって可決いたしました。  決議文を朗読いたします。     附帯決議   本法の制定に伴い、政府は、次の諸点についてすみやかに適切な対策を講ずべきである。  一、警察庁、運輸省、建設省、文部省、労働省、通商産業省等交通に関係のある行政機関相互間の連絡調整を徹底して、総合的な道路交通行政の実現を期するとともに、これら関連行政の調整のために内閣に強力な機関を設置すること。  一、交通道徳の確立と交通法令の普及を図るため、とくに次の方策を講じてその徹底を期すること。   1 遵法精神を高揚するための国民運動を展開すること。とくに車両の運転者、道路の使用者等本法に関係の深い者に対しては、法の趣旨及び内容の周知徹底につとめること。   2 学校教育を通じ、学童に対して交通知識の普及を図ること。  一、道路交通の円滑、事故の防止並びに危害の予防を徹底するため、とくに次の事項について積極的な対策を樹立し、その実現を期すること。   1 学童、幼児の登、下校の際における保護の徹底を期するため、所要の行政措置を講ずること。   2 都道府県単位又は地区別に交通事故防止のための組織あるいはモニター制度を採用する等、国民の協力態勢を確立すること。   3 泥はねによる被害を防止するため、道路の補修の促進、徐行運転の励行、泥よけ器の装置等につき積極的に措置すること。  一、信号機、道路標識等の設置を促進し、交通上必要と認められる箇所については、必ずこれを設置するようにつとめること。一、安全運転の一般原則に関する基準を設定してその運用に慎重を期すること。一、乗車定員の規制については、実情を勘案し、その運用につき慎重を期すること。一、自動車教習所の指定基準の設定については、その規模、要員の資格要件、教習の内容等をとくに考慮して適正な基準を確立し、積極的に自動車教習所の質的向上を図ること。  一、交通に関する行政処分等についての苦情処理機関の設置を検討すること。  一、飲酒運転の危険性にかんがみ、本法の運用を通じてその防止の徹底を期すること。  一、交通警察の充実及びその運営の合理化を図るため、交通警察官の資質の向上及びその増員ならびに交通警察に関する予算の増額等の措置を講ずること。  一、雇用者及び車両等の運行を管理する者の義務に関する規定については、この規定の趣旨を実現しうるようその運用の適正を期すること。  右決議する。 以上でございます。  次に、消防法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、火災防止の徹底を期するため、従来の防火責任者の制度を改め、一定の防火対象物に防火管理者を設けさせ、その資格及び職務内容等について整備をはかり、また、火災の拡大の危険の著しい物品の貯蔵または取り扱いの技術上の基準を市町村条例で定めることとし、なお、消防の用に供する設備等に関する技術上の基準は、これを政令で定めることとし、地方的実情により、市町村条例でその基準以上のものを付加することもできるようにするなどの改正を行なおうとするものであります。  本案は、二月二十九日本委員会に予備付託となり、三月八日石原国務大臣より提案理由の説明を聴取しましたが、四月二十日本付託となり、慎重に審査を行ないました。その詳細につきましては会議録によって御承知いただきたいと存じます。  五月十八日質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  57. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。  日程第十三の委員長報告は修正であります。第十四の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告通り決しました。寺
  59. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第十五、国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案日程第十六、東海道幹線自動車国道建設法案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。建設委員長羽田武嗣郎君。     〔羽田蔵嗣郎君登壇
  60. 羽田武嗣郎

    ○羽田武嗣郎君 ただいま議題となりました、国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案遠藤三郎君外五十五名提出東海道幹線自動車国道建設法案の両案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案につきまして申し上げます。  国土開発縦貫自動車道の予定路線につきましては、国土開発縦貫自動車道建設法第三条におきまして、中央自動車道のうち、小牧市付近から吹田市までの区間は同法別表の通りとし、東京都から小牧市付近に至る区間につきましては、同法別表に定める路線を基準として別に法律で定め、すみやかに国会提出しなければならないこととなっているのであります。従いまして、政府におきましては、過去三カ年間にわたりまして同区間の調査を実施いたし、その概況を把握いたしました結果、本年三月十八日、国土開発縦貫自動車道建設審議会の議を経まして本法案の内容となるべき予定路線を、東京都を起点とし、主たる経過地を神奈川県津久井郡相模湖町付近、富士吉田市付近、静岡県安倍郡井川村付近、飯田市付近、中津川市付近及び小牧市付近と決定し、これを法律案として今回国会提出いたしたものであります。  本法案は、五月十三日本委員会に付託、同月十七日政府より提案理由並びに同区間の調査結果の説明を聴取した後、討論を省略して直ちに採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。  