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1958-11-04 第30回国会 参議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年十一月四日(火曜日)    午前十時五十七分開会   —————————————   委員の異動 十月二十三日委員山本利壽辞任につ き、その補欠として西田隆男君を議長おいて指名した。 十月二十四日委員西山隆男君及び横山 フク君辞任につき、その補欠として山 本利壽君及び西田信一君を議長おい て指名した。 十月二十七日委員西川平治辞任に つき、その補欠として西田隆男君を議 長において指名した。 十月二十九日委員前田佳都男辞任に つき、その補欠として古池信三君を議 長において指名した。 十月三十日委員池信三君及び西田隆 男君辞任につき、その補欠として前田都男君及び吉田萬次君を議長おい て指名した。 十月三十一日委員小山邦太郎辞任に つき、その補欠として青山正一君を議 長において指名した。 十一月一日委員青山正一辞任につ き、その補欠として小山邦太郎君を議 長において指名した。 本日委員坂本昭君及び小川邦太郎君辞 任につき、その補欠として松澤靖介君 及び仲原善一君を議長おいて指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     早川 愼一君    理事            稲浦 鹿藏君            岩沢 忠恭君            武藤 常介君            田中  一君    委員            石井  桂君            西田 信一君            前田佳都男君            松野 孝一君            山本 利壽君            内村 清次君            小酒井義男君            戸叶  武君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 遠藤 三郎君   政府委員    建設大臣官房長 柴田 達夫君    建設省河川局長 山本 三郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    水産庁漁政課長 近藤 武夫君    通商産業省軽工    業局窯業建材課    長       新田 庚一君    建設省住宅局長 鬼丸 勝之君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設諸計画に関する  調査の件(災害に関する件) ○河川法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 早川愼一

    委員長早川愼一君) これより建設委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告いたします。  十月二十七日、西川平治君が委員辞任され、その補欠として西田隆男君が、十月三十日、西田隆男君が委員辞任され、その補欠として吉田萬次君が委員に選任されました。また、本日、坂本昭君、小山邦太郎君が委員辞任され、その補欠として松澤靖介君、仲原善一君が委員に選任されました。   —————————————
  3. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 本日の委員長理事打合会について御報告いたします。  本日の委員会の運営について協議いたしましたが、本日は、災害関係補正予算について説明を聞いた後、河川法の一部を改正する法律案について質疑を行うことに決定いたしました。   —————————————
  4. 早川愼一

    委員長早川愼一君) それでは本日の議事に入ります。  まず、災害関係補正予算について、建設省当局より説明を聴取することにいたします。  なお、ただいま政府委員として出席されておるのは、官房長柴田達夫君、河川局長山本三郎君、説明員として住宅局長鬼丸勝之君、河川局次長曽田忠君、会計課長南部哲也君、以上の通りであります。
  5. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) ただいま臨時国会に御提出しております昭和三十三年度一般会計補正予算のうち、建設省所管経費について御説明を申し上げます。  御承知通り、今回の補正予算は、昭和三十三年に発生いたしました台風及び豪雨等による災害復旧事業に必要な経費等追加計上することを目的とするものでございます。補正予算の総額は、九十億九千八百余万円になっておりますが、このうち建設省所管経費として追加計上いたしております額は四十三億二千四百余万円となっております。その内容を簡単に御説明申し上げます。  まず、昭和三十三年に発生いたしました河川等災害復旧事業費、これは三十六億九千三百余万円となっております。すでに支出を終りました予備費十億五千余万円とこれを合せますと、四十七億幾らになりますが、今年発生いたしました河川道路等公共土木施設災害で、地方公共団体補助事業として実施するもののうちの初年度分約二割五分の復旧本年度中に完了することといたしております。同時に、直轄事業にかかる災害復旧につきましては、このほかにすでに七億七千四百余万円を予備費といたしまして支出をいたしております。これは直轄事業でございますので、内地につきましては五割、特に被害の激甚でありました狩野川につきましては本年度七割、北海道につきましては四割、こういう率で復旧本年度中に完了いたしまして、明年の出水期に備えたいと考えておる次第でございます。  次に、河川等災害関連事業費は二億一千四百余万円でございます。河川海岸等施設と、国庫補助災害復旧工事と合併いたしまして、改良工事を行いまする地方公共団体補助いたしまして、災害復旧効率化をはかりたいと考えております。  その次に、砂防事業費が三億円でございます。これはすでに既定予算に計上いたしておりまする緊急砂防費三億円と合せまして、六億円になるわけでありますが、本年発生の豪雨及び台風等によりまして生じた山腹等新規荒廃地における崩落を早急に防止するための緊急砂防工事を行いたいと考えております。  次は、都市災害復旧事業費でありまして、これは一千七百余万円であります。都市内の街路、排水路公園等の諸施設復旧及び伊東市におきまする堆積土砂排除をはかる所存でございます。このうち堆積土砂排除は、最も緊急を要しますので、本年度内に全部完了するよう措置いたしたいと考えております。  以上の災害対策につきましては、災害査定及び調査等が済みました結果によりまして、さらに予算措置を必要とする場合も予想されるわけでございます。その場合におきましては、既定予算予備費と、今回の補正予算に計上されておりまする予備費追加がございますが、これによりまして万全を期したいと考えております。  それから、前の時期に起りました干害対策事業費といたしまして一億円が計上されております。これは本年五月から八月にかけまして、利根川の下流地区におきまして旱魃による塩害が発生いたしましたので、今後このような干害塩害の発生することを防止するために必要な水門等工事を実施いたしたいと考えております。  なお、住宅関係災害につきましては、今回特に所要予算追加計上が行われておりませんけれども、滅失戸数に関しましては、既定公営住宅建設予算災害保留分をこれに充当いたしたいと考えております。また、住宅災害対策といたしましては、以上のほかに、別に住宅金融公庫融資を行うことといたしておりますが、これにつきましては、災害住宅融資償還期間の延長、貸付金限度額引き上げ等につきまして、この機会に改正を行うべく住宅金融公庫法改正を近く御提案申し上げるつもりでおります。  以上、今回の補正予算のうち、建設省所管経費の分につきましてだけ概略を御説明申し上げました次第でございます。
  6. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 今官房長説明で、災害の今年度だけの分を二五%、こういうことですが、あれは国庫負担法による三・五・二の比率があるのだが、ことしはどうして二五%と、五%減らしたのですか。
  7. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) お尋ねの三・五・二はそのままにやる考えでございまして、これは緊要工事でございます。緊要工事は三・五・二の割合で、約三割をやるつもりでおります。緊要工事以外の分も含めますと、いわゆる三・五・二といいます場合、初年の分は二割五分ということになります。予算全体といたしましては、平均二割五分の復旧補助事業についてはやるということにいたしておりますが、いわゆる緊要工事は三割やる予定でございます。
  8. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 それからもう一つ、この緊急砂防、三億というものが計上してあるということですが、これは今年度の水害によって生じた砂防区域緊急対策か、あるいは特に狩野川流域が非常にひどかった。だから三億円の大部分狩野川の方に充当するのか、その辺の区域はどうなんですか。
  9. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 緊急砂防工事というのは、御承知のように既定予算の中に三億ありますが、今回さらに補正で三億追加いたしまして、お説の通り、本年になりまして非常に被害を受けておりまする荒廃地に対しまする砂防をやるわけでございます。もちろん、狩野川につきましては重点的にやるわけでございますが、それも含んでいるわけでございます。  狩野川についてどれくらいやるかということでございますが、これにつきましては県の施行能力もございますので、今、県と打ち合せ中でございますが、大体二億ちょっとぐらいは狩野川流域にやることになるというふうに考えております。
  10. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 それから、この補正予算の中に、都市災害に対する費用が千七百万ですが、これは非常に少いんじゃないですか。もっと東京都だの、あるいはもっとその他の都市が、この二十二号台風によって相当被害を受けたと思うんです。特に東京なんか、小河川が非常にやられている。これは準用河川になっているが、当然補助対象になると思うけれども、それにしても千七百万という金額がどこから出たのか、非常に僕としては少いと思うんですが、どうなんですか。
  11. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) この千七百万の内容は、主として伊東市におきます排土事業を、非常に緊急を要しますので、初年度百パーセント、みんなやってしまうというのが千四百万、この千七百万の中に入っております。それ以外は、いわゆる公園あるいは下水道、都市排水路等都市施設災害についての復旧でございまして、今のお話準用河川等につきましては、これは公共土木施設復旧の方に入っております。
  12. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 これは建設省に直接関係ないんだが、例の小災害ですね。あれはどういうような解決をしたのですか。
  13. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) いわゆる小災害と申します、国庫負担法対象金額以下の災害につきまして、今回におきましても非常に小災害が多い。従って、県はもちろん、小さい市町村等財政上の負担が大きい。こういうことから、ぜひ対策を立てるようにということで、政府部内におきまして検討して参りました結果、これは、小災害については国庫負担法金額、一件対象金額を引き下げるということでは非常に事務も繁雑になるし、その結果というものもなかなか適正な経理がむずかしいというようなことからいたしまして、国庫負担法の範囲を下げるという方法によらないで、これを公共団体起債をさせて、その起債元利償還に対しまして政府が何らかの補償措置を講ずるというような、公共団体に対する財政措置処理をいたしたいという方向で検討して参ったわけでございます。昭和二十八年には御承知通り、この小災害に対する起債特例に関する法律を出しております。今回は、この小災害に対しましては特別の財政措置を講ずるということをいたしまして、きょうの閣議におきまして最終的にこの特別の措置の方策を決定いたしておるはずでございます。前回の閣議におきまして大体その大綱をきめまして、きょうの閣議で最終的にその方針決定いたしておる。とにかく、小災害に対しましては財政措置をとることによって、公共団体負担を軽からしめるように援助をする。こういう措置解決をするという方針で参るように結論を得ております。
  14. 田中一

