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1958-03-27 第28回国会 参議院 大蔵委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年三月二十七日(木曜日)    午前十時二十一分開会     —————————————   委員異動 本日委員林田正治君辞任につき、その 補欠として大谷瑩潤君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河野 謙三君    理事            木内 四郎君            西川甚五郎君           小笠原二三男君            平林  剛君            天坊 裕彦君    委員            青木 一男君            大谷 瑩潤君            岡崎 真一君            木暮武太夫君            左藤 義詮君            塩見 俊二君            廣瀬 久忠君            山本 米治君            大矢  正君            栗山 良夫君            小林 孝平君            杉山 昌作君   国務大臣    大 蔵 大 臣 一萬田尚登君   政府委員    大蔵政務次官  白井  勇君    大蔵省主計局次    長       佐藤 一郎君    大蔵省主計局法    規課長     小熊 孝次君    食糧庁長官   小倉 武一君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○食糧管理特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○食糧管理特別会計における資金の設  置及びこれに充てるための一般会計  からする繰入金に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 河野謙三

    委員長河野謙三君) これより委員会を開きます。  議事に入るに先立ち、委員異動がありましたから御報告いたします。  本日付をもって、委員林田正治君が辞任され、その補欠として大谷瑩潤君委員に選任されました。     —————————————
  3. 河野謙三

    委員長河野謙三君) まず、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案食糧管理特別会計における資金設置及びこれに充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質議のある方は、順次、御発言願います。
  4. 小林孝平

    小林孝平君 今回のこの食管特別会計の改正はその根本趣旨食管特別会計合理化ということだろうと思うのです。そこでそういう建前から考えて、果してこれが合理化になるかどうかということは非常に疑問の点がありますので、お伺いします。  まず、今回の措置によりまして、新たに調整資金が設けられますが、この資金の性格というものは一体どういうものであるか、大蔵省の御説明では、これは運転資金のような御説明でありますけれども、純粋な運転資金であるのかどうか。それによって非常に今後の食管会計赤字の埋め方に大きい影響がありますので、お伺いいたします。
  5. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) これはもともと考えたのは、今お話のように、食管会計合理化と、食管会計財政の強化といいますか、そういうねらいであります。それで一面において、従来いわゆる食管会計どんぶり勘定といわれておりまして、かりに赤字が出ましても、その出所がきわめて不明確だというような非難もありました。それで勘定区分を今回設けまして、それの勘定においてどういうふうな収支になるということを明らかにしました。それとともに、従来から議論がありました食管会計赤字が出ました場合に、糧券等によって泳いで、一そうこの食管会計財政を悪化させる、これはよくないじゃないかという御意見があります。これに対しまして、今回調整資金を設けまして、これはやはり食管会計資金繰りを強化するという意味におきまして、いわゆる運転資金として入れてあるのであります。ただ経理の取扱いの上から、損が出れば、それにも充てるというような関係から、食管会計赤字が出た場合に、この資金から落す。こういうふうに考えておるのであります。本旨は運転資金、こういうふうに考えております。
  6. 小林孝平

    小林孝平君 これが運転資金であるということであれば、非常に百五十億というものは少いじゃないか。昨日も申し上げたのですけれども、三十二年度の赤字は九十六億円。従って百五十億から引けば五十四億しか残がない。しかも今年は米麦だけで赤字が四十三億と予定されておりますので、かりに四十三億としても、非常に米麦だけで窮屈なんでありますけれども、昨日、その前の委員会で申し上げたように、いろいろ米価決定の今後のやり方によって相当赤字はさらに増加することが明らかなんです。そういう点から考えれば、この百五十億というものを運転資金考えれば、非常に当初から運転資金の役に立たない、こういうふうに思うのですが、その点いかがですか。
  7. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) むろん運転資金でありますから、今、国庫余裕金なんかも使っておりますが、こういうふうな勘定でたくさんできればいいのでありますが、しかし同時に財政の制約もあります。そこで一応今回は赤字が出るであろうと想像されるその赤字部分を、さらに糧券でもって泳ぐということは、財政を一そう悪化させる、こういう意味から、一応三十三年度まで予定通り、今の勘定からいって大かたこの辺じゃなかろうかと、そういう金額をとりまして、今回百五十億といたしまして調整資金を入れたわけであります。
  8. 小林孝平

