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1959-11-07 第33回国会 参議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十一月七日(土曜日)    午前十時四十四分開会   ―――――――――――――   委員の異動 本日委員森中守義君及び坂本昭辞任 につき、その補欠として栗山良夫君及 び藤田進君を議長において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     上原 正吉君    理事            大谷 瑩潤君            岡村文四郎君            野本 品吉君            矢嶋 三義君    委員            川上 為治君            上林 忠次君            高野 一夫君            谷口 慶吉君            鳥畠徳次郎君            仲原 善一君            増原 恵吉君            谷村 貞治君            相澤 重明君            北村  暢君            栗山 良夫君            武内 五郎君            藤田  進君   国務大臣    通商産業大臣  池田 勇人君    国 務 大 臣 赤城 宗徳君   政府委員    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    調達庁長官   丸山  佶君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    防衛庁経理局長 山下 武利君    防衛庁装備局長 塚本 敏夫君    防衛庁調達実施    本部長     武内 征平君    調達庁不動産部    連絡調査官   大竹 健吉君    通商産業省重工    業局長     小出 栄一君    会計検査院事務    総局第二局長  保岡  豊君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件昭和三十二年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第三十一回国会提  出、継続案件) ○昭和三十二年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)(第三十一回国会提  出、継続案件) ○昭和三十二年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出)(第三十一  回国会提出継続案件) ○昭和三十二年度政府関係機関決算書  (内閣提出)(第三十一回国会提  出、継続案件) ○昭和三十二年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出)(第三十  一回国会提出継続案件) ○昭和三十二年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出)(第三十一  回国会提出継続案件) ○昭和三十二年度物品増減及び現在額  総計算書内閣提出)(第三十一回  国会提出継続案件)   ―――――――――――――
  2. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず委員の変更を御報告申し上げます。  本日森中守義君の辞任に伴いまして栗山良夫君が補欠として選任されました。   ―――――――――――――
  3. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十二年度政府関係機関決算書、並びに昭和三十二年度国有財産増減及び現在組総計算書昭和三十二年度国有財産無償貸付状況計算書、及び昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を議題といたします。本日は防衛庁の部を審議いたします。検査報告批難事項は第十七号から第二十三号までであります。本件に関し御出席の方は、赤城防衛庁長官門叶長官官房長塚本防衛庁装備局長山下防衛庁経理局長会計検査院説明者は、会計検査院第二局長保岡豊君であります。  まず防衛庁から前回の質疑に対しまして説明を求めます。
  4. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 相澤委員から厚木飛行場等についてどういう状態であるかと、こういうことで、調査の上に御答弁を申し上げることになっておりましたので申し上げます。  厚木飛行場拡張計画につきまして最初に申し上げますが、この厚木飛行場は、昭和三十一年の一月十六日に在日米軍から、現存の滑走路八千フィートの両端に安全地帯設定用として約八十エーカー――約十万坪でありますが――の設備の追加提供要求がありました。そのうちまた南側につきましては、その全部約六万五千坪、北側につきましてはその一部約二万坪、合計で約八万六千坪を提供する閣議決定を三十三年の十一月二十五日になされまして、現在までに南北で合計約八万三千坪の土地買収いたしました。道路及び畑地灌漑等用地約九千坪を除いて、七万七千坪の土地を軍に提供いたしているわけであります。  それから安全地帯設定用地として、北側は軍の要求によってなお不足する分約二万三千坪につきましては、現在慎重に検討中でございます。  第二に安全地帯において米軍実施中の工事を申し上げますと、工事の目的としてオーバーラン新設工事、これはオーバーラン周辺道路境界の柵、芝張り工事等も含んでおりますが、これも昭和三十年八月二十七日に契約いたしまして、三十四年十二月二十八日に竣工の予定であります。予算額は八千四百二十四万円になっているわけであります。  なお、御質疑の中で騒音軽減の点についてどういうふうなことをしているか、こういうことであります。今年の七月下旬に横浜調達局長及び内山神奈川県知事地元民の要望に基きまして、厚木基地司令官に対しまして同飛行場騒音防止ないし軽減について特段の協力をしてほしいと、こういう申し入れがありました。これに対しまして基地司令官は特に夜間、時間にいたしますと夜の十時から翌朝の六時までの離着陸エンジンテスト等は、やむを得ない場合のほかはこれを行わない、こういう約束をいたしまして、現にこれはその通り実施されております。  それから飛行場に隣接する民家がありますが、これに対してどういう措置をとっているか、こういうお尋ねであります。飛行場に隣接しております民家の一部から、最近騒音及び危険等関連いたしまして、集団移転等についての陳情があったのであります。なお、相澤委員からも非常に騒音がひどいのでお産などにも影響するのではないかというお話もありました。それにつきまして集団移転等陳情等もありましたので、調達庁におきましては目下実情調査中でございます。その結果特に騒音が著しく何らかの措置を講ずる必要があると、こういうふうに認められる地区につきましては、昭和三土三年度におきまして実施した板付飛行場関係の二俣瀬という部落がありますが、そこで集団移転を二十二戸したことがあります。それに対して補償をいたしておりますので、その補償の事案などの前例ともよく勘案検討した上で善処いたしたい、こういうふうに考えております。   ―――――――――――――
  5. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ただいま坂本昭君が委員辞任され、藤田進君が選任されました。   ―――――――――――――
  6. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 ただいま防衛庁長官から厚木飛行場拡張外面についての御説明をいただいたわけでありますが、まず第一に御説明をいただいた中に、十万坪の安全地帯設定要求に対して八万三千坪の土地買収した、そうして七万七千坪を軍に提供したという中に、約九千坪の道路及び畑地灌漑用用地を除いた、こうなっておるのであります。これは防衛庁がお考えになっておる道路とか、あるいは畑地というのは買収計画の中に含まれておったのかどうか、この点を最初一つお尋ねをしておきたいと思います。
  8. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 初めはお話のように買収計画の中に入っておったわけであります。しかし拡張をする過程におきまして買収されても困るというのもありましたので、道路つけかえとか畑地灌漑防衛庁の方で施行してあげる、ということで買収からは除いてあるわけであります。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 買収から除いてあるといってもこの道路畑灌をはさんで用地というものは買収したのではないのですか、その点いかがですか。
  10. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 事務当局から御説明させます。
  11. 大竹健吉

    説明員大竹健吉君) 事務上の説明をさせていただきます。先生御存じ通り基地内には県道がありまして、さらに県道沿いあるいは県道から分れて畑灌施設がございます。従いまして県道基地の中にあるわけでございますので、今次買収した南側の端の方をなるべく通るように設計してつけかえ道路を作りたい、こういうような段取りを立てておるわけでございます。なお、畑灌施設もその県道沿いに出すことにしまして、結局フェンスの外に県道並びに畑灌施設をそれぞれ移設する、こういう計画で、その用地もおおむねその計画に見合うように、土地を買って下さいという申出のあった方々土地を元にしまして、買収した次第でございます。
  12. 相澤重明

    相澤重明君 この基地の今拡張をされようとする所には県道があり、町道があるわけです。これに対して今防衛庁お話を聞いておると、つけかえをする、当初はこの買収の中に考えておったけれども、一応道路畑灌の問題であるからつけかえをするために一部除いてある、こういう御答弁だと私は思うのです。この点について町の当局者等にそういう点を十分連絡がとってあるのかどうか。これは私は非常に疑問だと思うのです。この点について率直な話を一つしていただきたいと私は思うのです、いかがですか。
  13. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 道路つけかえあるいは畑灌というものも買収をしたい、こういう話をしている中途におきまして買収を好まない、こういうことでありますので、それでは何か地元要望があるのかということの話から道路つけかえるとか、あるいは畑地灌漑をやるとか、こういうことで基地の使用に差しつかえない、また地元要望にもこたえよう、こういう意味で道路つけかえあるいは畑地灌漑をやろう、こういうことになったように承知しております。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 私は地元でありますから、神奈川県の地元としてこの問題については全く遺憾である、ということを率直に申し上げなければならぬと思うのであります。そこで、まあしかし一応の話を誠意をもってされて、今後住民の不幸にならぬような形を防衛庁は講じなければならぬと思うのです。その点は特に私はこの際念を押しておきたいと思うのであります。  それからいま一つお尋ねしておきたいのは、オーバーラン新設工事で八千四百二十四万円の予算工事を本年の十二月に終了するわけでありますが、このオーバーラン工事をされた後にこれが滑走路になるのかならないのか、この点は特に私はやはり長官からこの際言明をしていただきたい。もしこの問題について長官お答えいかんによっては、私どもはやはり重大な問題として追及しなければならぬ点がたくさんあると思うのであります。この点について誠意ある答弁一つ願いたいと思うのです。
  15. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) オーバーラン新設工事が今お話のようにことしの十二月に完了の予定をもって契約されております。これは米側との約束もありまして、オーバーランとして使うということで滑走路として使わない、こういう約束になっておりますから、滑走路にするということはない、こういうふうに考えます。
  16. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、大臣はこのオーバーラン工事ごらんになりましたか、なっておりませんか。
  17. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 厚木飛行場には行きましたけれども、まだこのオーバーラン工事は見ておりません。
  18. 相澤重明

    相澤重明君 現地を見ておらなければまだわからぬと思うのでありますが、今工事はかなりもう進んでおります。そこで今度は滑走路を根本的に改修をするというお話防衛庁は聞いておりますか。
  19. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 聞いております。滑走路の何といいますか、コンクリートの厚さを厚くするというようなことで改修をするという話を聞いております。
  20. 相澤重明

    相澤重明君 それはいつから実施をいたしますか。
  21. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) いつから実施するかは私は聞いておりませんから、事務当局から答弁をさせます。
  22. 大竹健吉

    説明員大竹健吉君) 非公式の軍側連絡によりますと、大体来年の一月ごろ着工して五月ごろに完成したいというふうに聞いております。非公式でありますが。
  23. 相澤重明

    相澤重明君 その通りだと思います。そこで、今のオーバーランに同じような形で改修をするということは、一体どういうふうにお考えになりますか。今、十二月二十八日にオーバーラン完成をする、そのオーバーランと同じような形で今の飛行場滑走路改修する、こういうもし一月から五月までに改修をするということになると、どういうふうにこれは関連をあなた方はお考えになりますか。専門家としてあなた方の考えもあるでしょう。一つお聞かせを願いたい。
  24. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 滑走路は非常にいたんできておるので、その滑走路を改造といいますか改装したい、こういうふうに私は聞いておりまするので、オーバーランとの関連において、たまたまオーバーラン完成時期のあとにということになりますが、それと関連してということではないように私は聞いております。
  25. 相澤重明

    相澤重明君 長官、これはだれが考えても、米軍予算厚木飛行場基地のために特別に実は組まれたということは、すでに御承知通りだと思います。それで、今まで厚木飛行場拡張ということは、何年も前から軍の強い要望であったことは事実なんです。しかし、日本の国情、あるいは防衛庁調達庁意見は、地元人たち拡張に対する反対の意見で、どうしてもこれは困ると、こういうことで、今日まで実は防衛庁なり調達庁としては、これは米軍要望に沿うことができなかったのじゃないかと、こう私は理解をしておるわけです。ところが安全地帯を一応作るということで、しかもこのオーバーランは、当初は、実は農民がこの飛行機のあおりのために実際両側の農地というものは役に立たない。そこで、どうせこういうふうにいけないのなら、それなら一つ補償をしてもらいたい。こういうところがそもそも買収に応ずるという問題だと思うのですよ。そこで、安全地帯という名前によって実は今回のこの工事が行なわれておるのでありますが、今のジェット機滑走状況を見るとこれでいいのかと、今の幅員なり距離で、はたして今後の性能が非常に高度化した戦闘機等離着陸に完全なんだろうか、こういう点を米軍は相当心配していると思うのですよ。それに対して防衛庁が、これは今までのお話では、そういうことは考えておらないと、こういうまあお話だけではちょっと納得できないような気がするのですが、その点は赤城防衛庁長官としては、今まで米軍にお断わりをし、現在の滑走路についてはこれを延長する考えはない、こういうことを現在、今後もあなたがそういうふうにお考えになっておるのかどうか、この点再度一つ確認しておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  26. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 相当性能のいいジェット機でも滑走路といたしましては八千フィートあれば間に合うと、こういうふうに承知しております。でありますので、現在の滑走路において間に合う。ですから、しいてオーバーラン滑走路にする必要はないと私ども考えております。なお、先ほど申し上げましたように、オーバーランの分を滑走路にはしないという約束になっておりますので、その点は御心配はまあないと、こういうふうに考えております。
  27. 相澤重明

    相澤重明君 それから、この中であなたが御説明になったところのあとの二万三千坪の不足分については目下検討中である、こういう御説明でありますが、これはやはりあくまでも閣議決定の線に沿って買収を強行すると、こういうお考えなのかどうか、この点いかがですか。
  28. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 御承知のように、私ども閣議決定はしておりましても、基地拡張とかなんかであくまで強行するということは考えておりませんので、できるだけ地元の人の了解を取り求めてやろうと、こういうことで進めておるわけなんであります。
  29. 相澤重明

