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1959-02-10 第31回国会 参議院 文教委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年二月十日(火曜日)    午前十時三十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     相馬 助治君    理事            後藤 義隆君            中野 文門君            松永 忠二君            竹下 豐次君    委員           大野木秀次郎君            近藤 鶴代君            下條 康麿君            林屋亀次郎君            吉江 勝保君            松澤 靖介君            湯山  勇君   国務大臣    文 部 大 臣 橋本 龍伍君   政府委員    文部政務次官  高見 三郎君    文部大臣官房総    務参事官    斎藤  正君    文部大臣官房会    計参事官    天城  勲君    文部省初等中等    教育局長    内藤誉三郎君    文部省大学学術    局長      緒方 信一君    文部省社会教育    局長      福田  繁君    文部省体育局長 清水 康平君    文部省調査局長 北岡 健二君    文部省管理局長 小林 行雄君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会運営に関する件 ○教育文化及び学術に関する調査の  件  (当面の文教政策に関する件)  (昭和三十四年度文教関係予算に関  する件)   —————————————
  2. 相馬助治

    委員長相馬助治君) これより文教委員会を開会いたします。  まず最初に、二月五日に開きました委員長及び理事打合会の経過について御報告申し上げておきます。  まず、委員会定例日につきましては、従来、火曜、木曜の二日でございましたが、五日の委員会懇談会におきまして、中野理事その他より、委員会審議時間を十分確保するための方法等について意見の開陳がごさいました。本委員会としては、その趣旨に沿うて今後運営をいたすことにいたしましたが、ただ、日取りの問題につきましては、衆議院との関係もございまするので、委員長において、衆議院側と十分今後協議してみることといたしまして、とりあえずは、従前通り、火曜、木曜の二日間を定例日として決定をいたしたわけでございます。  本日の日程につきましては、先に御通知申し上げておきましたように、文部大臣就任のごあいさつをいただき、次いで当面の文教政策に対する所信を伺い、これに対する質疑を行うことにいたしました。  次いで、昭和三十四年度の文教予算に対する説明当局から聴取することにいたしました。  十二日木曜日については、昭和三十四年度文教予算に関する質疑を行いまして、その後において社会教育法等の一部改正の法律案を議題に供することにいたしました。  以上、報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  4. 相馬助治

    委員長相馬助治君) それではまず、橋本文部大臣から就任のごあいさつを伺い、続いて当面の文教政策に関する所信を聴取することといたします。
  5. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 今回、灘尾大臣あとを受けまして、ほんとうに、はからずも文部大臣の重責を汚すことになりました。どうかよろしくお願いをいたします。  教育は、ほんとうに国の大本になる問題でございまして、その日その日の問題というよりは、まさしくその全部が国家百年の大計の今日の課題ということに相なると思うのです。私もそのつもりで教育に関しまする基本法趣旨を尊重し、前大臣あとを踏襲いたしまして、真剣に仕事をやつて参りたいと思います。今日の教育は、明日、明後日のわが国を決定するものでありまして、責任のまことに重大なことを、痛感いたす次第でございます。  昭和三十四年度の予算に盛られました当面の文教政策につきましては、前大臣あとを受けて、これの成果を上げるように努めて参るつもりでございます。これにつきましては、別に時間をちようだいいたしまして、予算内容についての概略の御説明を申し上げ、また、その運営のいたし方につきまして、各位の御指示も仰ぎたいと考えておる次第でございます。  教育の問題は、広範な内容を持っておりますので、義務教育の問題、科学技術の問題、社会教育の問題、スポーツの問題、文化芸術問題等、いろいろな内容を持っておりまするが、一部分に偏せず、それぞれの問題のウエートを考えて、バランスのとれた教育行政をすることが必要であります。その中でも特に重点といたしましては、義務教育充実に心して参らねばならぬと思っております。もう一つはかなりおくれております日本科学技術振興のために、特に基礎研究充実のために、よほど力を入れて参らなければならないと考えておるのでございます。前大臣から引き継ぎました問題といたしましては、勤務評定の問題その他ございますが、これは内閣の方針として変つたこともございませんので、それを踏襲して参るつもりでございます。ただいま申し上げました義務教育の問題につきましても、あるいは社会教育体育その他の問題、科学技術問題等、全般につきまして、皆さん方の御意見も承わりながら、大局を誤まらない文教行政をやつて参りたいと考えておる次第でございます。どうかよろしくお願いをいたします。
  6. 相馬助治

    委員長相馬助治君) ただいまの大臣の御発言に対して質疑のある方がごさいましたならば、順次、御発言を願います。
  7. 松永忠二

    松永忠二君 一、二、大臣に御質問したいわけでありますが、就任されて十分に意見をまとめている期間等が非常に少いので、あるいは御検討が、あるいはまとまつた構想等も、いまだ十分でないと思うわけでありますが、大体今のお話を承わつて義務教育充実科学教育振興等重点に置いて参りたいというお話でありましたが、何かやはり大臣としては、教育制度の上に新たな検討を加えて、審議会等答申を求めるとか、あるいは答申になっている問題等について、それを具体化していきたいというふうに考えられている点があるかどうか、新しく審議会答申を求めていきたい点で、具体的にどういう問題がおありなのか、また、すでに審議会答申されている内容等で、ぜひ早急に実施をしていきたいというような、そういう問題があれば、一つ明確になっておれば、その点を明らかにしていただきたいと思うわけであります。
  8. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) ただいまの点につきましては、私もう少し検討さしていただきたいと考えております。現在私の考えておりますところでは、制度的な問題につきまして、非常に大きく手を入れて参りたいというよりも、私といたしまして一番重点を置いてやつて参りたいと考えておりますのは、義務教育に関しまする新しい教育課程、これの効果を上げまするように、これを堀り下げて検討して参り、研修等もやつて参りたいと考えております。それから科学技術問題等につきましても、過去においていろいろな答申等も出ておるようであります。これがどの程度に実現をされておるものか私もよく存じませんが、現状は非常に私は不満足なものであつて、これについてもやはり将来、年度割等考えながら、大体何年間にどの程度持っていくということを私は考えていきたいと思っておるのであります。何分にも就任早々のことでございまして、今日非常にまとまつた結論までを持っておりません。もう少し掘り下げて参りたいと思います。
  9. 松永忠二

    松永忠二君 具体的に一つ二つお聞きするわけでありますが、新聞等に発表されている点でありますが、スポーツ振興法というようなものについてできるだけ構想をまとめて、でき得るならば早急にその立法化をはかり、また、提案をしていきたいというような趣旨のことも新聞等で見たわけであります。こういう点についてはどういうふうにお考えになられておるか。また、巷間非常に、今文部省考えておる問題の中に、教員養成の問題があるというふうに伝えられておるわけであります。こういうふうな問題については、大臣としては、すでにそういう点を事務当局から聞かれて構想を進められていくような考え方をお持ちであるのかどうか、この二つの点はいかがでありますか。
  10. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) スポーツ振興の問題については、これはきわめて重要な問題でございまして、今までもずいぶん力を入れてありますけれども、やはりスポーツ振興法といったような基本法規がありまして、そして全国のやはりいろいろな地域的な体育に対しまする中心点といったようなものを頭に描きながら、体育施設整備をはかつて参り、それに必要な補助等もいたして参りまするということは、非常に私はけつこうなことだと思いまするので、実はスポーツ振興法については、大体これをまとめて提案していく方向で、ただし今国会の問題といたしましては、なかなか会期等関係もあり、無理でありまするし、実際問題として、まだ政府部内もまとめてございませんので、とりあえず今国会提案をいたしまする法案整備が済みまして、法制局等、手があいて参りましたならば、今度の会期中の間にも、スポーツ振興法をできるだけ早くまとめる方向政府部内で努力をいたしまして、なるべく早い機会にこれを取り上げて参りたいと思っております。ただし、今国会に間に合せるのは相当困難ではないかと思うのであります。  それからもう一つ教員養成の問題につきましては、ごく基本的な問題のほかに、今日、愛知県、福岡県等に見ますように、分校を本校にするといったようないろいろな問題がありまして、私、就任以来からも非常にいろいろな御意見も承わつておるのでございます。私は従来、政府がお約束をし、ある程度調査もし、やつてきている方向を尊重しながら、何分にもなかなかむずかしい問題でありますので、もう少し私は幅広く研究もし、また御意見伺つてみたいものだと思っておりまして、教員養成問題等につきましては、まだはっきりした方向のようなものを、動き出すまでの方向のようなものを持っておりません。
  11. 松永忠二

