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亀田得治君 だから、それはもっと統一するのが私はいいと申し上げているわけではないのですよ。統一するのもこれはちょっとまた問題があるでしょう。しかし、これほどばらばらの表を
裁判官が勝手に
書記官に渡しているのもこれははなはだ問題です。だからそうなりますと、ばらばらでも問題だし、統一しても問題だ。ということは、つまり
裁判をしないうちからそういう表を作って
書記官に渡すところにこれは問題がある。やはりそこへ戻ってくるわけですよ。めんどうくさくても、これは
裁判官がやはり一件書類、これは
書記官が整理してもいいですよ、
裁判官の見やすいように整理してもいいですから、それをちゃんと見て、そうして場合によっては本人を呼んで、君どうなんだと聞いてですね、大事な点は直接確かめて、そのかわり
手続は私はそういうところは簡略にやってほしいと思うのです。その場で金を持っていたら、あんた、これだけだから納めなさいと言ったら、もう一ぺんで済んでしまう。ところが、
日本の国ではわずかなことで、旅費の方が高くつくようなことを行ったり来たりさしてみたり、そういうところが端的でないということを私は言っているのです。だからこんな
裁判をやるのに、
書記官に表を渡してそうして原文をちゃんと作らしてしまうなんと、そんなことを言ったって、いやそれは
裁判官の責任でやらしているのだからそれでいいと言ってもこれは成り立たぬですよ。
判事の数が少いからやむを得ぬのだということならば
意味はわかります。しかし、あなたはなかなかそうは言わないのだ。これでもいいのだと、こうおっしゃっているから。これは過料の場合です。ところが、
逮捕状でも何でもみんなそういう格好が出てきているわけなんですよ。もっともっと人権に重大な
関係のある問題、だからそっちの方を少しお聞きしますが、先ほど
略式命令の問題にちょっと
総務局長触れられたわけですが、実際は
東京でも
大阪でも、忙しいところは
検察官から略式の起訴状、略式請求書、科刑
意見書、こういうものが
裁判所へ来る。そうすると、
書記官の方でそれを受けて、そうしてもう略式のやつは、略式同意書がついておれば
検察官が言うている
通りの事実を書く。そうして罰金の額もその
通り書いてしまう、書いているのですよ、実際は。あと多少良心的な
判事はそれは一応判は自分で押すかもしれませんが、判を預けている場合もある。現実にそういう
状態なんです。こんなことは私はもう実際われわれ忙しいものだから、そんなことに一々ひっかかって、どうもこの
手続はけしからぬなんといって
裁判所にそんなことで文句を言いに行っておったら幾らからだがあっても足らぬですから、それは放置しているような
関係にもなっておりますがね。しかし、これは間違いだ。たとえば刑事
訴訟法の四百六十三条に、はっきり幾ら
検察官からこれは略式請求をやってきて、そうしてまた、
被告人本人も略式でけっこうだ、こう言うてみても、
裁判官がこれは
公判請求すべき
事件だ、こういうふうに一件書類を見て
判断をすれば、罰金を出させないで
公判に回す。こういう
手続が
規定されているわけです。それから
検察官が一万円の罰金だと言っても、いや事情によってこれは五千円にしてやるべきだ。あるいは一万円と書いてあるが、いやこれはもっと一万五千円にすべきだと、こうやるのがこれが
判事でしょう。ところが、現状の略式請求の段階というものは全然そんなことはないですよ。で、私
どもも特に気の毒な交通違反
事件など事前に実は
相談を受けることがあるんです。そういう場合にはあらかじめ言っておいて下さいよということをあらかじめ
裁判所でも言われますよ。そうせぬと、
書記官の方でみんな書いてくるんだから、書いてきてしまっては困りますから、非常な
理由があればもちろん変更もできるだろうけれ
どもね。だからこれはちょっと特殊な事情があって、
裁判官へ陳述しなければならぬ問題があるんだから、書記の方にこれは罰金を書かないでおいて下さいよ。
裁判官がその人が来てから検討すると言っておった。そういうのは例外なんですよ、これは。特殊な人がついてやる場合。一般はちゃんと全部書いて持っていって、良心的な人だけがちゃっちゃっと手落ちがあったらいかぬということで、一
通り見て判こを押しておるだけのことです。私はこんなものがどうしてあなた
裁判官が
裁判をやっていると言えるものですか、言えぬですよ。
実情がそうなんですよ。皆さんは上の方の
裁判ばかりごらんになっておるでしょうがね、これでいいですか、全くこの
通りなんですから。