    相澤重明君 次に、さきほどお答えをいただきました民家騒音等に対する補償の問題でありますが、先日私が本委員会で申し上げましたように、妊婦の場合にはお産のごときも非常に困難だと、こういう現実の点を私も実は聞いておるわけです。すでに一人の方は四カ月このためにお産が延びてしまって、現在お産はされたのでありますが、しかも非常に成長が困難な状態のように病院側でも見ておるようであります。この今までの厚木の問題については、先ほどの長官の御答弁では、本年六月内山神奈川県知事なり横浜調達局長の申請に基づいて、厚木司令官との話をしてそうして現在はそういう点について検討をしておるというようなことは、まことに私は怠慢だと思うんだ、調達局にしてもあるいは防衛庁としても。もう厚木基地が開設されてから何年になっておるのでしょう。こういう点を私は率直に長官に――長官も新しくなったのですから、長官を責めたところでしょうがないんだけれども長官としてはしかしやはり最高責任者なんだから、あなたはもっと誠意ある仕事を進めていただかなきゃならんと思う。そういう実際に飛行機騒音のために苦労されておる、医者にかかってもなおかつ子供の生育も非常に困難な状態になっておる人たちに対して、あなたはどうお考えになっておるのですか。
  30. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お話ごもっともなんでありますが、そういうことで、私どもといたしましても、御承知のように、こういうジェット機基地の近くの学校等については防音装置を、法律的でありませんが、予算の御協力を願って防音装置をしておる、あるいはまた病院等につきましても防音装置をする費用を出すと、こういうようにできるだけ地元の人に迷惑のかからんように配意をいたしておるわけであります。ただ、今お話のように個人の問題等につきまして入院されておらないような場合でしょうから、そういう場合にどういうふうなところまで措置をとるかということにつきましては、まだどういうふうにしていいかという結論は持っておりませんけれども、私どもといたしましてもいろいろ考えなくちゃならんと検討をいたしておるわけでございます。
  31. 相澤重明

    相澤重明君 さきほどの長官の御答弁と今の御答弁を総合すると、たとえば九州福岡板付飛行場のすでに集団移転等の問題で補償、お見舞をしたと、こういうこともあるので、それらについてなお検討をした上に善処したいと、こういうことですか。
  32. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) いろいろな騒音を防除するような方法をとろうといたしましてもなかなかとり得ない。そういうことで、まあここの場所の農家の方々は、耕地も御承知のように非常に少なくなっておるようであります。それで相当の補償があるならば農業が十二分に経営できるような所へ、あるいはほかにも転業するとか、そういうことで集団的に移りたいと、こういう希望も聞いておるわけでございます。でありますのでそういう話をもっと詰めていって、そういう希望でありまするならば、私どもといたしましてもどうも騒音を防止できないような場合で、迷惑をかけているならば、そういう方法一つ方法ではないかということで地元話し合いをして、今補償の額とか、またそういうことで移転をするというようなことにしたいということであるならば、そういうふうにも進めるということで地元話し合いをしている、こういう段階でございます。
  33. 相澤重明

    相澤重明君 すみやかにこの点については調査をされて、そうして地元住民がいかに苦悩しているかという点を率直に認めて、私はできるだけやはり補償をしなければならぬと思うのです。  それから防音装置の問題についても、小学校、中学についてはかなり防音装置ができましたけれども、私も今ここに資料を持っておりますが、公立あるいは私立の場合の幼稚園あるいは保健所、病院等については、いまだそういう装置がなされておらない。これはこの前も申し上げたように、頭の上をジェット機が通るときにははらわたをえぐられるようなすごい爆音がするわけで、勉強なんか全然できぬ。こういうような実情というものはやはり早急に善処しなければならぬと思うのです。そういう点について、特に防衛庁としてこの地域におけるところの諸問題というものの解決は、私はこの際はっきりと確認をしておきたいと思う。  それから私は、厚木飛行場の問題はいま一つだけで終っておきたいと思うのですが、いま一点は、厚木基地司令部排水工事が非常に悪いために座間の町家が軒並み浸水した。この間の豪雨のために、大きな人間が立って歩けるような大きな土管が厚木基地から町の方に向いている、その流れる水で一つの溜池ができている。これが吹き上がってしまった、豪雨のために。それで厚木座間の公民館から北の方に向って全部浸水している。こういうようなことを少なくとも調達庁あたりがのほほんとしているというのは全くけしからぬ。こういう点で防衛庁長官はどう考えるのか。あなたは現地を見たと言うのだけれども、そういう点もごらんになったのかどうか、こういう点についてどうしようとするのか。またその損害はどうするのか。そういうことについてあなたの一つ責任ある御答弁を求めたい。
  34. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私も、今もお話を聞きましたけれども、前にも聞いております。引地川、蓼川、そういう川のはんらんで困った、こういうことでありますので至急改修いたします。ことし中に予算つけ改修いたしたいと思っております。お話もありますのでやりたいと思っております。
  35. 相澤重明

    相澤重明君 改修は早急にやってもらうのは当然だと思う。しかし、今までのそういうふうなために非常に住民損害を受けたものをどうします、その補償はどうするかということを私は聞いているのです、あなたに。
  36. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 調達庁長官が参りましたので答弁いたさせます。
  37. 丸山佶

    政府委員丸山佶君) 基地ができましたためにいろいろの災害の場合、その基地関連するところの河川の周辺に及ぼす影響、これに関しましては御承知通り特別の損失補償法もございますので、それに基づきまして実情調査して補償をいたします。そのための補修工事をやるとともに、また被害者に対する補償もやる、こういうことで厚木周辺の問題も処理しております。
  38. 相澤重明

    相澤重明君 補償もやる、処理もしているというと、すでに補償はどのくらい払うということをあなたは住民に話したのですか。処理をしているということはどういうことなんですか。
  39. 丸山佶

    政府委員丸山佶君) すでに補償処理済みのものもございますし、なお調査検討の上措置すべきものもございます。
  40. 相澤重明

    相澤重明君 調達庁長官、この被害状況をあなたはごらんになりましたか。長官被害状況ごらんになったかね。
  41. 丸山佶

    政府委員丸山佶君) 今お話の模様ですと、座間関連する部分が主たるものと考えます。これに関しましては所管いたします当庁の横浜調達局において実情をよく調査しておりますので、それによって適切な措置を行なう所存でございます。
  42. 相澤重明