    松永忠二君 大臣も御承知のように、勤評問題を中心として教育界が非常な混乱を続けてきたわけでありますが、今国民方々が、教育行政に対してどういうふうな点を期待をしているかというようなことについては、いろいろお考えであると思うのであります。私たちは今の国民教育行政に非常に期待をしている一つの問題は、やはり教育政治的中立性というものを明確にして、堅持していくということが必要じゃないか、もう一つは、教育の中央集権的な官僚支配というものを排除して、そしてその地方における教育行政自主性を堅持していくというこの二つの点について、やはり今度のいろいろな問題を通して、早急にこういう点について明確なものを樹立していかなければいけないという気持を私は持っているわけであります。やはり今国民の中に、教育行政あり方というものについて相当考えている層が非常にあるわけであります。大臣は、むしろ教育行政を横から見ておられて、国民教育行政に対する期待というようなものについては、むしろ正確なものを持たれているのではなかろうかと感ずるわけでありますが、こういう点について、大臣は私のあげました二つの点について、どういうお考えをお持ちであろうか、また、特に今の教育行政に求めていき、樹立していかなければいけない点は、どこにあるというふうにお考えになっておられるでありましようか、その点を一つお聞きしたいと思います。
  12. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは非常に基本的な問題でございまして、これは私としても誤解を非常におそれるのでありますが、私は教育というものは政治的に中立でなければならないと思っております。これは教育基本法趣旨でもございますし、その通りであります。ただ、政治的に中立でなければならないということには、非常に大きないろいろな意味での含みがあると考えているのであります。われわれ国民が平和に繁栄していき、そしてまた子供教育科学振興というような点についても配慮いたしますためには、あらゆる面において、やはり真実、根深いよい政治がなければならないのでありまして、従いまして、教育行政というものも、よい政治に私はささえられなければならないということは、私は当然のことと考えております。従いまして、教育政治的中立というふうなことは政府としては何も考えない、議会としても何も考えない。要するに、教育というものは自然発生的に、どこからか出てくるのにまかせて置くのだという意味政治的中立という言葉が用いられているのではないのであつて、こういう点は、やはり政府議会も真剣に教育物的施設の問題、内容問題等という点も考えて、ほんとう意味における最も最良の政治教育になければならないと、私は考えております。ただその際に、教育の場において、やはり特殊の主義主張といったものが、色つけて主張されてはならないということが教育政治的中立の大事な点だと私は思っているのでありますが、そういう点から考えて見ます場合に、明治憲法下におきまする政治と今日の政治とは、基本が非常に大きく変つて参っていると思うわけであります。私は今日の民主政治というものは、百点満点だとは決して申しませんし、非常に大きないろいろな欠陥を持っておるのであります。基本的には国民教育の高さというものと関連をして、日本民主政治の性質もきまつて参ると思うのでありますが、しかし、やはり基本的に非常な性格の差があります。明治憲法下においては、御承知通り天皇大権に留保せられた事項がたくさんございまして、官吏の任命の点、官制編成の点も天皇大権でありましたし、また、教育方針においても天皇大権に属しておりまして、教育方針については、全部法律によらずに勅令、しかもその勅令も、たしか学令というような名で呼ばれておつたと思いますが、特別の勅令が出ておつたのであります。そしていわゆる天皇大権事項として、教育方針大権事項であり、それを動かす役人の任命官制編成大権事項であるという形でできておつたわけであります。今日は国民主権憲法のもとにおいて、衆参両院とも国民のきびしい批判のもとに、たびたびの選挙を戦つて参るわけであります。これも制限選挙の三千、五千という票を取るときと違つて、私にいたしましても、大体六万から七万の票を取らなければ当選ができませんけれども、これは特殊の人たちに渡りをつけるというようなことで、とうてい当選はできない。やはり個々の衆参両院議員にとつても、平素のやはり政治活動というものが選挙民批判の的であり、また、政府全体としてもそうでございますが、私は多少のいろいろな、やはり国民の自我がはっきりしていないから、時のマス・コミに左右されやすいとか何とかというような、多少のゆらぎはありましようけれども、私は大勢としては、国民意思に反した政治というものは長続きはしない、それではささえられない組織になっておると私は考えておるのであります。私は基本的には、そういう制度のもとに議会があり、そういう制度のもとに政府がきめられておると思うのであります。しかしその場合におきましても、教育運営の問題につきましては、公選制の首長が推薦をいたしまして、公選制議会教育委員を選んで、そしてその教育委員会できまつたもので運営が行われていくというわけでございます。私はそういう観点からいたしまして、私は何と申しましても、国民のやはり政治教育というものを徹底して、ほんとう民主主義を行なっていく限り、政治的な偏向というものは長く続けることはできないという制度になっているということを基礎に置きながら、その上で、さらに政府自身、特殊な政治的な主張などを教育の場において持ち込んでいかないというふうに心し、そして現在の教育委員会制度を活用して参るならば、私は今日の教育というものは割合にうまくいくのじゃないか。ただ非常に大事な点は、今度のいろいろな法案だとか、制度審議などを見ても、政治というものがうまくいくには、ほんとう相互の善意に対する信頼がないと、うまくいかないものだと、つくつく私は感ずるのであります。従いまして、やはり問題の持ち出し方でありますとか、あるいはまた理解を得る方法等につきましては、十分私は心して参りたいと思いますけれども、しかし、何かの制度がありましたときに、これはこれを悪用するという方法でなしに、努めて善用するという方向で、ものを相互理解し合う、協力し合つていくならば、割合に問題は円滑にいくのではないかと私は思っておるのであります。私はそういうつもりで、よい教育行政のできまするように、これは政府がむやみに手を出すということでなくて、教育委員会の、教育あり方等について、できるだけのお手伝いのできるような方向で、良心的に考慮しながら、相互にやはりよくしていくという問題についても、政府と民間の間、また文部省と教職員の間、また与党と野党との間という点の理解を深めるために、全力を集中しながら私はやつて参りたいと考えております。
  13. 松永忠二

    松永忠二君 いろいろお話しを聞きまして、こういう点については、また後刻こまかくお尋ねしたいと思っております。  ただ一点、例の勤評の問題が非常に混乱いたしましたときにも、何かやはりこういう問題について、審議的なものを作つたらどうかといったような御意見も相当あった。特に今の教育行政の中で、いわゆる権威のある審議機関というもの、先ほどお話しに出ておりました、私たち考えといえば、政治的な中立を堅持でき、党派的な主張をその中に織り込むことができないような立場で、しかも官僚的な中央集権的な支配も排除できるような、そういう公正な審議機関というものは必要ではなかろうか。特に今の教育行政の中で、そういう面について実はわれわれは痛感をしているわけであります。そういう区々たる具体的事例もわれわれは持っていながら、なおかつそういうことであるがゆえに、一そうこういうことを考えるわけです。そういうために、実は政府の、文部省の中にも各種の審議機関があるわけでありますが、事実上その審議機関が果している役割というものについても、必ずしも、これが公正な審議機関であるのか、御用機関であるのかということについても、とかくの批判が実はあるわけであります。そこで、私たちは特に国の行政の中で、最も権威あるものとして、中央教育審議会というものがあるわけでありますが、これの実はあり方、あるいはこれの構成の仕方、運営方法等について、やはり検討する機会ではないか。特に三月には、これの方々の中で改選をされる方々、相当任期の切れる方々があるわけであります。こういう機会に、こういうことについて改めて検討して、やはり今申された、大臣主張されたような、国民の正当な意思の上に立つた文部行政あり方というようなことについても、こういうものを通して明確にしていくことが非常に絶好の機会でもあるし、われわれも要望している点が非常に多いわけであります。こういう現在ある審議機関あり方、あるいはこれの改組強化というような点については、大臣としては具体的にまだ考えを持たれておらないのか。こういう点はどんな御意見があるのか。これを一つお尋ねしたいと思います。
  14. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) ただいまお話しのありました点は、私も実は考えてみたいと思っております。私は御承知のように、さいぜんまで厚生行政に携わつてつたのでありますが、たとえば社会保障制度審議会勧告といったようなものに対しまする厚生省受け方といったようなものと、中央審議会勧告に対する文部省受け方といったようなものの間に、やはりある程度差があるんじゃないかといったような感じをするわけであります。私も具体的に実はあまりよく知らないのですが。で、この点は、やはり審議会といったようなものは、飾り物で、ただ責任回避機関であるんじやならないのでありまして、本格的に、まあ多少うるさくつても、そこを通せば頼りになる施策ができるといったような点は、大事な問題だと思いますので、内容については、ただいまお話のございましたようなところを含めて、十分検討をいたしていきたいと思います。
  15. 松永忠二

