運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1958-02-06 第28回国会 衆議院 大蔵委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十三年二月六日(木曜日) 午前十一時四分
開議
出席委員
委員長
足鹿
覺君
理事
黒金
泰美
君
理事
藤枝
泉介
君
理事
平岡忠次郎
君
理事
横錢
重吉君 足立 篤郎君
井出一太郎
君 遠藤
三郎
君 大平 正芳君 川野
芳滿
君 杉浦
武雄
君 高瀬 傳君 竹内 俊吉君 内藤 友明君 中山 榮一君
夏堀源三郎
君 古川
丈吉
君
前田房之助
君 森 清君 有馬 輝武君 井上 良二君 石野 久男君 石村 英雄君 春日 一幸君
神田
大作君
久保田鶴松
君
竹谷源太郎
君 横路
節雄
君 横山 利秋君
出席政府委員
大蔵政務次官
坊
秀男
君
国税庁長官
北島
武雄
君
委員外
の
出席者
大蔵事務官
(
大臣官房財務
調査官) 大月 高君
大蔵事務官
(
主税局税制
第 一
課長
) 塩崎 潤君
大蔵事務官
(
国税庁
直
税部
長) 金子 一平君
大蔵事務官
(
国税庁
直
税部
法人税課長
)
志場喜徳郎
君 専 門 員 椎木 文也君 ――
―――――――――――
一月二十四日
委員山本幸一
君
辞任
につき、その
補欠
として横
路節雄
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月三十日
委員山手滿男
君
辞任
につき、その
補欠
として戸
塚九一郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
昭和
三十二年十二月二十四日
製造たばこ
の
定価
の
決定
又は
改定
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一号) 同月二十七日
たばこ専売法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出第二号)(予)
昭和
三十三年一月二十九日
日本開発銀行法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第三号)
昭和
二十八
年度
から
昭和
三十二
年度
までの各年 度における
国債整理基金
に充てるべき
資金
の繰 入の
特例
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第四号)
昭和
三十二
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特
例に関する
法律案
(
内閣提出
第五号)
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第八号)
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 九号)
酒税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一 〇号) 二月三日
補助金等
の
臨時特例等
に関する
法律
の一部を改 正する
法律案
(
内閣提出
第一四号)
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一五号)
食糧管理特別会計
における
資金
の
設置
及びこれ に充てるための
一般会計
からする
繰入金
に関す る
法律案
(
内閣提出
第一六号)
国庫出納金等端数計算法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣提出
第一七号)(予)
関税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一 八号)(予)
昭和
三十二年十二月二十七日
酒税引下げ
に関する
請願
(
今松治郎
君
紹介
)( 第七六号) 旧
陸軍共済組合員
中の
女子組合員
に
年金支給
に 関する
請願
(
灘尾弘吉
君
紹介
)(第七七号)
昭和
三十三年一月十八日
特許権譲渡
及び
分権
に対する
課税撤廃
に関する
請願
(
池田清志
君
紹介
)(第一六八号)
国有財産払下げ
に関する
請願
(
内田常雄
君紹 介)(第一六九号)
酒税引下げ
に関する
請願
(
高見三郎
君
紹介
)( 第一七〇号) 同(
山崎巖
君
紹介
)(第一七一号)
奄美群島産業開発基金制度設定
に関する
請願
(
山中貞則
君
紹介
)(第三三一号)
昭和
三十三
年度
税制改正
に関する
請願外
九件(
中井徳次郎
君
紹介
)(第三三八号) 同(
永井勝次郎
君
紹介
)(第三三九号)
煙火類
に対する
物品税率引下げ
に関する
請願
(
三宅正一
君
紹介
)(第三四〇号)
煙草専売法
の一部
改正
に関する
請願外
三件(三
鍋義三
君
紹介
)(第三五九号) 同月二十七日
塩田枝
条架の農作物に及ぼす
影響調査
に関する
請願
(
河本敏夫
君
紹介
)(第三八三号)
生命保険
に対する
所得税法
上の取扱に関する請 願(
神田博
君
紹介
)(第四一九号) 新潟港の日
ソ貿易
港指定に関する
請願
(
田中彰
治君
紹介
)(第四二〇号)
特許権譲渡
及び
分権
に対する
課税撤廃
に関する
請願
(
黒金泰美
君
紹介
)(第四五五号)
中小企業金融円滑化
のため
政府資金
の
長期預託
等に関する
請願
(
山下春江
君
紹介
)(第四五六 号)
煙火類
に対する
物品税率引下げ
に関する
請願
(
福田篤泰
君
紹介
)(第四六六号)
ラムネ
に対する
物品税撤廃等
に関する
請願
(植
村武一
君
紹介
)(第四六七号) 同月三十一日
ラムネ
に対する
物品税撤廃等
に関する
請願
(植
原悦二郎
君外二名
紹介
)(第四九六号) 同(
椎熊三郎
君
紹介
)(第四九七号) とん
税譲与
に関する
請願
(
門司亮
君
紹介
)(第 五四二号) 航空に対する
通行税撤廃
に関する
請願
(
關谷勝
利君
紹介
)(第五七三号)
文部省推奨映画
及び
文化教育映画
の
免税
に関す る
請願
(
牧野良三
君
紹介
)(第五九八号) の審査を本
委員会
に
付託
された。
昭和
三十三年一月十八日
たばこ耕作組合法等制定
に関する
陳情書
(第一 一号)
輸出振興
のための
税制措置
に関する
陳情書
(第四 六号)
金融機関
の
裏利取締
に関する
陳情書
(第八三号)
政府関係金融機関資金わく増額
に関する
陳情書
(第八四号)
国内塩業需給対策
に関する
陳情書
(第九六号) 山口県の
塩業危機打開
に関する
陳情書
(第一〇〇号) 二月一日
消防用燃料
に対する
免税措置
に関する
陳情書
(第一三二号)
銅合金製品
の
免税点引上げ等
に関する
陳情書
(第一四〇号)
たばこ販売利益率引上げ
に関する
陳情書
(第一八七号)
信用保証協会
に対する
国家資金
の
導入増額
に関 する
陳情書
(第二 〇三号)
公営簡易火災保険事業法制定
に関する
陳情書
(第二三五号)
労働金庫
に対する
政府資金導入
に関する
陳情書
(第二四六 号) を本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
製造たばこ
の
定価
の
決定
又は
改定
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一号)
たばこ専売法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出第二号)(予)
日本開発銀行法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第三号)
昭和
二十八
年度
から
昭和
三十二
年度
までの各年 度における
国債整理基金
に充てるべき
資金
の繰 入の
特例
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第四号)
昭和
三十二
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特
例に関する
法律案
(
内閣提出
第五号)
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第八号)
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 九号)
酒税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一 〇号)
補助金等
の
臨時特例等
に関する
法律
の一部を改 正する
法律案
(
内閣提出
第一四号)
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一五号)
