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1959-03-06 第31回国会 参議院 農林水産委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月六日(金曜日)    午前十時五十七分開会   —————————————   委員の異動 三月五日委員小笠原二三男君辞任につ き、その補欠として小林孝平君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     秋山俊一郎君    理事            雨森 常夫君            堀本 宜実君            清澤 俊英君            北 勝太郎君    委員            青山 正一君            柴野和喜夫君            関根 久藏君            田中 茂穂君            仲原 善一君            藤野 繁雄君            堀  末治君            安部キミ子君            河合 義一君            戸叶  武君            千田  正君   政府委員    農林政務次官  高橋  衛君    農林省農地局長 伊東 正義君    農林省振興局長 増田  盛君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の  一部を改正する法律案内閣送付、  予備審査) ○畑地農業改良促進法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査) ○農山漁村電気導入促進法の一部を改  正する法律案内閣送付予備審  査)   —————————————
  2. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案及び畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出予備審査)を議題といたします。  これらの法律案につきましては、去る三月三日の委員会において提案理由説明を聞いたのでありまして、ただいまから予備審査を行うことといたします。  まず補足説明を求めます。
  3. 増田盛

    政府委員増田盛君) まず海岸砂地地帯農業振興臨時措置法から補足説明いたします。  この法律施行されましたのが昭和二十八年でございます。そしてこの法律の主目的は、おおむね二十四万ヘクタールに上っております海岸砂地地帯対象にいたしまして、潮風または飛砂による災害の防止のための造林事業並びに農業生産の基礎的な条件の整備促進するということであります。従いまして、事業内容といたしましては、防災林の造成、土地改良、小団地開発整備農山漁村建設総合施策等になっております。従いまして、林野庁、農地局また振興局というように農林省内部の各局にわたっておりまして、私の所掌しております振興局が窓口になっているのであります。これまでの実績を見ますと、昭和二十八年発足を見まして以来昭和三十三年度までに、総事業費で約二十六億、国費で約十三億の額に達します事業を実施しているわけであります。また、一部海岸砂地試験研究事業等を実施しておるわけであります。  次に、もう一つ法律でございます畑地農業改良促進法でございますが、これは二百七十万ヘクタールに及ぶ畑地地帯対象にしまして、その農業改良促進をはかるために、二十八年から施行になったものでございます。この事業内容は、県営畑地灌漑団体畑地灌漑区画整理客土等耕地整備のほかに、小団地開発整備、新農山漁村建設総合施策、これがおもなる内容になっておりまして、農地局振興局にまたがっております。この総事業費といたしましても、これまでの実績は約二十八億円、国費にいたしまして約十二億円の事業を実施いたしておるわけでございます。なお、そのほかに畑地灌漑等に関します試験研究を実施しておりますことは、海岸砂地の場合と同様でございます。  そこで問題は、こういう特殊地帯におきます諸立法があるわけでございますが、この二つ法案進捗度を見ますと、お手元資料を配付いたしておりますが、「地域別事業進捗状況」という表がございますが、この表をごらんいただくと明瞭でございますが、このうち今問題になっております海岸砂地は、昭和三十三年度までに、総事業費に対しまして、第一次長期計画、こういうものに対しまして進捗度がわずかに一六%、畑地農業改良の方が二四%、かようになっておるわけでございます。いずれ後刻また他の特殊地帯との関係に関しましては、詳細御説明いたしますが、とにかく、この海岸砂地並びに畑地改良の二法を見ましても、進捗度がきわめてはかばかしくないということでございます。ところが、この二つ法律に関しまして、有効期限を申し上げますと、海岸砂地の方は三十五年、明年の三月三十一日限りで失効いたすわけでございます。また畑地改良法律におきましては、本年の三月三十一日限りで失効いたすのでございます。従いまして、事業進捗度等の点を十分に考えますと、一そうこの事業促進するためには、この二つ法律有効期限を他の特定農業地域法有効期限等とも考えあわせまして、二年ないし三年延長いたすことが、以上述べました関係事業促進いたします上にきわめて必要なことでございますので、海岸砂地地帯は二年間、畑地改良の方は三年間、それぞれ両法とも三十七年の三月三十一日まで延長することを考えておるわけでございまして、この目的をもちまして両法律案提出いたしました次第でございます。そこで、従来の例から見ますと、大体他の特殊地帯立法におきましては、有効期限内におきまして一年間の十分な余裕をとりまして、予算計上工合等考えた上で延長すべきは延長するということで法律案を出しておったわけでございます。つまり有効期限が切れる一年前に法案を出しておったわけでございまして、海岸砂地法律に関しましては、今まで、従前の例にならいまして、期限が切れる少くとも一年前以上に延期法案提出するということでございます。ただ畑地改良法案に関しましては、もともと議員立法に出発しておりまして、これの取扱い方に関しましていろいろな事情があって、今まで延期法案提出を見なかったように聞いておるのでございますが、今回ちょうどぎりぎりの期限でございますので、政府でもちまして延期法案提出することにきめたわけでございます。  なお、先ほどちょっと触れましたが、各特殊立法地帯進捗度の問題で、いろいろバランスを失しているようにも見えるわけでございますが、この事業主体をなしております農地局等におきましても、この地帯別事業の振り分けに関しましては、十分に留意をしておるわけでございまして、このように見て参りまして、特に二法はおくれておるように考えますのは、これは他の特殊立法に比べまして、この法律施行をした年月日がおくれておるわけでございます。すなわち、法律ができて実際に活動した期間がほかのものに比べまして一年あるいは二年おくれておるわけでございます。積寒法に関しましては大体二年おくれておりますし、それから急傾斜法あるいは湿田単作法に関しましても一年おくれて発足いたしております。そういう関係で、事業量に対しまするただいままでの昭和三十三年までの実績というものがおくれておるという、こういうことになるわけでございます。  以上、大体申し上げまして補足説明といたします。
  4. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) これから質疑を行います。質疑のある方は質疑を願います。
  5. 戸叶武

    ○戸叶武君 この畑地改良に関する問題が、農業振興計画に基く実績というのは非常に芳ばしくないというので、その統計がここに二四%ですか、出ておりますが、その理由を今述べましたけれども、非常にあいまいですが、もっと具体的に何がゆえにこういうふうにはかどらないかという点を具体的にあげて下さい。
  6. 増田盛

    政府委員増田盛君) お尋ねの畑地農業改良法事業主体農地局でございますので、農地局長お見えでございますので、詳細お話があると思いますが、振興局として見ますと、この畑地改良事業、その核心となっております畑地灌漑事業営農面といいますか、農業経営という面でございますが、この部面密着性というものはやはり水田改良とやや趣きを異にしておりまして、そこになお検討すべき余地が十分あるんじゃないかと、かように思うわけであります。と申し上げますのは、畑地改良畑地灌漑が行われます地帯は、いわゆる畑作地帯でございまして、畑作地帯におきましては、この畑地灌漑等をやっていく場合に、全く事業新規に行われる事例が多いのであります。既存の路線を活用するという部面はきわめて少いのでありまして、全然施設等に関しましても新しくこれをやらなきゃいかぬ、しかも、これをやる場合におきまして、いかなる作物と結合させるかという問題になって参りますと、従来は御存じ通り主として陸稲でございます。この陸稲にしましても、戦後の増産一点張りの時代にはまだよかったのでありますが、最近のように商品化の傾向が大になりますと、陸稲をやる場合には、事業のコストとあわせ考えますとき、いろいろやはり農家の側からちゅうちょする向きが出て参るのではないかと思うのであります。それで現在振興局といたしましては、やはり陸稲だけを対象にしておったんじゃいかぬのでありまして、畑地に対する水稲品種の栽培、陸稲よりも品質のずっとよく市場性の高い水稲品種を畑に畑地灌漑を利用して植え付けていく、こういうことも研究しておりまして、すでに実施を見ておる地帯もございますが、まだやはり地帯的には限られております。さらに、一番いい方法は、水稲陸稲の両品種を交配しまして、畑地灌漑による従来の品種にかえる新しい、われわれがねらうような、農家がねらうような新しい品種の創出が願わしいわけでございますが、これはまだ試験研究段階でございまして、これに対する育種の効果は十分実っておりません。そのほかに、畑地灌漑に関するいろいろな試みといたしましては、たとえばカンショ等にしても行われておりますし、あるいは蔬菜果樹等に対しても行われておるのでございますが、カンショ等に対します成績も一般に効果は確認されておりますけれども、やはり市場性その他を考えまして、早掘りカンショでなければ畑地灌漑までして相当な経費を使ってやる場合に、農家の上から大体早掘りカンショ蔬菜として出す場合でなければ、なかなか普及として入り得ないのじゃないか、こういう点の大めどの見当などがついたわけでございます。  以上申し上げました通り、いろいろやはりこれがどういう作物に入っていくかという点で試験的にはいろいろ効果があるのでございますが、一つは、作物の点、従いまして、結局、農家経済あるいは農業経営という立場からやはりなかなか、そこに水田におきますような場合ほど急速な普及を見出し得ないような点があるのじゃないか。しかも、畑作地帯水田地帯に比べまして一般に貧困でございます。この畑作地帯農民貧困性ということも、こういう点に影響しまして、いろいろ私どもがやっております農業改良普及事業等の面から見ましても、農家にいろいろ意欲があるのでございますが、なかなか実際の相談にしますと、事業費点等でも話がつかない、こういう点で実は困難をしている面もあるわけでございます。あと農地局長から詳細御説明あると思いますが、昭和三十四年度に農地局の非常な御努力によりまして県営畑地灌漑並びに団体畑地灌漑に対しましては、補助率をそれぞれ引き上げまして農民負担の軽減をはかりまして、この事業農家経営にまで浸透して参りますように促進しておりますことをつけ加えさしていただきます。
  7. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 農地局関係のことを若干補足さしていただきます。  お手許に差し上げてあります資料で、たとえば地帯別でございますが、積寒湿田等におきましては、仕事内容が大体は灌漑排水でございますとか、あるいは区画整理とか、暗渠排水というようなことがおもになっております。また急傾斜地帯等におきましては、主として農道でありますとか索道という事業がおもなものになっております。今御審議願っております畑地等におきます仕事の大部分のものは畑地灌漑と、それに付随いたしました若干の耕地整理というようなことになっております。それで仕事内容畑地灌漑がほとんど大部分でございまして、畑地灌漑につきましては、先ほど振興局長もちょっと触れておられましたように、大体仕事がほとんど新規になっております。既設の施設を利用してやるというようなものはごくわずかでございまして、大体仕事内容がほとんど新規なものだということで、たとえば、先ほど申しました水田暗渠排水でありますとか、灌漑排水等事業費を見ますと、反当おおむね一万円弱くらいで団体の場合できておるのでございますが、畑灌の場合は三万円ないし四万円くらいのものが実は多くなっております。反当の事業費も三倍ないし四倍くらい実は高くついております。それのみならず、補助率が三十三年度までは、県営にありましては、普通の県営事業補助率は五割であったのでございますが、畑灌は四割ということになっております。それから末端支配面積と言っておるのでございますが、これは五町歩までに限定しまして、五町歩以下のものは補助金対象にしないというような制度になっております。それで農地局としまして大蔵省と交渉いたしまして、三十四年度からは県営畑灌補助率は五割というふうに一割上げまして、ほかの県営事業補助率を同額にいたしております。それから団体営畑灌につきましては、普通は四割でございますが、その中でも金のかかりますような水源工事につきましてだけは、これは五割にしようということで、畑灌団体営水源工事は五割に上げております。それから末端支配面積を五町歩で切っておりますが、これは実はまだ最終的には大蔵省と話はついておりませんが、われわれとしましては、何とかこの末端支配面積五町という制限は破っていきたい、まあ今の見通しでは大体いけるのじゃないかとわれわれ思っておりますが、まだ最終的には話し合いがついておりませんが、そういう事業費が高い上に補助率も不利であったというようなことがございまして、どちらかといいますと、仕事をやります側の方でも希望がなかなか出てこぬというようなこともございまして、法律施行のおくれももちろんございます。そういうものが関連いたしまして、今お手元に配られた資料のようなことになっております。来年から実は今のような施策をとりますし、農地局としましては、従来国営事業等も大部分のものは、土地改良につきましては、水田対象にしましたものを実は考えております。付随しまして、畑地というものももちろんございますが、それを最近におきましては、たとえば三十三年度は笠野原、これは鹿児島県でございますが、これは全部畑灌でございます。水田は全然ございません。全部畑灌です。それから来年度新規考えております茨城の鹿島南部につきましても、これは水田も若干ございますが、これもほとんど畑灌である。畑灌土地改良については、国営で取り上げていこうというようなことを考えまして、積極的にこのおくれは何とかして取り返していきたいというように考えております。
  8. 戸叶武