    相澤重明君 まあこれ以上申し上げませんが、調査をしておるというだけでは私は了解できないのです。これは調査をしてその被害に対しては当然の補償をする、こういうことが言われなければ、調査検討中でありますといって幾年調査検討するのですか、こういうことになってくる。この点は一つ長官は今調査をしているとこう言われますから、防衛庁長官として赤城国務大臣はどうお考えになりますか。
  43. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 調査をする以上はいろいろ法的措置補償することにもなっているので、調査をするのはどれくらいの補償をしたらいいかという補償を目標として今調査をしているわけであります。調査をしてそれで逃げちまうという調査ではないと私も心得ておりますし、そうしたいと思っております。額はどうなるか、これは調査の結果を見ないとわからないと思います。そういうふうに御了承願います。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 本決算委員会で、たとえば「ロケット弾および発射装置の購入にあたり処置当を得ないもの」としてスタッキーニ会社から購入する場合に、前払いをして約二千二百七十万円の国損を与えておる。また昨日到着したと伝えられておるサイドワインダーについても十四発の代金約五千万円を半年も前に納入済みである。こういうことについては決算委員会からきわめてきびしく追及され、また会計検査院においてもこういうことが繰り返されたのは遺憾だということで、行政府に対しても立法府に対しても意思表示がされているわけです。従ってこれからの防衛庁予算の使途についてはわれわれは重大な関心を持っているものであり、何でも買います防衛庁、というような過去の汚名というものは一日も早く払拭してもらわなければならぬと思う。そういう立場から私は、現在国民の大きな関心を持っておるFXの問題について、理事会の申し合わせにのっとって緊急案件として伺いたいと思います。問題は国防会議の議長である総理大臣出席してしかるべきでありますが、理事会の申し合わせがありまして、本日出席できないことは遺憾でありますけれども、御出席いただく防衛庁長官、それから通産大臣を相手に若干伺いたいと思うわけです。  その本論に入る前に、先般私は主要航空機の可動状況の資料を提出するように要求いたしました。それで資料が出ていますからこの一点についてだけ伺っておきたいと思います。それは、この表を見ますと主力保有機数の中で可動率は大体八〇%となっておりますが、その中の一点にしぼって、F86Fは四十五機格納と書いてありますが、この四十五機格納ということは遊んでいることになるのですか。それからまた国内でも生産をし、またアメリカからも無償貸与を受けたが、十分それを効率的に使用していないというアメリカ側の判定のもとに去る四月に四十五機返納させられたのですね、米軍に。あの四十五機は返納が完了して今どこに行っているのか。その四十五機とこの四十五機の格納というのは別だと思っております。当然。この四十五機の格納というのはどうしているのか、それをまずお答えいただきたいと思います。
  45. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) この表の中のこまかいことは事務当局から御答弁させたいと思いますが、可動していないものにつきましては御承知のようにオーバーホールをやっている、こういうものがあるわけであります。今御指摘の点につきましては事務当局から答弁いたさせます。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 資料が出ているのですからわかっているわけですよ。十月現在で出ているのだ。
  47. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) この四十五機につきましては相当古くなっておりますので、オーバーホールが必要であるということでその点検をやっておるものであります。
  48. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そんな説明はおかしいじゃありませんか。三百二十三機のうち可動機数二百五十六機、そうして十二機は外註修理と書いてある。一機は破損、八機は教材、四十五機は格納とはっきり区別して資料が出ているじゃありませんか。行政管理庁から防衛庁は飛ばない遊んでいる飛行機が多過ぎるという勧告が出ているはずだ。これは新聞にも報ぜられた。それで資料を要求したところがこういう資料が出てきた。かつては日本にF86Fを貸与したけれども、使ってないからというので返せというのでアメリカから四十五機返させられたでしょう。あの四十五機はもう完全に返させられたのでしょう。あの飛行機は今どこに行っているのですか。その点と、四十五機の格納は、これはパイロットがいないために遊んでいるというのでしょう。この四十五機は修理じゃないですよ。修理の方は十二機と書いてある。あいまいな答弁をせぬで明確な答弁をしてもらいたい。
  49. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) 前に返還いたしました四十五機の行先につきましては、まだ米軍の方へどこに行っているかわれわれも聞いておりません。これは米軍の方から、もしできれば追って御答弁を申し上げたいと思います。
  50. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この四十五機の方をもう一ぺん答えなさい。パイロットがいなくて遊んでいるのでしょう。だから格納なんでしょう。修理ならなぜ修理の所に資料として出さないか。いいかげんな答弁はよして下さい。もう一ぺん答えて下さい。
  51. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) 格納の四十五機につきましては格納をいたしております。四十五機につきさましては前に申しましたように点検をいたしておりますし、その全部が点検ではありませんが、そのほかの点につきましていろいろパイロットの点もあろうかと思います。そういう点につきましては後刻詳細に調べまして御報告申し上げたいと思います。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたは就任早々でありますけれどもそういう無責任なことでは許されないですよ。後刻資料をもてはっきりお答え願いたい。これは遊んでいるわけなんです。行政管理庁はそれを指摘したのです。そうして私は資料を要求したところがこういう資料が出てきた。こういう事実があるということをまず指摘しておきます。防衛庁長官よく頭に入れておいていただきたい。  次に質問を進めますが、防衛庁長官、このFXの選定の問題については、あなたは三十四年七月三日の内閣委員会で「どういう態度で臨むかといえば、国民の納得のできるような、あるいは議会において了承できるような結果に導いていきたい。それが疑惑を解く点だと思いますので」云々と、こういうふうに答弁されております。あなたは国民が納得するように、議会が了解できるように、国民の深い疑惑を解くように慎重にやられるという、この七月三日の内閣委員会における私の答弁の心境と現在相違があるかないか、お答え願いたいと思います。
  53. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 心境は七月に申し上げた通りでございます。  それからその方法につきましても、矢嶋委員も御承知だと思いますが、国民の疑惑等もないわけではなかったので、私といたしましてもこれは公正な立場から機種選定をいたしたい、それについて最も欠けていることは、新しくできている機種を操縦してみて、そうして、これを武器体系の上から適当であるかどうか、こういうことを判定することが必要だ、こう考えまして、御承知のように源田空幕長を調査団長として十人の者を派遣いたし、向うへ行きましてから約八十日間ですが、この期間ほかの国に例を見ないような真剣さをもって試験搭乗をいたしたということであります。従って源田調査団長の報告を聞きましても、アメリカ軍当局におきましても、どの機種を選定するのがよろしいか、こういう示唆を与えられたことは絶対にないし、あるいはまたそういう点については質問を受けたということもない……。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはあとで聞きます。
  55. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) こういうことで調査資料を相当持って帰りました。その調査の結果をまとめて報告を受けたわけであります。私は源田調査団長のその態度、その報告というものを信頼いたします。庁議においてそれをさらに検討いたしまして、こういうことならば世間の疑惑というものはなくてこれは決定できるだろう、またこういうことであればいろいろ御質疑やその他受けましても、自信をもって国民に納得してもらえると。こういうような考えをもっていましたので、諮るべきところに諮って決定をいたした、こういうことでございます。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先ほど私が申し上げた、あなたの心境が変わらないのならば私は伺いますよ。源田調査団長以下隊員が帰られて何がゆえにああいう秘密を守らなければならなかったのか。国内に帰って羽田に着くと同時に宮城県の桃生郡の鳴瀬町の不老荘で、二十六日からこもってそうして昨日お帰りになった、こういう秘密主義をなぜとらなければならなかったのか。それからさらに今までの経緯からいって、あなたにその報告書が出たならば、われわれもただしたいと言っておったのだから、その報告内容をわれわれの質疑に対しても答え、しかる後にあるいは国防会議等にかけるのが私は順序だと思う。源田団長の出席を求めても報告書作成中だからというので出席されない。そうしたところが昨日四時ごろ東京にお帰りになって、それから庁議から国防会議幹事会、国防会議懇談会、国防会議と午後十一時ごろまで……、何がゆえにそういう短時間の間に一生懸命やらなければならなかったのか。さらに製作会社も主と副まできめた、何がゆえにそういう火急な態度をとらなければならなかったのか、さらにいろいろの疑惑を生むことになる。昨年四月十二日の国防会議でグラマンが内定して以来、衆参の委員会においてずいぶん論じられたことですから、その経緯からいっても報告書が出る前に云々ということは無理でしょうが、調査団からあなたに報告があったのちに、国会で質疑があったのだから、こういう報告がありました……、こういうような調査の機会があってしかるのちに国防会議に諮ってしかるべきだと思うのに、何がゆえにきのうのようなあわてふためいたような態度をとらなければならなかったのか。これは、私が冒頭に指摘しました本年七月三日、あなたの基本的態度として、本院において約束したことと、非常に私は変っていると思う。あえて調査団の動向を秘密にした点、それから昨日四時に源田さんが報告されて以来、ああいう非常的な手続をとられた理由を、私を初め国民が納得するように、明快にお答え願いたい。
  57. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 源田調査団長以下帰りまして、松島の近くで報告の取りまとめをしたことは、御指摘の通りであります。しかし、これはあえて秘密を保つ、こういう意味ではございません。いつか、この委員会でも申し上げましたように、現地においては調査団として結論は出さない、資料等も、各人の自由な意思、自由な考え方によって資料等を提出する、こういうことで、まあちょっと、例を申し上げるならば、資料なども密封して、現地においては、それを開示して相談をして結論を出すということはしない、こういう態度で帰ってきました。でありますので、帰ってきましてから、全部の人が集まってその結論を出すということについては、いろいろ妨げられないと言いますか、よく慎重に検討する意味におきまして、報告をする作業を妨げられないで、また、少しは休養もしたい、こういうことでありますので、まあ畳の上で報告書も練りたいというような希望もありましたので、そういうことで松島の近くで報告書の作成に当ったのであります。強いて秘密を守る、こういうようなことではなかったわけであります。  第二の、報告があってすぐに最終的な運びまでしたのはどうか。私ども、報告の内容を昨日まで聞いておりません。昨日帰ってきてから聞きました。そこでこの委員会か内閣委員会で申し上げたのでありますが、報告が、どういう形で出るか、あるいは順位をつけて出るか、あるいは比較のような形で出るか、どういう形で出るか、私も、はっきりした予想を持っておりませんでした。ところが、昨日報告を聞きますというと、非常にはっきりした報告であります。でありますので、庁議をやはり開きまして、そうしてこの報告に基づいて三時間近く検討いたしました結果、やはり庁議におきましても、何人も異論がなく、やはり源田調査団長の報告を尊重すると言っておりました、私も言っておりましたが、そういうことで、庁議といたしましても、それを尊重する、こういうことに相なったわけであります。一方、この問題は非常に早くから話がありまして、おくれておったわけであります。同時に、この三十五年度に予算の頭を出したい、その前に費用の分担等につきましても、アメリカ側と交渉しなくてはなりません。そういう期間を考えますというと、一番おそくても、十一月の十日までに決定いたしませんと、交渉に入れない、こういう段階であったのであります。  そういうことでありますので、国防会議関係の意向も聞きましたところ、報告があり、防衛庁の方の庁議もまとまる、こういう見通しであるならば、国防会議としてもその報告を検討して、早くきめた方がよかろう、こういう意向が圧倒的でありました。そういうことでありますので、私も国防会議を開いてもらうことにして、昨日決定した、こういういきさつになっております。
  58. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  59. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 速記をつけて。
  60. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただいまの防衛庁長官答弁に、もう一回質問をして、そうして通産大臣が急いでいるそうだから、通産大臣を先にやります。  ただいまの長官答弁は、私は了解することができない。断じてできない。  それは、三十五年度の予算に頭を出したいとか、アメリカと費用分担の協議をせにゃならぬということはわかっていますよ。しかし、何がゆえに昨日一日で、ああいうことをしなければならぬか。きょうは時間がないから、あるいは私は言質を提示することはできるかできないかわかりませんけれども防衛庁事務当局は、衆参両院を通じて過去一カ年間、絶対グラマンだ、ロッキードはいけないのだということを述べてきているのですよ。資料は、私は持ってきている。その庁議が、わずか三時間とは何事ですか。どういうわけで、もう少し長官は、その部下職員に対して、討議する時間を与えることができないのですか。いくら切迫して、十日までといっても、何がゆえに夕べ夜間に国防会議を開いて、そういうことをやらなければならないのですか、絶対に僕は了解できないのですよ。新たな疑惑を生みますよ。  で、あわせて伺いますが、今まで今井事務次官以下、そこにおいでになっている官房長もしかり、加藤防衛局長もしかり、それに中小企業庁長官に転出した小山前装備局長ももちろんのこと、あげてロッキードの非を説き、グラマンをわれわれに説明して参ったこの責任は、一体どうなるのか。  それから源田報告は、わずか三時間で、庁内に異議なしということになったということであるが、あなたがかつて本院で言われたように、はっきりと順位をつけて出されたのかどうか。それで、その源田報告なるものをわれわれの持っている疑惑を解くためにも国会に対して、国民に対して公表する用意があるかどうか、お答え願います。
  61. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私は、順位をつけてくるかもしらぬと言ったので、私は御質問がありましたから、そういう場合もあり得るだろうということで、順位をつけてくるだろうということを、はっきり言ったと言いますが、それだということを申し上げたわけじゃございません。  それから第二に、防衛庁内におきまして、グラマンがいいというような意見を吐露しておったではないか、その責任はどうするのか、こういう御意見であります。この点につきましては、昨年の四月、当時内定した時点におきまして、その時点におきましては、グラマンが適当だろうというふうに見ておったと思います。しかし、御承知のように、その後グラマンにおきましても、ロッキードにおきましても、新しい機種ができたのであります。この機種は、見た者もなければ、乗った者もないのであります。でありますから、源田調査団を出して、そうして権威ある、責任のある人々としてこの操縦をし、調査に当たらしたのであります。私どもといたしましては、これ以上の権威を持つものはないと思います。しかも八十日以上、非常な猛訓練、猛調査のもとに、何ものの容喙あるいは示唆も受けることなく、全く公平無私の気持で当ってきた、その報告を聞きまして、その報告の中では、実は、前にこちらで考えておったのとは、実際操縦し、あるいは試験をし、技術的にやってみるというと、違った点も相当発見した、やはり行って操縦してみなければわからなかったという点があった、こういう基礎のもとに報告がありましたから、防衛庁内におきましても、そういう点における質問等ありまして、その質問に対する回答等も非常にはっきりしております。こういうふうに、これ以上の権威を持って調査できるようなものはない、こういうことでありますから、内定当時の時点と違ったときにおいて、これをきめるべき責任者の報告を信頼して、その結果、庁内においても、そういうことを決定したのであります。でありますから、庁内の責任を問うというような考えは、私は持っておりません。  それから、報告書を提出するかどうか、こういうことでありますが、報告書の中には、非常に機密にわたるものもありまするし、膨大なものであります。でありまするから、それを全部提出するというわけには参りません。しかし、調査の結果等につきまして知っていただかなければならぬような点がありましたならば、そういう点は、解明をいたすなり、あるいは書類の提出ということも考えられることでございます。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今のを、もうちょっと聞きますが、一機を選定してきたのか。あなたは、おそらく順位をつけて報告書を出すであろうと、こういうふうに答弁している、数日前、順位をつけてきたのか、一機を特定してきたのか、よろしいですか、二機を特定してきたのか。その点、お答え願うとともに、私は、公表することを要求します。特に、源田さん以下パイロットが四人、このパイロットが、現地でそれぞれ乗ったときに採点をして、密封してお帰りになって、そうしてお帰りになってから、それを解いたはずだ。この四人のパイロットの採点表を公表すべきである。それを、私は要求します。それをやるかやらぬか、お答え願います。
  63. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 順位をつけて参ったわけではございません。それぞれの機種の特質等を詳細に検討した、そうして、その機種につきまして、特質を述べたのであります。そうして最後にコンベアーとロッキードが一番まあ好ましい。それぞれの国によって選ぶ標準も違ってくるだろうけれども、自分、空幕あるいは自衛隊として採用してほしいものはロッキードF104C、こういうような報告の最終的結論でございます。  それから。パイロットの中に、いろいろ資料の点数づけというようなものが、これはあったはずです。これにつきさましては、機種決定に、決定的差異を生ずるような点はなかつった。幾分の意見、見方に……。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 公表を要求します。できるかどうか。
  65. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) その公表は差し控えたいと思います。
  66. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いよいよ問題点がはっきりしてきました。  ちょっとはしょって、通産大臣お急ぎですから、お伺いします。  昨年四月十二日、当時の国防会議でグラマンに内定した。その後において、国内製作会社を、主を新三菱重工、副を川崎航空と決定をし、新三菱重工は、グラマン社と提携の上に国内生産の具体的協議に入っておりました。このグラマンの場合に、新三菱を主、川崎航空を従とした理由をお答え願います。
  67. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は、昨年の決定の場合に通産省におりませんでございましたから、その事情は聞いておりません。従いまして、事務当局をして、当時の事情を説明させます。
  68. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) 昨年四月十二日の国防会議の内定に基づきまして、当時における次期戦闘機の生産体制につきまして、お話通り、四月の十五日に、通産省が防衛庁立ち会いのもとに、主生産者を新三菱重工業、副生産者を川崎航空機、こういうふうに内定いたしまして、それを指示したのでございます。  で、その当時の記録によりまして、私も、実はその当時担当局長でございませんでしたのですが、当時の資料に基づきましてお答えいたしますると、その際の生産態勢の決定の事情は、特にグラマンであるから、どうこうというようなことよりも、むしろ、それぞれの各会社の技術、経験、あるいは労務の状況、あるいは工場施設の状況というようなことを総合的に勘案いたしまして、客観的な最も能力の高いものを主といたしまして、これに協力するものを副とすると、こういうふうな決定をいたしたように聞いております。具体的に申しますると、今日においても、そうでございまするが、当時におきましても、ジェット航空機の製造に従事して経験を持っておりまする会社は、日本に三つしかございません。新三菱重工と川崎航空機工業、それから富士重工業でございます。このほかに、もちろん、機体メーカーとして新明和興業、日本飛行機昭和飛行機という三社がございますが、これは……。
  69. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 川崎と新三菱にしぼってお答え下さい。誤解なさるな。
  70. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) それでは川崎航空機と新三菱重工の三社に結局最終的にはしぼりまして、一方を主とし一方を副といたしました事情でございまするが、それは、新三菱重工業につきましては、当時、F86Fジェット戦闘機を昭和三十五年三月までに三百機製造するという生産計画でもって、その当時におきましては、大体百号機まで製造を終っております。それから川崎航空機の方は、T33Aジェット練習機を昭和三十四年三月までに二百十機製造するという計画で、その当時におきましては百四十五号機まで製造を終っておったのであります。そこで、新三菱重工業におきましては、当時F86F生産のための直接工といたしましては約千六百名でございました。昭和三十五年三月F86Fの生産を終了する時点を考えました場合におきましては、その会社の名古屋の大江工場のサブアッセンブリー工場――約七千坪の工場がございまするが、これらの施設は、全く空白状態になったというような状況でございます。そういう仕事の状況でございます。これに比べまして、川崎航空機の方は、その当時におきましては、T33A生産のための直接工は約八百五十名でございました。おもな組み立て工場約五千坪の相当部分というものは、当時すでに準備中でごさいました。P2V―7――対潜哨戒機の製造に転用するというようなことが予定されておったのであります。一方、機械設備につきましては、新三菱重工業におきましては、フライス盤その他の高性能の工作機械が割合に多い。従いまして、非常に高度の技術を、要しまする超音速機の製造のためには、機械設備におきましては、川崎航空機工業よりも、より加工能力が高いというような判断がなされたわけであります。それから実際の生産の状況が、先ほど申しましたような、いわゆる工数の関係から申しまして、新三菱重工の方が、かなり余力があるという状況でございます。また、技術、経験の面から申しましても、当時、新三菱重工は、昭和三十二年度末からF1OODジェット戦闘機の修理を開始いたしておりまして、すでに超音速戦闘機についての実際の技術も知識も、ある程度有しておったというようなこと、それからF86Fジェット戦闘機の製造経験を持っておるというようなこと、それらの経験、技術というような点から申しましても、川崎航空機工業よりは、より適格性がやや高い、こういうふうな判断がなされたのであります。しかしながら、何と申しましても、当時考えられておりまする戦闘機の生産につきましては、とうてい一社だけでは単独生産できないということは、これは明らかなことでございます。従いまして、大体、当時の考え方といたしまして、次期戦闘機の加工工数が一機当たり約四万三千工数、月産七機といたしまして、一ヵ月に三十万工数というようなものがこれは必要であるというようなことを考慮いたしまして、従って、新三菱と川崎が共同で生産をするけれども、しかし、主たる生産者、いわゆる主生産者としましては新三菱重工、これに対する協力会社と申しまするか、副生産者としては川崎航空機工業、こういうことで、両社協力してやらせるというようなことが最も適当である、こういうふうな結論に基づきまして、その通りの内容を両方の会社に指示をした、こういうような経過であります。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたに伺いましょう。T33AとP2V―7、この飛行機は、アメリカの何という会社で作っている飛行機ですか。
  72. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) T33A、それからP2V―7、いずれもアメリカのロッキード社の関係でございます。従いまして、川崎航空機工業は、ロッキードとの間に技術提携をいたしまして、生産をいたしておるわけでございます。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 外国のメーカーの作った機械を、飛行機に限らず、機械を国内の製作会社が国内生産する場合は、技術提携がまずなされるのでしょう。いかがですか、お答え願いましょう。
  74. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) 航空機工業のように、非常に高度の精密な機械工業でございまするし、また、日本といたしましては相当の空白がございまするので、もちろん、将来は全面的な国産ということが望ましいわけでありまするけれども、こういうような高度の、高精度の技術を要しまするものにつきまして、当然技術提携をいたしまして、そういたしまして、漸次国産化の度合いを高めていく、そういう方針によらざるを得ない、かように考えております。
  75. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 重ねて、あなたに伺いましょう。グラマン社の飛行機類を取り扱っている日本の商社は、代表的な商社は、どなたですか。ロッキード社と関係を結んでいる主なる国内の商社は、どなたですか、御承知なら、お答え願います。そうして通産大臣に伺います。
  76. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) 取り扱っておる商社という御質問の意味は、必ずしも明確にとらえていないかと思いますが、たとえば、それらの各会社の外国からの機械等を輸入するというような面における取り扱い業者というふうに考えますれば、従来、グラマン関係につきましては、比較的、伊藤忠商事、それからロッキード社につきましては丸紅というような商社が、取り扱いの部面においては主たるものでなかろうかと、かように思っております。
  77. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 通産大臣に伺います。  通産大臣は、昨日の国防会議に出席されましたか、されませんでしたか。もし、されたとするならば、国防会議の構成等に関する法律のどの条項にのっとって出席されたのか、お答え願います。
  78. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 通産大臣としては、国防会議の委員ではございません。従来、オブザーバーとして出席する例がございますので、私は、その意味で出席いたしました。
  79. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 昨年四月十二日、グラマンが内定したときには、そのときには製作会社関係はきさめませんでした。その後に新三菱と川崎の関係をきめた、今の答弁通り。昨日、機種決定と同時に、直ちに主副の製作会社を決定した理由、これは十分通産省当局は責任を持ってきめるのだということを、国会においてずっと防衛庁長官答弁をして参ったわけです。そうして源田報告のいかなるものかということは、赤城さん自身、きのうの午後四時まで知らなかったということですが、ましてや、あなたの部下の重工業局長はもちろんのこと、知らなかったと思う。まして、そういう専門の通産当局の事務当局にはかることなく、協議させることなく、オブザーバーとしてあなたが出席されて、昨日夜半、新三菱と川崎の関係をきめたという理由は那辺にあるのか、納得できるようにお答え願います。
  80. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 機種がきまりまして、製造会社を指定するのは、通産大臣の職権でございます。従いまして、こういう問題につきましては、私は早くきめた方がいいという考えを持っておりまして、きのうを待つまでもなく、従来、事務当局より聞いて、機種がきまった場合には、どうするかという研究をいたしておったのであります。その研究に基づきまして、昨夜私は国防会議に出ております機会に、機種がきさまったあと、通産大臣としては、こういう考えでいる、その考えは、防衛庁長官とも相談しておりました、こう申しました。
  81. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は、FXの問題については、今の兵器の進歩の段階に、有人飛行機が有用か無用か、ミサイル体制か有人飛行機かという問題がありますが、今の段階ではそれは論じていない。どうしても私初め多数国民の納得できない重大なことが隠れている。その立場から今私はただしておる。おかしいじゃないですか。戦闘機種はいずれにきまろうとも、事前にどこの製作会社にやらせるということは、非常識ですよ。重工業局長みずから答弁をしておるように、今の飛行機の、これほど高度化したものは、系統的に技術提携をやらなければ作れるものじゃないですよ。グラマンと伊藤忠と新三菱重工、このラインははっきりしておるでしょう。それから昨年の四月十七日、ロッキードが負けた当時は、第一物産です。ところが、第一物産は働きが悪かったために、グラマンにやられたというので、ロッキードの方は、第一物産の首を切って丸紅に切りかえた、そうして、これが川崎航空につながっておる。従って、昨年の四月十三日、機種が国防会議で内定する以前に、伊藤忠と新三菱のこのコンビと、第一物産に川崎航空のこのコンビ、その後には、川崎航空と丸紅のコンビに変わりましたが、熾烈なる売り込み合戦をやったじゃないですか。だから、グラマンならば新三菱が主、川崎が副、ロッキードならば川崎が主で新三菱が副というのは、防衛庁事務局内においても常識であった。そういうニュアンスの答弁というものが国会でなされておる。世間はみなそう思っておった。ところが、去る六月十五日、白紙還元して以来、赤城さん、御記憶があるでしょう。私は、予言していたでしょう。私の予言の通りになったじゃないですか。私は、こういうように国会で予言した。源田さんが行って帰ってロッキードになったならば、ロッキードになっても、主は新三菱にいくし、副は川崎航空にいくであろう、そういうように予言しておった通りになった。この私の疑惑を、いかにして解くか、私のみならず、国民は大へん疑惑を持っておりまよ。納得できませんよ、それは。今から、あなたは新三菱が、今度はロッキードと提携してやるとなれば、新三菱は多額の金をロッキードに払わなければ技術提携できないでしょう。機械類もたくさん買わなければならぬ。そうなってくれば、一機の飛行機の値段に影響してきますよ。どうしてそういう非常識なことをするのか、納得できないですよ。  しかもですよ、私は議長がいないから、とりあえず副議長に聞きますが、赤城さんに伺っておきますが、国防会議で機種まできめて、どういうわけで価格の点を論じなかったのですか。価格は、幾らなんですか。価格は、複座機をあわせて二百機生産して一機が幾らという認定のもとに、国防会議は決定したのですか。どの飛行機が、どういう性能を持っているかということは、これは防衛庁の装備局の専門的なことでしょう。しかし国防会議が、こういう構成――だから、大蔵大臣と経済企画庁長官が議員になっている。そこで二百機、機種をきめるときに、一機幾らかかるかということも、めぼしをつけないで、検討しないで、機種をきめるというようなことは常識では考えられない。ところが、私はけさのどの新聞を見ても、価格の点については、明確に記事が載っていない。非常にこれは、ますます疑惑が深まって参る。  その点をまず防衛庁長官、それから通産大臣、順々に一つよく了解できるようにお答え願いたいと思います。
  82. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 価格の点につきましては、機種がきまって、その会社と商取引と言いますか、商取引でありますから、契約を結ぶ段階に入りませんと、はっきりしたことは申し上げられないし、また価格を先走って幾らということは、非常にわが国にとって不利だ、でありまするから、はっきりした価格は、今はわかりません。申し上げられません。ただ会議等におきましても、一機百万ドル以上であり、あるいは西独、カナダ等の価格の点などもしんしゃくしまして、大体の価格から言いますと、N156が一番安い。それからグラマンがロッキードとの間に少し差があって、ロッキードの方が少し高いような様相であります。それからコンベアが非常に高い。
