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政府委員(竹内
壽平君) 二百三十一億八百十七万五千円でございます。どうも失礼いたしました。
それでは組織別項別一覧の方の資料をごらん願います。この組織別の増減のおもなるものを拾い上げまして申し上げてみたいと思います。
まず法務本省の組織におきましてごらんのように項が六つに分れておりますが、法務本省の方におきまして外国旅費の増額二百七十五万円が認められておりますが、これは在外
研究員が本年すでに一名ございますが、さらに一名増加になりました点と、それから基
本法令の
調査関係におきまして、我妻特別顧問が外国の法制
調査の
ために出られます経費が認められたのでございます。それから五番目のところに書いてございますが、
犯罪防止及び
犯罪者の処遇に関する国連アジア会議、これは第二回会議でございますが、これを本年の十月以降におきまして
東京に
おいてこの国際会議を開く、その経費三百九十六万六千円が新たに認められました。それから更正
保護会の幹部の職員に対する研修の経費が三百十五万三千円新たに認められました。
それから法務研修所の方へ参りまして、法務研修旅費の増百九十一万七千円認められました。
それから法務局の組織へ次は移りますが、法務局におきましては、まず第一に
出張所と申します登記所が全国に千八百カ所ございますが、この職員に対する宿日直手当の増額といたしまして一千十六万円でございますが、一千万円増額が認められました。それからやはりこの
出張所の経費で、渡切賃と申す経費がございます。これは三等郵便局にあります経費でございますが、渡切費が非常に少くて困っております。この分の五百七十二万五千円が増額されましたが、これは純増ではございませんで、法務局の庁費を渡切賃の方に組み替えてもらった経費でございます。それから三番目に自転車八百七十二台購入経費として八百七十五万九千円、それから四番目に書いてございます人権侵犯事件増加に伴う旅費、それから人権
委員に対する実費弁償金の増額といたしまして百十八万六千円、それから小さいことでございますけれ
ども、登記官吏の
作業衣の分として三百五十九力四千円、それから事務能率を高めます
ためにコピアという機械がございます。こういう機械を二十二台買うということ、それから次のページへ参りまして登記諸費の項で、事件増加に伴うものとしまして五千四百万円が増加されております。
それから次は
検察庁の組織へ参りますが、
検察庁におきましてはまず
治安関係の大きな増加といたしまして、最高
検察庁、高等
検察庁、
地方検察庁を通じまして、
調査活動費が増額されております。それから
地方検察庁におきましては、
検察事務官の超過勤務が月二時間ということになっておりましたのを六時間、正確に申しますと五・二時間でございますが、六時間に延長されまして、千五百九十九万円の増額が認められました。それから
裁判所の第一審強化方策に即応する
検察体制を整えるという意味におきまして庁費で四百四十万円の増額が認められました。それから
検察費に参りますと、来年三十二年度におきましては、刑事事件全体が若干下降線をたどるであろう、事件は増加しないで逆に減少の方向に向うのであろうという査定内容になっております。もう少し詳細に申しますと、三十一年度におきましては二百九十五万件の事件を見込んで
予算を立てておったのでございますが、三十二年度におきましては二百九十三万件、二万件の減少を見込みまして、それに伴って庁費、その他が削減をされておるのでございます。しかしながら事件の一件当りの単価が若干値上げになりましたので、その関係におきましては三百九十万円の増になっております。第二番目に書いてあります刑事補償金の増百万円というのがありますが、これは捜査過程におきまして無実の者を勾留したとかそういうような問題で国が補償するという
制度がございますが、勾留状を発せられてから後の問題あるいは
裁判の過程におきまする問題におきましては、現に
法律がありまして
実施しておりますけれ
ども、捜査の段階に
おいてのそういう補償問題がこの
法務委員会でも論議されてきております。その関係の一応の
予算としまして百万円を入れてもらって、この問題の解決に処したいと思います。それから三番目にあります二千八百万円の減でございますが、これは昨年の参議院の総選挙の経費でございます。
