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1958-07-02 第29回国会 衆議院 議院運営委員会図書館運営小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員
は
昭和
三十三年六月十六日(月曜日)委
員長
の
指名
で次の通り選任された。
飯塚
定輔
君
佐々木盛雄
君
福永
健司
君
松澤
雄藏君
三和
精一
君
木下
哲君
下平
正一
君 山本 幸一君 同日
松澤雄藏
君が
委員長
の
指名
で小
委員長
に選任さ れた。
—————————————
会 議
昭和
三十三年七月二日(水曜日) 午前十時五十九分
開議
出席小委員
小
委員長
松澤
雄藏君
飯塚
定輔
君
佐々木盛雄
君
三和
精一
君
木下
哲君
下平
正一
君 小
委員外
の
出席者
国立国会図書館
長
金森徳次郎
君
—————————————
七月二日
佐々木盛雄
君、
福永健司
君及び
三和精一
君六月 二十八日
委員辞任
につき、
委員長
の
指名
で小委 員に補欠選任された。
—————————————
本日の会議に付した案件
国立国会図書館
の
昭和
三十二
年度
業務経過報告
聴取に関する件 ————◇—————
松澤雄藏
1
○
松澤
小
委員長
これより
図書館運営小委員会
を開会いたします。 本日は、
国立国会図書館法
第十一条の規定によりまして、
国立国会図書館
の
昭和
三十二
年度
業務
の
経過
について
館長
から
報告
を聴取し、これを審査することといたします。 それでは、まず
館長
から
報告
を願います。
金森徳次郎
2
○
金森国会図書館長
昭和
三十二年の四月から
昭和
三十三年の三月に至ります
昭和
三十二
年度
の
国立国会図書館
の
業務
につきまして、
経過
の御
報告
をいたします。お手元にこの
年度
の
業務経過
の
資料
を差し上げておきましたので、
数字
に現われましたもののこまかいところは、これによって一応御
報告
にかえさせていただきたいと存じまするが、そのうちのおもなるものと、
数字
に現われなかった
業務
のおもなるものにつきまして、御
報告
を申し上げたいと存じます。 まず第一に、
国会奉仕
の概況でございますが、
国立国会図書館
が一番大切な任務にしておりますのは、
国会
に対して
奉仕
をするということでございまして、それに当りましては、
調査
及び
立法考査局
と
国会分館
が
仕事
の担当をしております。
調査
及び
立法考査局
におきまして、この
年度
に
依頼
を受けた
調査件数
は二千六百八十二件でございまして、その
内容
は、近ごろの傾向としてますます高度のものが多くなりまして、特に諸
外国
の実例を求められるということが非常に多くなって参りました。そのために必要といたします
資料
も、広く
世界各国
にまたがって収集をする必要がございます。三十二
年度
中におきましてのこの
依頼調査
のおもなるものを例示いたしますと、
主要各国
の
議会関係
及び
行政
、
司法関係
の
立法例
、
各国
の諸条約の例、
各国
の産業、
経済
の
実情
、
社会保障制度
の現状、
労働問題等
でございますし、また、
国内
の
法律制度
の
分析
、
経済
、
社会
問題の
実情
ないし
分析等
でございます。また、きわめて
少数
ではございますけれ
ども
、
議員立法
の
準備奉仕
といたしまして、
つまり
議案の草稿のようなものの要綱も作成をいたしておりまして、これらの
奉仕
につきましては、結局各
職員
の
共同研究
あるいは
専門調査員
の指導によりまして、
調査
の適正を期している次第でございます。 なお、最近各
府県
の
議会図書館
、
つまり
自治体の持っております
議会図書館
におきまして、この
立法考査業務確立
の
重要性
を認識せられまして、
図書館
にその
資料
を
依頼
された例もございますが、これと同じ線に沿いまして、本
年度
は
沖縄政府
の立法院から数名の
職員
が派遣せられてきまして、やや長きにわたりまして研修を行いまして、ある
程度
の
業績
をあげたではないかと
考え
ております。 次に、第二の問題といたしまして、