    小林孝平君 一応この程度とおっしゃるその見込みが今年の米麦だけで四十三億、こういう見込みでこれはやっておられますけれども、昨日の農林大臣臨時代理石井さんの御答弁によりましても、さらに予約申込金百円、これについても今後考慮すると言明された。さらに昨年もつきました軟質米硬質米の差額の加算というようなことを考えれば、これだけでも数十億の金額になるわけです。従って初めからまずこれだけの見込みと言われておるその見込みが非常に不確定であり、また過少であるということは今からでもはっきりしております。そういう点から考えて、今後この百五十億というものが増加される意思がないかどうか。
  9. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) これは今申しました本質が運転資金でありますから、将来出るであろう赤字金額とは必ずしも関連は持たないのであります。しかし一応こんなものであろうかと申しますのは、第一、内地米にしても買い入れ数量がどうなるか、これも明らかでありません。また輸入米麦等にいたしましても、どういうふうになるか、あるいはまたこの価値がどうであるか、運賃がどうであるか、いろいろな関係から、一応は今確定しがたい状況にありますので、今のところは大よそと思われるところを考えておるわけであります。従いましてこの百五十億をここで調整資金として入れたからといって、今後における米の生産者価格等を制約する意思は持っておりません。
  10. 小林孝平

    小林孝平君 今おっしゃったうち、三十三年度に出る赤字見込みが不的確ではないかということに対しましては、大蔵大臣は、いろいろ、どうなるかわからない、買上数量もわからぬし輸入米の問題もわららぬ、こうおっしゃいましたけれども、そういうことを総合して、約四十三億を見込まれたのだろう、これは正確なことが、四十五億になるのか四十億になるのかわからぬけれども、大よそ四十三億と、いろいろの条件を加味されて四十三億とされた、その上に立って百五十億ときめられたと、こうおっしゃっておるのです。私の申し上げておるのはそういう不確定な買入数量であるとか、あるいは外米の買付問題等を別にして、明らかに今後増額を予定される金額はあるわけなんです。たとえば、きのう石井農林大臣臨時代理もおっしゃったように、かりに百円の奨励金をつけるということになれば、それだけでも相当の金額になる。そのほか、さきに申し上げた軟質米硬質米の問題そういうことはもうほぼ予想される事柄なんです。従って、今大臣はいろいろ問題があるとおっしゃいましたけれども、そういうことはさらに確定的なものについて予想されないで四十三億という数字を基礎にしてやられているところに私は問題があるのじゃないか。こういうことを申し上げておる。
  11. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) まあ、私は四十三億という数字には、この百五十億との関係においては、そう関連を持たせて、厳密にお考え下さらなくてもいいと思います。これは百五十億入れておりまするが、これがもしも三十二年度で赤が出れば三十三年度で補い、それでも足らぬということになれば、その赤を補てんする道は、またこれは考えなければならぬということは私は考えております。ですから、まあ百五十億近く出れば、そうすれば三十二年度にこのくらいの赤が、大体七月決算であるが、大体九十六億でございましたが、その辺の見当を大体考えておる。そうすればあとは残りが幾ら、そうすれば、この範囲内において赤が出ないように米価をきめるおそれがある、大蔵省がそんな考え方でいるんじゃないか、こういう御懸念だと思いますが、そういうことは、実は考えておりません。もともとこれは先ほど申し上げましたように食管に赤が出た場合に、その赤をさらに利子のつく糧券で補うというような行き方は、食管会計財政を悪くするから、せめて今のところ財政にもゆとりはないが、赤に相当と思われるような部分でも、一般会計から金を入れて、そうして糧券でさらに泳ぐだけでもとめておこうという、私としては食管会計に対してのできるだけ親切な考えをもってやっておるわけであります。従いまして、ごく一般的に言えば、私はやはりこの調整資金、こういう制度がいいとする以上は—いいと思って私はやっているんですが、いいとする以上は、しかもそれが赤が出た部分でも糧券で補おう、これは適当でないから、財政が将来許せばやはり私は一般会計からの今度の調整資金に繰り入れるようにするし、また同時に食管会計としても、なるべく赤の出ないようなことをやって双方より集って食管会計を今後一そう強化したい、充実したい。こういうふうに考えておるので、そういうふうに一つ御了承を願います。
  12. 河野謙三