矯正関係の組織へ参りますると、ここで重要なことは豊多摩
刑務所、中野にございます豊多摩
刑務所、それから小菅の
刑務所がそれぞれ開設になるということで、人件費、二百二十人の看守の増員が認められたこと、それからこの両
刑務所の開設に伴う庁費等で千二百万円の増が認められたことでございます。それからさらに
刑務所収容費の方へいきますと、今の両
刑務所の開設に伴う備品等の整備費として千百万円、それから二番目に書いてあります
作業賞与金、先ほど私お話しいたしましたが、二十五年当時の
作業賞与金の八割増ということで千七百六十七万六千円の増を認めてもらったのでございます。これも収容者に対する処遇の
改善の問題でございます。日用品の単価の引き上げ、菜代の一円の値上げ、主食の値上りに伴う調整、こういう問題が若干ながら解決をされたのでございます。それから次にあります収容者二千名の減に伴う減額とありますが、
検察事件が減るということを先ほど申し上げましたが、それと関連を持つわけでございまして、
刑務所の
収容人員も三十一年度におきましては八万七千人ということで
予算が作られておりましたが、三十二年度におきましては二千名減りまして八万五千人ということで
予算を組み立てております。この八万五千の人たちが三百六十五日収容されておるわけでございまして、これに食事を与え、日用品を与え、
作業をすると、こういうことになりまして、この二千名の減ということは収容費に大きな影響を持つのでございまして実は前年度
通りということになりまするとここで大へんな減になるわけでございまするけれ
ども、ただいま申しました日用品の単価の引き上げとか、菜代の一円の値上げとか主食の値上り分の調整とかというような問題を入れますと、結局それを相殺いたしまして結局は千四百万円のプラスになって数字の上では出てきておるのでございます。
三ページの方へ進みまして
刑務所作業費でございますが、これは
法務省の歳入の大きな見返りになる経費でございます。原材料の、ことに鉄鋼の値上りに伴いまして四千万新たに加えられましたほかに、豊多摩、小管の整備の金が四千六百万、両方入れまして八千七百万円の増額になっております。
少年院につきましては、先ほど来お話がありましたように、
少年院の教官が絶対的に不足であります。この点がいろいろな集団逃走その他の事故の発生の原因になっておるように
考えております。
少年院の
予算の中で三十二年度こそはこの増員問題を解決するということが大きなねらいでございまして幸いにいたしまして九十二名の定員増を認めていただきました。その人件費が千六百万ということになっております。それから
少年院の収容費につきましては、やはりこれは定員が、
収容人員が減るという
考え方になっております。つまり三十一年は一万二千人でありましたものが九千六百人に減り、二千四百人の減ということに伴いまして、食糧費その他でずっと減ってくるわけでございます。しかしながら
刑務所と同じように処遇の
改善をはかるのでございまして、日用品の単価を引き上げ、あるいは菜代一円の引き上げを認めたり、主食の値上りを調整したりということで、差引計算いたしますと、やはり減り方が
刑務所と違いまして多いのでございまして千七百万の減となっております。
少年鑑別所の収容費につきましても同様な形が出ております。この方は三十一年は二千五百人でございましたけれ
ども、三十二年におきましては千八百人に減ると、こういう計算の上に立っております。その他の処遇の
改善につきましては、
少年院、
刑務所の場合と同様でございます。
それから
保護官署の組織へ参りますが、更正
保護の
充実ということは三十二年度
予算の
法務省の重要、政策の
一つでございます。まずこの関係で
改善をみましたのは、
保護司の実費弁償金の増額が二千二百万、この内訳を申しますると、補導費の単価の引き上げで、一件百二十円しか差し上げていなかったのを百三十円に十円の引き上げを認められた、その関係で九百六十万円の増になります。それから特殊事務処理の
ために
保護司の方をお願いするその数が四百二十六人の増、ただいま七十二名でございます。これを四百二十六名をさらに増員するということで九百九十六万九千円の増、それから事件の増加に伴う分としまして二百四十三万七千円、こういうふうにふえております。それから更正