国際交換セミナー
の
開催
をいたしました。これは昨年、すなわち
昭和
三十二年の十一月四日から十一日までに行なったものでございますが、ユネスコと
アジア文化財団
の援助を得まして、
インド
・
太平洋地域
の
出版物国際交換
及び書誌に関する
セミナー
というものを主催いたしまして、これは
図書館関係
では
日本
で初めての試みでございましたが、広く
インド
・
太平洋地域
の人人に
参加
を求めたのでございます。大体この
参加者
は、この
地域
に存在するほとんどすべての国から一名ないし二名でございました。それに
日本国内
の学界、
図書館界
から十名、合せて二十一カ国約四十名、これによりまして、
出版物
の
国際交換
を通ずる
文化
の交流について、国の
内外
に
相当
の
影響
があったように思います。 次に第三の項目といたしまして、
図書館
の本
建築工事
の
進捗状況
の御
説明
を申し上げますが、
昭和
二十九年、少し古いことになりますが、そのときに第一回の
建築工事
が施行されまして、本
年度分
は第四回目の
建築工事
でございます。この
図書館
の
建築
は数年にわたって進行しておりますが、やや複雑な構造を持っております。大体分れ方が
二つ
でございまして、
一つ
は
書庫
になるべき
部分
、
一つ
はその
事務
をとるべき
部分
と、
二つ
に分れているわけでございます。
書庫棟
と申しますのは、約四十五メートルの一辺を持っております四角な形をしておりますが、その
書庫棟
の第一期
鉄骨工事
の全部を完成いたしまして、その一番下の方の
階層
の下半部の
鉄筋コンクリート打
を行いました。それを取り囲んでおります
事務棟
は、現在のところではまだ一
部分
でございますが、東の棟と南の棟の
基礎鉄骨
のはりを組み立てまして、東の棟の
基礎鉄筋コンクリート打
を行なったものでございますが、昨年と申しますか、本年と申しますか、第四回の
工事
といたしましては、
予定通り昭和
三十三年三月二十五日に完了をいたしまして、その結果によりまして、
書庫棟
は四階まで
鉄骨
が完成したわけでございます。 次に、第四に
国立国会図書館
と
専門図書館
との
連携強化
に関する
研究集会
の
開催
のことを御
説明
申し上げますが、
国立国会図書館
はやや複雑な立場を持っておりまして、本来の
図書館活動
はもとより限定されておりますけれ
ども
、しかし、その外にありますいろいろの
日本
の
図書館活動
と
連携
をしなければなりません。
つまり国
の
中央図書館
として、しかも
図書館界
の各方面と逐次
連携
を強化するという
考え
で
活動
を進めてきておりますが、
昭和
三十三年の三月二十七日に、
国立国会図書館
と
専門図書館
との
連携強化
に関する
研究集会
を
開催
いたしまして、
参加者
は
官庁図書館関係者
が二十六名、
地方議会
の
関係者
が二十八名、
民間専門図書館関係者
が二十七名、館から三十九名、合計百二十名でございまして、これは
世間
にややもすると誤解の起る懸念がございますので、ちょっと付言をいたしておきますが、これは何も
国立国会図書館
がほかの
図書館
に
影響力
を及ぼそう、こういう
趣旨
ではございませんので、お互いに手を取り合って、いわば友だちのような
関係
におきまして
連携
を緊密にしよう、こういうことの
趣旨
でございます。 第五に新
収洋書総合目録
の刊行ということの御
説明
を申し上げますが、これは、
日本
にいろいろ
外国
の
書物
が入ってきておりますけれ
ども
、各館で独立してこれを買っておりますので、何が
一般
的に入っているかという総合的な観察が非常に困難でございまして、何しろ
外国
の
書物
でございますから、そうたくさん買えるわけではございません。なるべく有無相通じて、
実情
に適する
程度
に買うことが正しいと思います。そこで
国立国会図書館
では、
昭和
二十九
年度
から全国のおもな
図書館
約二十館の協力を得まして、これら
図書館
に毎年新しく収蔵されます
洋書
の
目録カード
を集めて、新
収洋書総合目録
を編さんして参りましたが、その
カード
だけでは、各地に分散している人が手軽に
利用
できませんので、その
利用
の
普遍化
をはかりますために、この
