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1960-03-30 第34回国会 衆議院 大蔵委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月三十日(水曜日)     午前十一時四十四分開議  出席委員    委員長 植木庚子郎君    理事 足立 篤郎君 理事 小山 長規君    理事 坊  秀男君 理事 山下 春江君    理事 山中 貞則君 理事 佐藤觀次郎君    理事 平岡忠次郎君 理事 廣瀬 勝邦君       押谷 富三君    加藤 高藏君       黒金 泰美君    田邉 國男君       竹下  登君    塚田十一郎君       濱田 幸雄君    福井 順一君       福永 一臣君    古川 丈吉君       細田 義安君    毛利 松平君       石村 英雄君    加藤 勘十君       神近 市子君    久保田鶴松君       山本 幸一君    大貫 大八君       松尾トシ子君  出席政府委員         大蔵政務次官  奧村又十郎君         大蔵事務官         (主計局次長) 佐藤 一郎君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      小熊 孝次君         大蔵事務官         (主税局長)  原  純夫君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      木村 秀弘君         建設事務官         (河川局次長) 曽田  忠君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁財政局         財政課長)   松島 五郎君         大蔵事務官         (主計官)   大村 筆雄君         大蔵事務官         (主計官)   宮崎  仁君         専  門  員 抜井 光三君     ――――――――――――― 三月二十九日  委員福永一臣君及び鴨田宗一辞任につき、そ  の補欠として岩本信行君及び河野孝子君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員岩本信行君及び河野孝子辞任につき、そ  の補欠として福永一臣君及び鴨田宗一君が議長  の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 三月二十六日  各種学校を設置する公益法人に対する課税措置  撤回に関する請願外一件(淺香忠雄紹介)(  第一八五〇号)  同外二件(大倉三郎紹介)(第一八五一号)  同外四件(押谷富三紹介)(第一八五二号)  同(原田憲紹介)(第一八五三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申入れに関する件  交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改  正する法律案内閣提出第三九号)  関税定率法の一部を改正する法律案内閣提出  第五一号)  関税暫定措置法案内閣提出第五二号)  治水特別会計法案内閣提出第七〇号)  国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律  案(内閣提出第一〇九号)      ――――◇―――――
  2. 植木庚子郎

    植木委員長 これより会議を開きます。  連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。  ただいま商工委員会において審査いたしております海外経済協力基金法案につきましては、本委員会の所管とも密接な関連を有しておりますので、商工委員会に対し連合審査会開会申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 植木庚子郎

    植木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会は明三十一日午前十時三十分より開会を予定いたしておりますから、御了承願います。     ―――――――――――――
  4. 植木庚子郎

    植木委員長 なお、この際御報告申し上げます。  昨日、本委員会において審議いたしておりました治水特別会計法案に対しまして、農林水産委員会より連合審査会申し入れがございましたが、昨日御存じのような事情委員会を開くことができませんでしたこと、並びに緊急を要する本法案の性格にかんがみ、本日の理事会において協議いたしました結果、お断わりすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。      ――――◇―――――
  5. 植木庚子郎

    植木委員長 去る二十三日付託になりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案議題といたします。     ―――――――――――――
  6. 植木庚子郎

  7. 奧村又十郎

    ○奧村(又)政府委員 ただいま議題となりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  第一は、現在、国等公庫等との間に人事交流が行なわれておりますが、現行の国家公務員等退職手当法は、退職手当の算定について、国家公務員等としての引き続いた在職期間基礎とすることを建前とし、また、退職手当支給割合の構成が長期勤続者優遇建前で作られておりますため、国家公務員等で、任命権者の要請により、途中において公庫等職員となり、再び国家公務員等に復帰した者が退職する場合は、退職手当の面で不利益を受ける結果になっております。今回、国難と公庫等との間の人事交流実情にかんがみ、退職手当の額の計算について付例を設け、以上のような不合理を是正しようとするものであります。すなわち、この場合には、先の国家公務員寸としての在職期間が後の国家公務員等としての在職期間に引き続いたものとみなした場合に受けることとなる退職手当支給割合から先の国家公務員等としての在職期間に対する退職手当支給割合を控除した支給割合を、その者の退職町の俸給月額に乗じた額を、退職手当として支給することとしようとするのであります。なお、この特例は、昭和三十五年四月一日以後の退職者について適用することとしております。第二は、現在、国家公務員等に支給される失業者退職手当は、すべて公共職業安定所において支給されておりますが、季節的に多数の退職者が同一地域で発生するような場合には、公共職業安定所正常業務の運営が阻害される傾向がありますので、この点につき、所要の特例を設けようとするものであります。  すなわち、政令で定める職員については、その者が退職の際所属していた官署または事務所等において支給することとしようとするのであります。  以上が、この法律案提案理由及びその概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
  8. 植木庚子郎

    植木委員長 これにて提案理由説明は終わりました。      ――――◇―――――
  9. 植木庚子郎

    植木委員長 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案関税定率法の一部を改正する法律案関税暫定措置法案及び治水特別会計法案の四法律案を一括して議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。石村英雄君。
  10. 石村英雄

    石村委員 関税暫定措置法案についてお尋ねいたします。  まず、二条関係で、五要機械について免税をすることになっておりますが、現在、三十四年度でけっこうですが、機械類関税収入が一五%の適用の分についてどのくらいあるか。それと、機械類の中で工作機械についてどれだけの関税収入があるか。また、二条関係重要機械という意味で現在も免税になっておると思うのですが、この免税額がどのくらいになるか。ごく大まかでいいですから、簡単に数字を御報告いただきたい。
  11. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 年度全部の計算が出ておりますのは三十三年度でございますので、三十三年度で申し上げますと、一般機械類として一割五分の課税をいたしました分が六十三億七千六百万、それから重要機械として免税をいたしました分が六十六億八千五百万になっております。
  12. 石村英雄

    石村委員 そうすると、結局工作機械としてはわからないわけですね。
  13. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 工作機械として統計上特掲いたしておりませんので、わかりかねます。
  14. 石村英雄

    石村委員 一五%という基本税率機械についてかけておりますが、この関税趣旨は、財政収入目的とした関税考えるのか、あるいは国内産業保護目的とした関税として考えるか、これはどちらの点においてかけられておるか、政府の御見解をお尋ねいたします。
  15. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 これは主として国内機械製造業保護として設定されておるものと思います。
  16. 石村英雄