    松永忠二君 後ほどいろいろお話があると思うのでありますが、大臣は、厚生関係を担当されて教育行政の方にかわられた。非常にまあそういう面について御理解もあるわけです。実はその逆に、新たに厚生大臣になられた坂田さんは、教育関係について実は相当やはり長い間の経験を持たれていると思うのでありますが、こういう面で、私は、この機会にぜひとも一歩前進をしてもらいたい一つの問題があるというように思っておるわけです。これは実は児童福祉施設の問題であります。それと、いわゆる学校教育における、教育行政における特殊教育の問題でありますが、これは例の通り魔の事件等も、議会等においても、成人をした精神薄弱の者に対する何らかの施設というものを、今後充実をしていくべきではないかという意見が行われ、あるいは現実に、児童福祉施設における充実の非常に不備である点については、厚生白書等にも相当明確に出されておるわけであります。今度は逆に、学校教育におけるところの肢体不自由児であるとか、精神薄弱児であるとか、そういう恵まれない子供に対する施設についても、養護学校充実といい、特殊学級充実といい、ほとんど盲点的に残されている点が非常に多いわけであります。しかも、なおかつ厚生行政文部行政の間に、非常に連絡の不十分な点からくる一つの不備が指摘をできるわけなんです。こういう点について、私は大臣に特に一つ期待するところも多いのでありまして、こういう面の充実制度的な検討というようなことについて、あらためて一つ努力をいただきたいということを特に痛感しておるわけでありますが、そういう点について、私たちも前々から、この委員会でも指摘をしております学校保健法という法律ができて、就学時に健康診断が行われても、発見をした結核児童精神薄弱児肢体不自由児を、何ら収容する施設も、あるいはそれに対する学校教育施設も十分でないという、こういうような問題等、非常に多いのでありますが、こんな点について、何か御抱負がありましたらお聞かせをいただきたいと思う。
  16. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) ただいまお話のございました点は、まことにごもっともでございます。私も実は幼いころに大病をいたしまして、小学校はどうやら休み休み卒業いたしましたけれども、中学というのは一年の二学期をやつただけで、ほとんど独学で過しまして、まあ学校へしみじみ行きたいと思ったのであります。その後も、いろいろ厚生省の方面といたしましても、肢体不自由児等については、単なる治療の施設だけでなしに、学校に併設いたしました療育施設をできるだけ拡充したい。これはなかなか厚生省だけでいきません。やはり地元の府県等の熱意が非常に重大なんであります。また、学校の面からいいましても、やはりそういう面での特殊教育を施す学校施設をやるように法規整備されながら、実施を延期しておるのは御承知通りであります。私、非常に残念に考えておるのであります。そこで、これは学校を建てるという建前で、学校を建てるという観点で、その学校を特殊の学校にするという点にばかり目を向けておりますると、なかなからちがあくのに時間がかかると思います。病院施設というものは、公私を通じてたくさんできて参りましたので、今日、病院の中にも小学校及び中学校の分教場を併設して、寝ながら学問のできるようになっておる施設もかなりできて参りました。私は、ここまで参りましたら、少し全国的に目を向けて、学校という面で建てられたものと、本来、病院でできて学校を併設したものとつき合せてみまして、なおまた、そういう面で利用のできる病院等がどれくらいあるかというような点もつき合せてみまして、なるべく肢体不自由児、それから精神薄弱児等の特殊教育につきましても、盲ろうあと同じように、ほんとう意味義務教育だけはみな収容できるという施設を、何年かの間にめどを立てることができないものかどうか。これは資料から検討してみないとむずかしいようでありますが、私、実は落ちつきましたら、盲ろうあに続いて、ほかの特殊児童に義務教育を受けさせる設備のできるような、やはりこれもいついつぐらいまでにはできるといったようなめどを、できるかできないかわかりませんが、落ちついたら検討してみたいと思っております。やはり行き方としては、ここまで参りましたならば、義務教育については、特殊児童全部についての義務教育の設備というものを本式に、あまり遠からざる将来に実現したいと思います。
  17. 松澤靖介

    ○松澤靖介君 ただいま大臣から御所信を承わつたのでありますが、大臣は、義務教育充実に力を今後傾けるとおつしやられたのでありますが、大臣は御承知かどうか知りませんが、私は新聞で承わつたのですが、七日付文部省通達の、小学校教育課程に関する立法措置という、各都道府県に通達になつたものと存じますが、そのねらいというものは、戦後登場いたしました六三教育のいわゆる新教育が、やはり教育課程とか、あるいはその他のいろいろの面について、何かしら不都合があったのか、あるいはまた、いろいろ前にも問題になりました学力の低下というようなことにまで考え及んで、かくのごとき措置をなさったのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  18. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) この新しい学習指導要領につきましては、御承知通り、前大臣の時代に公布をされておるのでありまして、先般出しましたのは、それに従いまして、小学校昭和三十六年から、中学校は三十七年から、新しい学習指導要領に従って教育を始める、それの移り変りをうまくやらなければなりませんので、その移り変りの方法をこの間中検討いたしまして、私が就任いたしましてから、ただいまお話のありましたように指図をいたしましたわけでございます。ただいまお尋ねのことにつきましては、むしろ三十六年及び三十七年から実施することになっております新学習指導要領の実施という基本に触れる問題でございます。これにつきましては、十分最近におきますいろいろな学習の内容等考えまして、そうして教育効果が一そう上るように改訂をはかりたいと思います。
  19. 松澤靖介

    ○松澤靖介君 これはまあ意見の相違ということになるかもしれませんが、この移行措置によって、私の考えますのは六三教育制度の、あるいは根本的にならないかもしれませんが、ある程度の改正というもの、あるいは是正というものがなされるのじゃないかというような考えも持つわけであります。そういう意味において、先ほど申し上げましたように、新教育に何かの欠陥とか、不都合があったかどうかということをお尋ねいたしました。そうすることによって、われわれもともにこの教育振興のために努力したい、あるいは協力したいという考えのもとにお尋ねしたのでありますが。
  20. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 私、実はその点に関しましては、むしろその移行措置の問題よりも、新しい学習指導要領の問題でございまするので、実はまあ前大臣時代に定められた考え方であり、私はまあそれを踏襲しての意味だということを申し上げたわけでありますが、私はやはり踏襲をいたしまして、新しい学習指導要領の考え方というものは正しいと考えているのであります。やはり戦後、今日までの間の教育内容を見まして、一つには国語、算数等の基礎の学力が十分でない、これをもう少し向上させたいという問題がございます。それからもう一つは、地理や歴史について、もう少し系統立つた骨組みを教えないと、これはただ漫然と部分的な事実を知ってるだけで、やはりある程度系統的な基礎を教え込む必要があるという点。それからもう一つは、科学技術に関しましてもまだ不十分でありまして、これもやはり系統的な基礎を十分教え込みながら実地の観測等も十分やつて参りたいという問題。それからもう一つは、道徳教育の問題につきまして、昨年から考えておりまする教育をもう少しやはり身を入れて振興いたしたい、こういうような、およそ四つぐらいの点を考えて従来の学習指導要領を改善をいたしたものでございまして、こういう方向を身を入れて伸ばして参りたいと考えております。
  21. 松澤靖介

    ○松澤靖介君 学習指導要領を推進することも、要は学力の低下というものを問題にすべきではないかと、かく考えておるものなので、その点に特に留意なさつて、かような措置をなさったのかということをお聞きするのですが、それに関連いたしまして、大臣は本会議の勤評問題の質問に際しましては、前大臣のやつたそのものを踏襲するというようなことを私は拝聴したと思いますが、あの勤評問題、今さらここにちょうちょう申し上げるまでもなく、いろいろの複雑多岐な混乱が各所に生じたことと思いますが、この結果、私は非常な学力の低下を全国的に来たしたのではないか。そのことに対しまして、ただ行き当りばったり式に、今後成り行きにまかすような勤評問題に対する文部大臣の御所見であるとするならば、私は今後四、五年間においての学力の低下というものは多大なるものがあるのじゃないか、取り返しのつかないところの重大なる、国家百年の計を誤まるようなことを来たすようなことになるのじゃないかという意味において、それらに対するところの御対策があるならばお伺いしたいと思います。
  22. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 対策と申しますよりも、勤評それ自体に対する考え方が大事だと思うのでありますが、昨年以来、勤評問題でいろいろ教育界に混乱がございましたことは私も残念に考えております。ただ、私は勤評の問題につきましては、私もほんとうに国の施策というものは、あらゆる施策について相互関係者の間に善意の理解がないといかぬということをつくづく痛感をいたすものであります、信頼感がないといけないということを感ずるのでありますが、私は勤務評定自身の問題は、それはすでに法律に規定されてあるとか、規定されてないとかいうことは抜きにいたしましても、当然のことであると考えておるのでございます。学校子供自身にもいたずらの子がいたり、勉強好きの子がいたり、算数のできる子がいたり、国語のできる子がいたりいたしますが、そうしたたくさんの子供さんを教えていく先生の勤めというものはなかなか大へんでございまして、やはり先生自身の中にも、頭の非常にいい天才的な先生もいるけれども、子供が少し騒ぐとうるさくなるような気質の人もいるし、それから中にはあまり頭はよくないけれども、子供をかわいがつて、非常にみつちりしんぼう強くやりなさる方もあるし、あるいは学問的についても、国語の得意な人、算数の得意な人と、まあいろいろあるわけであります。また、教育対象になりまする子供の質を見ましても、たとえば都内を見てみても、山の手の学校と江東区、足立区とかいったような学校ではずいぶん子供の気質も違いまするし、私はやはり教員の人事というものは、ほんとう勤務評定が行われて、その上に教員の人事というものが行われなければならないものだということは、私はきわめてあつさり、そうでなければならぬと前々から考えておつたものでございます。国家公務員に対する人事管理の方式も、戦後そういう面でせいぜい科学的にするように骨を折つて参りましたし、教員の面についても私はその点は同じことだと思うのでありまして、ただ物事というものは、いつでもこういうことをやつて、何かやはり色のついた人事をするのじゃないとか何とかいうような、悪く使うのだという考え方になりますと、いろいろな問題が起りますけれども、私はやはり物事をよく動かすという上においては、むしろ教員人事というものが、単に卒業してからの年数、年功でいってみたり、あの学校はあの学校より格がいいからどうこういとうような、形ばかりでいかれちやいけないので、私はまあ勤務評定というものは、ぜひしなくちやならぬものだと考えております。そういう意味で、日教組の諸君の方にも、これはまあお互いのほんとうの善意の信頼感がないといけませんけれども、そういう面では、われわれにしても、教育委員会にしても真剣に、やはり教育の場がよかれと考えていくのだということをお考えつて、日教組の諸君にも私は御理解願いたいと思っております。大体、全国の大勢を見ましても、四十六の中で長野をあわせて四十三が片づいて三つ残つておるわけでありますが、そういう大勢も、やはりものの筋としてはそうじゃないかという点が自然に落ちて、私はそこにきているのだと思いますので、残つた三つにつきましても、あまり荒立てるようなことなしに、ほかの大多数と同じように勤務評定の方式が行われて、そうしてそれが漸次今後も改良されていくということを、私は心から念願をいたしておる次第であります。従いまして、今後、勤務評定の問題によって、いよいよますます教育の場が荒れて、教育の能率が落ちて、この面からする学力低下がますますひどくなるということは、私は信じたくないのでございまして、大体今日までの大勢の軌道に従って、落ちついていくことを心から念願をいたしまして、それを強く私はお願いをして参りたいと思います。
  23. 松澤靖介