食糧管理特別会計
における
資金
の
設置
及びこれ に充てるための
一般会計
からする
繰入金
に関す る
法律案
(
内閣提出
第一六号)
国庫出納金等端数計算法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣提出
第一七号)(予)
関税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一 八号)(予)
税制
に関する件 ――――◇―――――
足鹿覺
1
○
足鹿
委員長
これより
会議
を開きます。 本日は、まず去る十二月二十四
日本委員会
に
付託
に相なりました
製造たばこ
の
定価
の
決定
又は
改定
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、同じく二十七日
予備付託
に相なりました
たばこ専売法
の一部を
改正
する
法律案
、一月二十九日
付託
に相なりました
日本開発銀行法
の一部を
改正
する
法律案
、
昭和
二十八
年度
から
昭和
三十二
年度
までの各
年度
における
国債整理基金
に充てるべき
資金
の繰入の
特例
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
昭和
三十二
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特例
に関関する
法律案
、
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
、
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
、
酒税法
の一部を
改正
する
法律案
、並びに去る三日
付託
に相なりました
補助金等
の
臨時特例等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
、
食糧管理特別会計
における
資金
の
設置
及びこれに充てるための
一般会計
からする
繰入金
に関する
法律案
、及び同日
予備付託
に相なりました
国庫出納金等端数計算法
の一部を
改正
する
法律案
、
関税法
の一部を
改正
する
法律案
の十三
法律案
を一括して
政府委員
より
提案理由
の説明を聴取することといたします。
大蔵政務次官坊秀男
君。 —————————————
坊秀男
2
○坊
政府委員
ただいま議題となりました
製造たばこ
の定価の
決定
又は改定に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
外十二
法律案
につきまして、この提案の理由を御説明申し上げます。 最初に
製造たばこ
の定価の
決定
又は改定に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。 この
法律案
は、
日本専売公社製造たばこ
の
最高価格
を定めている
価格表
の一部を改定するものであります。 その概要を申し上げますと、
専売公社
におきましては、
フィルター付紙巻たばこ
が世界的な流行を示し、国内においても強い発売の要望がありましたので、この要望にこたえるとともに、
専売益金
の増収をはかるため、
昭和
三十二年七月一日から
フィルター付紙巻たばこホープ
を試製して販売中であり、また新しい
需要層
を開拓して
売れ行き
の増進と
専売益金
の増収をはかるため、同年八月一日からはっかを主とする
特殊加香
を施した両
切紙巻たばこみどり
を試製して販売中でありますが、その
売れ行き状況
はいずれも良好でありますので、今後継続して販売するため、これらを
価格表
に追加しようとするものであります。 次に、
たばこ専売法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。 第二十六
通常国会
におきまして、
たばこ専売法
の一部を
改正
する
法律案
を
提出
しましたが、
審議未了
となりましたので、同法案の内容にさらに検討を加え、
葉タバコ
の
収納価格
及び
タバコ
の
耕作計画
の
決定等
について適正を期するため、
日本専売公社
の総裁の
諮問機関
として、新たに
たばこ耕作審議会
を設けるとともに、公社の行う
タバコ
の
耕作
の許可の基準に関する
規定
を整備し、あわせて
当該許可
について異議の
申し立て
の道を開く等のため、この
法律案
を
提出
した次第であります。 次にこの
法律案
の概要を御説明申し上げます。 まず第一に、
現行法
には、
収納価格
は毎年
日本専売公社
が定めて公告するとあるのみで、
価格決定
の基準については別段の定めがありませんが、この際
規定
を設けた方が適当と考えますので、従来から
日本専売公社
が実際に行なっていた
価格決定
の基準を法制化することといたしまして、
生産費
及び物価その他の
経済事情
を参酌して、
耕作者
が適正な対価を得ることができるように定めなければならないとの
規定
を設けることといたしております。 第二に、現行の
耕作許可制限
の
規定
を実情に即して
改正
し、これを
許可制限
と
許可基準
とに分けて
規定
することとし、さらに
許可基準
の一として、新たに
タバコ耕作
の経験の有無についても参酌することとして、経験のある
耕作者
の地位の安定をはかることといたしております。 第三に、
タバコ耕作許可処分
の適正を期するため、
日本専売公社
の
耕作
不
許可処分
に対して不服がある者には、新たに
異議申し立て
の道を開いて、行政上の
救済措置
を講ずることといたしております。 第四に、
葉タバコ収納価格
の
決定
は、
専売事業
の経営にとっても、また
耕作者
にとっても重要な事柄でありますので、従来から
日本専売公社
においては、その
決定
について各方面の意見をも徴し慎重に取り扱ってきたのでありますが、今回
法律
上の制度といたしまして、
日本専売公社総裁
の
諮問機関
として、
たばこ耕作審議会
を設立することとし、
葉タバコ収納価格
の
決定
のほか、毎年
耕作
する
タバコ
の種類及び
耕作面積
の
決定
に際しても、あらかじめその意見を聞かなければならないことといたしております。 次に、
日本開発銀行法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
日本開発銀行
は、
昭和
二十六年四月に設立されて以来、
長期設備資金
の融通により、
わが国経済
の再建及び産業の開発の促進に努めて参っておりますことは御承知のとおりでありまして、今後とも
わが国経済基盤
の
充実強化
について、同行の
業務活動
に期待するところはきわめて大きいものがあると考えます。 現在、
日本開発銀行
が行います
借り入れ
及び
債務保証
の
金額
につきましては、
法律
上
自己資本
と同額以内ということに制限されておりますが、最近における同行の業務の状況、特に
国際復興開発銀行
よりの
外貨借款
の
増大等
を考慮いたしますと、
現行規定
では
借り入れ
及び
債務保証
の
限度額
に制約されて、今後の円滑な
業務運営
に支障を来たすこととなります。従って、この制限を
金融機関
としての
健全性
をそこなわない範囲内において緩和することが必要と考えられますが、この点につきましては、すでに日本輸出入銀行について適用いたしておりますところと同様に、
借入金
の
限度額
を
自己資本
の二倍といたすとともに、
貸付金
と
債務保証
との
合計額
は、
自己資本
の額と
借入金
の
限度額
との
合計額
をこえないこととすることが適当と考えられ、これがために
日本開発銀行法
に所要の
改正
を行う必要があるのであります。 次に、
昭和
二十八年度から
昭和
三十二年度までの各年度における
国債整理基金
に充てるべき
資金
の繰入の
特例
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして申し上げます。
昭和
二十八年度から
昭和
三十二年度までの各年度におきましては、国債の
償還等
に充てるための
資金
の
繰り入れ
の
特例
といたしまして、国債の
元金償還
に充てるために
一般会計
から
国債整理基金特別会計
に
繰り入れ
るべき
最低金額
は、
財政法
第六条の
規定
による前々年度の
剰余金
の二分の一
相当額
にとどめ、
国債整理基金特別会計法
第二条第二項の
規定
による前年度首における
国債総額
の一万分の百十六の三分の一
相当額
の
繰り入れ基準
は、これを適用しないことといたしております。また、これとともに、
日本国有鉄道
または
日本電信電話公社
が
日本国有鉄道法施行法
第九条または
日本電信電話公社法施行法
第八条の
規定
により
一般会計
に対して負ういわゆる
法定債務
の
償還元利金
については、直接、
国債整理基金特別会計
に
繰り入れ
