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1958-06-26 第29回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年六月二十六日(木曜日)    午後三時四十七分開会     —————————————   委員の異動 六月二十日委員横川信夫辞任につ き、その補欠として白井勇君を議長に おいて指名した。 本日委員山口重彦辞任につき、その 補欠として光村甚助君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     宮田 重文君    理事            松平 勇雄君            山田 節男君            長谷部ひろ君    委員            新谷寅三郎君            堀木 鎌三君            前田佳都男君            最上 英子君            鈴木  強君            三木 治朗君            光村 甚助君   国務大臣    郵 政 大 臣 寺尾  豊君   政府委員    郵政政務次官  廣瀬 正雄君    郵政省郵務局長 板野  學君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○お年玉つき郵便葉書等発売に関す  る法律の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (郵政大臣所管事項説明に関す  る件)     —————————————
  2. 宮田重文

    委員長宮田重文君) これより委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について御報告いたします。  去る二十日横川信夫君が委員辞任され、白井勇君が選任されました。また、本日山口重彦君が辞任され、光村甚助君が選任されました。     —————————————
  3. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 本日は、お年玉つき郵便葉書等発売に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、郵政大臣提案理由説明を願います。
  4. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) ただいま議題となりましたお年玉つき郵便葉書等発売に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  現行法律は、郵便葉書お年玉をつけることと、郵便葉書郵便切手寄附金をつけることとの二つの内容を持っている法律でありますが、今般改正しようといたしておりますのは寄附金に関する部分でございます。  現行法は、昭和二十四年に制定されたのでございまして、当時は終戦後日浅く、社会情勢は、いまだ十分安定しておらなかったため、寄附金額にいたしましてもそう多くを望み得ない試行的状況のもとに、さしあたり急いで現行法のような内容をもって立法せられたものであります。従いまして、その関係条文も、わずかに一カ条という簡単なものでありまして手続的にもかなり不十分なものを残しており、実施後の状況によりまして早晩改正せらるべきものと考えられておったのであります。その後鋭意研究いたし、政府内部意見調整に努めました結果、本改正案を提出するに至った次第であります。  その改正の要点について申し上げますと、第一は、寄付金配分する対象の範囲を拡張いたそうとするものであります。  現行法によりますと、郵便葉書等に付された寄附金は、社会福祉の増進を目的とする事業に対して配分されることになっております。この制度を始めました昭和二十四年度ごろには、寄附金額はせいぜい一億五千万円程度に過ぎず、また、戦後の社会情勢から見まして、このような規定をしたわけでありますが、この寄附金つき葉書等消化能力は、社会情勢の安定とともに逐年増大し、今日では年間五億を上回る状態であり、本年までの総計は三十五億にも達しております。一方、十年の経過の間に、新しい社会的解決を要請される問題で国民の好意によることがふさわしい分野も拡大し、各方面からの要望もありますので、第一に、風水害、震災等非常災害の場合の救助、第二に、ガン、結核、小児麻痺等いまだ治療方法の完全な解決を見ない疾病の学術的研究治療、第三に、原爆被災者に対する治療その他の援助を行う団体にも寄附金配分を行うことができるようにいたしたいと考えたのであります。  第二は、寄附金つき郵便葉書等発行手続を整備いたそうとするものであります。すなわち、葉書等発行前に国民寄附目的発行枚数寄附金の額および寄附金配分を受ける団体の名称を告示しまして、あらかじめ寄附の趣旨を公開しておくことにいたしたいと存じます。  また、寄附金配分を受ける団体の指定および配分額決定は、寄附目的の拡張ということに応じ、団体事業を所管する大臣と協議した後、郵政審議会に諮ってからすることとし、配分額決定についてはその団体ごと配分額を公示することにいたしたいと存じます。  第三は、郵便募金管理会という特殊法人を設立いたそうとするものであります。この法人は、寄附金管理およびその使途の適正をはかることを目的としております。その業務は、寄附金の受入、保管、交付および寄附金使途監査等を行います。現行法によりますと、これらの点について責任の所在が不明確でありますので責任ある団体寄附金の処理をさせることが適当と考えられるからであります。さらに加えて、従来の寄附金使途状況から見まして、計画が具体化するまでに半年から一年間の時間を要しているものが大半であり、かたがた今回の改正により災害救助等の未確定要素もありますので、これも責任ある団体に保管させることが寄附金の適正な取扱いをすることにもなると考えられます。  第四は、寄附金使途の適正をはかるための措置をいたそうとするものであります。寄附金使途の適正をはかるため、郵政大臣は、寄附金配分を受ける団体事業を所管する大臣と協議し、かつ、郵政審議会に諮って当該団体の守るべき準則ともいうべき事項を定めることができることとし、あわせて管理会に対して、郵政大臣が所要の監督をすることができることといたして、必要な規定を設けようとするものであります。  以上がこの法律案提案いたしました理由であります。本法案は前国会において御審議を願ったのでありますが、両院の議決の一致を見ず成立に至らなかったものであり、その重要性にかんがみ、さらに本国会提案をいたす次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようにお願いする次第であります。
  5. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 本案に対する質疑並びに討論採決は、明日午前十時より行いますから御了承を願います。     —————————————
  6. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 次に、電気通信並びに電波に関する調査議題といたします。
  7. 鈴木強

    鈴木強君 新大臣を迎えてきょうは第二回目の委員会だと存ずるのでありますが、現下の諸情勢からいたしまして、私たちは新しい大臣期待するところが非常に大きいと思います。従って、就任以来いろいろと御苦労され、また比較的大臣国会における御活躍の中でも電気通信事業等につきましては比較的関心を持たれておりましたので、そういう意味からいたしまして、いろいろと御抱負もあろうかと存じます。私、実はここにも新聞を四種類くらい持っておるのでありますが、いろいろと大臣就任以来新聞記者の方々ともお会いしておるようでありますが、新聞によりますと、その内容が若干ニュアンスも違っているようにも思いますが、どうもはっきりと私たちは前の大臣所管事項の御説明を聞きましても、われわれの期待するところに的確に触れておらないのでありますから、もちろん時間的な関係質疑の中でということでありますから、やはり明確にする点はした方が私はよかろうと思います。そういう意味で、きょうは実は基本的な問題を——たくさんございますが、基本的な問題だけをきょうは御説明をいただきたいと思うのであります。  まず、電電公社の第二次五カ年計画に対しての大臣の御抱負でありますが、ある新聞を見ますと、五カ年計画なんというのは非常になまぬるいのだと、こういうふうな見出しが出ておるのでございます。なるほど、われわれももっと積極的に、今おそらく百万近い積滞があると思いますので、電話が都会といわず、地方といわず、どこでも安く、しかも、安直に敷けるようにしていただきたい、こういうことは全く大臣がそうお考えになっておると思いますので、同感であります。しかし、この五カ年計画を実施し、さらにまた第三次五カ年計画なり、第四次の五カ年計画なり、次々に計画があると思いますが、当面大臣のおっしゃる第二次五カ年計画はなまぬるいというお考えがよく理解できませんから、一つこの機会に御説明を、御所見を承わっておきたいと思います。非常に私は、電気通信事業は他の産業と違いまして、新しい技術もどんどん入って参っております。オートメーションも相当急ピッチで進んでおる事業でありますから、そこに働いている職員労働条件ですね、こういったものも非常に関連がありますので、そういう意味からいって、その本質的なこの電気通信事業というものを近代化し、オートメーション化していくという、そういう点も一つ大臣に触れていただいて、一体なまぬるいのだが、どういうふうにしてやっていこうとするのか、その基本的な構想をお聞かせをいただきたいと思う。
