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1957-02-07 第26回国会 参議院 法務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月七日(木曜日)    午前十時三十八分開会   —————————————   委員の異動 十二月二十日委員雨森常夫君及び田中 啓一辞任につき、その補欠として小 林英三君及び吉野信次君を議長おい て指名した。 十二月二十一日委員宮城タマヨ辞任 につき、その補欠として岸良一君を議 長において指名した。 十二月二十八日委員平井太郎君及び森 田豊壽辞任につき、その補欠として 雨森常夫君及び川村松助君を議長にお いて指名した。 一月八日委員川村松助辞任につき、 その補欠として田中啓一君を議長にお いて指名した。 一月三十日委員岸良一辞任につき、 その補欠として宮城タマヨ君を議長おいて指名した。 二月六日委員田中茂穂辞任につき、 その補欠として郡祐一君を議長おい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 米治君    理事            雨森 常夫君            一松 定吉君            棚橋 小虎君    委員            青山 正一君            井上 知治君            大谷 瑩潤君            小酒井義男君            宮城タマヨ君            辻  武寿君   国務大臣    法 務 大 臣 中村 梅吉君   政府委員    法務政務次官  松平 勇雄君    法務大臣官房経    理部長     竹内 壽平君    法務省矯正局長 渡部 善信君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君   説明員    最高裁判所長官    代理者    (事務総局経理    局長)     岸上 康夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選派遣委員報告検察及び裁判通常等に関する調査  の件  (昭和三十二年度法務省関係予算に  関する件)  (昭和三十二年度裁判所関係予算に  関する件)   ————————————— 法務委員会を開会いたします。  初めに理事補欠互選についてお諮りいたします。当委員会理事でありました雨森常夫君の委員辞任に伴いまして理事が欠員となっておりますので、この補欠互選を行ないたいと存じます。互選方法成規の手続を省略して便宜指名委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  2. 山本米治

    委員長山本米治君) それでは私から雨森常夫君を理事に指名いたします。   —————————————
  3. 山本米治

    委員長山本米治君) 次に、このたび法務大臣就任せられました中村梅吉君が見えられましたので、この際法務行政についての御抱負、御決意等をお伺いいたしたいと存じます。
  4. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) 私、御紹介いただきました中村でございます。はからずも昨年末石橋内閣法務大臣として就任をいたしました。よろしくお願いいたします七  本日は法務省所管昭和三十二年度予算について、後刻経理部長から御説明を申し上げることにいたしたいと思います。  法務行政は、御承知の通り法律業務を中心といたしました目立たない、きわめてじみな業務内容でございますので、事柄自体はきわめて重要な意味を持っているのでございますが、私は前内閣法務行政について、再検討をいたしているのでございますが、おおむね前大臣方針を踏襲いたしまして、効果的な方法で施策を推し進めて参りたいと、かように考えております。  その重要な項目を申し上げますと、一つには国内治安対策の問題、それから更生保護充実強化矯正行政の刷新、人権擁護活動の思想の推進、登記、登録事務改善施設、営繕の計画的遂行基本法典改正事業の促進、まあこれらでございます。  ことに基本法典改正につきましては、前牧野大臣が、法務省顧問室を設けまして、刑事及び民事の各法典についての大家を招聘いたしまして、もっぱらその御研究に当っていたようであります。この顧問室活動と相待ちまして、基本法典の今後改善をすべき点を十分掘り下げて検討いたしまして、その結実を見るようにいたしたい、かように考えている次第であります。  また、更生保護充実につきましては、一そう意を用いて参りまして、刑務所あるいは少年院等における矯正仕事更生保護とは、常に一体になって進んでいくことが最も肝要であろうと存じておりますので、特にこの点につきましては意を用いて参りたい、かように存じている次第であります。  いずれ機会を見まして、法務行政万般についての委員会の御討議に伴いまして、それぞれの事柄につきまして、私どもの見解及び現在のあり方等につきまして御説明をいたすようにいたしたいと思います。  とりあえず本日は初めての委員会でございますので、ごあいさつを兼ねまして一言申し上げました次第であります。よろしくどうぞお願いいたします。
  5. 山本米治

    委員長山本米治君) 次に先般新任せられました法務政務次官松平勇雄君からごあいさつを伺います。
  6. 松平勇雄

    政府委員松平勇雄君) このたび法務政務次官を拝命いたしました松平勇雄でございます。  私は法務行政は今度初めて携わる者でございまして、文字通りずぶのしろうとでございます。従いまして、果してこういった大任を無事に勤め通し得るや危惧の念を抱くものでございますが、ただいま申し述べられました大臣方針のもとに、微力ではございますが、私の力のあらん限りを尽し、誠心誠意をもってこの任を無事に果したいと考えるものでございます。どうか委員の皆様におかれましては、よろしく御教導、御鞭撻賜わりまするようお願い申し上げまして簡単でございますが就任のごあいさつといたします。
  7. 山本米治

    委員長山本米治君) 次に、派遣委員報告を行いたいと存じます。  先般当委員会が行いました売春防止法施行に関する諸問題、刑務所拘置所及び少年院改善に関する諸問題、日ソ復交に伴う破壊的団体取締り対策及び出入国管理に関する諸問題等実地調査につきまして派遣委員の方からそれぞれ御報告をお願いします。  まず第二班近畿班一松定吉君からお願いいたします。
  8. 一松定吉