、この繰入額に相当する
金額
については、
一般会計
から
国債整理基金特別会計
に
繰り入れ
があったものとみなす特別の
措置
が講ぜられて来たのでありますが、
昭和
三十三年度におきましても、
国債償還
の状況にかんがみ、かつ経理の
簡素化
をはかるため、前年度と同様これらの
措置
を講じようとするものであります。 次に、
昭和
三十二
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特例
に関する
法律案
について申し上げます。
政府
は、
昭和
三十三年度
税制改正
につきましては、追って
関係法律案
を
提出
し、御審議を願うこととしているのでありますが、さしあたり緊急を要する
昭和
三十二
年産米穀
についての
所得税
の
臨時特例
に関する
法律案
を
提出
し、御審議を願うこととしたのであります。 この
法律案
は、
昭和
三十二
年産米穀
について
昭和
三十一
年産米穀
と同様に、
政府
に対し、
事前売り渡し申し込み
に基いて米穀を
売り渡し
た場合に、
昭和
三十二年分の
所得税
について、その
売り渡し
の時期の区分に応じ玄米一石
当り平均
千四百円を非課税とする
措置
を講じようとするものであります。 次に、
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
政府
は、国民の
税負担
の現況に顧み、合理的な
租税制度
を確立するため、一昨年の
臨時税制調査会
に引き続き、昨年六月以来
税制特別調査会
を設けて、
税制改正
の諸方策について鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末その答申を得、その後さらに検討を重ねた結果、
相続税
について体系の
合理化
及び負担の
軽減等根本的改正
を行うほか、
法人税
の
軽減
及び
下級酒類
に対する酒税の
軽減
をはかるとともに、当面要請される貯蓄の増強及び
科学技術
の振興に資する等のため、所要の
税制改正
を行うことといたしました。これらの
税制改正
諸法案のうち、今回、
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
を
提出
した次第であります。 まず、
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
について、その大要を申し上げます。 第一は、
証券投資信託
の収益に対する
課税方式
の
簡素化
と
合理化
をはかったことであります。すなわち、
証券投資信託
の収益に対する
課税方式
を
簡素化
し、従来の
収益源泉別
の
課税方式
を廃止し、その収益全体を単一の
所得
として
配当所得
のうちに含めて課税することとしようとするものであります。この
改正
に伴い、
証券投資信託
の収益についての
配当控除
について特別の
規定
を設け、また、その収益に対する
源泉徴収
については、その収益全体が
源泉徴収
の対象となることに改められますが、現行の
税負担
を考慮して、
昭和
三十三年四月一日から
昭和
三十四年三月三十一日までの間に支払いを受けるべきものについては、特にその
税率
を六%とすることとしております。 第二に、
税務執行
の
簡素化
の見地から、
給与所得者
が
確定申告書
を
提出
しなくてもよい範囲を拡張したことであります。すなわち、一カ所から給与の支給を受ける
給与所得者
が
給与所得
以外の
所得
を五万円に満たない
金額
しか有しない場合等には、
確定申告書
の
提出
を要しないことといたしております。 第三に、昨年の
改正
において
給与所得
とみなして課税されることとなった
共済組合
の
年金等
について、
源泉徴収
についての手続の
簡素化等
の見地から、
給付金額
が九万円に満たないものについては
源泉徴収
を要しないことといたしております。 以上のほか、
還付加算金
の計算について、還付の請求が遅れたため、
還付金
の還付ができなかったような場合に、その
遅延期間
について
還付加算金
を加算しないこととする等所要の
改正
を加え、また、総
所得金額
及び
山林所得
の
金額
の
合計額
が一千万円をこえる者の
確定申告書
に財産及び負債の
明細書
の添付を求めることとする等所要の
規定
の整備をはかっております。 次に、
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
についてその大要を申し上げます。 第一に、法人の
税負担
の
軽減
に資するため、
法人税率
を一律に二%ずつ引き下げるとともに、
中小法人
の
税負担
の実情に顧み、
軽減税率
の
適用範囲
を現在の
年所得
百万円以下から
年所得
二百万円以下の
金額
に引き上げることといたしております。この結果、
改正
後の各
事業年度
の
所得
に対する
法人税率
は、
普通法人
にあっては、年二百万円以下の
金額
については百分の三十三、年二百万円をこえる
金額
については百分の三十八に、
特別法人
及び
公益法人等
にあっては百分の二十八にそれぞれ引き下げられ、また、
清算所得
に対する
法人税率
は、
清算所得
のうち
積立金等
からなる部分の
金額
以外の
金額
について、
普通法人
百分の四十三、
特別法人
百分の三十八にそれぞれ引き下げられることとなっております。 第二に、
申告手続
の
適正化
をはかるため、災害その他の事由により各
事業年度
の
確定申告書
の
提出期限
を延期したい旨の
承認申請
があった場合には、
申告期限
を指定して承認することができることといたしております。 以上のほか、
証券投資信託
の収益に対する
課税方式
及び
還付加算金
の計算について、
所得税法
の
改正
に準じた
改正規定
を設けております。 次に、
酒税法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。 この
法律案
は、最近における
酒税負担
の実情に顧み、
国民大衆
の
税負担
の
軽減
に資するために、今次
税制改正
の一環として、清酒第二級、
合成清酒
第二級、し
ょうちゅう
、雑酒第二級等の
下級酒類
に対する酒税の
税率
を、おおむね一割引き下げようとするものであります。 この
税率
の引き下げをおもな酒類について申しますと、清酒第二級では、
現行税率石当り
二万二千五百円を二千円引き下げて二万五百円とし、
合成清酒
第二級では、現行一万七千六百円を千八百円引き下げて一万五千八百円とし、二十五度のし
ょうちゅう甲類
では、現行一万四千三百円を千五百円引き下げて一万二千八百円とすることといたしております。 なお、
租税特別措置法
で設けられている二十度し
ょうちゅうの軽減税率
については、二十五度し
ょうちゅう等
とほぼ権衡のとれた程度に引き下げるとともに、同じく、同法で
規定
されている
特殊用途酒類
については、おおむね従来と同程度の
税負担
に据え置くこととし、いずれも、この
法律案
の附則において、
改正
を行うこととしております。 次に、
補助金等
の
臨時特例等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
政府
は、国の財政の
健全化等
の目的から、
補助金等
の
整理合理化
につきまして、
昭和
二十九年度以降予算において所要の
措置
を講ずるとともに、
法的措置
を講ずる必要があるものにつきましては、
補助金等
の
臨時特例等
に関する
法律
により、特別の
措置
を講じてきたのであります。
政府
といたしましては、
補助金等
の
整理合理化
につきまして、今後もなお
調査検討
を進めて参る所存でありますが、
昭和
三十三年度予算の編成に当りましても、この建前から、
各種補助金等
につき検討の結果、同法による
特別措置
を、
昭和
三十三年度においてもなお引き続き講ずることとする必要があると考えられますので、今回、その
有効期限
を
昭和
三十四年三月三十一日まで一年間延長することとし、この
法律案
を
提出
した次第であります。 次に、
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
食糧管理特別会計
におきましては、従来、
食糧管理
のためにする食糧、
農産物価格安定法
に
規定
する
農産物等
、
飼料需給安定法
に
規定
する飼料、及び
てん菜生産振興臨時措置法
に
規定
する
テンサイ糖
の
買い入れ
及び
売り渡し等
、並びに
農産物検査法
の
規定
による
農産物
の検査に関する
歳入歳出
を一体として経理して参ったのでありますが、これらの経理の内容をさらに明確にするとともに、この
会計
の運営の
健全化
をはかるため、今回この
法律案
を
提出
した次第であります。 その大要を申し上げますと、第一は、この
会計
を
国内米管理勘定
、
国内麦管型勘定
、
輸入食糧管理勘定
、