    ○戸叶武君 反当水田関係の三倍も四倍もかかって、三万円ないし四万円もかかるというような状態であるその畑地改良に対して、振興局長が言ったように、畑作地帯農民というものは、水田地帯農民よりも所得が少いので非常に困っているという状況のもとに、わずか補助率を少しぐらい上げた程度でこの事業というものが進捗するかどうかということは非常に疑問なのでありますが、もちろん融資関係その他においてもいろいろな処置を行おうとしておるのでありましょうけれども、その足りないところはどういうふうな手を打っていこうと考えておるのですか。
  9. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) これは畑灌をやりまして、作物を何を植えていくかということも、非常に市場その他の関係で問題があろうと思います。振興局長は先ほどいろいろ作物関係のことを述べたのでありますが、これは市場関係相関関係を持ちまして、これが一番大きな問題ではなかろうかというふうに考えております。あとのそれじゃ足らぬ分はどうするかということでございますが、われわれとしましては、補助残につきましては六分五厘の公庫融資考えております。補助事業以外の畑灌につきましては、公庫の五分の融資がございまして、畑灌については、われわれはほとんど補助でやっていきたいというふうに考えておりまして、それ以外のものにつきましては、五分の公庫融資でめんどうをみていくということを実は考えております。
  10. 戸叶武

    ○戸叶武君 この畑地改良というのは、今度の三浦さんになってからは、非常に私は赤城さんのときよりも、さらにそこに強く重点をしぼってきたようですが、私は畑地改良審議会ですか何かの委員にさせられているんだが、およそこのごろのそういう委員会というものは、愚にもつかないものであるという実態をつぶさに感じたことは、一年に一回お茶飲みに集まる程度の会で、全くこれは行政補助機関的なものに堕して、アクセサリーとしての存在にすぎないので、国会議員は今後こういうものに加わるべきでないと感じましたが、こういうふうな種類の、審議会とかなんとかもったいぶった名前の会の運営について、農林省はどういうふうに考えているか。またこの種の審議会と称するものは、農林省関係でもどの程度あるか。こういう中途半端な、結局、予算が足りないので何もできないということが言いのがれになるけれども、そんなような内容のない審議会なんというものはみんなぶっつぶして、そうして国会におけるこの農林委員会なりなんなりを強化して、そういうところでいろいろ問題を審議していった方がよいと思うのですが、このことに関して農林次官から御答弁を承わりたい。
  11. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) この畑地改良海岸砂防その他それぞれ審議会がございまして、それぞれの事業に対しまして御審議を願って参っておるのでございますが、ただいま御指摘の通り、必ずしも活発にそれが十分にその目的を達成しておらぬ面もありますることは、これはもう率直にそのまま申し上げざるを得ないと思うのでございますが、しかしながら、何と申しましても、畑作振興といい、これらの事業自体は、どちらかと申しますと、最近になって大きく取り上げられて、そうしてこれが根本的な振興対策をやろうといたしておる際でございますので、それらの問題については、単に常識的にどうすればいいという問題でなしに、相当突っ込んだ、掘り下げた検討をし、そうして確固たる施策の上に立って仕事を遂行する必要があろうかと考えますので、今後なおこれらの審議会が、十分にその機能を発揮できますように、私どもといたしましては、ぜひお願いをいたしたいと今考えておる次第でございます。
  12. 戸叶武

    ○戸叶武君 これは質問でなくて意見ですが、私は政府がやたらに審議会とか調査会とかいうものを設けて、その内容においては、重要な畑地改良の問題を取り上げるというが、年に一回ぐらいお茶飲みに行って、そこで話を承わって、ちょっと質問を二、三点やる程度で何の結論が出るか。しかも、政府側から出るところの報告というものは、審議会の決定によりましてはというようなことで、そこに責任がかぶさってくる。こういう責任転嫁機関としてはまことに都合がいいが、こういう不徹底な行政補助機関に今後国会議員が加わるということは、私は国会議員そのものの不見識な暴露することになるんじゃないか。これはだんだんこのごろは国会議員はうるさいというので、その審議会からボイコットして、学識経験者という形なら、皆ほとんど発言がない、そういう人たちを坐らしておいた方がよけいうるさくないだろうというので、その方と今度交代しつつありますが、こういうでたらめの審議会は全部ぶっつぶしてもらいたい。そうして役所の責任において調査資料なりなんなりを出して、結論も出して、そうして国会委員会において審議をお願いするという形において、はっきりと行政府立法府が審議で対決をやっていくのでなければ意味をなさない。これは私はあの会でも突っ込んで聞いたんですけれども、一回やるんだということなんです。審議会というんだから、年に四回ぐらいやるのかと思ったら、一回です。一回見合いしただけでは結婚の段階に入れない。こういうばかげた運営方式というものは、ほんとうに国会議員なり学識経験者をばかにすることであって、こういうことはよした方がいい。で、私はもっと農林委員会なりなんなりというものを強化して、そういうところへ資料を出してもらって、じっくり問題をやるということでないと、ああいうものに金を浪費していくのではいかぬ。一回で、しかも、相当予算をとっている。私はこういうばかげたことは、今後はよしてもらいたい。農林省から率先してよしてもらいたい。そうでなければ、国会において議員に問題を提起して、私は国会がこんなことでむだな、とにかくあれをされているんではかなわぬ。それから審議会の権威の名前でもってそんなものを出されてきちゃよけいかなわぬ、こういうふうに感じておりますから、あとで私は農林省におけるところの、いろいろな農林省関係審議会なり調査会、それに類したようないろいろなものを資料として、今でなくてもいいですけれども、出してもらいたいと考えます。
  13. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) ただいまの御意見は、審議会制度全般に対するところの非常に重要な御意見でございますが、この五つ特殊立法に関しましては、実は戸叶さんも御存じ通り、いずれも議員立法でございまして、議員立法においてこういうふうな制度がとられて参ったのでございます。しかし、それからといって政府はこの審議会を軽視するというつもりは毛頭ございません。またそれに責位を転嫁するというつもりもございませんので、ただ事実ありのままに審議会の経過を経たものについては、審議会の御意見に従ってかくの通りという御説明を申し上げた次第でございますので、その辺は聞了承をお願いいたしたいと存じます。
  14. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは特殊立法、六つか上っている、だいぶ国会内における議論として出ておりますのは、むしろ総合した一本の振興法にした方がいいじゃないか、こういう議論がだいぶ広く行われているようでありますが、これに対して農林省として、政府としてはどういうお考えを持っておられるか承わりたいと思っております。と申しますことは、大体この特殊立法ができまする過程において、多分に地域的な活動が行われております。従いまして、重点がたとえば砂丘地海岸振興法にしてみますと、鳥取、富山県の代議士諸君が一番熱心に、また集団的な広い場所を持っていった、こういうようなことでこの案自身の取扱い方が大体片寄って参っている。だから一番熱心の人が一番自分のところへ予算がとれれば、あとの方はどうでもいいということではないのですけれども、至っておろそかに取り扱われている。全般的に取り扱われていない。湿田法またしかり、千葉県等が中心になって、村山君などが中心になって出されるあの水郷地帯としての湿田地帯の開墾、開拓に重点を置いてやっておられる。他の地区にもやはり同質もしくはあれほど大きいものがなくとも、それらに対する予算関係上、至って工費が少い、こういうことで、結局、本案をまとめて、全般的なものに政府が仕上げ直した方がよかろう、こういう空気が充満しております。これについて一応考えられたことがあるか、もしくはそういう点について現在どうお考えになっているか、まずお伺いしたい。
  15. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) 清澤委員お話通り農林省所管では、議員立法積雪寒冷単作地帯法を初めといたしまして、五つ特殊立法がある次第であります。なお企画庁所管といたしまして特殊土じよう法その他三つのやはり特殊立法がございます次第でございますが、これらはいずれも相互に相関連するところもございますし、ただいまお話のような点もあろうかと私ども考えているのでございますが、ただ御承知のように、別途今国会に御提案申し上げておりますところの農林漁業基本問題調査会というのを、三十四年度から政府といたしましては設置いたしまして、これらの問題についても根本的に一つ御調査願い、そうして大きな方向を打ち立てた上で、これらの問題を全部総合的に処理をいたしたい、かような考え方から、一応三十七年の三月三十一日までというふうに終期をそろえまして、その上でこの問題を全部統一的に総合的に考えていきたい、かように政府としては考えている次でございます。
  16. 雨森常夫