  83. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ロッキードは幾らか、言えばいいです。
  84. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 百万ドル以上でありますけれども、その価格は、これからの交渉によらなければなりませんから、これは、ちょっと差し控えさせてもらいたいと思います。
  85. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 昨年の事情は、よく存じませんが、私は、現在の状態において、どの会社が作ったが一番いいか、すなわち労務関係、技術関係、施設関係等を検討いたしましてそうしてきめたのでございます。私の責任において決定いたしました。
  86. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 池田さんのその答弁に、私は反論しますよ。  この問題は結局何ですよ、赤城さんが防衛庁長官になって以来、この問題は、機種は、ロッキードになれば満足だ、それから主契約は新三菱になればいいんだ――私は、そうにらんでおる。間違いない。この点にピントを合わしてあなた方がやってこられているところに、私は義憤を感ずる、義憤を。池田さんが、そういう答弁をしても私は了承できません。特にですよ、今価格、値段で、百万ドル以上だ――外国から物を買うんじゃないですか。そのときに、あなた値段を押えておかないで、さらに欲を出せば、F86F、T33Aを作るときには日米折半。負担が、折半。近ごろはアメリカはフィフティ・フィフティはいかぬ、もう少し日本は、たくさん出せと言っている。こういうときだけに、その費用の分担まで若干話し合ってから、そうして買う決意をしなければ――そんなものは、何にも費用の分担関係もやらなければ、一機幾らかということを話し合わないで、ただこの飛行機がいいという――そんなむちゃなことがございますか。私は義憤を感じているんですよ。きょうは、それで私は大きな声で質問するのですよ。源田さんが――あるパイロットが乗ってみて、この飛行機がいい。幾ら高くてもいい。それはあるいは軍人さんは言うかもしれません。しかし国防会議なるものは、国家財政等、いろいろの角度から、これは一機どのくらいである。それから日米の費用分担については協議してみなければならぬけれども、せめて五分々々にいかぬでも、四分六まではこぎつかなければ、とても国内生産できぬ。そういうことはじゅんじゅんと説かれ協議されてからでなければ、国防会議で決定して国民に発表するということは許されぬことですよ。そういうことを私は事前に国会で論議したかった。そういう論議が、国会にあるということが、アメリカに反映すれば、幾らか飛行機が安くなるでしょう。全くものの買い方が、もうお話にならぬじゃないですか。国民の血税で買うんですよ。百万ドル以上とは何事ですか、百万ドル以上とは。一体、これはファイア・コントロール・システムは含むのですか。この百万ドル以上というのは、飛行機の裸の状態のままですか。それともFCSあるいはその装備を含めてのことですか。どちらですか。前者と後者について、お話を願います。無責任ですよ。
  87. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 無責任呼ばわりされるのは、まことに私はやはり義憤を感じます。私は、責任を持ってやったつもりであります。価格は百万ドル以上でありまして、その点につきまして協議をしないわけじゃありません。ですから、新聞にもありました通り、機種をきめるかきめないかという問題は、すでに問題になったということをもってしても御承知だと思いますが、その価格は、契約者と話し合いをしなければ、これは出てきません。それから、お話の中にありましたが、コスト・シェアリングで、アメリカとの分担は、きめてからやってもよかろう、これはごもっともであります。私も、そういう点で、アメリカとの分担の点について話し合いを進めようということを、非常に進めておった。ところが、ほかの方は分担を進めていましたが、戦闘機種については、決定をしてから、そうして、どれくらいのものという見積りが出てからでないと、分担の方の話し合いには入らない、こういうことなんで、矢嶋さんの言っているのと順序が違ったわけです。そういうことですから、私どもといたしましては、機種を決定し、そうして契約者をきめて、そうしてはっきりしたところの値段を出して、その値段のもとで、分担を交渉していこう、こういうこの段階を踏んだわけでございます。
  88. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 百万ドルの装備は。
  89. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) それから、正確なあれを持っているんですが、ちょっと言えませんが、装備の点は、これは機体とそれにファイア・コントロール・システムですか、これはナサールをつける、その他装備を含めての価格であります。機体だけではございません。全部の価格でございます。
  90. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 百万ドル以上というようなことで、国防会議できめて、国民に発表することは無責任だというんですよ、何ドル以下ならいいけれども。私が今まであなたから御答弁いただいたのは、よろしいですか。加藤防衛局長、おられますね。よく聞いておって正子さいよ。グラマンとロッキードの問題が論じられたときに、F104AからF104Cに改良された。そうしてしかもそのF104Cが、今度採用することになった。それが七十五万九千ドルでできるということをロッキード社で説明されているが、どうも納得できないほど安い、こういう速記録を残していますよ。ここに小山装備局長――七十五・九万ドル安い。これはF104Cに改装――F104Aではない、F104Cに改装されたものが、これだけということは、予想外に安いということを速記録に残している。今は、百万ドル以上というのです。それで私はかつての速記録と、今の調査ではナサールも百三十万ドルくらいかかるだろうという話もある。そうしたら一機五億円からするのです。五億円から。七十五万ドルだったら、これは非常に安いものになってくるわけです。従って、国会で審議された当時から考えても、非常にこれは心配で、無責任ですよ。決算委員会は、過去の使った途を審議して遺憾であった、遺憾であったということでは困る。過去の、われわれの審議の経過から、これから将来、血税というものが最も効率的に使われるようにしなければならぬ、そういう立場から、私はこれを論じている。  その百万ドル以上であろうというような程度で二百機云々というのをきめるということは、しかも大蔵大臣まで国防会議の構成員として入られてきめられなければならぬという理由は、一体どこにあるか。なぜそういう点は、防衛庁事務当局、それから通産省の事務当局と、十分検討させないのですか。これは源田さんだって、相当の数字を持って帰っていると思う、当然持って帰っていると思う、それは。それもある程度調べてくるのだということは、出発当時の速記録にあなたは述べている。出張命令にあるわけです。理解できないじゃないですか。しかもこれは、今ナサールということなんですが、今まではエアロー―13が最もよろしい、エアロー13をFCSにのせるということをいっておったのですが、これも一つお答え願いたい。エアロー―13から、どうしてナサールに変わったのか。それが変わったがゆえに七十五万ドルが百万ドル以上となったのか。らっかりすると飛行機をきめてロッキード社あたりと交渉をしていけば、売手と買手なんですから、このロッキード礼なんかは、ジェット旅客機なんか作っているけれども、もうミサイル体制下に入って、斜陽産業ですよ。あなた方は、十分御承知のはずです。ふらふら言っているのです。ロッキードだって、グラマンだって、コンベアだってジェット旅客機を作るけれども思うほど売れない。今までの研究費も還元できない。それで困り果てているのですよ。そういうロッキード社であれば、少しでも高く売りたいというのは当然ですよ。うっかりすると、何ですよ、百三十万ドルから百四十万ドルくらい取られますよ。そんなことでいいのですか。その点のお答えも願いましょう。それを私、無責任だと言うのです。
  91. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 見積りというか、価格の予想等につきましては、事務当局で相当検討を加えたわけであります。どの程度かということを、それに近い、あまり近い近寄った数字は申し上げないと申し上げるのは、矢嶋委員も御心配のように、国民の血税でやるわけでありますから、私どもといたしましても、できるだけ安く生産するということが建前だと思います。でありますので、いろいろ折衝を通産当局ともしなくちゃならぬ立場にあると思います。  そういう関係からも今御趣旨は、よくわかりますけれども、そういう点で、まだ確定しておりませんから、はっきりした数字は申し上げられないと、こう申し上げるのでありますが、予想価格等につきましては、事務当局におきましても、相当各機種につきまして検討はしておりましたし、その大体については、国防会議におきましても話はしたのであります。それをそこへ、はっきりした百万ドルを越して百何十万ドル、百何万ドルというような数字を出すのは、やはり価格を高くされるおそれもありますから、きまってからということで、慎重を期しているわけです。
  92. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 残念ながら、小山装備局長が中小企業長官に二十日ほど前に転任していますが、後任の塚本さんに聞まましょう。あなたは、なぜロッキードにきまったら川崎でやらせろと主張しないのですか、というのは、小山装備局長が、昨年の十一月に速記録に残しているのによると、ロッキード社と川崎航空と共同作業をして価格を算定したのが、一機約七十五万六千ドルでできるという作業をした。そしてあなた方に売り込んできたのです。だからロッキードと川崎航空にさせたら、FCSの値段は若干別としても、川崎航空としては、それでやらざるを得ないでしょう。川崎航空としては、ロッキード社に対しても、発言権があるでしょう。ロッキードと川崎が共同作業をした結果七五・六万ドルと防衛庁に報告をしてきたというのを小山装備局長が、昨年の十一月に速記録に残しておる。ところが、その川崎航空と縁を切って、新三菱が主になった。これは裏があるが、それは、きょうは保留しておきましょう。そして今ここで、百万ドル以上なんかというようなことでやったら、一体、だれがもうけることになるのですか、だれが損をすることになるのですか。  こういうきめ方というものは、過去の国会における答弁から総合するときに、非常に許すことのできないことですよ。一体防衛庁事務当局や通産省の事務当局は、全くつんぼさじきにされておる。そしてそういう事務当局が国会で責任をもって答弁したことは、全部ひっくり返っておる。しかもそれに対して、あなた責任を負わないということは、どういうことですか。まず装備局長、それを理解できるような答弁をして下さい。次に防衛庁長官答弁を求めます。
  93. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) 前に七十五万六千ドルということでございますが、その点、私も直接聞いておりませんからわかりませんが、やはりそれは防衛庁としても、少し安過ぎるんじゃないか。これは、いろいろ見積りの仕方に、特にわが国における発生費用等について、安く見積り過ぎているんじゃないかと、こういう感じを持っておったんじゃないかと思います。それにつきましては、その後のロッキード社のいろいろのことを研究いたしましたところによりましても、われわれも判明いたしております。そういう点で七十五万六千ドルそのものにつきまして、はっきりこれが防衛庁として認めた価格ということには、私は考えておりません。  なお第二点の、ロッキードであれば川崎、グラマンであれば三菱と、これはそういうように、あるいはその当時においてはなっておったかと思います。もちろんロッキードであるからという理由ではなくて、ロッキードとグラマンの、当時におきまして、その以前におきまして、P2Vをどうきめるかというときにおきまして問題があったわけでありまして、そのとき川崎社を選定した場合におきまして、川崎社でP2Vを自分の方で受けても、必ずしもあとのFXについて自分が棄権したわけではないということを言っておりましたことを聞きましたので、そういう点につきまして、あるいはそういう誤解があったんじゃないかと思っております。あと国内の生産会社をどうするかということは、あくまで通商産業的な立場からきめるべき問題だろうと、かように考えております。
  94. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 安いほどいいじゃないですか。七十五万ドルでできると言うんだったら、これで作らしたらいいじゃないですか。
  95. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 七十五万ドルでできるということの答弁があったそらですけれども、今装備局長からお話がありましたように、その当時でも、これは非常に安い、機種をとるためのあれじゃないかという疑問を持っておったわけであります。ですから、私はそれはあまり信頼すべき数字ではないと、当時も考えておりました。最近のいろいろな資料等を集めた結果によりますと、先ほど申し上げましたように、それからずっと違ったものになる、こういうふうになっておるのであります。
  96. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  97. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 速記をつけて。
  98. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今、ちょうど山ですからね。  防衛庁長官に伺いますがね。安過ぎるから疑問を持っているというのはおかしいじゃないですか。川崎が作るというなら、作らしたらいいじゃないですか。四月十二日に国防会議が内定した時に、当時の総務会長の河野一郎さんは議員だったんですよ、経済企画庁長官で。そうして河野一郎さんは、国防会議の議員として出席して四月十二日に内定したのですよ。そのあと河野一郎さんが、グラマンではいけない、ロッキードだと寝返りを打ったわけですよ。その時に、河野さんが演説をして歩いたのは、ロッキードが安いのだから、ロッキードがいい。安いF104Cができたんだから、ロッキードにすべきだ、グラマンにすべきじゃないという一貫した演説したんですよ、河野一郎さんは。河野一郎さんの命を受けて、あの人の子分であるところの前、田中衆議院決算委員長が、衆議院であれを取り上げたんですよ。ところがグラマンからロッキードに変わる時には安い安いと、七十五万ドルくらいで、これは非常に安い、不思議ほど安いと、それで、ずっとやっておいて、いよいよロッキードにきまりだしたら、百万ドル以上に変わってくるなんて言ったったら、つじつまが合わないじゃないですか。どうしても納得できない。これはあなた、何と答弁しますか。
  99. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 価格の安い点から言いますならば、N156Fが一番安い。
  100. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それは別ですよ。今ロッキードとグラマンにしぼって聞いておるのです。
  101. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 武器体形とか操縦性とか、いろいろ検討した結果、F104Cが適当だ、こういうふうになったのであります。  価格の点につきましては、グラマンも前のと違っていますが、それは前のは、正確にそういう約束をしたわけでもありませんし、川崎でやったらよかろうと言っても、川崎は、それだけの価格で引き受けるはずはないというデータも、私どもが最近においてよく調べた結果出ております。ですから価格の点も、重要な要素でありますが、同時に、操縦性その他各方面からの検討の結果、F104Cがよろしい、こういうふうにきまったわけであります。
  102. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そのあなたの主張に対しては、別の角度から、あとで反論しますから……。  通産大臣、お急ぎになっておるようですから、通産大臣に一問しておきます。私はこう言ったからといって川崎航空から一円ももらっておるのじゃないんですから、その点は誤解のないように。私は義憤を感じて、この質問を展開しているのですから。  通産大臣に伺いたい点は、国内生産をするということには、航空機産業というものをお考えになっていることと思うのですが、有人戦闘機は、今後さらに開発されるとお考えになっていらっしゃいますか。それとも、もう開発されないだろうとお考えになっていますか。どういうふうにお考えになっているかということは、今後国内生産するということになると、機械設備を購入しなければならない。組立用具から工具も購入せなければならぬ。ライセンスも買わねばならぬ。こうなってくると、相当の金が要るわけですよ。従って、今後将来、航空機産業は、どうなっていくか。ことにジェット戦闘機、有人戦闘機の生産は、どうなっていくかという見通しを持たなければ、おいそれと血税を多額にぶち込んでいくわけにはいかぬと思う。従って通産大臣は、どういう見通しを持っておられるか伺いたいと思います。
  103. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) なかなかむずかしい問題で、直接通産行政には関係いたしていないと思います。ミサイルとか、あるいは有人戦闘機、こういうことは、いろいろ議論されて、私も少しは聞いておりまするが、なかなか厄介な問題で、もうこれからミサイル、無人になるのか、いつからなるのかという問題につきまして、ここでお答えすることは差し控えたいと思いますが、傾向といたしましては、そういうふうな傾向が、今でも多分にあることは承知いたしております。
  104. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 重大ですよ。あなたはこのために国防会議のオブザーバーとして出ているのではないですか。そういう点にこそ、防衛庁長官とあなたと大蔵大臣と経済企画庁長官の国防会議の構成になっているのですが、そういう点こそ、じっくり徹底的に論議して、こういう見通しだ、従って、これだけ金をかけて国内生産をやったらいい。あるいはそれでは、もうよしておこう、国内生産の費用は、ほかの産業面に向けて、この際、必要ならば百機なら百機買った方が、そろばんに合うのではないか、そういうことを検討しなければ、国防会議の使命は達成できないのではないか。私は平素から、池田さんは何でも知っていらっしゃると敬意を表しているのですが、そういうことでは困るですね。  防衛庁長官に、ちょっとお答え願いますが、今後有人戦闘機というものは、将来開発されていくであろうという見通しを持っておられますか、どういう見通しを持っておられますか。
  105. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 現在できております――たとえば採用することにいたしましたロッキードは、これ以上の開発ということは困難でございます。これはアメリカにおきましても、もう最高のものだ、人が乗るとすれば、もうこの程度が最高のものだ。しかし、それだから、これをやめる、有人戦闘機をやめるということにはなっておらない。やはり有人戦闘機は、どこの国でも、――この間も話がありましたが、カナダでも、有人戦闘機は減らしましたが、ミサイルにかえましたけれども、有人戦闘機は必要だ。ドイツでも、そうですし、アメリカでも、そうです。だから有人戦闘機は、やはり戦術体系からいって必要だ。しかし、開発の点においては、今できておる有人戦闘機というものは、これは最高のものだ。しかし、これはやめるということにはなっておらない、こういうふうに私は承知しております。
  106. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 通産大臣に伺います。二百機国内生産する場合と、二百機アメリカからでき上ったものを買う場合とで、幾ら予算に差があるというように御判断なさっておりますか。
  107. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) まだ、その交渉はしていないようでございます、大蔵省も。従って、通産大臣といたしまして、二百機どうこうということは、昨夜きまったのでありまして、二百機をどれだけで買えるか、そうしてまた、こちらで作ったときに、どれだけで作れるかという計算はいたしておりません。そうしてミサイルか、あるいは有人の戦闘機かという問題につきましても、いろいろ議論はいたしましたが、私は、ここで国防会議のことを申し上げることはいかがかと思いますので、ああいうふうに漠然とお答えしたつもりでございます。
  108. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  109. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 速記をつけて。
  110. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 防衛庁長官、二百機の飛行機をアメリカから、できたものを買う場合と、二百磯生産する場合と、大よそどのくらいな金額に差が生じると大づかみにされておりますか。
  111. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私も、しさいに計算したことは実はないのであります。それは買った方が、幾らかは安いと思います。
  112. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 幾らか……。どのくらいですか。十億ぐらいですか、百億ぐらいですか。
  113. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) その数字は、私もはじき出しておりませんから、やはり国会で申し上げることは、非常なあとでまた――正確な調査の結果でないものを申し上げるのは、あとでまた、いろいろ問題を起こすと思いますので、どうも知らないことは、まだ調べていないことは申し上げられませんので、そういう点で、御了承願うよりほかないです。
  114. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間が長くなりますから、間もなく私はやめますが、しかし絶対に了承できんですよ、長官。幾らか差があるといって、それが一けたの差か二けたの差か三けたの差か、そのぐらいな見通しがきまらなくて、飛行機をどれを買う、何機買うというようなことをきめるということは、通産大臣もあなたも岸さんも、これは無責任もきわまれりと一言わなければならぬですよ。私が、さっき伺ったのは、アメリカを初めソビエトも、そうですが、ミサイル体制下に入ったということで、有人戦闘機の開発はやめてしまったのです。だから、今後多額の金を日本が技術提携で注入して飛行機を作っても、これ以上発展していくことはないのです。だから、アメリカは御承知でしょう、ノース・アメリカンの三マッハのF―108、この戦闘機の開発に数億の金を投入して、国防総省はノース・アメリカンに開発を依頼しておった。ところが、もうこれはだめだというので、二億円ばかり金をつぎ込んだのをふいにして、そうしてアメリカの国防総省はF―108の開発をノース・アメリカンにやめさしたでしょう。そうして、残った金を他の開発に向けていっているわけです。だから、こういう時代に、見通しもなくて、これからロッキード社と提携して、多額の金を注入して、設備を作り、機械を買うてやってもむだですよ、そんなもの。こんなことでアメリカの斜陽産業、不況産業をなぜ救わにゃならぬかということですね。まことに無責任きわまることだと思うんで、それらの点について通産大臣防衛庁長官も、的確な資料も判断も持たずに、幾らか違うだろう――私が若干資料で計算してみますと、二百機の場合、三百六十億くらい違いますよ。アメリカのいろいろの権限を日本で買うてそして二百機生産していく場合と、二百機アメリカで作ったものを買うた場合、三百五、六十億違いますよ、金が。あなたたち専門家として、そういうことは当然検討されてしかるべきじゃないですか。こういう点にはっきりした答弁がないから、私は、ともかくロッキードを買いさえすりゃいいんだ、新三菱さんが主契約がなりさえすればいいんだと、その点だけにピントを合わせて行政を進めているように思えてしようがない。これはもう多くの不明が残る。その点にしぼって私きょうは追及しておる次第です。その買う場合と国内生産する場合、三百五、六十億の差が出る。それから、せっかく今から日本の航空機産業が習得――習って教えてもらって、お金を出して権限を買うて、そして習得しても、今後世界的に有人戦闘機の開発はもうあとない。同じ開発をするなら、その金でほかの方面を開発しなさい。むだなことじゃないですか。その点、お答え願いたい。
  115. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) その点は、見方が違うと思います。有人戦闘機――人の乗るものとしては、もう最高であります。これ以上開発していくというのには、人が乗れないということなんです。ですから、現在できている戦闘機というものは、人の乗るものとしてはもう最高のものだ。だから、これ以上の開発をしては、人が乗れないんだ。それからもう一つは、お話しのように、有人戦闘機よりももっと無人のミサイルの方に入るのが国防上適当だと、こういうことで、やはりミサイル化になっておるわけでございますけれども、だからといって、有人戦闘機は全部要らないということじゃなくて、各国ともそういうことでやっております。そこで、日本の場合におきましては、やはり日本の防衛上、次期戦闘機として選ぶような戦闘機は、日本の防衛上必要だと。そしてまた、買ってもいいんでありますが、やはり日本向けに、ある程度、換装というか、たとえば管制装置などはナサールにした方がいい。これはやっぱり日本人に、また日本の風土、その他いろいろな点から適しておる。操縦性からいっても適しておる。こういうような観点でこれを国産にしたいと、こういうことでございます。何もロッキードにきめなくちゃならない、あるいはまた、新三菱ですかに契約をしなくちゃならぬという前提でこれをきめているわけではございません。あるいはそういう疑いを持つ方もあるかもしれませんが、絶対にそういうことではありません。私どもといたしましては、どの機種でも、やはり調査団が、これ以上の権威のあるものはちょっと見つからない、調査団の結果報告に基づいてきめようということできめたわけでございますから、御了承願いたいと思います。
  116. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私、最後に一問伺いますが、ここは決算委員会ですから、飛行機性能関係についてはあまり伺いません。で、最後に安全性の点だけについて言伺っておきます。そしてその員任の所在、佐薙航空幕僚長、もうやめました。やめたら賛任がないということじゃないと思う。防衛庁の幕僚監部は連綿としてこれは続いているわけなんですから。佐薙空将が航空幕僚長のときに述べたことを――それは私は、あの人がやめたから航空幕僚監部は一切責任がないというわけにはいかないと思う。F―104Cについて佐薙空幕長は、三十三年十月二十三日、去年の二十三日、ちょうど一年前、本院で次のごとき速記録を残している。ちょっと読んでみますから、お答え願います。「ロッキードの場合でありますと、まずパラシュートで飛び出すことを第一にせざるを得ないという状況でございます。としますと、この飛行機のパイロットの方は生命が助かりましても、高価な飛行機、またF―86でございますと、従来日本でもパイロットが飛び出すときに大体下にこの飛行機が落ちても、下の部落あるいは人家その他に危害がないことを大体見届けて、そうして飛び出す余裕をもって飛び出すことをやっております。104の場合になりますと、もうすぐ飛び出さなければならないということになりますと、従来パイロットが空中において飛び出すときでも、その点を考慮して飛び出して、下の人に危害のないように配慮をしておりますが、F―104の場合になりますと、もう下のことは考えておられずに飛び出す、飛行機はどこに落ちるかわからない。日本のように比較的人家の込んでおりますところでは、部外に及ぶ危害ということも、われわれは考慮に入れなければなりません。」。で、ロッキードは危険である、これはグラマンでなくちゃならぬということを、航空幕僚長の佐薙さんが速記をつけて述べておるんですよ。昨年の十月二十三日ですね。この責任は一体どうなるんですか、どうなる。一体源田報告なるものは、こういう点はどういうふうに出ていますか。だから、源田さんはあちらに行って、ともかくロッキードは安全だ、安全だというのを立証するために、一生懸命ロッキードに乗って研究されたというんです。だから乗った時間も多いわけです。ところが、あの四人のパイロットの中には、これにクエッション・マークを持ったパイロットが少なくとも二人おるはずです、二人。だから、各人が書いて密封して帰ったのを、疑惑を解くために、国民に公表しなさいというんです。各パイロットはこういうふうに、安全性、航続距離あるいは上昇力についてこういう調査をしたと、あるいは異例の措置として公表したら、矢嶋も納得するし、国民も納得するでしょう。しかし、一年前に、F―104Aじゃないんですよ、改良された今度のそのF―104Cについて佐薙幕僚長が、源田さんの前任者ですよ、その人がこういうことを国会で速記に残しているんです。この責任は一体どうなるのか。幕僚長はやめても、残ったものに責任がありますよ。この責任はどうなるのか。それから、この疑惑を解くような――いずれは源田さんにも聞きたいと思うんですが、源田さんはどういうような報告を出されたのか。その点だけを伺って、きょうは決算委員会でありますから、時間も参りましたから、私の質問は一応終わります。答弁次第ではもう一回聞きますよ。
  117. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) どうも御理解がいただけないのは残念でございます。先ほどから申し上げているのは、新しいF―104でも、あるいはグラマンでも、まだ見た者も乗った者もなかったわけです。それで今度源田調在団が行って見て、乗り、それで調査した。そして安全性ということは、その結果いろいろ、どういうことかということはやはり非常に心配して、その点については特に注意して検討した、こういうことなんです。  そこで、たとえば搭乗者の事故の問題であります。事故も、かつては相当多かったのであります。最近は非常に少なくなりました。どういうことかというと、これは技術的な問題ですから、私はあまり詳しいことは申し上げられませんが、たとえば脱出する場合に、下から脱出する、こういう装置になっているわけです。そういうことですと、ジェット機は、御承知のように、非常に速力が早いですから、脱出するいとまがないうちに下にぶつけてしまって操縦者も人命を失うということになる。そういうことで上へ飛び上る、こういう脱出の装置がすでにできておったり、またそういうふうに直しつつある。こういうことで、事故というものも、操縦者の人命の事故ということも非常に減ってきておる。あるいは行動半径及び所要滑走路の長さ等についても、これもやっぱり乗ってみてわかったのだから、佐薙前の空幕長がこちらで考えており、あるいはまた源田空幕長も行くまではそういうふうな考えを持っておった。行ってみて、乗ってみて、そうしてその点等についてこれは違ってきた、こういうことであります。最近すでに安全性の点については解決済みになっておるものもあるし、また近く解決されることにもなっている。それからもう一つは、向こうの戦闘機に乗っている者も、これはやはり訓練用の戦闘機というものをみんな備えてある。そして訓練を経て事故を少なくするということになっておって、この訓練用の飛行機を複座式のものを備えるということも、これは事故の減ってきた原因であり、向こうもそうしている。でありますから、初めは考えなかったのでありますが、調査の結果は、やはり複座式の訓練用のものを備えて、そしてこの事故を少なくする、こういう措置もとり得る。こういうようなことは、やはりこちらでいろいろ資料によって検討しておったことと、現地に行ってみずから操縦してみた点において非常に違ってきた、こういう報告であります。  それからパイロットのうちの二人が反対の意見を述べたというようなことは、全然ないと私は聞いております。機種決定を左右するとか、それを非常に困難ならしめるような意見等は全然なかった、こういうふうに私は聞いております。
  118. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは資料を要求しておきます。時間がないから、資料だけ要求しておきますが、これは岸内閣として責任が大きいですよ。去年の四月十三日の内定通りいったらどうなのです。左藤防衛庁長官、伊能防衛庁長官、速記録をごらんなさい。四月十二日の内定は絶対正しいということでずっと処理してきているですよ。佐薙空幕長がここへ速記録を残したころは。飛行機の脱出口が下にあるのを上に移すなどというのはその方針がきまった後なのです。それを含めて論じている。下に脱出口があるのを上に変えた。それを既定の事実として論じたのです。そのときでさえ佐薙さんはこういう速記録を残りしている。だからこの点は私の方があなたより詳しいです。ごまかされない。  資料を要求するのは、事故率、これは資料として出していただきたい。過去の事故率はロッキードが圧倒的に多いのだから。源田さんが乗りこなしたからといって、あとの日本のパイロットが乗りこなせるかどうか、きわめて疑問です。果して安全だったら、過去の事故率の資料を出していただきたい。私が雑誌なんか見たところでは、ロッキードは圧倒的に事故率が多いです。だから佐薙空幕長はこういう速記録を残している。これは資料の提出を要望して、私の質問を終ります。
  119. 栗山良夫