    一松定吉君 それでは過般私ども大阪和歌山愛知の一府二県を視察いたしたのでありますが、今、委員長からお話のありました売春防止法運用に関する問題と監獄及び少年院改善等に関する問題、日ソ復交に伴う破壊的団体取締りに関する問題、これだけの問題につきまして調査をいたしたのでございますが、ちょうど派遣委員井上知治君が出張前々口から御病気にかかりまして出張ができない。そこで赤松常子君と私と二人が行くことになったのであります。ところが私はどういうものか存じませんが、大阪府の調査はお前はできないということで、大阪府の調査を除かれておったのであります。そうすると、調査主要部分大阪にあるのですが、赤松君が一人でこれを調査しなければならない、私は大阪には行くこともできないことになっておりまして、つまり宙ぶらりんに飲まず食わずで大阪の空中におらなければならぬというような妙な調査出張命令を受けたのでありまして非常に困りました。赤松君は、それはそうであろうけれども、ぜひあなたがやってくれなければ困ると言うので、それでは出張命令にそむくけれども、仕方がないということで、結局私がこの主として調査の任に当ったのでありますが、これはお前は出張命令にそむいた調査であるから無効であると言われれば、これはやむを得ません、無効であります。しかしながらそういうようなことでありましたから、御了承の上、その無効、有効を論ぜず、一応大体のことを申し上げます。  詳しいことは、書面で御報告いたすことにいたしますが、売春防止法運用に関しましては、今、視察をいたしました大坂、和歌山愛知、こういう方面おいても、どうも更生保護施設に関しまする府県の予算が少いので非常に因っておる。しかしながらとりあえず少しばかり施設をしようというような準備に着手しておる所もございます。それから婦人相談所相談員というものも、すでにできている所がありますが、まだこれから一つこしらえようという所もあったのであります。婦人相談員人数は、地方によって五名あるいは七名、八名となっておりますが、愛知のごときはどうかというと、人数相当にふえて清々その保護施設に当ろうというような状況になっていることを認めたのであります。それから業者の状態を見ますと、ある地方は、これは来年の四月一日から完全に行われるのだから、それまでの間どうかこうかつないでおきさえすればいい、われわれの目的が達成されて、多少取締りが緩和されるのじゃなかろうかというようなことで、十分にその売春防止方面に向っていないような実情もありまするが私どもに向いましては、一たんこういう法律実施された以上は、その法律に従うつもりはあるけれども、何分、それについては業を廃止、転業をするので、その売春の行為に従事しておった婦人の将来の就職の道等考えなければならないので、国家一つ相当補助をしてもらいたい。また私ども転業するについての方針等一つ定めてもらいたい、こういうような話がありましたので、それは今回新たに選任せられたところの、選定せられたところの、いわゆる売春委員会が、まだそこまでの点に審査が進んでおらぬから、いずれそういう点は審査してそれがあなたがたのために決して不利益にならぬようにしてやるつもりだというようなことを報告しておきましたが、要するに、業者はまだひより見的な態度であったことは、はなはだ残念であったのであります。要は、政府並びに国会においてわれわれの転業の道を十分考えてもらいたい。それに必要な費用一つ相当に出してもらいたい、こういうような状況であったのであります。  それから監獄及び少年院改善等に関する問題に対しましては、刑務所は、多く建設が古いので、相当の年数を経ておりまするから、だいぶ朽廃の状況にあるような実情であります。こういう点については、一つ国家予算の許す限りにおいて修繕もし、改築もしたいというような希望もございました。それから室が非常に狭い、収容人員は多い、それがために一室に、六畳くらいの所に、八人も十人も雑居しておるというような実情のあることは、これは何とか改善しなければならぬと考えたのであります。  それから、いま一つここで特に御研究を願いたいことは、監獄制度ということについて、いわゆる監獄というような考えがまだだいぶ抜けないような実情を見てきたのでありますが、でき得べくんば、そういうような悪い考えをのけて、われわれは犯罪を犯したがために社会から離隔されておるだけであって別に監獄中に入れられておるのじゃないという考えをもって、自分から更生の道に進むことのできるような制度待遇等考えなければならぬのではなかろうかと思った点もございまするし、それからまた、外泊休暇制というものについての調査をいたしましたが、たとえば両親が病気であるとか、家内が病気であるとかいうようなときに、一日、二日外泊して、その用が済んだならば、また刑務所の方に帰ってくるというような制度はどうだろうか。あるいは仕事ために外泊して、そうして仕事が済んだら帰ってくるというような制度はどうだろうかというふうなことも考えてみた、研究もいたしましたが、大部分の人は、まだそういうようなことは早い、もう少し拘置所制度が完備し、精神修養等が完全に行き渡った上ならば考えられるけれども、今特別に、たとえば親が危篤であるから、ただ一時ちょっと帰してもらいたいというようなことのあるときに、だれか一人視察する者がついて、ほんの一時、ちょっと親に面会にやるというようなことは、これはいいことであるから、一つ考えてみることもよくはなかろうか。それから外部おいての仕事は、刑務所の中の仕事と違って、外部に出す、すなわち民間企業への通勤作業というようなことも、かの戦時中もしくは戦後においては、こういうことをやったこともあるけれども、今すぐにそれをやるということについては、取締りの人々の頭数が少いから思うようにならないこともあるから、そういう点はいま少しく完備しなければ、通勤作業ということはちょっとどうだろうかというような意見が多かったようであります。それから読書、これはだいぶ図書が完備している場所もございましてそういう所へ行って彼らがひまの間にその図書を借り受けて、そうして自室に帰ってこれを読むというような制度もだいぶ行われているようでありました。これはますます発展しつつある状況でありました。それから運動の停止、特別に何か獄則の違反をしたとかいうようなことで、運動してはいけないとかいうようなこと、もしくは他人に妨害を及ぼして、危害を及ぼすおそれがあるというようなときに、そういうことを時停止するようなこともあるが、そういうことは多く懲罰の方でやっているので、特別に今はそういう制度は行われておらぬようであります。作業賞与金というものは、今現にやっておりますが、これはそうたくさんない。たとえば、五年、十年服務しておって出るときに一万円くらい持って出るというようなのは大きいのであって割合に貯蓄というようなことが行われているけれども金額は多くない、こういうようなことは、つまり非常に働いたから金額が多い、働かなかったから、なまけたから金額が少いというようなことではなく、とにかくまじめにやっておりさえすれば、その仕事のいかんにかかわらず、相当賞与金をやるというような制度をとっておるので、これが非常にいいような結果をみているというようなことがあったのであります。  それから、特に私ども和歌山女囚刑務所を見たときに、その既決囚に、いわゆる美容学校というものを中にこしらえてやりまして、そこに美容を教えるところの先生が派遣されて、その女囚に向って美容を教えている、そういうようなものが、つまり相当期間美容の実習をおえまして、そうして刑務所にいるときに和歌山県の試験を受けて、すでに五、六人の者が及第して、刑期満了すれば直ちに外部にあってその業務に就業できるというような制度があったことは、非常にいい制度であったと喜んで、そういうものを大いに強化するように、奨励の言葉を残してきたのでありますが、どうもこういうことについて、同じ美容術業務に従事している外部の人が、刑務所でそういうことをするのは不都合千万だといって反対したということもありましたが、これも近来はその程度おいてやむを得ないという実情にあるようでありますが、こういうことは非常にいいと思うので、彼らが刑をおえて外部に出てきたときに、一つの生業があって、それに従事することによって犯罪を防止することができるということでありましてこれは大へんいいことだと思って私どもは見たのでありますが、刑務所所長も御婦人でありまして非常に理解があってそういう方面に向ってはますます向上発展に努めたいというようなことを主張しておりましたから、われわれも激励しておいたのであります。  また、少年法改正して特に少年年令を引き下げるというような問題も、調査のうちにあったのでありますが、何分、近来少年の犯行が非常に多い、こういうようなものを、もう少し年令を下げて、あるいはその年令、ちょうど刑に服することのできる年令を下げ、そうしてその犯罪のあった者は刑務所に入れて実刑を課するというようなことはどうだろうというような、調査の眼目であったのでありますが、この点につきましては、なるほど少年犯罪がふえたけれども、それはやはり少年保護観察という方面で十分に精神修養等もできるから、この点はまだ研究の余地があるというようなことでありました。  それから検察官詮議権検察官少年をどうするとか、こうするとかいうようなことについてまず考えて、検察官意見通りにしなければならぬというようなことについては、それも必要であろうが、刑務所所長にもそういう権限を持たしておいて、そうして刑務所少年の指導に十分に当るというようなことも必要ではないかというような意見があったことも、特に私どもは申し上げておきます。  それから極右極左団体が非常に近ごろばっこしているというような実情がある。こういうことは、自然に共産党勢力がふえると同時に、極右の者がそれに対抗して勢力をふやすというような実情がないでもない。また、共産党がいろいろな秘密に同志を糾合して、そうして国家を破壊するというような行動に入りつつあるというようなことを、大阪におきましては現に図解をして、われわれの了解ができるような説明をしてくれたのであります。どうも共産党のやり方が非常に活発になってその行動が地下にもぐって、なるだけ治安を乱して重大事になるかわからぬから、これはよほど国家として注意をしなければならぬということを、特に長官報告しておりました。これはもっともなことであろうと思うのであります。  大体こういうようなことでありますが、詳しいことは報告書に書いてありますが、要するに刑務所の方はいわゆるまだ何となく監獄だというようなふうな気持がだんだんあるようなことも、これを是正しなければならぬ。  それから庁舎が非常に朽廃しているからして危険がある。それから狭隘、あまり狭過ぎるから、中に入れられている者の衛生上、取締りがおもしろくないから、こういう点は相当にやはり予算をふやして、改善する必要があろう。それから掃除などは非常に清潔によく行き届いておりました。これは私も感心したのであるが、水道がどうも房の中にありません。それがために、房の中にただ当り前の水を汲んで入れている。しかも便所等一つの房の中にある。それがために臭気を発して、中に寝泊りをしている者が非常に困る、こういうことは、やはり水洗便所一つ改造する必要があろうというようなことを感じて参りました。  それから刑務所水道施設がありませんがために、一々何千人という者の炊事をするについて水が必要だ。それを朝から晩まで、三十人、五十人の既決囚が手桶をになって遠方の井戸に行って水を汲んで、それをかついで炊事場に持ってくるというようなことを一日に五回もやらなければならぬ。そういうようなことのために非常に仕事に支障を来す。そういうことだけで時間をとる。これはわずかの費用で済むことだからして刑務所内に水道設置して、そういうような不便を除去するというようなことが必要であろう。こういうようなことを向うからも話されました。われわれも目撃いたしまして、その必要を痛感いたしたのでありまするが、要するにこれは予算の問題でありまするから、この点は法務省におきましてもよく御注意の上で、こういう改善をする必要があろうというふうに私ども考えております。  大体のことだけの報告でありますが、詳しいことは書面一つ御了承願いたい。また何かこういう点はどうだというようなことの御質問がありますれば、お答えを申し上げることにして、この程度報告を要約いたします。
  9. 山本米治