次いで、自由民主党木村守江君より左の通りの附帯決議提出せられ、採決の結果、全会一致をもってこれを可決いたしました。     附帯決議   政府は、近時道路交通輻湊の実情にかんがみ、各種交通機関を総合調整するとともに路線規格等につき、従来の計画(中央自動車道を含む)とあわせて道路整備五カ年計画を再検討しすみやかにこれが抜本的対策を樹立すること。  右決議する。以上であります。  次に、東海道幹線自動車国道建設法案について申し上げます。  最近におけるわが国自動車交通の飛躍的増大により、これに対処する道路整備の緊急性はますます重きを加うるに至ったのでありますが、特に、わが国産業の中核的大動脈たる一級国道一号線、いわゆる東海道について見まするに、その交通量は逐年倍増の趨勢にありまして現状のままをもって推移いたしますと、今後五カ年を出ずして交通は完全に麻痺の状態に陥ることとなり、これが抜本的対策樹立の必要に迫られていたのであります。従いまして、この際、同区間の重要都市を連絡する自動車専用の高速自動車国道を建設することにより、自動車交通の高速化、輸送効率の強化をはかるべく本法案が提案されるに至ったのでありましてその要旨のおもなる点は、第一には、本道路は道路法上の高速自動車国道とすること、第二には、本道路の予定路線は、起点を東京都、終点を名古屋市、主たる経過地を横浜市付近、静岡市付近、浜松市付近及び豊橋市付近とし、これを基準として政令で具体的路線を指定し、整備計画を定めること、第三には、整備計画に基づく本道路の新設または改築を日本道路公団をして行なわしめ得るようにしたこと等であります。  本法案は、五月十四日本委員会に付託、同月十七日提案理由の説明を聴取、質疑に入ったのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて、同月十八日、討論を省略して採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  61. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  62. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告通り可決いたしました。寺
  63. 天野公義

    天野公義君 日程第十七及び第十八は延期されんことを望みます。
  64. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程第十七及び第十八は延期するに決しました。寺
  66. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第十九、身体障害者雇用促進法案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。社会労働委員長永山忠則君。     〔永山忠則君登壇
  67. 永山忠則

    ○永山忠則君 ただいま議題となりました身体障害者雇用促進法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  身体障害者の雇用の促進については、従来、政府において、行政措置により職業紹介、職業訓練等の強化をはかってきたのでありますが、身体障害者は、その障害のために就職の機会が少なく、一般の者に比べて失業または不完全就業の状態に置かれている者が多い状況でありまして、これがため、諸外国においては、現在すでに十数カ国が身体障害者の雇用について立法措置を講じており、また、昭和三十年には、国際労働機関第三十八回総会において、身体障害者の職業更生に関する勧告が採択されているような実情でございます。これら諸般の情勢にかんがみ、身体障害者が適当な職業に雇用されることを促進することにより、その  職業の安定をはかろうとするのが、本法案提出の理由であります。  そのおもなる内容を申し上げますれば、求人者または身体障害者に対する指導、助言等、公共職業安定所の業務をさらに充実することが第一点であり、適応訓練の実施、身体障害者雇用率、その他、国・地方公共団体等及び一般の雇用主の行なう雇い入れ等に関して必要なる事項を定めることが第二点であり、これらに関する重要事項を審議するため身体障害者雇用審議会を設置することが第三点であります。  本法案は、二月十七日本委員会に付託され、三月二日労働大臣より提案理由の説明を聴取した後、特に、身体障害者の雇用率、雇用強制、重度障害者の雇用確保に関する措置等に関し、数回にわたり慎重なる審査を行ない、その間、五月十二日には、日本身体障害団体連合会事務局長黒木猛俊君外五名を参考人として招致し、その意見を聴取したのであります。  かくて、五月十七日の委員会において質疑を終了しましたところ、自由民主党齋藤委員外一名より、本法律案の施行期日を公布の日に改める修正案が提出せられたのであります。次いで、修正案並びに修正部分を除く原案について採決の結果、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。なお、各派共同提案により、身体障害者の雇用率の達成、重度障害者の職業確保、内部障害者等の就職促進、身体障害者職業指導官制度の設置、遺児、未亡人の優先雇用等、本法律案の運営に関する附帯決議提出されたのでありますが、これまた全会一致をもって附帯決議を付することに決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  68. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員、長報告通り決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告通り決しました。寺
