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岡委員 フランスが当初
ウランがないと言うておつた四、五年前の
状態が、今の
日本の
状態にもかなり似通つていると思うのです。一方
アメリカあたりが、当時はきびしい
原子力委員会の統制のもとに
ウラン探鉱を開始したあの当時は、ガイガー計数管ですか、シンチレーション・カウンターですか、とにかく普及的な安いものを山登りに行く者にみんなリュックの中に持っていってやらすくらいに、昔で言ば官民一体の
ウラン探鉱をやつた。ところが、今となっては
品位の低い
鉱山は閉鎖するという
段階にまで豊富に
ウランを集めることができるようになつた。こういう姿を見ると、私
ども、もっと
ウラン探鉱について、やはり国民も大きく関心を高めてもらう。もちろん、そのためには
政府が積極的に音頭をとるくらいの努力をやつてもらう。これはやつてみなければわかりませんけれ
ども、
フランスの実例もあることだし、そういう努力が足らないのではないかと思うのです。こういう点も、やはり
原子力委員会としての大きなお仕事だと思うので、今後格段の御留意を願いたいと思う。現にこの間
岡山県に参りましたが、県の話では、県は、これは原子力局とは直接
関係はないのですが、県の単費で
探鉱費二千万円を計上しておる。私、故郷に帰ってみると、私の県は五十万円というふうに、やはり県にも、そういう天然資源の開発というものに大きな予算的な関心を示しておる県もある。おそらく、これは国の補助も何もないものだと私は思うのです。こういう点にも、やはり今後
ウラン鉱の開発のためには
政府としての行くべき道があるのではないかとも思われます。こういうことも、いずれ臨時国会までに皆さんの方でも
方針を固めていただいて、私
どもでも大いに申し述べたいと思っております。
それから最後に、これは今直接佐々木さんにお尋ねするのは無理だと思いますが、この間、私
ども探鉱のための低い
坑道の中に入りますと、ガイガー計数管の針が相当はね上っているのです。ところが
原子燃料公社の人は、この
程度の放射能では人体に絶対に障害がないのだ、こう言い切つておられたのです。ところが、放射能の許容量というものはどれだけかということは、この五年の間に百分の一に下つておることは御存じの通りです。だんだん危いぞということになってきておる。下げてきておるのは国際放射線学会ですから、国際的な権威ある基準が百分の一に下つてきておるというような
状態です。そこへもってきて、大体放射能は、今現にその
坑内できよう一日八時間働いたところで、からだに受けた放射能では害がない、こういう考え方なんです。これは、一日八時間が四時間でも、永続的に長い間放射能を受けた場合に、蓄積した放射能の障害というものが問題になるわけです。それが白血症を起したり、いろいろなものを起す。ところが現在、きよう八時間働いておつても、この
程度のカウントが出たところで心配要らないと、非常に簡単にものを扱つておられるように思う。それから、ラドン・ガスが出るからというので、防塵マスクをつけておる。ラドン・ガスの出るところで防塵マスクをつけたつて、若干の効果はあるかもしれないが、空気と一緒に入ってくるものを防塵マスクでは防ぐことはできないのじゃないかと思うのです。そういう点、やはり
探鉱と同時に、こういう特殊な放射能を持つ
坑内に働く人に対する厚生的な考え方というものも、もっと科学的にやるべきじゃないか。これはやはり
ウラン探鉱を進めれば進めるほど、そういう点についても
政府としての責任あるバツク・アップというものがないと、なかなか
ウラン探鉱の実も上らぬと私は思うのです。ころいう点も、私視察をした印象として感じましたので、専門的に
原子力委員会として御
研究願つて、必要とあれば必要な対策をすみやかに講じていただきたい、こう思うわけです。これで私の質問を終ります。