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大竹平八郎君 私は、
日本の
経済の一番大きな問題でありまする
輸出貿易に関連をいたしまして、目下東京において開催中の新年度、すなわち三十二年度の
日本—台湾すなわち
日台貿易の協定につきましてお伺いしたいと思うのでありますが、時間の
関係もあるようでありますから、詳細の点は
政府当局から伺いまして、構想につきまして大臣の御答弁を願いたいと思うのでありますが、まず第一に、
一般の認識から申しまするというと、対台湾との貿易ということになりまするというと、きわめて僅少視されがちなんであります。すなわち、対中共問題というものがからんで参るのでありますが、中共は、御
承知の
通り、六億の人口を擁しております。台湾は、本島人を入れましても、わずかに一千万人にすぎないわけであります。そういう点から中国を論ずるということになりますると、勢い中共にその重点が置かれて、従って、貿易も、中共貿易というものが、私どもの口から言わせるならば、
政府のむしろ非常な援護を受けてそうして中共貿易というものが盛んに宣伝をせられておりまするが、実績というものは必ずしもそう上っておるのではないのでありまして、ずっと前の金額はちょうちょういたしませんが、たとえてみまするならば、一昨年の中共と台湾との貿易の状況を比較してみまするというと、一昨年の中共に対する
輸出は二千八百万、
輸入は逆に八千万、昨年は
輸出が五千三百万、
輸入は相変らず多くて八千二百万、これに対して台湾の方は、過去数年間の貿易協定が大体遂行せられていっておるのであります。一昨年は
輸出が六千三百万、
輸入が八千万、昨年は砂糖の貿易の問題に関連をいたしまして、非常に
輸入が少くなって、
輸出は大体七千七百万で昨年の七千六百万ドルの協定を突破しておるわけであります。それから
輸入は先に申し上げました砂糖が非常に少なかったので四千五百万ドル、こういうような数字で中共と台湾と対比いたしまするというと、目の中に入るような対台湾の貿易というものが実に大きいものであるということが
一般に認識をされるわけであります。しかも、協定国、二十四カ国中におきまして過去数年間におきまする
日台貿易の協定というものは、非常な成績をもって今日まできておるのであります。
それで今問題になっておりまするものは御
承知の砂糖の値段の問題であります。これは
あとで通商局長に
お尋ねいたしますが、それからまあ問題の米であり、それから塩の問題であるのでありますが、私どもがここでぜひ大臣に考えていただかなければなりませんことは、台湾自体というものには、かつてわれわれの同胞でありまする六百五十万という人々が現在台湾に生活をしておるのであります。おそらく世界広しといえども、これくらいたくさんの人間が、いわゆる親日性を持った人間というものは、世界広しといえどもいないのであります。それからまた台湾の
産業の立地計画と申しましょうか、これは五十数年前に
日本が領有してから今日まで、
日本の
産業規格に合うような方針で、いわゆるしょうらいの島を蓬莱島としてきたわけであります。こういう点から考えまして、対台湾との貿易は非常な特色的な
一つの私たちはケースであると、かように考えておるのであります。従いまして、通産当局あるいは外務当局等は、過去の
日本と台湾、それからそこにおります台湾人との
関係からいたしまして、わかってはおるようでございますが、
政府の一部におきましては、これに対してまことにその理解度が少いというような点が多いのであります。こういう点から考えまして、せっかくスムースにいくべきところの貿易というものが、非常なわずかのことに端を発しまして、両民族の感情上の問題にまで爆発をさしてくるというようなことが過去にもあったのであります。こういう点につきまして、ただいま開催中の
日台貿易、しかも東京で開催されておるのであります、台湾国民
政府の希望といたしましては、昨年の七千六百万ドルを上回る大体一億三千万ドルくらいの目標にしておるように聞いておるのでありますが、こういうような一連の問題に対しまして、責任者でございます通産大臣の御見解を問いただしたいと思うのであります。