  70. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第二十、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。運輸委員長平井義一君。     〔平井義一君登壇
  71. 平井義一

    ○平井義一君 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、本法案の要旨を簡単に御説明申し上げます。  近年、わが国国内輸送の分野におきましては、自動車、航空機等の発達に伴いまして、国鉄の占めてきた地位は変貌し、その独占性は著しく失われつつある現状でありますが、一方、国鉄の運賃制度は従来のままでありますため、多くの不合理を生じておる実情であります。本法案は、かかる事態に対処するため、現在の運賃制度の不合理な点を是正することを主眼とし、総体といたしましては、不増収、不減収を建前として、大要次のように改正しようとするものであります。  まず、旅客運賃について申し上げますと、第一に、現在一、二、三等の三等級制を一、二等の二等級制とすること、第二に、普通旅客運賃の遠距離逓減制を是正して現行の四地帯制の賃率を、三百キロメートルまで二等一キロメートル当たり二円四十銭、三百キロメートルをこえる部分一円二十銭の二地帯制の賃率に改めるとともに、その反面、負担増となる遠距離旅客のために遠距離往復運賃の復路割引、急行料金の引き下げ等をあわせ考慮すること、第三に、急行等の料金は現在法定事項でありますが、これを運輸大臣の認可事項とするとともに、地帯制の合理化によって大幅な料金引き下げをすること等であります。  次に、貨物運賃につきましては、現行の普通等級十二等級を十等級に、特別等級三等級を四等級として、等級間賃率の上下の幅を縮め、現在の大幅な負担力主義を、原価主義で幾分修正することといたしております。その結果、国鉄の輸送貨物で分類される千百十九品目のうち、今回の改定で上がるものは二百三十三品目、下がるものは三百二十一品目、変更のないもの五百六十五品目となっております。  本案は、去る五月六日当委員会に付託され、同日政府より提案理由の説明を聴取し、同月十一日、十三日、十七日、十八日質疑を行ない、特に十七日には、学識経験者、利用者、報道関係者を参考人として招致して、その意見を徴する等、慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  かくして、五月十八日質疑を終了し、討論に入り、自由民主党を代表して高橋清一郎委員より賛成、日本社会党を代表して久保三郎委員より反対の意見が表明され、採決の結果、起立多数をもって本法案は政府原案の通り可決すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。
  72. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 本案に対しては、長谷川峻君外二名から、成規の手続によって修正案が提出されております。  この際、修正案の趣旨弁明を許します。長谷川峻君。     〔長谷川峻君登壇
  73. 長谷川峻

    ○長谷川峻君 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案の理由並びにその内容を御説明申し上げます。  まず、修正案を朗読いたします。    国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対する修正   国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則第一項を次のように改める。   (施行期日)  1 この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。  原案は、六月一日から施行することになっておりますが、これを公布の日から起算して十日を経過した日から施行することに改めることを適当と認め、本修正案を提出する次第であります。  以上の趣旨を御了承の上、何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。
  74. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより採決に入ります。  まず、本案に対する長谷川峻君外二名提出の修正案につき採決いたします。  長谷川峻君外二名提出の修正案に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  75. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、修正案は可決されました。  次に、ただいま修正議決した部分を除いたその他の原案につき採決いたします。  修正部分を除いたその他の原案に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、修正部分を除いたその他の原案は可決されました。