    栗山良夫君 私二点、関連で、防衛庁長官お尋ねをいたします。  第一は、もう各省は明年度の通常予算要求を大蔵省になさっておりますが、防衛庁としては戦闘機を購入するために明年度の予算要求をせられました機数と金額、これは幾らになっておるか、お答えを願いたい。
  120. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) この次期戦闘機の予算、機数等につきましては、予算要求しておりません。これは決定してから予算の追加要求をいたそうと、こういうことでありますので、今要求しておりません。
  121. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういたしますると、大蔵省に、機数を確定されて、そうして予算額要求せられるのはいつになりますか。
  122. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 予算の締めくくりが、大体私の予想では十二月二十日ごろじゃないかと思っております。でありますので、機種及び機数が決定しましたら、それによって価額が出てくるわけです。機数によっても価額が出てくるし、価額が出てきて、アメリカ側と費用分担の交渉をいたします。そうして、十二月二十日前に間に合うように大蔵当局とも、あらかじめ大蔵大臣とも話し合って、追加要求をいたしたいと考えております。
  123. 栗山良夫

    栗山良夫君 今度新三菱重工に主契約、主注文をなさるということでありますが、先ほども論ぜられましたように新三菱重工はグラマンと技術提携ができておられるわけであります。従って、これを破棄して、ロッキードと新しく技術提携をするということになりまする場合におきましては、グラマンと技術提携をいたしました今日までの生産工程、生産設備その他の諸準備におきさまして、ロスになる部分が金額でどの程度あるか、また新しくロッキードと技術提携をするために出費をしなければならぬ部分がどの程度あるか、これをお聞かせいただきたいと思います。
  124. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) これは通産当局からお答えするのが適当かと思いますけれども、私の聞いておりますのには、新三菱はグラマンと技術提携しておらぬそうです。ロッキードと技術提携をするのについてどれくらいの費用を出すかということにつきましては、私今申し上げるだけの資料を持っておりませんので、その点は省かしていただきたいと思います。
  125. 栗山良夫