  8. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) これは鈴木委員にお断わりをしておかなければなりません。入れかわり立ちかわりインタビューと称していろいろの新聞記者、あるいはその他の報道員が参ります。そうして雑談をすることが、私が、最近私の方針をはっきりきめてそのことを発表するという形よりも、私の感じとか、雑談をいろいろとする、その中から私の、いわゆる新郵政大臣のこれが方針だというように取り上げている面がたくさんあるわけなんです。従って、これは私の考えておることが正しくそれらの新聞に報道されていない。特に今御指摘になった、私が電電公社の三十三年度からの五カ年第二次計画というものがなまぬるいと、こういうようなことを書いておる。従って私がそういう考えを持っておるか、そうではないのであります。私は電電公社がかなりまじめに計画を進めておる。そうして相当第一次の五カ年計画においても最初の計画相当上回って成績をあげておる。ただ、私が考えておりますことは、こうした計画というものは、その計画以上に成績を上げ得ているけれども、それよりももっと、この電信電話に対する、特に電話に対する国民の要請が計画よりも強くはないか。これを国民要望が上回っていはしないか。だからこそ、三十二年度においても六十万の積滞数がそこに残されている。そして、その第一次五カ年計画というものについては、大よそ三分の一ぐらいが要望にこたえられたんだ。それですから、電電公社計画というものは、相当先を、五カ年先を見越して立てたんですからして、これには根拠はあったと思うんですけれども、しかし、この一般社会電気通信に対する非常な期待とか要望というものがそれをさらに上回っていはしないか。まあ、そういうことから考えると、この五カ年に百三十五万個を架設をする、現在六十万の積滞数がある、それを差し引くというと半分ちょっとになってくる、というと、これはこれでよかろうかという感じは確かにしておるわけであります。あるいはまた、農村電話の七万にいたしましても、私どもは常に郷里に帰って農山漁村の諸君と接しておるのでございますが、これらの要望からいたしましては、この五カ年で七万でよかろうか。これはばく然とした、計数を出して数字的に私が根拠を持って申し上げておるのではありませんけれども感じとしては、どうも、何か少し一般農山漁村電話等に対する要望が熾烈じゃないか、まあこういう感じを受けるんで、従って、私といたしましては、この特別国会が終り次第に、現地農山漁村を行脚して、その農山漁村の各位がこの電話によるところの新しい大きな希望、あるいは生産の上にもそれは大きく好結果をもたらすのでありましょうし、彼らの日常の生活文化生活ということにも大きな期待を持っております。こういうものにこたえるということに対しては、この七万が果してそれに、いわゆるその要望にこたえ得るものであるかどうかということについて、現地視察をしながら、身をもって、一つ彼らのそういう要望を私自身が身につけて、そうしてこの五カ年計画に対して、もしも、私が考えなきゃならぬというものがそこへわいて出てくれば、新しく、こういった面にはこういうふうに一つして、多少計画を増大してほしいということが出てきたならば、それはまた委員会皆さん等にも御意見を承わり、私も視察状況も御報告を申し上げ、いろいろ御協力を賜わり、電電公社にもそういった私の意見を申し上げたい、まあこういったような感じを持っております。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 大臣のおっしゃることを聞いておりますと、視察をしなければよくまあ把握できないが、現状計画しておるものと現実に国民期待しておる考え方と第一次五カ年計画というものがマッチしておるかどうかということは、はっきり言えないということだろうかと思いますが、いずれにしても、相当積滞数があって、その需要を満たす供給というものが非常に少い、こういうように判断されておるようでありますから、私は、この間新聞に書いておる、計画がなまぬるいということが、まあ内容がはっきりしませんからわかりませんが、しかし、受ける感じとしては、やはりそう受け取っても、私は——私も今大臣の御所見を承わっておりましてそういうふうに感じるわけです。ですから、私もそう思うんですよ、この計画については。決してその計画がずさんだとか何とかいうことじゃなしに、ベストを尽しての計画であっても、なおかつ、電信電話期待する国民考え方からしますと、ほど遠い気がするわけです。そこで、私はなぜこういう質問をしますかと申しますと、大へん抽象的に大臣に申し上げておりますから御答弁に非常に困ると思いますから、じゃ、もっと具体的に私は申し上げます。特に八月ごろから三十四年度の予算もそろそろ編成に取りかかるし、すでにもう準備しておると思うわけです。ですから、そういう三十四年度の予算の中にもぜひ一つ大臣考え方をはっきりしていただいて、思い切った一つ施策を打ち込んでもらいたいという私は強い希望を持っておるわけです。そういう意味からまあ御質問したいと思うわけですから、お答えいただきたいと思います。  まず、公社が第一次五カ年計画を完成をしてかなりのいい成績を上げたと私は思うのです。ただしかし、まだまだ、大臣もおっしゃるように、需要供給アンバランスがひどいものですから、どうして電話を作らないのかという希望が非常に多いわけであります。従って、何とかこれを早く需要供給アンバランスをなくしたいというのがわれわれの念願であるわけですが、なかなか思うようにいかない。これは、要するに、建設財源というものが非常に少いと思うのですね。大臣の御報告を聞きましても、今年の電電公社予算を見ましても、千六百九十三億が収入支出になっておりますが、その中で建設財源が七百五十億。しかも、五百八十九億が自己資金で、外部資金がわずかに百六十一億。こういうような外部資金自己資金との割合を見ますと、アンバランスといいますか、私たちが見ますと、非常に問題のある予算の求め方になっております。しかも、第二次五カ年計画を完遂するのには四千百億という金が必要だ、こういうことを言っておるわけでありますが、しかし、国会皆さんの御協力で、時限立法でありますが、設備負担法が再延長されまして、三十五年までは設備負担法によって、非常に迷惑な法律と思いますが、とにかく電話を引く際に電話債券を買ってもらうわけですね。そういう措置も三十五年度で切れてしまう。三十六、七年度というのは、今のところどうして建設財源を求めてくるのかちょっと不安な状態にあるわけです。ですから、七百五十億という今年の建設財源は、私からすると非常に少いように思うわけです。もう少し財源が多くあってくれれば、農村公衆にしてももっともっとたくさんつけられるわけです。七万なんというのは、とてもじゃないが焼け石に水です。十万あっても二十万あっても足りないくらい需要はありますから、もう少し僻地にも十分な恩恵をあまねく平等に享受させるということが公社の使命ですから、そういう意味からいきましても、財源というものを大きく確保していただきたいというのが私ども気持なんですが、今日一生懸命働いても、五百八十九億という資金がとにもかくにも自己資金として収入の中から求められておる。わずかに百六十一億が外部資金に依存するということでありまして、一生懸命働いておる職員からいたしましても、相当にこの点は問題がある。毎年々々、自己資金が増加して、外部資金が減らされてくる。前大臣の御努力によりまして、われわれが長年主張しておりました政府の直接の融資ということが運用部資金から二十億、簡保の積立金から十五億、合計三十五億だけ初めて三十三年度に政府が融資してくれたわけで、これは画期的なことだと今でも私は思っております。ですから、特に郵便年金あるいは簡易保険あるいは郵便貯金、こういう仕事に携わっておるのは郵政省であるし、その所管大臣である郵政大臣がそういう資金についても、前大臣と同様にもっと積極的にこの資金公社に投入するような努力をしていただきたいというのが私たち気持であります。ですから、こういう建設財源に対する大臣のお考えがまとまっておったら、一つこの際お聞かせいただきたいと思います。
  10. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) 鈴木委員のいろいろの御意見、私もよくわかるわけであります。ただ、私が長くこうした行政、特に電電公社には、かつては委員長をやりまして関心を持ったり、この調査アメリカ等にも参ったこともありますけれども、その後六、七年というものは全くその方面と離れて参っておりますから、私は今感じとしてそういうことを受けると同時に、鈴木委員の御意見というようなものと私の意見とはまことに相通じておるものがある、そうするというと、自分のこの感じは、案外間違っていないかなというような、まことに恥かしながらばく然とした私としては気持でおるわけであります。これを思い切って積極的に何か修正しなければならぬという結論が出たということになりますれば、私は全努力を傾注して、そのようにやりたい、しかし、私の自信そのものをまず確かめる、まず、全国の国民大衆が持つ、たとえば農山漁村国民がこの電話に持つところの強い要望、常に三分の一しか架設できなかったという、今、鈴木委員がおっしゃった需給のアンバランス、こういうものはいつまでもこの姿でおいてはいけないのじゃないか、これはこの辺で、もう少しでもバランスをとっていけるように、アンバランス修正をしていく必要はないかというような、大まかな私としては考え方は持っておるわけであります。しかし、それを自信づけるのには、やはり現地を実際に見て回って、現地の声も聞き、そうして状況も見まして、そうして三十四年度予算等については、それらを基本として構想考えてみたい、こういうように考えております。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 大臣特別国会のあと一カ月くらいですか、地方を回られて、実情視察されるということも新聞紙上で私たちは知っておるのでありますが、それも非常にけっこうですから、大いにその実情視察していただく、やっていただきたいと思います。だがしかし、一カ月間では果してどれだけ回られて、しかも郵政電波、放送、電通と、非常に盛りだくさんの所管事項大臣お持ちですから、果してその視察だけによって必ずしも的確な自信が持てるかどうか、大へん僣越かもしれませんが、私たちそう思うわけです。ですから、そうなると今ここで私質問をいたしましても、その視察が済まなければ、大臣のその自信のある答弁が聞けないということになるんじゃないかと私は思うのです。そうであるならば、どうも今私がここで質問すること自体も意味のないことにも思うわけですが、ただ、私の心配するのは、おそらく臨時国会まで、九月とか十月とかいっておりますが、本国会が終りますと、国会はおそらく休会になりますね、国会がないわけですから、そうしますと、その間に予算編成がどんどん進んでいく、われわれのこの立法府意見というものが、こういう会議を通じて大臣に聞いていただくことができない、また、大臣意見も聞くことができないという中で予算編成がなされることを非常に私不満に思う。何とか民主政治の中で、われわれ立法府意見大臣よく聞いていただいて、もっともな意見はどんどん取り入れていただきたい、こういう私は考え方を持っておるわけです。ですから、まあ視察されての自信のほどもけっこうですが、やはり長い政治家として、しかも、電通事業にずぶのしろうとではないと思うのです。ですから、やはり自信のあるところは、大臣就任されて一カ月にもなりませんけれども、日もたっておりますから、ある程度、お逃げにならないで、やはり自信を持って、建設資金が少いなら少い、その資金大臣は多少でも何とかしようという気持があるのかないのか、そういう点は私はやはり率直に聞かしていただきたいと思うのです。もちろんこれから、政府政府としてのルールがありますから、閣議の中で予算編成機会に、あるいは公社との接触の中で大臣大臣としての御意見を発表されるでしょう。それがうまく閣議を通りますかどうですか、そんなことはよくわかりませんけれども、いずれにしても、大臣郵政大臣としての所管事項だけはやはり責任を持って、だれがどう言おうと自信のある考え方でいっていただきたいと思うんですよ。どうでございますかね。その質問にあまり逃げられてしまうと、私も質問する意欲がなくなるんです、率直に言って。ですから、視察しなくても、大臣自信のあるところはお答えできないですか。