    ○松澤靖介君 その問題はあとに譲りまして、実はこれは今ここで申し上げることは、ちょっと変なことかもしれませんが、昨年の秋、戦後の教育の十周年の祝賀を意味して、各方面の功労者に対しまして、表彰をなされたように承わつたのですが、私も賓聞にしてよく知りませんけれども、私の知っている範囲内におきますと、何だか勤務評定関係があるような、勤務評定に忠実に、文部省のいわゆる勤務評定が施行されるように協力をしたところの人々というものに対しましては、表彰がなされたというようにも受け取れない点もないわけではないようにも思われるのであります。(笑声)その表彰基準というものは、私は存じておりませんから、こういう席で申し上げるのは変ですし、また新大臣に申し上げるのも変ですが、ただ、頭の中に入れていただきたいのですが、私の知っている限りにおいて、何かしら戦後、真剣になって教育に力を尽してこられた、ほんとうにその地方の教育のために渾身の力を尽したという者は漏れちやつて偽善者的な者が入っているというようなところもあるようにも見受けられるのでありますが、かような点につきまして、勤評問題と果してかみ合せるような、けちな考えを持つような表彰の仕方ではないかとも考えますが、一体表彰というものは公正妥当な、権威あるものでなければならぬと考えますけれども、さような点で、いずれいつかの機会において、これは御答弁なさらなくともいいですが、表彰基準というようなものもお示し下されば幸いと存じますが、また新大臣としても、さようなことまでも目をつけてやつておるのかというような、頭に入れなくとも、ちょっとあなたの耳のすみっこに置くくらいな気持でお聞きになって下されば幸いだと思いますが、重ねて言いますが、ほんとうの功労者でなくて、偽善者がクローズ・アップされたというようなこともあるようにも見受けられたので申しておきます。  なお私、この機会大臣に申し上げたいのですが、大臣は、厚生大臣といたしまして、いわゆる無医村対策、僻地の医療に対しまして、非常に力をお尽しのように、あるいはまた今後いろいろの対策をお考えになっているようにも承わつておりますが、文部大臣としてこちらにこられたのでありますが、私自身といたしまして、いわゆる教育の谷間であるところの、あるいは恵まれないところの僻地の問題について、新大臣はいかなる僻地に対するいろいろのお考えを持っているか。予算を見ますと、ある程度のことをおやりになっておるようですけれども、これに対しましても、今までの大臣も、非常な熱心の方もありましたし、熱心でない方もありましたけれども、いずれにしても前の通常国会において、へき地教育振興法の改正を可決なさったのでありますが、今後とも大臣の僻地教育という問題に対しての考え方というものを承わりたいと思います。
  24. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) お話のございましたように、国全体をよくいたしまするためには、やはり国全体の教育についても社会福祉についても、むらのないように及ぼすのが大事でございまして、その点で僻地の問題は、いろいろな面で金はかかりますけれども、私は忘れてならない問題だと思っておるのであります。で、今回の予算では、ごらんいただいたと思いますが、物的施設について、一般的にある程度ずつ増額をいたしましたのと、人件費の中に僻地手当の増額を盛り込んで入れておるわけであります。で、年度年度によって多少のむらは出て参りますが、私はやはりへき地教育振興法の趣旨に従いまして、僻地の教育振興いたしまするためのいろいろな施設充実という面につきましては、これは大体が発言力の弱い地域でありまするだけに、文部当局として真剣に努力をいたして参りたいと思っておりますが、お気づきの点がございましたら、なお御指摘を願いまして、今年度の予算の効果を上げまするためにも、また来年度以降の予算充実をはかりまするためにも、骨を折つて参りたいと思います。
  25. 松澤靖介

    ○松澤靖介君 ただいまの御答弁はあまりに簡単といいますか、橋本文部大臣のお考えとしては、私は納得いたしかねるような点もあるのですが、もう少し、もちろん日なお浅い大臣としてごもっとものことと思いますが僻地そのものにつきましても御検討下されまして、そうして僻地教育振興のために、真に振興になるような対策をお考え下さるように、大臣がしつかり僻地教育振興をやれとおつしやれば、内藤局長さん以下、みなそのお言葉に従って御協力申し上げることと思います。ただ、大臣が僻地なんかどうでもいいというようなお考えならば、みなそつぽを向いて、僻地教育なんというものはいつまでも日の目を見ないで済むのじゃないかと思いますが、この点に特にお願い申し上げて私の質問を終ります
  26. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 十分に留意をするつもりでございます。
  27. 湯山勇

    ○湯山勇君 私、簡単に数点お尋ねをいたしたいと思います。  その一つは、政党内閣における党人としての文部大臣のお心がまえと申しますか、御所信を承わりたいと思います。それは戦後しばらくは、党内から大臣がお出になるということはなかったのでございますけれども、途中から政党内閣として党人文相が出られたわけでございます。で、その出られた党人文部大臣のいろいろな場所でお述べになつたところを伺つてみますと、ある大臣は、自分は政党の小使いであるというような表現をされて、党人文部大臣の立場を表現されておられる、ある大臣はまた、自分は政党の選手であるというような表現をされて、その立場を明確にしておられます。しかし私は今、最初に大臣がおつしやられたように、教育の問題というものは、そのときどきの情勢によって、そんなに大きく動かすべきものではなくて、一つ一つの施策というものが、国家百年の大計につながつているのだ、こういうお考えをお述べになられた、その御趣旨からいえば、あるいは今日のような情勢下においては、政党内閣の文部大臣であつても、必ずしも政党人でなくてもいいのではないか、むしろある場合には政党人でない方がいいのではないか、こういうことも考えられないことはないと思います。そうかといって、私は党人である文部大臣がいけないということは、もちろん申し上げるのではありませんけれども、今の情勢の中で、こういう事態の中で、いろいろ原因はあるにいたしましても、混乱がある中で、党人としての文部大臣には、普通の国務大臣、普通の各省大臣と違つた国家百年の大計につながる行政責任者としての御所信、御決意がおありになってしかるべきではないか、また、そういう御所信のもとに先ほどのお言葉もあったのではないか、このように考えます。そういう意味から、この点についての大臣の御所信を伺いたいと思うわけでございます。
  28. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) ただいまのお話にお答えを申し上げたいと思います。  これは教育基本法の精神にもうたわれており、またこれ憲法の精神でもあると思いますが、まさしく教育方針というものは、やはり国民社会というものと離れた意味における役人が筆先で書き出したような筋のものではないので、教育というものは、必ずや、やはり国民社会の先達が生み出しておりまする声というものをまとめて、政治の面で教育行政に集約して反映をするということでなければならぬと考えておるのであります。従いまして、明治憲法下におきまするような、全然国民と独立をいたしました役人が教育方針を出すというようなことは、非常に間違つた行き方でございますが、あくまでも、やはり国民、社会というものが生み出した長い伝統と経験にはぐくまれた教育方針というものを、どうやつて生み出していくかという考え方であります。私はそういう考え方から申しますると、これはやはりいろいろな意見はありまするけれども、今日の社会では、議院内閣制というもので、選挙によって国民から支持された内閣が、それの中から閣僚を出して、そうして教育行政にも携わるということが、やはり国民、社会の声というものと教育方針というものが離れない一番大きな、地味ではありまするけれども、やはり長い経験にはぐくまれた安全な方式だと私は考えております。ただその場合に、それだけじやいけないので、やはりさらにまた、基礎はそういうふうになってはおりますが、なおまた教育実施面において、やはり国民社会とのつながりというものを始終考えるために、教育委員会制度というものを置いて、それもやはり公選制の首長が公選制の議員に諮つて教育委員任命する、そこで濾過されて現実の教育指導が行われるという形が私はいいと思っておるのであります。そういう形でありませんで、全然、政党に属さない人が教育者になるというふうなことは、私まあ政党人としても、政党というものは国民の声を正しく反映するための組織だということに対する自殺でありまするし、これは確かに政党というものは多数の国民の声の集約でありまするだけに、私は絶対に国民全体が百点満点の人格者にならぬ限り、民主政治というものは百点は絶対にとれない政治方式だと思う。同時に、やはり平均で六十点以下に絶対にならないという安全さのある政治方式で、で、この国民の声というものを離れた、いわゆるプラトンの賢者の知なんというものは、最もそういう基本的な考え方でありますが、私はそういうふうな考え方というものは、これはなるほど百二十点取れるかもしれないけれども、見当が違うと三十点になるかもしれない。私は今日の議会政治というものが国民社会の声を反映する政治方式としては私は正しいのだ、一番いい方式である、ただし、それにはその一つ一つの構成要素である国民全体のやはり見識のレベルというものが高まらないと、総体の点数はよくはならないと思いますけれども、そのゆえに、やはり国民の声というものから独立をした、どんな教育行政をやろうと落選の心配のない、いざとなつたら辞表でも出して、どつかに行ってしまえば、それはそれでもけつこうだというような人物に、私は政治をゆだねるということはよくないのではないか、戦後いろいろ意見はございましたけれども、私は文部大臣にいたしましても、法務大臣にいたしましても、やはり国民のきびしい監督の目によって何かやつたら次の当選はおぼつかないという状態で、始終監督をされておる議院内閣制に基ずく議員としての閣僚がやることが、私はよろしいと心から信じております。
  29. 湯山勇