    栗山良夫君 通産省当局。
  126. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) その点につきましては、ただいま防衛庁長官からお答えになりました通りでございまして、具体的には一応生産体制がきまりまして、防衛庁と主契約、それから副契約がきまりました上におきまして、今後アメリカとも折衝いたしまして、具体的にどういう範囲で生産分野――これは新三菱だけが作るわけじゃなくて、御承知通り川崎と協力してやるわけです。その辺の仕事の分け方等につきましてもこれから相談するわけでございます。従いまして、具体的に技術提携に関連する費用はどのくらいになるかということは、今日ただいまではまだ申し上げかねる、それだけの資料もできていない、こういうことでございます。  それから、先ほど来問題になっております点等につきましては、通産省といたしましては、日本の航空機工業を将来国産化いたしまして、航空機工業を確立するということが主たる念願でございまして、そのために、航空機生産の経験を有しておる各会社が、それぞれの新しい機種開発に関する経験を持って生産体制に入るということにポイントを置いて今回も進めていく、こういう関係になっております。
  127. 栗山良夫

    栗山良夫君 ただいまの御答弁では不十分でありまして、私のただしたいと思っておる目的は、グラマンの生産体制を整えておった新三菱重工が、今度ロッキードに生産技術を転換をするわけでありますから、従って、今まで多額の準備、設備投資をいたして、それに対して今度ロッキードに切りかえた場合に相当な私は金銭的な出費を必要とすると思うのであります。その金額が幾らになるかということをお尋ねしているわけです。それで、先ほど赤城長官は、技術提携はしていないとおっしゃいましたが、その点私は明確には知りません。しかし、相当多数の外人技術者が来、外国の機械が入って、アメリカ式の生産体制をとっておることは、私は工場を見ておりますからよく知っておるのであります。決して自力で新三菱重工が生産しているわけではありません。従ってそういうことについて、切りかえをする場合には、必ずグラマンの方の会社には損失の補償なりなんなりしなければならぬと思う。そういう金額があるのかないのか。あるとすれば幾らになるのか、これを明確にしていただきたい。しかもその金額の負担を一体だれがするのかということです。新三菱重工がみずからそれを償却するのか、あるいはこれを国が見てやるのか、あるいはアメリカがこれを負担するのか、その点について明確でありません。この点をお尋ねいたしておるわけであります。もしただいま御答弁をいただけなければ、これは私がひとり疑問を持つのではなくて、ここまで紛糾をした問題でありますから、国民全般がひとしく疑問を持つと思うのであります。従って、この点は明確に当委員会に資料を提出せられ、そして解明をせられる義務があると思います。赤城防衛庁長官答弁を求めます。
  128. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 新三菱重工業とグラマン社との間に技術提携はないということは、私今申し上げた通りであります。ただ、今お話しのように、外人、アメリカ人の技術者や何かが来ているじゃないかと、これは考えますのに、F86のジェット戦闘機についての技術提携ができていますから、その点で来ておるのではないかと思います。ですから次期戦闘機のためにということかどうか、その点はわかりませんが、私はF86関係だと思います。ただ私の方から申し上げ得ますことは、技術提携はしていない、こういうことに私は聞いております。  それから準備をしてどれだけ費用がかかったのかと、こういう点等につきましては、私の方でも承知しておりません。通産の方の関係で調べてみれば調べられるかとも思います。私の方から御答弁申し上げることは、技術提携はないと承知しておる、こういうことであります。
  129. 栗山良夫