  12. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) 鈴木さんは、私が何か逃げるとおっしゃっていらっしゃるけれども、そうじゃないのです。私は特に電電公社事業に対しては相当関心を持っている。従いまして、自信のないことをここで申し上げるということは、責任政治をとっているわれわれとしては不見識だ、あるいはまた責任を感ぜざるを得ないわけです。鈴木委員のその御質疑の趣きは十分私はわかっております。私は真剣に、そうして誠意を持ってこの問題に取り組んでいきたい、こういうことは私深く決意をいたしております。そうしてこのアンバランスをこのままにしていいかどうか、この辺でそのアンバランスというものを修正をしていく必要はないかどうかということについては、全くいま少しく研究をさしていただいて、それから電電公社の、実はまだ総裁、副総裁等から所管事項についての、まあこれは大へん怠っているようでありますけれども、いろいろの関係でまだその説明を聴取いたしておりません。これなども早急にここ数日のうちに聞きまして、そうしてそういったような電電公社現状というものを把握できますれば、あるいは必ずしも現地を見なければ一切がわからぬということにはおっしゃる通りならぬと思いますが、まあ誠意を持ってこの問題については一つ早急に、できるだけすみやかに方針をきめたいと、まあこういうことでございます。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 大臣がそういうお考えであれば、これはまあお考えはわかりました。ただなるほど、おっしゃることをよく聞いていると、公社の経営の主体はやはり公社にあるわけです。ですから、公社の当局の意見も十分に聞きたい、これはもっともです。ですから、私はきょうはそういう段階では大臣に御答弁をいただくということも非常に本意でないように思いますが、しかし、そうかといってわれわれの意見が全然いれられないうちに予算編成でも着手されては非常に困る。ですから、以下若干電電公社に関しては要望的なことを私は申し上げておきたいと思います。  今、建設資金の点が出ましたが、やはり私は少いと思う。もう少しく外部資金電電公社に持ってきてもらいたい、もうわかりやすい言葉で言いますが、そういうことを私は非常に強く考えております。それから公社になりましてからもう六年もたっているのでありますが、後ほどこの点は大臣にお尋ねをしたいと思いますが、公共企業体の経営論ですね、公共企業体がどうあるべきか、こういうことも大臣にこの点はお尋ねをしたいと思いますが、いずれにしても公共企業体というものの妙味を十分発揮しておると思いますが、しかし、にもかかわらず、いろいろな制約があって思うようにいかない点もたくさんあると思うわけです。ですから、要はその五百八十九億対百六十一億という自己資金外部資金との、こういう求め方についても、そこに働く職員側から見ると、一生懸命努力をして、千六百億くらいの収入を上げるのでありますが、待遇の面を見ましても、公社の特性というものがほとんど圧殺をされて、何のために公社にしたのか、これは職員がわからなくなったというのが現状だと思います。   〔委員長退席、理事 松平勇雄君着席〕 働いても、その金がみんな自己資金として建設資金に回ってしまう。待遇は一つも特殊性が認められない。こういうような矛盾を感じつつ、今従業員は仕事を一生懸命やっております。ですから、この自己資金外部資金との求め方について、もう少し私は御配慮をいただきたいと同時に、七百五十億というこの資金をもっとふやして、そうして、政府の直接的な運用部資金なり、あるいは簡保なり、こういうところの資金一つもっと大きく導入していただきたい、こういうのが私の希望であります。  それから、この電電公社事業が、非常にオートメーションが進んでおりますが、やはり自動になりますと、職員が要らなくなってしまう。電報の中継機械化がやられますと、これが、やはり人が要らなくなってしまうというようなことで、要員の削減がオートメーションにはつきものであります。こういう点も十分御勘案いただいて、日本の社会情勢なり、経済情勢なり、産業構造の中で、どうしたらこの余剰人員をいずれかに吸収をして、職員生活権を奪うことのないような中でオートメーションが実施できぬものか、こういう点も一つ十分に大臣としてお考えいただきたいと思います。  それからもう一つ、これは、もうこの委員会でだいぶ問題になっておりましたが、電信政策について、今日公社も非常に苦慮されておりますが、何といっても百十億近い赤字がございまして、この赤字を今日は電話によって補てんをしております。しかし、この考え方は、もっともっと論議を尽さなければなりませんけれども、私は、歴代大臣にいろいろと御意見を伺って参ったのでありますが、われわれは、率直に言って、この百十億という電信営業上の赤字というものは、非常に安い料金政策の中で運営いたしますから、経営いたしますから、どうしてもその赤字が出てくる。従って、これを政府が補てんすべきであって、電話収入の中からこれをまかなうことは誤まりではないか、こういう主張を私はして参りました。幸いにして前、田中大臣は、私の主張を認めました。いろいろと努力をしてくれたのでありますが、なかなかそういう点が実現できませんでしたが、今度の大臣もどうかその点は十分御検討いただいて、論議のあるところでありますから、私は決して押しつけようとは思いませんが、一つ、この電信の赤字経営については、この赤字を政府がめんどうみるという思想が打ち出されていただけないものかどうか、こういう点であります。御承知の通り、今大臣御存じだと思いますが、あなたが電報を電報局へ行って一通打ちますと、百十四円の赤字になる。大臣が打ちますときに、百十四円赤字になるということを知って打つかどうか知りませんが、一般の人たちは、おそらく知らないで、電報もうけているだろうという気持で打たれていると思いますが、実際にはそういうことなんです。これが特定郵便局の委託業務にお願いしておりますと、百六十円くらいの赤字になっております、一通電報打ちますと。そういう低料金政策の中に生まれてくる赤字でありますが、この赤字を、どうも、なくすることを一生懸命公社考えておりますが、それにあまり急ぎ過ぎて、無理な中継機械化の促進やあるいは全国にたくさんある、八百局ありますが、その電報局の配達の事務を請負に切りかえていく、こういうようなことが出てきております。それからまた、夜の電報を集中してある局で配達をする、そうして配達要員を減らすことによって赤字をなくそう、場合によっては、サービスが低下するということが、あまりにも赤字をなくするということに考え方が先行してしまいまして、そういう結果も出てきておることも事実であります。ですから私は、この電信料金政策上からくる赤字というものは、大臣が積極的にお考えいただいて、できるなら私は、前大臣と同じように、政府がこれを補てんしてやるというような考え方に立ってやっていただきたい、こう思うのであります。  それから、公共企業体になりましてから、さっき申し上げましたように、六年たしか経過したと思いますが、やはり公共企業体というのは、何といっても、経営の主体を公社の経営者自身にまかせて、そうして、思う存分民間的な要素を取り入れてやっていくというのが新しい経営形態だと私は思うのです。この点について、大臣はどうお考えになっておるかしりませんが、これは、質問として大臣の御意見を承わりたいと思いますが、先般、公共企業体審議会というのを持たれまして、その答申が岸内閣総理大臣になされておりますが、この内容大臣ごらんになりましたら、その内容についてどうお考えですか、この点をお聞かせいただきたいと思いますが、要は、公共企業体という新しいシステムが入って参りまして、まあ、いろいろ努力をして今日きておりますが、ほんとうに裸になって、前だれかけをかけて、そうして昔の官僚からさよならをして、官吏というような、そういう考え方から、まことに、民間商社の店員になったような気持で、みなやっておると思うわけです。しかし、そこには何といっても私は、経営者のまず一体になってのティーム・ワークといいますか、公社の経営者陣営におけるティーム・ワークというものがまず第一に必要であります。そうして決定されたものに対して、責任を持ってやっていくという、やはり勤労意欲といいますか、実行意欲といいますか、そういうものを持たせるような妙味が私はなければいかぬと思います。こういう点、大臣就任早々で、どう把握されておるかわかりませんが、国民はいろいろの角度から公社の経営というものをながめておるでありましょう。また私たち国会の中から、公共企業体の本旨を間違えないように、電電公社が発展をしていただきたいという強い念願を持ちつつ、国会の中から協力していると私たち思うわけです。まあ、先般の政府に対する答申に対して、大臣、日が浅いから、内容をよくごらんになったかどうかわかりませんが、今までの公共企業体の経営の中に立って、いろいろな角度から検討された結論が出ておるわけですから、少くとも、この答申については、政府誠意を持って取り入れていくという方向にお考えがまとまっておると思います。そういう立場に立って、今の公社の経営というものを大臣がおながめになって、まあ、それは非常に抽象的になりまして恐縮でありますが、うまくいっておるというふうに御判断になっておるのか、あるいは改革すべき点があるというふうにお考えになっておるのか、これは、その前段の、公共企業体に対する考え方とあわせて、一つこの際お聞かせをいただきたいと思います。