カード形式
のものをもとにして、
書物
の形にいたしまして毎年刊行するということにして、その第一巻第一冊をこの
年度
のうちにおいて刊行頒布いたした次第でございます。 大体そのような
活動
をしておりまして、その他の
部分
につきましては、
図書館
の
活動
も大体形ができて参りましたから、その形に沿って、順調に次第を追うて進行しているつもりでございます。以上御
報告
申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
松澤雄藏
3
○
松澤
小
委員長
以上で
館長
の
報告
は終りました。 何か御質疑ございませんか。
飯塚定輔
4
○
飯塚
小
委員
地方議会
との
関係
をちょっと触れておられましたが、これは具体的に言えばどういうことですか。
金森徳次郎
5
○
金森国会図書館長
実情
を申しますと、
地方
の県
議会
に伴って
図書室
または
図書館
ができているのでございます。しかし何しろ人手が少いのと、
事務
的にあまりそういうことになれない人が多いものですから、ごく簡単な装置で材料を集めて、まだ
活動
の動きが、そう十分でないところが多いわけでございます。しかし、中には、たしか群馬県かと思っておりますが、ちょっと小さな
図書館
ぐらいに本をそろえて、大いにやっているところがあります。
一般
人も少しは
利用
を許すのですが、主として
議会人
です。これを十分
管理
いたしませんと—少し手前みそでございますが、この
国立国会図書館
のできたのもその
趣旨
であって、
議会
というものは
図書館
を活用しなければならぬという建前を
地方
にも及ぼしていきますと、
地方
にも
議会
の
図書館
があって、それからあらゆる
知識
を吸収しなければならぬというので、それをお手伝いしている次第でございます。
木下哲
6
○
木下
小
委員
館長
に伺います。とっぴなことを伺うようで恐縮ですが、まず
人的機構
としては、もちろん中に学者なんかも
おいで
になるんじゃないかと思うのですが、どういうふうになっているのですか。
金森徳次郎
7
○
金森国会図書館長
人的機構
として、十年前に
図書館
ができますときは、
日本
には
図書館
の
専門家
がいない。だから、当分人を採ることができないのだ、こういうふうな前提で、非常にしぶりし
ぶり人
を採るという形できました。それは
専門家
のいないのは当然でございますから、漸次育成しなければならぬという形で出発したのであります。それから私の方では、館というじみちな
仕事
は、自然、
政治勢力
によって人が充実されるということになりますと、これはもう実際だめになってしまいますから、そこで主たる
方法
といたしましては、
試験
またはこれに類似する
制度
、たとえば
人事
院の手続を経てきた人、こういうふうな
方向
から秩序整然たる形で入れるという
方法
をとりました。これはその当時の、
つまり
十年前の
日本
の情勢でもありましたが、
婦人
の
図書館人
というものをある分量入れたらいいんじゃないか。半々というわけにもいきませんで、とにかくそういうところの人は緻密であり、
仕事
に適して、非常に教養も高い人が得られるであろうということで、実際は三分の一弱
婦人
を入れるという形できております。
つまり
一口に申しますと、ごく機械的な
実力本位
、冷静な
中立
という形をとってきておりました。ただそこに
一つ別
な問題は、そういう
方向
から採るんじゃなくて、
ほんとう
に一代の
学問
の
中心人物
という人を採っていかなければならないんじゃないか。これはもう設立当時から、
国会側
との一話もそれで進んでおりました。
国会
の方に
専門員
があると同じように、
国会図書館
の方にもそれに当る人があるということで、これは
内外
の見るところによって、特別な、すぐれた力量のある人を採る。これは数はもちろん
少数
でございます。この二口でやってきておりまして、どっちかと申しますと、今これを見ますと、ある
意味
からいうと非常に
人事
の採用が窮屈であるという非難も受けております。しかし、
図書館
は窮屈にいかぬ限りは、全くだめになってしまいます。
中立性
を失うことになりますから、その点は堅持しております。ただいま正規の