    田中一君 関連して。そうすると小災害に対しては、政府としては直接、災害そのものに対する何らの措置もしない。ということは、復旧に対する措置はむろんのこと、たとえば従来ともに、小災害に対しては数がたくさんあるし、河川局そのものがそれを実際に調査をする、査定をすることが不可能であるという、これはよくわかる。だからそういう措置をとらざるを得ないということになるけれども、しかしながら、だれかがそれをチェックしなきゃならぬと思うんです。たとえ公共団体自主性にまかせてやるといっても、従来、まあこういうことを言いたくないけれども、水増しやふくらましでもって金を借りよう、あるいは余分な補助金をもらおうという傾向が今まであったんです。事実あるだろうと思うんです、そういうことが赤字の公共団体では。そうすると、財政措置でやるというけれども、元利に対するところのどういう方法をとってやるか。たとえば単独立法かなんかでもって、その元利を国が負担するんだという時期がくるのか、見通しとしてですよ、そういうつもりで財政措置でもってこの復旧をさせるというのか、あるいは、当然これは借金にしておいて、長い間、十五年、二十年、三十年、五十年——大体起債では一番長いのだって十七、八年から二十二、三年ごろです。それをもっと延ばしてその金を返さすんだという形でしようとするのか、そこのところ非常に問題があると思う。むろん、地方公共団体借金でやるものだったら自主性でやるんだから、何も政府がそれに関与する必要はない。むろん、会計検査院もとやかく言わぬでしょう。しかし、国がいつかの場合にこれの元利償還というものに対する特例を開いて、負担を軽くするとかなんとかになりますと、これは新しい問題が生まれてくる。それが五年、十年、二十年たった際には、もうどういう事態があって、それが正しい借金と施工でもって完成したかどうかわからなくなってくる、そういう点の見通しはどうなんです。大体どういう考え方に立っているか、これは、この問題は、ただ単に今度の災害に対する措置だということじゃ解決つかぬと思うんです。そういう点は、どういう考えを持っているんです。きょうの閣議では、どういう決定をするというような方向建設大臣考え方を進めているのか。むろん、建設大臣としても意見を出したと思うんです。河川局としては……。
  15. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) きょうの閣議におきましての最終的な結論はまだ承知いたしておりませんけれども、方向といたしましては、現在の制度は、起債元利償還に対しまして、単独災害については普通交付税で、小災害につきましては二八・五の率で交付税基準財政需要額で算定するという措置をいたしておりますのを、今回以後、この交付税の率を大幅に引き上げる措置をするという方向で、政府部内において検討いたしておりますので、きょうの閣議の結果によりまして、多分そういう措置決定されておるものと存じますけれども、これもまだ最終的な結論承知いたしておりません。また大幅に上げます場合の率もいろいろ出ておりますけれども、最終的な率も承知いたしておりません。もちろん、県や市町村起債をいたしまして、単独処理をするわけで、それに対しまして政府が、二十八年は元利補給金の形でやりましたが、今回出ておりますのは、交付税の率を大幅に引き上げるという財政措置を講ずるわけでございます。採択でありますとか、工事施行につきましては、もちろん市町村がやります場合におきましても、県が十分監督をしてこれを指導して、間違いなくやるということにつきましては変りはないものでございます。
  16. 田中一

    田中一君 そうすると、一体その各事業者であるところの市町村が、自分の方はこれだけの災害があったんだということをうのみで認定しようとするんですか。それとも、大体これはもう見通しがあるんだから、これだけの査定をしようという形にくるのか、これでは実際の問題が解決にならぬ。どういう形でするのか、県がやるといっても、県がそこまでこまかく現場を完全に把握して、それが正しいんだ、正しくないんだということの能力がないと思うんです。そうすると一方的に市町村からくるものだけを取り上げて、それを認めるという前提に立っているのか。今、官房長は、工事そのものに対しては十分県の方に監督させるというけれども、災害そのものをどこでだれが認定するかということですね、その点はどういう考え方を持っておりますか。
  17. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 災害そのもの認定は、今の措置で申しまするならば、自治庁起債を認可するという面におきまして、当然起債採択につきまして監督的な立場に立つわけでございます。災害単独債を認めるということがあるわけでございます。この災害全体の起債につきましても、今、自治庁が大蔵省の方に対しまして起債のワクを当然折衝することになりまするけれども、この起債を、原則として災害に関する限り全額起債を認める、それから次年度以降、その起債もだんだんしぼられるというような傾向がありますのに対しまして、おそらく、きょうの閣議に出ていると思いますが、この起債につきましては、次年度以降も原則として全額起債を認めるという措置をいたそうという閣議の了解と申しますか、決定をいたす案のところまでは準備されておりますので、これも決定になっていることと思います。それが災害によるものであるか、単なる維持工事であるかということのお話は、処理の問題であると思いますが、これは災害起債として自治庁が認めるかどうかというところで処理されるものと考えております。
  18. 田中一

    田中一君 自治庁にはその能力がありと考えておりますか、官房長は。
  19. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 小災害のことでございますので、なかなか処理につきましては非常にめんどうであるということは、事情がございますけれども、もちろん、従来から普通の場合でも災害起債ということはあるわけでございまして、それを監督する能力自治庁にはむろんあるわけでございます。なお、それらにつきましては、実際につきまして建設省等におきまして、湿の災害当局におきましても、十分助力をして、間違いないようにするということになると思います。
  20. 田中一

    田中一君 これは全額ということになっているから、心配するのです。そうでなければ、査定という、一応積み上げてきたものに対して、君の方は何割だということでもって、実態を完全につかまぬでも、大体間違いが万々なかろうということになるのです、内輪に見るから。これは財政当局考え方というものをそんたくしてみると……。しかし百パーセントこれを認めるのだということになりますと、それに対する水増しというものが、今までの地方自治行政という面から見て、あり得るということが考えられるわけなんです。会計検査院などは、そうした面に対してはどんな考えを持っているか、これは会計検査院考え方も聞かなければならぬと思うのです。おそらく、そういう決定をするには、向うの、会計検査院の意向も聞かなければならぬと思うのです。それが結局起債は認めて、全額はその借金した方の側が完全に何年かで返すのだという前提に立っているのですか、またある時期にそれを棒引きしてやるのだというような考え方に立っているのですか、その点はどうです。
  21. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 借金をした方が自分で返すという前提に立っておるわけでございます。交付税で申しますならば、その交付税の勘定の中にそのうちの相当割合は見てやろうということで、交付税としての処理が行われるわけです。主体的にはあくまでも公共団体が自主的に自分災害処理する。
  22. 田中一

    田中一君 今の交付金増額ということは、全額というものと見合う率ですか。交付税でもってカバーするものはカバーする。残額は返すのだということなんでしょうと思います。けれども、そうすると、交付金に対する会計検査院調査というものは、これは当然あるはずですね、これはないですか。
  23. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) それは当然あると思います。
  24. 田中一

    田中一君 そうすると、どの工事交付金でやった工事であるか、どの工事単独工事であるかということの認定は困難ではないかと思うのです。たとえば、自分のところは原形復旧という形になっているけれども、たとえば御影の間知石を使って土どめを、がけを作るのだということと、いや、それは御影を使わないでよろしい、軟石でもいいのだという場合に、これは単独工事なら自分でやっているのだということもあるし、しかし会計検査院は、間知というものが御影という形でもってくる場合、問題の解決にならぬと思うのです。そういう点は、あなたの方の問題ではないけれども、建設省技術官庁として、どういうような考え方で、無事にそれがいくのかどうか、解決になるということに認めるのか、私はそれは解決にならぬと思うのですが。
  25. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 今の適正な会計処理の問題でございますが、交付税処理いたしますといたしますれば、個々交付税個々災害債に対する元利償還に、いわゆるひもつき式に見合うものではございませんから、そういう財政全体について自分負担するわけでございますが、そのうちの元利償還額相当割合について基準財政需要額に算定をする。これはもういろいろな経費を突っ込んで基準財政需要額を算定するわけでございます。その際に、災害部分についてはこれだけの割合を見る、ただ基準財政需要額を算定する際の計算でございますから、一つ一つの国の財政援助の額がひもつきのようになっているかどうか、いわゆる補助金適正化の経理的な問題が起らない、交付税でやるということに決定したかどうか。大臣がお見えになりましたので、ただいまわかると思いますけれども、もし、そういう方式でやりますれば、少くとも個々補助金のような元利補給金処理する、最初から国庫負担法対象にしないでやりましたのは、そこにあるわけでございまして、国庫負担法対象にすればはっきりいたしますが、十分、委員承知のように、厄介な問題があるということから、避けまして、財政措置にする。その財政措置も、そういう交付税のような方法にいたしますれば、もちろん起債を認める際にそういう問題が残りますけれども、個々ひもつきでないという点で、初めの方のようなむずかしい問題は起らないと思います。
  26. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 建設大臣予算委員会出席まで、しばらく時間があるそうであります。
  27. 田中一