  14. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) 大へん、私にとってはきわめて有意義な御意見を承わったのであります。答申の詳細な内容については聞きませんけれども、まだ私は調べておりませんが、電電公社はやはり公共企業体として経営をする方がいいのだというような答申であるかに聞いております。従いまして、鈴木委員が今申されるように、公共の福祉増進に対して、電電公社総裁以下その公社の従業員なりが、これはもう、今おっしゃるように、一体になって、公共の福祉を増進をするという大きな目標のもとに私は協力し合うということの形が、これは私としては、今日とっておる形であるということにおいて、さらにそれを能率的に、また和を持って一つ電電公社総裁からすべてが、真剣な、公共企業体としての大きな使命に徹するという、この経営の方法、これが電電公社に対して、私の今持っております要望であり、また私の考え方であります。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 もう少し、私も具体的に質問しましたから、具体的に御答弁いただきたかったのですが、まあ最初からおっしゃっているように、自信を持った答弁をしたいという大臣の御要望のようでありますから、どうぞ自信を持って答弁できるように、一つ研究をいただきたいと思います。それで、私は、まだたくさん公社の問題につきましてはございます。しかし、この点はまた機会をあらためて申し上げることにいたしまして、きょうは、電電公社関係はこれで終ります。   〔理事松平勇雄君退席、委員長着   席〕  その次に、放送関係でちょっとお尋ねいたしますが、前委員会で森中委員から、大臣がこの就任早々おっしゃった中で、誤解であったとかなかったとかいうようなこともございましたが、例のNHKの料金値上げの問題、それから放送法の改正の問題でありますが、私もこうたんねんに調べてみますと、やはりどうも大臣が、委員会では聴取料金の値上げは、わしはそんなことは言わなかったとおっしゃいましたが、就任早々で、いわゆるインタビューということかなんか知りませんが、来てですね、話をされたときに言ったかどうか知りませんが、いろいろ聞いてみますと、どうも値上げというアイデアを持っているようにとられるような発言をしたのが、やっぱり真実らしいですよ。ところが、あとでいろいろ意見が出てきたので、これはいかぬということで、それで慎重論になってきたのだというようなことを、大へん僣越ですが、推察をしているわけであります。しかし、これは大臣がそうお考えになるように、現実にわれわれが三十三年度のNHKの予算審議するときに、非常に痛切に感じた問題であります。われわれは、もちろん聴取料の値上げには反対をいたしましたが、さればといって、それでは減価償却自体が十分に見られないような、非常に危険な橋を渡るNHK予算を、われわれが国会責任をもって通すというのには、あまり自信のない経営の実態になっております。ですから、この点については、料金値上げなんということにたよらずに、公共事業としてのNHKに勇断を振って、政府が設備資金なり、投資というものをやっていくという方向に意を注いでいただいて、もっと地についた、力強い前進のあるNHKの経営をやらなければいかぬと、私は感じておる。ですから、そういう意味政府が、これはまあ今後のことですから、どういくかわかりませんが、料金値上げをしないで、とにかくNHKがほんとうに本来の放送法に基く公共放送としての使命を果せるような予算を、裏づけをしてやるという考え方が、大臣に私はあると思うのですよ。その求め方が、国の予算を出していくか、資金を出していくか、あるいは料金値上げによるか、この二つを、私は大臣は頭の中に描いておったと思うのです。そのことが、たまたま新聞料金と比べたらということをまで言われたそうでありますから、おそらく新聞に書いていることも、あながち大臣が否定されるようなことも、私はないと思うのですが、そこで、どうでございますか、三十四年度のNHK予算も、もうそろそろ今言ったように、準備にかかっていると思うのですが、やはり政府が、この点は明確にその指針を示してやらなければ、NHKの予算は立ちませんよ。去年は前大臣が料金値上げをするのだ、するのだと、さんざん言っておったので、そのつもりでどうもNHK側もやったらしいのです。途中でもって、選挙がきたものだから、政策上ストップするというようなことになったと思うのです。これは推測をして非常に申しわけないのですが、そう判断されてもやむを得ないと思うのですが、そういうことで、非常にNHK予算が行き詰まったものになっちゃったのです。われわれは、幾つかの条件をつけて、不満でしたが通しました。ですから、その点を早く、私は、やはり政府の態度を明確にしてやりませんと、非常に困ると思いますから、この際、ほんとうに大臣が聴取料金を値上げしてNHKというものを伸ばしていくのか、テレビも非常に拡充する段階でありますから、新しい事業としての予算もかかるわけでございますから、やるのか、あるいはそんなことでなしに、われわれが言っているように、もっと資金というものを政府が融通してやるという考え方であるのか、その大きな方向を、一つこの際明確に、もう一度執念深いようですが、お聞きしたいということが一つ。  それからもう一つの放送法の改正は、これも大臣のおっしゃることを聞いたそのニュアンスでは、民放と公共放送と二本立で放送法の改正考えているのではないかと受け取れる。前回提案されたように、内容が幾たびか変更されて、この委員会にかかって参りましたが、とにかく廃案になって今日にきている。そして次の臨時国会大臣が出そうということには、おそらく変りはないと思う。あなたは、民放と公共放送の実情に即した放送法の改正をしたいということを言っているそうでありますから、この点も、もう少し明確に、臨時国会には大体出すような構想でいるようでありますから、前回より以上に大幅に、思い切って改正しようとするのか、あるいはどの程度のことをやろうとするのか、この程度のことは、ここで答弁できると思いますから、この二つのことをお答えいただきたいと思います。
  16. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) なかなか鈴木さんの質問がお上手で、何か言うてみたいような気がするのですが、いざ言うてみようとすると、自信がないというわけであります。ただ私は、NHKの設備、施設等が特に地方で老朽化している。非常に昔の、何十年前に作ったままに放置されているというようなことを、かつて委員長の時代にすでに見ているわけであります。ですから、こういうものはNHKが大きな意欲をもって、敢然としてこうしたものを時代に即応してやはりこれを新しい設備なり、施設にする勇気がなければならないのではないか、こういうことを私は考えております。ただ、そうしたNHKの敢然とした勇気を具現させてやるためには、政府が何らかやはりこれを考えてやらなければいかぬじゃないか、その方法を、いずれの方法をとるかということについて、私は、まだいずれをもってすべきかということについては、確たる自信を持っていないのであります。これは率直な——鈴木さんが誠意をもって言い得る最大のことを言えという御命令だから、仕方なしに、私はまだ自信のないところだけれども、かつてNHKの地方局を視察したときのことを想起して、何とかこの標準放送のような新しい一つの形も取り上げていかなければならぬ。それにはNHKが勇気がない。NHK自身が一つ何かそれを打開し、新しいそうした時代にこたえ得られるような改善、その他もして参りたい。それに対しては、政府も当然これは考えてやらなければならぬが、これはどうしたものだろうということが——私の現在の気持であります。  それから放送法の改正というものは、もうある意味においては各界の世論だ、放送法を何らか改正をしなければならぬということは、一般の常識だと、こういうふうに考えておりますが、しかし、内容的にこれをどういうふうに直していくかということについては、すでにこの前の田中郵政大臣がお出しになった放送法の改正審議未了になっている、あるいはこれに対していろいろ各界の意見もあるということでありますから、就任わずか半月の私が、ここはこう直してくれ、ここをこうということを、自信を持って言えとおっしゃっても、それは鈴木さんが私にかわっておればできるかもしれませんが、私は、長くこの仕事から遠ざかっておって、ここでこうとは言えないが、私はそんなに長く待ってくれ、あるいは、まだまだ当分検討するのだということではなく、できるだけ近い機会に、この放送法の改正問題を、どういう形において改正するかということをきめたい。おそらく、それはそんなにいつまでも遷延さすべきではない、こういう考え方を持っておりますから、その内容、この点がこう、この点がこういうふうにというような具体的なお答えを、責任あるお答えを申し上げるのは、若干一つ検討をさしていただきたいと、こういうわけであります。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 みんな大臣は待ってくれ待ってくれということで、一つも確信のある答弁がいただけないことを非常に私は残念に思います。それはそうであっても、御意見の中に、NHKが勇気を持てと、自信を持てと、こういうことなんですが、公共放送の建前から申しまして、やはり放送法に規定された、法律に基いてやはり運営する特殊な公共企業体ですから、それは大臣そうおっしゃっても、それならそのように昨年あたりでも相当にNHKはNHKとしての立場から自主性ある案を作ってみても、これが政府によって否認されてしまうような立場になれば、せっかく勇気を持ってみても、それは何にもならないですから、私は、昨年の非常にわれわれがどうしても納得のできないようなNHK予算審議の経過から見て、この際、新大臣を迎えるわれわれとしては、ぜひとも一つ公共放送というものが本来の使命が発揮できるようにめんどうを見るのが、これが政府ですよ。何といってもそういう立場に立って、NHKにも、もちろんわれわれは今の気持でいいとは思っておりません。ですから、全職員が一丸になって、一つ大きな奮起をしていただくことは当然でありますが、それには、やはり政府がもっと積極的な手を差し伸べていただかなければ、これはだめだということなんです。そういう意味において、大臣が確信がある答弁ができないというわけですから、これ以上私は申し上げる勇気はございません。  しかし、これもまた逃げられるかもしれませんが、特に緊急な問題でありますから、この点はもうおそらく腹がきまっていると思います。というのは、テレビの物品税の問題でありますが、御承知の通り十四インチ以下の受像機に対しては、物品税の減税措置として今日たしか一七%だと思いますが、軽減された物品税が課税されております。これが時限立法でありますから、今月の終りで切れてしまう。七月一日からこのままの形ですと、二〇%になるわけです。これは非常にテレビの普及段階におけるやり方としては、酷ではないか、こう私は思うわけです。この点は、大臣もおそらく特別措置法をもっと延長してやりたいという気持はあると思う。ところが、そういったことについては、何らわれわれはこの国会におきましても、大臣から御所見を承わることができないわけでして、どうなっておるか非常に私は心配をしておるわけです。前の田中大臣も、この点については、現状においてはもう少し減税措置をとるべきである、こういう思想に立って御努力もされたようでありますが、どうもそれが、新大臣を迎えましてもうまくいっていないようにも私たちは聞いておるわけですが、まだ私は、この物品税の減税措置というのは延長して、テレビを普及さすべきだと思っておりますが、大臣、この点はどういうふうにお考えになりますか。