    石村委員 そうすると、今度の免税対象になる機械は、国内産業において、遠い将来は別として、現在のところほとんど競争がない、少なくともここ一年はこういうものは国内では生産はできない、こういう考え免税になっておる、こう理解していいわけですね。
  17. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 その通りでございます。
  18. 石村英雄

    石村委員 私はこの前は大蔵委員でありませんでしたが、その前のときから、いつもやはり免税機種が問題になっているようです。特に工作機械のようなものは、もう国内でできるじゃないか、この分はできる、できぬとか言って、いろいろ議論があり、また、大蔵省当局も、毎年いろいろ検討されて、はずしたり加えたりということをやられておったように記憶しておりますが、やはりそういうことはなさっていらっしゃるわけですね。
  19. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 今仰せになりましたように、政令段階機種指定いたします場合に、現在政令に載っかっておるものでも、次第に国産ができてきておる、あるいは国産品がすでに試作の段階を越えておるというようなものにつきましては、逐次削除いたしておりますし、また、全然国産のないもので、新たに設備近代化等関係で入ります分については、追加をいたしております。
  20. 石村英雄

    石村委員 日産ができるかできないか、いろいろ問題があろうと思うのですが、業界事情を聞いてみますと、これは免税してまでそういうことをやらせる必要はないじゃないか。免税の結果、特に、上作機械関係のように思うのですが、むやみやたらに外国品を使う。その結果、それも外国品が入って大いに動いておればいいのですが、大企業なんかになると、やはり官庁みたいになわ張りとかなんとかいうことで、競争で新しい作機械を買おうとする。その結果過剰投資を非常に招いているというようなことを聞くわけですが、政府の方ではそういう現状についてはどのように見ておりますか。
  21. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 確かに業種によっては過剰投資になる傾向のものもあるかと思いますけれども、最近まで人ってきております重要機械類は、一応外貨割当をいたします際に、通産省でもって申請をとりまして、そしてそれが真に必要な機械類であって、どうしても輸入に待たなければならぬというような判断がなされたものに対してのみ、外貨割当をされておるのでありますが、大蔵省といたしましては、なおその上に、免税に値するものかどうかという観点から、再度約半分くらいにしぼりまして、そして指定をしておるわけでございまして、そういう二つ段階を経てきておりますので、真に必要なもの以外に入っているということは、今のところあまり考えておりません。
  22. 石村英雄

    石村委員 こういう問題は、別に大蔵省をきめつけてかかって、これは間違っているぞと言うほどのこともないと思うので、一般的にどう考えるかということになると思うのです。そこで、今度政令または告示工作機械については特に告示で明らかにされるという点も非常に多いように思うのです。工作機械では、場所にもよるわけですが、単に旋盤だとかなんとか簡単にか書いてある。そして、その旋盤の中のどの分を免税させるかということは、告示に談っておるように思うのですが、そうなんですか。
  23. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 一応政令で大きなところを指定いたしまして、そして細部について告示で公表するという建前をとっております。
  24. 石村英雄

    石村委員 今度の政令案というものの確定したものを持っておりませんから、どういうことになるか知りませんが、大体聞くところによると、別表二の分は金属切削研磨用工作機械うち次に掲げるもの、旋盤、フライス盤、平削盤――プレーナーとかなんとかいうものですが、それから歯切盤とかなんとかありますが、プレーナーならどういう精度プレーナーだということを告示で徹底されるわけですか。
  25. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 さようでございます。
  26. 石村英雄

    石村委員 これは専門家でないとさつぱりわかりません。われわれしろうとが何とも言うわけにいきませんが、現在の分について考えると、今の平削盤についていえば、「平坦度が二メートルにつき八ミクロン以内に切削することができる」こういうようなことがあります。これは単にプレーナーに限らず、ほかにもいろいろこまかな精度なりなんなり規定があるでしょう。これは、輸入されるときに、税関で、はたしてそういう精度を持っておるか、二メートルについて八ミクロンのような、そんな性能のものであるかどうか、これは税関でお調べになる。ただ向こうが、輸入した人がこれは八ミクロン以下だというので、すぐ免税になさるのか、それとも、機械試験場というか、研究所かそんなところに持っていって調べておやりになるのか、どういうことになりますか。
  27. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 機械輸入します場合は、ただいまは通産省外貨割当輸入しておりますので、大体どういう品物に対して割り当てるかということが事前にわかるわけでございます。そうしますと、その中から一部国産のできるものがございますので、各メーカー等の調査によりまして、その輸入される機械部分の中から国産できる部分をはずしまして、それで、今仰せになりましたように、平坦度が二メートルにつき八ミクロン以上のものはできるということになりますと、それ以内のものを免税するということになります。そして、現実にものが入ってきました際には、税関関税部というのがございまして、そこで、専門家が、はたしてこの告示条件に該当するかどうかということを検査いたしまして、もし該当しておれば免税をいたします。該当しておらない場合には課税をする、こういうことに相なります。
  28. 石村英雄

    石村委員 そういうことがやられなければ意味をなさぬと思うのですが、この八ミクロンなんかは実際やっていないのじゃないですか。これは相当な設備がなければわからないはずです。
  29. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 品物によりましては非常に部品がばらされて入ってくるものがございますので、必ず波止場で見るとは限りませんけれども、工場に着きまして、そしてそのところへ出張検査をいたしまして検査をするわけでございまして、全然手を抜いて検査をしないとか、少なくとも条件がある以上は、その条件に合致しておるかどうかということについて手を抜くということはございません。
  30. 石村英雄

    石村委員 ほんとうかうそか知りませんが、私の聞いた範囲じゃ、そんなことは行なわれていないというのですね。大体普通輸入するときには、メーカーの方の、出荷側の試験の保証書によってもうそれを全部信頼して大体やっておるということです。それから、今例としてあげたプレーナーの八ミクロン以下についてというのは、現在ではアメリカグレーとかいう会社からしか入らないそうです。グレーという会社が大いにいばっておって、おれのところは保証書を出す必要はないと言って、保証書も出さない。保証書が出ておったって当てにはなりませんが、それの輸入免税で認めてしまって、何もしていない。グレーの分については保証書もないが、そのままやられているというのが実態だと聞いておる。あなたの方じゃ、そうではないとおっしゃるわけですが、これは税関部長理屈上そうだと言われるのですか。実際それをやっておるかどうか。下の方を実際お調べになっておるのですか。そういう建前だというだけの話ですか。建前と実施されておるかおらぬかということは別問題です。
  31. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 たとえば同じ会社の製品でもって規格の同じものが何回も入ってくるという場合には、ただいまおっしゃいましたように、ある程度最初の検査を信頼して、あとはこの規格品でございますと細密検査を省略するということはございますけれども、初めから全然その検査をしないというようなことはございませんので、  一応メーカー側のいろいろなデータ金属でございますとか分析表とか、あるいは今のような機械部品になりますと仕様書とかいうものは取り寄せますけれども、これはあくまでも参考でございまして、それを基礎にして検査を実施しておるわけでございます。
  32. 石村英雄