    田中一君 官房長、どうも僕はそこのところ、むろんこれは何とかしなければならぬ問題ですから、今のような措置もやむを得ぬと思いますけれども、どうもはっきりとつかめないのじゃないかという気がするのです。というのは、自治庁も呼んで聞いてみなければわからぬ点があると思いますけれども、建設省としては、そういう形で十分だというふうに考えていますか。今、官房長説明したような措置で問題は残りませんか。
  28. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 今の話は小災害に対するやつですが、今の田中委員お話は、建設省なりあるいは自治庁の第二次の査定について非常に不明瞭だ、だから心配しているというふうにとれるのです。ところが、起債とかあるいは交付税交付を願い出るという申請は、第一次に県の方で、災害がどの町村はどうであるということをまず査定して申請する、災害なり、あるいは交付税増額を要求するというような第一次査定は県というものが非常に責任を持つということになるのじゃないですか。だから、それほど僕は建設省なりあるいは自治庁が心配するほどのことはないと思うのだが、どうですか。
  29. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 前提交付税でいくかどうかということで違いがあると思いますが、現在進行しているような起債を認めて、そうして公共団体の方がそれに基いての償還自分責任でやっていく、それを国が財政措置でまかなうという方式を今回はとろうといたしております。建設省の方は、少くともその仕事のルートに全然入ってこないわけです。全く入ってこないわけです。自治庁の方が、今、岩沢先生仰せられるように、交付申請起債申請をいたしまして、それを認可を受けるという段階について十分間違いないようにやれるかということになると思いますが、お話のように、もちろん、市町村につきましては、県へ参りましていくことでございますし、めんどうな問題ではあると思いますけれども、ひもつき補助金のように、一つ一つが問題になるということではないので、処理することはそう困難なことではない、こういうふうに考えております。
  30. 田中一

    田中一君 県にそこまでの能力があるかどうかの問題なんです。実際いうと、県に的確に、百パーセント金を認めるということになっているのですから、それをつかめるかどうかの問題を聞いているのです。あなたの方に聞く筋道ではないかもしれないけれども……。  そこで大臣に伺いますが、きょう何か閣議決定しようという、小災害に対して財政措置で問題を解決しようという考え方、今、官房長に伺いましたけれども、これは本年だけの臨時的な措置としてやろうとするのか、そうした考え方を恒久的に、今度の事例をそのまま踏襲してやっていこう、こういう考え方なのかということは……。
  31. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 速記をとめて。
  32. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 速記をつけて。
  33. 遠藤三郎

    ○国務大臣(遠藤三郎君) 小災害復旧のために要する資金の問題でありますが、これは財政の許す限り、なるべく全額起債を許容したい。その元利償還については、閣議では財源を保証する、元利償還については国においてその財源を保証する、こういう仕組みになっております。  その財源をどういう形で出すか、そういう問題については、私が説明することもいいかと思いますけれども、それぞれの所管大臣の間にいろいろ詳しいやり取りがあるようでありますから、正確には自治庁の長官から一つお聞きをいただきたいと思います。
  34. 田中一

    田中一君 公共土木施設災害復旧事業国庫負担法では、この法律を二十八年度災害のように特例改正をしないという態度は、建設省としても明らかになったと思うのですが、その点は。
  35. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 国庫負担法の県十五万円、それから市町村十万円という最低限度がございますが、この額を切り下げて、国庫負担法そのものの改正はいかないという方針にきめております。
  36. 田中一

    田中一君 そうすると、もうあなたの方の手を離れることになるので、自治庁の方に今、大臣が言っているように伺いますけれども、それでいいんですか。
  37. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 従来からこの点につきましては、いろいろ小災害取扱いでは御議論があったわけであります。それで、この前の国会におきましても、小災害の問題をどうするかというような議論が出まして、私どもといたしまして、現行の交付税で見る制度がありましたが、これを一つ上げてもらいたいという希望を申し述べておったわけでございまして、実はその結果もありまして、普通交付税も今度は二八・五%見るということが政令で定められたわけであります。ただ二八・五%だと、七一・五%は地元の公共団体負担になりますから、非常に大きい災害を——小災害がたくさんの数になりますと、非常に大きな負担になるわけであります。地方公共団体がそれでは困るわけでございまして、何とかこの率を上げてくれという方法を申し述べておるわけでございます。私どもといたしましては、いずれにいたしましても、その災害復旧をする公共団体財政的に非常に負担が多くてできないわけでございますので、その率を何とか上げてくれということを言っていたわけでございまして、その線からいいますと、私どもといたしましては、従来の主張しておった率が通ったというふうに考えております。ただ先生のおっしゃるように、査定の問題があるじゃないかという問題から発しまして、二十八年のような元利補給をするということになりますと、査定を厳重にやらないと、国の予算で見ることになりますから、これは非常に問題だという意見が大蔵省あたりからも出ました。私どもも、一応元利補給をするということになりますので、やはり補助金等の適正化の問題から、一個所、一個所の工事査定いたしまして、それに果して幾らの金が使われたかという点を的確にいたさぬとできないわけでございますから、事務的にはその方が非常にむずかしくなるわけでございます。交付税になりますれば、基準財政需要の中に算定いたしまして、一つの基準といたしまして、不足分を交付税で補ってやるという態勢になりますから、その点は非常に楽なことに一応なるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、それらが的確でなければいかぬわけでございます。起債をする場合におきましても、あるいは交付税でよけい見る場合におきましても、より的確にしないと、低く持っているうちは割合と楽でございますけれども、二八・五%、あるいはこれを倍にいたしまして五七%見るということになりますと、やはり的確にしなければならぬという点で、私どもは先生と同感でございます。従来、自治庁におきましては、県でいろいろ資料を作らせまして、自治庁に各地方公共団体から資料を持ってこらしております。それを現地に行きまして抜き取り検査等をいたしましてやっておるのが実情でございます。自治庁もその点につきまして、今度交付税を上げるというようなことになりますと、その点をもう少しがっちりやらなければならぬ。建設省でも一つ助力をしてくれぬかという申し出もございます。私どもも県と協力いたしまして、それらの点ができるだけ公平に行われるように処置したいというふうには考えておりますが、いずれにいたしましても、災害のひどい公共団体につきまして財政的の援助が従来よりもよけいとれるようになったということは、非常に災害復旧の促進にはいいことであるというふうに考えております。
  38. 田中一

    田中一君 心配しているのはやっぱり便乗ですね。その年度災害でないものなんかもやっぱり便乗して、これはつかんでないのですから、どこも来るという思想が市町村に行きわたると、これはとんでもない金額にならざるを得ない数ですからね。そうするとやはり適正ということにならないのじゃないかということを心配するわけなんですよ。まあこれはあとの問題は自治庁に伺います。  もう一つ、先ほど官房長は、本年度災害に対しては二五%……、何といいますか、期間もありませんから、本年——三十三年度という意味ですね、それから北海道の四割、伊豆方面が七割、そのほかは五割というのはちょっと聞き取れなかったのですが、これは……。
  39. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 今あとで申された方は真轄事業でございます。
  40. 田中一

    田中一君 それから、これも官房長のさっきの説明の中にあったのですが、公営住宅の保有分があったから、それでもってやるのだ、従って予算措置はしないのだということなんですが、もはや今は、御承知のように十一月です。公営住宅というものは、むろんこれは目標が低額所得者に対する住宅供給ということが建前になっておりますが、まだ保有分があったということは、災害を予想して保有しておったのか、あるいは地方公共団体にその割当が要らないと拒否されてあったのか、従来とも十二月ごろになると、東京都などで今までに、公営住宅法ができてから三回キャンセルしています。補助金のキャンセルをしているという実態、実例もございます。従って、その保有分というのはどういう理由で現在あるのか。それは何戸ぐらいあって、そうして現在の公営住宅法に基く災害住宅として充てるものが、今度の、本年度災害でもってどこにどのくらいあって、そしてちょうど一致するのだということなのか。あるいは保有分がもっとあって、それに対しては法の定めるところによって、その基準によって全部に分配して、なおかつ保有量があるのだということなのか。その点はもう少し実情というものを詳しく説明してほしいと思うのです。私はそういう形の保有分があったということは、一番初めに申し上げたように、災害当て込みのものを取っておいたのだということならば、一応それを認めてもいいと思いますけれども、そうでないとなったならば、これはとんでもない話なんです。前国会はもう割合にそういう点におい予算はすらすら通っているはずなんです。それがまだこういうものがあるということになると、これはとんでもない話なんです。そこで、そういう点を具体的にこまかく一つ説明してほしいと思うのです。
  41. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 今のお話は、災害住宅の保留分があったわけでございますが、詳細は住宅局長からくわしく。
  42. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 公営住宅予算がきまりました際に、これは例年のことでございますが、ある程度の戸数の災害用の保留を大蔵省との話合いで年度当初認めておるわけでございます。今年度は当初千戸、災害用の公営住宅建設考えて保留いたしておりました。七月の末ごろでございましたか、ある程度これは解除してもいいじゃないか——と申しますのは、非常に地方公共団体の公営住宅建設の要望が強うございまして、できればもっと追加をほしいという希望がかなり出てきたものですから、七月の末か八月の上旬に二百戸ほど、大蔵省と相談いたしまして解除いたしました。その結果、八百戸はなお災害用として保留して参りましてちょうど今回の二十二号の台風による被害が、公営住宅法の災害公営住宅建設の規定を発動するものに該当いたしたわけでございまして、この今回の台風住宅災害を十分調査いたしました結果、過般、全体としては約四百五十戸、災害公営住宅建設することが必要であるというふうに決定いたしたわけでございます。ただこれは事業主体の都合もございまして、当該年度に全部を建設することは無理だという事情もありまして、これは例年そうでございますが、通常の年はおおむね当該年度に所要戸数の半分を建設し、翌年度に過年災といたしまして、御承知の公営住宅の全体の建設計画の外にプラスしてつけてもらっておる事情でございますが、今回の二十二号台風の場合は、特に緊急にこれを建設することが必要であると認めまして、大体平均いたしましてその七割、四百五十戸の七割程度を年度内に建設する。特に静岡方面につきましては八割九分の戸数を建設するというようなことで、現在建設計画を決定いたしまして、それぞれ事業主体に流して、その建設を促進中でございます。
  43. 田中一