    委員長山本米治君) 次に第三班東北班報告雨森常夫君からお願いします。
  10. 雨森常夫

    雨森常夫君 検察及び裁判の運営に関する東北班の御報告を申し上げます。  私は河合議員とともに、一月二十日東京を出発いたしまして、宮城山形秋田新潟群馬栃木の六県を視察いたしまして、予定通り一月二十六日帰京いたしました。なお同行の予定でありました小酒井議員は中止されました。なお西村専門員久保調査主事も同行いたしました。  調査要綱は、あらかじめ調査関係官公庁に配付いたしましてそれぞれこれに対して必要な書類作成方を依頼しておきましたので、報告書としてはこれを適当に編さんすることにいたしましたから、これをごらん願いたいと存じます。  また他の九州、関西の両班で御調査になりましたものを総合することを適当とするものにつきましては、私どもの持ち帰りました各種資料によって調査室で作成することにいたしたいのでございます。  各地では関係者との会同が持たれましたが、その際、関係施設責任者から、法規の運用の際に生ずるいろいろの問題、さらに立法に関する意見を聴取いたしましたが、文書報告以外のもので、なかなか参考になるものがございますので、これらのものをあわせて、次にその概要を御報告いたしたいと思います。  第一に、売春防止法運用に関する問題。これにつきましては、仙台山形前橋の三市で、県知事公室で、県、市、警察本部地方法務局、県、市の議会、更生施設関係者会同が催されまして、書類の提出と意見の開陳がございました。なお、新潟では、時間の関係上書類報告を受けるにとどめましたが、  以上の概要を申し述べますと、売春防止法に基く婦人保護及びその更正施設に関する予算は、各地ともまだ県の担当部の作成を終った程度で、いわゆる知事査定を終っておりません。従って固まったものにはなっておりませんが、厚生首との連絡は密接に行われており、法律要請に対応する地方予算としては計上済みで、その成立に努力しておることが認められます。ただ各県ともに、婦人相談所施設で、国からの補助の対象となるものは、建築費のみであって、用地費が含まれていないので、法律上認められた国庫補助率の二分の一は、実質的にいいますというと、はるかに高額を地方で負担しなければならぬ結果になりますので、その苦衷をどこでも訴えておりました。  次に、婦人相談員は各県とも適任者選任を終って、四月を待たずに実質的に婦人保護の任についている所もございます。これは宮城県、群馬県でございます。市の婦人相談員任意設置になっておりますが、地方の繁栄をはかる特殊事情として、遊興施設禁止に容易に賛成しない地区では、この婦人相談員選任適任者を得がたい事情もあるので、環境上適当と認められる場合には、市においても必要設置制とした方が、法律運用上適当であるとの意見が出ております。  次に、本法施行を目前に控えまして、業者の動向について、直接彼らと会見する機会はございませんでしたが、警察本部長県民生部長らからの状況報告によって察知しますというと、本法施行延期を策したり、あるいは転廃業資金国庫からの補助要請をしたりする動きは、各地ともに全然認められませんでした。おおむね転廃業を必至といたしまして、あらため組合を結成して協力をすることとしたり、これは宮城県でございますが、転廃資金の積立をして、その必要に備えたり、これは群馬県であります、組合長みずから従業婦を解雇して旅館業に転ずる、これは酒田市の例であります。従業婦に遊芸を仕込んでおったり、これは山形県の湯ノ浜の組合による芸妓補修学校設置の例でありますが、以上のようなことをしておりまして業者誠意を認めることはできるのであります。しかし観光施設充実慰安設備健全化の理論と現実とのジレンマに苦しんでおりまして転廃業も実際問題として容易でないために、今後、法律全面施行までの一年余の残存期間を有効に活用しようとしておる業者も見られまして、山形県においては、県警察本部長意見でしたが、旅館業法改正が必要でありますと言っておりました。本法実施については、各方面の十分なる監視の目が必要であろうと思われます。なお、米沢市におきましては芸妓、酌婦その他売春的婦人の一切おらないことは、売春禁止法実施後の取締り参考になることが多いと思いますので、その実情を検討するならば非常によい例であると存じます。  次に、監獄及び少年院改善に関する問題についてでありますが、本件に関しましては、視察した刑務所宮城山形秋田新潟前橋栃木でございます。少年院仙台青葉女子学園群馬榛名女子学園であります。新潟少年院赤城少年院はそれぞれ視察はいたしませんでしたが、院長から書類による報告を受けました。仙台及び東京矯正管区長がわれわれと一緒に来てくれましたので、両矯正管区内の総体の事情を知るのに非常に便宜を得ました。資料には相当詳細な記述をしてございますので、重複のわずらわしさを省いて簡単に申し上げることにいたします。  まず全国の刑務所の建物の中で、木造のもので明治年間に建てられ、修理を重ねつつ現在に至っておるものが非常に多うございます。建設後相当時間が経過しておりますので、立地条件も変化し、移転の要請のあるものも少くありません。私たちの視察いたしました山形刑務所は、明治十二年から三十年の間の建物でございまして、またこの山形刑務所は三十二年より移転予算化するように聞いておりますが、新潟刑務所も同様移転問題が現在起っております。監獄法の改正問題が目下研究されておるときでもあり、いろいろと行刑制度について述べるものが多いのでございますけれども、今日の監獄の状態で、その施設や処遇について一律に論ずることは何としても無理でございます。法務当局がこの際、総合的な計画を立てて刑務所の改築、増築、新築を促進し、全国の平均拘禁率が一三三になっておりますが、これを緩和することが最も急を要することと存じます。  次に、刑務所の職員の定員補充の困難、長期病欠の職員のための代がわり勤務からくる過労を克服して勤務実績を落さないためには、全職員の協力が必要であり、また、その努力の跡も相当認められるようでございますが、このような特別な現業的な勤務に対する超過勤務手当が十分に支給されていないことは、長い目で見ると、欠陥が暴露される日の可能性が危惧される次第でありますから、その対策については今後の研究が必要であろうと存じます。  その他、行刑上の諸問題について、未決拘禁の分離は、理論上異論はないようでございますが、前述のような監獄状況は、これらの改善充実計画の実行とあわせて考慮せらるべきものとの意見が多数でございました。また民間企業への通勤作業制、あるいは外泊許可制は、理論的には反対はございませんでしたが、行刑の実質をそこなわせないためには、その実行に当って管理方法について総合的な考慮が必要だとの意見が強いようでありました。この点につきましては、関西班の先ほど御報告がございました一松委員の御意見と大体一致した意見でございました。ただ栃木刑務所におきましては、収容者が女囚である関係でしょうが、外泊制度の確立を強く訴えられました。作業賞与金の合理化については、強制労働の法的性格、従ってその報償金の性格について、理論的の対立の解消は困難であるにしても、その単価の増額については、どこでも異論がないようでございました。栃木刑務所婦人刑務所でありますが、その雑居房の施設にも開放的考慮が払われ、また在監者の出産については、現に私どもが参りました一月二十七日には、本日生まれるという予定者がございましたが、これらにつきましては、病院移送の制度を活用することにしたいと言っておりましたが、これは出産した子供の将来のため考えた適宜の措置と思われました。しかし、その後、同所からの報告によりますと、その日に出産してしまった由で、非常に残念なことであります。  少年院は戦後の新施設であるために、設営は明るく、よい環境の醸成に関係当路者は努力しているようですが、特に特別少年院では、全国的に見て若干の事故が絶えない現状にかんがみ、少年の扱い、その年令引き下げの問題は、十分な研究の必要性を考えさせられた次第でありまして、群馬榛名女子学園におきましては、現在収容者八十八名中、十九才以上のもの五十六名ありました。その中で教化することが全く望みがない者が約半数以上いるとのことでございます。  次に、公安調査局の活動について申し上げます。東北六県の公安情勢について、仙台調査局長から相当に詳細に報告を受けましたが、各県内の情勢は目下のところ、日ソ国交回復や、当面の国際情勢が敏感に影響してはおりませんので、特別取り立てて報告することはございません。  以上簡単でございますが、第一班の御報告を申し上げます。
  11. 山本米治

    委員長山本米治君) 次に第一班九州班の報告を私からいたします。  第一班北九州班は、棚橋委員、辻委員及び私の三人で、法務委員会調査室の天久調査員を同伴いたし、昭和三十二年一月二十一日以降九日間にわたって、大村、諌早、長崎、福岡、小倉、別府、大分の七市三県に出張いたしまして所定の調査を行なって参りました。  調査の結果の詳細につきましては、時間の関係でこれを省略いたしまして、ここでは各地の特徴またはわれわれの所感を簡単に御報告申し上げるにとどめたいと存じます。なお今回の調査対象となった項目の中には、立法事項も包含されておりますが、その点につきましては各班の意見を整理いたしまして、後日調査室で資料を作成し、各委員のお手元に配付させることにいたします。  まず、第一点の売春防止法運用に関する問題ですが、本件につきましては、各県とも厚生省の指示に従って婦人保護更生施設、同相談所、同相談員等に対する所用の予算昭和三十二年度に要求いたし、これを実現するため準備を進めている段階であります。すでに数名の相談員を任命いたし、活動を開始している県や市もありましたが、いまだ任命していない所もありました。各地業者の動向は、一般的にひより見的態度で、実際に転廃業等いたした業者は至って少い実情であります。特異的なものといたしましては、長崎県佐世保市勝富町の貸席業者六十名が昨年五月全員出資によって西海国立公園観光株式会社を設立いたし、その事業といたしまして現在の施設を観光ホテルに改造するため政府の援助を得べく活動を開始していることでありました。しかしながら全体としては、各地とも本法施行期日ぎりぎりまで営業を継続し、この商における政府の出方を見守ろうという態度に見られます。従いましてこのまま推移するにおいては、最後のどたんばに至り混乱を起す懸念も絶無にあらずと思われます。既存の保護収容施設すなわち福岡婦人寮及び北九州婦人寮におきましては、本法施行されましても、今のところ収容余力がありますけれども、職員の定員が被収容者とスライドして常に変化するため、身分関係が安定しないので、この点の不便、不安を訴えておりました。この点公務員並みに定員定額制に改める必要があるのではなかろうかと思われました。  第二の点の監獄及び少年院改善等に関する問題でありますが、過剰拘禁は全国的な傾向かと思われますが、長崎刑務所及び小倉刑務所におきましてもこの傾向が認められました。長崎刑務所では被収容者に対する衛生的見地から再三浄化槽の要求をいたしたとのことでありますが、今日に至るまでその予算的措置がとられておらず、さらに問題と考えられますのは、電灯配線のことであります。すなわち当所の電灯配線はきわめて老朽化し、漏電のおそれが大きいにかかわらず、いまだ予算措置が講ぜられていないことは、当刑務所の保安上問題と考えられます。大分刑務所及び少年院はいずれも最新式施設で九州一帯の模範的なものと思われます。ことに大分刑務所のごときは通風、採光、浄化装置が十分に考慮された近代的な建物で、さらに従来の刑務所にはなかった教室、考査室、優良房舎等が設けられており、行刑事業上の一大進歩と認められました。  第三番目に、日ソ復交に伴う破壊的団体取締りに関する問題でありますが、日ソ復交後の日共九州地方委員会におきましては、日中国交回復を当面の中心スローガンといたし、原水爆禁止、基地反対、護憲闘争等の平和運動を中心に活動しているようであります。一方、右翼団体は容共勢力の増大を懸念し、これに対抗して地道な組織活動を一そう強く推進しようという気運にあるようでありますが、その運動方法は概して合法運動の線に沿っているようであります。特異的なものといたしましては、長崎県対馬島に県本部の組織と同一程度の組織を持つ朝鮮総連対馬島本部が結成されていることであります。朝鮮総連がなぜこのような小島に大きな組織を設けたかは不明でありますが、思うに同島は地理的に朝鮮及び中共に近い地位にあるため、密貿易や密出入国の中継基地として重視されているのではなかろうかと臆測されるのであります。  第四番目に、出入国管理に関する問題でありますが、大村収容所におきましては、昭和二十七年韓国側で刑余者の逆送還事件がありましてから、被収容者の中に刑余者と不法入国者との二つのグループができ、さらに昭和二十九年七月以降不法入国者の送還さえも停止されることになりましてからは、被収容者間に諸種のトラブルが頻発いたし、収容所内の秩序の保持並びに保安上、当局は非常に苦心をして参りました。さらに昭和三十年には南北朝鮮の思想的対立から抗争が発生いたし、各棟における南北抗争の気運はやがて全面的衝突にまで発展する形勢に立ち至りました。そこで収容所といたしましては衝突の未然防止及び警備保安上の見地から、昭和三十一年一月北鮮系を各棟から分離いたして一棟階下に集結収容いたし、さらに事件の指導的地位にあった関係人の公訴提起による身柄引き渡しを行いましたので、その後所内の秩序は落ちつきを見せて参りました。最近日韓抑留者の相互釈放が問題になっておりますことは周知の通りでありますが、この件について一縷の懸念を有するものであります。何となれば、不法入国者については両国間の交渉の妥結を見ますれば、送還が再開されるものと期待されるのでありますから、問題は比較的単純でありますが、刑罰法令違反者については、韓国側は彼らの国籍の取扱いがいまだ明らかでないという理由で、本国への受け入れを拒否いたし、いわゆる無条件釈放を主張しているからであります。法務当局も当初はこれに反対いたしたものの、今日ではこれをのんで、抑留漁夫の帰還に協力する態度を示しておりますが、日韓交渉そのものが韓国の不当な態度により行き詰まっている模様であります。この種の刑罰法令違反者は、相当長期の刑に服した後、引き続き当収容所に収容されている実情でありますから、一般に極貧者であり、しかも仮放免後の身元引受人のある者は、当局の調べによりますと、わずか四割程度にすぎません。さらに就職の意欲または能力のある者も決して多くはないと思われるのであります。従いましてこの種の者は仮放免いたしましても、早速衣食住に窮し、再び犯罪を重ねることは経験上明らかであります。従って、政府がかかる者の仮釈放を実施する場合におきましては、右事情を十分に留意いたしまして、受け入れ機関の創設または整備強化をはかるべきであると感ずる次第であります。  なお、長崎県庁におきまして抑留漁夫帰還者、留守家族、船主の各代表の方々から、政府及び国会は日韓問題の早期解決につきあらゆる機会をとらえて一段と積極的な対策を講じ、拿捕船乗組員及びその留守家族に対する救済費並びに補助金を継続的に支給するよう措置してもらいたいとの陳情があったことを申し添えておきます。  ただいまの各般の報告に対しまして質疑がございましたらどうぞ……。
  12. 一松定吉

