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1957-04-18 第26回国会 参議院 建設委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十八日(木曜日)    午前十時二十八分開会   —————————————   委員の異動 四月十七日委員石坂豊一君辞任につ き、その補欠として西田信一君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中山 福藏君    理事            石井  桂君            岩沢 忠恭君            西田 信一君            田中  一君    委員            稲浦 鹿藏君            小山邦太郎君            斎藤  昇君            中野 文門君            武藤 常介君            内村 清次君            大河原一次君            北 勝太郎君            村上 義一君   政府委員    建設政務次官  小沢久太郎君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省道路局路    政課長     三橋 信一君   —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選高速自動車国道法案内閣提出、衆  議院送付) ○道路整備特別措置法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 中山福藏

    委員長中山福藏君) ただいまから委員会を開会いたします。  委員変更の件を御報告申し上げます。四月十七日、石坂豊一君が辞任され、補欠として西田信一君が指名されました。   —————————————
  3. 中山福藏

    委員長中山福藏君) お諮りいたします。委員の移動の件は、理事一名が欠員になっておりまするので、この際その補欠互選を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 御異議ないと存じます。つきましては、この補欠互選成規の手続を省略して、委員長の指名に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 御異議ないと認めます。  それでは、私より理事西田信一君を指名いたします。   —————————————
  6. 中山福藏

    委員長中山福藏君) この際高速自動車国道法案道路整備特別措置法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題に供します。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  7. 田中一

    田中一君 国土開発縦貫自動車道審議会ですか、この審議会に付議される、提案されるというよりも、審議してもらう案というものですね、この立案高速自動車国道の場合にはどこが提案することになりますか。
  8. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 運輸省及び建設省でございます。
  9. 田中一

    田中一君 その場合、国土開発縦貫自動車道法できめておる計画路線と言いますか、別表にある計画路線にのるものであるならば、その場合にはだれがどういう形で提案するつもりですか。
  10. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 国土開発縦貫自動車道建設法に基きまして、国土開発縦貫自動車道建設審議会にかけますものは、同法の政令によりまして、運輸省建設省提案いたすことになるわけでございます。
  11. 田中一

    田中一君 そういう政令の案はもうできておるのですか。できておるなら、一つお示し願いたい。
  12. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その政令の案はただいま検討中でございまして、まだできておりません。
  13. 田中一

    田中一君 国土開発縦貫自動車道建設法の中のどこに、審議会にかける案の立案提案権建設大臣並びに運輸大臣が持つのだという規定はどこにございますか。
  14. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 縦貫道法におきましては、その点が明瞭ではないのでございます。第三条、第五条におきまして、予定路線決定並びに基本計画決定総理大臣が行うことになっておるわけでございます。先ほど申し上げました国土開発縦貫自動車道法におきましても、提案するのは運輸省建設省になるということを申し上げましたのは、同法の第十六条に、「審議会の組織及び運営その他この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。ということがございますので、この政令を定めます際に、審議会庶務を扱うところを明瞭にいたしたい考えでございますが、その庶務を扱うのを建設省ということにいたしたい考えでおります。そういう関係から言いまして、先ほど申し上げましたように、実態的には運輸大臣建設大臣提案するということになるわけでございます。
  15. 田中一

    田中一君 まあその点は縦貫自動車道法の方には明確になってはおらぬけれども、現在の運輸省並び建設省の希望としては、その方に持っていきたい。また両大臣の間には一応の申し合せ書ができておりますから、その線でいこうということでございましょうけれども、なるほど高速自動車国道法で指定しようとする路線は、この法案にある通り運輸建設大臣提案するでしょう。しかしその同じ高速自動車国道であっても、国土開発縦貫自動車道の場合は、基礎的なものは両大臣がやるでしょうが、現在ありますととろの法文の中にはそれは明確になっておらない。同時にこれは総理大臣提案することにならざるを得ないんじゃないかと思いますが、その点はどうです。
  16. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) それはお話の通りに、縦貫自動車道につきましては、総理大臣予定路線決定し、基本計画を定めることになるわけでございます。
  17. 田中一

    田中一君 それが高速自動車国道法路線と、それから国土開発縦貫自動車道路線と同一のものであった場合にはどちらが出すことになりますか。
  18. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 縦貫自動車道はこれを属速自動車国道として建設、管理するわけでございますが、縦貫自動車道としてはその予定路線決定並びに基本計画決定総理大臣になるわけであります。
  19. 田中一