    田中一君 そうすると、ことしは相当事業を年度内に全部消化しようというような方針があった。繰り延べをしないのだというようにだいぶ前に政府がそういう声明をしておったはずです。従って、今の千戸の災害住宅を保留した分のうち、二百戸を解除し、四百五十戸というものを災害用として今度の対策に充てて、そのうち七〇%は年度建設、そうなりますと、その残が幾らだということと、一千戸というものの内容が二種か一種か、あるいはブロックか鉄筋か、そういう点、残っているものはどのくらいあるのかという点です。もし、今なければ、資料で出してほしいと思うのです。そこで残っておるものは、もう二十六、二十七というのが来たようですが、これは大した災害はなかったようだから、この辺で早く分配しないと間に合わなくなりますから、この分配をやっていただきたいということ、それからほんとうに指導してやっておるなら、ただ災害用だといって応急住宅的なものを作るのじゃなくて、鉄筋でもあれば、あの川筋でもあるいは背面に山を持っておるものでも、やはり鉄筋で中高層的なものも含めながら、やはり防災的な農村住宅というものを考えるべきだと思うのですよ。平地があるから、そこにどんどん無計画に自分の土地に建てていくというのじゃなくて、同じ指導するのならば、そういう恒久性ある、災害を守りながら、耕地をふやしながら建設するというような、新農村建設的な思想をもった指導をすべきだと思うのですが、そういう点については、どういう考え方災害住宅を供給しておるか。
  44. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お尋ねの前段の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、八百戸の保留のうち、四百戸足らずを年度内に建設することになりましたので、まあ四百戸程度残る。そのほかに若干でございますが、事業主体で返上してきたものがございますので、これを合せまして、追加配分の要望の強い事業主体で、かつ住宅事情から見まして、なお公営住宅建設相当必要だと認められる公共団体に対しまして全部追加割当として完了いたしております。ただ、これから割り当ていたしますと、御承知のように工期の関係で、耐火の中層アパートにつきましては、ちょっと竣工が無理でございます。工事促進の基本的な考え方からいたしましても、今回の災害住宅の割当なり追加割当は、やむを得ず木造で考えております。ただ、先生の後段の御意見のごとく、災害公営住宅にいたしましても、立地条件によりましては、できるだけ耐火中層住宅を建てることが望ましいわけであります。これは事業主体の意見も十分聞きながら、かつ、その被害地の立地条件を十分検討いたしまして、従来もある程度、多少でございますが、耐火の住宅を建てた例もございます。御承知のように、災害公営住宅につきましては耐火の住宅も建て得るようになっております。いずれにいたしましても、二種公営住宅でございまするが、耐火の中層も建て得ることにはなっておりますので、今後、お話の御趣旨もごもっともでございますから、できるだけそのように、特に過年度災害としての割当につきましては、そういう指導を徹底いたしたいと考えております。  なお、こまかい数字につきましては、ちょうどきょう持ち合わせておりませんので、後ほど提出さしていただきたいと思います。
  45. 田中一

    田中一君 建設大臣に私の意見として申し上げる。狩野川のああした災害の場合、むろん、これは上流の砂防が第一、次にくるものは、やっぱり災害を守るということなんですね。その場合には、木造の家屋をどんどんやられるからああした大災害が起るのであって、流入する物体がなければ割合災害は軽微に、時間的にも非常に早くのがれておるわけなんですよ。ことに、耕地を今度はずいぶん失っておる人が多いのですから、新しい農村を作るというような一つのアイデアを示して、かりに、自分の資金で作る人もあるでしょうし、あるいは国家からこうした公営住宅を提供する場合もあるでありましょう。しかし、全体の計画としては、やっぱり耕地を守り、災害を守るという恒久性ある新農村建設というような思想のもとに、私は指導してほしいと思うのです。単に住宅ばかりじゃございません。都市計画でやる場合もあるでしょうし、それは、いろいろな面でもって、農村が立ち行くような方法を、金融等もして、補助金等も、そうした一つのアイデアが生まれてくれば、自治庁をも動かして、そういう面の起債を行う、応急当面の原形復旧的なものでなくて、恒久性ある施策をとるということは、伊豆のああいう狭いところでは必要だと思うのです。  私は、こういう点について、ことにあなたの選挙区ですし、あなた自身がうんとぶって、各局長連中を鞭達して、新しい農村を作るのだ、そうして今後の災害を守るのだという構想をやっぱり立てるべきだと思うのです。その点については、むろんモデル・ケースとして、あなたの選挙区をやってほしいと思うのです。それはむろん成功します、必ず成功するのですから、ただあとは、財政上の裏づけの問題なのです。これはあらゆる面で援助して、そういうような方向に向うことを、僕はお勧めしたい。これは自分の希望と意見ですから申し上げておきます。
  46. 遠藤三郎

    ○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまの御意見、まったく同感であります。一応、今応急の住宅対策が進んでおりますので、もうぼつぼつ、その恒久的な、いわば建設的な意味を持った住宅建設をやらなくてはならぬ、こういうことで、できる限り御趣旨に沿うような、そういう方向へ持っていきたいと考えております。起債その他についても十分考えて、地元はみんなそれを要望しておるのでありますから、要望にこたえるようにしたいと思っております。
  47. 田中一

    田中一君 それから、今度砂防費三億、これは主として狩野川上流と思いますが、この緊急砂防費というものは、従来ともに、だいぶ前から予算化されて、それは年度の応急砂防というものに対する補助金という形で出しているのですけれども、これは、予備費でどうして出せないのかという点は、これは私、役人したことがないからわからぬのですけれども、こういう緊急砂防費という費目を設定しておいた方が、自由に使えるという考え方なのか、ひもつき予算を計上しておいた方がいいのか、これがあるために、非常に地方ではやりにくいという面もあるのではないかと思うのです。  そういう点は、砂防事業費というものに対する大蔵省の方の認識が足らないものだから、やむを得ずこういうものを設定しているのかその点を、内輪の問題です、われわれは、こういう災害を守るためには、野党であっても協力するのですから、その点は、どういうことなのか、一つ説明してほしいと思うのです。
  48. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その点につきましては、緊急砂防費という項目を設定した当時の事情は、私も詳しくは存じておりませんけれども、先生の今おっしゃったように、保留分をとっておきますれば、予備金が、たとえば非常に足りなくなっても、そのワクの中で支出はできるわけであります。その点におきましては、予備金におくよりも、優先的に砂防に入るという利点はあると思います。ただおっしゃるように、これがあるために、予備金では出さないというふうなことになると、非常に困るわけでございます。  そういう点につきまして、非常に昨年から努力をいたしまして、三億で足りない場合には、予備金で出すのだというふうなことに確立できたと、私は考えております。二十八年に特別立法がありまして、この分は、緊急砂防として予備金が出ました。その後は、あまり出なかったわけでありますが、昨年の西九州の大災害がございまして、この際におきまして、どうしても予備金で出してもらわなければいかぬということで、昨年におきまして、一億余り出たわけであります。ことしは、特に山の問題が、もろもろの災害を見ましても、非常に砂防が重要であるというふうな点もございましたし、私どもといたしましても、及ばずながらその点につきましては、大蔵省方面の啓蒙に努めたわけであります。  従いまして、この緊急砂防の問題につきましての補正予算の三億という問題は、大蔵省におきましても、当初は二億とか何とかいう数字を出しておりましたけれども、これは、まあ大蔵省といたしましても、その点を考えまして、相当踏み切ったのじゃないかというふうに私どもは考えております。もちろんこれで十分だというわけじゃございませんけれども、ただ、これは年度内に消化しなければいけませんから、工事ができなくてはいけないわけでございますから、その点も考えなければいかぬわけでございます。ただ時期さえあれば、砂防をやる地点は、たくさんあるわけでございますから、狩野川にいたしましても。従いまして緊急砂防では、三月前にできる仕事を計上しょうということで、これは、大体建設省と大蔵省で話の合った数字でございます。引き続きまして、もちろんやる仕事が、狩野川におきましてもあるわけでございますので、今回の荒廃におきまして、この緊急砂防だけでやったのでは、間に合わぬものにつきましては、引き続いて、来年度以降においてやりたいというふうに考えております。
  49. 田中一

