○竹谷委員 一昨日
森脇証人は、一千五百万円の貸金に対して六万坪の土地を抵当に取っておる。その抵当となっておる不動産の坪当り時価は、五、六円だろうが、高く見て十円だ。十円と評価しても六十万円にしかならない。これが千五百万円の貸金の担保となっておるという事実をあげておった。そういうような
貸付け方では、実に膨大な不良貸しがあるのではないか、こう考えられる。新聞等でも、
先ほど私が申し上げたような記事があるくらいでありますから、預金者は非常な不安を持っておるわけであります。そこで
大蔵大臣は、五月の株主総会において、新しい
頭取として、日本
銀行の監事ですか、
監査役ですか、大久保とかいう人を推すということを聞いておるのであるが、一体、これはほんとうにりっぱな
再建ができるのかどうか、多大の疑問を持っております。実は
大蔵大臣、あるいはそういう古いことを御存じないかもしれませんが、たしか
千葉銀行は、昭和十八年の三月に、千葉県下の
銀行を統合してできたはずである。そこで古
荘頭取、それから、たしか安田
銀行の児島副
頭取というような陣容で発足をし、昭和二十一年の三月の任期満了のときに、副
頭取の児島氏は引いて、
頭取の古荘氏はそのまま残った。そうしてその後十数年、
千葉銀行の
頭取の職責を汚してきたのでありますが、私仄聞したところによると、その三カ年、
千葉銀行統合後の経営の
実績にかんがみて、大株主である河合良成氏やその他の数人の大株主が集まって、新しい
銀行の重役陣はどのようにしたらいいかということを相談し合った。そのときに、副
頭取の児島氏に
意見を聞いたところが、児島氏は、どうもそういうことを
自分から言ってはどうかとは思うが、現在の
頭取の古荘氏は、これは、株屋の主人公や何かには適当か知らぬが、堅実を第一とする
銀行の
頭取としては最不適任である、この人は当然かえるべきである、そういうことを私が言うと、副
頭取が
頭取に昇格をしたい、こういうことに
疑惑を受けるが、
自分としては、連帯
責任で一緒にやめたい、ぜひしかし
千葉銀行の将来のために、また全預金者のために、
頭取は更迭してもらいたいということを要望した。ところが、事実は副
頭取がやめて、
頭取がそのままとどまった。しこうして十数年その職にあって、終戦後の銀の延べ棒事件というような問題があり、またフイリピンから持ってきたとかいうダイヤモンドの事件とかいうものがあり、しこうして古
荘頭取は、巨額のドルをアメリカに外貨として持っておるといううわさが飛んでおり、いなか
銀行の
頭取が、子供を二人までも米国に留学をさしておる。また古荘氏
自身は、夫婦で非常に豪華な外国旅行をやった。これらは、彼が外国に保有する在外米ドルでやったんだろうということが、千葉県下ではだれ一人知らない者はないのですぞ。そうして、よからぬ
貸付をやってきておる、これは、前から
世間の
疑惑の的になっておる。そこで、いなか
銀行でございまするから、東京に連絡事務所の
意味で一支店くらいを設けることは、やむを得ないといたしましても、東京に六つもの支店を設けておる。こういうようなことは、大体
銀行経営としては、行き方がどうもひん曲っておる、
大蔵省は、十分これを
監督しなければならぬ。支店をそんなに増設さすことを認めるということは、不要不急のキャバレーや娯楽場なんぞに金を貸して、今日の大問題を引き起す原因となったのでございまして、これは、十数年来の
大蔵省の非常に誤まった
銀行行政の欠陥が、ここに如実に現われてきた。
大蔵当局は、事務当局も
大蔵大臣も、これは、全
責任を感じてもらわなければならないのでございます。これは、今始まったことじゃない。もう千葉県の人や、あるいは千葉衆に
関係のある人々は、百も
承知なんです。それを、十数年来今日まで
頭取をやらせ、そうして
レインボーの
貸付その他の不良
貸付が山ほどあるに違いない。預金者は非常な不安を持っておる。今
銀行局の当局が、詳しい
検査の結果をここに発表しない、できない。したら大へんなことになる。だから、いいかげんなことを言う。これも、私は了承できないわけじゃございませんが、こういう点から、私は多大の
疑惑を持ちます。言えないほど悪いのかということを、やっぱり
世間では考える。と同時に、古荘氏
自身、いろいろ
疑惑の人でございまするが、一体私財をどれくらい持っておるのか。そういう調査はないということを、
大蔵省は言うかもしれません。しかし、あなた方は税金をとっておる、それには、その財産を相当突っ込んで調べてなければならない。その金額を
数字をあげて正確に言わなくても、預金者に迷惑がかかるのを相当程度補償ができるくらいの個人財産を保有しているのかどうか、この点は、
銀行局でわかっておらなければならぬはずだと思う。一つ御答弁願いたい。