    一松定吉君 ちょっと報告漏れがありましたから補足して……。  問題は大阪拘置所の問題でございます。これは御承知の通りに前国会において衆参両院の法務委員会大阪都島区民の都島に拘置所設置することの反対の請願が出ておりました。その請願が衆参両院の法務委員会おいて採択せられて、そうして両院の議長から内閣に送付せられた案件であります。ところが、そういうことがあったにかかわらず、法務省の方ではしきりに工事を進めているという情報があったことから、この国会でありましたか、法務大臣並びに関係当局に質問をいたしました結果、別に工事が進展しつつあるわけじゃないが、ただ拘置所勤務の職員のために一時宿舎を移転したというような実情にあるのであって、工事等については何にも着手はしていない、かりにそういうことがあるとすれば、その工事を一時停止させますからということで、そのままに委員会は済んでおったのであります。今回私どもが命を受けて現状を見ましたが、なるほど新築だとか建築ということには着手しておりません。ただ延原の工場の屋根がわらを取り払って、その屋舎をこわそうというような状況にまで進んでおった事実と、それから拘置所の役人が宿舎がないために、一時延原の工場の一部に住居をこしらえて、そこに移転をしておったという事実があっただけでありまして、工事の進展等何もございませんでした。それら関係者並びに弁護士、それらの人と会見いたしましてその後の状況調査したのでありますが、都島の地元から現在の拘置所のある土地を利用すれば相当刑務所が理想的にできるという新構想の設計図並びに設計書というものをこしらえて私どもの手元に提出しました。それについてその都島の反対代表者の山野平一君から説明がありまして、なるほど話を聞いてみれば今まで法務省の言っておった現在の拘置所に四階以上の建物はできないとか、あるいは都島区民の大部分が反対しておるというけれども、移転に賛成する者もあるのだとか、弁護士が満場一致で移転に賛成の決議をしたとかいうようなことがだいぶん間違っておったことも明らかになったのであります。すなわち大阪には弁護士は七、八百人近くおりますが、そのうちの七十人ばかりの者が寄って、いろいろな相談をした結果、それならば実情やむを得ないのではないか。そこまで法務省がやっておるならば今さら反対しても仕方がないではないかということで不承々々に賛成の意を表したのであって、大部分の弁護士が決してそれに賛成しておるのではないという事実が明らかになると同時に、都島の区民が賛成しておる者もあるのだというその賛成しておる者は、都島方面に住んでおる拘置所に関係のある人々が多少都島に移転することに賛成するだけで、あとは数万人の者が反対しておるという実情も明らかになりました。それから弁護士会が、山野平一君の提出した新たな構想に基く新築計画がもし実現するならば、われわれは都島に移すよりも今の現地に拡大強化する新築ができた方がよろしいという意見を述べまして、ただしこのことについては一つ法務省の方も十分に検討して、法務省の方もこの都島区民から出した新計画に基いてこれが支障がないということであれば、われわれは現地に建設することは賛成だ、そこで私どもは仲介の労をとって現地の者と法務省の者との間に立ってこの新計画に基いて法務省もさらに調査をしてそうして都島区民の主張が認容してもよろしいという態度になれば、現地に、今の場所に新築することに同意し、法務省の方が調査の結果どうしてもこれはいけないということになれば、われわれは都島区民に働きかけて了解を得て、延原の土地に移すという仲介の労をとりましょう。だからしてこの点については一つ法務省の方にその新計画の設計書や図面を送って法務省の方で十分な調査をしてもらった上で、この話は円満に解決してもらいたいという。意見を弁護士会から述べられまして、それはいいことだからそういうふうに早く進めてもらいたいという希望を述べて帰りました。そういうことだけを付け加えて報告しておきます。
  13. 棚橋小虎

    ○棚橋小虎君 私は第一班で九州方面視察をしたのでありますが、ただいま委員長からの御報告ですでに尽きておるのでございますけれども、しかしそのうち特に私がきわめて簡単なことであるが、感じたことを法務省に申し上げて御意見を承わりたい。また希望として申し上げるのでありますから、この機会一つお聞きを願いたいと思うのであります。それは、刑務所の労役者の労賃でありますが、この労働賃金というものが非常に安い。労働賃金のうち一部を本人の所得として刑務所を出るときに更生資金として本人に渡すというのでありますけれども、この賃金なるものが非常に安いのでありましてこれはたしか大分の刑務所であったかと思いますが、中には一日働いて金十円というものがある。こういうことで果して一体刑務所の受刑者の勤労意欲というものが出るかどうか、こういうことは、これはよほど前から一体問題になっていることであろうと思うのでありますが、刑務所のこの労働賃金の制度についてはもっと御検討を願ってそうしてほんとうに勤労意欲を中にいる者が発揮できるように考慮されることが必要、と思いますが、その点についてはどういう意向であるか承わりたい。  それから一松委員の御報告のうちにもあり、それから山本委員長の御報告のうちにもあったのでありますが、刑務所水道のない所がある。何回言っても水道を引いてもらえない。それからまたこれは長崎の刑番所でありますけれども、電灯線が古くなって被覆が取れて漏電のおそれがあるということもたびたび本省の方に言っておるにもかかわらず、これもしてもらえないので困っておるのである。こういうことは私は経費の問題ではないと思うのです。水道を引くというようなこと、あるいは電灯線をかえるというようなことは、幾らの経費でもない。本省が地方から申請してくるものに対して一向かまわないということは、これは非常に怠慢である。注意が足らないのだと思うのであります。電灯線の被覆のないようなことをしてある、水道がないというような場合、火災が起る危険性がすこぶる多い。また一朝火災が起った場合に、水道がなくてどうしてこれを消しとめることができるか。りっぱな刑務所がひんぴんと方々に建っているのでありますけれども、一方ではそういう手抜かりをやっている。近来公共の建物が至る所に——これは刑務所ばかりではありません、学校やいろいろのものの火災が非常に多いのでありますけれども、こういうようなことに少しも気をつけておらぬということが、これはあやまちのもとであると思うのでありましてもう少しこういうところに行き届いた注意をすみずみまで行きわたらせるように、これはやはり本省の方々の怠慢という以外に青いようもないと思うのであります。こういう点についても、どうお考えであるかお尋ねをしたいのであります。  それから、売春禁止法、この問題につきましても、長崎でも福岡でも大分でも、検察庁、裁判所、警察、それから厚生関係の方々の御参集を願いまして懇談をいたしましたが、業者の人たちは、ほとんど四月の実施を控えて転廃業というようなものを考えておらないのでありまして、こんなことを言ってもとうてい実行不可能である、多分四月の法律は延期になるだろう、実施されないだろうというような考えが一般的であります。また一方、法務省の方の売春禁止法の実施に対する準備を見ましても、どうもいろいろな点においてほんとうにこれをやるという決意がはっきり下の方まで徹底するような態度を見せておらぬのでありますが、こういうことでは、山本委員長報告にありましたように、そのときになりまして非常に混乱を引き起すことは、これは火を見るよりも明らかなことであると思うのでありますが、一体、法務省では売春禁止法を実施するということに対して、どれだけの徹底するような方法をとっておられるかどうか、また、それだけのほんとうの決意があるかどうかということを、私はこの際お尋ねをしたいのであります。  それから、もう一つは、大村の朝鮮人の収容所のことでありますが、これはもう中で一つの労働をさせるということは、これはそういう権限はないのでありまして、その点は明らかでありますが、中に入っておる者は何もしておらぬ、一千人近くの朝鮮人が中に入っておって、そうして野球をしたり、いろいろなことをしたりして遊んでおりますけれども、何にも労働をしておらない、私は、この点で労働というものは強制はできませんけれども、人間というものは、遊んでおれば何か働きたいという気は自然に起ってくる、一日五時間も六時間も働かないでもいいが、一時間か三時間働いただけでも非常に気分を直し、中の秩序を保つ上に皆に精神的に非常に貢献するところがあると思うのでありますが、少しもその施設がないのであります。私は、この大村の収容所で一定の土地を買って、農業とか園芸とかいうことを希望者にやらせる、好きな者に働かせる、これは強制ではありませんから、一時間でも三十分でもいいのでありますから、それだけのことをすれば、からだも疲れるし、精力も発散させてそうして花を作ったり農業するということは、非常に精神的にも益するところがあって、中の取締りあるいは秩序にも非常に貢献すると思うのであります。そういうことはどうかといって聞いたところが、どうも大村収容所というものは、これはいつまで続いていくものか、どういうふうになるかというので、本省の方針もきまっておりませんので、そういうことができない、こういうことを言っておるのでありますが、これはまだ今後一年やそこらは続く、解決が至急つくという見通しがないならば、私は、こういう点で相当の土地を買って、借りてもいい、そうして、中の者を自発的に働かせるように、自由に働かせるようにということを私は提言したいのでありますが、こういう点については、本省の方ではどういうお考えであるか、この点を一つお聞きしたいと思います。
  14. 山本米治