    田中一君 そうすると、この三億は、大体において天城山系ということになるわけですか。
  50. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 先ほども申し上げましたように、天城山には、たくさんやらなければならぬ工事がありますけれども、三月までにやる仕事の量といたしましては、県と打ち合せ中でございますけれども、おそらく二億あまりになりはせぬかというふうに考えております。
  51. 田中一

    田中一君 そのほかの一億は。
  52. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 三億に、既定の三億がございますから、六億でございますが、その分は、岐阜県であるとかあるいは長野県とか、二十二号前に起きている分もございます。それからまた、二十二号におきましても、福島県であるとか、ああいう方面にありますから、それらに充当するつもりでございます。
  53. 田中一

    田中一君 そこで、建設大臣に伺いますが、こうして補正予算で三億出ましたけれども、大体建設省内部では、明年度砂防予算というものをどのくらいに計上しょうという心組みでいるのですか、三十四年度予算
  54. 遠藤三郎

    ○国務大臣(遠藤三郎君) この砂防予算については、先般参議院の建設委員会の決議の次第もありまして、私ども五カ年計画の修正をしようというふうに考えたのも、一つの大きな理由は、砂防予算が、少し足りないということ、これを、もう少し重点をおいていかなくちゃいけないということで、それからも五カ年計画改訂の重要な理由の一つになっております。大蔵省との話し合いがまだついておりませんが、相当この砂防予算については、がんばってくれております。金額については、今まだ申し上げる段階に行っておりませんが、それを一つ御了承いただきたい。
  55. 田中一

    田中一君 大体、省議で決定した要求額は、どのくらいになっておりますか。
  56. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 来年の分につきましては、大体、本年度の八割増しぐらいの事業量を要求しております。
  57. 田中一

    田中一君 三十三年度は、三十二年度予算の何割増しぐらいを要求しましたか。
  58. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 的確な数字は覚えておりませんが、大体、同じ程度だと思います。倍率は。三十三年度の要求も、三十二年度予算の大体二倍弱だと思います。
  59. 田中一

    田中一君 そうして、要求の何割が確定されたのですか、三十三年度の。
  60. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 概略いたしまして、一割弱ということでございます。
  61. 田中一

    田中一君 増……。
  62. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) ええ、増でございます。
  63. 田中一

    田中一君 そういうことから見ると、三十三年度は、全部入れて五十三億になっております。そうすると、八割要求してその程度、一割二、三分ですか、そういうものが結論づけられるということになると、この今の、今度の三億というものも、そこらを含んだものになるのか、見通しはどうなのですか。と言うのは、ことしの災害、——当委員会でも、あなた方の方に多少負担もかけて、当委員会が、実際視察して見て回っております。実際の災害をほんとうに小規模に食いとめるということは砂防だという結論に達して、今、建設大臣がおっしゃっているように、決議までしたわけなんですけれども、そんな今までの率で、もし大蔵省が査定するものなら、八割くらいじゃなくて、もっと増さなければならぬというような感じをあなたは持たなきゃならぬと思いますが、今度の自信のほどはどうなんですか。
  64. 遠藤三郎

    ○国務大臣(遠藤三郎君) その質問に対しては、私が答えるのが適当かと思います。といいますのは、毎年山をかけては削られるといったようなことはやめようということを閣議で申し合せまして、今度は、実際必要なものだけ出そう、こういうことになって、この数字が出ておるわけですが、この数字は、前年度の数字と私は意味が違うように思っておるわけでございます。一挙に、三倍も五倍もというわけには参りませんので、この程度で、この数字を確保することをがんばっていけば、十分ではないけれども、まあ、やれやれというところであろう、こういう、今私は心づもりでおるわけです。
  65. 田中一

    田中一君 そうすると、九十億程度ですね、要求しておるのは。
  66. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 約百億になります。
  67. 田中一

    田中一君 そんなもんじゃ、当委員会は満足しないんですよ。それは申し上げておる通りですけれども、治山治水五カ年計画でもって百二十四億というのが、一応きめた三年度分ですね。第三年分の事業量だということを、これ、閣議決定でないそうですが、皆さん方、集まってきめたものがあるはずです。建設大臣も出ておるのですが、たしか百二十四億だと思います。せめてそのくらいは取らなければ、災害というものは、ますますふえるばかりなんです。だから今さら約百億程度のものを、これは必ず取るのだという大臣の決意はうれしいですけれども、百二十四億は取るのだということにならなければならないはずだと私は思うのですよ、この決議した当委員会の各委員考え方は。なぜ、そうして減らしたのか。
  68. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今の百億弱というのは、国費でございまして、事業費は百二十四億でございますので、決して減らしておるわけではありません。
  69. 田中一

    田中一君 なるほどわかった。それならけっこうです。従って、もうこの百二十四億は、必ず取るのだという強い決意でいて下さい。われわれもバック・アップいたします。近いうちに補正予算でも通れば、私も一緒に参加して、主計局長に十分に陳情しようというつもりでおりますから、これは一つ、自信を持ってやって下さい。
  70. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 最後に、河川局長に聞くのですが、利根川の灌漑に対する水門というのはどこですか。
  71. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) これは、ことしの六月に、非常な渇水がございまして、塩害が起きておるわけでございまして、これは、御承知のように、利根川の水が非常に減りまして、そのために逆水が来まして、あの地帯一帯に塩害が起きました。その方策といたしまして、農林省方面では、応急対策として井戸を掘って、灌漑用水を補給したというふうなことがございまして、それに対しまして、先ほど申しました、灌漑対策費が出ておるわけでございますが、建設省といたしましては、これに対する方策をいろいろ研究いたしまして、現在の施設を調べましたところ、現在水門がございますけれども、その水門が、船も通す構造になっております。従いまして、その船を通すために水門を開かなければならぬというようなところがありまして、そのために、塩水を完全に防ぐ機能がないわけです。それらを改造しようというものと、それから霞ケ浦から出てきます常陸川に逆水門が計画されておりますが、この工事を促進しなければいかんということでございまして、内容といたしましては、今申し上げました常陸川の逆水門の促進分と、それから右岸の方にあります阿玉川の水門というのと笹川水門、この二つを改造しよう、阿玉川、笹川の水門は、ことしと来年で仕上げてしまう、常陸川の水門につきましては、もちろんあと二年くらいかかりますけれども、これを促進しようという内容のものであります。   —————————————
  72. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 次に、河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。なお通産省の軽工業局の窯業建材課長、水産庁の漁政課長が御出席であります。
  73. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいまの河川法改正とは、ちょっと食い違うかもしれませんが、本日も、各地方からやって参りまして、治水費が、近年増額にならないので、非常に危険を感じておる。ちょうど本年の二十二号台風が来る前にも、茨木県の各中小河川が陳情に参りまして、河川局長に、こういうふうな予算の取りようでは、一旦暴風雨が来たならば、どういうことになるのだろう、重大な問題を起すのじゃないかというような話をして帰ったところが、その翌々日に、ああいう大暴風雨、大水害が起ったような次第でありまして、日本の予算も、なかなかむずかしいのでありまするが、治水費に対しては、根本的に考えを改めていかないならば、日本の国土を守ることは、困難じゃないか。ただいま砂防の問題もありましたが、地質によりましては、砂防に完全な力を尽すことが必要なところもあるし、また地方によりましては砂防には、さほどの問題がないが、どうしても河川の改修というものの根本に力を置かなければ、治水というものの全きを期するわけにいかない、こういうことになっておりますが、地方によりましても、いろいろ違いがありましょうが、いま少し治水費というものに重点を置かないならば、一体治水は、何をやっているのだろうか、計画は、十年ないし十五年に置いても、それが二十年たってできるのか、三十年たってできるのかわからないようなことで、地方民も、きわめて不安に考えておるようなところもありまするから、これに何とか重点的に、方策を講じてもらいたい。  かように考えまするが、建設大臣は、何か治水に関しまして、根本的な方策をお考えになっておるようなことも伺ったことはありまするが、これに対しまして、建設大臣の御抱負を伺いたいと存じます。
  74. 遠藤三郎