    委員長河野謙三君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  13. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 速記を始めて。
  14. 小林孝平

    小林孝平君 そこで大蔵大臣の御趣旨はよくわかりましたので、これによって米価を圧迫しようとも思わないし、食管会計赤字を、この調整資金の設定によって無理に赤字を少くしようとしておるわけでもない。こういうことになれば、この食管特別会計赤字の出ました際は、そうすると、これは何らかのこの調整資金が不足いたしました際はすみやかに補正予算を組んでこれを埋められるということになるわけですね。
  15. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 赤が出て、調整資金でまかなえぬ場合におきましては、これはそのときにおいて最も適当と思う措置をとることはいたします。どういう方法によるかはそのときにとくと考えてみたいと思います。
  16. 小林孝平

    小林孝平君 もう一つはこの経理区分を今度やったわけですけれども、これは食管特別会計合理化、特にどんぶり勘定の弊にかんがみてこれが行われたのだろうと思うのですけれども、もともとこの食管特別会計どんぶり勘定をやめてはっきりと経理区分をやるということは困難であるということは、もう当初から言われておったのです。それを今回あえてやられたわけでありますけれども、この結果、たとえば食糧管理計画性総合性統一性というようなものを失わせるおそれがあると思うのですが、どういうふうにお考えですか。
  17. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) これは先ほど申しましたように勘定区分をただ明確にするという意味におきまして食管会計全体としての計画性を害するというふうには考えておりません。
  18. 小林孝平

    小林孝平君 そういうことになれば、こういうふうに、たとえば国内の麦と国内米というふうに経理区分を明らかにすれば、どうしても大蔵大臣のおっしゃった趣旨からいうと、コスト主義を貫くということに今度なりかねないと思うのです。また大蔵省はそういうことを強く要求されると思うのですが、その点はどうですか。その結果は結局この経理区分をやることによって国内米については生産者消費者にそれがしわ寄せされる。
  19. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 先ほどから申しますように、この勘定区分を設けましたのは、それぞれの区分によって勘定を明らかにしたいというのでありまして、従来の扱い方について特に変更を加える、かように考えておりません。
  20. 小林孝平

    小林孝平君 結局その勘定を明らかにするということは、その趣旨を貫いていくと、これは大蔵省の方の側からいえば、それぞれのコスト勘定の中で独立に収支を明らかにするということを貫いていけば、コスト主義に貫かなければならぬ、コスト主義を採用しなければならぬということで、この食管特別会計というものは非常に窮屈になって、そのしわ寄せがみんな消費者生産者に及んでくるのじゃないか、こういにふうう考えるのですが、そういうおそれがないかどうか。
  21. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) やや専門的になりますので、主計局の次長から答弁させます。
  22. 佐藤一郎

    政府委員佐藤一郎君) ただいま大臣から御答弁のございましたように、今回勘定区分をいたすことによりまして、勘定経理の実体をことさら変えようという趣旨ではございません。従来から問題になっておりますように、たとえば食管会計の中でいわゆる指示価格制をとっております農産物関係でございますが、この農産物を取り扱っておるのでありますが、たとえば農産物関係から赤字が出ておる。そうしますと、たとえば、米麦関係で先般消費者価格引き上げを行いました。そういう際に米の消費者がそういう米に関係のないところの農作物の損失までも負担をさせられているのじゃないだろうかというような、いわば不当な疑いといいますか、そういうものもしばしばしろうとの間で議論になっております。そういうようなやはり一般の誤解も避ける必要がございますし、いずれにいたしましても、それぞれの計算を明らかにするということは必要がある、こういう意味であります。
  23. 小林孝平