    ○湯山勇君 私がお尋ねしておるのは、今、大臣の御答弁になつたところとちょっと違つております。私がお尋ね申し上げたのは、従来、政党内閣であつても、政党外から大臣任命したというような事例もある、そういう特殊な文部大臣という地位にある人はやはり教育行政責任者として、たとえその人が政党内から出るにいたしましても、政党外から出るにいたしましても、これにかなつた心がまえが必要ではないか、特に今のような従来の例から、経過から考えてみますと、党人としての文部大臣には、特に他の各省大臣と違つた考えがなければならないのではないかという、その方の御所信を承わつたわけで、今の大臣がおっしゃった党人文相がいけないとか、いけるとか、こういうことについては、私は別にいけないということを申し上げていないし、いいとも申し上げていないわけでございます。後段の方を御答弁いただきたいと思います。
  30. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これはもう各閣僚全部同じ心がまえでやらなければならぬと思いますが、特に文部大臣は、教育行政方針というものは、真実やはり国民社会の要望というものに基本を置いて、もちろんその基本、それから離れない範囲で、さらに一歩前進するための施策をいろいろ考えなければならぬと思いますが、そういう面に心を置いて、それで目前のいろいろな政党のまあ直接の、何といいますか、便、不便というようなこととはこれはよその行政でも離れぬように心しなければなりませんが、文部行政においては、特に、常に制度的にもやはり教育委員会制度等を濾過しながら、自分の意見というものは現場にいくような仕組みになっておるわけでありますが、そういったような精神からいきまして、常にやはり国民社会の声というものを直接聞いて、それを直接実現していくといったような心がまえというものを一そう強く、始終反省しながらやつていかなければならぬ問題だと心得ております。自分はそのつもりでおるのでありますが、どうか一つ皆さん方におかれましても、ごらんになっていただいて、御注意を十分いただきたいと思いますこ
  31. 湯山勇

    ○湯山勇君 もう少し今の点につきまして、具体的にお尋ねいたしたいと思います。それは文教関係で、たとえば御提案になる法律にいたしましても、国民の声、あるいは社会全体の要請にこたえるという、こういう見地から申しますならば、事前に十分そういう国民の声、社会の要請というものを聞いて、そうして御提案になつた法律というものについては、たとえば言論、あるいはこの国民のいろいろな階層から非常に強力な反対が出る。それも特殊な人たちが特殊な意図をもってする反対ではなくて、相当傾聴しなければならない批判なり、反対があるというような法律は、特に子供たちの将来の問題につながるという場合においては、私は文教行政においては提案をしないで、そうして、もしそれがいいものならば世論がそこまでくるのを待つ、その努力をしていく、こういうことをしていくべきであつて、ただ文部省なり、あるいは大臣の判断によって、あるいはいいという結論が出れば、とにかくどれだけ反対があろうと何があろうと、やっていくのだというような方法はとらないことが望ましいのではないか。今の大臣の御発言と関連して、具体的にそういうことを考えるのでございますが、これについて大臣のお考えを伺いたいと思います。
  32. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは私は申しましたように、もう一切の施策というものは、何の目的でやるのかということと、それからその目的に従って額面通り行われるということに対する、やはり相互の善意、相互の信頼感というものがないと、うまくいかないということをつくづく痛感いたす次第でございまして、従いまして、どんな問題につきましても、まあ持ち出し方であるとか、あるいは持ち出す時期でありますとか、持ち出してからあとの扱いというものは、真剣に私は考えて参らなければならないと思っております。ただ、まあ私はその場合にもやはり具体的に、ものによっていろいろ違うと思うのでありますが、非常に大きな反対が片っ方にあるようでありながら、片っ方で非常に要望している声がある。そうすると、ある程度いろいろ意見を聞いてみた上で、とにかく国会へ出して、審議の過程で十分意見を聞きながら事をきめていくという場合もありましようし、それから、もっとその提案前の措置というものに長く時間をとつていくという、この方がいい場合のあるだろうと思います。私は具体的には十分いろいろ心して参りたいと思うのでありますが、ただ何と申しますか、議会には私は今までよりももう少し楽な気持で、法案というものは与野党ともに提案ができていいものではないか。つまり提案前の意向を聞くというのは、たとえば私なんかにいたしましても、月に一ぺんくらいずつ論説委員方々とお目にかかって意見を聞いたり、こっちから話をしたりすることにしておりますが、やってみましても狭い範囲のことでありますし、それからあるいは各種団体等を聞いてみても、やはり一部のもの、やはり何と言っても、公論を聞く場としては制度的に言っても議会でありますので、私はどうも議会への提案というものは、もう少し楽な気持でできていいんじゃないかと考えているのでありますが、私はもうお話の御趣旨にはきわめて賛成でございまして、どんなものについても円滑にいきまするように、事前の了解を十分得られまするように、また、提案以後においても、努めて了解を得ながら、実施のできるようにという点は、あらゆる問題について骨を折つて参りたいと存じます。
  33. 湯山勇

    ○湯山勇君 大臣のお考えのところはよくわかりました。まあ国会法律を出すことは、もっと気楽に出すということは、議員提案の場合は、これはもちろんどんな法律を出そうと、これは当然だと思います。ただ政府の方でお出しになる場合には、今、大臣のおつしやったような点を十分御考慮していただければ私はいいんじゃないかと思います。  それから、あと少し小さい問題になりますけれども、特に大臣に、この際要望をかねてお尋ねいたしておきたい点は、従来から問題になりましたのは、生活保護と、それから文教面におけるボーダー・ラインの、たとえば教科書の補助とか、給食の補助とか、こういう問題が一体どこでどう区別されるか。文教予算の中に入っておる給食の補助を受ける者、教科書の無償給付を受ける者、こういうものは当然生活保護のワク内でやつていかなければならないのじゃないか。ここが政府の中で、こういうふうに二途に分れておることは、かえって両方とも萎縮していって、実際にその目的を達しられないおそれが多分にあるということを、しばしば指摘して参つたわけですが、これは幸い大臣厚生行政の権威でございますから、この際、こういう問題については、先般の厚生白書でも御指摘になっておったように、よほど重大な問題としてお取り上げいただかなければならない今の社会情勢にあると思います。こういう点について、一つ大臣、御就任に当つて機会に、そういった問題をもう少しすっきり、文部省ではここからここまで、厚生省ではここからここまでというのじやなくて、これは文部省で補助をする子供たちも、厚生省で生活保護を受ける子供たちも、実態はほとんど同じですから、これらについて、もっと政治全体として何とか合理的に解決する。こういう御努力一つお願いしたいと思うのですが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
  34. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは確かにもっとすっきりさせたいと思います。まあ一番の問題は、正直に申しまして、生活保護の保護基準の引き上げという問題は一般的な問題になって、金がうんとかかるということからきて、大蔵省はなかなか保護基準の引き上げに応じないものですから、実は、ことしの予算でも骨を折ったのでありますが、従いまして、何かやはり名目をつけた特別なものはそれだけだというので取るという形で私はなっておると思います。どっちかと申しますと、これも私、実は前から一度末端におきまする学校での取扱いということを、もう少し検討をしてみたいと厚生省で勉強しておったころからも思ったのでありますが、なるべく学校において子供が特殊児童扱いをされるということを防ぐのがいいと思いますので、やはり基本的には生活保護の面で、できるだけめんどうを見て、そうして、子供学校へ出てきては、お父さんの月給で出たか、生活保護でもらったか知らないけれども、とにかくうちでちゃんともらってきて払うものは払つてやるのだという方が、子供教育の面からいっては望ましいのじゃないか。従いまして、大蔵省の方で、予算面で保護基準一般を引き上げるというのは困るという場合には、生活保護法の中でも、やはり内容の区分けをして、特別なものに特別な支給をする方法があるのでありますので、私は、実情の面から、下手にいじくって、予算が減つてしまつたりなんかすると大へんですから、厚生省でも取り、文部省でも取りということで、みんなやはり要保護児童のめんどうを見たらということを、皆さんに骨を折つていただきながら、両方でやつてきたわけであります。将来の方向としては、なるべく保護基準を引き上げて、ボーダ一・ライン層の下の方を、やはり生活保護の中にある程度入れていきながら、学校ではあまり特別な要保護児童対策といったような面が、金銭の面で出てこないという方が望ましいのじゃないかと考えておるのであります。少し具体的な扱いを検討してみたいと思います。
  35. 湯山勇