    石村委員 それでは、このアメリカグレーという会社プレーナーについて、八ミクロン以下の分について検査したならば、いつどこへ入った機械をどういう方法で検査せられたことがあるかないか、明らかにしていただきたいと思います。
  33. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 突然でございますので、これがどこへ入っていつ検査されたかということは、ちょっとここで申し上げかねますので、あとで調査しまして御報告したいと思います。
  34. 石村英雄

    石村委員 まあそれでけっこうです。しかし、私の聞いたところでは、そんな検査は行なわれていない。やろうにも、大蔵省税関専門家の出では―これは設備か何か必要なんでしょう。機械か何かで調べなければならぬから、やろうとしたってできないことかもしれません。しかし、やっておるということならば、その事実を明らかにしていただきたい。あとでけっこうです。  それから、えらく八ミクロンにこだわるようですが、この八ミクロン以下のプレーナーが今国産されておると聞いておるのですが、どうですか。
  35. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 これは、指定をいたします際は、主管の通産省の、今の品物でございますと重工業局、それから業界意見を聞いて指定をいたしますので、おそらく国産ができておるというふうにはちょっと考えられませんが、指定の際は、今申し上げたように慎重な手続を経て指定をしておるわけでございます。
  36. 石村英雄

    石村委員 この免税機種の中に、特に工作機械なんかは国産でできるものが相当入ってくるというのです。これは業者の言うことですから、あるいはほんとうでないかもしれません。ひいき目に見て言っておるということがあるかもしれません。しかし、今のプレーナーについては、これを直接作ったところから聞いたわけではありませんが、何か通産省の方で調べに行って、これは満足すべき状態だといって係官が帰ったというところがあるそうです。富士とかなんとかいう―富士精密というのは作るかどうかしりませんが、頭に富士という名がつくということだけ聞きましたが、そこで八ミクロンとか七ミクロとか作っておる。通産省の方で調べて、これは満足すべき状態だと言って帰った。やはり相当そうした問題が実際問題としてこれ以外にもあるのではないかと思うのです。なるほどたくさんどんどん作っておるほど国産はされていない。しかしやろうと思えばできる。一つ二つは作ったというのがこの中にあるのじゃないかと思う。すると、やはり日本は特に工作機械というものはおくれたところですから、国内でなるべく売れるようにしてやらなければ、いつまでたったってこういう業種は育っていかないと思うのです。しかも、日本機械業界では、聞くところによると、外国から見に来ると、案内して歩くのに、この機械はやれイギリス製でござい、これはスイス製だとか、外国機械を持っておるのを自慢のようにして、そんなことばかりをやっているそうです。そういう外国品尊重というか、崇拝の風潮が依然としてある。日本において免税までしてやられたんじゃ、いつまでたっても育たないのじゃないか。現在でも、聞くところによると、五〇%が国産で五〇%が輸入だ。こういう基礎的な業種については、政府としてももっと力を入れるべきだと思う。全然できないものは、それは免税にするのがあるいはいいかもしれませんが、しかし、免税にしなくても、そういう風潮のあるところではやはり買うのだと思うのです。それを免税まですれば、必要のないものまで買って人に見せていばる。つまりこれは外国機械を買っているということが広告になるのだそうです。極端に言えばただ広告宣伝意味機械を買う。現状はそういう状況であるそうなんです。そうだというのは、私は業者でありませんからそうだと伝え聞くのですが、そういう現状であるとすれば、免税にする必要はないのじゃないか。宣伝のために外国機械を買っていばっている、うち会社外国のやれ何とかのを入れた、こういって、今広告費のかわりになっている。その品が免税にされておる。そうして免税の結果は国内産業は育成できない。ということは、ただ国内でできないから免税にしてやりますという簡単な筋論でやるべきことじゃないのじゃないかという感じがするのです。そんなことはありませんと言われればそれきりですが、大体こういう問題とどのように取っ組んでいらっしゃるか、あなた方の心がまえというものをはっきり聞いておきたいのです。ただ、今できないと思いますから一五%の免税をします、それでいい機械を買わせてやります。これは一つの見方でしょう。理屈でしょうが、現実はそうではないという声があるとすれば、大蔵省としてももっと慎重に実情調べて、こういうものについては免税なんかすっかりやめてしまう。小麦とか学校給食用脱脂粉乳とかはこれは別問題ですが、こういう重要機械、特に工作機械のようなものについては、免税をやめてしまうということも一つの行き方だと思う。どのようにお考えですか。
  37. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 ただいま御指摘になりましたのとわれわれも全く同じ気持で、機械類につきまして一五%の保護関税をもってやる以上は、できるだけ国産品で間に合わしたい。現在国内でできておるものはもちろんのこと、近い将来にでき得る可能性のあるものについても、できるだけしぼりまして、免税範囲を少なくしたいという気持作業をいたしております。これは全く今仰せになったお気持と同じ気持作業をしております。しかし、一方におきまして、機械使用者側立場としましては、現在企業合理化設備近代化等の必要もありまして、こういう要求が非常に熾烈でございますので、ある程度利用者側立場にもなって考えなくちゃならぬという面もございます。従って、将来この重要機械類免税問題をどう取り扱うかという大きな方針としましては、今年度関税率審議会を強化いたしまして、自由化を前にして関税率の一般的な検討をいたすことになっておりますので、審議会にも諮りましていろいろな御意見も承って、将来の基本的な態度をきめたいと思います。ただ、現在までのところは、気持としては今おっしゃったような気持で、できるだけ範囲を少なくするという趣旨関係各省とも折衝をいたしておりますが、どうしてもこれを今直ちに全廃するということになりますと、この利用者側要求等から見まして、まだそこまで諮ることは無理な面もありますので、現在のようにこの規定が残っておるわけでございます。将来の運用の方針につきましては、今おっしゃったような方針でできるだけしぼっていく、国産の見込みも当分ないもの、そういうものにだけ限定していくという考えで進んでいきたいと思います。
  38. 石村英雄