  18. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) これは所管といたしましては、御承知のように大蔵省と通産省の関係であって、特に関係の深い私といたしましては、この時限立法というものがさらに効力を続けていくということは、日ごろ望んでき、また、就任当時から省におきましてもそういう考え方努力を続けておるわけです。率直に申し上げて、非常に困難で、私の力をもってしては……。あるいはまた、客観情勢と申しますか、大蔵省、あるいは通産省両者の考え方というものが、もうこれはこの辺でいわゆる二〇%にするということはやむを得ないんだという意見も、かなり強いわけです。私は、これらのことについていろいろ努力をいたしておりますけれども、見通しとしては、率直に申し上げてよくない、まあこういう見通しでありまして、私といたしましても、まことに遺憾なことである、しかし、まだ望みを捨てておるわけではありません。大蔵大臣、あるいは通産大臣等にもこのことについては要望を続けておるというわけでありますが、見通しとしては悪い。これは率直に申し上げなければならぬ次第であるわけであります。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 努力をされておることはわかりました。ただ、どういうわけで大蔵、通産がもう今その減税措置というものをなくする時期だと、こういうふうに言っておられるんでしょうか、これは通産大臣なり大蔵大臣なりをここに呼んで聞いてもいいんですが、大臣いろいろと折衝されておると思いますから、閣議の中でも、あるいは個別的にも、両大臣に対してお話し合いをしておると思うのですが、どういう理由でそういうふうに言っておられるのですか。
  20. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) これについて私の方は、今申し上げたように、これをさらに延期をしてほしいということの要望でありますが、向うとしては、大蔵大臣等の考え方としては、もうこの辺で打ち切ってもらいたい、そういうようなことで、どういうわけでと言うてくれれば、私としてはそれに対して相当抵抗をしてみようと思っておりますけれども、やむなくそうするのだ、こういうような結論を向うは示しておるわけであります。どういうわけでこうだというようなことを、ことさらに私は耳にいたしておりませんが、私の方も理屈なしに、何とかもう一年延べてくれというようなことを言っておる段階でありますが、空気としては、申し上げたようによくない、こういうわけであります。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 その点は、大へん立ち入って恐縮でございますが、私は、非常に御答弁を聞いて不満に思うのです、特にこの点は。少くとも、理由なしにとにかくもうその時期だと、またあなたも理由なしに一つ頼む、こういうふうな禅問答的なことをやっておってもらちがあきませんよ。われわれだって大臣から、大蔵当局はこういう理由によって反対されておるのだ、通産当局もこういう理由で反対されておるのだ、その理由が納得できれば、私たちも自分たち意見を固執せずに、率直に申し上げるかもしれませんし、少くとも責任ある大臣が、所管は向うでありましょうが、しかし、直接にこのテレビを監督していく立場に立っておる大臣でありますから、もっと私は責任のある、そうして自信のある、今日の放送事業に対する大局的見地に立って、少くともこの減税措置というものは、あと一年か二年続けていくべきだ、こういうあなた、強い信念を持って交渉してもらわなければ困ると思う。まだ最後的な段階ではないというお話でありますから、そういう意見一つ明確にして、大臣からかけ合ってもらいたいと思うのです。もしそういうあいまいなことであれば、私たちはまだ委員会があるわけですから、次の機会に大蔵大臣と通産大臣をここに来ていただいて、私は意見として申し上げたいし、意見も聞きたいと思いますけれども、そういう自信を持って大臣御折衝していただけますか。そんな子供に言うような無条件で頼む、無条件でためだという、そんなような気の弱い大臣ではだめです。
  22. 光村甚助

    光村甚助君 大臣、さっきからあなたの御答弁を聞いておりますと、今、鈴木君が禅問答だと言いましたが、ほんとうに禅問答なんです。NHKの放送法改正をやるのは世論だとあなた言って、やらなければならない、しかしどう改正するかはわからない。今も、NHKの立て直しの問題でも、何らかの方法で立て直さなければならない、いずれの方法をとるかわからない、さっきから、私にとってはまことに非常にありがたい御意見で、能率的には、追って立て直さなければならない——。何ですか、目下調査研究、これでは審議にならないですよ、実際委員会としての。あなたはこの間の新聞論評にも出てたのですけれども、全く人を食ったような答弁です。戦前の大臣答弁なら非常に偉いかもしれない。前の田中郵政大臣なんか、ほんとうのところざっくばらんであった。ざっくばらんであまりできやしないことを二千も四等局を作るような、できもしないことを言った、あんなことを言ってもらわなくてもいいんですから、目下調査研究、いずれの方法でどういう措置をとるか……。これでは委員会の私は審議にならないと思うんですよ。あなたがそういう意見であったら、あしたから僕らは審議があるのですが、そういう禅問答なら、私は審議できないと思うのです。だから、少くとも大臣になったら、私どもはそれをあげ足をとろうと思いませんから、少し誠意のある答弁をしてもらいたいと思うのですが、どうなんですか、実際ばかばかしいですよこれでは。
  23. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) 光村委員の私に対する御注意は、これは誠意をもって拝聴いたしますが、事がきわめて重大な問題については、これは今あなたに質問を受けたからと言うて、私が自信のないことをお答えするということこそが、私は、はなはだ無責任だ、こう考えるんです。ですから、そういうことについて、何か言わそう何か言わそうということで御質問されても、これは私としてはお答えできない。それですから、そういうことについては、私がいつまでもそういう形で置いてくれと申し上げるのではない。まだ所管の説明も聞いているそのさ中であるから、私としては、放送法改正等のきわめて重大な案件については、少くもこれを軽々に私が自信のない答弁はできない、これは私の信念でございます。そのことによって、あなた方がけしからぬ大臣だ、なぜはっきり言わぬかと……、はっきり言うにも検討中であり、ほんとうに私が自信を得るということは、これから半年も一年も先ということでないですが、今少し研究をさせていただき、検討をさせていただく、こういうことに御理解をいただかなかったら、私は大臣としての責任はこれは果せない、こう考えております。
  24. 鈴木強

    鈴木強君 大臣のおっしゃることも私たちわかりますから、お断わりをしつつやってきているんです。ただ光村委員は、だから聞いておっていかにも自信がないじゃないか、もう少し自信を持って大臣としての信念を吐露してもらいたい。特にこの委員会はほかの委員会と違いまして、委員会になりますればあなたも所管の大臣であり、われわれもそんな形式的にものを論じるということでなしに、ほんとうに腹を割って、そうしていろいろ委曲を尽して話そうじゃないか、こういう気持になっているんですよ。だから、決してあなたに何か言わせよう言わせようなんということはないんですよ。そういうふうに大臣がわれわれの腹を勘ぐっておるのならそれは認識の大間違いだ。それは、私たちは信頼できる大臣であるし、大いにあなたの所管事項に対してはがんばってもらいたいしまた、われわれも微力であっても一つ協力していこうじゃないか、できるところは。そういうつもりで、もっと親近感を持ってわれわれはやっていきたいということなんです。まああなたが議長席にすわって苦虫を食いつぶして議場を眺めるようなことを、だれかひやかしておったのだが、そんなことでなしに、にこにこ笑いながら、もっと身近かにやっていこうということを光村委員がおっしゃった。私も、言葉が過ぎたかもしれませんが、最後に申し上げたことは、少くともテレビの物品税の問題については、もうすぐに七月の一日です、ですからこれはもう検討中ということは許せないと思うんです、率直に言って。前の大臣から引き継ぎがあったと思うんです。私はあなたがどういう折衝をされたか、所管大臣でないのだが、放送事業というものを見る立場に立っているのですから、そういう意味で、前の大臣努力をして約束してくれてやってくれたのですから、もっと私は理屈のある根拠をもって大蔵、通産大臣にあなたが当ってくれたと思った。ところが、答弁を聞いていると、もう無条件に、理屈なしに、ここらが時期です、こうおっしゃっていると言うから、そんなことじゃ因ります、もう少し自信のある、私たちはこういう事由によってだめだ、ことしからは六月一ぱいでがまんしてもらいたいという理由が示されれば、私たちもその事由によって納得しましょうというのです。ところが何も言わないで、そういうから聞いてきたということをここで言われたんじゃ、何のための大臣かということを私は言いたかったので、ちょっと言葉が過ぎたかもしれませんが、最後のテレビの物品税の問題について、もう少し私は確信のあることをこの委員会で聞かしてもらいたい。結局、大臣に何か言わしてあげ足を取るなんということは考えておりませんから、安心して一つ言って下さい。私は、正直ということが一番好きなんです。何か正直に言わないのはいけないと思う。間違いもあるかもしれません、人間は。だけど間違いは間違いで正しておきましょうや、率直に。だから、ほんとうに他の大臣が、無条件で何にも理屈なしに、今が時期だからやめてくれ……。こう終始言ったとすれば、これはあなたにそれ以上私が言っても答弁はできないと思いますけれども、そうでもなさそうにも思いますから、もう少し閣僚同士の話ですから、お互いにこういう理由によって一つもう一年間なり、二年間なり延ばしてもらいたい。こういうことを大臣もおっしゃったでしょうし、また、大蔵、通産も、実はこういう事由があって、実は一つ物品税はここらでがまんしてもらいたいという話のやりとりがあったんじゃないかと私は思う。なければおかしいと思うし、そういう意味から、実はあなたにもう少しこの点だけは正確に一つ確信のあるところを聞かしてもらいたい。こういうふうに申し上げておるわけですから、誤解をしないで一つお願いしたいと思います。
  25. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) なかなか御質問が……。大蔵大臣かあるいは通産大臣がどう言ったんだということについて、私が、どうも大蔵大臣がこう言った、ああ言ったということをお答え申し上げるということについては、私は、考えざるを得ないのです。私は、こうした大衆の持つ日常生活のかてともなっているテレビ、しかも十四インチ等のものに対して時限的に一七%、いわゆる三%税が軽減されている。こういうことは、今テレビに対する熱意が非常にさらに高まりつつあるのであるからして、それで、これを一つさらに延ばしてほしいということに対して、向うは、それは困るのである、こう言っておるのですから、その会話を、どういう会話をかわしたかということを言っても、私が閣議で、あるいはその他で言ったことを、鈴木委員に私がこう言った、ああ言ったと申し上げることは、鈴木委員考えになっても、何か私はそれでは不見識なような責任を感ずるわけなんです。それですから、私がそうした努力が足りないというおしかりは、私のもうほんとうに責任であり、その責任感じ、あなたのおしかりを私は心から感謝をしつつお受けせざるを得ないのです。郵政大臣きさま力が足りないから——その通りでありまして、私がさらにもう一年なり二年なり延ばし得ないことは、このテレビに対する私の立場からいうと、私の力が足りない、これはあなたのおっしゃる通り。けれども、向うがどう言ったかということに対するお答えは、私はまことに申し上げかねるわけであります。私は、今の段階では、さらに一つ延ばしてほしいという要望を目下しているわけでありますから、それですから、さらにもっと強く最後の努力をせよ、また私もしなければならぬと思う。そういうことに対しては努力をいたしつつありますが、見通しとしては、こういうことで御了承を願います。