    ○湯山勇君 もう一点。これは、いずれこまかいことや内容については、別な機会にお尋ねいたしたいと思まいすが、大臣が御就任になってから、来年度から学習指導要領の改訂のなしくずしと申しますか、それをやつていこう、これは学習指導要領そのものについても若干問題があると思まいすが、四月一日に実施されるのを二月七日に御発表になって、それからこれでこの通り四月一日からやれと、こういうやり方は、私はやはり少し無理ではないかという感じを持つわけです。ことに今度発表になつたものを見ますと、時間数も相当ふえて参っておりますし、それから内容も以前よりはずっと多くなってきておる。内容も多くなってきておるし、時間数も多くなってきておる、こういうことについての特別な対策は、今回はおとりになっておられないし、それにもってきて四月一日から実施するものを二月七日にこういうふうにずいぶん詳しく御発表になって、この通りやるのだという行き方は、これはどうも私は親切な文教行政ではない、これでまたやらなかったらけしからぬというようなことになるんだったら、どうも了解に苦しむし、納得できないと思うのでございますが、これはこういう点について今後の問題もありますので、大臣のお考えをこの際伺つておきたいと思います。
  36. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは、実際切りかえはなかなかむずかしい問題があると思います。そしてお話もございました通り、私も実は決定いたします前に懇談をいたしましたけれども、なかなかむずかしい問題でございまして、従いまして二月七日よりもっと以前に出すべきであったと思います。むしろやはり何というのか、こまかくいろいろ仕組みを考えた方がやりやすいのじゃないかというので、むしろ非常に詳しいものをぶつけたようにお思いかもしれませんが、割合にこまかく指図して、それに乗りやすいように省内でいろいろ骨を折って検討したようでございます。三十六年、三十七年といいますと、ずいぶん先のようでございますが、なかなかやはりその間の移り変りというものは骨が折れると思いますので、本年四月一日からそれに移つて参ることにいたした次第でございますが、なおあれがうまくいきますような趣旨の徹底の方策等につきましては、予算もとってございますから大至急講習会をやりながら急速にうまくやつて参っていきたいと考えております。事柄自身は、非常に詳しいものを時間近くなって押しつけたというより、むしろ詳しくこまかく指図しておく方が、割合に移り変りの手引きさえ教えて上げればやりやすいのじゃないかということで、省内ではだいぶ検討したものと私は了承いたしております。
  37. 相馬助治

    委員長相馬助治君) その他いかがですか……本件に関しては質疑はこの程度にとどめたいと思います。  速記をやめて。    〔速記中止〕
  38. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 速記を起して。   —————————————
  39. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 昭和三十四年度文教予算についての説明を聴取いたします。  まず、文部大臣からその大綱についての説明を承わります。
  40. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 昭和三十四年度文部省所管の予算につきまして、その概要と特に重点事項として配慮いたしました諸点について御説明をいたします。  昭和三十四年度文部省所管合計は一千七百九億千二百三十六万円で、前年度に対し百六十七億五千九百万円の増額であります。一般会計総予算の一二%を占めております。百六十七億円の増額の内訳は、義務教育費国庫負担金八十五億、国立学校運営費四十六億、国公立文教施設費二十四億がその主要なものであります。  次に、明年度予算において特に重点施策として取り上げましたものについて申し上げます。  第一は、いわゆるすし詰め教室解消の問題であります。義務教育充実し、その水準の向上をはかるためには、特にその前提として学級規模や学校規模の適正化が必要でありまして、これを教職員定数と学校施設の両面から推し進めて、今後五ヵ年の間に計画的に解決していくことといたしました。まず、教員定数の面では、児童生徒の減少に伴う教員数の減少が約三千七百人ありますが、一方、先年制定を見ました標準法に基きまして、明年度は小学校五十八人、中学校五十四人を限度として、それ以上のすし詰め学級を解消することと、教職員の適正配置をはかるため、約七千八百人の増員を見込みまして、義務教育費国庫負担金を九百九十億円計上いたしました。  次に、施設の面では小中学校の校舎については、基準坪数の不足を増築してすし詰め教室を解消し、老朽建物については計画坪数を改築し、かつ老朽危険度についても従来の四千五百点を緩和し、あわせて屋体の整備学校統合の促進等、今後五ヵ年間に計画的に実施するための初年度分として約四十八万坪分、七十七億を計上いたしまして、特に一般の要望の強い建物構造における鉄筋鉄骨の比率を昨年の三〇%から五〇%に引き上げて実施することといたしました。  第二の重点は、科学技術及び科学技術教育振興についてであります。このことの緊急必要なことは今さら申すまでもなく、ここ両三年力を入れてきておりますが、明年度の初等・中等教育から大学及び学術の全面にわたって配慮いたしました。まず、初等。中等教育では、理科教育設備、産業教育設備の補助金を増額して、科学技術教育基礎段階を充実いたし、大学においては科学技術者の養成計画を実施中でありますので、明年度の国立大学も理工系の学生約千人を増募し、そのために必要な学科の増設、設備、人員の充実をはかると同時に、科学技術教育の質的向上をはかるため、教官研究費約十億円の増加を初め、基準経費の引き上げに努力いたし、原子力の問題を初め、時代の要請に応ずる研究分野の進展を期しております。このほか科学研究費、在外研究員派遣費、民間学術団体補助、私学助成等につきましても、それぞれ予算の増額をいたしております。  第三点は、青少年教育及び体育スポーツ振興であります。青少年教育はひとり学校教育のみならず、広く社会教育の面においても力を入れるべき問題であり、ことに勤労青少年に対しては、各種の方法で勉学の機会を与えることが必要であります。そのため高等学校特別奨学生制度の拡充、定時制及び通信教育、青年学級などの振興のほか、地域青年活動の促進、青年の家の設置をはかり、特に富士山ろく御殿場に新たに国立中央青年の家を設置して、青少年の団体宿泊訓練の場として活用いたす計画であります。体育スポーツは、青少年教育の一環としてのみならず、広く国民各層の間に振興せられなければならないものと考えておりまして、そのためよき指導者の養成、体育施設整備、団体活動の助成等につき新たに予算の計上をいたしまして、一段と努力いたしたい所存でございます。  第四には、特殊教育、僻地教育、準要保護児童対策等条件に恵まれない分野の教育問題であります。教育機会均等の精神から考えても、この分野には格段の力を添えなければならないと存じます。それぞれ従来の施策について予算増額に努めたほか、新たに僻地の学童健康管理、交通手段、教育資料につき、また特殊教育の就学奨励としては高等部生徒の交通費につき、さらに準要保護対策として修学旅行費につき、それぞれ新たに予算措置を講じた次第であります。  なお、このほか市町村教育長の給与につき一部国庫補助の道を開いて、市町村教育委員会の育成をはかり、また先年改訂を見た教育課程の全面実施のため、広く教員の現職教育を徹底いたしたいと考え、さらに校長等につき広く研修の機会を拡大する目的で、海外派遣の道を開くなど、所要経費につき新たに予算の計上をいたしました。  以上文部省所管予算につき、その概要と重点につき申し上げた次第であります。なお、全体にわたって細部につきましては政府委員をして補足説明をいたさせます。
  41. 相馬助治

    委員長相馬助治君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕
  42. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 速記を始めて。  次に、天城会計参事官からただいまの大臣説明に関する補足説明を聴取いたします。
  43. 天城勲

