○奥むめお君 ただいま提案されております
お年玉つき郵便葉書等の発売に関する
法律の一部を
改正する
法律案に対する
修正案を、緑風会を代表して提出したいと存じます。
まず、読みます。
お年玉つき郵便葉書等の発売に関する
法律の一部を
改正する
法律案の
一部を次のように
修正する。
第五条の
改正規定のうち同条第二項中「、原子爆弾の被爆者に対する治療その他の援助を行う団体又は逓信省の
職員の保健若しくは保養を目的とする事業を行う団体」を「又は原子爆弾の被爆者に対する治療その他の援助を行う団体」に改める。
第五条の次に三十二条を加える
改正規定のらち第七条第一項後段を削
る。
以上でございます。それで時間もないことですから、これについて簡単に私の提案理由を説明申し上げたいと思います。
たまたま、国民の一人々々の心をあたためておりますお年玉に
関係のある法案をめぐりまして、しかも、との逓信
職員の保健と保養を目的とする事業を行う団体という条項だけを削るという
修正案を私が出しますことは、非常に心苦しいし、残念でございます。しかし、私ども参議院議員といたしまして、国会の
審議に当り、
衆議院の総意を常に尊重するように努めて参りました。しかしまた、この参議院は、二院
制度のもとにある参議院としては、別個の
立場から、
衆議院から送付されてきた法案を検討して、また、私どもの参議院の良識、または参議院の重責に基礎を置いた
審議をしなければならないという
責任を感ずるものでございます。常にその気持で法案
審議に当ってきております。
国の行いますところの公営事業の収益を、広く国民全体に及ぼすような寄付金として使いますことは、これはすべての国民も納得する、喜んでまた年賀郵便はがきも買われているのだと思います。納得するところでありますが、ある特定の階層だけに、この際は郵便事務を行うところの逓信
職員の福祉施設をする団体に寄付するとつけ加えられましたことは、
衆議院の事情はともかくといたしまして、私ども国会
審議に当りまして、大へんに世の中の疑惑を招くし、また不信を招くもとになると思って、この法案をぜひ削って成立されたい、こう
考えたのでございます。
で、私どももちろんこの逓信従業員が非常に御苦労していらっしゃることは、よくわかります、しかし逓信従業員だけでなしに、国家公務員も地方公務員も教
職員も、あるいは一般勤労者も非常にまだまだ及ばない予算の中で、低い
給与とそして貧しい施設の中で無理な働きをしていらっしゃるのは、何としても国の予算の面でこれを
改正しなければならない、早くこれをよくしなければならぬということを非常に感じますだけに、ここに取り上げられました逓信
職員の問題も、これは別途の道をぜひ大急ぎで
考えて、保健、休養の施設ももっと行われるようにしたいということが、私の心からの願いでございます。
しかし第一、こういうお年玉の葉書から、国民が喜んで寄付いたしておりますものを、もしも特定のある一階層だけに福利施設の事業に与えるということになりましたならば、私はもしもこれが前例となって、たばこの方でも、たばこの売り上げの中から、そういうことをしてもらおうじゃないか、あるいは税金の方も、税務
関係から、僕
たちの
職員の福利施設の予算を出そうじゃないかどいうふうなことが出ないという保証は立たないと思うのでございます。それは今度お年玉はがきの寄付金を、今までより以上に広い範囲に不幸な人にもっとたくさん分けてあげたいという
改正案でございまして、
大臣の
答弁から見ましても、八億枚今度は売りたいのだ、その予定でいるのだとおっしゃっていますが、もしも、この今私どもが削りたいと思っておりますこの条項をそのままにこの
法律を通過決定いたしますならば、お年玉を買う国民の
ほんとうにあたたかい熱情というものが冷え去ってしまうだろう、私どもそれをおそれます。お年玉の売れ行きがもし非常に悪くなったら、
ほんとうに、せっかくのいいこの
改正案が生きてこないじゃないかということを私は案じます。ですからこれは何としても、その本来の目的である不特定多数の不幸な
人たち、あるいはぜひ国民の愛情を注いであげなければ、政治の至らないところを、人間のあたたかい愛情によってうずめていかなければならぬところがずいぶんあります日本の現在におきましては、私どもこれをある特定の階層だけに、その一部なりとも回すというこの
修正案を、私非常に、心からこれは反対いたしまして、何としても皆様に、
衆議院がこれを総意を持ってこれを可決してこちらへ送ってきたものではありますけれども、
衆議院の方
たちが、どういう気持でこの法案をなさったのか、おきめになったのか、どういう取引がその間にあったのかは存じません。だけれど、参議院だけは何としても参議院の良識のもとに、この
修正案を皆様の御賛同をいただいて、ぜひ賛成決定していただきたい、こう願っておるものでございます。