保護会に委託をいたします場合の委託費の増額でございます。これが約一千万、この内訳は食事件の宿泊費の単価を引き上げる、それから食事付でない宿泊費の単価を引き上げる、あるいは事件増加と執行猶予者関係の食事付の宿泊費、あるいは宿泊賞の委託日数をふやすというようなことで、そういう経費で一千万以上の増加になっております。
それから四ページに参りまして、
保護司に対する通信費の増額五百万円、冒頭に申しました法務本省に入っている更正
保護会の幹部職員の研修というのも入れまして、更正保穫に対する経費は満足すべきものではもちろんございませんが若干
改善の見通しが立った次第でございます。
それから次に
地方入管の組織へ参りますると、ここでは
治安対策の関係におきまして審査官三十人の増員が認められました。それから
調査活動費、無線器材費の整備という関係でそれぞれここに示されました
通りに増額になりました。ここの護送収容費の項目に
おいて七十二万九千円の増加になっております。
金額は小さいのでございますが、
考え方を一応申し上げておきたいと思います。日韓会談の見通しはなかなか困難だという判断をいたしておるのでございます。それによりまして大村収容所及び浜松分室に収容されております人員が千六百から千八百と二百四、五十名の増加を見込んだこと、それから浜松分室の経費というものは三十一年度におきましては四、五、六と三ヵ月、そして七月にはゼロになるというような計算をして収容費を認めておったのを、三十二年度におきましては八ヵ月分認めるというふうな判定をいたしております。それからまた韓国へ送還船を出すわけでございますが、この船の雇船料が三十一年度におきましては六ぱい分の
予算をつけておったのを、三十二年には三ばい分に半減するという
予算になっております。それらを彼此計算をいたしますと、七十二万九千円の増という結論になるのでございます。
次の公安審査
委員会の経費は、大体前年度
通りでございます。それから公安
調査庁におきましては
治安対策の関係におきまして
調査活動費が大幅に増額されましたほか、超過勤務手当等若干の経費の増額がございました。
おもなる各組織別の増減の安目は以上申し上げた
通りでございます。
次に三枚目の資料は営繕費の関係でございます。これはもうごらんをいただけばわかりまするが、前年度三十一年度の
予算総額は六億四千万でございました。これが三十二年度には九億四千八百かというふうになりまして差引三億の増加になっております。そのうちでまん中辺から下の所に書いてございますが、官庁営繕費として建設省計上分というのがございます。建設省計上分が一億六千五百万でございますので、それを差し引きますと
法務省の計上分だけを申しますと、その上の欄にありますように、昨年が五億二千八百万で、本年三十二年度が七億八千三百万、差引二億五千五品万の増ということに相なっております。それで、それがどういう所にできるかと申しますると、摘要の欄に書いてあります
通りでございます。なお
刑務所関係法務収容
施設費と申します所に、
刑務所、
少年院、鑑別所、入国者収容所というこの収容所の関係をまとめてあるわけでございますが、その下に浄化槽というのと汽罐、それから
施設整備という三つの項目ができております。この浄化槽と申しますのは、前年度
通り一千万円が入っているのでございますが、これはまあ糞尿の処理に当りましてできるだけ水洗式に変えていきたいという
考え方で毎年この一千万円
程度の経費をいただいておるのであります。それかボイラーでございますが、これはわずか九百万でございます。これも年々いただいておる経費で、これによりまして計画的に
改善をはかっておるのでございます。その次に
施設整備としまして前年度三千五百万でございましたのが、本年は五千七百万にふえておりますので二千二百万の増額になっております。このうちには八日市場とか岡崎とかの
拘置所あるいは
刑務所の経費としてごくわずか入っておりますが、この
施設整備費を活用いたしまして、先ほど御指摘のありました水その他の関係につきましては万全の策をとって参りたいというふうに
考えておるのでございます。
以上はなはだ簡単でございますが、概略を御
説明いたしました。