農産物等安定勘定
、
業務勘定
及び
調整勘定
の六
勘定
に区分することといたしております。これを各
勘定
について申し上げますと、
国内米管理勘定
、
国内麦管理勘定
及び
輸入食糧管理勘定
においては、
国内産米穀
、
国内産麦
及び輸入にかかる
主要食糧
の
買い入れ
及び
売り渡し等
に関する
歳入歳出
を、
農産物等安定勘定
においては、
農産物価格安定法
、
飼料需給安定法
及び
てん菜主
産
振興臨時措置法
に基く
農産物等
、飼料及び
テンサイ糖
の
買い入れ
及び
売り渡し等
に関する
歳入歳出
を、
業務勘定
においては、この
会計
の
事務取扱い
及び
施設運営
、
農産物検査等
に関する
歳入歳出
を、
調整勘定
においては、
調整資金
に充てるための
一般会計
からの
受け入れ
、他
勘定
における
所要資金
の
借り入れ
及び償還並びに他
勘定
における
所要資金
の
当該勘定
への
繰り入れ
及びこの
繰入金
の
返還金
の
受け入れ
に関する
歳入歳出
をそれぞれ経理することといたしております。 第二は、
調整勘定
に
資金
を設け、
一般会計
からの受人金及び
当該勘定
における
利益
の
組入金
に相当する
金額
をもってこれに充てることとし、
食糧管理特別会計
の運営の
健全化
に資するための
措置
を講ずることといたしております。 第三は、各
勘定
の
利益
及び損失の処理に関する
規定
であります。すなわち、
国内米管理勘定
、
国内麦管理勘定
、
輸入食糧管理勘定
及び
業務勘定
の
利益
または損失は、
調整勘定
に移して
整理
することといたしております。なお、この
整理
をした後に、
調整勘定
に
利益
または損失があるときは、
利益
の額を
調整資金
に組み入れ、または損失の額を限度として
調整資金
を減額して
整理
することができることといたしております。また、
農産物等安定勘定
の
利益
または損失は、
当該勘定
の積立金とし、または積立金を減額し
整理
することといたしております。 第四は、前述の諸
措置
に伴いまして必要な
規定
の整備をはかるとともに、この
会計
の
昭和
三十二年度末における資産及び負債の各
勘定
への帰属、並びに
昭和
三十二年度にこの
会計
に設けられる
資金
の承継について、所要の
規定
を設けることといたしております。 次に、
食糧管理特別会計
における
資金
の設置及びこれに充てるための
一般会計
からする
繰入金
に関する
法律案
について、申し上げます。 この
法律案
は、
食糧管理特別会計
の運営の現状にかんがみまして、この
会計
に
資金
を設け、この
会計
の運営の
健全化
をはかろうとするものであります。この
資金
は、
一般会計
から
繰り入れ
る百五十億円を充てることといたしておりますが、これに必要な予算
措置
といたしましては、別途、今国会で御審議を願っております
昭和
三十二年度
一般会計
予算補正におきまして、
一般会計
から
食糧管理特別会計
への
繰入金
のうちに所要額を計上いたしております。 なお、各年度の損益計算上、
利益
があるときは、その額を
資金
に組み入れ、損失があるときは、その額を限度として
資金
を減額し、その処理をすることができることといたしております。 次に、
国庫出納金等端数計算法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。 国、公社その他の
政府
関係機関及び地方公共団体等における計算事務の迅速化及び
簡素化
に資するために、これまで
国庫出納金等端数計算法
によりまして、国税、地方税等については原則として十円未満、その他の受払金については一円未満の端数の
金額
をそれぞれ
整理
いたしまして、受け払いをすることといたしているのであります。しかし、同法がこれら国及び公社等の収入
金額
または支払い
金額
の受け払いの段階における端数計算を
規定
したものであるため、いまだ
受け入れ
及び支払いに至らない債権または債務の
金額
については、端数の
整理
を行うことができず、また、債権債務
金額
とその受け払い
金額
との食い違いの突き合せを要する場合もあるなど、事務処理の
簡素化
の目的が十分達成されていない部面が残っているのであります。本
改正
法律案
は、従来の端数計算制度の持つこれらの欠点にかんがみ、また、民間の取引慣行をも勘案いたしまして、
法律
の
規定
を債権債務自体の
金額
についての端数計算に切りかえることとするとともに、端数計算の方法についても、従来は一円未満四捨五入の方法によっておりましたものを、一円未満全額切り捨ての方式に改めることといたしまして、
会計
経理事務の一そうの
簡素化
をはかろうとするものであります。 なお、国の
一般会計
または特別
会計
の決算上の
剰余金
、
資金
の
金額
、
政府
関係機関の資本金の
金額
等、従来から端数
金額
の付されているものが多いのでありますが、これらの
金額
についても、この際端数
整理
を行なって、なるべく全面的な計算事務の
簡素化
の実をあげたいと考えまして、所要の経過的
規定
を設けております。 最後に、
関税法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。 この
法律案
は、税関行政の
適正化
に資するため、特定の保税地域について外部と交通する場所を指定することができることとし、輸出または輸入の規制に関する
規定
及び輸入の許可前に外国貨物を引き取ることができる場合の
規定
を明確にするとともに、開港が開港でなくなる場合の基準が的確を欠くのでこれを改める一方、貿易実績の多い姫路港と佐賀関港とを新たに開港に追加しようとするものであります。 以下、
改正
の内容について簡単に御説明申し上げます。 まず、保税地域とその他の地域との交通場所の指定につきましては、最近港頭地区の保税地域における交通量が著増し、税関の取締りが困難となっているのに乗じて、密輸を行う事例が発生している実情に顧み、特に必要のある保税地域については、その管理者の意見をも聞いた上、外部との交通場所を指定することができることとしようとするものであります。 次に、輸出または輸入の規制につきましては、他の法令の
規定
により輸出または輸入ができないこととされている貨物に対しては、税関においてこれらの許可を与えないことを明らかにして、粗悪品輸出の防止等に資するとともに、外国貨物の輸入の許可前における引き取りの制度につきましては、これを貨物の性質等により早期引き取りがやむを得ないと認められる場合に限り認めることとして、この制度の適正な運用を期することとしようとするものであります。 また、開港の問題につきましては、最近の開港の実情に顧みまして、貿易実績の多い兵庫県の姫路港及び大分県の佐賀関港を新たに開港に追加するとともに、開港であるための基準を入出港船舶隻数と輸出入貨物との双方にかからせることに改めようとしておりますが、これにつきましては、現在実績の少い開港の事情をも考慮いたしまして、
改正規定
の適用を一年間猶予し、来年末までの実績を見ることとしております。 その他、税関長が指定した保税地域とその他の地域との交通場所を指定した場合は告示する等所要の
規定
の整備を行うこととしております。 以上が、
製造たばこ
の定価の
決定
又は改定に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
外十二
法律案
の提案の理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。
足鹿覺
3
○
足鹿
委員長
これにて
提案理由
の説明は終了いたしました。本案に対する質疑は次会に譲ることといたします。 —————————————
足鹿覺
4
○
足鹿
委員長
税制
に関する件及び金融に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。
横山利秋
5
○横山
委員
実は、ちょうど一年くらい前に本
委員会
で取り上げまして、
国税庁
に研究を依頼いたしました問題が二、三ありますので、この機会を利用して、その研究ぶりを御報告願いたいと思います。 といいますのは、第一に問題になりまして、
理事
会で満場一致あなたの方の善処を
要望
いたしたのですが、勤労
所得
と事業
所得
ないしは農業
所得
の合算の問題です。生計を一にして、日常の起居を同一にしておるという場合が、まず一番の問題でありますが、主人が工場へ行っておる、お母さんがたんぼをやっておる、ないしはお父さんがたんぼをやっておるという場合には、原則として今の基本通達では、当該事業に要する
資金
の調達をなし、その他当該事業経営の方針の
決定