    委員長山本米治君) 先ほどの派遣委員報告としては、意見はあまり申し述べませんでしたが、ただいま棚橋委員からの御発出は、われわれ派遣委員はいずれも同感な点であります。これらの点について政府から所見を伺いたいと思います。
  15. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 棚橋先生からの御質問の点について、私承知しております限りお答え申し上げます。  刑務所の収容者の労賃の問題でございますが、これは、労賃という考え方ではございませんで、作業賞与金というような性格に理解しておるのでございます。この点につきましては、仰せの通り金額が非常に少うございますので、勤労意欲を阻害するという面がある、これの裏づけ予算の増額を年々要求してきたのでございます。幸いにいたしまして三十二年度におきましては、この部分の増額が認められまして二十五年当時の大体八割増というふうになっております。増額いたしまして、刑務所関係で千七百六十七万六千円の総額になっております。この点の若干の緩和は見られるというように考えておるのであります。  それから刑務所水道がない、漏電のおそれがあるじゃないか、そういう点をお聞きになったようでございます。この点はもっともな点でございまして私どもの怠慢というお話でございましたが、怠慢と申せば、結論において怠慢になっておるのでございまするけれども、この点の改善は年々計画的に是正をしつつあるのでございます。来年度におきましては、水道というより水という考え方から私どもはこの解決に努めておるのでございますが、井戸水を使っておる所と、水道にたよらざるを得ないという所、両方あるわけであります。井戸水につきましても、浅い井戸でございますると、雑菌その他の衛生上の見地から憂慮される状態も起ってくるのであります。現に大阪の堺の刑務所におきましては、昨年の夏には、井戸水が原因になったと思われるのでございまするが、腸チフスの集団的な発生があったのでございます。こうい問題もございましてこの水の問題を解決するということが一つ刑務所施設改善の大きな眼目でございます。来年度におきましては、こういう水の不足しておる所、あるいは水質の悪い所、そういうものにつきましては、全面的に整備いたしたい考えで、ただいま計画を進めておる。それに対する施設整備の関係の経費が若干本年は増額されておりますので、計画は円滑に進め得るものと考えております。  売春の関係の決意の問題でございますが、これは、法案を作成立案いたしましたのも法務省でございます。法務省におきましては、いろいろな観点から、この売春法が円滑に実施されますように固い決意を持っておりますことはもちろんのこと、熱意も持っておるのでございます。しかしながら、これには必要な予算の裏づけがどうしても必要でございます。これに対する考え方が、私どもとしましては、はなはだ遺憾に思っておるのでございます。すでに三十一年度の予算におきまして、一億数千万円の予算売春法の施行ために出されておるのでありまするが、その予算の中で、法務省所管の関係組織に割り当てられておりますところの予算は、三百万何がしでございます。三十二年度におきましても、やはり同様の額ということでございまして、事業のおもなる部分はあげて厚生省においてなすべきものであるというような判断を受けておるのでございまして、この点は、私どもはなはだ遺憾に存じておるのでございます。  それから最後に大村収容所の収容者が労働していないという点でございます。これは御指摘の通りどもも同様に考えております。もともとこの大村収容所は送還をされます間の一種の待合所というような考え方になっているのでございまするが、最近の日韓会談の見通し等がはなはだ暗いのでございまして、かなり長期にわたって収容を続けざるを得ない状況でございます。そこで、ここに収容されております人たちに労働の機会を与えるということは、収容所を運営して参ります上において、はなはだ必要なことであります。そこで考えましたことは、彼らに農耕の機会を与えるために農耕地を持ちたいということで、三十二年度予算におきましては、五百八十万の予算要求をいたしまして、農耕地の買収を計画をしたのでございまするが、この点は残念ながら承認を得るに至りませんで、別途この問題を考え直すというふうにせざるを得ない状態でございます。大体以上でございます。
  16. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 三先生の報告につきまして、この売春対策の問題でございますが、婦人相談員という法律上の言葉がどういうふうに各地方でとられておりましたでございましょうか。その結果がやはり婦人相談員の男女の数に現われてくるのではないかと思っておりますが、その調査は済んでおるのでございましょうか、どうでございましょうか。もし、わかればそれを伺いたいということが一点。  その次は女囚の出産で、栃木刑務所に行かれたその日に生まれましたという御報告でございましたけれども、これはどうしても刑務所の中で生まれますと、たとえ所長の官舎の番地を戸籍につけましても、刑務所の中で生まれたということになりますから、その子供の一生涯に非常な損失がございますというので、私も長年そのことをこの委員会で申し続けておるのでございますが、この際一つせっかく御報告もございましたときでございますから、委員長にお願いでございますが、矯正局の方に……。きょう局長がお見えになっているようでございますが、一年間に一体刑務所で何人子供が生まれるかということを……、数年前までは大体一年全体といたしまして百人前後生まれておりましたが、今は女囚が少うございますから少いかと思いますが、一つ終戦後でよろしゅうございますから、ここ十年間一体刑務所の中で何人子供が生まれているかということを伺いたいと思います。  いま一つ榛名女子少年院での御報告の中に私、聞き違いだったならばけっこうでございますが、矯正教育の対象になるものはその少年院の収容者の半分ぐらいだということだったのでございましょうか。もし、そういうことでございましたら、これはゆゆしい問題で、その点もこの次でよろしゅうございますから、一つ矯正局長からその状態を御報告願います。この次でよろしゅうございます。  それから、いま一つは榛名少年院で最近に事件が起りましたようでございますが、その事件の内容、それからそのうちで四人の者を東京の愛光女子学園に送られたようでございまするが、その送られましたのが、女の子四人がみんな手錠をはめられていたという話でございます。その実情一つ調べていただいて昼の日中に女の子に、しかも四人一緒に手錠をはめて、何人の教官が付き添ってきたかどうかという、その詳しい事情を、矯正局長から次回でよろしゅうございますから、御報告願いたいと思っております。つまり榛名少年院の今度の院児が騒ぎました事件の内容と、それからほんとうに矯正教育の対象にならない者が半分以上もいるかどうか、これは重大だと思いますことは、少年法の欠陥がここに現れているのだ、つまり、処遇変更ということが少年法にございませんから、こんなことになっているのじゃないかと思います。これは根本問題も起ってくると思いますので、お願い申し上げます。
  17. 渡部善信