  77. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 日程第二十一、昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十一年度政府関係機関決算書日程第二十二、昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十二年度政府関係機関決算書日程第二十三、昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総計算書日程第二十四、昭和三十一年度国有財産無償貸付状況計算書日程第二十五、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書日程第二十六、昭和三十二年度国有財産無償貸付状況計算書日程第二十七、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書、右各件を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。決算委員長鈴木正吾君。     〔鈴木正吾君登壇
  78. 鈴木正吾

    ○鈴木正吾君 ただいま上程されました昭和三十一年度決算外六件につきまして、決算委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  ます、昭和三十一年度決算について申し上げますと、本件は、昭和三十二年十二月二十三日、第二十八回国会に内閣から提出せられ、即日決算委員会に付託され、翌三十三年二月二十五日に政府より決算の概要を、また、会計検査院から決算検査報告に関する概要を聴取した後、慎重審議をいたしたのであります。  同年度一般会計の決算額は、歳入一兆二千三百二十五億円余、歳出一兆六百九十二億円余であり、また、各特別会計の決算総額は、歳入二兆二千三百十四億円余、歳出二兆七十四億円余であります。同年度国税収納金整理資金の収納済額は九千六百十五億円余、支払命令済額及び歳入への組入額は九千六百一億円余であります。また、政府関係機関の数は十でありまして、収入決算総額は九千七百七十八億円余、支出決算総額は八千三百六十六億円余になっております。  以上が昭和三十一年度決算の概要であります。  委員会における審議の詳細につきましては、委員会議録をごらんいただきたいと存じます。  五月十三日、本件に関する審議を終了し、委員長から、昭和三十一年度決算のうち、千百十八件についてはこれを不当と認める、特に租税、各種補助金を初め、工事、物資の調達及び保険事業等にわたって多くの不当不正事実が発生していることは、はなはだ遺憾であり、政府においては、これらの善後措置に万全を期するとともに、官紀の粛正刷新をはかり、不当不正を絶滅すべきである、決算のうち前記以外の事項については異議がないと議決すべき旨を提案いたしまして採決に入りましたところ、全会一致をもって議決案の通り議決いたしました。  なお、議決の内容につきましては、会議録に掲載することといたしまして、朗読は省略させていただきます。  次に、昭和三十二年度決算について申し上げますと、本件は、昭和三十三年十二月二十二日、第三十一回国会に内閣から提出せられ、即日決算委員会に付託され、翌三十四年二月十七日政府より決算の概要を、また、会計検査院から決算検査報告に関する概要を聴取した後、慎重審議いたしたのであります。  同年度一般会計の決算額は、歳入一兆三千九百九十八億円余、歳出一兆千八百七十六億円余であり、また、各特別会計の決算総額は、歳入二兆三千七百六十二億円余、歳出二兆千三百九十三億円余であります。同年度国税収納金整理資金の収納済額は一兆六百七十一億円余、支払命令済額及び歳入べの組入額は一兆六百五十一億円余であります。また、政府関係機関の数は十一でありまして、収入決算総額は一兆千四百二十六億円余、支出決算総額は一兆四十一億円余となっております。  以上が昭和三十二年度決算の概要であります。  委員会における審議の詳細につきましては、委員会議録をごらんいただきたいと存じます。  五月十三日本件に関する審議を終了し、委員長から、昭和三十二年度決算のうち、四百九十九件についてはこれを不当と認める、特に職員の犯罪が減少していないのみならず、租税を初め各種補助金、物件の調達、管理及び処分、各種保険事業、工事等にわたって多くの不当事項が発生しているのは、はなはだ遺憾である、政府は、これら不当不正事項についてそれぞれ善後措置に万遺漏なきを期するとともに、今後予算が適正かつ効率的に使用されるよう十分に注意し、予算の作成に際しては、本院の決算審議の結果が十分反映せられるよう考慮すべきである、決算のうち、前記以外の事項については異議がないと議決すべき旨を提案いたしまして、採決に入りましたところ、全会一致をもって議決案の通り議決いたしました。  なお、議決の内容につきましては、会議録に掲載することといたしまして、朗読は省略させていただきます。  次に、昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総計算書について申し上げます。  昭和三十一年度中に増加した国有財産の額は、一般、特別両会計を合わせて三千三百八十二億円余、同じく減少した額は二千三百四十四億円余、差引純増加額は千三十八億円余でありまして、本年度末現在額は二兆二百九十一億円余となります。  昭和三十一年度国有財産無償貸付状況計算書につきましては、本年度中の無償貸付の増加額は、一般、特別両会計を合わせて九億円余、同減少額は八億円余、差引純増加額は八千万円余でありまして、本年度末現在額は五十一億円余となります。  以上二件は、昭和三十三年二月十八日国会提出され、同日本委員会に付託せられ、同年三月四日政府より概要の説明を、また、会計検査院より同検査報告に関する概要説明を聴取し、慎重審議いたしまして、五月十三日審議を終了して、採決に入りましたところ、本件はいずれも是認すべきものと議決いたしました。  