職員
が大よそ六百人でございまして、そのほかに幾らかその周辺に、自由な身の人が百二十人ぐらいおります。それでもってずっと進んでおりまして、ただいまのところ、
日本
でこの十年の間に
図書館学
というものも栄えてきまして、中で講習をしまして、ほぼできてきたわけでございますが、しかしこの点は、今後
図書館人
というものに型ができてしまいまして、
ほんとう
に広い要求に応ずることができない。たとえば、
自然科学
というものを
図書館人
がどこまで理解しているかというと、非常にまだ薄い。
政治
、
法律
というものもどこまで理解しているか、これも非常に薄いわけでございます。私はそこのところを考慮いたしまして、
政治
、
法律
、
社会
という
部門
につきましては
書物
も集めましたし、それから人も育成をしてやって参りましたが、まだ前途遼遠と思っている次第であります。
木下哲
8
○
木下
小
委員
今の御
説明
で
先生
の御意思もわかりますし、こうあるべきであるということもわかったのであります。お話はわかりましたけれ
ども
、
現実
は、いわゆる人的な構成などに関して、
政治勢力
というようなものが入っていないというように言えるわけですか。
金森徳次郎
9
○
金森国会図書館長
それは全く入っておりません。それは私のへん
くつ性
というものかもしれませんが、初めから厳密にだれかが推薦あるいは紹介せられなければ人は入りませんけれ
ども
、大体一人一人を厳密に
調査
いたしまして、おそらくそういう面はないと思っております。それから
人事
というものは非常に含蓄の多いものでございますが、そういう場合は、ごく臨時の、一ヵ月とか半月というところには多少寛大にしておりますけれ
ども
、
あと
は
政治勢力
は
一つ
も入れないつもりでおります。
木下哲
10
○
木下
小
委員
その点もわかりましたが、伺いますと総数六百何名というような、
考え
方によると大へんな数だと思うのですが、それに対しての
現実
は、それぞれの職務に対して忠実にやられているということはもちろんですが、その六百名は、
一つ
の系統立った、
つまり
チーム
・
ワーク
がとれて、うまくそれぞれやられているか、これは大へん幼稚なことなんでありますが、その点
館長
はどういうふうに思っておりますか。
金森徳次郎
11
○
金森国会図書館長
六百名とは申しますけれ
ども
、おのおの部局々々が分れておりますから、そんなに似たような者ばかりでできているわけではございません。しかし数個の部があって、その下に課というものがございまして、おのおのその職責を守っているわけでございます。初めのうちは、
実情
を申しますと、この
図書館
ができますときは、衆議院と参議院との両方にたくわえられておった
人材
をある
程度
吸収いたしまして、そういう方が、どっちかというと
二つ
のものが
一つ
に流れてはきたけれ
ども
、おのずから対立するということで、
チーム
・
ワーク
が多少こわれるという形はございました。そのうちにすっかりなくなりまして、今日では、私は完全に
チーム
・
ワーク
はとれている思います。しかし、
世間
では好んで
うわさ
をする者がございます。それも
うわさ
の範囲に上るのは
少数
でございますが、しかし実質は、風声鶴唳と申しますか、ことさらに何か
二つ
の気流があると言うだけのことであって、実際は寸毫もないと思っております。
下平正一
12
○
下平
小
委員
国会図書館
は、当初から
定員
は増加していないのですか。最初から、こんな人員でやっておったわけですか。
金森徳次郎
13
○
金森国会図書館長
当初
昭和
二十三年にできましたときは、
定員
が百八十四人でできておったわけです。ですから、今から
考え
ますと、三分の一弱になっております。その後次第に充実してきたわけでございまして、これは実察こういう新しい
図書館
を作ってみるとわかりますが、当初は
書物
もない、
建物
も少しも役に立つものはないということで、人が要らないわけです。漸次渋く固めて参りまして、その後よその完成したもの、たとえば
上野
の
図書館
を合併するとかいうようなことによりまして、それで百何十人ふえました。
あと
は年々
仕事
の増加に応じて、じりじりとふえてきたわけです。
下平正一