    政府委員(渡部善信君) お答え申し上げます。  女囚刑務所におきます出産につきましては、かねがねわれわれも生まれ出る子供たちの将来に禍根を残さないように、いろいろと配慮いたしておるのでございます。ただいま御報告を承わりますと、手違いから所内で出産をせざるを得ないような状態になったようでございますが、この点よく事情調査いたしまして、なお過去、終戦後の出産の状態等もこの次には調査いたしまして、御報告いたしたいと思います。  それから榛名少年院におきましての状況でございますが、これもよく調査いたしまして御報告したいと考えております。過般、榛名少年院におきまして少年たちが騒ぎました事件が実はあったのでございます。それはその当時の新聞にもちょっと載ったわけでありますが、この点もよくその状況を詳細に次に御報告申し上げたいと思います。なおその際、首謀者を他の少年院に移送した事実は間違いございません。これを移送したときに、手錠をはめて少年をじゅずつなぎにして連行したということでございますが、これもよくこの状況を詳細に調査いたしまして御報告申し上げたいと存じます。しばらく御猶予のほどをお願いいたします。
  18. 山本米治

    委員長山本米治君) さっきの宮城委員の御質問の中に、婦人相談員のことがありましたが、われわれが今度出張して見ました限りでは、大部分婦人のようです。長崎県では一人男性が婦人相談員として任命されておったようでありますが、大部分婦人じゃないかと思います。この分につきましては、あとで調査室で全国的な統計を——統計というか数を御報告申し上げるそうでありますから、御了承いただきたいと思います。  それから雨森君がおりませんが、東北班調査した少年院の収容者の半数は矯正にたえないような、また矯正してもその効果のないような者だという御報告がありまして、われわれもちょっと驚いたのでありますが、われわれが大分少年院で見た限りでは、そんなことは聞きませんでした。むしろ非常によくやっているように見られたし、非常に成績をおさめているように見られたので、半分は教育不可能、矯正不可能というような印象は受けておりませんから、ちょっと申し上げておきます。  なお、今の宮城委員の質問に対して一松先生の方から御答弁がございますか。
  19. 一松定吉

    一松定吉君 私も視察したときに、ごく小さい一才、二才くらいの子供が保母に取り巻かれて十数人の者が二人の保母に取り巻かれて遊んでおり、その母親は苦役に服しておるという実情を見まして、ちょうど今の宮城先生の御質問になったようなことを私どもからも質問してみたのです。臨月の囚人は刑務所おいて出産せしむるよりも、親里とかあるいは嫁入り先がごく近くにあるならば、そこに一時出産のために出して出産をして適当な時期、たとえばお宮参りが済んだとかいう、三十日、四十日済んだ後にまた服役させるというような制度考えるということはどうだろうか。また乳飲み子を連れて中に入ってきておるような者に対して、その乳飲み子が乳を飲まなくなる離乳期までは、刑の執行を猶予して、いよいよもう乳は飲まぬでもいいようになったときに服役せしめるような制度はどうだということを質問してみたのですが、それは非常にようございますが、そういうようなことが法律で制定されれば非常にけっこうでありますが、という係官の返答でありました。これは私は非常にいいやり方であって、何も刑が確定すればすぐにひっつかまえて刑務所に入れて、乳飲み子があろうとあるまいと、労役に服しむるということよりも、二ヵ月なら二ヵ月、一年なら一年だけ乳を飲ませて、もう乳に離れてよろしいというときに、初めてその子供は外部に置いて、自分だけが服役するということは、子供を養育する上においても非常によくはないか。それから出産のときに母親の里とか、自分の婚家先とかに帰して、そこで出産をするということは、ちょうど今宮城先生のお話のように、刑務所の中で生まれる、あるいは出産届には出生地というのを届けるのですから、特に刑務所という名前は使わぬでも、何市何町何番地、こうなると、それが刑務所の場所を指示するようなことがあれば、終生その子のためには、何も罪のない子供が刑務所で生まれた、母親が罪を犯しておったため刑務所で生まれたということは、その人間の将来のことを思えば非常に寒心にたえないことだ。これも一つ監獄法とかあるいは規則を改正するときに考慮すべきであろうということを、私は痛切に感じたのですが、ちょうどその点は宮城先生と同じ意見を持っております。
  20. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 ちょっとそれに連関して。  矯正局長おいでになる前の話でございますけれども、実はこの刑務所の中の出産ということを考えて信州の上田に、これは厚生省関係の産院ができましたけれども、あそこを開店休業にしているということを聞きまして、法務省の方も調べに行って下さったと思いました。私も参りましたのでございますが、とても手ごろのものがあるので、これを特別刑務所という名前をつけないでも、産院でも何でもようございますから、全国のお産する囚人を入れたらどうだろうかと言いましたところが、厚生省と法務省の間でうまくいかなかったらしい。ところが、その後どうなっただろうかと、ごく私最近聞いてみましたけれども、使うことは使っておるけれども、大して盛んにやっていない、信州という県柄がああいう県柄ですから。というのでございますが、一つこの点もお調べになってみてそういうことができたら私は大へん都合がいいと思っております。現在満一年までは乳を飲ませて刑務所の中で実際育てられておるのでありますが、これも問題だと思いますが、栃木刑務所は何人くらいおりましたのですか、子供が。刑務所の中でお乳を飲んでおる子供が。
  21. 山本米治

    委員員(山本米治君) 三人だそうでございます。男が二人、女が一人。  それでは、派遣委員報告の件はこの程度にとどめます。   —————————————
  22. 山本米治

    委員長山本米治君) 次に移りたいと存じます。  検察並びに裁判の運営等に関する調査の一環といたしまして、昭和三十二年度法務省関係予算及び裁判所関係予算についての説明を聴取いたしたいと存じます。都合により、まず裁判所関係予算について岸上経理局長から説明を聴取いたします。
  23. 岸上康夫

    説明員(岸上康夫君) それでは三十二年度の裁判所関係の予算案につきましてごく概要をお手元の資料に基いて御説明いたします。  まず三十二年度裁判所所管の歳出予算の総額は、百六億七千七十九万六千円でございまして前年度の予算総額九十五億三百六十一万九千円に比較いたしますと、十一億六千七百十七万七千円増ということになっております。その内訳でございますが、重要事項について申し上げますと、まず営繕費の関係は、三十二年度の総額は八億三千九百六十二万七千円、これは新営工事費と修繕費とほかに不動産購入費を含めての数字でございます。前年度が六億五百二十万三千円でございまして、二億三千四百四十二万四千円ほどの増加ということでございます。その内訳は、まず裁判所関係の庁舎の継続工事二十庁、新規工事は十八庁の新営工事費といたしまして七億二千九百七十一万四千円、裁判所庁舎の補修費及び法廷、調停室等の増築工事費といたしまして五千七百二十万円、不動産購入費が四百七十二万円、営繕事務費が千八百七十九万八千円という内訳でございます。  その次は第一審の充実強化に必要な経費として要求いたしました中で、認められましたのは四千二百七十三万五千円でございますが、その内訳は、第一審強化方策協議会出席旅費三百六十四万八千円、法廷増築費二千九百十九万五千円、書記官等の超過勤務手当七百八十九万二千円、自動車購入費三百万円ということでございます。  三番目、裁判調査研究費及び管理職手当、これを要求いたしましたのですが、今のところゼロでございます。  四番目、家庭裁判調査官研修所関係経費、これは研修生五十名の一年間の滞在旅費、講師謝金、教材費、器具購入費等で千六百六十六万四千円。  五番目の法律扶助協会補助金、これは一千万円要求いたしましたが、ゼロということでございます。  六番目の調停協会補助金、これは五百万円、これは前年通り五百万円認められております。  次に裁判費は全割で十四億三千八百三十六万七千円でございます。  それから八番目の最高裁判所の機構改革に伴い必要な経費、これは約要求は人件費、施設費等といたのまして、四億七千百万円ほど要求いたしたのでございますが、いろいろ折衝いたしました結果、本国会に法案が提出されることにきまっておるようでございますが、法案の成立後なお裁判所といたしましては準備期間にどうしても一年以上はかかるということから、本国会において成立いたしましても、その経費の関係は三十三年度以降になるのじゃないか、従って三十二年度に計上いたしましても結局使えない、必要性がないのじゃないかということで、これは一応要求いたしましたけれども、最終的には計上されていないということでございます。  以上が大体の重要点として要求いたしましたことに対するただいまの予算案の内容でございますが、その他経常的な経費、庁費、旅費というものが全部合わせまして、その残りの八十三億二千七百四十万三千円というのがそれでございます。  で、その次の資料にただいま申し上げました重要事項につきまして、要求額とそれに対して計上されました金額を、前年度の要求額とその比較というものの表をつけております。簡単に申しますと営繕費につきましては、要求は三十六億四千七百万円ほど出しまして計上されております。予算は先ほど申した通り八億三千九百万円、前年度と比較しまして約二億三千四百万円ほどの増となっております。  第一審の関係は、人員の増、その他施設の増等で合計七億七千万円ほどの要求をいたしたのでありますが、ただいま先ほど申しました通りのことで、計上されましたのは四千三百万円ということでございます。  裁判官以下職員の増員の要求をいたしましたのでございますが、本年度としてはどうしてもその点はむずかしいということでやむを得ず従った状況でございます。  その次の調査研究費、管理職手当、これは最高裁判所の判事についての研究費とその他の判事につきましての管理職手当といたしまして一億五千六百万円ばかりの要求をいたしましてこれは査定はゼロということでございます。  調査官関係は三十二年度要求額は六千三百万円でございますが、こういうのは先ほど申しました通り千六百万円程度、昨年に比べまして九百万円、二倍以上の増加ということでございます。  法律扶助協会の補助金千万円は、先ほど申しました通りことしは計上されるに至りませんでした。  調停協会補助金五百万円は先ほど申し上げました通りであります。  裁判費もこれも先ほど申し上げた通りで、前年度と比較いたしますと、約一億四千八百万円ほどの増加になっております。この増の内容は、事件の増加を見込みました分と、三十一年度の当初に証人、調停員等の日当の単価が値上げになりましたのに対しまして、三十一年度予算にはその単価の増による増が計上されていなかったのを、三十二年度には計上したということであります。  なお、最近の汽車賃の値上げに伴う旅費の増額を若干計上されておるということによります増が今申しました一億四千八百万ほどの増加の内容でございます。  その次は、先ほど申しました機構改革、これは今申しました通りでございます。  その次の表は今申し上げました三十二年度の予算として計上されておりまする額を費目別に分けてみまして、三十一年度との増減を見てみたわけでございます。別紙一から……。  それからその次の表は、これは先ほど申しました営繕費の新営費につきまして個所別に認められた所のみ御参考までに書いております。以上でございます。
  24. 山本米治