    ○国務大臣(遠藤三郎君) 治水事業に要する経費予算が非常に少いことは、今御指摘の通りだと思います。三十三年度予算でも、大体三百十億程度でありまして、この程度では、とうてい、今急を要する治水事業を進めることは、私は不可能だと思いますが、各地から、おっしゃるように、治水事業を早く進めてほしいというような要望が非常にたくさん出ております。  私は、先般本会議でも申し上げたのでありますが、新しい治水事業の促進の五カ年計画を立てまして、そして、大体五年間に、三千五百億円程度の投資をしていく、そういう計画を立てて、今大蔵当局と折衝を始めております。しかし、これは三十四年度に、大体五百五十億円程度の見当になって参りますが、これをやることも、なかなか国家の今の財政状況から見ますと、容易なことではございません。  そこで、私は今、この五百五十億なり六百億なりの経費というものを、確実に確保するために、一つの工夫が必要ではないかということで、あるいは特別会計を作り、あるいはこれに対して財政融資の道を考えていく。あるいはまた場合によっては、治水公債発行の道を考える。そういうふうな問題について、広範な研究を今進めておるのでありまして、そういう特殊措置を講じて参りませんと、この治水事業の経費というものは、なかなか通りにくいと思うのであります。そこで特殊な工夫をいたしまして、特殊な機構のもとに、計画的に治水事業を進めることを一つやってみたらどうか、こういうことで、今せっかく準備中でございます。予算面においては、そういうことをやると同時に、やはり法律的な裏打ちも必要だろうということで、治水事業促進法をただいま用意を進めております。  治水事業促進法のねらいは、どこにあるかと言いますと、従来、治水事業の五カ年計画を定めましても、これは建設省限りの五カ年計画のような形になっております。これは国家の重要な施策として、もちろん閣議決定をし、そして広く重要性を認識をしていただき、国家的な大きな方針として定めていただく、それが一つの要点になって参ります。計画を作る場合には、それを法律の裏打ちを持った計画にしていく。さらにまた予算施行等につきましても、法律的な裏打ちを持っていくということが非常に大事だろうということで、そういうものを包括的に治水事業促進法の中に入れて参りまして、法律的な裏打ちによって予算を確保する、計画を完全に実行していく、そういうような構想で、今せっかく準備をしておるところでございます。  できれば、私は通常国会までに、これらの構想を全部固めまして、そうして通常国会で御審議をお願いするようにしたらどうか、そういう目途のもとに、今準備を進めておりますから、御了承を願いたいと思います。
  75. 武藤常介

    ○武藤常介君 ただいまの建設大臣の御答弁で、私は、まことに満足いたしました。こいねがわくば、これが画餅に帰さないように、この来たるべき通常国会には、法案として御提出を願って、そしてわれわれ委員も、これに御協力を申し上げたい。  かように考えておる次第でございまするが、それはそれとして、この普通の一般予算の中に一割増しや五分増しくらいの程度では、来たるべき国会にも、とうてい私は満足できないと思うのです。なるほどいずれ政府の方に、要求額は非常に多いのでありますが、これは、いつも同じことを繰り返すようなことはしないというお話でありまするから、やはりがっちり、一つ予算も組みまして、本年は十分一つ増額いたしていただきたい。きわめて簡単ですが、これをお願いする次第でございます。  それからなお、これは別な問題ですが、砂防の問題が出たからお伺いするのですが、一昨昨日、茨城県に高波がやって参りまして、そして数十戸の家に待避命令がありまして、その結果、海岸、それから今度久慈港というのが新たにできたのですが、その久慈商港に行く道路が、ほとんど大破してしまって、けずりとられてしまった。こういうものも、地方民は非常な騒ぎでありますが、建設省の方でも、御調査をお願いいたしたいと思います。この機会に、私からも希望を申し上げておく次第であります。
  76. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 水産庁から見えておるのですが、お尋ねいたしたいことは、河川の中に漁業権を設定する場合においては、河川の現状をそのまま永久に維持すると、こういう建前でおるのですか。
  77. 近藤武夫

    説明員(近藤武夫君) 漁業権を設定いたす場合には、これは水産庁といたしましては、河川の、増殖ということが前提になっております。従いまして河川におきまして、増殖事業を行うということを条件にいたしまして漁業権を設定いたしております。
  78. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 そうなると、漁業者が今お話通りに、河川の中に住んでおる漁族を捕獲するというので、そういうことで漁業権というものを設定する。ところがその漁業権者は、とかく川の状態が変ったような場合、それを洪水とか、あるいは、ともかく自然的な現象は、これはまああきらめておる。しかしながら人為的に、たとえば砂利を採取したり、あるいはまた玉石を取ったりというような場合に、漁業権者は、非常に漁業の収穫に影響するというので補償を要求するというようなことは、それは当然ですか。あるいは、それは許さるべからざることなんですか、どうなんですか。
  79. 近藤武夫

    説明員(近藤武夫君) 河川におきまする砂利採取の問題につきましては、漁業権がすでに設定してあります場所で、そういう計画がございます場合には、県知事の段階におきまして調整をいたしております。これは魚族の産卵場というような場所でありますれば、当然、これは水産に対する影響がございまするので、場所の変更とか、あるいはかりにどうしても、そこでなければならんというような場合には、それに対する補償金を、県知事の段階におきまして調整しております。
  80. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 今の魚族の増産とか、あるいは保持とかいう部面においての場所を指定するということは、これは当然、県知事は行政処分でやると思うのですが、そうでなくて、一般の川のAからBの区間を漁業権として設定しておる。そういう特殊の場所以外の所で石を取るとか、あるいは砂利を取るというような場合においては、この法律では、これからのちは、当然法律で採取料を取って許可するということになっておるのですね。ところがその県知事が、採取料を取っても、漁業権者は、われわれの漁場の使用に影響を蒙るというので、またそれに対して補償料を業者なり、あるいは採取者から取るというような傾向が現在行われておるのですが、それが正しいのであるかどうか、一つその見解を。
  81. 近藤武夫

    説明員(近藤武夫君) 当然、その採取場所におきまして、相当量の砂利を採取する、あるいはまた、それによりまして、漁獲に影響があるというような事実がございますれば、それに対しまする相当の補償は考えなければならん、かように存じております。
  82. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 たとえばアユを取るような河川おいて、そうしますとまあ、大体漁期というものは夏ですわね、それ以外の時期において、砂利を取るとか、あるいは砂を取るというような場合において、やはり同じような、漁獲に影響するというような場合には、どうお考えになっておるのですか。
  83. 近藤武夫

    説明員(近藤武夫君) 当然その場合には、漁期というものを考え合わせまして、その漁期に、たまたま砂利を採取される、それが漁獲に影響するというようなことでありますれば、先ほど申し上げましたように補償を考えざるを得ないと思います。そうでない場合、漁業に影響のないような時期でありまするならば、さほど考慮に入れなくても差しつかえないのではないか、かように存じております。
  84. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 もし、それが漁期でないときは、常識的に見ても、今お話通りだと思うのです。  ところが、漁業権者は、漁業権をここに設定しておるというと、あくまでも漁業権というものをたてにとって、そういうシーズン・オフのときでも補償を要求するということは、不当だと私は思うのですけれど、どうなんですか。
  85. 近藤武夫

    説明員(近藤武夫君) そういうような事情は、府県におきまして、よく事情を調査しまして、行政指導でやっておるはずでございます。
  86. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 ところが事実、県はそういうような、そのことをやっておらずに、やはりこのごろは、非常に漁業権者が強くなっておることは、あなた御存じの通りですね。そこで、あくまでもそういうようなことをやり、また公然とやらずに、たとえば県の許可を得て、業者が砂利を採取するなり、あるいは砂を採取する、その業者において、業者は、この法律によって、当然採取料を県の方へ納入しておる。それ以外に、その業者において、おれの方の漁業権を侵害しておる、だから何ぼとるなら、これについて、これこれの金を出さなければ、一切砂利採取はまかりならぬと、こういうことを言うておるのが現状なんです。でありますから、今、シーズン・オフならば、大体こういうものは、全然やってはいけないということを、水産庁から、もっと念を入れて、通牒かなんかで、一つ明確にしてもらいたいと思うのです。  そうしないと、この法律改正しても、二重払いするというおそれが多分にあると思うのですが、その通牒を出すとか、あるいは通牒といいますか、そういうような認識を新たにするという処置をおとりになるなにがありますか。
  87. 近藤武夫

    説明員(近藤武夫君) 砂利採取に基きまする補償につきましては、それぞれその時期によって違うと思います。従いまして、それぞれの事情によりまして、しかるべき行政指導を行なって参りたい、かように存じております。
  88. 田中一

    田中一君 今回の河川法改正、まことにおそきに失しておるのです。こういうことは、かつて三十一年の砂利採取法を通すときにも、もう十分に、そういう点は問題になった点だったのです。今ここで、この法律改正の要点として、第一に、河川区域内において土石を採取しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならないものとする——これは、今までは、どうしておったのですか。
  89. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今までは、河川法の十九条の規定に基きまして、都道府県知事が規則を作りまして、許可を受けさす方法をとっておりました。それを今回は、法律で許可を受けなければならないということに、規則を必要とせずに、法律上許可を受けさせることにしたわけであります。
  90. 田中一

    田中一君 では、管理者であるところの都道府県知事は、今までは、そういう規則を作らないところが多かったのですか、あるいは規則を作らないところがあったのですか。
  91. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 規則は作ってやっておりましたけれども、規則によりますると、罰則等が制限があります。海岸法や、地すべり等防止法につけたような罰則をつけようとしますと、規則ではつけられない、法律で明定、許可を受けることにしないと、罰則等があげられない、現実に即するようにできないという点がございますので、非常に不都合があるというわけでございます。
  92. 田中一