14
○
下平
小
委員
きょうは簡単な
報告
を聞くという
程度
であったわけですね。あまり
内容
を聞くのもなんですが、今も
木下
君の言ったように、六百人に近い人間がおりますので、この
人事
の
管理
ということが、
国会図書館
の
運営
には
相当
重大な
影響
があると思う。今、
木下
君も心配されておりますが、この
人事管理
の問題についても、多少の
うわさ
を聞くわけです。
人事管理
の面はよほどしっかりといいますか、筋を通してやっていただかぬと、せっかくの
国立国会図書館
の
運営
がまずくなると思うのですが、
人事管理
の面について、何か
館長
としての感想なり意見というものはないのですか。
金森徳次郎
15
○
金森国会図書館長
それは私の当初からの
一つ
の
考え
でございましたけれ
ども
、
図書館
というものは非常に
中立性
をたっとぶものでございまして、いわば脳みそがなくて口や手がある。これは非常に悪いたとえでございますけれ
ども
、ある
意味
から言うと、そういうものでございますから、どうしても
中立性
というものに重点を置かなければならぬと
考え
まして、その
中立性
を保つにはどうするか。これは実際実行上なかなかむずかしいところでございまして、そこで私は、少しへ理屈のきらいがあったかもしれぬと思いますが、全部
競争試験
という形をとりました。それで今も、年々わずかに十人かそこらの人を採る場合にも、数百人の人に
試験
に出てもらって、そして最も公正にやっておるわけでございます。それから上の方の
人—
上の方と申しますのは、私
ども
の方に
専門調査員
というものがございます。これは
最高給
の人として扱っておりますが、これはどうもそういう
試験
というわけにはいきません。しかし数がきまっておりまするのと、ほとんど人がかわることもございませんので、慎重に
人材
を選択しております。それが任用の場合でございますが、そのほか、今度免職をするとかいうような場合には、これは今日
人事制度
が整っておりますから、無理なことはできないわけであります。進級その他、これが一番厄介でございまして、
月給
を上げていくというところに悩みがあるわけでございますが、新しくできた
図書館
でございますから、若い人々が強くて、どんどん
進歩性
を持っております。
月給
はよそ並みに上げても不足なものでございますから、そこで
人材
を適当に尊敬するには、
俸給予算
が非常に窮屈であるというような感じも出てくるわけでありますが、ただいまのところは、そう深刻なところまでいかないでやりくりをしております。今のところは、少くとも順当にいっているように
考え
ております。
佐々木盛雄
16
○
佐々木
(盛)小
委員
私は、
国立国会図書館
に無
知識
で、妙な質問ですけれ
ども
、貸し出しの
閲覧者
の統計を見ますと、
中央館
というのがある。これは
赤坂
の
離宮
のあそこが
中央館
でしょう。
金森徳次郎
17
○
金森国会図書館長
そうでございます。
佐々木盛雄
18
○
佐々木
(盛)小
委員
それから、
行政
・
司法
各
部門支部
の
図書館
というのは、どこのことでございますか。
金森徳次郎
19
○
金森国会図書館長
これは、おもなる各
官庁—官庁
といっても
中央官庁
です。各省それから最高裁判所、そういうところに
支部図書館
というものがございまして、私の方の
管理
に属しております。けれ
ども
、
人事
は大体そこでやっておりますし、
予算
もそこでやっておるというところでございます。そういうものが
行政
・
司法
各
部門支部図書館
でございまして、その数は非常にたくさんあるのでございます。二十九でございましたか、あります。
佐々木盛雄
20
○
佐々木
(盛)小
委員
機構
としては
中央館
が一番大きいのでしょう。
金森徳次郎
21
○
金森国会図書館長
そうです。
佐々木盛雄
22
○
佐々木
(盛)小
委員
利用者
というものは、割合少いですね。
金森徳次郎
23
○
金森国会図書館長
それはこの設備が、実は私
ども赤坂離宮
を借用して、そして新しい
建物