    石村委員 やはり業者の方にそういう希望があるという事実は、これは否定できないと思うのです。その希望なるものが、さっき言ったように、うちにはやれスイスのどんな機械を持っておりますという宣伝材料に持ちたいという希望、それでは一五%の免税をしてまで宣伝をやらせる必要はない。業者はそういうことを希望するかもしれぬが、希望理由は、腹の底はそうだ。あなた方が見に行かれても、おそらくそう言うだろうと思う。うちにはスイスのなにを持っております、アメリカのなにを持っておりますと、こう言う。しかもさらに、専門家に、一体なぜ国産できるものでも外国品を買いたがるか、こう聞くと、関係者が言うのに、実はその機械を入れたとき間々失敗があるそうですね。国産であろうが、外国品であろうが、所期の目的通りのなにが出てこないということがある。そのとき、重役というか社長に言うのに、世界一流会社のものを買いましたが、失敗したのですからやむを得ません、こういうお断りの材料に使う。国産品を使って失敗すると、お前そんなものを買うからいかぬ、こうしかられる。そこで、しかられても困らぬ、言いわけのできるように、とにかく世界一流という評判のもの、それだけを買って糊塗しようとする。そういう風潮があるそうなんです。これらを考えてみると、もう国産できるとかできぬとかということでなしに、頭から一五%全部とる、あるいは一五%が高ければ一〇%に下げるとかなんとか、そういう方法を講ずべき時期ではないかと思う。国産できませんなんということを言ってやっておれば、いつまでたったってこの問題は解決つかない。できるものが免税になってみたり、無理に免税までして入れる必要のないものまでが免税になって入ってくる、こういう結果を招来すると思う。原主税局長は眠っておられるようですが、これはあなたの責任だと思う。(笑声)いや頭が痛くて下を向いておられたのだろうと思う。決して眠っておられたのだとは思いません。たまたまここの空気が悪くて頭が痛いのだと思いますが、主税局長、知らぬ顔をしないで、もっと局長としての見解を明らかにしていただきたい。今まで通りの見解なら無理に聞く必要はないです。きわめて常識的な、しかも実態に沿わないやり方を続けている、こう言うのです。それから、奥村政務次官も、これは政治家として頼みます。税関部長のお話はわかりましたから、お二人のお考えをお願いします。
  39. 原純夫

    ○原政府委員 眠っておったのではありませんで、伺いながら、さすがに石村先生はいい御質問をなさると思っておったのであります。(笑声、拍手)実はそのことで申しますれば、私局長になりましたのは昭和三十一年の夏でございますが、そのとき、御記憶の税制調査会で三十二年の大税制改正のもとになる研究をしておったわけです。その一環として特別措置の大幅な整理を行なったわけですが、そのときに実は特別措置の表がありました。私は税関部の話を聞きましたが、当時までは特別措置の表にこの重要機械免税が入っていなかったのです。しかし、これはやはり相当検討しなければならぬぞということで、友に入れまして検討いたしました。当時そのために何回か局議も開き、検討いたしたものであります。そういう意味で、私は、この問題については、相当前から関心を持って検討を続けてきたつもりであります。何回も会議をやったということは、結局今お話しになりましたような免税をやめるべきだという議論と、いややはり続けるべきだという議論が相当あったということであります。今大へん業界の実態に即した御観察から御注意がありましたので、私も大へんありがたい御注意と思って伺っております。そういう角度での検討をさらにしなければならぬと思いますけれども、しかしながら、この制度を全然やめてしまうかどうかということになりますと、どうもこの法律趣旨でありますところの国産できないものを、一利五分の税を取って、生産のコストを高くするかどうかという議論になりますと、やはり相当そこは問題だということで、結局当時もいろいろ議論がありましたが、やはりやめてしまうのは問題じゃないか、しかし、マンネリズムになってはいけないから、毎回洗う際の態度は相当慎重にやらなければならないのじゃないかということで、自来やって参りまして、毎年洗います際には、税関部の作業は相当膨大なものになりますけれども、努力してやっております。スケールにおきましても、当時からだんだん経済は発展してきておりますが、それとの比較では、やはり実質的にはおっしゃるような気持が相当入った運用ができておるというふうに記憶いたしておりますが、本日いろいろ御指摘いただきました点は、私どもはともすれば見のがしがちなところでありますので、大へんありがたい御注意と承って、今後述川上十分に注意して参りたいと思いまするし、また制度の根本についても、申し上げましたように両論あって、すぱっとやめ切るわけにはいかないというのが、今までの判断でありますけれども、なお念を入れて検討いたしていきたいと思っております。
  40. 奧村又十郎

    ○奧村(又)政府委員 ただいま主税局長の御答弁の通り考えております。
  41. 石村英雄

    石村委員 実は同じ御答弁は、かつて渡辺さんが主税局長のとき、渡辺さんからそういう話を聞きましたが、ちっとも根本方針は変わっていない。しかし、くどいからもうやめますが、もっと実態を調べて、思い切って一一五%の税金をとったって一向影響はないという見地に立っておやりになる方がすっきりしてよかろうと思います。私がこういうことを言うのは、実は機械工業会の方から私のところへこんな陳情があって言うのじゃない。ああいうところは、社会党というものをおそれているのかばかにしているのか知りませんが、何にも言ってこない。どうもおかしいと思って、関係者二、三に聞いて、今質問するようなことを聞き出したにすぎない。向こうから一つ言ってやってくれなんということは、一言も言ってこないところなんです。しかし、私は、言ってこようがこまいが、おかしいことはやめさせなければならぬ。一五%全部とった方がいいと私は考えるのです。そういう広告費みたいな意味で買うような機械は――それは全然広告ばかりでもないでしょうが、半分は広告あるいは責任のがれです。そういう意味で買うものを免税にまでする必要はない。  それと、いま一つ、これは別個な問題ですが、もしそれほど外国のものがいいならば、一体償却関係外国品の方が長くなっているのですか。同じ機種の場合、国産と比べて区別がありますか、ありませんか。
  42. 原純夫