    政府委員(天城勲君) お手元にお配りいたしました文部省所管昭和三十四年度予算要求額事項別表につきまして補足説明をいたします。  最初は義務教育費国庫負担金でございます。内容は給与費の負担金と教材費の負担金に分れております。  給与費につきましては、九百七十三億五千七百万円で、対前年度八十三億四千三百万円の増でございますが、増額のおもな事項は備考欄に掲げてございます。まず、明年度児童生徒が約十五万ほど減少いたしますが、それに伴います従来の計算方式による教員減を一応立てますと三千七百七十人と出ますが、一方標準法の実施によりましてすし詰め学級の解消に必要な教員増及び教員配当の適正化の法律に従う所要人員を計算いたしますと七千八百三十八人となりますので、差引四千六十八人の純増分を見込んだわけであります。それが基本的な数字でございますが、金額的に見ますと、ただいまの標準法の実施によるものが十二億九百万。それから次は、明年度公務員全般でございますけれども、初任給基準の引き上げが、改訂が行われますので、その引き上げによります増加分として十億三千万、昇給原資はいつもの通り三%であります。期末手当の引き上げによる増、これも本年度の改訂に伴う平年度化分としまして十四億。それから暫定手当の引き上げ、これも毎年上げてきておりますが、明年度は五%に上って参ります。従って八億五千六百万であります。それから僻地手当の定率改訂、これは先年の法律の改訂に基きまして四%、二〇%というのを八%、二五%に引き上げたための所要財源が一億一千五百万円であります。退職手当の算定率も実績にかんがみまして二・五%に引き上げました。これがおもな制度あるいは事項の変更による増額であります。  教材費につきましては、おおむね一七%ほどの増額でございますが、単価につきましてはここにございますように、小学校二百円が二百三十円というような形でそれぞれ増額いたしまして、十七億二千九百万を計上いたしたわけでございます。  文教施設でございますが、国立と公立に分れます。国立は三十五億二千九百万円で、四億二千五百万円ほどの増額になっております。  特に公立について申し上げたいと思いますが、全額七十七億二千九百万で、対前年度十九億四千八百万の増でございます。これはただいま大臣説明にもございましたように、いわゆるすし詰め教室の解消を中心とした五ヵ年による文教施設整備計画の初年度分でございまして、それぞれの事項についても数字がございますが、全体を通じて申し上げますと、構造比率は前年度三〇%でございましたのを、鉄筋鉄骨で五〇%に引き上げました。それから、老朽危険度の査定を従来四千五百点までにいたしておりましたが、五ヵ年の計画において五千点までの分を三分の二ほど計画坪数に含めることにいたしました。その他単価等につきましては大体前年度の単価を踏襲しておりますが、全体計画といたしまして本年度は四十七万七千坪を見込んだわけでございます。個々の事項については児童生徒の将来にわたる増減がございますので、五ヵ年計画を単に五分の一だというわけでございませんで、逐年の流れを見ながら最終段階でいわゆるすし詰め教室の解消ができるような計画を見込んだわけでございます。  それから、二ページに入りまして、二ページの方で非義務制の関係も一応同じ思想で計画をいたしております。  それから二項の(3)の文教施設の災害復旧でございますが、これは三十三年度災害の実施の後年度分でございまして、これは二カ年で実施することになりました、三十四年度分で一億二千五百万を計上いたすことになっております。  それから、三番目の育英、学徒援護事業でございますが、そのうち育英会の貸付金におきまして明年度一億五千七百万の増でございますが、これは前年度実施いたしました高等学校の特別奨学生制度を明年度は拡大していくという考え方でありまして、前年度五千人で出発いたしましたが、その学年進行の五千人分と、それから明年はそれを千人拡張いたしまして六千人の幅で採用していきたい、こういうふうに考えております、その金額でございます、育英会の事務費の補助は返還金事務その他の増額に伴う補助金の増でございます。  それから、次の四番目の国立学校運営費でございますが、これは国立学校病院研究所全部を含めての運営費でございまして、総額四百四十六億七千四百万、約四十六億の対前年度増でございますが、増加の中で教官研究費、これが大体金額で十億ほどの増でございますが、これは比率は対前年度比較してみますと文科系、これは非実験系統でございますが、非実験系統の教官研究費が約一〇%の増、それから、理工系、これは実験系統でございますが、その講座制においては一〇%学科目制において二五%の基準増でございます。それから、学生経費で大学院の学生につきましては四〇%の基準増、それから学部その他につきましては一〇%の増でございます。それから新規の事項で短期大学部を新たに三つと、夜間の学部、これは工学部系統でございますが、夜間学部の新設が二つ、それから学科の新設が十八でございます。これは全部理工系でございます。これらの措置によりまして、科学技術者の養成という現代の計画に基きまして、明年度九百四十七人の学生増募をいたします。それからその次は、大学院の講座担当の教授につきまして、待遇改善の意味で本俸の七%分の経費を計上いたしました。これは本俸の七%分の待遇改善をいたしたいという考え方でございます。この四百四十六億の国立学校運営費の、国立学校病院と付置研究所の各項への割り振りは、ここに掲げてありますように、国立学校が三百二十三億と、病院が八十五億、研究所が三十八億ということになっております。  三ページに入りまして、ここに科学技術教育振興関係事項をまとめたわけでございますが、最初は理科設備の補助金でございます。総額五億でございまして、前年度に対して五千三百万の増、これは御存じの理科教育振興法に基きます設備費の補助金、これは基準に従って金額の増額をはかったわけでございます。  次は、産業教育施設設備の補助金でございまして、これも産業教育振興法に基く補助金でございます。総額八億、前年度に対して九千九百万の増になっております。これは施設と設備とそれから実習船の建造費、それから中学校の設備というような中身に分れておりますが、一応事項として、設備で申し上げますと、昨年度から特別設備費というのを課程別に見て参りましたが、明年度も農、工、水産につきまして特別設備を見ることにいたしました。それから新設課程というのは、これも高等学校の段階における科学技術者の増加養成という点に即しまして、去年電気、機械において約二十一課程の新設分を計上いたしたが、明年度は電気、機械を各十五課程、それから工業化学五課程分を含んだわけでございます。それから分校及び産業科の問題でございますが、これも昨年度から始めたものでございますが、明年度産業科は約十五課程新設を考えての設備費でございます。施設費は大体今の設備費に相応じた施設分でございます。船は、計画に従いまして明年は中型を四はい、小型を二はい計上いたしました。第四番目の中学校の産業教育の設備費でございますが、これは大体前年度の五〇%増くらいでございまして、一億三千万の計上でございます。  以上が初等・中等教育関係でございまして、第一番目が在外研究員の派遣費、これが一億六千万で五千万の増になっております。  それから科学研究費でございますが、これが十五億四千六百万円、約一億の増加になっております。事項といたしましては、備考欄にございますように、従来からの方法考えておりますが、特に科学研究費分に重点を置いておるわけでございます。  それから五番目と六番目は私立大学に対します助成でございまして、最初が私立大学の研究設備の助成費、これは法律に基きまして従来から行なっている補助金でございますが、明年度二億四千百万円で、約四千四百万円の増加でございます。これは大学の研究の設備を一定の基準まで上げたいという経費でございます。  (6)の方は、私立大学の理科特別助成で、国立学校におきますと同じように科学技術者の養成という点に重点を置いた補助金でございまして、明年度三億九千一百万円、前年度の大体倍額の計上を見たわけでございますが、理工系の学科の新設の場合と、それから既設の学科の補助の場合と補助率をそれぞれ変えているわけでございます。  七番目は南極地域の観測事業でございますが、現在進行中の観測事業の明年度の事業でございます。金額が四億五千万を落しておりますが、これは船の改装費がないための減でございまして、事業費については予定の計画を進めるだけ計上いたしました。  (8)は民間学術研究団体の振興でございまして、これが九千百八十一万五千円、約一千七百万円の増加でございます。備考欄にございます(1)の民間学術研究機関補助金約三十三件、これは法律に基く従来の補助でございます。その次の四ページの欄にございます日本学術振興会の補助金の二千万円でございますが、これは、昨年度まで大体四百万くらいの補助でございましたが、いわゆる学振といわれているこの団体に補助金を重点的に配りまして、ここでいわゆる流動研究制度実施し、あるいは若い研究者に対するフェローシップを出すという、学界の非常に要望の多かった事業をこの団体にやつていただきたいという考えで補助金の増をはかったわけでございます。  それから事項の6といたしまして、教員の研修でございますが、これは教育課程の改訂に伴います現職教育実施したいということで、初等、中等、職業の各分野につきまして講習会を実施いたしております。それから理科教員の実験講座は従来からの計画でございます。(3)の教科書の検定整備充実、これは事務費で金額は大したことはございませんが、教科書の検定が全面的に行われることについての経費でございます。  二番目の学校長等の海外派遣、これも新しい経費で一千万でございますが、研修の意味で計上したわけでございます。  事項の7として教育機会均等の事項に四つほどの問題を掲げております。  最初は準要保護児童生徒対策事業でございます。この準要保護児童対策として備考欄にございますように、明年度四つの種類の仕事をする予定でおります。そのうち(1)の教科書費の補助、(3)の給食費の補助、(4)の医療費の補助、これはそれぞれ従来からやっておりましたが、二番目の修学旅行費の補助、これが新規の事業でございます。修学旅行につきましては小学校六年、中学校三年、それぞれの学校の最終段階におきます修学旅行につきまして補助をしたい。これは医療費と修学旅行につきましては準要保護児童のみならず、要保護児童もここで対象にしていきたいと考えているわけでございます。(3)の給食費でございますが、給食費につきまして対象児童生徒数が前年度一・五%でございましたのを二%に引き上げたわけでございます。その他はそれぞれ単価とか対象人員の増減に伴う金額の異同でございます。  五ページに入りまして特殊教育振興といたしまして一億六千七百万を計上いたしました。最初に盲ろう児童生徒の就学奨励費でございますが、ここで新しい事項といたしまして高等部の生徒につきまして義務制並みの補助費を出したいということで逐年努力して参りましたが、現在教科書と給食費について措置がございますが、明年度交通費を新たに出すことにいたしたわけでございます。それから次の特殊学級の設備費等の整備でございますが、これは普通の学校特殊学級を設置いたして、主として精薄児童の教育に当りたいという考え方で設備費の補助を進めておりますが、明年二百学級、これは前年度に比べまして金額的には倍になっておりますが二百学級分を計上いたしました。それから(ロ)といたしまして肢体不自由児学校のスクール・バス購入費の補助、これは三台で非常に些少でございますけれども、特に肢体不自由児学校に対する通学だけじやなくて、教育のいろいろな場で使われるようにということで、奨励的あるいは試験的な意味で新たに計上いたしたわけでございます。  (3)の僻地教育振興関係では、最初に自家発電の施設、これは公立文教費の中に実は計上しておりますので、ここに再計上しておりますが、四十校分九百七十万、それからスクール・バスあるいはスクール・ボートといたしまして七台分、これは新規の計上でございます。それから次の僻地教員の住宅建築費補助、これは補助率が三分の一から二分の一に明年度は引き上げておりまして、戸数は大体二割ほどの増加を見込んでおります。次の僻地集会室の施設補助、これも公立文教分の再計上でございます。僻地資料の作成と申しますのは、僻地の学校に対する教育資料を積極的に配ろうというわけで、金額は少いのですが、これも新規に計上いたしました。次の僻地勤務小学校教員養成、これは僻地学校の非常に多い北海道、それから離島の多い長崎県等における教員養成機関の補助金でございます。これは従来の継続でございます。(6)が昨年法律改正によりまして新たに明年度から予算計上をする僻地学校の保健管理費でございます。これは無医村で医療機関から非常に遠い学校を対象にいたしまして、方法といたしましては医師の巡回診療の方法をとつていきたいと考えております。医師の診療手当を中心とした補助金で五百万でございます。  次が事項の(4)として養護学校教育費の国庫負担金、これは従来から施行しております義務制に準じて養護学校の教員給与費と教材費の国庫負担をいたしております。それぞれ明年の増設に伴う見込み、それから新単価も一般の教材費の単価の改訂に伴って増額いたした経費でございます。  それから事項の8は青少年教育の助成でございまして、最初が定時制教育振興、これは六ページの備考欄にそれぞれ中身がございまして、定時制高等学校の設備費、それから通信教育運営費、これも法律に基きます従来からの継続の補助金でございます。それから三番目が高等学校の通信教育用の教科用図書の編修でございますが、通信教育の教科用図書は一般に非常に出しにくい事情にありまして、最近新しいのが出ておりませんので、国で経済的な助成をして出したいという考え方で、明年度五種類分の経費を新たに計上いたしました。  それから事項の(2)は青年学級の振興費でございます。七千七百八十二万六千円で、約二千万の増でございますが、内容は普通学級に対します補助単価を引き上げたいということと、新たに職場における学級の開設を考えていきたいということを内容にいたしております。  それから(3)の青年の家整備、これは前年度六千万でございましたが、明年度も六千万計上いたして、ほぼ同じような規模で十五カ所ほど新設を考えておるわけでございます。それから国立中央青年の家設置でございますが、これは富士山ろくの御殿場付近でございますが、旧軍事施設が解除になりまして、それが三万坪ほどの施設がございます。これを青少年の家に使いたいということで、明年度施設の補修費を含めて一億一千九百万を新規計上いたしたわけでございます。  それから事項の(5)として青少年活動の助成、二千万計上いたしましたが、これは新規の経費でございまして、これは大体地域の青少年の県内研修旅行あるいは県を越えての県外研修旅行というものを助成したいという考え方で新規に計上した経費になっております。  それから(6)が教育テレビ対策、これは教育テレビが電波を出して参りましたので、その番組の作成及び影響についての考査等をなすための経費で一千万、前年度六百万でございましたが、本年度一千万計上したわけでございます。公民館等の整備費の補助金でございますが、これはいわゆる社会教育施設関係でございまして、建物の経費は公立文教の事項の中にございますが、これは主として設備関係でございます。本年度は特に児童文化センターというものをこの中で二カ所ほど試験的にやってみたいという考え方でおります。  それから七ページに入りまして、社会教育特別助成費でございますが、これは総額五千七百六十一万八千円で、九百万ほどの増でございますが、これも過去数年やつてきた予算のやり方でありまして、社会教育上特に助成すべきものに充てるという意味で、こういう項を作って予算を計上したわけでございます。  それからその次の10体育スポーツ振興関係の経費でございまして、最初は体育指導者の養成、これも市町村体育指導委員を設置いたしまして、地方体育の指導に当つて参りましたが、それの継続の事業でございます。  それから体育施設整備といたしましては、備考欄にございますように国立競技場についてなお施設整備をすべき点、それから維持運営費の補助等を含めまして三千二百万を計上いたしましたが、次の(2)としまして国民体育施設整備費という事項で、地方にスポーツ・センターを設置いたすために三千万の経費が新しい事項でございます。これは大体二百坪ほどの体育館、それからプールを中心にしてスポーツセンターを作つていきたい、国民が容易に利用できるような体育施設を作りたいという考え方に出たわけでございますが、明年度試験的に五カ所分を計上することにいたしました。  スポーツ団体の助成関係では、従来引き続き日本体育協会、それから国民体育大会の補助金でございます。  八ページに国際スポーツ関係の補助金がございますが、これは参加を決定しておりますオリンピック冬季大会、庭球のデビスカップ、それから学生スポーツ週間というものの参加の補助金でございます。  それから十一番目に体育振興特別助成費、これも社会教育の特別助成費と同じような意味で、体育上特に助成すべきもののために一括計上した経費でございまして、六千八百万円でございます。備考としては、まだいろいろ考えておりますが、野外活動の助成とか、あるいはスポーツ青少年の団体指導者の養成等に寄与したいという考え方でございます。  それから12の学校給食関係でございますが、学校給食で、最初が施設設備の整備の補助金でございます。これも従来からやつております経費でございますが、明年度は児童生徒の学校給食の伸び等を見込んで、七百三十校分の整備すべきものの補助金を見込みました。二番目の件につきましては、前に申し上げましたものの再計上でございます。三番目の夜間定時制高校給食施設設備費ですが、これも従来からの計画に従う補助金でございます。給食会助成金、これは取扱い数量の増加に伴う人員増を見込んだ程度でございまして、その次が食糧管理特別会計への繰入金、これが十五億七千万円になっております。これはあるいはミスプリントがあるかもしれませんが、百グラム、一円——百円となっているのは誤まりです。百グラム一円の割合学校給食の小麦粉について国の補助をいたしておりますが、十五万七千トン、十五億七千万円を計上いたしまして、食管会計費に繰り入れる計費でございます。  13の国際文化の交流関係で、一つは国費外国人留学生招致ですが、現在主として東南アジア、中近東、ヨーロッパも若干入っておりますが、国費で留学生を招致しておりますが、明年度学年進行分のほかに七十人の新規留学生の給与の経費を計上しております。それから東南アジア、中近東からの留学生につきましては、特に招致の片道旅費について一部の補助をしたいということで、新規に計上いたしました。  沖縄教育に対する協力援助といたしましては、国費沖縄学生の招致、これも従来からの施策で、人員の増を見込んだだけでございますが、二番目の指導主事の沖縄派遣、これは沖縄教育協力のいろいろの線の一つの現われとして、新たに行われるものが一千百万円程度であります。中身といたしましては、九ページにありますように、指導主事を二十四人、沖縄に派遣したいという経費でございます。それから沖縄教員内地派遣実施、これは従来から続いておる事業でございます。  日仏会館の改築費補助金は、昨年一千万円補助いたしましたが、明年は二千万円、これで三千万円の日本政府からの補助をいたしまして、今改築をいたしております。  それから四番目の日本国際教育協会の補助金でございますが、先ほど申し上げました国費留学生の宿舎その他の受け入れ補導等の仕事をしております。この協会に対する補助金でございますが、登録宿舎制度、あるいは会館について若干の増築の経費もございますが、それらを含めての補助金もございます。  国際会議出席旅費は予定に従っての経費を計上いたしました。前年度に比べて五百万程度落ちておりますが、これは前年度はユネスコの総会がございましたので特別に計上いたしました。  それから14のユネスコ活動と文化財保存事業の拡充の関係でございますが、ユネスコ活動といたしましては、備考欄に掲げておりますが、これは従来からの事業の継続でございます。三番目の国際会議は明年エカフェ地域の諸国が集まりまして日本で職業技術教育のゼミナーをやるというので計上いたしました。文化関係では国立劇場、その敷地がきまりましたので、いよいよ設立の準備に入りまして、明年は懸賞募集を実施するというための経費二千万、それから保存事業費が四億六千六百万で約四千万ほどの対前年度増でございますが、これは国宝保存修理とか、あるいは建造物の修理、あるいは防災事業等で行なっていくという程度でございます。  それから雑件ということで一括しましたが、大体従来から行なっている経費でございます。  四番目に学校安全会事業助成の一千二十万というのが新規事項でございます。これは学校管理関係における災害、児童生徒の災害を救済するということで学校安全会というものを作って実施していきたいという、その安全会に対する補助金として一千万計上したわけでございます。これは別途に法律案を用意しておりますので御審議をわずらわすことになると思います。  それから五番目は市町村教育長の給与費の補助でございまして、市町村の教育長の給与が必ずしもよくないということで国で補助をいたしたい。全市町村を対象といたしまして、市で大体三万五千円、町村で二万円ぐらいの単価を認めまして三分の一を補助いたしたい、三億八千八百万新規の計上でございます。  それから最後のページは、その他の本省関係の庁費あるいは人件費等の出入りの例を書いたわけでございまして、総額以上で千七百九億一千二百三十六万三千円、百六十七億五千九百万の増加になっております。  大へん簡準でございますけれども御説明申し上げました。
  44. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 本件に関する質疑は、先ほど御承認いただきました通りに次回に譲ります。
  45. 松永忠二