を作っておりますから、入る数というものが、いろいろ工夫をいたしましても一日に四、五百人で、五百人入るには、ちょっと切りかえなければならぬ、こういうわけであります。これをフルに活用するにしても、朝一生懸命席を競っておるというような状態でございまして、その結果、入る人をむやみにふやすことはできない
状況
でございます。
上野
の方は、
相当
にフルに入っておりますが、
図書館
は、そうむやみに来られても、入れる方のものをこしらえなければできません。
佐々木盛雄
24
○
佐々木
(盛)小
委員
中央館
の方の
閲覧者
といいますか、
利用者
は、大体どういう
階層
の方が多いのですか。
金森徳次郎
25
○
金森国会図書館長
私の理想から申しますと、
中央館
というものは、成人といいますか、おもに一家をなして、
研究
してある
業績
を上げたい、たとえば政策を
研究
するとか、
外国
の
立法例
を
研究
するとか、どっちかというと高度の
研究
をしたい、こういう人を歓迎するつもりでおりますけれ
ども
、しかしこちらだけそう思ったって、来る人が来ないというのでは思うようにいきません。私の方では、
法律
とか
政治
とかいう方の
調査
、これは実際の必要から
相当
研究
の実が上っております。
国会
のすぐわきですから、各
官庁
の、何か
調査
をするような人が来ます。普通の人、
一般
の人を受け入れる
部分
では、これは今日まで主として大学生、あるいはこれに近い者が使っておるわけであります。
佐々木盛雄
26
○
佐々木
(盛)小
委員
この
中央館
の方も、
一般
に向って公開されるということは、
一般大衆
はみなよく知っておりますか。
金森徳次郎
27
○
金森国会図書館長
それは非常によく知っておりまして、運が悪いと、ずっと門から行列しておりまして、醜態でしょうがないから、なるべく早く整理して中に入れまして、目に立たぬようにしております。実によく知っております。
佐々木盛雄
28
○
佐々木
(盛)小
委員
それからよく僕たちも、いなかの
人たち
が来ると、あそこを観覧といいますか、見に行きますね。あれは今何を見せるのですか。
国会図書館
を見せに行くのか、旧宮殿としての価値を見せに行くのですか。
金森徳次郎
29
○
金森国会図書館長
私の方から申しますれば、
国会図書館
をわれわれが扱っているのだ、この
国会図書館
をごらん下さいと申しますけれ
ども
、しかし
実情
はそうでございませんで、庭の方を見て、あありっぱなものだというような
実情
でございます。これはマス・コミュニケーションで、ある
程度
日本
で、少くとも
国立国会図書館
を国民に知らされた効果は非常に大きいと思う。
佐々木盛雄
30
○
佐々木
(盛)小
委員
じゃま
になりはしないか。
金森徳次郎
31
○
金森国会図書館長
じゃま
にならぬ
程度
でやっております。というのは、玄関の大階段を上りまして、上の方へ行って、ある
部分
は廊下を通らせて、さっと出してしまう。非常に薄情のようですけれ
ども
、
利害
が
二つ
あって、中で読んでいる者は
苦情
を言いますから、その
利害
をできるだけ折衷してやっております。
飯塚定輔
32
○
飯塚
小
委員
五の(9)のところに「
都道府県議会図書室
への
資料配布
」とございますが、それ以外に
地方
の
議会
の
図書館
、そういう
関係
の啓蒙とか、そういう
意味
での講演だとか、そういうようなことで、
地方関係
に
先生方
が
おいで
になるというようなことはございませんか。
金森徳次郎
33
○
金森国会図書館長
少しはやっておりますけれ
ども
、そこまで
地方
の、
府県
の
管理
する
議会
の
図書館
というものには、あまり手を出していないのです。私は年に一、二度、近所には行ったことはございますけれ
ども
、あまりやっておりませんで、ほかの
方法
で
資料
を送付するとか、あるいは
図書館
の者が集まったときに、いろいろ
苦情
を聞くとか、
説明
するとか、そんな
程度
にとどめております。
松澤雄藏
34
○
松澤
小
委員長
ちょっと
館長
に、簡単でけっこうですが、一、二私からも質問してみたいと思う。本
建築
が終ったような場合に、まだまだ六百人の人数を一応ふやさなければならぬという見込みはあるのですか。
金森徳次郎
35
○
金森国会図書館長
本
建築
ができますると、人はふえなければならぬというふうに思います。それは今のところは場所がないから、いわば