    ○原政府委員 区別はございません。ただ例の特別償却制度がありますから、特別償却に指定される割合が外国品の方が多いということはあるだろうと思いますが、一般の耐用年数体には変わりがありません。
  43. 石村英雄

    石村委員 その特別償却に外国品が適用されるということは、外国品の方がそれほどまた優遇されることになるのではないですか。私の言うのは、かりに外国品がいいというので買いたがるなら、長持ちもするだろう、だから償却年数はうんと長くて、国産品の方はすぐがたがたがくるという趣旨なら、耐用年数を短くしてやるというやり方もできるのではないか、むしろそういうのが合理的ではないかという意味でお尋ねしているわけです。そういうお考えはありませんか。
  44. 原純夫

    ○原政府委員 耐用年数は、御案内の通りに、業種別の総合年数、それからその中での種別の分別年数というようなことでやっておりますので、それを外国産国内産とに分けておるということまではいっておりません。ただいまお尋ねの趣旨一つの、材質その他がいいから、もっと長く持つはずだということはありますが、同じ種類の設備機械について、材質がいいからというので年数を長くするということまでは、実はやっておらないのでございます。  なお、特別償却に外国品がよけいに適用になるだろうと申し上げたのは、外国品といって指定しておるのではなくて、あの制度は日本経済の再建といいますか、堅実な伸びのために必要なもの、あるいは合理化のために必要なものについて特別償却を認めるということでありまして、外国品と内国品と区別しないのでありますが、やはり設備のいい、エッセンスのところを特別償却をやらすという建前でありますので、どうしても精度のいいと申しますか、エッセンスになる機械が特別償却の適用を受ける。輸入してくるほどのものの中には、そういうものの割合が多いだろうと申したわけでありまして、別段外国品だから特にということはないのでありますが、別の面からそういうふうに優遇しているということであります。
  45. 石村英雄

    石村委員 そういうように国産外国品との差を償却年数で区別するという考え方は、荒唐無稽の考え方といいますか、一考を要する問題とお考えになりますか。いかがですか。
  46. 原純夫

    ○原政府委員 国産外国品とでこの区分をするというのは、どうも私はかなり問題ではないか。税に関して外国のものを内国のものと同待遇にするしない、いわゆる内国民待遇というようなことは、いろいろ国際的にも税の関係があるわけですが、外国から来る機械は年数を長くするというようなことをするのは、そういう角度からも問題ではないかと思います。むしろ、そういう御趣旨は、一般に材質がよろしい、がっちりできているものと、ちゃちなものとを、年数を違える問題として議論をすべきではないか。例としては、戦争中にできました戦標船その他の年数を短くしたというようなことがあります。建物なんかでも、戦後の特殊なものを短くしたというような例がございますが、そういうオーダーの問題として考えるべきであろうと思います。今や経済もだいぶ正常化して参ったということで、いわゆるバラック式なものを特に頭に入れて考えるというようなことはないと思いますが、むしろ今のお話は、中小企業的なものが待つものをどう見るかというような線に置きかえて見るならば、それも一つだろうと思いますが、平板に材質あるいは構造等でこまかく年数を何段かに刻むということは、もちろん私は理論的には考えられることだと思いますが、実際問題としてはなおよく検討いたしてみませんと、にわかにそういう仕組みをとるかどうかは、ちょっと今ここでは申し上げ切れないということでございます。
  47. 植木庚子郎

  48. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 臨時地方特別交付金のことについて、大蔵省並びに自治庁にちょっとお伺いしたいのです。  今年度は相当の増収があったにもかかわらず、大体二十九億八千万円程度で、財源措置については相当考慮はされておりますけれども、三十五年度は本格的な災害復旧第二年度でありまして、起債充当率も相当減ってくるので、災害発生後三年の間はもう少し何とかしてもらわなければいかぬという声が多いのですが、この問題についてはどういう御配慮をしておられるか、大蔵省並びに自治庁にお尋ねしたいと思います。
  49. 大村筆雄

    ○大村説明員 三十四年度におきます所得税の減税に引き続きまして、三十五年度住民税の減税が実施されるわけでございますが、その結果おおむね百二十億程度の減税が実施される予定になっております。その百二十億の減税に伴いまして、地方側の減税財源をどうするかという問題がございますが、これにつきましては、三十五年度予算編成の際に政府部内で種々検討いたしました結果、来年度地方税の自然増収は約八百二十億でございます。これは住民税減税後の増収額でございます。それから、地方交付税におきまして、三税の伸びが相当ございますので、約三百四十九億円という自然増収がございます。従いまして、千億以上というかつてない大きな自然増収というものが、地方の財源として予定されているわけでございます。ただその際、地方団体側といたしましては、地方の財源がそれだけ減るのだから、自然増収はあっても、とにかく百二十億程度の補てんということは要求されておりましたが、かつてないこのような自然増収がございますし、かたがた国、地方の財政事情を勘案して減税をやるという減税公約の趣旨から考えまして、住民税の減税補てんという考え方をとらないということにいたしたわけでございます。ただ、地方団体が全国で三千以上あるわけでございますので、一口に自然増収が何百億あると申しましても、団体によって違うわけでございますので、団体によりましてはその間の減税の実施を円滑ならしめる必要があるという趣旨で、三税の〇・三%に相当いたします約三十億というものが、臨時地方特別交付金ということで計上された次第でございます。
  50. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 大村さんの説明は上から見た考え方であって、なかなか地方財政は苦しい立場で、特に災害地などはあなたがお考えになっているような状態じゃない。特にこの災害地の町村の悲惨な状態は、私らとしては、あなたの御意見に納得しない点があるわけです。そういう点で、公債の問題等、あるいはほかに財源を求められる点においては、私たちも非常に心配しておるのですが、こういう点について、もう少し大きな見地から、地方財政を救うというような方法を考えられてはどうか。なるほどあなたの計算では自然増収があると言われておりますけれども、しかしそれは災害のない土地だと思うのです。災害地などは町村にほとんど収入がないようなところもあるので、こういう点について特別交付金をふやしてくれという意見は、百二十億の要求があったというのは、私は無理はないと思うのです。そういう点についての御配慮が足らないのじゃないかと思うのですが、私らの納得のいくように、災害地についてもわれわれが十分説明できるような回答を一つ与えていただかないと、なかなかこの問題についてわれわれは賛成しがたいのですが、もう一度その点を答えていただきたい。
  51. 大村筆雄