    松永忠二君 予算説明を聞いたわけですが、二、三資料を一つ提出していただきたいと思うのですが、1の義務教育費国庫負担金と、それから文教施設の、特に公立文教施設整備費補助、つまりそれの積算の基礎と、それから五カ年計画を持っておられるようですから、その五カ年計画の当初要求をした金額、それと、それからそれが予算化された金額、坪数等一つ出していただきたい。  それから二枚目のところ、国立学校のところについて一応その内訳が出ておりますけれども、もう少しこまかいものを一つ出していただきたいと思うのです。  それから、その次に五番目の(1)の理科施設については、この要求をした資料について一つお出しをいただきたいと思うのです。  それから社会教育特別助成関係が出ておりますが、これの内訳を一つ出していただきたいと思う。  それからもう一つ特殊教育振興のやはり資料を、予算要求の資料を一つ出してもらいたい。  総体的に一つお願いしたいのは、今出てきておる項目でけっこうですから、項目別に文部省が当初要求をした予算の大綱があると思うのですがね、大蔵省で出した。それとのこれの対照を一つ提出してもらいたい。
  46. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 今、松永委員から資料の提出を求められたようです。六件にわたっているようですが、あさってこれはこの予算に対する質疑がございますから、当局では、なかなか御苦労なことですが、できるだけあさってに間に合せて、この資料の提示を願いたいと思うのです。いかがでしよう。——それでは、とにかくよく研究をされて、今要求された資料についてできるだけ配慮をしてお出し願いたいと思います。
  47. 天城勲

    政府委員(天城勲君) かしこまりました。できるだけ検討いたします。
  48. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 本日は、これをもって散会いたします。    午後零時四十一分散会