  26. 鈴木強

    鈴木強君 大臣にいろいろ御所見聞いておるのですが、大事なところで私たちから見ると、確かに、言い方は悪いかもしれませんが、逃げていくような気がするんですよ。もっとざっくばらんに……。別に私は大蔵大臣がどうのこうのということを推察してということでなしに、少くともあなたが一七%でとにかく今しばらくやってくれということはわかりました。そういうことをあなたが言ったことはわかりました。そういう意見で大蔵、通産にお話をして下さったと思うんです。ところが、向うはそれに対して、何かやはり言っていると思うんです。言っていると思うんですが、そのことは、やはり国民に私は知らしてやるべきことだと思うんですよ。かりに七月一日から二〇%に不幸にしてなった、あなたが、私の力の足りないところでありますと。これはもちろん謙虚な態度で臨むことはけっこうでありますが、しかし、それだけでなしに、こういう理由によって、実はせっかくテレビの発達の段階における措置としてのささやかな政府措置であるが、こういう措置をとって、もっと普及発達させるように努力をしたんだが、実は政府のこういう実態によってできなかったけれども……まあそれはどんなことになるかわかりませんが、そういうことをやはり国民は知りたいし、そういうことを知ることがやはり政治ですよ。ですから、何も大蔵大臣が言ったことを、もっといろいろな点に勘ぐって、われわれがここで言えというなら、それは大臣が言えぬということもわかりますよ。しかし、あなたがこういう点でこうやってくれと言うことに対して、大蔵省なり通産省が言ったことが、ここで言えないということじゃ私はないと思うんですよ。それじゃ、われわれは、やはり郵政大臣や大蔵大臣なり通産大臣をここへ呼んできて聞かなければならぬが、それも、ぶざまじゃないですか。とにかく郵政大臣が入っておられるのですから。必要のないことじゃ私はないと思います。決して失礼なことでもないと思いますし、閣議の秘密事項をここで話せというなら、あなたもそれは怒られるかもしれませんが、そうじゃなしに、まことに理屈のある問題に対して、どういうふうに御折衝をなさって、向うはどういうお答えでことしからやめてくれとおっしゃっておるのか、その理由を明らかにすることが、あなたの大臣としての立場としても、当然のことじゃないかと思って聞いているんですが、しかし、どうしてもおれはそんなことはしゃべれないんだと言うなら、私たちがこれ以上もうお聞きしてもお答えにならぬでしょうが、私たちが言っていることは、決して筋の通らないことを言っているとは思わないし、当然ここであなたが、われわれに聞かすべきことを聞かせないということは、筋が通らぬことで、重ねてこの点はもう一回申し上げて、だめならだめでけっこうです。
  27. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) なお、明日も委員会があるやに聞いておりますから、この問題については、私から明日またもう少し……。鈴木さんのあるいは御満足がそれでもいかぬかもしれませんが、いま少し私も、さらに折衝をしました結果等をお答弁申し上げます。
  28. 光村甚助

    光村甚助君 大臣に伺っていることに、ちょっと怒っておられるんですが、あなたが怒ればこっちの勝だと思うんですが、私らは、国会を通じてあなたからやはり発言をもらって、それがやはり国民の前に明らかになるのが国会なんです。私は、この間衆議院の委員会を聞いてみました。あなたと森本委員との禅問答も聞いてみましたが、前の田中大臣が、全部短波にしようと言っていたんです。そうするとラジオを買いかえなくちゃならないじゃないか、ラジオを持っている国民が、皆戦々きょうきょうなんです。今度の大臣はどうなんだということを森本委員が聞いている。それであなたは、目下調査研究中だ、何を調査研究しているんだと森本委員か言っている。国民が聞きたがっているじゃないかということを聞いているわけです。一日も早く国民は知りたがっているんです。短波でもやられたら大変だ、貧乏人は、なけなしの金でラジオを買いかえなければいかぬというので、国民関心の的なんです。だから郵政大臣になったら、少くともそういうことは早く研究して、おれはやらないんだ、しかし、これはやらなければならないなら、三年計画くらいにやるんだ、こういうことでやってもらわぬと、われわれが納得して……。あなたの意見が、国会を通して国民にわかるわけです。そうするとラジオを持っている人は、今急にやらぬでもいいんだなという安心感がある。前の大臣は、いかにもやりそうだから、皆びっくりしている。そういう点をあなたに聞いているわけです。何もあなたをいじめて、あげ足をとろうというような考えは、実際上持っておりません。それから、さっきのむし返しをするわけじゃないんですが、放送法改正は世論だとおっしゃるんです。世論なら世論の方向に従って、どういう方向に改正しなければならぬというあなたは具体案があるはずです。私は、放送法は改正しようという世論が上っているとは思っていない。だから、そういう点で話し合いをすればわかる。私が言ったのは、何か前大臣のように、人をなめたようにあなたたち二人はやっているかもしれませんが、聞いている私たちは、何を言っているかというようなことを考えても、ちっともわからないじゃないか。これじゃ国会で明らかにならないのです。そういうことでなしに、ほんとうに一つこの委員会を通じて、国民に明らかにしてもらいたいということを言っているんです。別にあけ足をとろうというんじゃありませんから、誤解のないように。これは田中前郵政大臣なんかは、実にあけっ広げで、できもしないことを次々に打ち出して、かえって好感を持たれて、聞きもしないことまでどんどんしゃべっちゃう。あの人の郵政省の本年度の仕事のあり方というものをわれわれつかめる。それは、私は人のあげ足をとってどうこうというのではありませんから、そういうことのないように、今後一つ議事を進めるように御協力をお願いしたいと思います。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 それじゃ大臣、その次に、今テレビの問題が出ましたが、テレビの影響というものは、非常に顕著に最近いろいろな面に現われてきていると思うんですが、私も非常に心配しておりましたことが、たまたまこれは朝日新聞の六月二十二日の夕刊に「凶悪犯続出とスリラー番組、テレビに責任はないのか」というような、解説みたいなものが出ているんですが、この内容を私が読んで、自分でテレビに対して持っておったような気持がここに書き現わされているような気がしたわけです。先般いたいけな十幾つですか、十三ぐらいの姉妹が父親を絞め殺したというようなことですね、こういったことを考えても、この中で取り上げているように、どうもあまりにも犯罪的な場面がテレビに多いんじゃないか。ここに統計的に出ておりますが、ちょっと見ましても、一週間に百九回の犯罪場面が見られると書いてある。刃物や飛び道具が出てくる場面が八十二回、非常に画面にこういう凶悪犯的な点が多いので、こういったことがいろいろな最近の犯罪行為に影響しているんじゃないか、こういうのが見出しになっているんですが、これはもちろんテレビの方は、テレビ会社として、自信を持って放送されていると思うんです。また、それを受ける国民は、正しい判断の上に立って見ていると思うんです。だから、私はどちらが悪いというようなことをここで言う気持は全然ないのでありますが、しかし、この番組の編成内容等につきましては、これはわれわれ国会におきましても、相当私は関心を持っておるところであります。で、放送法に基いて、番組審議会がございます。そこにおいて相当に論議を尽してやられるわけでありますから、私たちは、それに対してつべこべ言う必要はないと思いますが、ただ、法律によって、こういう番組編成内容に対して政府が干渉する、こういうことは絶対に私は反対であります。しかし、放送される当事者、こうした人たちの倫理観といいますか、やはりテレビに対する責任といいますか、そういったものを十分に持っていただけるような、何らかの懇談的な場面でもいいと思うんですが、やはり民放連というものもあるわけでありますから、そういう機会を通じて、政府と懇談的に、こういう番組編成に対して、やはり話し合いをするようなことが必要な時期にきているんじゃないかと思います。その点に対して、郵政大臣はどんなふうにお考えになっているのか、簡単でけっこうです。これの御所見を承わりたい。
  30. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) このことについては、私は鈴木委員と全く同感でございます。番組編成そのものにとやかく干渉する、これはもちろんできませんけれども、しかし、そうした少年の犯罪等がテレビの影響によって、各所でそういう犯罪事実が起る、それはテレビが影響して、それによって、それがまあ主たる原因になっているというようなことは、これはゆゆしい社会問題として、その番組編成に干渉するとかどうとかというような問題ではなく、もう社会問題として、まあ懇談会とか、あなたのおっしゃったようなことの際において、こういう問題を懇談的に善処方を相談をしていくというようなことは、私は当然必要ではないか。この点においては、鈴木委員の御意見と全く同感でございます。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 私は二つの立場からこの点を考えていただきたいと思うのですがね。幸い大臣も私の意見に同感でありますので、誤解があってはこれは非常に困りますから、特にこの際申し上げておきますが、私はこのテレビの、今申し上げた百九回の犯罪場面を見せつけられ、凶器や飛び道具が出てくる場面が八十三回ある、一週間にですね。こういうことが凶悪犯続出の原因になっているのじゃないかという、こういう一般的な見方があると思うのですよ。しかし、これに対して、実際に放送をしている当事者の方から言いますと、ここにも——まあれは朝日新聞の記事ですから、私は間違いはないと自信を持っているわけですが、たとえば日本テレビの久住編成局長は、こう言っているのです。「殺ばつな番組でも一向にさしつかえない。探偵物でも悪玉は必ず捕まり、勧善懲悪の教訓がちゃんと織りこんである。暴力は決して賛美してないのだ」、まあこういうふうに言っているのです。