    ○雨森常夫君 一つお伺いしたいのですが、先ほど振興局長の御説明によりますというと、この今問題になっている二つのものは畑地を相手にしているから、仕事の、何と申しますか、内容が非常にむずかしい問題があるから、従って、この資料に出ている長期計画に載っている数字全体の中には、まだ検討を要するものが多分に含まれているというような意味の御説明がありましたが、この表を見まと、特に二法案に関する二つ畑地関係のものはパーセンテージが非常に低い。それは今言ったような理由が原因しているのだというお話がございましたが、いかにも過去六年の間に一六%ではあまりに低過ぎる。三十年もかかるような計画を掲げておいて、そうしてこの際二年あるいは三年というような延期をするのは、どうも形がおかしいのじゃないかという気がする。二十五年なり三十年なり延長するというのだったら話がわかるのですが、二年、三年というのような延長をしておいて、そうして当初掲げている百五十億とか、あるいは八十八億というような事業分量を出しておられるのでありますから、私は考えますに、先ほどの御説明に関連して考えるのですが、この百五十五億とか八十八億とかいうものの中の大体確定しているものはどれくらいあるかということを抜き出して、これをたとえば第一期の計画であるということでやっていけば、ここに二年延長、三年延長ということと問題の結びつきが非常によくなってくるという感じがいたしますが、その点を一つ、どういうふうにお考えになりますか。
  17. 増田盛

    政府委員増田盛君) 進捗度のおくれております分に関連しまして、ただいま御指摘があり、いろいろ御意見があったのでございますが、まことにごもっともでございます。第一次長期計画は、特にここ数年間の実施にかんがみまして、どうしても第二次計画を作らざるを得ない段階に来ているわけでございます。一応私どもといたしましては、第一次長期計画は三十三年度で一応実績を締めくくりまして、それから第二次計画を発足させたいと、かように考えているわけでございます。で、われわれの事務的な案といたしましては、残事業量の大体六〇%ぐらいというところに目安をおきまして、しかも、特にこの事業を所掌しておられます農地局あるいは林野庁とも十分打ち合せまして、特に畑地灌漑等に関しましては具体的な実施地域、これの実施の条件、これの具体的な見通しと、こういうことももう一度はっきり確かめまして、そうして私が先ほど申し上げましたような事情でおくれることのないようにいたしたいと考えまして、実は現在案を練っておるわけでございます。  なお、実は先ほど申し上げました点にいろいろ説明の不十分な点がありますから、補足いたしたいと思うのでありますが、いろいろむずかしい点はございますけれども、私どものやっております試験研究なり、あるいは普及事業という面も新しい畑作地帯の要望である、こういう畑地灌漑というところに焦点を合せまして、従来よりもやはりこれをより強力にやっていかなければならぬのじゃないかというように考えておるわけでございまして、この点に関しましては、二、三年前から畑地灌漑に対する試験研究というものを相当大きく取り上げておりまして、国におきましても、あるいは県段階におきましても、いろいろ未解決の問題をこの際、強力な態勢で解決していくと、こういうことを考えておるわけであります。一例を申し上げますと、国立に関しましては御存じ通り農業研究所が、平塚に農業土木部があるのは御承知の通りでございまして、ここで基礎的な研究をやっておるわけでございますが、これをさらに地域農業試験場の段階におきまして、より応用的な面に拡充するため、まず一つは、関東東山の農事試験場栽培第二部、これに関しまして畑地灌漑の栽培学的な研究を大きく取り上げつつあるわけであります。それに愛知用水公団等の事業一つの刺激にいたしまして、東海、近畿の農業試験場の栽培第二部が誕生いたしまして、ここにおきまして本格的な畑地灌漑の試験を実施しておるわけであります。この栽培第二部はほとんど全部が畑地灌漑に関する試験研究と言っても過言ではないのでありまして、現在四研究室を持ちまして検査しながら研究していくという態勢でやつております。なお府県におきましても、以前から畑地灌漑に対する試験研究はやっておるのでございますが、特に応用研究費によりまして総合的な研究をやっておる。畑地灌漑に関する研究は土木的なものから栽培経営、あらゆる農学に関する分野がこれに向って総合されなければ十二分な力が発揮できないのでございまして、この面は地域的な問題に関しましては応用研究費によりまして、たとえば長野、愛知、群馬、栃木、山形、鹿児島、こういう試験場、それに愛媛大学あるいは愛知用水公団、こういうものが参加しまして、広範に各種の分野から畑地灌漑に対する試験研究を推進しておるわけでございます。従いまして、こういう努力を急速に行いますと同時に、ただいま御意見のありましたように、こう上に立って農家が受け入れられる畑地灌漑というもの、これをはっきりできるだけ下から積み上げた形によりまして、私ども第二次計画案を作りたいということで、現在検討をしておるわけでございます。いずれこの点に関しましては、当該審議会提出しましていろいろ御審議を願おうかと、かように存じております。
  18. 清澤俊英

    清澤俊英君 ただいま雨森さんの御質問に対して振興局長から、いろいろ畑作振興に対する外郭を御説明あったが、大事のことが一つ欠けているのじゃないかと思うのであります。畑地作物が俗に一口にいわれる換金作物であり、従って、常に現金に困っております日本の農家として、まあ手近に現金収入を得るために畑地というものに相当の関心を持っておりますとき、不用意に、研究の結果によりますか、各県等が不用意の栽培を行いますとすると、そこに生産過剰等を来たして、常に市場価格の下落を来たして、蔬菜類が非常な、あるいは園芸類が非常な窮地に陥っていることは御承知だと思うのです。従いまして、私は国全体の上から見て、どういう作物にはどういう土地、どこが一番適地であるかというようなことを中心にした作付統制くらいの面を考慮して、それと農協の共販態勢等の強化と相待って農産価格の維持と伸展をはかる、これが欠けておりましたら、せっかくの特殊地帯の振興は、いろいろ農地局的な振興と振興局的な振興だけでは、私は完全なものができ上らない。従いまして、少くとも今まで農林省のやっておりますことで一番の欠陥は、作れ、ふやせという増産対策と振興対策考えられるが、できたものをいかなる過程を経て、いかにして売って農民が安心した価格安定のもとに生産が続けられるかという点に非常な欠陥を持っておりまして、一昨年来、たまたま流通の整備という問題に対しては、政府も気づかれて、これに対してわずかな予算を組んでおられる。これはほんのわずかです。果してあんなことで正確なものが得られるかどうか知りませんが、新たにこのたび中央市場法を中心にしました調査会等をも作っておられるのでありますから、従いまして、これらと十分な関連において試験研究が行われるべきものであり、従って、方法としましては、真の振興は売ることにおけるものとタイアップした私は総合的な計画において振興が立てられなかったら、せっかく振興して参りました甲地と乙地とではその地方としては適地であったかしれぬが、国全体から見ますると、非常な生産のそれ自身に優劣ができたりして、思わざる損害が農民にかかり、また農林省もせっかく骨を折られてやりましたこと自身が非常な失敗に終るというようなことのないように一つ御注意を願いたいと、こう私は考えておるのでありますが、これに対して農林次官並びに振興局長、どうお考えになっておりますか。
  19. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいま畑作対策を中心としまして広い立場から御批判があったのでございますが、まことに私どもも常日ごろ考えておるわけでございます。私ども農業振興の行政の従来の基調は、確かに御指摘の通り、増産主義の振興であったと思うのであります。しかし、数年以前からのいろいろな経済的な変動、それに伴います農業経営に対するいろいろな動きを見まして、やはり農業生産から流通、消費、これを一貫した立場でものを考えなければならぬというふうに感じておるわけでございます。特に畑作対策といたしましては、その包含する作物がきわめて多様であり、しかも、世界的な生産過剰の傾向から申しまして価格が不安定でございます。こういう点におきまして、私どもやはりこれらの畑作対策に関しましては、特に総合的な見地から対策を進める必要があると考えられるわけであります。現在は蔬菜果樹等、御指摘になった点に関しましても、私どもその点でいろいろ苦心しておるわけでございます。たとえば蔬菜に関しましては、やはり作付の調整をやっております。戦中戦後のような国家権力をもって強制するわけではないのでございますが、これを農林省中心になりまして、府県あるいは府県の農業団体との間に作付調整をする、そして、常に出荷調整をするということで、その出荷調整も、時期別、種類別に需要の動向とにらみ合せてきめておるわけでございます。果樹に関しましても全く同様でございます。ただ果樹に関しましては、蔬菜と違いまして、短期的な増産あるいは減産ということができないために、一ぺん果樹を植え付けますと、何年かたちますと、その時一度に市場に出回るという現象が出て参るわけでございます。従いまして、果樹に対しましては、やはり十年くらい前から作付の調整をする必要がある。しかも、御存じ通り、果樹は樹齢別に生産量が違いますので、この点は相当精密な統計の裏づけのもとに作付の計画を作らなければいかぬわけでございまして、現在私どもの方におきましては、過去におきまするリンゴやナシ等を頂点といたしまするいろいろ苦い経験にかんがみまして、長期的な果樹の対策を作るということで、全国的な視野に立った中央の作業が終りまして、現在府県段階におきまして、適地診断を伴いまして、果樹の長期計画の具体的な作成を取り進めておるのであります。  いろいろ申し上げれば長いのでございますが、やはりこういう畑作の問題はきわめて不安定であるという基礎の上に、農家貧困であり、しかも、現在の経済情勢を反映しまして、農家としましては、なかなか押えても押え切れぬ、何か作りたいという傾向があるようでございます。特に麦類全般、桑、タバコ等の減産の大勢に押されまして、最近はいろいろな作物が取り上げられてきておるようでありますが、私ども、その点に関しまして、代作といたしまして、一方では慎重なかまえをとりながら、内心は実は苦慮しておる次第でございまして、いずれ機会をあらためまして、ビート耕作の導入対策に関しましてもいろいろ研究をいたしておりますので、その点に対しましても、ただいま御指摘のような生産から販売、消費、この面まで全体を考えた総合的な立場で今後対策を立て、これを実施に移したいと、試験研究の方も極力その点に焦点を集めてやっていきたい、かように考えておる次第でございます。
  20. 安部キミ子