    栗山良夫君 通産省、私の資料要求に対してどうですか。
  130. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) 今大正臣お答え通りに、グラマンとの提携でなくて、F86Fとの関係におきまして、ノース・アメリカンとの提携の関係等はございます。従いまして、昨年の一応内定いたしました当時におきまして、生産体制に入りますために、新三菱はどの程度の準備をしておったか、生産の準備をしておったかということにつきましては、ただいま私ここに詳細な資料を持っておりません。さらに、もし何か相当の出費をしておるかどうかということにつきましても、調査をいたしまして、御要求があればお答えをいたしたいと思います。
  131. 栗山良夫

    栗山良夫君 要求でなくて、あとで、資料を提出せられたいという要求したのですよ。川崎の方はあまりあれはないでしょうけれども、新三菱重工の方が、グラマンの戦闘機を作るということを前提にしていろいろ準備をしておったわけです。それが今度御破算になったわけです。これに対するロスの金額が相当あるだろう。設備あるいは労務その他、研究、工作機等の設備、下請機関、いろんなものに私は及んでおると思うのです。ロッキードに切りかえたために、それらが使えなければ損失があると思う。それらが一体どのくらいになるかということを聞きたい。ロッキードを今度生産することにすれば、技術提携、その他新しく工作機械の購入とか、そういう機種を変換したために新しく要する費用が要るではないか。そういうものを一応資料として提出をせられたい。しかもそれを負担をするのは一体だれになるか。機種の単価が、飛行機の単価が上ってくるのか、あるいはアメリカ側が負担してくれるのか。国家が負担するのか、そういうことを明確にしてもらいたいということであります。よろしいですか。
  132. 小出栄一

    説明員(小出栄一君) はい。
  133. 栗山良夫

    栗山良夫君 それから、第二に、先ほど矢嶋君からもしばしば赤城長官に対して、こういう昨年からもみにもみ抜いたところの戦闘機種決定の問題について、責任の所在を明確にしろということを言われておる。ところが、これについては赤城長官は遺憾の意さえ表明せられておりません。私はこれは非常に不穏当だと思います。今年の春の通常国会における参議院の予算委員会におきましても、私はこの問題について委員として言及いたしております。当時の伊能防衛庁長官は、公けの席において、あるいはまたプライベートな話においても、グラマンが適当である、自信を持っておるということは、しばしば私はこの耳で直接聞いております。従って、当時の国防会議の中においても、防衛庁の中において、あるいは閣僚の中においても、グラマンを推進せよという強力な力があったことは、これは見のがすことはできません。にもかかわらず、自民党の一部における批判、さらにわれわれ社会党の強烈なる批判の前にグラマンの決定を押し切ることができなくて、そうして今日まで延びてきたのであります。そうして延びてきた結果が、われわれが主張したことが正しくて、そうしてあれほどまでにグラマンを熱心に強行しようとした諸君の意見というものがだめであったということが、源田報告をあなたがここで述べられるように百パーセント信用するとするならば、証明されたわけであります。源田報告を通じて。そうすれば国防会議に列席してグラマンを主張したところの議員の諸君、あるいは閣僚の中のグラマンを推進した諸君、防衛庁の中におけるところの行政官の諸君、こういうものは政治責任、行政責任というものをひとしくとるべきであると私は思うのであります。ところがこれについて矢嶋君も相当激しく追及をされたのでありますが、行政責任をとるどころの騒ぎではありません。遺憾の意さえ赤城長官は表明しておられないのであります。これでは国民は約得することはできないと思うのであります。この点はどういう工合に釈明せられるか、明確にしておいていただきたいと思うのであります。
  134. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 次期戦闘機の決定につきましていろいろ問題を起した、こういうことは私も遺憾だと思っております。そこで政治的責任あるいは行政的責任、こういうことでありますが、御承知のようにそういうふうに遺憾な事態を生じましたから、ことしの六月にこの問題は白紙に返して、そうして権威ある調査団を派遣して、その調査団の調査の結果に待とう。こういうことになったわけであります。でありまするから、私どもは遺憾であったから、白紙に返して、一つ今まで見もしないし、乗りもしなかったもので、新しくできたものを検討してみた。ですから当時こちらで主張して、グラマンがいい、グラマンがいいと言ったのには、やはりグラマンがいいという理由もあったと思います。ロッキードがいいと言う理由もあるし、あるいはノースロップ、いろいろあったのであります。しかし一応白紙に返した、こういうことで再出発をいたしたわけでございますので、その点はそういうことで国民の疑惑も解き、遺憾な点もまだありますが、遺憾な点をなくして、責任を尽そうと、こういうことにいたしたわけであります。  でありますので、当時実際に乗ってみない、あるいはそういう機種ができていない先にいろいろ主張したり、あるいはこれがいいということを言ったものに対して、私の方として行政的責任をとらせようというような考えは私は持っておりません。しかし、こういう問題が非常に世間でもいろいろ疑惑をもたらしたり、あるいは国会等におきましても御議論の種になったということに対しましては、私は全く遺憾に感じておる次第であります。
  135. 栗山良夫

    栗山良夫君 重ねて、大へんくどいようですがね、白紙にことしの六月還元して出直して、新しく純粋な気持で当たったからそれでいいのではないか、こう簡単におっしゃいますけれどもね、白紙に還元の態度決定を内閣がするまでの、あの前のおよそ一年間の国会の内外におけるやりとりというものを、あなたは冷静にもう一ぺん思い起こして下さい。特にですよ、衆議院においては与党の委員長である田中彰治決算委員長は、この事態を究明しようと思ってどれほど努力をしたかわかりません。にもかかわらず、その努力に対して与党は協力しましたか。ことごとに反対をして、そうして田中彰治委員長を窮地に陥れようとする動きすら行なわれたのであります。それほどまでに防衛に防衛を重ねて、自衛隊が決算委員会の防衛に当たって、一生懸命に防衛を重ねて、その結果なお防ぎ切れなくて、白紙還元になったのであります。衆参一致して各委員会で述べられた速記録をごらんになれば、全部一貫しております。でありまするから、最近の日本における政治の一番大きな欠陥は、政治家がちっとも責任をとらないということであります。行政官が責任をとらぬというところに問題があります。これほどまでに世間を騒がせ、一千億に及ぶような巨額な血税を使うということでありまして、今お聞きすれば、まだ値段もきまっておらない。そういうようなことでありまするから、従ってこういう問題について、やはり政治責任、行政責任というものをぴしぴしととっていく、そういう体制を作っていくところに私は政治の明朗化、行政の明朗化が出てくると思う。これは私は防衛庁長官の責任において、問題をぼやかさないで明確にせられる必要があると私は思います。これは私の意見でありますが、そう思うのであります。もう少しよくこの問題の深刻な国民に与えた影響というものを考えられ、おそらくこれで私はおさまらぬと思います。また国民の中からはいろいろな批判が出てくると思いますが、国民をして納得せしめる上において政治責任、行政責任というものをとる、こういう態度をきめられて善処せられるべきではないかと私は思うのであります。重ねて要請しておきます。
  136. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 御意見はよく心に拝聴しておきます。
  137. 相澤重明

    相澤重明君 時間もおそくなりましたから、前回の委員会質疑の中での問題を若干尋ねておきたいと思います。  まず、会計検査院お尋ねをしておきたいと思いますが、相互安全保障軍事用有償譲渡契約についての項目でありますが、前回赤城防衛庁長官がサイドワインダーの発注について五千万円前渡金として支払った。こういうことを答弁をされたのでありますが、サイドワインダーは昨日立川基地に到着をしたようでありますが、この相互安全保障軍事用有償譲渡契約について、前渡金という性格は一体どういうものなのか。つまり売買契約なり、あるいはこの相互の有償譲渡についての契約がされる。本来、品物が全部あって、その品物をそれでは何ぼほしい、その何ぼに対する対価が全額支払われる、これが商取引だと思うのです。しかしその商取引の中で前渡金という制度というものはあると思う。その前渡金というものは、少くとも三分の一とか二分の一とか三分の二とか、それはそのときのいわゆる状況によって違うと思うのですが、会計検査院としては前渡金というものはどの程度のものを支払うのを前渡金とお考えになっておるのか、この点を一つ会計検査院の立場でお答えをいただきたいと思う。
  138. 保岡豊

    説明員(保岡豊君) 物品の購入、工事の施工をさせる請負契約または物品の製造をさせ購入する契約にあたりまして、前渡金を払うことが国内法でも許されておりまして、その場合々々がきめられてあります。その場合に、その全額を払うか、何分の一払うかということは大蔵省と協議して考えることになっております。今、有償譲渡の場合におきましては、国内法ではなくて相互防衛援助協定によりましてやっておりますから、その相互防衛援助協定に基づくところのアメリカ政府の相互安全保障法、これに基づきまして契約をいたす。その契約書に当たりますものが、先回説明されましたところの引合状でありますが、引合状の条件によりまして契約をする。その引合状には前渡金全額を払うということになっております。それでありますから、この引合状は、ただいま申しましたように、もとは相互防衛援助協定、これに基づいておりますので、先回も私申し上げました通りに、それに基づいた契約といたしまして、これは協定にかなっているものであるということを申し上げたわけであります。
  139. 相澤重明

    相澤重明君 竹内征平君はこの前の本委員会で、これらの問題についても、最近MSA協定の方向が若干変わって、制度が変化をして、そうして、たとえば当時の御説明によりますと、「MSA協定に基きますものは、従来はカウンター・サインをしてすぐ金を送るということが要件でございまして、それが最近変りまして航空部品等につきましては、品物を送ってから六ヵ月以内にクレジットでやるというように、制度が最近変って参りました。」、こう言っておるわけです。そうするというと、今会計検査院の指摘しているのは、米国政府が相互安全保障法第百六条によるところのいわゆる引合状、こういう今御説明をされておるわけです。このMSA協定と、いわゆる相互安全保障軍事用有償譲渡契約の相互防衛援助協定の第一条、こういうものとの関連というものは一体どうお考えになっておるのか。この点はやはり国会の中で明らかにしてもらわぬと、今後いろいろな、先ほどの矢嶋委員の緊急質問いたしました次期戦闘機種等の問題を初め、たくさんの問題が私は出てくると思う。この点についてどう会計検査院としてはお考えになっておるのか。防衛庁にはあとでまたお尋ねいたしますが、まず会計検査院の立場から一つこの点を解明していただきたい、こう思うわけです。
  140. 保岡豊

    説明員(保岡豊君) ただいま申し上げましたように、防衛援助協定の第一条に相互安全保障法によって供与をする、有償供与をする、こういうふうになっておりまして、相互安全保障法の百六条には、原則といたしまして譲渡する国に前渡金を払うようにさせろということが書いてありますが、また、まあ訳文でございますけれども、アメリカ大統領がそれを合衆国の最良の利益と決定したときは、引き渡し後六十日以内、こういうことも書いております。このことをどっちにきめるかということは、その引合状によってやることでございますから、引合状においてきめた通りであれば、会計検査院の立場としてそれで認めておるわけでございます。
  141. 相澤重明

    相澤重明君 ですから、私のお尋ねしているのは、引合状でもちろんそのことが決定されるわけでありますけれども、今のMSA協定の制度の変化に伴う場合においても、すでにそういう方向をとっておるわけですから、そのことと、今の相互安全保障軍事用有償譲渡契約をした場合に、今回のサイドワインダーを発注するについて防衛庁がとった前渡金という考え方と私はやはり若干違うのじゃないかと、こういう面をなぜそれだけの、いわゆるMSA協定でもって期間を延ばしてもいいと、六ヵ月以内にクレジットで支払ってもいいということをいっておるにかかわらず、全額を払わなければならぬのか。しかもこの前の赤城長官に私がお尋ねしたときには、サイドワインダーは三月三十一日に注文を終わって、そうして四月二日に全部の手続を終了したけれども、とにかく十月末か十一月初旬に到着をするであろう、いつ積み出すか、そのことについてはまだわからない、こういうお話であったわけです。少なくとも半年以上ですよ、三月三十一日に五千万円の金を払っておって、それで十月の二十日ですからね、私の質問したのは。このときにまだ品物がくるかこないかわからぬ、こういうことを言いながら、実はMSA協定では六ヵ月間の期間というものまでも延ばして、その以内ならばよろしい、こういうことをいっておるにもかかわらず、防衛庁としては金があるから、防衛庁たくさんお金を持っておるから、結局全額――全額といったところで十六万円ぐらい残っておるようですが、ほとんど全額に近いものが支払われた。こういう取扱い条件というものが、私は将来の防衛庁が米国にいろいろなものを注文する場合の私は一つの型になっていくのではないか。こう思いますので、会計検査院は、これが適正であるのかどうなのか、こういう点を私は検討をしてもらいたいと思う。前渡金というものでなくて、契約をしたのであるから、これは全額支払うのが当然だと思う。これは米国のいわゆる相互安全保障法できめられていることでありますから、それはそれでいいと思います。品物があって、この品物をすぐ送って下さればお金は払います、これは商取引ですからそれでいいと思います。けれども、前渡金制度というのはどうなのか、こういう点からいくと、どうも私は今のあなたの説明だけでは、ちょっと内容的に理解に苦しむのですが、この点いま一度御説明いただきたいと思います。
  142. 保岡豊