ところが、一方警視庁の近藤防犯部長は、こう言っている。「最近、少年がけんかをするとか、タカリをするとか、徒党を組んで乱暴を働く傾向が強まって来たのには、テレビの影響があるだろう」、これはまあ断定はしてないが、あろうというふうに見ておられる。こういう見方に問題がある、両方の見方にですね。  ですから、私たちはただ観念的に、ここで影響があるのだという断定はもちろんできません。ですから、こういう両者の見方というものを、やはり分析をしてみて、政府として、法律によってとか、命令によってとか、そんなことは当然大臣考えておられないでありましょうが、倫理的な問題として、道義的な問題として、やはりいろいろな角度から研究をしてみる必要があるのじゃないか、こういう立場に立って私は申し上げているわけであります。ですから、まあやり方によりますと、非常にこれは波紋を起しますから、慎重に十分御検討なさって、そうして両者の意見を十分聞いて、こういう趣旨によって一つやろうというようなことについては、きん然と賛成をされた上でやっていただきたい。ただばく然と招集をして、テーマを与えてやるということじゃなしに、その趣旨を十分に理解していただいて、そうして両者で一つ研究してみようじゃないか、雑談でもいいから研究してみようじゃないか、検討してみようじやないか、こういうような雰囲気の中で一つやっていただくというような、まああっせんと言いますかね、そんなような機会を作っていただきたいという希望意見を申し上げたわけですから、その点は一つ誤解のないようにしていただいて、今後善処していただきたいと思います。  それから次に、まあ前大臣が、非常にチャンネル・プランの割当、そうして予備免許等もたくさんなさいました。しかし、その後いろいろと各局とも準備を進めていると思うのでありますが、あなたの新聞記者との会見の際の御意見等を聞きますと、非常に予備免許を取るまでに金がかかって、そうして今開設の準備をしているわけですが、なかなか資金的にも困難なものがありそうだ、こういうような見通しを持たれているようでありますが、確かにわれわれ見て回ってみましても、非常に資金的な面で苦慮しているところもあるようであります。ですから、こういう点についてもう少し体系的にあなたが考えてみたい、体系と系統ですね、こういったものを一つ考えてみようじゃないかというお考えを持っておるようですが、私はこの際新大臣としてはっきり一つ所見を承わっておきたいのは、このテレビ、放送、新聞、こういう言論機関の問題についてでありますが、私は少くとも一つの、一人の人が新聞も、ラジオも、テレビも独占していくということは反対なんですよ。この点は前の大臣も、政府も同感であったわけです。で、その思想に立って、予備免許のときにもいろいろな条件をつけておりますが、たとえばその後ずっと見ておりますと、相当にうまくいっている、大多数のところは。しかし、若干幾つかのところは、いろいろな条件があるのでしょうが、沈滞しているようなところもあると思うのですが、そういう点についても、ただ形式的に、たとえば社長をやめたような格好になっていますが——新聞社のですね。まあ実際にその実権を握った人がテレビの発起人になっている、代表者になっている、こういうようなこともなきにしもあらずだと思うのですよ。そういう点も一つ十分予備免許を与えて、その条件を満たすということにならないときには、これは取り消すこともあるわけですから、その条件については一つ十分に守っていただくように、新大臣としても一つ考え下さると同時に、系統的な体系をそろえていくという点についてどういうふうに考えていくのかということだ。その点も一つお聞かせいただきたいと同時に、かりに、もしも条件に満たないでずるずる延びていってしまって、そして決定されておる、指定されておる日までに開設ができなかった、そういうふうな場面もなきにしもあらずだと思うのです。そういう際には、再申請とか何とかも出てくると思います。しかしその際、今までの申請の中に入っておったような人たちが、またあらためて申請をしてくるというようなこともあり得ると思うのですが、そういうふうな場合にはどういうふうに対処される御決意でありますか。この三つの点をちょっと承わっておきたい。
  32. 寺尾豊

    国務大臣寺尾豊君) これはいわゆるマス・コミに対しての独占というものは、これは好ましくない、まあこういう基本的な考え方に立って、前田中大臣、あるいは前々大臣等もいろいろ苦慮せられて、そしてその申請者に対してはいろいろとあっせんもし、またいろいろ懇談もして、予備免許を与えた。特に、もうここに出ておる濱田局長なぞは、そういったようなところにまあ心配をされてきたということは御承知の通りであります。大部分は、私は順調に建設、あるいはその他の準備が進められておると思います。しかし、中には必ずしもそういっていない、こういう点については、やはり予備免許を与えて、いわゆる郵政大臣としては、これを健全に発達をいわゆるさせしめるということに私は責任があると思います。許可を与える、しかもこういう方法によって、一つ和をもって、まあ一口にいえば相協力して、この高度の使命というものを果していこうじゃないかということでありまするから、こういう、このあととかく円滑を欠いたり、開局に対する建設その他に支障を来たしておるということに対しては、相当関心を持ってこれを育成をしていく必要があろう。正常な形に一つ協力をしていくということは、私はしなきゃならぬ。まあそういう意味で、私はできるだけそういったような、現地も見せてもらいたい、こういうことを考えておるわけであります。  ただ、系列云々とかいうようなことについては、私はそういったような考え方は持っていないので、これはむしろ各会社が高能率、高度にその経営というものを、企画というものを経済的に技術的に優秀な企画を立てて、そうして自分の持つその高度の経営というものをやっていく、ただこれは専門的な問題でありますから、局長にもそういったような点を答えていただかなければならぬと思いますが、何というても技術的な面も相当大きく考えていかないと、今後各会社が各放送、このテレビが開局せられ、そうしてその有効エリア等がはっきりいたしますと、その間にいろいろブランク、あるいはその間のさらにそれを調整しなければならぬというような問題も起ってくると思うのですが、そういう問題については主として技術的にそれを解決をしていかなければならぬのじゃないか、お互いが自分の会社だけのことを主張していく、あるいはその同じ会社の中でも相対立して相剋、摩擦を起すというような形は、これはすみやかにそういうことは是正をしてもらわなければならない、予備免許を与えましたそのときの条件というものは、この会社々々によってはっきりいたしておりますから、それらの点を順守して、そうして高能率に、技術的、経済的に会社の建設あるいは放送というようなものを高能事に発揮してもらう、そうして最後には今申し上げたように、全国的にやはり技術的な調整、その他の、私は、問題が出てくるのじゃないか、こういうように考えております。これらは現地等の視察もし、あるいは建設状況も見せてもらい、あるいは今日若干の会社では、まだ資金の問題も見通しがつかないというようなものもあるかに私は聞いておるわけです。そういう各般の問題について郵政大臣といたしましては、健全にこれが所期の目的を達し得られて、そうして能率の高い放送がなし遂げられるように、これはあらゆる点で努力をして参る、卑近な言葉でありますが、めんどうを見ていくべきだ、こういうように考えております。  それからこれは、福島には予備免許を与えようとしたものがどうもうまくいかないというようなことについては、この予備免許はこれは与えないというようなことを、一応局長の方でもそういう意見を持って私に報告をしておるのでありまして、そういうような際には、現にそれらに対しては注意も喚起をするし、また再び免許をそれに与えられ得ないものは与えない、こういうはっきりした方針で、厳重なる方針で進みたいと、こう考えております。
  33. 濱田成徳

    政府委員(濱田成徳君) 最後に大臣のおっしゃったことについて、失効したと、効力を失ったと申しますことは、昨年の十月の末に停止条件付の予備免許を与えたわけでございますが、それが本年の三月三十一日までこうこうこういう条件が具備せられなければ失効するのでありますが、それが三月の末までに充足されないところが一件、それがラジオ福島というわけであります。なお、先ほど大臣が申されましたマス・コミュニケーションの独占という問題、これにつきまして少しく補足させていただきます。これにつきましては、昨年のテレビジョンの大量の予備免許のよってたったところの根拠一つには、最も大きなものにはマス・コミの独占排除があったわけです。これにつきまして免許方針、条件というよりも免許方針といった方がいいかと思うのでございまして、免許方針政府と申請者との間に相談の結果作りまして、それによってかような免許を与える、その精神があくまで満たされるように、あらゆる努力を今日でもはかっております。おおむね最初の希望のように、計画のように進行しておると考えております。しかし、多少ここに疑義のある問題もあるのでありまして、たとえば新聞事業者とそれから放送事業者が兼ねるというような問題に多少疑義がある場合もありますけれども、そういう場合に、率直に私どもの方から意見を開陳しまして、なるべく最初の方針通りやってもらいたいという申し入れをいたしまして、そのようにさしてもらっております。でございますので、多分大がいのところは、三十四社三十六局の予備免許を与えたわけでございますけれども、大がいのところは最初の条件通りに事が進むものと確信しております。
  34. 山田節男

    ○山田節男君 時間が大へんおそくなりましたが、委員会もこれからあまり開く機会もちょっとないと思いますので、ちょっと二つだけお聞きしておきたい。濱田電波監理局長にお伺いしたいんですが、過日のカラー・テレビジョンの標準方式に関するモスコー会議の結論ですね。結論だけ一つ簡単にお伺いいたします。
  35. 濱田成徳

    政府委員(濱田成徳君) 先日モスコーの無線通信諮問委員会に出席いたしました日本代表が帰って参りました。きわめて簡単に報告を聴取しました結果を申し上げます。それによりますというと、カラー・テレビの標準方式は世界的に統一するような結末には参りませんで、来年の無線通信諮問委員会の総会までに結論を持ち越そうということになったというのが簡単な結論でございます。ついでをもって申し上げますというと、ソ連は大体NTSC方式のソ連版というようなものをやっているのであります。非常に熱心にやっているようでございます。しかし、それと西欧側のアメリカはもちろん、イギリスあるいは西ドイツ、イタリア等々とも非常に違うのでありまして、それを統一しよう、たとえば走査線の数を同じにしようとか、あるいはバンド幅の、六メガとか七メガと申しますバンド幅を同じにしようとか、そういうふうな技術方式を統一するということにつきましては意見が一致しませんので、これはもう少し研究して情勢を見よう、来年四月、これは多分アメリカのロスアンゼルスで開かれるだろうと思うのでありますが、その会議まで持ち越そうではないか、そうなったわけでありまして、決定的なことには相なりませんでした。