    小林孝平君 ちょっと最後に、食管長官一つだけお尋ねいたします。新潟県の米の消費者価格の問題でありますけれども、昨年の消費者価格の値上げの際に、新潟県は八百三十円になったのです。これは茨城県と同じに八百三十円に新潟県がなった。念のために申し上げますと、東京八百七十円、静岡は八百五十円、茨城新潟は八百三十円、東北六県は八百十円と、こういうふうになっているのです。そこでこの新潟県の生産米生産消費実態は、東北六県と大体同じだと思うのです。しかも非常に大生産県である新潟消費者価格が八百三十円というように高くきめられるために、やみ米が非常にはんらんをして、米屋等の商売が成り立たないというような状態になっております。それでこの八百三十円にした理由を今お尋ねしようとは思いません。おそらくこれは何か間違ってやったかどうかでこういうふうになったのだろうと思います。あるいは理屈があるかもしれませんが、今理屈を聞こうとは思いませんが、八百十円に下げたらどうかと思うのです。下げたらどうですか。できませんか、どうか。
  24. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 新潟県の消費者価格でございますが、これはお話のように八百三十円になっております。八百三十円は大体原則として生産県は八百三十円となっておるわけですが、生産県の中でも東北六県だけ八百十円といたしておるわけです。従いまして東北北陸をどういうふうに区別するか、なぜ区別したか、また現在その区別が妥当かどうか、こういう問題になろうかと思います。北陸東北生産県として似たような関係にありますが、一つ違いますのは、北陸の方は東北以上に早場米が多うございまして政府に対する売り渡しが非常に多いわけでございますので、おしなべて申しますと、政府消費者配給米依存度も非常に高いわけです。東北よりも、従ってやみも高い。北陸の方はそういうふうに米の配給状況あるいは実効価格状況、あるいはそういう点が東北六県と北陸とでは、非常に違っておるわけです。そういう意味東北北陸とは区別したわけでありますが。新潟県は北陸の中でも東北に近いわけでありますから、若干東北に似通ったところもないことはございません。特に東北寄り地方はそういうわけであります。それで新潟県につきましても消費者米価を設定したときにはそれほど東北的ではなくて、むしろ他の北陸諸県のような状況であったわけでありますが、昨年の出来秋から今日まで、新潟県は特に昨年産米が非常にできがよくございました関係上、東北に近いような状況を実は示しておるのであります。もっとも東北といいましても六県ございますから、相当違がいございますが、若干似たような状況を示しておった関係上、お話のようなふうに東北並み消費者価格をしたらどうかと、こういう御意見が出て参る、要望が出て参るということでございますが、しかしこれはどうも出回り期だけの現象のように思われまして、今後は若干違って参るのではないか。現にこの二月あるいは三月の政府米の売れ行きの状況を見てみますと、東北平均と比べましてむしろやはり他の生産県並みに近くなっているような状況でございますので、すぐさま新潟県の消費者米価の改訂をするというのはまだ時期が早いのではないか。もう少し様子を見て要すれば検討したい、かように存じておるのであります。
  25. 小林孝平

    小林孝平君 その検討につきましては、いつごろできるのです。いつまで待ったら、大体上げるか下げるかということがわかるのですか。
  26. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 地域別価格は、ただいま申しましたように、いろいろの状況を参酌しておるわけでございますが、この前の価格決定のときも、趣旨として申し述べましたように、消費者価格は全国三段階にきめて、消費地生産県と中間県と三段階にきめたいというのが趣旨でございます。それまでの希望配給価格は四段階であったわけでありますが、どうも四段階ということで価格をきめておきますと、消費地とそれから四段階のほかの地方とが非常に価格差が開きまして、その合理的な理由づけに苦しむという状況でございますので、原則として三段階にしたい。しかし実際問題として東北六県だけがどうもそうはいきかねるのでございまして、例外的にしておりまして、むしろ東北六県自体を八百三十円級に引き上げるべきではないか、こういうのが、そのときの事情でありまして、事情が許せばむしろそういうふうにしたいと存じまして、八三十円から八百十円に落すということ百について積極的に考えるということは実はいたしたくないつもりであります。まだもう一つの点でございますが、この出来秋事情は、これは非常に府県によって違うわけでございます。同じ生産県でも非常に実態が違っておりまするので、どちらかと申しますれば、今後一体どうなるか、出来秋までの状況がどうなるかということが実は消費者米価をきめる場合の重要事項でございます。そういうことを考えます場合に新湾県が、秋田県あるいは青森県というような県に近い状態になるということは、実は想定ができないわけでございます。二月、三月の状況を見ますと、やはり相当違っておりまするので、検討はいたしますが、東北並み価格を引き下げるというような状態が起るとは、ちょっと想像しにくいような状況でございます。
  27. 小林孝平