    ○大村説明員 先ほど、来年の自然増収が地方税におきまして八百二十億、地方交付税におきまして三百四十九億と申し上げたのでございますが、御承知の通り、地方交付税の配分につきましては、各団体ごとに基準財政収入というものを算定いたしまして、片方で基準財政需要というものを算定いたします。その差額を交付税として配分いたす仕組みになっております。従いまして災害地における需要をどう見るか。災害地における基準収入が主となるかと思いますが、災害地におきましてはそういう収入の減もおそらく相当あると思いますが、そういう基準財政収入というものを的確に見積もりまして、その差額が交付税として参る。その間において特別なそういう要素も織り込まれることになるかと思いますが、なお財政需要等の特別な問題がある場合には、特に交付税の中で六%だけ特別交付税として保留されておりますので、その特別交付税の配分の際にある程度の考慮も払えるのではないか、かように考えております。
  52. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いろいろ説明をされても、私たちなかなか納得のいかない点がありますので、なお起債の点について、自治庁だと思いますけれども、大体起債のワクの十七億の二倍に達しておったにかかわらず、起債のあれが少ないということで、地方団体が非常に困っているわけです。もう少し起債の方法で救う道はないかというふうに思っておりますが、自治庁としてどういうふうにお考えになっておるか。この点を一つ承っておきたい。
  53. 松島五郎

    ○松島説明員 災害に関する起債につきましては、昨年度に比較いたしまして七十億ふえております。御承知の通り、公共災害復旧事業につきましては高率の国庫補助制度が特例法によって制定されておりますので、三十四年度当初の災害復旧事業費に対しましては、地方負担の増は来年度公共分では十五億の増となっておるのでございます。そういった面で、一面において起債のワクもふえておりますし、国庫負担率の面においても増加しておりまして、公共災害に関する限りは、少なくとも地方負担がそう急激にふえておるという状態でもございませんので、この起債の配分を通じて適切な措置を講じて参りたい。  なお、単独災害復旧事業につきましては、それぞれ所要額を財政計画に計上いたしまして、またただいま申しました起債の増額分も充当いたしまして処置して参る、こういうふうに考えておる次第でございます。
  54. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 時間があまりありませんから、この問題はまた他日にお尋ねしたいと思います。  治山治水関係で河川局にお尋ねしたいと思います。伊勢湾台風の高潮対策につきましては、具体的に相当予算がつぎ込まれておりますが、九月ごろになると、地方の人は非常に心配しておりますので、その点の処置がうまくいっているかどうか。
  55. 曽田忠

    ○曽田政府委員 お答えいたします。  伊勢湾高潮対策事業の実施の問題でございますが、この点につきましては、目標といたしましては、ことしの台風季までに原形高にとりあえず復旧するという方針で進んで参りまして、三十四年度並びに三十五年度の予算にそれぞれ必要額を計上して参っておりまして、現在の見通しといたしましては、大体七月の台風季までには原形高に復旧するという目標で進んでおります。
  56. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 原形復旧ができて、ことし風が吹かなければいいけれども、もし去年のようなあれでなくとも、相当な風が吹いた場合には、あの原形復旧でどうにか持ちこたえられるかどうか。あなた方専門家だから一つその点をお尋ねしたい。
  57. 曽田忠

    ○曽田政府委員 原形高の復旧でございますので、特に昨年のような異常な伊勢湾の高潮、そういう事態が起こりません限りにおきましては、大体の通常の程度の台風におきましては、一応安全な程度まで考えたいというふうに考えております。
  58. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 それから、木曽川の愛知県側の堤防が相当切れていますね。それなんかの補修も全部できますか。
  59. 曽田忠

    ○曽田政府委員 これも同じように、原形高程度におきましては、七月の台風までに完成したいと考えております。
  60. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 それから、これは運輸省の関係だと思うのですが、横須賀から桑名方面にいく防潮堤、この問題については、やり方によっては相当の関係が出てくるのですが、その点については大体うまく進捗しておりますか。これはあなたの管轄外だと思いますけれども、横須賀から桑名に至る防潮堤の問題、これはたしか五億円の予算がついたと思いますが、宮崎さん。
  61. 宮崎仁

    ○宮崎説明員 私も直接の担当でございませんが、大体承知しておる限りで申し上げます。  三十五年度の予算におきまして、名古屋港を復旧いたします大防波堤として実施計画調査及び工事の実施準備ということで、五億円の予算、がつけられております。現在、運輸省におきまして、すでに三十四年度の補正予算及び予備費によりまして、着々調査を進めておりまして、大体現在の段階でほぼ簡単な実験と計算上の設計というふうなものはできたようであります。これから建設省その他の関係の研究所、あるいは技術部局と打ち合せわせをいたしまして、この防波堤の計画が妥当なものであるかどうか、またそれを天際  にどのような形で実施いたすべきかどうか、というようなことを検討する手はずになっております。大体そのような協議の結論を六月ごろまでに出したい、こういうことを運輸省の方で予定しておるようであります。私どもも、大体その予定に沿って、今調査その他が進んでおる、こういうふうに承知しております。
  62. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 これは建設省の道路局の方の問題かと思いますが、実は第一国道の舗装がされました。これは非常にうまくいきまして、現在大体三億五千万円くらいの予算で、あるいはかさ上げになりまして、これは非常にうまくいきました。ところが、私どもの方の津島市というのは、非常に工場地帯がたくさんありまして、これは前年初めて今までになく水が入ったのですが、工場を持っている人の言うことには、ことしまた水が入ったら、大へんな損害になる、それだから、あの第一国道から、こちら側の、側面の方までは、何とか、かりに海岸堤防が切れても、どうにか水が入らないような処置がしてもらえるかどうか、これは県の方の仕事になるかしれませんけれども、こういう点について、もし水が入るようなことがあれば、工場の設備をやり直さなければならぬというようなことを言っておるわけですが、この点については、建設省は、こういうことはこうやれるというような自信のある答弁をしていただけるかどうか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
  63. 曽田忠