について支配的影響力を有すると認められる人が何人であるかによって判定をするのだ、特に何人かわからなかったならば、生計を主宰しておると認められる者がその者であるとするという意味でありますから、原則的には、生計を一にして一緒に生活をしておれば、そこのうちの主人が家族のもうけたやつを全部背負いかぶって税金を払うのだ、合算して払うのだという原則に立っておるわけであります。これについて、一、二の例外が基本通達の中にあるわけではありますが、これは、私どもは明らかに
所得税法
の実質課税の原則に反しているのではないかという大原則から、研究を願ったわけです。しかも今度具体的に申し上げれば、あの当時一つの例示をいたしました。子供が鉄道へ行っておる、お母さんがたんぼをやっておる、たんぼの名義もお母さんであり、働いているのもお母さんである、農協との契約もお母さんである、にもかかわらず、磐田の税務署でありましたか、合算にいたしましたので、
異議
申請を出しておる。それが契機となって、続々と二十数件協議団へ
異議
申請が出たわけであります。これを例として本
委員会
で取り上げて、自民党の方からも、それは、単に農業
所得
ばかりでなく、事業
所得
についても同じような例が全国にあるのであるという見解の発表もありまして、あなたの方へこの総合的な
検討
を依頼したわけであります。しかるところ、じんぜん日をむなしゅうして、今や一年になんなんとしております。この間、実は直
税部
長からちょっと立ち話で承わったのでありますが、ほぼその研究の結果ができ上って参ったような話を聞きました。しかるところ、名古屋へ帰りまして、その
異議
申請の結果を聞いてみますと、ほとんどことごとく却下をしたと言う。私が例を出しましたものは、どういうかげんか、今なお保留してありますと言う。例を出したものだけ保留をして、自余のものは、二十八件のうちで十六件ばかりことごとく却下をしておる。一体何を研究しておるのか、どういう方針でやっておられるのか。その研究と、それから下部における
異議
申請の審査といかなる関係を持って研究しておられるのか、まことに不誠意千万な話だと私は考えるわけであります。この点については、一たん大蔵
委員会
で取り上げましたからには、少くとも期間を区切ってすみやかなる研究がされ、そうしてあの席上においては、重ねて善処するとかたく約束をされて、その中には、一つの原則すらも私どもに提示をされたのでありますから、当然それが短かい期間のうちに報告がされて、かかる事情になったということがなさるべきが当然と考えて、私は質疑をしておるわけであります。そういう意味におきまして、どういう結果に相なっておるか、具体的に一つ御答弁を願い、その御答弁によって、さらに私どもは
意見
を開陳したいと思います。
北島武雄
6
○北島
政府委員
勤労
所得
と農業
所得
との合算について、従来から相当納税上事情があるように聞いておるのです。これは、先ほど横山先生がおっしゃったように、今までの
所得税
の基本通達が、とにかく原則として、事業に要する
資金
の調達をし、その他事業経営の方針の
決定
について支配的影響力を持っている方の
所得
とする。もしそれが何人であるかわからないときには、生計を主宰しておる者を、原則としてそういうふうに見るというような通達に基因しているわけであります。この通達にもいろいろ沿革があると思いますが、個々の、ことに農業
所得
と
給与所得
の問題については、非常に多くの問題があると思います。ことに農村に参りますれば、御主人が小学校の先生、あるいは国鉄に勤めておる、奥さんは家でもって農業をされておる、こんな場合に、この通達によりますと、そのほとんど大部分が合算になりそうであります。しかし、これは先ほど申しましたように、実質課税の原則から申しまして、いかがかと思われるふしもございますので、
国税庁
におきましてその後鋭意研究を続けて参りましたが、最近ようやくある考え方に到達し得ましたので、さらにこれを練りまして、近く通達いたしたいと思います。その考え方を申し上げますと、生計を主宰しておられる方が会社、官庁、地方団体等に勤務いたしまして、主たる職務を持っておる。他方家庭にあって農耕に従事しておる農家の場合におきましては、かりに奥さんと仮定いたしますと、昔から奥さんが田畑について土地の所有権を持っておったり、あるいは
耕作
権を持っておったりすると、これはもちろん奥さんの
所得
と考えます。また奥さんがきわめて小規模に、ほとんど内職的に家庭にあって農業に従事しておるという場合におきましては、これは奥さんの
所得
と考えまして合算いたさない。それから、今度は主たる会社、官庁、地方団体に勤務する御主人の方にこういうような事情がある場合には、奥さんの方の
所得
と見る。その事情と申しますと、たとえば御主人が国鉄とか小学校に勤めておられて、主たる職業に専念されておるために、農業経営に関与できないと見る場合、それから農業に関する知識、
経験
が御主人にないために、農業経営に協力できないと認められる場合、それからまたかりに農業経営に関する知識が主人にあっても、勤務地が遠隔の地にあって、事実上農業経営に協力できない、こういった場合には、原則としてこれを奥さんの経営と見て、奥さんの
所得
とする、こういうふうに考えております。ただし、その農業の経営が相当大規模でありまして、農業の経営によって家計費の大部分をまかなうという
程度
が相当大きなものである場合は、やはり御主人のものと見ざるを得ないのではなかろうか、こんなふうに考えておるわけであります。親子の場合も、大体今言ったような考え方で構想を練っておりまして、そういった方針で通達いたしたい。これによりますれば、おそらく現在まで農業
所得
と
給与所得
の合算について非常に多くの問題がありましたことも、その大部分が解消するのではなかろうか、こういうふうに考えております。
横山利秋
7
○横山
委員
ただいまのお話によりますと、これは明らかに基本通達の一五九の前文ですね。前文をまず削除しなければいけないという考え方に立つわけです。前文が基本原則になっておりまして、まずだれかわからない場合においては、その事業に要する
資金
の調達をなし、経営の方針の
決定
について支配的影響力を有すると認められる者がだれかで判断をせよ、だれかわからない場合においては、その生計を主宰していると認められる者にしろ、これが原則である。その原則が現在の基本通達の一、二に書いてあるわけであります。今あなたのお話を聞けば、だれかわからない場合には、一家の主人にしろという基本原則をまず抹消して、そうして、かりにあなたの言葉を是とするならば、あなたのおっしゃったような趣旨を原則として、これでいくのだというふうにならなければならないと思うのでありますが、そういう意味でありますか。
北島武雄
8
○北島
政府委員
この一五九を全然死文にするかどうかについては、たとえば農業
所得
以外の場合について言いますと、場合によっては問題があると思います。これは私の個々の感じでありますが、しかし少くとも生計を一にする親族間における農業経営者の判定については、別の通牒によってやる、この一五九の通達にかかわらずこれでやる、こういう考え方をいたしております。他の
所得
について、あるいは特殊の場合について、個々に書き分けることはむずかしいのじゃないかと思いますが、しかし、原則としては今言ったような考え方であろうと思います。
横山利秋
9
○横山
委員
そうしますと、あの当時出たのは、
給与所得
と農業
所得
との分離の問題でありましたが、しかしまた別の角度から、たとえばたばこ屋さんについても同じことが言えるのではないか、奥さんがたばこ屋さんをやっておるという場合には、どうなるのかという
意見
も出ておったわけであります。この簡単なたばこ屋さんを例にとってみまして、そんなものは常識でもわかるのでありますが、当然留守番をしておる奥さんがたばこ屋さんをやるのであるから、それが一五九の基本通達と関連して、やはりここに問題が生ずるのではないか。 それから第二番目に、一五九はそのままにしておき、そうして勤労
所得
と農業
所得
だけは別な通達を出すとおっしゃるのもいかがなものであろうか。現在の一五九は、そのまま勤労
所得
と農業
所得
のことをうたっておるわけでありますが、その辺で、通達の出し方についてまた新しい疑義を生ずるのではないかと思います。これは技術的なことでありますから、直
税部
長からでもけっこうでありますが、明快な通達の出し方についての御説明を願っておいた方がよろしいかと思います。
北島武雄
10
○北島
政府委員
ただいまの農業の経営者の判定についての通達は、農業に即して具体的に書いてありますので、これは、一般的に他の場合どういう書き方をしたらいいかということは問題があるわけでありまして、その点につきまして、他の
所得
との関係を十分考えて、他の
所得
においてはどういうふうにあるべきか、今言ったような農業
所得
、勤労
所得
の合算の場合と同じような思想でいった場合には、どういうふうになるかということを頭に入れまして、この一五九の通達を全面的に
改正
するかどうかということを一つ考えたいと思います。
横山利秋
11
○横山
委員
それでは、まだはっきりきまっていないようでありますから、私は強く
意見