図書館
に縮んでおりますけれ
ども
、私の
考え
から申しますと、新しい
図書館
はただ本を読むところではなくしていわば
日本
の
文化
的な、
学問
の
調査センター
というようなことでなければならないと思います。
科学技術
の方の
センター
ができました。あれはもちろんいいことではございますが、そのほかに
科学技術
以外の
センター
ができて、いわゆる高度の
学問
の
知識
があそこで育成せられまして、もちろん高度の
学問
かどうかということはそれぞれにまかせておくことにいたしまして、こういうことを調べたいというときには、そこへ行けば普通の本を読めるばかりでなくて、どういった本が
日本
全体にわたってあるか、調べられなければならぬ、そういうところになりますから、
図書館
の
活動
の面が少し大きくなってくるわけであります。できるだけ倹約いたしますけれ
ども
、ある
程度
ふえなければならぬのではないか、こう
考え
ております。
松澤雄藏
36
○
松澤
小
委員長
そうすると、本
建築
を
昭和
二十九
年度
から開始して、現在まだ未完成であるが、従ってある
程度
人間とか、あるいはいろいろなものの計画というものは、もう全部かちっとできておりましょうか。本
建築
ができたならばこれだけの人間が要るのだ、こういうような案はできておるわけですね。
金森徳次郎
37
○
金森国会図書館長
まだ、そこまでは具体的にできておりません。これは中での私の腹案であって、表には
予算
等の
関係
でまだはっきり出せませんけれ
ども
、私
ども
の
考え
方では、一国の学術というものは、科学等にも重きを置かなければならぬが、そういう専門的な
研究
ができるようにしなければならぬのでありますから、しいていえば科学
知識
……。
松澤雄藏
38
○
松澤
小
委員長
こまかい話は、時間もないようですから、けっこうです。
金森徳次郎
39
○
金森国会図書館長
それは一段と人をふやさなければならぬ。
松澤雄藏
40
○
松澤
小
委員長
これだけ大きな事業をやるには、ある
程度
の計画を持ってやらなければならぬだろうと私は思うのです。従いまして、本館ができるという目標のもとに、何年間でできるのか、あるいはその
建築
は何年間に施行、それに伴って完成した場合にはこういうような
機構
でいくのだ、よって人間はこれだけ要る、諸経費その他は総額にしてこの
程度
だという、計画の大よそのものはできておらなければならぬと思うのですが……。
金森徳次郎
41
○
金森国会図書館長
その通りでございます。早くても三年先と思っておりますが、それまでに
考え
なければならぬ問題は山ほどございまして、その中に、人の配置ということも
考え
ております。ただ、すぐに外に発表し得る
程度
にはできておりません。
松澤雄藏
42
○
松澤
小
委員長
今のあなたのお話を聞くと、何か無計画でやっておるような気がするのです。現在の場所は、現在の段階で狭いから本館を作るのだ、こういうふうなことなので、将来これがこうなくちゃならぬからこういうふうなものを建てなければならぬ、建てたならば結果はこうなるのだ、こういうような計画が—もちろんそのときの物価指数によって年々
予算
関係
が変っていくにしても、一応その計画がりっぱになければならぬと思いますが、どうですか。
金森徳次郎
43
○
金森国会図書館長
全くその通りです。当初一万五千坪を作るという計画でございました。しかし、なかなか
日本
の
実情
が許さないということで、減らして、八千坪ということでいっております。とにもかくにも八千坪という
一つ
の画期的な計画になりますると、
図書館
の
活動
はやや本格的になるわけでございます。そして高度の
図書館
になって参りますので、
つまり
人間の配置等も精密に取りかえといいますか、発展的に取りかえなければならぬと思いまして、それは内輪ではもうずいぶん長い間
研究
しておるわけでございます。
松澤雄藏
44
○
松澤
小
委員長
みんな案外知っておって御
利用
しているのかと思いますが、
国会
議員の諸君がお互いにこの
図書館
を
利用
し得るような、いわば案内書のようなものができておるのですか。たとえば、だれに申し込めばいいとか、電話番号は何番だとか、こういうものはこういう要領で申し込めばいいのだとか、何かそんなものはでぎておりますか。