    安部キミ子君 関連して。ただいま畑作振興に関連しまして、実は一月の十五日から二十五日にかけて山口県萩市を中心に非常な寒波に襲われまして、夏ミカンの被害が甚大であったわけです。私は一月の二十五日から二月の五日にかけて各地方を調査し、農業協同組合の幹部の方とも各地で懇談いたしまして、そういう人たち意見を聞いたわけなんですが、そういう話を長々としますと時間がかかりますから、要点だけを申したいと思います。で、概算でございますが、その被害面積の成果——なっている見込みは、今年度は三百万貫あったそうです。ところが、落ちた夏ミカンの実害量は二百万貫、三百万貫に対して二百万貫が被害をこうむった。これは当時の実害でありまして、これから暖かさが増しますとだんだんと落ちてきて、一本の木に何個残るだろうかということを当時心配しておりました。そこで、この被害の総額を金にかえてみますと、農業組合長さんの見方では、約二億円は下るまいということでございます。二億円と申しますと、この地方の人たちの生活を脅かす段階になってきますので、これはただ一地方の市とか、あるいは県とかいうものでは処理できないと思います。従って、今日の畑作振興に関連しまして、この対策は、農林省の方では何とか考えておいでになるでしょうか、そういうことがあるということを実際に十分把握しておられるだろうかどうか、実は先ほど農林省の方からちょっとこちらの報告を聞きましたところが、私が申しました実数とはだいぶ違いまして、山口県の夏カンの作付面積は六百十六町歩で、三〇%未満の被害が四百八十二町歩、三〇%以上の被害が六十町歩と、こういうふうに計算されまして、被害総量が三千トンと、これは落下したものだけを概算に入れておられるようでありますが、こういう答えが出ているようです。その見方の相違もございましょうが、私が各協同組合のデーターを集計しましたところが二百万貫ということになったわけでありまして、まだ農林省の方にも具体的な陳情とか、あるいは県からの要請というものが来ておりませんので、ただいま電話を、急報を入れまして県の対策あるいは県の考え方を、電話を入れている間、私委員会に出たわけですが、この問題について、農林省の方ではどういう方法で救援をしていただけるのか、そういう考えがおありになるのか、方法についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  21. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいまの山口県萩市を中心にしました寒波によります夏ミカンの被害は二百万貫といいますと、私もこの地方にとりましては非常に大きな数字であると思います。ただ、実は私、寒波の襲来があの地方にあったという話は聞いたのでございますが、その被害に対する報告並びに陳情は、現在まで受けておりません。従いまして、これが対策に関しましては、適切な御答弁はできないのでございますがただ私、ただいまいろいろお話を聞きまして、自分でかねて関心を持っておりましたことがあるので申し上げたいと思うのでありますが、この地方は、数年来ヤノネカイガラムシの蔓延している地方でございます。従いまして、その点で、寒波にやられますと、やはりヤノネカイガラムシが付着しておって衰弱している木もありますし、あるいは、昔の士族授産当時から、えんえんとして作ってきました老木がございます。そして私の聞くところによりますと、そういうものがいろいろ原因になりまして、やはり木の抵抗力を弱めておる。従って、通常ならつかないようなヤノネカイガラムシ等も、相当蔓延している、こう点があるのでございまして、実は、その点の技術指導に対しても、私の方で、従来も県の御要請に応じまして係官を派遣いたしましてやつておるわけであります。そして三十四年度からは、九州の久留米の農業試験場の園芸部に、新しく園芸病害虫の担当官を置きますので、これを県の防除態勢に協力させまして派遣する。具体的に申し上げますと、萩市に、何か市の柑橘試験場があるそうでございまして、県の方はないので、市の柑橘試験場を根拠地にしまして、このヤノネカイガラムシの防除をはかるという相談が実はでき上っておったのであります。しかしながら、ちょうどそのやさきに寒波の襲来でございまして、当面のこの被害に対する対策も重大でございますけれども、やはり数年来問題になっておりますこの夏ミカン全体の病害虫の防除を中心にしました農民の生産態勢の確立、忌憚なく言いますと、古い昔からの士族授産時代からやって参りました点に、非常によさもありますけれども、あれをやはり近代的な果樹園経営に逐次切りかえていくということでなければ、有効な防除もなかなかできないおそれがございます。そういう点に関しましては、私ども、ちょうど今回の災害の点ともからみ合せて、いろいろ技術的に御援助いたしたいと思うのでありますが、なお、ただいまの二百万貫という御指摘のありました被害に関しましては、いずれ県当局から報告があると思いますので、相談の上善処いたしたいと、かように考えております。
  22. 安部キミ子

    安部キミ子君 今の局長のお話ですと、なるほど今後の樹体の管理とか、あるいは樹勢の回復についてのお考えは大へんけっこうだと思うのです。また、今後の新しい果樹園形式に沿って対策を立てるということもけつこうなんですが、当面この二百万貫という被害、ざっと二億円というようなこの被害に対しては、例年であれば四月から現金がどんどん入ってきまして、一年間の成果が実るわけです。ところが、ことしは、こういうことでお金が手に入らない上に、お金が今度は逆に要るわけです。全然収入のない上に今度は投資しなければならないという形になりまして、農家手元は非常に苦しくなってくると思うんです。それで、実情の調査あるいは県からの陳情というふうなことも当然ではありますが、それを待っていては、農家の人は困るのではないかと思うのです。それで、つかみ金なんといっては大へん大ざっぱな言い方でございますけれども、現に困っておるので、四月にもなりますと、もう何とか樹体の管理の方に積極的に手を入れなければならないので、金が要るわけですから、その金の方法を農林省ではどう考えておられますか。融資だけですか、ほかにもっと積極的な補助とかいうものはないものでしょうか。
  23. 増田盛

    政府委員増田盛君) 先ほど申し上げました通り、よく県の御報告を聞かなければ、何とも即答いたしかねるわけでございますが、あるいは被害の程度、規模等によりましては、天災融資法の発動ができるかどうか、そういう点も研究いたしたいと思います。これは私の所管でございませんので、天災融資法の点につきましては、さっそく関係の局の報告を待ちまして相談いたしたいと思いますが、そのほかに、とりあえずの対策といたしまして、たとえば私の方の関係で県に設置しております農業改良資金等の活用もあるいはできるのじゃないか、これもやはりその被害の正確な現状をつかまなければ、即答できかねますけれども、おそらくは農業改良資金等も県の方がそういう対策を考えれば、これの活用もできるのではないかというふうにも考えますので、その点はよく私の方で検討いたしまして善処いたしたいと思うわけであります。
  24. 安部キミ子

    安部キミ子君 大体わかりましたが、一点だけ。そうしますと、これは詳細な調査がなければはっきり言えませんでしょうが、かりに一億円とすれば、何割程度の援助ができるのですか。
  25. 増田盛

    政府委員増田盛君) 金額も、実はこれは私の方の所管ではないわけでございまして、今までの、例年、災害がありましたつど、天災融資法で借ります場合には、たしか経営資金として貸し出すのが、私、これは正確でございませんが、一戸当り五万円程度じゃなかったかと考えております。これは経営資金でございますから、営農資金といいますか、営農だけの金でございまして、それでたしか家畜がある場合には、若干それに追加される仕組みになっております。金額の点に関しましては、不正確な点があると考えますので、あとでまた調べましてお答えいたしたいと思うわけであります。
  26. 安部キミ子