    委員長山本米治君) ただいまの説明に対して御質疑のおありの方は御発言願います。
  25. 一松定吉

    一松定吉君 これは何ですか、きょうこれを質問するのか。もう少し調査して質問したいのだがね。
  26. 山本米治

    委員長山本米治君) 今差しあたりあればどうぞ……。また後にも機会があると思いますが、なければ次にまだ法務省が残っておりますから。
  27. 棚橋小虎

    ○棚橋小虎君 法律扶助協会とは何ですか。
  28. 岸上康夫

    説明員(岸上康夫君) これは財団法人法律扶助協会という法人が現在ございまして、日本弁護士連合会が中心になりまして、それの外郭団体のようなことでできております。それが貧困者に対する弁護士報酬の立てかえというふうなことをやりまして、貧困者が弁護士費用を出せないが、しかし弁護士をつけたいというのに、調査の見込みのあるような事件については、一応その協会で立てかえて調査の場合にはあとで払うというふうな事業をしておるのでありますか。現在のところその運転資金が非常に貧弱であるというので、その宇美を育成するため補助金として千万を要求したのでございます。   —————————————
  29. 山本米治

    委員長山本米治君) 次に法務省関係予算説明を願います。
  30. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) お手元に三種の資料を配付いたしまして主要科目別比較表という資料をまずごらんを願いたいと思います。その三ページ、最後についてでございます。法務省所管の合計の欄でございます。このA、B、C、と三つの欄に分れておりまするが、この合計欄の一番右の欄でございます。一番右の欄の下から三行目の所が三十一年度の予算額でございまして、Bの欄が三十二年度、Cがその前年度との比較、こういうことになっております。そのまん中の二百三十一億八千百七十五万というのが所管全体の合計額になっております。前年度が二百十億二千七百三十七万一千でありまして、差額が二十億八千八十万四千円ということになっております。そこで、この二十億ふえました内容でございますが、まず上の方に組織等と書いてありまして区分という欄に人件費、旅費、庁費その他とずっと並んでおります。法務省予算を分析いたしますると、大体はこれへ入るわけでございまして、まず人件費とそれから旅費、庁費その次に諸謝金報償費交際費と書いてありますが、そのほかに調査活動費という費目もここに入ります。その次が委託費、補助金、その他それから営繕費、こういうふうに大体の経費を分けてみますると、まず人件費の方から申しますると、人件費の計の欄の一番下をごらん願いたいと思います。三十二年度におきましては百四十二億一千七百万これが人件費でございます。前年度の百二十六億と比較いたしますると十五億四千万の増、これが人件費でございます。それから旅費はどうかと申しますと、この計の一番下が三千百九十九万三千円の増。庁費のところは計におきまして差額七千四百四十二万五千円の増。それから交際費その他の調査活動費の項目へ参りますると、一億四千八百二十八万円の増。委託費は逆に二千八百万の減でございます。補助金が二百六十万の増。その他のところで五千九百万円の増。営繕費におきまして二億五千百七十八万七千円の増。こういうふうになるのでございます。で、もう少し細かく申し上げるわけでございますが、その前に大ざっぱなことを申しますと、大体二十億の増加のうちで人件費の増が十五億ございます。そこで残りの五億がその他の事務費の系統の増ということになりますが、その中で一億五千万が営繕費でございますから、差し引きいたしますると一億五千万が旅費、庁費その他の経費において増額されたということになるわけでございます。  そこで次は……。
  31. 小酒井義男