    田中一君 私は、行政が悪いから罰則を重くするのだという考え方に対しては、そうあってはならないと思うのです。だから、罰則を重くすれば、違反をする者がなくなるのだという考え方は、これはとるべきじゃないと思うのですよ。だから、きょうは、この法律を上げようという理事会の申し合せをしているのですけれども、実際に、なぜ違反をしなければならないかという原因をやはり追求をするのが先ではないかと思うのです。法律を変えれば、何でもそれは守るのだということは、むろん法治国ですから、そうあるべきでありましょうけれども、なぜこういう法律を作らなければならぬかということ、これはむろん、われわれが理解できるのは、許可しない地点から、許可しない土量を掘るとか、あるいは全然無許可で盗掘をするとか、そういう点だと思うのですよ。  そこで、そういう場合、今まで、どうしてそういう問題が起きたかということを、全国的な河川のケースでもって見た場合に、一番大きな理由というのは、何ですか。
  93. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今、おっしゃいましたように、東京付近であるとか、あるいは大阪付近の河川におきまして、非常に困った事態が起きておるわけでございますが、お説の通り許可を受けた量よりもよけいにとるということはもちろんでございますが、許可しなかった地点からとる、あるいは、全然許可も受けないで盗んでいくというようなのがございます。そのために——従来掘らなかった所に、やはり砂利はいいのがあるのでございます。従いまして、堤防の付近でもかまわずにとる、あるいは川水等におきまして、川底が下って困るような地点でも、いい砂利がありますと盗んでいくというような状況がございました。これにつきましては、河川管理者といたしましては——知事でございますが、あらゆる方法をとりまして、とらないように、いろいろとやってきたわけでございますけれども、管理の目を盗みまして、夜になって盗掘する、一ぺん追い払っても、二千円の罰金だから、そこで、払えば、いい砂利をとった方が得だというような点がございまして、非常にそれの取締りは、十分努力いたしましても、できない点がございます。従いまして、府県の要望といたしましては、やはり罰則等も強化いたしまして、いざという場合には、それが適用できるようにしてもらうならば、われわれも管理は十分するけれども、警察の方面の力も、いざという場合には発動できるような形にしておいてもらいたいという要望が、非常に強いわけでございます。  それから、また一方、善良なる砂利採取業者は、盗掘がどんどん行われておったのでは、やはり自分らのあれも守られないわけでございますので、それらの点を十分調整いたしまして、善良なる砂利業者は育成するとともに、そういう法に触れるようなものは取り締っていかなければ、河川の維持というものは完全にできないし、また砂利業者の育成ということもできないというふうな観点から、今回、法律改正いたしたいということに相なった次第であります。
  94. 田中一

    田中一君 大体、東京都は、東京都の行政区域内の採取の可能な砂利または土石ですね、その採取可能な河川に対する管理の予算というものをどのくらいとっておりますか。  で、また、国は、そういうものに対する——これは委託というか、当然これは、河川そのものは、国のものであるはずですから、国は、その管理者に対する予算上の補助等の措置は、どういうふうにとっているか。
  95. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) これにつきましては、河川の砂利の収入といたしまして大体三億ぐらいが採取料として県に入っております。
  96. 田中一

    田中一君 東京にですか。
  97. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) いや全国でです。一番多いのは神奈川県でございます。多摩川、相模川、酒匂川等を持っておりますので、神奈川県、その次は問題の起きているのは兵庫県の武庫川等でございますが、まあそれに対しまして一立米当り大体十五円から多いのは五十円ぐらいの採取料を取っております。それを財源といたしまして府県はそういう方面の取締りをする費用に使っておるわけでございます。国は補助金は出しておりませんが、そういうような収入がございますので、それでまかなっておるという方法をとっております。具体的例といたしましては、多摩川や相模川等の砂利を多く取る河川につきましては、常駐の監視人を置きまして取締りをやっており、その他の小規模に取っておる所は、土木出張所等におきましてときどき見回りをいたしまして、砂利の採取を監督をしておるというのが、実情でございます。
  98. 田中一

    田中一君 私はやはり管理者側の不十分さがそうした風潮といいますか、それを醸成したのではないかと思うのです。これは河川に何も番人がおるのに……目をぬすむことはあり得ると思うのです、こそ泥でも何でもあるのですから。けれども、完全にそれを管理するような機能を備えておるならば、これはそんなことにならないと思うのです。そうすると、その他許可する場合に一定の区域というものをきめて許可するでしょうけれども、これは採取の量もきめておるわけでしょうけれども、そこのところの管理の仕方が不十分だというところに起因しているのではないかと思うのです。一方同じ土石、砂利等といっても取ってほしい所もあるわけですが、取ってほしい所はだれも取らないのですよ。経済的な採算が合わないと取っても損だから取らない。これは何か別の考え方河川管理の実を上げるという形にならないものですかね。同じ河川であっても、取ってはならぬ所と取っていい所とある。取っていい所は取ってほしいのです。取って悪い所を取っては困るというのですから、そうするとその区別というものは、悪意でない場合でもあり得ると思うのです。その管理者の不十分さというものは反省していないのですか。
  99. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) お説の通り、特に終戦後十年間にいろいろ累積して参りました、手ぬかりのあった所が累積いたしまして、東京あるいはその付近におきましては川の中の砂利のいい所だけ取りまして、悪いやつは川の中に捨てて置く、そうしてでこぼこを非常に作って置くというような実情で、ごらんになっていただきましても、いかにも河川の管理上も悪い状況になっております。こういうのが累積をいたしてきまして、これを一挙に元に戻すということがなかなかむずかしい事態であるように考えております。  それからもう一つは、やはりこの地点におきましてはどのくらいの砂利しか取れないとか、このくらいの砂利を取るのが精一ぱいだという見当をつけまして施設等をさせないと、急にここはもう取ってはいけないのだということになりますと、非常に砂利業者も困ってしまう。従いまして、ずるずると続けて取らせるというような方法が重なってきまして、今日のような状況になっているということは、私はいなめない事実であると思います。従いまして河川管理の面におきましても十分取締りを行うと同時に、砂利業者につきましても今後このくらいしか取れないとか、このくらいの施設が適当であるというふうな指導をいたさぬと、いたずらな混乱が起るようなことも考えられるというふうに考えております。また砂利はたくさんあっても、なかなか取ってもらいたい所は取らぬのはそれは事実でございます。主として運搬距離等が遠くなりまして、需要地に遠い所の河川におきましては、取ってもらいたい場所でもなかなか取らぬというような状況でございまして、施設ができておりますし、しかも需要地に近い所はどんどん取っていきますけれども、遠い所では取らぬというようなことがあるのでございまして、この間も衆議院におきましても、そういう点を河川の管理上からも十分計画的に砂利を取るようにして、有効に利用するような方法考えたらどうかという御注意もございまして、私どもといたしましても現在の河川の状況におきまして極力取ったら、どのくらい程度取れるかというふうな計画をすると同時に、砂利を取ることが川のためにもいいというような河川につきましては、計画的にその砂利を取る方法考えまして、需要者とも相談をいたしまして、有効利用をはかるとともに、河川の維持のためにも、積極的に取った方がいいという地点につきましては、そういう計画を作りまして、促進と申しますか、砂利業者の育成なり、あるいは砂利資源の活用に資したいというふうに考えております。
  100. 田中一

    田中一君 官房長にちょっと。営繕局では砂利に対する一定の価格というものを予算上むろん押えているはずです。それはどういう積算で砂利の価格……砂利の種類がありましょう、砂利の粒がそろっているとか、そろっていないとか、あるいは大きいものとかいろいろあるでしょうけれども、そういうものをどういう判断からその価格というものを考えているか、あなたは知っているでしょう。
  101. 柴田達夫

    政府委員柴田達夫君) 営繕局でどういう押え方をしているか詳細存じませんけれども、やはり一般物価の情勢で判断をしていると思います。今のお話のような点は別に一つ調査いたします。
  102. 田中一

    田中一君 私が聞きたいのはこういうことなんですよ。今日の状態ではやみ砂利というものはないのだという前提に立っても一向差しつかえないと思うのですよ。むろんこれは経済的な採算上の一定の価格の砂利ということですよ。それをきめるのはだれかというと、やはり公共事業に、ことに営繕工事を担当している建設省あたりが、それに対する価値というものを、片方は需要という面できめているのです。ところが事実において、経済的な採算に合うようないわゆる需要者側の方の価格というものを押えているということは、そこに盗掘なんかでもずいぶんあるということなんです。あるということは、一方買い上げてくれるのは……建設省は年に十何億、国全体として百何十億使っているでしょう、その工事の中で使っているわけですからね。だからそういう点のやはり単に砂利の価格というものを押えている一つの理由としては、盗掘があるとかないとかという問題が起ると思うのですよ。あるいは河川の維持管理上取ってならぬ所から取るということもあり得ると思うのですよ、自由経済の時代ですから、今日は。そういう点でただ単に砂利採取という面だけから見ても、価値の押え方という問題がたくさんあると思うのですよ。もう運賃ですから、どっちを見てもはっきりと……遠い所から取るばかりじゃない、だから砂利を要求する方の建設大臣は、一体砂利の価格を何キロまではこの値段なんだ、何キロまではこの値段じゃないのだというふうにきめてくれるならいいけれども、需要側、要求する側の方の一定の標準を押えるということになると、工費の面、その他の面でとうていそれに採算が合わないからつい無理なこともするということになると思うのです。ここにも原因があると思うのです。そこで罰則を強化すれば盗掘がなくなるとか何とかいうものじゃなくて、もう少し根本にさかのぼって日本の国土建設という面から見ても、砂利の需要というものはますます増大せざるを得ないのです。だから最近は玉砂利で砕石を作ってコンクリートにまぜるという方法もずいぶんとっておりますけれども、だから、もう少し通産省と打ち合して、僕はただ罰則だけでいいということではなくて、一体砂利の需要がどのくらいあるか、それに見合うところの砕石というものは本年度はどのくらいあるかという年間の景気、不景気というものも公共事業で大体の推定がつくわけです。そういう点でもう少し計画的なものを立てなければならぬということが言えるのじゃないか。  そこで河川建設大臣の所管です、結局。管理者側にまかすといっても、見方でいろいろ違うと思うのです。だから、私はこれは金がかかるかしらぬけれども、一つこの機会に全国の石や砂利の採取可能な河川について全国の調査をすべきです。そしてこの川のこの部分はこのくらい、この川のこの部分はこのくらいということをきめるべきです。きめて絶対量というものがないとなるならば、これはもう建設大臣が営繕工事またはその他災害復旧、いろんな面で砂利や玉石を要求しているわけですから、国の予算の上からも当然考慮しなければ、今日の資本主義社会においては片手落ちです。逆に盗掘とか制限外の掘さくなんていうことが行われるのは当然なのです。そういう調査をするという前提ならばまことにけっこうです。そうして全国の可能なる河川の採取量というものをきめる。ことに、もう先ほども言っておるように、砂防工事が各河川で行われる、あるいは電源開発その他でダム工事が行われるということになりますと、これはもう砂利なんというものはなくなるばかりなのです。決してふえるということはないのです。十年間はふえていましたけれどももうふえる段階ではなくなった。この辺で一つ砂防工事も大いにやるといっているのですから、また災害復旧もうんとやるというのだから、当然砂利というものに対する価格が一応予算面においても考慮されなければならぬと同時に、全部の河川に対するこれは抜本的な調査ですね、これは何でもないのです、都道府県に命じればいいのですから、データをとってですよ。そうしなければ日本の国土計画なんというものは成り立たないのです。河川工事も治山治水もあらゆるものが一切行われないのです。しいて言えば砂利の採取量は文化に正比例するような面もあるわけです。この点についてはどういう考えを持っておるか。ただ法律を作ってやればなくなるのだということじゃないのですよ。
  103. 遠藤三郎