金森徳次郎
45
○
金森国会図書館長
できているはずであります。
松澤雄藏
46
○
松澤
小
委員長
もう
一つ
お聞きしておきますが、
建築
の方は、総額何ぼで、本年まで何ぼの
予算
が獲得されて、
あと
何年の予定ですか。
金森徳次郎
47
○
金森国会図書館長
これはちょっとむずかしいのですが、総額というものはきまっていないわけでございます。総額をきめると、財務当局が承知しないものですから、年々継続費でございませんで、大体本年まで十一億くらい
建築
をやっておりまして、今後なお完成まで、その先のことも言えないのです。というのは、金のことでありますから……。少くとも大よそ十八億見当を標準にしていく。
松澤雄藏
48
○
松澤
小
委員長
それじゃ、計画はできないじゃないか。
金森徳次郎
49
○
金森国会図書館長
その計算はきちっとできておるのです。できているけれ
ども
、相手
仕事
で、何
一つ
それが通るということがございませんで、こちらは何べんも作っておるのですが、そこに多少私
ども
の
考え
にも時代を認識しないで、金ばかりよけい使おうとしておるところがあって、それらをいろいろ出し入れいたしますると、少くともこれから三年くらいの間に十七、八億見当の
建築
費があればできる、こういうふうに
考え
ております。
山本幸一
50
○山本(幸)小
委員
今小
委員長
が言ったように、やはり
図書館
の
予算
をとったり、拡充したり、ともかく
図書館
の
内容
をよくするということはいいことです。いいことですが、議員全体は、実際
図書館
の
利用
について、何というか、全くかた苦しい感じを持っておる。率直に言うと、それがあるのです。案内書は私はもらっておりますが、今度の新議員には出していない。だから、これは新旧を問わず、毎年一回出すということを、そういう習慣をつけて、しかも
内容
をもっと簡素化し、ややこしいことを書かずに、主としてどの窓口へ行って、どうやって行けば一番手っ取り早く調べられるか、こういう簡単なやつでサービスをよくして関心を持たせれば、非常にいい
影響
があると思う。そういうことは毎年励行してもらいたいと思う。一回やつたからいいのだということでなしに、そのつど励行してもらいたい、それが必要だと思う。
金森徳次郎
51
○
金森国会図書館長
それをやっても、手が小さくて……。
山本幸一
52
○山本(幸)小
委員
やって下さいよ、手が小さいといっても、そんなことは大したことじゃない。
飯塚定輔
53
○
飯塚
小
委員
年中広告みたいに、議員に対して勧誘というか、そういうことをやっていただくこと。それからもう
一つ
は、
国会
が始まったら、
図書館
がこうこうだという、山本君の言われたような、
一般
に忘れておることをぜひ呼び起すようなこともやっていただきたい。
山本幸一
54
○山本(幸)小
委員
私は、むずかしいことを書かずに、壁に張れるようなものを作ったらいいと思う。会館に張って、いつでも目につくようにして関心を高めるということは、あなた方の主張が通りやすいし、両方とも得なんだ。
金森徳次郎
55
○
金森国会図書館長
申しわけないが、その通りなのです。その通りなのですが、どうも
官庁
のあれでかた苦しく
考え
られておりまして、以後気をつけて参りたいと思います。
山本幸一
56
○山本(幸)小
委員
一つ
人事
のことで聞きたいのですが、だいぶ
人事
が沈滞しているということですが、どうですか。
金森徳次郎
57
○
金森国会図書館長
人事
ですから、ちょっとむずかしいですけれ
ども
、停頓しているということは、おそらく何かの間違いだろうと思います。
松澤雄藏
58
○
松澤
小
委員長
それでは、ただいまの
館長
の
報告
を了承することとし、これを本日の議院
運営
委員
会に
報告
するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
松澤雄藏
59
○
松澤
小
委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 それでは、これをもって散会いたします。 午前十一時三十九分散会