    安部キミ子君 先ど大蔵省の局長さんですか、お名前を言うとあれですが、お電話しましたら、あなたともよく相談して、それで大蔵省の方にお出しいただいたら、大蔵省の方でも考えると、こういうふうな御答弁をいただいたわけです。それで、大蔵省の方でも、こういう事態はめったにないことで、法律とか法令とかいうものは出ていないけれども、何しろ金額が大きいのでほうっておけないだろうという考えのようでございますから、よく御相談下さいまして、私、県の方へも急がして、こちらの方へ報告なり陳情なりをいたさせますので、善処していただきたいと思います。よろしくお願いします。
  27. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 大臣にお伺いをすることが筋だと思いますが、政務次官にお伺いいたしたいと思います。畑地振興で、畑地作物の主たるものは、やはり果樹園芸あるいは花卉、工芸作物等であろうと思うのでありますが、今後の畑地振興には、今申し上げましたような作付を今後振興をいたしていくということが畑地振興の重点だろうと、こういうふうに考えておる。ことに日本の農業は、水田と畑作がその所得生産性についても大へんな開きがございまして、畑地振興は叫ばれて久しいのでありますが、まだ完全な域に達しておりません。そこで私は果樹、花卉、あるいは従来畑地の農作物を主として取り扱っている農林省の機構でございます。これが果樹を一つ例にとってみましても、たとえば振興局の特産課で奨励をいたし、指導をいたしております。また経済局にも市場関係あるいは経済の関係等がございます。それから食糧庁にも御承知のように食品課がございまして、これが指導をしておる。生産あるいは流通に至りますまでの指導が一元化しておらないといううらみがございます。ただいま果樹、花卉等の生産は、大体順位を申し上げますと、米に次ぎまして畜産が総生産量の一二%、それからただいま申し上げました果樹関係の特産物が大体一二%であろうと思う。畜産も局制度ができております。それから三・三%の蚕糸につきましても局ができている。またこれらの予算を見ましても、相当の予算がついておるのでありますが、畑地振興の主体をなしますこれらの特産物に対する予算はまことに僅少でございまして、一町村の予算に比べましてもまだ少額であるというような見劣りのする予算でございます。そこで私は、将来農林省の設置法といいますか、つまりそういうものの改正が必要だろうと思いまするけれども、この生産あるいは販売、加工、流通等に至りますまでの一元化した取扱い、指導をいたしますることが、畑地振興の重要な役割を果すものである、かように考えるのであります。従いまして、将来は部ないしは局等を設けられて、これを一元的に総合した指導奨励をされますることが、畑地振興の重要な問題である、これを解決しないでは、他のいろいろなものを持ち出しましても、私は成功しない、こういうふうに考えるのであります。この点について御意見を伺いたいと思います。
  28. 高橋衛

    政府委員高橋衛君) ただいま畑地振興の観点から、現在の農林省の機構が、あるいは生産流通部面その他輸出入の外貨の割当等、それぞれが違った部局において所管されておりますことによって、その間の連絡調整が必ずしも円滑にいかぬのではないか、将来はそれらの機構を、やはり畑作振興という立場から、一元的に取り扱うところの部局の新設が必要じゃないかという御趣旨の御質問でございます。御指摘のように、その間の連絡調整部局が違うことによって必ずしも円滑でないということは、これはある程度そういうふうな弊害があるということについては、その通りと申し上げざるを得ないのでありますが、しかし、生産、流通、消費の各段階を通じて、それが一元的に緊密なる連絡を保っていく、そうしてそれが一つの政策として強く打ち出されるということが絶対に必要であるというような観点から、機構は別になっておりますけれども、現在それぞれその間の連絡を緊密にいたしておるのでございます。しかしながら、将来の問題といたしましては、ただいま御指摘の通り、たとえば果樹、園芸について、相当農家収入の中におけるところの大きな割合を占めている、しかも、将来それがますます農家の現金収入のもととして、また、畑作の振興という立場から申しましても、大きく伸びなければならぬという性格を持っておるのでありますから、それぞれの立場から、何らか将来新しい部局を新設するとかなんとかいう問題になりまするか、あるいは機構の改正という形になりまするか、何らか将来その方向に検討を要する問題であろうと、かように私ども考えておるわけであります。しかし、これも別段他の調査会等にひっかけるわけではございませんが、やはり今後の農業政策の基本をどこへ持っていくかという問題とも相当大きな関係を持っておりますので、それらの点とも考えあわせまして将来の構想を定めていきたい、かように考えておる次第であります。
  29. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 もう一点お伺いしたいと思いますが、これは振興局農地局どちらでもよろしいのでございますが、お伺いいたしたいと思います。特殊地帯というのがございますが、寒冷地帯、急傾斜地帯あるいは砂地の地帯の振興の問題等ございます。これらに関しましては、補助及び助成あるいは資金の融通等がそれぞれございます。ところが、この進捗率を見ましても、二四%ないしは一六%であって、これを受けまして事業をいたしまするこれらの地域は非常に貧しいというか、疲弊をいたしておりまして、その裏打ちをするということがなかなか困難な地帯なのであります。さような意味から、五割いただきましても、あとの五割は自己資金によりまするか、あるいは融資によって長い間にこれを払っていくか、この二つの方法しかないと存じますが、そこで私のお伺いしたいと思いますることは、農村の金融というものがどの程度の金融ならば引き合いにかかるのか、非常にばく然とした質問でおわかりにくいと思いますが、今ありまするような金利では、私は農家に勧めていろいろな事業をやりましても、それの元利を払い得るだけの収入を上げることができないのではなかろうか、こういう心配をいたしております。これは地帯によっても異なるごとだと存じまするし、また作物の種類によっても異なるところだと思います。また、施行をいたしまする事業の種類によってもおのずからその差異があろうかと思うのであります。しかし、農林省自体は金を貸すからやれということでありまする限り、いかなる事業においてはどのぐらいな利子で、しかも、どのくらいな年限でこれを貸し与えて事業をさせまするのが農村振興の真に役に立つのかどうかという基本的な調査というものがなければならないはずだと思うのであります。ただ、一般の金融よりは若干安いという程度では、とうてい第一次産業でありまする農業振興というものにこの金を使って、その元利を都合よく消化をして参りますわけには参らぬ、かように私は心配をするのであります。少くとも最近は、補助というものを融資に切りかえておりまする今日といたしましては、そういう基礎的なものがあって、農村、寒冷地帯にいたしましても、急傾斜地帯にいたしましても、あるいは湿田の対策にいたしましても、あるいは特殊土壌の対策にいたしましても、金を借してやるからやれという、ただそういうことでなしに、その基本的な計算というものを基礎に置いて、こういうことならやれるのだという見通しがなければならないはずだと私は思います。それについての御調査はもとよりあろうかと存じます。あれば、何の作物をどういう地帯にして、何カ年賦でどのくらいの利子ならば、どれだけの生産が上ってくるからどれだけならば引き合いにかかるのだ、こういうデータがあればお教えを願いたいと思います。もしなければ、少くとも必要だと私は思いますが、そういうふうに必要だとはお思いになりませんか。もし必要ならば、将来どうするかということについてのお考え一つ伺っておきたい、こう思います。
  30. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 私がお答えするのは適当かどうか存じませんが、お答えいたしますが、今御指摘がありましたように、金利の問題につきましては、非常に公庫融資あるいは中金の融資考えましても、金利は実にばらばらといいますか、いろいろ各種の融資をいたしております。先ほど申し上げましたが、今問題になっております土地改良関係補助残につきましては、実は六分五厘という金利になっております。先ほど戸叶先生に私お答えいたしましたときに言葉が足らなかったのでございますが、補助残六分五厘でございまして、補助のないものにつきましては、土地改良をやっておる場合には五分というような金利を実ははじいております。昨年度から問題になりました三分五厘という金利がまた一つございます。これにつきましては、従来の非補助土地改良その他小団地の融資につきまして三分五厘という金利をはじいたのでございますが、このはじき方の場合には、実は従来の補助が、たとえば四割であった、あるいは三割であった、それを幾らに、金利で換算したらそれに該当するようになるだろうかというような見地から、補助率との関係で三分五厘というのが出ております。また、われわれやっております中で大きな一つの農村金融でございます自作農資金がございますが、これは五分で二十年ということになっておりますが、これは昭和二十八年ごろの農家経済調査をとりまして、二十年で返せるには農家の経済余剰から見て何分ぐらいが適当かというような農家経済調査をもとにしまして実は五分というようなものをあれははじいております。いろいろ金利体系がございまして、今、先生の御質問になりましたどういう作物を作ったらいいか、同じ作物につきましても、実はこれは地域によりまして、市場との関係でまたいろいろ違って参ります。それで御質問の点は非常にむずかしいのでございますが、われわれとしましては、これはやはり先生のおっしゃいましたように、今いろいろ金利体系がございまして、実は衆議院におきましても、北海道の寒冷地の問題でも金利の問題が非常に問題になりました。これは御承知の通りと思うのでございますが、われわれとしましては、やはり金利全般につきましての、これは開拓者の金利もございますし、これは実は経済局でやることでございますが、やはりある程度しっかりした調査をしまして、その上でどういうふうにしたらいいかということを判断するのだと思いますが、これは責任の局は、担当の局は実は経済局でございますので、私の答弁があるいは先生のお尋ねにそのままになりませんが、われわれ農地局として考えましても、自作農その他いろいろな金利がございますので、これにつきましては、やはり農地局としましても検討してみたい、これはある程度の調査の上に立って検討してみたいというふうに考えております。
  31. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 私は要望をいたしておきますが、農地局長から御答弁がございましたように、直接原資あるいは融資を扱っております局は経済局ではございまするけれども、その先端を行きまする、金を使いまするのは農地局あるいは振興局あたりで事実お使いになるのでございますので、農林省としては、私は少くとも個々ばらばらで同じ農業施策に対する融資に、あるいはそれの年限あるいは金利等に対しまして原価計算というものをはっきりして、その原資によってこれは違うと、原資関係から違ってきておると思うのですが、しかし、そういうものでなしに、もっと補助率との割合で利子をきめるとかいうことでなしに、生産費、そういう投資をして果して償いがつくかどうかという利益率を出してきて、そうして今度融資を奨励するという段階でそういう基礎がなければ私ははなはだ不確実だ、こういう感じを持ちますので、将来は一つ振興局あるいは農地局、経済局あたりで、そういう問題について、いろいろむずかしい問題だと私は思います。思いますが、しかし、何かその平均的な数字が出ないことはないと私は思う。そういうことのすみやかに確定されんことを要望いたしておきます。
  32. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  33. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて。  本件の午前中の質疑は、この程度にいたしまして、午後一時半から続行いたします。  本委員会は暫時休憩いたします。    午後零時二十七分休憩    —————・—————    午後一時五十八分開会
  34. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それでは、午前に引き続いて、委員会を開会いたします。  海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案及び畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案を一括して議題にいたします。  御質問の向きは御質問願います。
  35. 清澤俊英