    説明員(保岡豊君) 先般、防衛庁の方から説明がありましたように、入ってからまたクレジットで払うというようなことは、これは安全でいい。こういうことは私存じておりまして、なるべくそういうふうに向うとの協定取りきめによりましてそういうふうにやりまして、それで引合状もそういうふうな引合状でカウンター・サインをする、こういうふうにしていただきたいことを私どもの方で望んでいるわけであります。前渡金を払ったものがいつ入ってくるか、それは期待する期日でありまして、きまった期日ではないのでございますから、そういうものに前渡金を払ってしまっているということは、おっしゃいますように、あまりおもしろくない。このことはせんだっても申し上げたわけであります。
  143. 相澤重明

    相澤重明君 会計検査院の立場がはっきりいたしましたが、防衛庁お尋ねをしたいと思うのでありますが、この相互安全保障軍事有償譲渡契約によりますというと、引合状には単に見込みの期限を記載することだけで、前渡金の保全措置というものは何ら講じられておらない。何ら保全措置というものは講じられておらないのに全額支払って、それで、それはいつごろ参ります、こういうようなことで前渡金というものの性格というものを考えておるのか。この点について私は防衛庁の態度というものを少し疑問に思うのですが、長官この点はいかがですか。前渡金を出しても、それに対しての保全措置というものは何らきめられておらないのですよ。これに対するあなたの見解はどうなんですか。
  144. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ちょうど調達実施本部長が来ておりますから、調達実施本部長から答弁いたさせます。
  145. 武内征平

    説明員武内征平君) ただいまの御質問に対しまして御説明を申し上げます。先ほど保岡局長が申されましたように、MSAの原則は、向こうからレター・オファーと申しますか、が参りまして、こちらがカウンター・サイン、署名をいたしますと、直ちに前渡金と申しますか、前渡金を払うというのは原則であります。これはMSAに書いてある原則であります。しかしながら二、三の例外ができて参っておる、それを申し上げます。その例といたしまして、この前私は六ヵ月と申しましたが、それは私の記憶違いでありまして、百二十日のクレジットでよろしい、こういうことが最近空軍、それから海軍にできて参ったわけでありまして、従いまして個々のアイテムを要求します場合におきましては、原則として、これはカウンター・オファーが参りましたら、サインと同時に全額を払うというのが原則であります。ただ例外といたしまして、最近空軍につきましては、この四月一日以降でございますが、ABPと申しておりますが、アニュアル・バイ・プログラムというのを訳しまして、年間調達計区画とでも訳しますか、これは原則でございます。例外といたしまして、リクェジション・タイプのMSMS、これはそのつどやはりその必要によって一年間一括して要求いたしますけれども、その一括計画に入っていなかった。急に必要になったというような場合のリクェジションがリクェジション・タイプのMSMSと申します。これにつきましてD・Dフォームの一一四九というものを出しまして、この際には、品物が来て百二十日後までに払えばよろしいという例外が認められておるのであります。従いまして、リクェジション・タイプのMSMSにつきましては、現在これを実施しております。  それからもう一つ海軍の方式でございますが、これも三十年の七月一日から適用になったのでありますが、これはやはり百二十日のクレジット方式であります。これは米海軍からスペア・パーツ、補給部品を有償援助で買う場合におきましては、カリフォルニアのオークランド・デポーに対しまして、D・Dフォームの一一四九というので要求いたしますと、これまた品物が到着いたしまして百二十日のクレジットで払うということであります。従いまして、後日払いの方がわれわれも希望するところでありますから、かようにMSの中で後日払いが許されているものにつきましてはこれに従っている。しかしながら個々に要求しますもの、また原則に従ってやらなければならないものは、向こうからカウンター・オファーが参りましたときにカウンター・サインをいたしますと、遅滞なく金を払ってやる。しかして、先ほどお尋ねのサイドワインダーにつきましては、個々に要求したものでございますので、この原則によって先に前渡金を払った、かようなことでございます。
  146. 相澤重明

    相澤重明君 経緯についてはわかりましたが、先ほどの会計検査院の決算上の検査の立場についての意見も出されておりますので、やはり私はこういう点については、いわゆる国の費用による重要なものでありますから、十分慎重に取り扱ってもらいたい、こう思うわけであります。そこで、サイドワインダーが昨日到着をしたというのでありますから、前渡金は五千万円払ったというのですが、あと幾ら、いつお支払いになるお考えなのか、この点の一つ答弁をいただきたいと思う。
  147. 武内征平

    説明員武内征平君) これにつきましては、前渡金と申しますか、全額支払ってございますから、もう支払うことはございません。
  148. 相澤重明

    相澤重明君 前渡金と、全額支払いということと、一体日本語の解釈をあなた方はどうする。前渡金というのは、本来が前払い金であって、これは完全に全額を支払うという意味では私はないと思う。このことについての議論をすれば時間が長くなるから、私はやめますが、少くとも全額を支払ったということは、ちょっとこの間の説明というものは、速記録を見ていただけばわかるけれども、少し不十分ではないか。そうすると全額支払ったというのは五千万円、このうち五千万円というのは赤城長官が御答弁されている。そうすると、サイドワインダーは一発百四十四万円、十四発で二千十六万円、それに取りつけ器具等が三千万円、こういうことで、この間御答弁になっているんですが、いかがですか。正確な数字を一つ御発表願いたい。
  149. 山下武利

    説明員山下武利君) サイドワインダーの一式注文したものが到着いたしました。これの支出等の関係につきまして御報告申し上げます。  これは予算の科目上、いろいろな費目に分かれて計上されておるわけでございますが、取りつけキット、これは航空機に取りつけましてサイドワインダーを発射するところの装置でございます。これが六機分、これが二千万円でございます。それから雑備品費といたしましてグランド・テスト・セット一組及び整備機材一組、これを合わせまして八百四十二万九千円でございます。それから雑運営費、この中にサイドワインダー本体が入っているわけでございますが、サイドワインダーは訓練用を合わせまして十四発、及び地上訓練用一発、これはサイドワインダーそのものではございませんが、いわゆる擬制弾と申しますか、弾の形をしたところの訓練用のものでございます。これが合計いたしまして千二百五十四万七千円、それからターゲット・ロケット、これはこのサイドワインダーを訓練いたします際に目標になりますところのロケットでございます。これを打ちましてそれにサイドワインダーを命中させるような訓練をするわけでございます。これがやはりサイドワインターと同じ数の十四発、それからこのターゲット・ロケットにつけますところのトレーサー・プレイヤーと申しますが、これは赤外線を放出しますところの器具でございます。これをつけましたターゲットを打ち上げてこれにサイドワインダーを命中させる、こういうものでございます。これが一機当たり四個ずつつけまして結局五十六個、この全部を合わせまして二千三百三十三万一千円、これを、合計いたしまして五千百七十六万九千円、先般五千万円と申しましたのは予算上の数字でございまして、実際に送りましたのは若干差異がございましてここに訂正さしていただきます。実際送りました金額は五千百七十六万九千円でございます。
  150. 相澤重明

    相澤重明君 数字についてはわかりました。そこでまあ前渡金の問題は、前国会でも私はイタリアのスタッキーニ会社ロケット弾の問題で、やはり会計検査院の指摘しておるように警告を出しておったわけでありますが、しかし今回のは無事に到着しておるから問題ないようなものだけれども、やはり前渡金という制度を考える場合には相当私は問題があろう、こういう点を明らかにしておきたいと思うのです。  それから次に防衛庁長官お尋ねしたいのは、昨日立川基地に到着したというのでありますが、これは米軍の輸送機で到着したと理解しておるのですが、いかがでしょうか。
  151. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 日本で引き渡すまではアメリカの所有になっておるので、私はまだ詳しく報告は聞いておりませんが、多分アメリカの輸送機で運んだんだろうと思います。日本の飛行機ではありません。これは所有権が移るのは引き渡しを日本で受けたときですから、向うの飛行機で……。
  152. 相澤重明

    相澤重明君 それからこのサイドワインダーの中にある薬品について世間ではいろいろ取りざたをされておるわけですね。猛毒を含んでおるとか何とかいろいろなことをいっておるのでありますが、そういうようなものについては被害というものは全然ない、こういうふうに理解しておってよろしいのですか。
  153. 塚本敏夫

    説明員塚本敏夫君) 猛毒というのは、俗名をガラガラヘビといっておるんだそうで、そういう方面から猛毒というあれが出たんじゃないかと思いますが、もちろん爆薬と申しますか火薬は入るわけですから、その程度のものはあるわけでありまして、猛毒というものは絶対にないと思います。
  154. 相澤重明

    相澤重明君 そこで長官お尋ねしたいのは、まあ十四発を試射するのはどこですか。名古屋でやるのですか、あるいは福岡でやるのですか、どちらでやるのですか。
  155. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) まだ全然決定しておりません。
  156. 相澤重明

    相澤重明君 これについて国民も非常に重大な関心を持っておりますので、私は少なくともサイドワインダーが到着する前に、長官としてもいつごろ到着するとかそういうことも発表したいということでありましたが、実は昨日到着する前まで長官もおそらく御存じなかったんじゃないか、こう思うのですね。そういう点についてはまことに遺憾だと思うのですが、特に試射をする場合には今のガラガラヘビかどんどんたいこかわかりませんが、とにかく猛毒を含んでおるというので一般に非常な関心を持たれておるので、慎重にされないと私は非常に問題が起きるのじゃないか、こういう点を特に長官に申し上げておきたいと思うわけです。  それから第二、第三の計画としてサイドワインダーをどのくらい調達をするつもりなのか、長官からこの際もしおわかりになったらば、その計画を発表していただきたいと思います。
  157. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) なお九十発ほど用意したいという意向でございます。
  158. 相澤重明

    相澤重明君 なお九十発注文をしたいというのは、三十五年度の予算の中に入れるつもりなんですか。
  159. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 三十四年度に九十発入って、三十五年度にまた九十発入っていると承知しております。ですから合わせて百八十発、こういうことでございます。
  160. 相澤重明

    相澤重明君 それでは防衛庁長官の先ほど言った九十発というのは、三十四年も九十発、三十五年も九十発、こういう意味なんですね。あとまだ注文する考えがあるのですか。
  161. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) あとは未定でございまして今のところでは考えておりません。
  162. 相澤重明

    相澤重明君 特にミサイル等の問題については、十分また機会を持って私どももいろいろ政府の考えお尋ねをしたいと思っておりますが、このサイドワインダーの問題については、私ども社会党としては実は反対なんです。こういうようなものを国内に持ち込んでそうして試験をするようなことについては、これは許すことができない現実の問題と考えておるわけなんですが、政府がさらに毎年この九十発、現在すでに百八十発もこれを受ける、こういうようなときに一番問題になるのは、先ほども矢嶋委員が指摘したところの、今度次期戦闘機種はロッキード、いわゆる有人機種が決定された。しかしおそらく、今赤城長官の御答弁を聞いておると、百八十発を三十四年、三十五年で注文をするけれども、その後は国内生産ということをあなた方はお考えになっておるのじゃないか、こういう点が私どもは予想されるわけです。そういたしますと無人と有人という関係が先ほどから議論をされておったのでありますが、赤城長官としては、今後はいわゆる次期戦闘機種を初めとして航空機産業については、まだまだ有人の飛行機というものを相当考えておってもいいということに対する見解が若干くずれてくるのじゃないか、こういうふうな点に私は疑問を持つわけです。ですからこれらの点については、私どもも十分政府の態度というものを監視をしていきたいと思うのでありますが、長官は今後このサイドワインダーなりミサイル等について、国内生産をする考えでおるのかどうか、この点を一つ明らかにしていただきたいと思う。
  163. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) サイドワインダーは御承知のようにF86あるいは次期戦闘機につけられるものでございます。これを国内生産をするかしないかということは今のところ別に考えておりません。
  164. 相澤重明

    相澤重明君 時間も、おそくなりましたから私はこれで終りますが、少くともこの前のいわゆる御答弁の中にありますように、この国防産業についての計画というものは、やはり国内についても相当各産業の非常な重点になるのじゃないか。いわゆる将来の国費の使い方についての重要な部門を私は占めてくる、こう見ておる。従ってそういう問題についても政府は、ただ今赤城長官の言われるように、どうも今のところは考えておりません、これはずいぶん前に吉田総理がよく、今のところは考えておりませんとかお答えができませんという答弁があって有名だったんですが、それだけではちょっとやはりなかなか、少くとも国防に関する限り防衛庁長官としては重要な役割を持つわけでありますから、疑問を国民は持つと思うのです。そういう点で将来の計画等についても、防衛庁として態度がはっきりさせられない理由は私はないと思うのでありますが、できるだけ早い機会にそういう点については明らかに私はしていただきたい、こういう点を私は申し上げて本日の質問を終りたいと思います。
  165. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間になりましたのでここで閉会していただきたいと思うのですが、ついては防衛庁のこの予算の執行は若干あらい点がありますから、本日閉会ということにしておいて、これで防衛庁の関係は終了したということにしておいていただきたくないと思うのです。本日はこれで閉会して、それから最後に、防衛庁長官に申しておきたいことは、国防会議決定は決定として私は認めますが、それは一応凍結しておいて、独走されないように特にこれは強く要望しておきます。
  166. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  167. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 速記を始めて。  ほかに御質疑がございませんければ、これをもって防衛庁の部、検査報告批難事項第十一号から第二十三号までの質疑は、一応終了したものとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  以上をもって本日の審議は終了いたしました。  次回は十一月九日月曜日午前十時より、日本国有鉄道の部を審議する予定であります。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時三十四分散会