    小酒井義男君 簡単に。これから細かい説明があるようですが、このトータルと説明がちょっと違っておるようなんで、ミス・プリントかどうか確かめたいと思います。  本年度の予算総額が二百三十一億八千百七十五万円とおっしゃったのですか……。
  32. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) 二百三十一億八百十七万五千円でございます。どうも失礼いたしました。  それでは組織別項別一覧の方の資料をごらん願います。この組織別の増減のおもなるものを拾い上げまして申し上げてみたいと思います。  まず法務本省の組織におきましてごらんのように項が六つに分れておりますが、法務本省の方におきまして外国旅費の増額二百七十五万円が認められておりますが、これは在外研究員が本年すでに一名ございますが、さらに一名増加になりました点と、それから基本法令の調査関係におきまして、我妻特別顧問が外国の法制調査ために出られます経費が認められたのでございます。それから五番目のところに書いてございますが、犯罪防止及び犯罪者の処遇に関する国連アジア会議、これは第二回会議でございますが、これを本年の十月以降におきまして東京おいてこの国際会議を開く、その経費三百九十六万六千円が新たに認められました。それから更正保護会の幹部の職員に対する研修の経費が三百十五万三千円新たに認められました。  それから法務研修所の方へ参りまして、法務研修旅費の増百九十一万七千円認められました。  それから法務局の組織へ次は移りますが、法務局におきましては、まず第一に出張所と申します登記所が全国に千八百カ所ございますが、この職員に対する宿日直手当の増額といたしまして一千十六万円でございますが、一千万円増額が認められました。それからやはりこの出張所の経費で、渡切賃と申す経費がございます。これは三等郵便局にあります経費でございますが、渡切費が非常に少くて困っております。この分の五百七十二万五千円が増額されましたが、これは純増ではございませんで、法務局の庁費を渡切賃の方に組み替えてもらった経費でございます。それから三番目に自転車八百七十二台購入経費として八百七十五万九千円、それから四番目に書いてございます人権侵犯事件増加に伴う旅費、それから人権委員に対する実費弁償金の増額といたしまして百十八万六千円、それから小さいことでございますけれども、登記官吏の作業衣の分として三百五十九力四千円、それから事務能率を高めますためにコピアという機械がございます。こういう機械を二十二台買うということ、それから次のページへ参りまして登記諸費の項で、事件増加に伴うものとしまして五千四百万円が増加されております。  それから次は検察庁の組織へ参りますが、検察庁におきましてはまず治安関係の大きな増加といたしまして、最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁を通じまして、調査活動費が増額されております。それから地方検察庁におきましては、検察事務官の超過勤務が月二時間ということになっておりましたのを六時間、正確に申しますと五・二時間でございますが、六時間に延長されまして、千五百九十九万円の増額が認められました。それから裁判所の第一審強化方策に即応する検察体制を整えるという意味におきまして庁費で四百四十万円の増額が認められました。それから検察費に参りますと、来年三十二年度におきましては、刑事事件全体が若干下降線をたどるであろう、事件は増加しないで逆に減少の方向に向うのであろうという査定内容になっております。もう少し詳細に申しますと、三十一年度におきましては二百九十五万件の事件を見込んで予算を立てておったのでございますが、三十二年度におきましては二百九十三万件、二万件の減少を見込みまして、それに伴って庁費、その他が削減をされておるのでございます。しかしながら事件の一件当りの単価が若干値上げになりましたので、その関係におきましては三百九十万円の増になっております。第二番目に書いてあります刑事補償金の増百万円というのがありますが、これは捜査過程におきまして無実の者を勾留したとかそういうような問題で国が補償するという制度がございますが、勾留状を発せられてから後の問題あるいは裁判の過程におきまする問題におきましては、現に法律がありまして実施しておりますけれども、捜査の段階においてのそういう補償問題がこの法務委員会でも論議されてきております。その関係の一応の予算としまして百万円を入れてもらって、この問題の解決に処したいと思います。それから三番目にあります二千八百万円の減でございますが、これは昨年の参議院の総選挙の経費でございます。  矯正関係の組織へ参りますると、ここで重要なことは豊多摩刑務所、中野にございます豊多摩刑務所、それから小菅の刑務所がそれぞれ開設になるということで、人件費、二百二十人の看守の増員が認められたこと、それからこの両刑務所の開設に伴う庁費等で千二百万円の増が認められたことでございます。それからさらに刑務所収容費の方へいきますと、今の両刑務所の開設に伴う備品等の整備費として千百万円、それから二番目に書いてあります作業賞与金、先ほど私お話しいたしましたが、二十五年当時の作業賞与金の八割増ということで千七百六十七万六千円の増を認めてもらったのでございます。これも収容者に対する処遇の改善の問題でございます。日用品の単価の引き上げ、菜代の一円の値上げ、主食の値上りに伴う調整、こういう問題が若干ながら解決をされたのでございます。それから次にあります収容者二千名の減に伴う減額とありますが、検察事件が減るということを先ほど申し上げましたが、それと関連を持つわけでございまして、刑務所収容人員も三十一年度におきましては八万七千人ということで予算が作られておりましたが、三十二年度におきましては二千名減りまして八万五千人ということで予算を組み立てております。この八万五千の人たちが三百六十五日収容されておるわけでございまして、これに食事を与え、日用品を与え、作業をすると、こういうことになりまして、この二千名の減ということは収容費に大きな影響を持つのでございまして実は前年度通りということになりまするとここで大へんな減になるわけでございまするけれども、ただいま申しました日用品の単価の引き上げとか、菜代の一円の値上げとか主食の値上り分の調整とかというような問題を入れますと、結局それを相殺いたしまして結局は千四百万円のプラスになって数字の上では出てきておるのでございます。  三ページの方へ進みまして刑務所作業費でございますが、これは法務省の歳入の大きな見返りになる経費でございます。原材料の、ことに鉄鋼の値上りに伴いまして四千万新たに加えられましたほかに、豊多摩、小管の整備の金が四千六百万、両方入れまして八千七百万円の増額になっております。  少年院につきましては、先ほど来お話がありましたように、少年院の教官が絶対的に不足であります。この点がいろいろな集団逃走その他の事故の発生の原因になっておるように考えております。少年院予算の中で三十二年度こそはこの増員問題を解決するということが大きなねらいでございまして幸いにいたしまして九十二名の定員増を認めていただきました。その人件費が千六百万ということになっております。それから少年院の収容費につきましては、やはりこれは定員が、収容人員が減るという考え方になっております。つまり三十一年は一万二千人でありましたものが九千六百人に減り、二千四百人の減ということに伴いまして、食糧費その他でずっと減ってくるわけでございます。しかしながら刑務所と同じように処遇の改善をはかるのでございまして、日用品の単価を引き上げ、あるいは菜代一円の引き上げを認めたり、主食の値上りを調整したりということで、差引計算いたしますと、やはり減り方が刑務所と違いまして多いのでございまして千七百万の減となっております。  少年鑑別所の収容費につきましても同様な形が出ております。この方は三十一年は二千五百人でございましたけれども、三十二年におきましては千八百人に減ると、こういう計算の上に立っております。その他の処遇の改善につきましては、少年院刑務所の場合と同様でございます。  それから保護官署の組織へ参りますが、更正保護充実ということは三十二年度予算法務省の重要、政策の一つでございます。まずこの関係で改善をみましたのは、保護司の実費弁償金の増額が二千二百万、この内訳を申しますると、補導費の単価の引き上げで、一件百二十円しか差し上げていなかったのを百三十円に十円の引き上げを認められた、その関係で九百六十万円の増になります。それから特殊事務処理のため保護司の方をお願いするその数が四百二十六人の増、ただいま七十二名でございます。これを四百二十六名をさらに増員するということで九百九十六万九千円の増、それから事件の増加に伴う分としまして二百四十三万七千円、こういうふうにふえております。それから更正保護会に委託をいたします場合の委託費の増額でございます。これが約一千万、この内訳は食事件の宿泊費の単価を引き上げる、それから食事付でない宿泊費の単価を引き上げる、あるいは事件増加と執行猶予者関係の食事付の宿泊費、あるいは宿泊賞の委託日数をふやすというようなことで、そういう経費で一千万以上の増加になっております。  それから四ページに参りまして、保護司に対する通信費の増額五百万円、冒頭に申しました法務本省に入っている更正保護会の幹部職員の研修というのも入れまして、更正保穫に対する経費は満足すべきものではもちろんございませんが若干改善の見通しが立った次第でございます。  それから次に地方入管の組織へ参りますると、ここでは治安対策の関係におきまして審査官三十人の増員が認められました。それから調査活動費、無線器材費の整備という関係でそれぞれここに示されました通りに増額になりました。ここの護送収容費の項目において七十二万九千円の増加になっております。金額は小さいのでございますが、考え方を一応申し上げておきたいと思います。日韓会談の見通しはなかなか困難だという判断をいたしておるのでございます。それによりまして大村収容所及び浜松分室に収容されております人員が千六百から千八百と二百四、五十名の増加を見込んだこと、それから浜松分室の経費というものは三十一年度におきましては四、五、六と三ヵ月、そして七月にはゼロになるというような計算をして収容費を認めておったのを、三十二年度におきましては八ヵ月分認めるというふうな判定をいたしております。それからまた韓国へ送還船を出すわけでございますが、この船の雇船料が三十一年度におきましては六ぱい分の予算をつけておったのを、三十二年には三ばい分に半減するという予算になっております。それらを彼此計算をいたしますと、七十二万九千円の増という結論になるのでございます。  次の公安審査委員会の経費は、大体前年度通りでございます。それから公安調査庁におきましては治安対策の関係におきまして調査活動費が大幅に増額されましたほか、超過勤務手当等若干の経費の増額がございました。  おもなる各組織別の増減の安目は以上申し上げた通りでございます。  次に三枚目の資料は営繕費の関係でございます。これはもうごらんをいただけばわかりまするが、前年度三十一年度の予算総額は六億四千万でございました。これが三十二年度には九億四千八百かというふうになりまして差引三億の増加になっております。そのうちでまん中辺から下の所に書いてございますが、官庁営繕費として建設省計上分というのがございます。建設省計上分が一億六千五百万でございますので、それを差し引きますと法務省の計上分だけを申しますと、その上の欄にありますように、昨年が五億二千八百万で、本年三十二年度が七億八千三百万、差引二億五千五品万の増ということに相なっております。それで、それがどういう所にできるかと申しますると、摘要の欄に書いてあります通りでございます。なお刑務所関係法務収容施設費と申します所に、刑務所少年院、鑑別所、入国者収容所というこの収容所の関係をまとめてあるわけでございますが、その下に浄化槽というのと汽罐、それから施設整備という三つの項目ができております。この浄化槽と申しますのは、前年度通り一千万円が入っているのでございますが、これはまあ糞尿の処理に当りましてできるだけ水洗式に変えていきたいという考え方で毎年この一千万円程度の経費をいただいておるのであります。それかボイラーでございますが、これはわずか九百万でございます。これも年々いただいておる経費で、これによりまして計画的に改善をはかっておるのでございます。その次に施設整備としまして前年度三千五百万でございましたのが、本年は五千七百万にふえておりますので二千二百万の増額になっております。このうちには八日市場とか岡崎とかの拘置所あるいは刑務所の経費としてごくわずか入っておりますが、この施設整備費を活用いたしまして、先ほど御指摘のありました水その他の関係につきましては万全の策をとって参りたいというふうに考えておるのでございます。  以上はなはだ簡単でございますが、概略を御説明いたしました。
  33. 山本米治

    委員長山本米治君) 時間の関係もありますので、ごくわずかな時間御質問がございましたらどうぞ。
  34. 棚橋小虎

    ○棚橋小虎君 ちょっと二つばかり御質問したいのですが、簡単なことです。  検察庁の数字で、地方検察庁の一、二とあるところの検察事務官の超勤二時間を六時間に延長と、これはどういうことなのですか。
  35. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) これは検察事務官は公安職ではございませんが、公安職に準ずる仕事をしておるということで、号俸の四号調整と申します号俸の調整を受けてまあ優遇されておるのでございます。従いまして従来この検察事務官の超過勤務手当というのは、予算単価としましては二時間しか認めていなかったのでございます。ところがこの号俸調整を受けております職員は、公安職と同じようにかなり長時間にわたって勤務をする、七曜などは夕方まで勤務するということになっております。そういうことをしておりますけれども検察事務の性質上深夜に及ぶ場合がしばしばあるわけでございます。もし二時間しか超過勤務手当がありませんと、深夜に及んでの作業に支障を生ずるわけでございまして、何とかしてもう少しふやしてもらいたいということを、まあ数年来要求しているわけで、それが本年は二時間を五・二時間分だけ、二倍ちょっと、まあ三倍に近い増額になると、こういうわけでございます。
  36. 棚橋小虎

    ○棚橋小虎君 そうすると従来は四時間やっても五時間やっても手当は二時間しか出なかったということですか。
  37. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) さようでございます。超過勤務というのは必ず超過勤務しただけの金を払うというのが法律の建前でございますが、現状は予算の範囲内でということになりますので、実際には十時間超過勤務いたしましても、予算の範囲内でということになりますので、二時間でしぼられるということになっておったのでございます。
  38. 棚橋小虎

    ○棚橋小虎君 もう一点お尋ねしたいのです。その続きで、補導援護費という所ですね。そこのところの一のイで、補導費の単価の引き上げ、百二十円から百三十円に引き上げたという、補導費の単価というのはどういうのですか。
  39. 竹内壽平

    政府委員(竹内壽平君) これは保護司の方で、対象者を補導していただく方で、その方に支払います予算単価でございますが、一月に一件扱います。と、その方に、まあ実際はどれだけになるかわかりませんが、いわゆる実費弁償として差し上げますのは百二十円という予算しか認めてもらえなかったのです。これを何とか二百五十円ぐらいまで引き上げてもらいたいという要求をしたのでありますけれども、一挙に二百五十円というわけにはいかぬというので、十円だけ値上げを認められ、それをよせてきますと、九百六十万、こういうことであります。
  40. 山本米治

    委員長山本米治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  41. 山本米治

    委員長山本米治君) 速記を始めて。  昭和三十二年度法務省関係予算裁判所関係予算につきましては、次回にそれぞれ法務大臣、最高裁当局の出席を求めまして法務行政の基本方針その他を、あわせて調査を続行することにいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会