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神田委員 歴代の
長官が大きな
民間会社の
責任者になっておったり、あるいは
政治家として
参議院議員に
横川、
柴田氏が、また今度
石谷さんも立候補する、こういうように言われて、
林野庁長官がいずれもりっぱな道を歩んでいられることに対しまして僕はどうこうと言うわけではありませんけれども、こういうふうに
週刊読売に言われておるように、
局長あるいは署長というものが大きな
権限を握って、何億、何千万、何十万円というような
取引の
責任者になっておる。また、今度は、
国有林野の
林産物の払い下げの場合は、
特売制度を作って、そうして
林産物を特定の人に売りさばく
権限を持っておる。そういうような大きな権力を握っておるので、そういう裏にいろいろな問題がやはり存在しておるように世間では思っておる。実際において、今度の
栃木県の
横川信夫氏の
選挙戦等を見ますると、それらの——過去にではあったけれども、そういうような
権限が非常な力を発揮しておるということをわれわれは目の前に見せつけられたわけです。
次いでお尋ねしますが、
政治家から山を守ることはけっこうでございます。しかし、
歴代の
長官がこういうように大きな民間業者の
責任者になっておったりあるいは政治的な責任ある立場に立つ。それでは、各地の
局長とかあるいは小さく言えば県の部長とかいうような人が退職されてから現在においてどういうような地位に立っておるかということをわれわれも少し検討してみたいと思う。というのは、地方の
局長をやりあるいは署長をやりして常日ごろ業者といろいろな
取引をしておって、自分が退職する場合にはそういうところに就職し、あるいはそういう
人たちの便宜をはかられておるというようなことをわれわれは聞くのであります。現に
栃木県におけるところの前の林務部長の高木君は、私が今言った
石橋正二郎さんの
関係しておるところの日本
木材の顧問をやっておる。そういうふうにして
保安林の
買い入れとかあるいはいろいろの材木の売買等において便宜をはかっておるということが言われておる。これは高木君の
名前を申し上げてまことに失礼でございますけれども、そういうことを私は聞きましたものですから、一つの例でございますけれども、こういうように
林野庁におるところの高級幹部の
方々がそのような立場をとる。これは自由でございます。やめてからどこへ行こうと、だれがどういう職業につこうと、これは自由でございます。けっこうでございます。けっこうでございますけれども、世間ではやはり、いろいろの角度からこれに対しまして、こういう大きな
権限をかって持っていた人でございますからして、そこに何らかの
関係があるのじゃなかろうかというような目をもって見ておるわけです。あなたは言わぬということですから言わぬでしょうが、
週刊読売にあるように、「
政治家からわれわれは
林野を守る」——私から言わせれば、なるほど政治をやっておる者にもそういう不心得な人もあったかもしれませんが、それよりも、高級官僚に対して、あるいはうしろに大きなパルプ
会社あるいは製紙
会社、そういう
人たちが、特売を取るために人を使って、金を出してやってもらっておるというようなことが言われておる。皆さんは地方の産業育成のために
特売制度を実施すると言っておりますけれども、現に、北海道のごときは、こういうようなパルプ業者、製紙
会社の手にどんどん特売の山というものが渡って、地方の小さな材木屋とかあるいは薪炭業者というものはそういう恩恵には浴しておらない現実じゃなかろうかと私は思うのでございますけれども、そういうような特権高級の官僚の
方々と、またそれの利益を得るところの大業者、——
国有林を守るというような美しい言葉の陰に、そういうような特権業者をあなた
たちが守っておるのじゃなかろうか、今までそうして何十年となくやってきたのじゃなかろうか、こういうところに大きな疑惑の目が向けられておると思うのでございます。この問題につきまして、私は今後もこれを掘り下げていきたいと思うのでございますけれども、
政治家から
林野を守るのじゃない。そういう財閥、大資本家、大製紙
会社から
国有林を守らなくちゃならぬ。こういうように、
保安林の
買い入れについても、一体地方の小さな山持ちがおりますか。一つもおらない。
栃木県だけでも、だれが売ったかというのを見ると、さっき言ったように、
村有林であったのが西大蘆の古沢伝吉氏、これは例外でしょうが、
あとは、日本楽器製造株式
会社の川上源一氏、三井農林株式
会社の福井亘氏である、あるいはさっき言った
石橋正二郎氏が大部分というように、こういうような
人たちから
保安林の
買い入れをやっている。また、特売でもって大きな利潤る上げているのは、そういうような大きな製紙
会社でありパルプ
会社である。一体だれのためにこの
国有林を守っているのか。その点について、今後これを改革していかなくちゃならぬという大きな観点に立って、あなたの決意とそれに対する
考え方をしっかりとお聞かせ願って、そうして長い間わだかまっているところの
特売制度の改善、
保安林買い入れ方法に対するところの
整備、そういう問題についてのしっかりとした
長官の
考え方をただしたいと思います。お答え願います。