  36. 山田節男

    ○山田節男君 郵政大臣に、これは先ほど来、鈴木、それから光村君の質問に対する答弁があったのですが、日の浅い大臣が、これから御勉強になるということは、私はもっともだと思うんです。今、電波監理局長の御答弁にあるように、カラー・テレビジョンの方式については、まだ決定的な結論が出ていないわけです。しかるに政府は、現在NHKにはUHF、VHF、それからNTVに対してVHFのカラー・テレビジョンの実験放送をやっている。自来このカラー・テレビジョンをめぐりまして、早くカラー・テレビジョンを正式放送にしてくれという主として民間側の希望があったわけです。しかし、濱田監理局長の御報告にあったように、今後のカラー・テレビジョンの標準方式の結論は、明年のアメリカにおける会議で最後的な解決、結論が出るかもしれません。しかし、今日の日本の白黒テレビジョンの発達の経緯から見ましても、また日本の経済力から見ましても、カラー・テレビジョンというのは、これは時期尚早である。これは私は、政府もこの点については異論がないと思います。しかるにこのカラー・テレビジョンの実験放送から本放送に移行することについて担当暗躍、盲動といえば語弊があるかもわかりませんけれども相当これに対する強い要求があるということは事実なんです。これは、寺尾大臣御承知のように、われわれが一九五一年にアメリカに行って、カラー・テレビジョンの標準方式がいかにあるべきか、白黒テレビジョンの標準方式がいかにあるべきかということを、実地の最高の権威者に会って、帰ってきて、われわれは当時の電波監理委員会にGHQの命令があるにもかかわらず、慎重に方式を出したという経緯から見ても、カラー・テレビジョンの完成として時期尚早だということは、私は、これはすみやかに政府の意思として声明する必要があると思います。従って、その理由は白黒テレビジョンの現在の発達の状況から見ると、経済力、それからまだ標準方式が国際的な決定を見ていない、この点からして私は時期尚早であるということをすみやかに政府寺尾郵政大臣あるいは岸首相を通じて天下に声明さるべきものである、かように私は考えております。  それから同時に、今日まで行われておるカラー・テレビジョンの本放送移行に関するいろいろな動静を見ますと、昭和二十六年、七年にかけての日本のテレビジョン放送の標準方式の問題と、それから放送を、民間放送を先にするか、公共放送を先にするか、同じような状態が今日起きておるわけです。私から申せば、電波監理委員会の出した白黒テレビジョンの標準方式あるいは民間のNTVに最初に予備免許を与えたということは、これは非常な失敗であった。失敗であったということよりも、過失であったと私は信じております。ことにカラー・テレビジョンに至りましては時期尚早であるということを声明されると同時に、おそらく今後大臣あるいは政務次官あるいは事務次官、あるいは電波監理局長に対していろいろな陳情、策動があるのではないかと思う。ですから、これはやはり白黒テレビジョンの失敗を繰り返さないように、大臣並びに首脳部の方々は慎重な態度をとってもらって、これは今、大臣が所信を声明されるべきですが、あまりきょうは時間が短かいから、研究が足らないとおっしゃるだろうと思ったので、私はお願いにかえておきますけれども、これは重大な問題でありますから、大臣にこのことを強く御要望申し上げ、電波監理局長あるいは政務次官とも一つよく十分御検討願って、こいねがわくはもう早計な軽率なことはしてもらいたくないということを、私はこれは御注意と御要望とを兼ねて申し上げておきます。  それからもう一つは、電電公社の副総裁が見えておりますから、大臣の目の前で私は申し上げておきます。それは、今年度から第二次の電電公社の五カ年計画を発表された。二十八回国会において、これに対する計画の概要書を見まして、梶井総裁に対して電気通信事業、特に電話電信事業はこれはオートメーション化するということは、寺尾大臣も実地に御存じのことです。不可避的なものであります。五カ年計画によって最終年度六〇%が自動的なダイヤル化する。しかし、今日の世界情勢から見れば、三十八年度に六〇%しかダイヤル化できないということは、これは大臣のお言葉ではないけれども長引いておる。これは私しろうとでありますけれども、昨年アメリカの電話事業の実際をわれわれが寺尾大臣とともに見学した際、電話施設について市外通話の計算、料金、時間、これが全部オートメーション化している。電話の中継もいわゆる電子工学の発達によりまして、エレクトロニック・コンピューター、これは交換手がもっと要らなくなる。こういうようなことが必ず来る。また、それに応じないような電話サービスでは、一般大衆は困るわけです。そこで、二十八国会にも梶井総裁にも申し上げたのですが、この第二次五カ年計画におきまして、単なる電話の増設というばかりではなく、オートメーション化を絶対にやらなければいかぬ。そうなりますと、先ほど鈴木委員が言いましたように、いわゆる労働力の排除、人員の排除ということが必然的に起きてくるわけです。これは五カ年計画によらず、オートメーション化するのには当然人員排除ということが問題になるからして、人員を排除しないように経営を続けていくためには、五カ年計画と同時に、やはり人的面をどういうふうにするのかという計画をあらかじめしておりませんと、こうなったのだからやめろというのじゃこれはいけない、そういうことを私は申し上げておいたのですが、靱副総裁にお伺いしますが、五カ年計画に関連してこういう人的要素に関するオートメーション化と同時に、人員の配置というものの変更が将来どうなるかということは、必ず重要なる案件として考えを立ててもらいたいということ、私はこういう御要望を申し上げておったのですが、電電公社として、そういうことについて手をつけておられるのかどうか、この点を一つお伺いしておきたい。
  37. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答え申し上げます。五カ年計画の遂行に関連しまして、当然公社といたしましては、要員問題を重大な問題として考えております。従いまして前国会委員会におきましても、委員皆さんから御質問がありまして、若干の資料はすでに御提出してございます。  なお、各年度あるいはなるべく早い機会をもちましてさらに具体的な実行案というものを組合側に提起いたしまして、双方とも十分協議しまして決定していくという協約も作りまして、大体見通しとしましては、全国的に見ましてかなり困難な事情がありますけれども、これらにつきましてもまずい配置をしないで済むような措置を、第二次五カ年計画におきましてはとれるという見通しでやっておるわけでございます。しかし、それにつきましては、通勤可能な距離、こういうものについて、配置転換に応じないというような態度ではなかなか解決つかぬ問題なので、これはやはり職員のそういう協力を得るということで、計画の事前協議というような形で推し進めまして、この点につきましては大体円満にいくという方向で考えております。
  38. 山田節男

    ○山田節男君 これは、ことに五カ年計画でオートメーション化に伴う要員の排除——要員が少くならざるを得ない。このことについて、これは絶対条件ですから、絶対的な結果になるわけですから、五カ年計画の大まかでもいいから、全体的な、オートメーション化したらどうなるか、何千人要らなくなるかということを私は、すぐということはむずかしいだろうと思うのですが、初年度においてこれだけのものをどうしてもオートメーション化せざるを得ない、そうすれば幾らの要員がこれは余る、ということは大体の予算が立てば目鼻がつくだろうと思うのです。私は、これはことに西ドイツで感じたことですが、あれほどオートメーションの徹底している国は、まず経営者側でそういうものをきめますと、事前に労働組合の代表と、この要員排除の部分はどうするか、どうしてもオートメーション化せざるを得ないということを、相互にきわめて協議的に、ざっくばらんに示し、また労働組合の方も、これに対する率直な意見をこれに加えてそしてそこに結論を出して、そのプランを実行していくということで非常にスムーズにいっておる。これはアメリカもそういうふうにやってる。だから、この電話事業のごときは、そういう必然的な運命において犠牲者を出さないということは至上命令でありますから、一年ごとでもいいから、そういうものができれば、これは何も国会に資料としてお出し願いたいということは言えない極秘の問題の部分もあるだろうと思いますが、しかし、少くとも労働組合に対しては率直にその点を、事前に示されて、やはりあなたの方の経営の誠意を持って、どうしてもこうせざるを得ないのだということによって案を示されれば、組合といえども経営者の方の信頼と誠意があれば、十分またこれに対して誠実にこれを協議する。これは当然私はそれだけの用意はされて、またされるべきものだと思うのです。ですから、この点は一つおそくならない前に、事前に一つ、少くとも当事者においては、労使双方で話し合うということは、事前に行うということは、ぜひやってもらいたい。これは私の希望ですが、従って寺尾郵政大臣にお願い申し上げておきますが、この電気通信事業——放送も加えてでありますが、オートメーション化しないために、今日一年おくれておりますと、非常にサービスが悪くなる。正確と迅速を尊ぶ放送も加えて、電気通信事業というものは、それほど時代の技術、科学の進歩に追われているわけですから、これに対する、たとえば放送事業あるいは電電公社、こういうものに対する資金の融通、建設事業、こういうものに対しては、これは私は田中、あるいは前々大臣の平井郵政大臣がいろいろ努力されたことは認めますけれども寺尾郵政大臣としましては、よりテンポを早めておる今日におきまして、そういう方面におきましては、やはり電気通信事業、放送等、そういうものにおきまして、どうしてもやらなくちゃならぬというものにつきまして、資金上の何といいますか、協力、政治的な面において協力願うということは、郵政大臣一つ責任を持って今後おやり願いたいということ、これも私はまだ所信の開陳がございませんから、ただ私は、あなたはかつての電気通信委員であり、その事業には相当精通しておられる方でありますから、特にこのことを期待し、強くお願い申し上げて私の発言を終ります。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 電波監理局長にお願いしたいのですが、三十三年度のNHKの予算審議の際に問題になりました外国放送の、NHKに対する命令書、これを一つ次の委員会までに、簡単だと思いますから、資料として御提出願いたいと思います。これは委員長一つ取り計らっていただきたい。
  40. 濱田成徳

    政府委員(濱田成徳君) 承知いたしました。
  41. 宮田重文

    委員長宮田重文君) 以上をもって、本日の委員会は散会いたします。    午後五時四十三分散会