    清澤俊英君 この法案とちょっとはずれるかもしれませんが……。
  36. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) あまりはずれないでやって下さい。
  37. 清澤俊英

    清澤俊英君 中へ入っているかもしれない問題ですが、実は昨年の秋、委員長等と水害視察をかねて山形県の畑地振興状況等を視察に参りましたとき、たまたま天童地区において、これはあまりケースのない問題だと思いますが、畑地の交換分合を行いまして、そうしてその畑地にはリンゴと桑の苗が混植してあった。一方、虫害防除をリンゴに行いますれば養蚕に非常な関係を及ぼすというようなことが中心になって、畑作振興としての交換分合を非常なめんどうをして、これを決行した。そのあとというものは、非常な成果を上げておる。一方においてはもうあの付近は桑は全部立木なんです。リンゴは御承知の通り数年たたなければ成木にならない。これを畑地交換と一緒に一地区へ集めろというのでありますから、非常な努力と非常な経費がかかったわけなんです。こういうところの問題は、これから先相当整理すべきものがある。そういうような整理がタバコと桑の問題になってくるというような、混植によって一方が非常な障害を受けるというようなものに対して、そういう振興が行われる場合、この促進助成法が適用していかれるのであるか、こういうことと、これは農地局長がおればお聞きしたいのですが、そういった場合の畑地交換分合等にはいかなる処置が講ぜられるのかということと、この法案を見ますと、試験研究並びに灌漑排水等中心促進法になっておりますが、そうやってでき上りました場合に、現にあの地区で、委員長も見ておられるように、共同防除の施設をやって、そうして非常な大がかりの防除をやっておる。ただ機械を背中にかつぐというものではありません。数十町歩にわたり防除を行う一つの小さい工場のようなものを建てて、すべてコンプレッサーで散布液を導管によって畑地に送り込んでおる。そこには防除機具をノーズルによって十数尺の高さにやる装置をして、人員を削減し、少数の人間で広範な消毒などを行なっておる。こういうことを見ますと、この促進法に書かれた範囲のものでは、もう実際の促進にも現実が先走っているのじゃないか、こういうことを考えられますが、この法案との関連、もしくはこれに関連しないものとしましても、こういう問題に対して振興局長はどうお考えになっておるのか、振興法でそういうところまでやれるのかどうか。これは農地局長が見えませんが、そういう交換分合等に対しては、あるいは水田の交換分合と同じような処置が講ぜられておるかどうか。
  38. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいま御指摘の畑地におきます交換分合の問題は、農地局の所管でございます。私の考えておりますことをお答え申し上げたいと思います。  問題は、農地の集団化事業中心にしました農業経営に関しまする共同化の関係でございまして、これに対しましてはいろいろな事業が相関連して参るものと考えております。そこで、農地集団化事業中心をなします交換分合の事業につきましては、水田と同様に畑地に関しましても農地局担当で、それぞれ現在まで事業を実施しております。私の聞いておりますところによりますと、三十四年度予算におきましては相当な増額を見ておるように聞いております。すなわち、こういう計画を立てる経費につきましては、四千万円を計上いたしております。さらに全く新しい事業としまして、この農地の交換分合に付帯いたしまして農道を設置する場合が出て参ります。こういう場合に対しましても、新規予算として三千万円程度を計上しておるように聞いておるのであります。私の方の振興局考えております、たとえば御指摘のリンゴあるいは桑、あるいはタバコ、こういうものを集団化いたします場合には、本来の考え方からいたしますと、やはりこれを一カ所に集めましてまず農業の機械化を促進していく、こういう着眼があるわけでございまして、さらにあわせましてそれぞれ集団化しました途上におきまして、いろいろの種類の農作物が植えられておるわけでございますが、これをやはり作付調整をいたします場合におきましては、いろいろの種類の作物をできるだけ一カ所に集めて作付した方がいいわけであります。これは農業機械化のためにもいいわけでありますし、また品質管理といった点からいっても非常にいいわけであります。  御指摘のありました、たとえば病虫害の防除、こういう問題から見ますと、まことにこういう計画は時宜に適したものでありまして、今後畑地農業施策を推進していく場合の大きなねらいになるものと思います。そこで、振興局としてこういう問題に対して、具体的にどうしていくかという点を申し上げたいと思うのでありますが、これはわれわれが所管いたしますこの農業の機械化を推進していく場合には、こういう建前で農地の交換分合と組み合せまして推進して参る、こういう考え方はもちろんでございますが、たとえば私どものやっております新農山漁村の建設事業につきましても、こういう点で相当大きく各町村ともこの農地の交換整理の事業を取り上げておるわけでございます。昭和三十三年度の実績を申し上げますと、事業費といたしまして約三億に近い事業費が各町村から上って参りまして、現実にこの問題を推進しておるということが言えるかと思います。これに呼応しまして、さらに果樹その他の共同防除の計画を作っておる実例を見ておるところも新農村の場合は相当多いわけでありまして、逐次天童のようなりっぱな事例が他の方面によい影響をもたらしていくということに対しましては、私どもも明るい希望を持っておるわけでありまして、農地局の交換分合の事業とあわせまして強くこれを推進していきたいと、かように考えております。
  39. 清澤俊英

    清澤俊英君 これらに対しまして、共同防除等の施設に対しての補助金等はどんな工合になっておりますか。その他新農村建設等によります総合計画による農地奨励、耕地集団化ですか、と同時にこれらによりまする、たとえばそこに数年を要する固定という言葉は字句に当てはまるかどうかわかりませんが、固定果樹というようなものがあって、それが移動する等に対する経費が非常にかかる、こういうような場合の補助、助成の関係はどのようになっておりますか。
  40. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいまお尋ねの果樹の移動に関しましては、特別助成の措置は講じておりません。むしろこれは農地の交換分合の計画費として農地当局で見ておる。しかし、果樹をそのまま移動する、掘り取って移動する場合もございましょうし、あるいは新植する場合もございましょう。これに対しては直接補助等の道は講じてございません。ただ、共同防除自体に関しましては、農山漁村の振興施設に関しまして助成の道を講じております。その数字を申し上げますと、昭和三十三年度の実績におきまして共同防除施設一億五千五百万、これは事業費でございます。これに対して大体五割の国庫補助がございます。それからその他、これに付随して散水施設、スプリンクラー等の散水施設がございます。それから、共同貯水槽あるいは共同貯留槽、薬剤を共同で貯留する、あるいはそれの薬を溶かす水、こういうものの共同貯留槽。それから、一番先のスプリンクラー等の散水施設、こういうものを合せまして、大体事業費で一億一千万ぐらいの事業費でありまして、これに対してもほぼ五割に近い補助をいたしております。
  41. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは多分、蚕糸局関係になるでありましょうが、現在でも約一万五千町歩の改植が行われておる。これがどういう改植になっているかはまだ明確にしておりませんが、将来少くとも採算割れの養蚕業を軌道に乗せて、現在標準繭価を中心にして蚕糸業を守るとすれば当然瘠地養蚕というものを解消してやらなければならぬ。で、起きて参ります問題は、桑園の集団化、同時に農地局等によります集団化を行い、農地の造成、これが非常に重要な問題になってくる。この際、蚕糸局としましての考え方としての移植料が大体反二千五百円、一反について苗代にも足らない。こういう貧弱なものでありまして、とうていそれらの目的を達成できないとすれば、当然畑地作物として桑園改変について一貫した振興局の計画の中に新農村計画なり何なりの形で行われるであろう。その際、取扱いはやはりそうい計画をした場合、振興局としましては、これは蚕糸局関係である、こういうことで、それに対する積極性を失うのではないか。こういう懸念を持ちます。  それから第二番目は同じケースで、今、現在計画もしている地区なんですが、どうしても高冷山岳地帯である、従って水田の開設は無理であると同時に、水田を開設してみても、三年に一度くらいの冷害によって安心できないから、従ってこれを部落から見た集約酪農を一つ始めよう、こういう場合、新たなる開墾をして牧草地を作って、放牧と飼料牧草を造成する等によって寒地農業を中心にした部落振興を現実に行おうとしている部落等がぽつぽつできてきている。こういう場合に、この畑地促進法を中心にしてどの範囲までこの二つの場合やっていかれるのか。その点もちろん一方は畜産局、一方は蚕糸局に非常な重要な関係を持ちますが、総合的な立場に立って振興局としてはどれくらいまでの考えをもって助成していただけるのか。同時に、農地局としましては、ただいま申し上げているような新たなる土地を造成して、そこに酪農なり、共同桑園を作っていく。そうして瘠地養蚕から集団養蚕に変っていく。こういう移り変りに対する場合に、農地局においては畑地振興という立場に立っての現在の法規を中心にしてどれくらいまでかまわれるのか。これを助成していかれるのか、その範囲を一つ教えていただきたい。全然これによらないでやっていくのかどうか。
  42. 増田盛