次に、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書について申し上げますと、昭和三十二年度中に増加した国有財産の額は、一般、特別両会計を合わせて二千八十二億円余、同じく減少した額は九百二十三億円余、差引純増加額は千百五十九億円余でありまして、本年度末現在額は二兆千四百五十億円余となります。  昭和三十二年度国有財産無償貸付状況計算書につきましては、本年度中の無償貸付の増加額は、一般、特別両会計を合わせて十五億円余、同減少額は三億円余、差引純増加額は十一億円余でありまして、本年度末現在額は六十二億円余となります。  以上二件は、昭和三十四年二月十四日国会提出され、同日本委員会に付託せられ、同月十七日政府より概要の説明を、また、会計検査院より同検査報告に関する概要説明を聴取し、慎重審議いたしまして、五月十三日審議を終了して、採決に入りましたところ、本件はいずれも是認すべきものと議決いたしました。  次に、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書について申し上げますと、昭和三十二年度中に増加した物品の額は三百四十七億円余、同じく減少した額は二百十一億円余、差引純増加額は百三十六億円余でありまして本年度末現在額は九百七十九億円余となります。  本件は、昭和三十四年二月十四日国会提出され、同月十七日本委員会に付託せられ、同年十一月六日政府より概要の説明を、会計検査院より同検査報告の概要を聴取した後、慎重審議に入りまして、本年五月十三日審議を終了し、採決に入りましたところ、本件はいずれも是認すべきものと議決いたしました。  この際、一言申し上げて、議員各位の御関心をわずらわしたいことがございます。それは、国会における決算審査に関する問題についてであります。  国会の決算審査に関する問題につきましては、遠く旧憲法下におきましても、最初に決算が帝国議会に提出されました第六回議会及び第八回議会の本会議において活発な論議が行なわれ、また、新憲法下におきましても、第一回国会及び第七回国会の決算委員会において種々検討が加えられ、なお、第五回国会の本会議におきましては、本間決算委員長より、昭和二十一年度決算に関する委員長報告の際に本問題について言及されたのでありますが、いまだその結論を得ておりません。  憲法第九十条には、内閣は決算を国会提出しなければならないとのみ規定し、どういう形で提出すべしということも、何のために提出すべしということも、また、提出後の取り扱いにつきましても別段規定しておりませんので、政府は、旧憲法時代より、決算を報告案件として、国会にではなく、両院別々に提出し、一たび提出すれば、解散の場合といえども再びこれを提出しない取り扱いをいたしております。また、各議院におきましても、決算を会計検査院の検査報告に基づいて各院別別に審議し、別々に議決いたし、国会としての議決は行なっていないのであります。ゆえに、新憲法が、憲法第八十三条により、国会中心財政主義の原則を採用し、国の財政処理の権限は国会の議決に基づいて行使せねばならぬことになっておりながら、国家財政の締めくくりである決算を旧憲法下と同様に報告案件として取り扱ってよいかどうかということが問題であります。  決算の制度は、申すまでもなく、国会の議決で定められた予算の執行の結果を検討し、もって予算執行当局者の責任を明らかにいたしますとともに、将来の財政計画並びに予算の編成に寄与せんがために設けられた国家財政上の重要な意義を有するものでありますが、今日、ややもすると、予算に比し、国民の血税を使用した結果である決算が軽んじられていることは、まことに遺憾にたえない次第であります。(拍手)  ゆえに、本決算委員会におきましては、国会の決算審査を意義あらしめるため、新憲法下における国会の決算審査のあり方は旧憲法下と同様でよいかどうか、すなわち、決算を報告案件として取り扱い、各院別々に審査し、別々に議決するのでよいかどうか、あるいは、議案として両院交渉案件とすべきかどうか、また、審査の方法は会計検査院の検査報告を中心として行なうのでよいかどうか、あるいは、予算の執行が効率的に使用されておるかいなかを中心に審査すべきかどうか等の問題について、三月三十日以降七回にわたり、学識経験者等より参考意見を聴取し、本問題の根本的検討に、与野党、党派をこえて努力している次第でありますので、ここにあわせて御報告いたしておく次第であります。  以上をもって報告を終わります。(拍手
  79. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) ちょっと、鈴木君、最後に付加されたことは、やはり委員会にあった意見の報告ですか。
  80. 鈴木正吾

    ○鈴木正吾君 そうです。
  81. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第二十一及び第二十二の各件を一括して採決いたします。  各件は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、各件は委員長報告通り決しました。  次に、日程第二十三ないし第二十七の五件を一括して採決いたします。  この五件の委員長報告はいずれも是認すべきものと決したとのことでございます。五件は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、五件は委員長報告通り決しました。……。
  84. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後四時四分散会