を付しておきたいと思うのであります。一五九の前段は、明らかに実質
所得
課税の原則に反しております。わからなければ、その主人がもうけたことにしろ、わからなければ、その事業の経営で支配的な影響力を持っておる者がもうけたことにしろ、それを全部積み重ねて税金をかけてしまえ、こういうむちゃな原則に立っているわけでありまして、これは、もう税法の建前からいって根本的に誤まりを犯しておる。従って、かりにこの合算の問題でなくとも、税法の基本原則からいって、これは削除さるべきだ、こういうふうに私は考えておるわけです。従いまして、今回の合算に関連をする問題について、一五九の前文を、ともかくこれを削除するか、あるいはこの問題には適用しないという建前を貫いて、明確に一つ
措置
をしていただきたい。私どもがかく言うのは、今日の農業
所得
と、それから勤労
所得
との不均衡はおおうべくもないからであります。これは、大蔵
委員会
でも何回も議論をされておるところでありますから、
国税庁
の皆さんも御存じの通りであります。特にこの合算をされる場合において、明確にこの不均衡が出てくるわけであります。お隣はお百姓さんで、一家そろって働いておられる。こちらの方は、だれかが工場か会社に行っている、そうしてうちが多少たんぼをやっているという場合に生じて参ります不均衡というものは、各農村において特に痛烈なるものがあるわけであります。それが各方面において
異議
申請となって現われてきておるのでありますから、せっかくこの
改正
をなさる場合においては、思い切って
改正
されんことを強く私は
要望
したいと思います。きょう具体的でないようですから、一つその成案ができましたら、すみやかに当
委員会
に
提出
をして下さって、さらに
検討
をいたしまして、質問を継続したいと思います。 第二番目の懸案となっております問題は、退職課税の期間通算の問題であります。これはちょうど戦時中におきまして、軍需工場が敗戦によって一応大量の労働者を解雇いたしましたときに、涙金であるか、あるいは退職
規定
による退職金であるか、さだかでない、わからないままに、何がしかの金をもらって軍需工場から去っていった。ところがその軍需工場が、経済再建とともにさらに再雇用をいたしまして、そうしてその間多少のブランクがありましても、旧職員としてこれを処遇をし、そうしてある工場においては、前の期間とそれから再就職後の期間とを通算をし、そうして退職金の
支給
についても、新規採用の職員とは違った取扱いをし、またある会社においては、労働協約、賃金
規定
によってこれを締結しておるわけであります。ところが税法の段になりますと、これについてきびしい
制限
を加えておるわけであります。つまり前にもらった、敗戦のときに渡したお金が一体どういう金であるかはっきりしろ、こういうのであります。はっきりしようにも、当時敗戦の混乱の中で、それが一体どういう金であったか、会社もはっきりしないし、本人も何かさだかでない。そうするとあなたの方としては、それでは再雇用されたときに、前にもらった金を返したらいいではないか、そのときに返しておったならば、これは期間を通算してやる、こういうことであります。こんな知恵のあるような会社も、また銭のあるような労働者もあろうはずがありません。従いまして、会社において、あるいは労使間において、前後の期間を通算するとかたく契約をし、あるいは協約を結びながら、退職の際における在職期間というものは、戦後のわずか十年かそこらとして、税金が大量に引かれるわけであります。会社からもらう金は前後期間を通算し、税金はわずか十年としてしか引かれないのでありますから、格段の違いがあります。当時敗戦後といえども、細々経営をいたしておりました軍需工場に居残ったわずかの労働者だけは、前の期間も通算されるのでありますから、非常な違いがございます。この点を当
委員会
もやはり取り上げまして、あなたの方に
検討
を依頼したはずであります。これもまた一年になんなんたる深い御研究を続けていらっしゃるように思います。私は、こういうことはきわめて簡単なことであり、人数としても大したことでもございませんし、明らかにこれは戦後の混乱時において、もうアメリカ軍の上陸を前に控えて、多少の金を分けて、とにかく一応うちへ帰ってくれ、この後もし仕事が始まったら優先雇用するという
状況
にあった周知の問題でありますから、前にもらった金が幾らであるか、それはどういう性格のものであるかということをいつまでも言うことなくして、すみやかにこれは前後期間を通算するというふうに割り切ることが必要じゃないか。今日退職金
制度
についても、
政府
としては非常に新しい構想を立てておいでになるようでありますから、税法もこれと相マッチして格段の
措置
をとるべき必要があると痛感するわけであります。これも長期にわたる深い御研究の結果を聞きたいと思います。
金子一平
12
○金子説明員 お答え申し上げます。ただいまの問題は、非常に技術的な問題がからんで参りますゆえに、退職金の課税に関連して、全般的な問題として相当やっかいな問題もございました関係上、まだ結論は出しておりません。しかし勤続年数の通算を認めるような方向において研究を重ねておりますので、近く結論が出せる段階だと思います。出次第御報告を申し上げたいと思います。
横山利秋
13
○横山
委員
はなはだ御答弁が甘いと思う。一体何を研究するんです。私は、全国における軍需工場の当時の実態をあなたの方が研究をなさるにしても、かくも長い時間はかからないと思う。またそれを調べても、実際問題としては、当時の軍需工場の帳簿が残っているとは思われません。現在残っておりますのは、労働協約もあるでありましょう、あるいは賃金
規定
として現在のものがあるかもしれません。しかし、私は思うのです、かりに現在労働協約で前後期間を通算するというふうに
規定
をいたしておりますところ、ないしはおらないところ、両方あっても、戦前及び戦後にわたってその
規定
に多少名称が変り、あるいは多少資本構成が変っても、一貫した一つの経営規模、経営の
内容
をもって継続しております工場の労働者に、期間を通算するということが一体いかなる支障があるのであるか、一体いかなる調査が必要であるのか、今後一体どれくらいの日数がかかるものであるのか、一体何をこれからなさろうとしているのか、それを一つ明らかにしていただきたい。
金子一平
14
○金子説明員 あるいは今月中には結論が出せるかと思います。今お話しのように、従来から退職金の取扱いの問題につきましては、非常にやかましい取扱いをいたして参りまして、その例外を設けるということになりますと、やはり相当慎重にいろいろの事例の場合も考慮してやらなければいかぬというようなことで、はなはだ申しわけないことでありますが、おくれたわけです。御了承願います。
横山利秋
15
○横山
委員
今のあなたのお話では、前後期間を通算するという原則に立って今月中に結論づけたい、こういうお話でありますから、原則的にこれを了承いたします。ただ、これも記録に残ってあとで議論になるといけませんから、念のために申し上げておきますが、私の提起をいたしておりますのは、今のところ、敗戦に伴い解雇された労働者が、若干の期間を置いてその同一の工場、名称はあるいは多少違うかもしれません、
業務
内容
も多少違うかもしれませんが、同じ系統の工場に再就職をした場合、これについては、当時もらったお金がいかなる性格のものであるかについては、この際議論をせず、これを継続すべきである、簡単にいいますと、そういうことであります。先ほど申しましたことを
整理
して申しますと、そういうことであります。それについて、期間を通算をする方法において今月中に成案を得る、こういうことでございます。間違いありませんね——。それでは、その点につきましても、具体的な通達が出ましてから、さらに継続してお尋ね申し上げます。 もう一つ二つこまかい問題があります。これは、さらにさかのぼれば二年前になるわけでありますが、あなたの方に御
検討
をお願いして、また長期の
検討
をお願いしておるわけでありますが、夜間全国で働いております労働者の現物
給与
の問題であります。当時シナそば
法案
としてこの国会に上程がされまして、
現行
のものでいきますと、一カ月七百円ぐらい現物
給与
をしたものにつきましては、これは課税をしない、こういうことになっております。しかしこの七百円が定まりましたのは、たしか
昭和
二十六年くらいだったと思います。もっと前かもしれません。自来あらゆる物価も上り、税法の具体的な
金額
もそれぞれの条項で上っておりますのに、この七百円ばかりだけはいささかも上っていないのであります。交通費の方もまた同様でありまして、これは一体何としたことであろうか。
政府
の方は、今回国家公務員に、人事院勧告を了承して交通費を
支給
する、こういう
法案
を国会に出されるような趣きを新聞で承知をいたしておるわけであります。しかりといたしまするならば、交通費に対するものの考え方は、
政府
側としても、相当大幅に見解を変えられて参ったと思います。当時私が七百円の問題を列挙いたしました際には、現物