    ○曽田政府委員 先ほど申し上げましたのは、一応ことしの七月を目標といたしまして、原形差高に高潮対策事業の海岸堤防を復旧することを申し上げたわけでありますが、最終のねらいといたしましては、昨年の伊勢湾台風程度の台風が参りましても、堤防破堤がないというような目標のもとに、今回の伊勢湾高潮対策事業というものを実施するわけでありまして、われわれといたしましては、昨年程度の台風でございますれば、堤防の決壊は起こらないという前提で、工事を進めて参りたいと考えております。従いまして、この堤防の破堤を予想いたしまして、たとえば津島市の道路のかさ上げ等の問題を、いわゆる第二線堤防式的に考えるかどうかという問題につきましては、これは現在のところはその必要はないのではないかというふうに考えておりますけれども、なお、道路等の問題もございますので、別途慎重に検討したいというふうに考えております。
  64. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 それから、もう一つ、これは、宮崎さんか大村さんか知りませんが、名四国道の起債の問題から、いろいろ借り入れの問題があると思うのですが、あれは海岸堤防がうまくいったあとで、名四国道がうまくいけば、非常に安全だということをいわれておりますが、あのことは進捗しておるのかどうか。これはどちらからでもけっこうです。
  65. 宮崎仁

    ○宮崎説明員 名四国道につきましては、御承知のように現在の一級一号線の新道路として建設いたすものでございまして、事業の施行は、建設省の直轄工事であります。また、木曽川、長良川にかかります橋梁につきましては、有料道路といたしまして、道路公団が実施いたすことになっております。そこで、直轄工事の方につきましては、これはもちろん全額を国が実施いたすわけでございますので、直接起債の問題ということは起こりません。この方の工事の進捗状況につきましては、三十四年度におきまして、三重県側におきまする用地買収を一一実施いたしまして、現在工作物、主として橋梁でございますが、そうした工事を一部完成いたしております。愛知県側の方につきましては、用地買収の交渉がちょっと手間取ったのでございますが、大体二月ころに大部分の交渉を終わりまして、用地買収をすでにいたしております。従いまして、三十五年度において相当大幅な工事の実施を行なえる、こういうふうに考えております。それから、道路公団の工事につきましては、これは、計画上も、直轄で実施いたします建設省の工事よりもややおくれまして着工して、十分最後に完成のときには一緒になるというようなものでございますので、三十四年度に新規採択をしておりますが、現在実施計画調査を実施中でありまして、具体的な工事にはかかっておりません。これは橋梁工事でありますから、三十五年度から相当大きな規模で実施される、こういうことになると思います。
  66. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 最後に、建設省に、お尋ねではありませんけれども、要求しておきたいと思うのですが、今度の災害のために治水特別会計という別個の特別会計ができたわけなんです。これによって災害に対する未然の防止をするということになっておりますが、おそらく、私たちから考えれば、国の予算の関係で十分とは言えないと思うのです。しかし、少なくとも十カ年計画でやることになっておりますが、そういう点について民心が安定して、なるほどこの治水事業によってわれわれは安心できるという、こういう自信を持った回答ができるかどうか。これはもうほんとうは大臣に聞きたいのだけれども、大臣が来られないから、河川局次長にお尋ねするのですが、そういう点について、われわれが国へ帰っても安心できるというような自が持てるかどうか、その点を一つお尋ねしたい。
  67. 曽田忠

    ○曽田政府委員 お答えいたします。  最近、特に一昨年の狩野川台風あるいは昨年の伊勢湾台風によりまして、非常な激甚な被害を受けたわけでございます。われわれといたしましては、実は昭和二十八年の大災害にかんがみまして、長期の治水計画を一応樹立したわけでございますが、いろいろな事情でその進捗率があまりよくなかったというような事態にかんがみまして、今回特にいろいろ関係方面にお願いいたしまして、治水の十カ年計画というものを、閣議決定によりましてこれを円滑に進めていきたいというふうなことになったわけでございます。この治水の十カ年計画によりまして、大体二十八年に策定いたしました全体計画の八〇%程度の仕事は完了するわけでございまして、これによりまして、河川の重要な部分につきましては、この十カ年で完全に改修が終わるというようなことに相なるわけでございまして、これによりまして、今まで大体毎年二千四百億円程度の被害があったわけでございますが、これを約二千億程度被害を軽減させるというような目標を立てまして、それによりまして民心の安定その他災害防除に将来偉大なる効果をおさめるというふうに確信いたしておる次第でございます。
  68. 植木庚子郎

    植木委員長 廣瀬勝邦君。
  69. 廣瀬勝邦

    ○廣瀬(勝)委員 関税暫定措置法につきましてお伺いいたしたいと思うのですが、今回の措置法によりまして、重油については農林漁業川の免税規定されております。この農林漁業川重油の現実の使用面におきますところの免税取り扱い、これが非常に煩瑣でございます。たとえば国産のA重油と輸入品あるいはその他の油と混合品して、実際にはこれはまかなわれておるのでございます。その間の取り扱いが、特に漁業川なんかにつきましては非常にと煩瑣で、そのために実際の需要者は困却いたしておる、こういう点がございますが、これにつきましてどういうふうにされますか、お伺いしたい。
  70. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 農林漁業川のA重油を免税いたします場合には、われわれとしましては、できるだけ手続を簡単にいたしまして、最終需要者に無用の繁雑さを与えないということを主眼に考えております。ただいま通産、農林省と協議中でございますが、原則といたしましては輸入A重油の引き取りの際に、農林大臣あるいは通産大臣の、正明を持っておる分については、その引き取りの際に一括免税をいたしまして自後は免税油が横流れしないという趣旨を確保いたしますために、ある程度の記帳役務を担任していただくという程度のことを考えております。なお、農林、通産両省におきましても、横流れ防止のために現在非常に研究をされておりまして、その関係で現在まだ手続が最終的に決定いたしておりませんけれども、この二、三日中に結論が出るかと思います。いずれにしましても、できるだけ手続を簡単にするという趣旨で進んでおります。
  71. 廣瀬勝邦

    ○廣瀬(勝)委員 その二、三日中に結論が出るというのは、どういう方向でお出しになるのですか。わかっておりましたら、お知らせ願いたい。
  72. 木村秀弘

    木村(秀)政府委員 最終消費者の段階から逐次販売業者、元売り業者段階まで証明書をとるという方法と、それから、そこまでしなくてもいいじゃないかというような意見とございまして、現在最終的にこういう結論でございますという段階には至っておりません。ただ、今申し上げましたように、趣旨としてはできるだけ簡単にするという方向で進んでおります。
  73. 廣瀬勝邦