    ○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまの御質問は非常に大事な点に触れておるのでありまして、私どもは河川の砂利採取については、この法律で罰則を強化してすべてが解決するとは思っておりません。  御承知のように砂利行政というものは実にプリミチブな形で今行われておるのでありまして、砂利に対する調査も何もありませんし、砂利を将来どう持っていくかということについてもはっきりした方針も何もないのです。私は率直にそれを申し上げておきたいと思います。しかしお話のようにだんだん建設事業が進んで参りまして、建築をするにしましてもあるいは道路を建設するにしましても砂利がますます重要になって参ります。私はこの問題を取り上げまして最初に心配しましたことは、乱掘あるいは盗み取りというようなそういう道をふさいでしまいまして、砂利が非常に足りなくなって砂利の市価が暴騰するようなことになると、この法律でねらっておったと逆なことが起きてくるおそれがある。従って必要な所は乱掘なり盗み取ることを防止すると同時に、取ってもいい所に対しては積極的にこれを開放して、そうして需給のアンバランスを是正しなければならぬ。そういうことにあわせて持っていかなければならないということが一つある。それから同時に、砂利についても、将来建設事業が進むに従って、どの程度の砂利の需要を見込まなければいかぬか、その供給はどういうふうにしなければならぬかという、砂利の相当長期にわたる計画を立ててみる必要もあると、こう思ったのであります。それらの問題については今実は何も資料がないのでありますが、非常にいい御注意でありますので、私の方でも一つ勉強しまして、その長期にわたる計画を一つ立ててみたらどうか。もちろん基礎調査も必要だと思いますが、そういう意味で、もう少しこの法案が通った機会に、砂利行政というものを立て直してみたらどうか、新しくスタートしてみたらどうかという、そういう考えでおりますことを申し上げておきます。
  104. 田中一

    田中一君 全くその通りで、たとえばせんだっても質問したように常願寺用なんというところは、何とかして相当予算をつけて砂利を掘っておる。土石を除去しておるのですね、予算をつけて。そういう所もあるのですよ。従ってこれはかつて四、五年前にもこの砂利採取法を作る際にも、あれやこれや利口な人が考えたことがございます。たとえば公共事業費として砂利を全部、取るべき砂利は除去する。その地点で一つの砂利の公社みたいなものを作って、そうして売りさばいていこうなんていうことを考えたこともあります。これには当然今の市価というものを考えた場合には、これはもう高いものにつくのは当然なんですよ。だからそれは公共事業費を投入して、当然砂利を除去しなければならぬ、あるいは石を除去しなければならぬというときには、公共事業費でそれをやって、そうしてどこかに、というか公社なら公社というものでもよろしいでしょう、堆積しておいて、そうしてむろんこれには災害を守るという意味での除去をするという形の国費は投入しながら、市価を維持するという考え方、これはおそらく通産省の方々はそういうことについては反対です。通産省が所管するなら賛成ということになるかもしれませんけれども、そういう形のものにならなければ、もう砂利がなくなったということを考えなければならぬと思うのですよ。これは問題だと思います。そこでその最初の盗掘とかあるいは乱掘とかいう問題を規制するにも、何もこれはこの法律を出す前にもはや全国的に採取可能の河川は実態を調査しなければならぬはずです。一つの現象をとらえてすぐ法律を作る、そういう考え方はいけない。これは砂利採取法を作るときにも私どもは再三……速記録を読んで下さい、私どもは再三再四警告しておる。当然そうなるということを警告しておるのです。それにもかかわらずもうほとんど三年も四年もたっておる今、突如としてこういう法律を出す、出すなら出すで法律を調べてごらんなさい。河川は当然建設大臣の所管です。それも調べないで一つの現象、一つの陳情だけをつかまえてとやかく言う。多摩川周辺に実際に建設工事が行われれば、多摩川の砂利を取って富山県に持っていこうなんというやつはいない。一方ではそういう盗掘、乱掘をする要因を作りながら取り締るなんということは片手落ちだというのです。それよりも実態を調べてこの河川のこの区域はこうだということを把握して、それを管理者であるところの都道府県知事に流してすべきが当然でありますから、今建設大臣の何というか御答弁で大体了解します。了解しますが、それを急速に考えて、河川に対する……河川局長が知らなければだめじゃないか。君はちゃんとどの河川がどうなっておるかということは当りまえのことだ。通産省の方の所管になっておる砂利採取の方は、取ればいいのだ、取れば。この問題もずいぶん問題になった法律案なんですけれども、ある意味においては今の災害、国土計画に並行する法律だから、問題があってもこれは通したわけですが、これが通ってなおかつ河川局がそれを放任しておる。この現象は明らかなんですから、放任をしておるところに怠慢がある。これは山本君が河川局長の時代に作った法律のはずです。君が河川局長になってからの法律です、たしか三十一年ですから。これは抜本的な調査をしなければならない。そういう点が一番大事なことなんです。私はあと質問しませんけれども、その対策をはっきり言明して下さい。
  105. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) お話の点ごもっともでございまして、問題になる河川につきましては、逐次そういう方針でこの川はどのくらい取れるという作業をし始めております。たとえば相模川等につきましてはどのくらい取れるというようなことをし始めておるところなのでございますので、その作業を進めまして御趣旨のようなものを作りたいというふうに考えております。
  106. 田中一

    田中一君 もう一つ言うのは、今度建設大臣、あなたは砂利を要求する側に立っているのですよ。道路工事でもダムの工事でも護岸工事でも営繕の方の建築工事でも、あなたは要求する側に立っているのですよ。河川局があまり制限を加えると砂利の価格はうんと上ります。それでこういう罰則を作りますとなおさら上ります、ということもよく考慮していただきたいと思います。  通産省の方でも、こうやってお見え願って、私が今申し上げておること、これに対して聞かしぱなしで申し訳ないから、一つ建設大臣の言明と河川局長の言明と、この河川法一部改正の今回の法律案と関連して、通産省の見解を一つ説明して下さい。
  107. 新田庚一

    説明員(新田庚一君) 通産省としまして、この河川法改正法案の相談にあずかったのでございますが、罰則の強化の問題につきましては、海岸法その他の法体系の問題としてやむを得ない。それからほんとうの意味の盗掘というものもかなりある模様でございますので、正直な者が損をするということは非常に好ましくないということから、やむを得ないということに踏み切ったわけでございますが、ただ今お話がありましたように、砂利の採取という問題はやはり一つの経済問題もございまして、需要地と生産地との御承知のようにバルキー価格でございますので、なかなか連携もとれないという問題もございますので、単にこの改正を契機といたしまして、罰則の強化すなわち取締りの強化ということになりますと、非常にいろいろな問題も起りますので、各河川その他事情によって問題が違いますので、三十一年に砂利採取法が通過しましたあとで、河川局長、軽工業局長連名で砂利採取法の趣旨を通知を出しておりますが、その趣旨に沿いまして、運用の問題につきましてもあらためて砂利採取法の考え方に立脚しまして、運用に万全を期していただきたいというふうにお願い申し上げている次第でございます、今お話申しましたような需要地と生産地の連携の方式の問題につきましては、なかなか大きな重要な問題でございますので、建設省ともいろいろ相談しまして検討してみたいと思います。
  108. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 速記をとめて下さい。
  109. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 速記を始めて下さい。  ほかに御発言もございませんようですから質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  110. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  111. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。河川法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。
  112. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本院規則百四条により本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  113. 早川愼一

    委員長早川愼一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時八分散会