給与
を受けておる人と受けていない人との比較上、なかなかこれが踏み切れないのだ——私は七百円を二千円にしろ、三千円にしろと言っておるのではありません。少くとも物価にスライドして千円なり千二百円ぐらいに上げたらどうかと言っておったわけでありますが、それが他との均衡上とおっしゃっておられた。
政府
が今回交通費を国家公務員に全般的に
支給
するという決意をされたとするならば、
国税庁
が今日まで持って参りましたこの七百円に対する論拠というものは、明らかに基礎が崩壊をしたと思わざるを得ないのであります。従って、この際すなおに七百円についての再
検討
をなさるべき当然の段階であると思うのでありますが、いかがなものでありましょうか。月七百円と申しますと、毎晩徹夜をする労働者はありませんから、せいぜいまあ一カ月に七日か十日であります。十日といたしまして、一晩七十円、これはシナそば一ぱいであるから、シナそば一ぱいにも税金をかける、こういうわけです。夜の夜中に徹夜をして仕事をしております人々には、看護婦あり、警察官あり、鉄道労働者あり、あるいは溶鉱炉の火を消さない
産業
労働者あり、全くその人々の仕事というものは、他の人をもってかえることもできず、しかも肉体と精神とを摩消して働いておる労働者であります。それらの働いておる人々に対するわずかな現物
給与
が、七百円までしか税金がかからぬということは、これはもう古いのであります。この際、一つ七百円の
金額
を進めるべき条件と時期が成熟してきておると思いますが、いかがなものでありますか。
北島武雄
16
○北島
政府委員
現在の
所得税法
に関する基本通達は、御指摘のように、だいぶ昔に作られたものであります。現在の
実情
に合わない点をちょこちょこ私も見受けております。それにつきましては、全般の
改正
の一環といたしまして、ただいまお話のようなことも十分再
検討
いたしたいと思います。
横山利秋
17
○横山
委員
私は、長官が率直に再
検討
をされるというお話で、従来の長官とは、非常に違ったところであると思います。これは、率直に私申し上げておきたいと思いますが、もののかわり目というものをはっきりいたさなければなりません。従来の長官は、せっかくでありますが、今日としてはいたしかねるということでありました。北島さんは、十分に
検討
をして善処したいというお話であります。明らかにこの七百円の問題は、二年をたどってようやく第一歩を踏み出したものであると思うのであります。 そこで再
検討
の方法であります。これは、具体的にやっていただかなければなりませんから、七百円が幾らで妥当であるかということは、まず第一に、当時きまったときの
状況
から今日までの物価の推移、それから他との関連、交通費を
支給
するという
政府
の基本方針との調整等が必要であります。北鳥さんにお伺いをいたしますが、御
検討
はどういう方法で、いつごろこれを実現をして下さるのでありましょうか、事は簡単であります。そこで、
所得税
の方の御大が笑っているようでありますが、あの人は前から
検討
をしているのであります。今あなたが、大体このくらいだというふうに考えれば、直ちにそろばんが出てくるようになっているわけであります。私もいささか資料を持っているのであります、お差しつかえなければ、直ちに私はあなたに差し上げたいような資料がそろっているわけであります。これは、一年は絶対にかかりません、一カ月もかかりません、わずか一週間ぐらいで
検討
が可能であると思います。その点の、善処される時期的判断と、私どもが
検討
ができるのはいつごろであるか、お伺いをいたしたいと思います。
北島武雄
18
○北島
政府委員
さしあたり現物給だけについて取り上げてどうこうするか、あるいはまた
所得税法
の基本通達の工合の悪いところもちょこちょこ見まして、それとの関連においてするか、私の今の気持は後者の方なのですが、現在の基本通達で、もうすでに死文に化しているようなものもちょこちょこ見受けられます、現在の事態に合わないものも中にはある。そういうものの一環として、ただいまお話しのようなことも
検討
したいと考えているわけでありまして、今直ちに現物給だけ切り離してどうこうするということは、今のところは、私ちょっとふん切りがついておりません。
横山利秋
19
○横山
委員
きわめて意外なことを承わります。先ほどあなたは、基本通達もすぐに
改正
をするとおっしゃる、あるいは合算
所得
についても、今月中には
改正
をされるとおっしゃるわけでありますから、それと同じにやるならば、問題は一週間ぐらいでありますから、今月中に当然基本通達の
改正
が出ることになるでありましょう。それだったら、一緒にやれないことはないと思うのでありますが、いかがですか。
北島武雄
20
○北島
政府委員
非常におそいとおしかりを受けましたものの、とにかく農業
所得
と勤労
所得
の合算につきまして約一年もかかっているわけであります。この
所得税法
の基本通達の全般にわたりまして、その不合理な点を再
検討
し、直すとなると、やはりちょっと今月中というわけには参りかねると思います。できるだけ私のフレッシュなうちに、新しい目でもって見まして、不合理な点を直したいと思います。その
程度
で一つよろしくお願い申し上げます。
横山利秋
21
○横山
委員
ちょっと、私聞き違いかもしれませんが、合算と退職の通達は、先ほどのお話によりますと、基本通達を
改正
する案が今月中に実行に移されるというふうに聞きましたが、これは誤まりですか。
北島武雄
22
○北島
政府委員
ただいまの農業
所得
、勤労
所得
の合算の問題、あるいは退職
給与
に対する期間通算の問題などは、個別、別途の通達でありまして、その基本通達の中の一部についての
改正
でありますから、そのあと現物
給与
についてすぐ追ってやるかどうかにつきましては、もう少しほかとの全体のバランスを見ましてからいたしたい、こう考えております。
横山利秋
23
○横山
委員
あまり押し問答をすると、時間がかかって恐縮なんですが、何か長官非常にむずかしくお考えになるのでありますが、事はきわめて簡単な問題であります。文章としても、七百円というのを、ちょっと数字を変えれば済む話であります。別に深い
検討
は必要ない。こういう基本通達の一五九のようにややこしい文章ではない。しかもあなたは、前の退職金との合算については、基本通達の
改正
は別の通達として出すとおっしゃるのでありますから、その末尾に、カッコ七百円をカッコ千何ぼにするということで話は済むのであります。これは、決して私はむずかしい問題とは思いませんから、さらに機会をあらためて十分に御説明をいたしたいと思うのでありますが、格別にこれは慎重にお取扱いなさらんことを、私はお勧めをしておきたいと思います。 最後に、もう一つだけ聞いておきたいと思います。それは、この間の
税務執行
小
委員会
におきまして取り上げられた問題で、直
税部
長御存じでありますが、大阪の納税協会について御報告があるべき段階になっておりますから、この機会をかりて御報告を願いたいと思う。私どもが当時指摘をいたしました点は、大阪の納税協会が、民間団体であるにかかわらず、役所の電話、役所の事務所を使い、それから公務員であります税務署長と連名をして、本ですか帳簿ですか、そういうものを売る。あるいは
税務執行
についての連名の書面を出すというような事実が公けに開陳をされましたので、この点につきまして、すみやかにあなたの方で御調査を願い、適当な機会に本
委員会
に報告をされるということになっておりましたが、いかがなっておりましたか、御報告願いたいと思います。
北島武雄
24
○北島
政府委員
前回の小
委員会
で御指摘がございました。直ちに調査したのでございますが、実は、私手元に持ってこなかったので、そらで申し上げることは、ちょっと場合によって間違ったお答えをするかもしれませんので、次会に申し上げます。
横山利秋
25
○横山
委員
本件は、形に現われたことは、私が今申したことでありますが、形に現われざる問題を含んでおるわけであります。従いまして、今正確な資料がないとなれば、次会にいただくのでありますが、単に形に現われたその件をどうするかということにお取り過ごしになりますと、問題がかなり発展をいたします。その点十分お含みの上、次会に報告を願いたいと思います。これで私の質問を終ります。
足鹿覺
26
○
足鹿
委員長
石村英雄君。
石村英雄
27
○石村
委員
ごく簡単に。これもだいぶ古いことですが、渡邊さんが長官時代に、例の
法人
成りとかなんとか大蔵省は言っていらっしゃるのですが、中小企業なんかが、個人営業であったやつが
法人
になるということが非常に盛んに行われておるのですが、その場合に、税務署が行為否認をなさる。その行為否認をなさる例として当時の渡邊さんにお尋ねしたのは、小さな商売かもしれませんが、とにかく
法人
になったら社長になる。そうすると、その社長の給料が、お前のところはそれは高過ぎると言って、うんと下げて、
給与