    政府委員増田盛君) 具体的な御質問でございまするので、それに各局にまたがっておりまして、あるいはこの場で申し上げたことが不正確ならば、あとから訂正さしていただきたいと思いますが、桑園の場合の集団化の問題でございますが、これは先ほどから申し上げておりますが、農地の改良、今提案いたして御審議願っております農地の改良法は、農地の集団化は直接取り扱いませんけれども、これに関連いたしまして、農地の集団化の予算農地局にあるわけでございます。従いましてこの集団化は、桑園であっても集団化はできるわけでございまして、当然補助対象になるわけでございます。ただし、先ほども申し上げた通り、この農地の集団化の事業に関する補助対象は、そこの村なり部落なりで計画される場合の計画費に対して助成する、こういうことでございます。ただし、付帯した農道に対しては、新しく三十四年度から補助をする、こういうことでございますから、桑そのものは実は蚕糸局長に聞かないとわかりませんので、私はお答え申し上げることはできないわけでございます。  それからもう一つ、酪農等のために、農地をあるいは集団化するために開墾をして、開墾地なり、牧草、牧野なりを集団化する、こういう問題でございます。開墾に関しましては、これは農地局の所管でございまして、それぞれ農地局でおやりになると思います。おそらくこの開墾の場合におきましても、いずれ農地局長から詳しいお話があると思いますが、小さいものは現在助成の対象になっていない。ある一定の規模のものでなければ助成の対象になっておらない。ただし、公庫融資がございます。牧野の点に関しましては、これは畜産局の所管でございまして、そういう場合に、牧野に対しても集団化するということはけっこうな話だと思いますが、これに対して助成があるかどうかはわかりませんが、しかし、これも公庫融資がございます。なお、これに関連いたしまして、私の方も振興局で取り上げておりますのは、農山漁村の建設総合対策で、やはりお話のような草地造成改良事業、草地を改良造成する、こういう事業を取り上げまして、これに対しましては、三十三年度の予算額といたしまして大体一億近い金額を上げてございます。
  43. 清澤俊英

    清澤俊英君 補助はどれくらいになりますか。やはり五割ですか。
  44. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 今、振興局長が申し上げましたように、私どもの方でやります農地の集団化の予算でありますが、大体計画費四千万円、ラウンド・ナンバーで四千万円計上しております。これは農業委員会が大体計画いたしますので、農業委員会にいく計画費であります。それとセットで、農地の集団化をします場合に農道とセットでやることがこの事業を進めていく上に非常に効果的ではないかということを考えまして、来年度から初めて二割補助でございますが、農道の補助を初めて三千万円集団化に関連して計上いたしました。  それから、開墾地のお話でございますが、これは地元増反の場合だと思うのでございますが、その小さいものまでは補助金は実は出ておりません、今の体系では。補助が出ておりませんので、融資で参ります場合には、非補助ということで五分の融資というようなことが考えられるのじゃないかというふうに思いますが、これはもし何か間違っておりましたらば訂正させていただきたいと思います。
  45. 清澤俊英

    清澤俊英君 この問題は、山間、いわゆる零細地区の農民、特に非常に最近青年部において希望を持ってきており、非常に熱烈な研究をして今かかっている問題でありまして、そういう場合、こういう零細地の青年がどんなにいいことを考えてどれくらい意欲を燃やしてみても、経済的には全くその能力を持たないと思う。農林省としては、この問題に対しては徹底的な一つ考えをしていただくことが私はいいのじゃないかと思うのです。同時に、一番これの弊害になっておりますのは、私有地の集団ですね。私有地を集めて一つの牧野地帯にする。放牧をやる。非常に適地があっても、山林を持っている人がいやだと言ったら、これはできない。だから、そういう場合の計画に対して、でき上った場合の農地法の取扱い等もここへきてはちょっと困難かもしらぬけれども、ちょっと考えてやってもらいたい。同時に、これに対しては一つ研究をしていただいて、そして最近は農業土木の機械が非常に進歩しておりますので、ブルドーザーその他のものを使って、そうして新しい牧草地帯を作ってみたり、あるいは草資源地帯を作ってみたりすることによって、私は酪農振興その他の振興がだんだんとでき上っていくのじゃないか、こういうことを思うのであります。それを非常に希望しているのです。それでちょっとお伺いしてみましたが、今の各種の助成、振興法であっては、こういう零細地のことには至って礼儀知らずで、こういうことをまず局長などに徹底的に一つ申し上げて御研究を願って、いずれ機会ある場合、私は農林大臣にも申し、とくと一つ話してみたいと思いますが、これは希望意見ですが、一つ御研究をお願いしたいと思います。
  46. 増田盛

    政府委員増田盛君) 先ほどの私の説明に対して補足いたしますが、農地局の方で補助事業にいかないものは今お話のように、たとえば非常に零細な山村、こういう場合におきましては私の方で考えていますのが二つあります。一つは、山村の場合は小団地開発整備事業で、私の方で補助を出しております。小団地開発整備補助率が大体三割、いろいろな種類がございますが、三割。これは小さいものをそれで取り上げております。それからもう一つ、農山漁村の振興対策におきましても、やはり小規模農道開墾事業というものを取り上げまして、村で自主的にこれがやれるようになりまして、これの補助率も大体三割ということでございます。それから、先ほど補助率を尋ねられました草資源の開発整備に関しましても、補助率は同様に三割でございます。
  47. 清澤俊英

    清澤俊英君 大体これは、小団地もしくは小規模開発事業というようなものは、最高どれぐらいの反別からこういう関係になりますか、五町とか三町とか、もっと小さいものから……。
  48. 増田盛

    政府委員増田盛君) 五町から二十町ということでございます。
  49. 仲原善一

    ○仲原善一君 海岸砂地畑地と両方に関係する問題でありますが、予算の組み方は、それぞれの法律のあれに従って一括して組んであるのか、あるいは各局に分割してなっておるのか、その施行の状態はどういうことに実際はなっておるのか、法律一本でまとまって予算になっているのか、そうでなくて分けてやっているのか、その点お伺いいたします。
  50. 増田盛

    政府委員増田盛君) 事業費の方は各局それぞれ組んでございます。ただし、これの審議会がございますが、審議会運営費は私の方の振興局で一本に組んでございます。
  51. 仲原善一

    ○仲原善一君 従来、こういうことを伺っておったわけですけれども……。食糧増産のためのいろいろ振興策なんかの場合、まあこの法律に従って補助金も出るということですけれども、たとえば米麦であるとかイモであるとか……。しかし、そこに作付する作物が果樹である場合にはこの補助金が出ない、そういうことを聞いておったわけですけれども、これは現在でもさようになっておりますかどうか。結局、この法律の中には作物の種類のことは書いてないわけですが、農業生産力の増強だとか、一条によりますと生産性を上げるためだとか、あるいは農産物の何とかと書いてありますけれども果樹等蔬菜等がその中に含まれても法律の解釈では補助金が出るのかどうか、その点をお伺いいたします。
  52. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 今、御審議願っております中の工種はほとんど畑灌でございます。海岸砂地畑地、それで補助要綱自身では果樹はいかぬということは実はいっておりません。いっておりませんが、予算大蔵省との従来の折衝過程で実は果樹を主体にしております地帯畑灌というものは、補助対象に実は現在いたしておりません。ただ経過的に申し上げますと、今先生おっしゃいましたように、大体食糧増産というような形で参ったものでございますから、おもにそういう地帯でございまして、果樹地帯は除かれる。ただし、まあ果樹が若干地域の中に入っているというようなところは、便宜、対象にしておりますが、現在ほとんど大部分が果樹だというものは対象になっておりません。これにつきましては、実はまだ全然きまっておらぬのでありますが、われわれの考え方からいたしましても、もう少しその点の考え方は弾力性を実は持たして考える方が適当じゃなかろうかと実は思いまして、三十四年度の予算を実際に使います場合に、大蔵省と何か基準を作りまして、折衝してみたいというふうに実は今準備しているところでありますが、現在までは先生のおっしゃったような形になっています。
  53. 仲原善一

    ○仲原善一君 ただいまの御答弁で大体御趣旨の点はわかりましたが、まあ法律の五条の振興計画、これは海岸砂地の方でありますけれども、五号の中にも「農業経営の合理化」というようなことがまあうたってあるわけでございまして、建前からいいますと、果樹なり蔬菜を入れてほんとうに経営が安定する、合理化するという、そういう地域が相当ありますので、ただいまのまあ御方針に従って十分に御折衝をいただきたいという、これは希望を申し上げておきます。  それからその次は、末端五町歩の問題があります。畑地灌漑等につきまして、まあ国なりあるいはその県の補助が出ますけれども、末端の五町歩については地元の農民の負担というので、これも事業施行上非常な隘路になっておりますが、まあその点もう少し緩和するような御計画なり、御方針があるかどうか、従来通りに末端五町歩補助をしないという建前で押し通されるのか、その点、御意見をお伺いいたしたい。
  54. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) これは、実は午前中戸叶先生の御質問にもお答えしたのでありますが、末端五町歩は撤廃したいということで大蔵省と今話しております。これは具体的な問題として話しておりまして、七、八割方はその主張が通るのじゃなかろうかという、あるいは甘いかもしれませんが、そういう観測をしておりますが、まだ最終結論に至っておりませんが、これは極力撤廃するようにいたしたいと思って今交渉しております、現実の問題といたしましては。
  55. 仲原善一