    小林孝平君 そうすると、さっきからずいぶん長く御説明になったけれども、結論は引き下げることはないという方が多いのですか。考慮余地がないような御説明だけれども、おかしいと思うのですがね。初めは大いに考慮されるようなお話だったけれども、だんだん聞いてみたら、お聞きしておれば、考慮余地がないというようなことになってきたようですが、おかしいじゃないですか。
  28. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 地域別価格は、地方別物価差ということが主たる理由になっております。従いまして物価差その他が変って参りますれば、これは変えないという理由はないわけでございますが、しかし地域別物価差というのがそう年々大きく変るというわけでも必ずしもございません。  もう一つの点は、先ほど申しましたように、需給の状況配給状況でございますが、これは地方的な作柄の上下によってある程度変わるのでございますが、この両点を考慮して、当然ある程度是正をすべきものであるということが認められれば、これは是正をいたすべきものでありまして、一ぺんきめたら不動のものだというふうには考えておりません。ただそういう両点から見まして、今後近い機会に特定の県について是正をしなければならぬというふうなことを今すぐ想定することはむずかしい状況であることを申し述べたまでであります。
  29. 小林孝平

    小林孝平君 最後に、私は今の食糧庁長官が言われた中に一つ欠けておるのは、こういう要求のある理由は、単に消費者負担を軽くせよというだけではなくて、この最大の生産県新潟県において、こういう八百三十円という価格が行われる、実施されることによってやみ米が横行し、そうして食糧管理の基本がその一角からだんだん破れてくると、こういうおそれがあるから、このわずかなことで、そういうここになっては困るのではないか。この際、八百十円にして、食糧行政にちゃんと筋道を通すようにしたらどうかという点から、この話をしているのですが、そういう点から考えて、さらに一段と考慮する余地がないのかどうか。
  30. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) もちろん、御意見十分かみしめまして、考慮いたしますが、ただ、八百十円にすることが、食糧管理を強化することになるのかどうかということは、お言葉を返すようでありますが、逆の見方もできるわけであります。八百十円というような、消費者の家計から見ましても、あるいは食管のやりくりから見ましても、合理的な、そういう理由づけができない価格を無理にしておくということ自体が、すでに食管やり方がまずいのではないか、そういう価格でなければ配給することがうまくいかぬということを天下に表明するようなことになりまして、そういう地域が多くなればなるほど、まずいのではないかという逆論も実は生じ得る価格ではないというふうにも思いますので、そういう点も考慮して、御意見もございますが、できるだけ検討を重ねたい、こう存じております。
  31. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 別に御質疑はございませんか。別に御発言もなければ、両案の質疑は、終局したものと認め、これより両案を一括して討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  まず、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案賛成の方は 御挙手を願います。   〔賛成者挙手
  32. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は、可決すべきものと決しました。  次に、食糧管理特別会計における資金設置及びこれに充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を問題に供します。本案賛成の方は、御挙手を願います。   〔賛成者挙手
  33. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 全会一致であります。よって本案は、可決すべきものと決しました。  なお、ただいま可決いたしました両案についての諸般の手続等は、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 河野謙三

    委員長河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決しました。  それから委員会報告書に付する多数意見者の御署名を願います。   多数意見者名     木内 四郎  平林  剛     天坊 裕彦  青木 一男     大谷 瑩潤  岡崎 真一     左藤 義詮  木暮武太夫     廣瀬 久忠  山本 米治     大矢  正  栗山 良夫     小林 孝平  杉山 昌作
  35. 河野謙三

    委員長河野謙三君) ちょっと速記をとめて。    午前十時五十五分速記中止      ——————————    午前十一時三十四分速記開始
  36. 河野謙三

    委員長河野謙三君) それじゃ速記をつけて。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十五分散会      ——————————