    ○廣瀬(勝)委員 非常に煩瑣な点があるということは当局の方も御認識のようでございます。その点を十分考慮して善処されんことをお待ちしております。特に、記帳残務は、末端の者はふだん書きなれない、こういう人たちも多いのでございます。そういう点もほんとうに考慮されて、この免税の措置が生かされるように取り計らっていただきたい。これを意見として質問を終わります。
  74. 植木庚子郎

  75. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 関税暫定措置法案として提案されました原油、重油関税について、この際野党として次の意見を申し上げます。  原油、重油関税は、従来関税定率法で定められた関税率によらず、関税特別措置で軽減税率が適用されてきました。この関税特別措置が、今回、政府の財源あさりから一応取りやめの方向で、暫定措置に法案として上程せられたのであります。特別措置を取りやめるべしという観点からは、この法案による復活措置を現時点では一応是認いたします。しかし、貿易の自由化が必然のコースである限り、日本製品の輸出コストをめぐる問題といたしまして、工業原材料、エネルギー源並びに国内産業の育成等の立場から、関税の適、不適があらためて広範に検討されなければならないと考えております。従いまして、近い将来において、原油、重油関税についても、オリジナルの一〇%関税定率そのものが再検討されなければならないとの意見を付して、政府提案の暫定措置法案に消極的に賛成いたします。
  76. 廣瀬勝邦

    ○廣瀬(勝)委員 治水特別会計につきましてお伺いいたします。これは本会議におきます質問あるいは予算委員会におきます一般質問でしばしば政府にお伺いいたしたのですが、財政法上の六十三条、国が特定の事業を行なう場合にはできるのだという趣旨のもとに、この特別会計を今回は設定されたようでございます。こういうふうな趣旨からいきますと、たとえば国民年金だって特別会計、あるいは健康保険にしましても特別会計、いろいろそういうふうなケースが生まれようかと思いますが、将来そういう特別会計はふやしていかれる所存でございますか。次官にお尋ねいたします。
  77. 奧村又十郎

    ○奧村(又)政府委員 政府といたしましては、従来ともこの特別会計をふやすという考えは毛頭ありません。できるだけ減らして参りたいと考えておるのであります。しかし、今回の治水特別会計につきましては、これは今までもいろいろ御審議になりましたように、特別会計を作らなければならぬという事情がはっきりいたしましたので作った次第であります。  今これに関連してお尋ねでありました国民年金を実施していくについては、将来こういったものに対する特別会計をどうするかということでありますが、ただいまそういうものを作るという考えは持っておりません。
  78. 廣瀬勝邦

    ○廣瀬(勝)委員 この実体法の方の治山治水緊急措置法案を見ましても、この特別会計が実施しようとしております計画自体について、まだ十分政府の方では成案を持っておられない。こういうことでは、政府のそのときどきの御都合によって、いろんな特別会計が生まれてこようと思うのです。今回のこれにつきまして、ほぼ大体のアウトラインくらいはお持ちでございましょうが、これを一つ説明願いたいと思います。
  79. 奧村又十郎

    ○奧村(又)政府委員 これは御承知の通り治水事業十カ年計画が政府として樹立してございます。それを実施するための経理を明確にするための特別会計でございます。これに対する明細については順次閣議で決定してやっていくわけでございます。
  80. 廣瀬勝邦

    ○廣瀬(勝)委員 特にこの会計が取り上げておりますところの多目的ダムでございます。この多目的ダムというのは、現六実の実施状況を見てみますと、なるほどその効果を上げておるところもございます。しかしながら、地元において非常に利益供与といいますか、利益を受ける面が相反するような点が多々あるのでございます。そういうふうな点につきまして、建設省は将来どういう調整をやっていくつもりなんですか、これをお伺いいたしたい。
  81. 曽田忠

    ○曽田政府委員 お答えいたします。  多目的ダムの問題でございますが、これは建設省で所管しております直轄事業と補助事業というものがございますが、現在までに大体四十二個所ほど完成しております。また現在工事中のものあるいは工事の実施計画中のものが約四十四ダムございますが、個々につきましては、御指摘のように水没の問題あるいはそれに伴います補償の問題等につきまして、いろいろ問題はあったわけでございますが、われわれといたしましては、事業の公益性を特に水没者の皆様方に御納得いただきまして、現在申し上げました進捗状況になっておるわけでございます。もちろん一、二のダムにつきましては、まだ水没の点につきまして地元の皆様方の御了承を得てないところもございますけれども、まあ先ほども申し上げましたように、ようやく八十数個所のダムにつきまして、大半のものが何とか御納得をいただいているという状況でございます。われわれといたしましても、今後もなお一そう努力いたしまして、多目的ダムの重要性につきまして地元の皆様の御認識をいただきまして、事業の円滑なる推進をはかりたい、そういうふうに考えております。
  82. 廣瀬勝邦

    ○廣瀬(勝)委員 われわれといたしましても、国の治山治水、こういうものに根本的に反対をするものじゃございません。特に戦後荒廃いたしておりますこの日本の治山治水については、われわれは、党の政策といたしまして重点的に――今までのように工事をやれば片方からつぶれていくというような、非常に投入資金の少ないそういう工事じゃなしに、むしろ重点的にやっていただく、こういうものならば大いに賛成なんであります。しかしながら、大体今日までここで見られます実例の通り、せっかくこういう特別会計を作っても、主管官庁の方において、あるいは関係出先において、従来もしばしば見られたようなずさんな面が出はしないか、これを特に心配するわけです。それと、さらにもう一点、冒頭に申し上げましたように、何でも特定の事業であれば特別会計を設置してやっていく、こういう方針政府が将来ともとられないように、かかる見地から、この法案についてはわが党といたしましては賛成しかねるという立場を表明いたしておきます。
  83. 植木庚子郎

    植木委員長 これにて四法律案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  84. 植木庚子郎

    植木委員長 なお、各法律案に対しましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  まず交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について採決いたします。  採決いたします。本法律案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  85. 植木庚子郎

    植木委員長 起立多数。よって、本法律案は原案の通り可決いたしました。  次に、治水特別会計法案について採決いたします。  採決いたします。本法律案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  86. 植木庚子郎

    植木委員長 起立多数。よって、本法律案は原案の通り可決いたしました。  次に、関税定率法の一部を改正する法律案及び関税暫定措置法案の両案について採決いたします。  採決いたします。両法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 植木庚子郎

    植木委員長 御異議なしと認めます。よって、両法律案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお、ただいま可決いたしました四法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 植木庚子郎

    植木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は明三十一日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。     午後一時七分散会