として認めない。こういうやり方をなさっていらっしゃるようですから、一体
国税庁
は、行為否認をなさる場合に、何か
基準
があるのかと聞きましたら、渡邊長官は、
基準
はないとおっしゃった。
基準
はないかもしれないが、しかし実際各税務署は、その行為否認を盛んにやっておる。そこで、実際どのような行為否認を給料についてやったか、調べて報告をして下さい、こうお願いをしておいた。渡邊長官は、それは調べます、こういうことだったのですが、まだ、調べられたと思うのですけれども、御報告はないわけですので、一つその報告を至急にやっていただきたい、こう考えております。
金子一平
28
○金子説明員 お答え申し上げます。ただいまのお話は、同族会社の行為
計算
の否認の一事例としての
給与
の否認だと思いますが、これは、
国税庁
といたしましては、一般的
基準
を設けておりません。
給与
の否認は、結局
法人
の規模なりあるいは営業の
状況
なり、同じような会社とのバランスを見て、果して適正であるかどうかということで、否認をするなり、あるいは是認をするなりしなければならないわけでございますので、一般的な
基準
を設けるというような気持は全然持っておりません。結局各局にまかしておるわけでございます。お話のこのケースは、各局によってまちまちだと思いますが、早急に取りそろえて御報告を申し上げたいと思います。
石村英雄
29
○石村
委員
この点は、非常に非常識な否認が行われておるから言うのです。あの行為否認の法文の問題だと思うのですが、しかし一方では、非常識な給料を取るというやり方もないとはいえないのですから、まあ行為否認の条項も必要かもしれませんが、その運用はよほど慎重でなければならぬ。ところが、実態は非常に非常識な、お前のところの給料は五千円でいいとか七千円でいいとかいうような、とてもそれでは飯も食えないような給料に引き下げてやっておるという例を聞いたから長官にお尋ねした。長官は、その後の話によると、ある
程度
お調べになったようです。それは公式な席での話でないから申し上げませんが、お調べになった結果を、一つ公表していただきたいということなのです。
金子一平
30
○金子説明員 各局まちまちな、しかも過酷な否認をやっているというお話でございますが、中には、そういった例もあろうかと思いますけれども、私どもの指導といたしましては、先ほど申しましたような、各会社の
実情
に応じたような見方をするようにということで注意をいたして参っております。なお、お話しのございました資料は、取りそろえまして後刻御報告申し上げます。
石村英雄
31
○石村
委員
今の行為否認の問題ですが。ただいま渡邊長官との報告問題を申し上げたのですが、新長官に、さらにこの行為否認のことでお尋ねいたしますが、こういう例があるのです。それは、やはり今申しましたような会社で、
年度
末に現金が不足して、社長に対する給料が払えないという事態が起るわけなんです。もちろん会社のことですから、黒字になっても、現金がなければ払えないということがある。そうすると、その社長さんが他に
所得
があって、赤字で、現金がないために、その会社の社長としての給料をもらえずに翌
年度
に繰り越す、こういうことが行われると、税務署が参りまして、お前は、その給料をもらわぬでも飯を食ったのだから、その一カ月分の給料は給料として認めない、つまり一二カ月分を十一カ月分の給料にしてしまう、こういう例があると伝えられておるわけです。そこで、そういう例になったものは、これから先は、金がないときには、銀行からでも金を借りてきて自分の給料をもらっておいた方が得だ。こういう取扱いがあるようです。これなんか、一体どうお考えですか。きわめて僕は、これこそ非常識きわまる取扱いであると思うのです。
北島武雄
32
○北島
政府委員
私も今のお話を承わりまして、よもやそういうことはあるまいかと思いますが、しかしもしありますれば、そういうことは厳重にやめさせます。あとでまた具体的な事例を承わりまして、善処いたします。
石村英雄
33
○石村
委員
私も、長官がそんな非常識なことを指示されるとは考えない。ところが、実際地方の税務署には、そういうことが非常に多いわけです。さっきの給料の問題でも、あなた方は、他のそういう同
程度
の規模の会社とか、いろいろそういうことを見て給料は査定する、こうおっしゃるのですが、実際は、非常に非常識な扱いがされておるわけです。今の十二カ月の給料を十一カ月分にしてしまうというのも非常識な例ですが、いま一つは、旅費を否認するという問題も出てくる。たとえばある小さな町の化粧品店を御主人と奥さんで経営していらっしゃる、それが会社になっておる、主人と奥さんが東京なり大阪に仕入れに来る、化粧品のような婦人に関係する商売ですから、やはり奥さんも出てきて、いろいろ店の経営方法とか陳列とか何とかも、やはり婦人の感覚で見なければならぬ。いろいろ相談相手にもならなければならぬというので、夫婦で出張してくると、夫婦の出張は認められない、主人だけの旅費を認める。もし他の店員を連れて来たのなら認めるが、奥さんならこれは認めないというようなことがやられておるわけです。夫婦連れだから遊びに出たのだろうという推定も成り立つのですが、しかし商売が、そういう婦人の感覚の必要な商売をしておるというときには、夫婦で仕入れに出てきて、いろいろ他の商店、東京銀座のハイカラな店も調べるということが当然あると思うのです。それを、夫婦であったら認めない、店員だったら認める。こういうやり方もきわめて非常識だと思うのです。そういうことが行われておるわけですが、やはりこの点、
国税庁長官
の方針は、夫婦なら認めない、こういうことですか。
北島武雄
34
○北島
政府委員
夫婦なら必ず認めないということはないと思います。しかし、これは時と場合によりけりで、具体的な事例によってまたそれぞれ考えなければいかぬ問題じゃなかろうか、夫婦で来たのをすべていかぬということも、一がいには言えぬと思います。
石村英雄
35
○石村
委員
もちろん、そんなことを言えば切りがないので、お役人さんが出張される、ところが行ったらごちそうとか見物だけして、何も出張の用事はなかったというようなこともあるのです。一体そんなのは出張ではないじゃないかということも起り得るわけです。そんなこともあり得るというので否認されちゃたまらないと思うのです。税務署は何を根拠で——そのときの夫婦の出張について歩いて、あのときは仕入れをしなかった、研究をしなかったから否認するというような、そんな具体的な証拠が一体ありますか。ありっこない。最後になって、このときの出張は夫婦連れだから、一人分しか出張旅費としては認めない、こういうやり方をなさる。こういうやり方をされるのは、どちらかといえばその店がしっかりして、帳簿がしっかりしていて、あらを探そうとして行ってみてもあらがないから、苦しまぎれに作り出されるあらなんです。そうして、これを否認したからと言ってお帰りになる。これは、
国税庁長官
に考えていただきたい税務行政の上で非常に大事なことだと思うのです。帳簿をちゃんと正確につけて、つけ落しのないようにしていると、欠点がないからいかぬというので、どこかから欠点を無理やりしぼり出して、税金をよけい取って手柄にしようという考えが、地方にはないとは言えない。苦しまぎれにそういう非常識なことを、何らの根拠なしにやる。そして、そういうこともあり得るじゃないか。それは確かにあり得るが、あり得るからといって、根拠なしに否認をするということは、これは間違いじゃないか。これは、長官として地方の税務署の職員に対する指導の問題に関係してくると思う。そんなことがいいとあなたはお考えになっていらっしゃるとは思わないが、ところが現実には、そういうことで無理やりにあらを探し出す。これは作り上げたあらである。それは根拠も何もない。ちょうど松川事件のように、汽車をひっくり返すこともあり得るというので死刑にしたりなんかするのと同じように、蓋然性を持っていない。この点、長官として、地方の税務署の職員をどのように指導されるか、その基本的な考えをお話し願いたい。
北島武雄
36
○北島
政府委員
これは、なかなかむずかしい問題でございまして、えてして調査能力のない税務官吏は、帳簿上否認ができないと、往々にしてそういうような無理な否認をするということがあります。一つの現象を取り上げて、考えて無理な否認をするということは、全体としてしない方がいい、やはり調査能力を税務署の者が十分につけまして、そして具体的に帳簿上から正当な否認をやっていくということが建前だと思います。いやしくも江戸のかたきを長崎で討っとか、帳簿でわからないが、少くとももっとありそうだというので、一番目につきやすいところへ持っていって否認するというようなことは、やはり避けるべきであると思います。私どももそういう気持で指導して参っておるつもりであります。
足鹿覺
37
○
足鹿
委員長
本日はこの
程度
にとどめ、次会は来たる十一日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時二十八分散会