    ○仲原善一君 それから最後に、海岸砂地の方は、もう一年間実はあるようですけれども、まあ今の段階で実は延期のあれになったと思いますけれども、これはどういう意味か、まだ一年間はあるのを、すでに今現在やっておくというのはどういう意味になりますか。
  56. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいまの点も私、午前中に実は補足説明で簡単に触れておいたのでございますが、実はこの特定農業地域法期限延長は、従来議員立法によって行われるのが例であったんでありまして、やはりその場合におきまして、法律が失効いたします一年前の国会におきまして、期限延長の改正法律が制定されるというのが従前の例であったんであります。これはおそらく法律に基く計画を推進するため、ちょうど翌年度の予算案を検討するという必要があったためにこのようになされておったものと思います。従いまして、大体従来の例は、全部失効する一年前ということで進んでおったのでございまして、ちょうど海岸砂地地帯振興法有効期限の延長もちょうどそれに符節を合致するわけでございます。ただ一つ畑地農業改良促進法だけが実はこういう例にならわないでしまったのでありまして、通常の例によりますと、昨年度の通常国会におきまして提案を見るのが適当であったのではないかと考えられるのでございますが、やはりいろんな事情から、その場合に提案の時期が失せられまして、そうして、失効期限の直前にいたされたと、こういうことになるものと私ども考えております。
  57. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  58. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて。  それじゃ、本件の質疑は、この程度にいたします。   ━━━━━━━━━━━━━
  59. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 次に、農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案内閣提出予備審査)を議題にいたします。  この法律案につきましては、去る三月三日の委員会において提案理由説明を聞いたのでありまして、ただいまから予備審査を行うことにいたします。まず補足説明を求めます。
  60. 増田盛

    政府委員増田盛君) 農山漁村電気導入促進法の改正に関しまして簡単に内容を補足させていただきます。  これは、対象は一般農山漁村でございます。従来は開拓地並びに離島振興法におきます離島が電気導入の対象になっておったのでありますが、昭和三十四年度より新たにそれ以外の一般農漁村のうちで特に条件が悪くて、いわゆる僻地といわれている地帯に電気を導入する、しかも電気の導入と申し上げましても、全然今まで電灯が入っておらなかった未点灯の部落を解消していく、それから未点灯とは言わないまでも電気の量が不足しているために十二分に電気の供給を受けない、こういう地帯がございます。一日中利用し得るとき電気を利用できなくて、時間的に特定のときだけ電気をつける、いろいろそういう部落がございますので、そういう地帯対象にしまして新たに補助金を出そうと、補助金を出して、これを逐次解消して参る。こういうことでございます。従来、こういう一般農山漁村に関しましては、農林漁業金融公庫公庫融資でめんどうを、いろいろ援助して参ったのでありますが、やはり特に経済的におくれておって、しかも農家の所得水準の低い地帯におきましては、この公庫融資だけでは不十分でありますので、今回は国家の補助、それに対していわゆる補助残融資、自己の負担に対しましてはさらに融資でめんどうを見る、それからさらに、国の補助に相応する分は県も補助金を出すということでございます。従って、補助金は国と県、それから融資は、補助残融資に関しまして八割まで公庫が持つ、最後の二割はその農家が負担するということになるわけでございます。しかしながら、電力は、個人々々でばらばらに導入するわけには参りませんので、全部共同でやるわけであります。従って、導入の形といたしましては、受電をする——近くに配電線があった場合に、それからその部落まで電線を引っぱって参りまして、受電をするという場合が一つ。あるいは、新たに電源設備を整える。この場合には、水力の場合もございますし、あるいは一部火力の場合もあるかと存じますが、こういう形になると思うのであります。なお、この補助の、三十四年度の補助金でございますが、これはきわめて少額でございます。新規事業としましていろいろ努力したのでございまするが、わずかに二千万円足らずの金がついておるわけでございまして、これによって初年度に解消され得る対象は、戸数にしまして約千戸ということになるわけであります。私ども、これをまず三十四年度手始めに実施しながら、開拓地や離島と違いまして、この大きな一般農山漁村の中の未点灯部落が果してどれくらいあるかと、一応の調査はあるわけでございまするが、それも相当以前に農林省で県庁を通じて調べたのでございまして、もう少し精密に調べる必要があると思いましたのは、二戸々々ばらばらになっておった農家対象にしてやっておったのでは、なかなか能率が上らないわけでありまして、まず最初には、やはり五戸程度集団した——五戸以上は少くとも集団した部落あたりを対象にして、それに含まれる農家戸数が大体何戸ぐらいあるかと、このあたりを調べまして、その辺をめどにして私導入して参りたいと思っております。古い調査でございまするが、大体一般農漁村の僻地といわれるような所で、今言ったようなめどで対象を拾い上げますと、八万五千戸ぐらいの戸数が対象になるのではないかと見ております。従いまして、一応これが正しいといたしまするならば、これを現在の千戸の予算でやっておりましたのではとても大へんでございますから、これは、三十四年度は一つ手始めにやりまして、三十五年度以降はこれを大幅に増大していくということで私ども努力いたしたいと考えておるわけでございます。とりあえず以上申し上げまして補足説明といたします。
  61. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) この件に関して御質疑のある方は御質疑を願います。
  62. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 こういうふうな問題はどうですか、伺いたいのですが、事実の問題なんです。これはもと団体でやっておるから、その設備が古くて、また小さくて、昼間は全く動力がないのです。しかるに、現在の設備がもう古くなって改めなくちゃならない、改めるのについては改める能力がない、それが離島なんです。長崎県ですが、長崎県は、離島だから、できるならば、九電の所だから九電から海底ケーブルで持ってきてもらって、そうして現在夜分だけであるのを昼間の動力にもそれを使用することができるようにしてもらいたいという村民全体の希望なんです。そういうふうなことができるかできないか、またそういうふうなことが離島振興法でやられるのか、あるいは今度のこれでやられるのか、その点を一つお尋ねしたいと思っております。
  63. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいまのお話に出ておりますその島は、離島振興法によって指定されております島だと思いますが、そういたしますと、これは離島振興法による電気導入の関係で処理いたすことになると思います。この離島振興法に基きますものは、今お話のような更新の場合——施設が老朽化しまして、これを全然新しくするという場合に対しましても、条件さえ整えばこれを取り上げることができるようになっております。従いまして、具体的な手続といたしましては、当該県知事が離島振興法に基きまして電気導入の計画を立てまして、その中に具体的な計画を盛りまして中央に上げて参る、この場合には農林省にそれを提出するということで、その段階審議するということになります。
  64. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今の問題は、その計画ができるならば、対岸までは九電のが来ているのだから、その島の海岸まで九電が持ってきてもらうようにした方が一番いいと思っておりますが、そういうふうなことも今の計画でできますかな。
  65. 増田盛

    政府委員増田盛君) 私もその辺はあまり専門家でないので何でございますが、九州電力がそういう場合にどの程度まで工事負担金を持つか、その問題に帰着すると思いますが、実はその前提になりますその島と、それから電力の既設配線との関係等も詳しく承知いたしておりませんので何ともお答えできないのですが、ただこの法律はそういう点に関しまして、電力会社との関係は何にも実は規定がなわけでございまして、やはり地元と電力会社の当事者との間で協議をされて、妥当な線をおきめ願うということより仕方がないと思いますが、その結果によって補助対象をどこまでやるかという問題が出てくるのじゃないか、かように考えます。
  66. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 県の方でも、また該当の町村においても検討を進めさせますから、その節はどうぞよろしくお願いいたします。
  67. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ほかに御質疑ありませんか。
  68. 仲原善一

    ○仲原善一君 この事業主体と申しますか、法律によりますと、農林漁業団体とかなっておりますが、市町村ではこれはできないのですか、この導入計画は。その点、市町村でやりたいという意向が相当ある向きもありまして、その点はこの法律の適用ができるかどうかですね。
  69. 増田盛

    政府委員増田盛君) この法律は農林漁業団体対象になっておりまして、市町村の場合にはこれが適用しないということになっております。
  70. 仲原善一

    ○仲原善一君 それから予算関係ですが、この予算で動力も補助対象になりますか。
  71. 増田盛

    政府委員増田盛君) 動力の取り上げ方でございますが、未点灯部落に新たに電気を引いてくる、その場合に、動力線も一緒に引いてくるという場合におきましては、予算の範囲内におきまして補助いたします。ただ既点灯部落——もうすでに電燈が入っている部落に動力線だけ切り離しまして、動力線だけあとから入れるという場合におきましては、実は今回はそういう場合は考えていないわけでございます。どこまでも未点灯部落の解消という趣旨で法律が出ておりますので、その趣旨に沿って予算を計上しております。
  72. 仲原善一

    ○仲原善一君 ことしの予算の執行上の問題でありますけれども、この配分される場合に単位の戸数というようなものの基準があるわけですか。たとえば五戸以上だとか、十戸以上だとか、その辺の何と申しますか、予算の執行上の方針と申しますか、ありましたらお伺いいたしたいと思います。
  73. 増田盛

    政府委員増田盛君) 一応、今のところ五戸以上の集落ということで考えております。
  74. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ほかに御質疑ございませんか。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  75. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を起して。  本件に関しましては、この程度にいたします。  それでは本日は、この程度にしまして、散会いたします。    午後二時五十七分散会