    田中一君 そうしますと、同じ路線であっても、国土開発縦貫道の場合には総理大臣がやるんでしょうか、それともそれがすなわち高速自動車国道であった場合には、運輸建設大臣提案してもいいんじゃないかと思うのですが、その点はどういう調整をはかるつもりですか。
  20. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 縦貫自動車道の方には別表がついておりまして、おおよそ経過しなければならぬ土地がきめられておるわけでございます。これに該当いたしました線は縦貫道考えなければならぬのでございまして、縦貫道につきましては、総理大臣予定路線並びに基本計画決定をいたすわけであります。
  21. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 今の道路局長説明おかしいと思うのだがね、この本法の第四全一に、「国土開発縦貫自動車道予定路線のうちから政令でその路線を指定したもの」、こういうことになれば、当然総理大臣ははずれて、建設大臣及び運輸大臣でこれをやるということになるのじゃないですか。
  22. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 予定路線のうちから政令で定める路線を指定いたしましたものが高速国道になるわけでございますから、高速国道になりますれば、その建設、管理は建設大臣ということにいたしてございます。
  23. 田中一

    田中一君 別表経過地点というものを示してあるから、その分にのるものの場合は、高速自動車道として何ら経過地点を示してないものよりも強いということになるわけですか。従って縦貫自動車道の場合には、総理大臣審議会に対する提案をするんだということになるんですか。それとも同じ路線なんですか。結局のるものは完成してから指定するか、完成する前に指定して建設するかということに考え方の順序があると思うのです。たとえば路線を指定してから建設する、建設ができたから国道として指定するということの見方は両方あると思うのです。そこで縦貫自動車道の場合には、もはや経過地点というものを示してあるのですから、それをあるいは常識的には当然高速自動車国道であるという見方をするならば、その場合にどっちが審議会に対して提案するかということを伺っているのです。
  24. 三橋信一

    説明員三橋信一君) お答え申し上げます。しごく法律的なことでございますので、私からお答えいたさしていただきます。縦貫道法によりますと、予定路線別表にございます中央道その他の路線につきまして、これの予定路線をきめるための立案、それの決定、それからそれについての基本計画決定、それは総理大臣がやることになっております。従いまして、その法の命ずるところによりまして、これは総理大臣がいたさねばならぬものと考えます。ところが、これで計画予定路線並びに基本計画が定まりますが、その縦貫道法律のみによりましては、この道としての性格がはっきりいたしません。そこでこれを今回の国道法によります高速自動車国道といたしたいということは、もう先生方御存じ通りでございます。従いまして、これを国道として指定いたしますための政令立案、これは国道法の四条にございます。それからそれにつきましての具体的な整備計画、これは第五条にございます。これにつきましては、建設運輸大臣がこれを立案しまして審議会にかけるということになっております。
  25. 田中一

    田中一君 審議会に付議する議案というものは、一応調査を完了したものを付議するのか、あるいはここからここ、ある起点終点を示して、これにどうしてもやりたい縦貫自動車道または高速自動車道路、またはじゃない、即高速自動車道路でもいいですが、作りたいという場合に調査をする、実測調査をする前に審議会に付議するか付議しないか、あるいは起点着点というものだけを心してここに持っていきたいんだ、こういう示し方をするのか、どちらを考えているのです。ということは調査費をもって一応の実測調査をした上に審議会に付議するようになりますと、これはもう何といっても変更ができないようなものにならざるを得ないのです。もう審議会審議権というものは、ある相当な金を使って、時間をかけて調査したものの路線をまあ出られないような制約を精神的にも受けると思うのです。同時にまたその路線というものを審議会委員審議をする場合に是非の判断ができません。できないというよりも不可能であるというのです。そうすると、起点終点だけを示して審議会にまず第一に審議をお願いして、そうしてその答申案に基いて実測並びに調査をするのか、あるいは予定路線の設定ということを企画する総理大臣、または両大臣調査実測を全部完了して審議会提案審議を受けようとするのかですね、非常な違いがあるのです。もう少し言うならば、ちょっとと言葉が過ぎるかしらぬけれども、こういう形の高速自動車道というものが一部の政治家の食いものになっちゃならないということを心配せざるを得ないのです。もう少し高いところから、日本国民経済のまず第一歩から出発すべき高速自動車道であるならば、その経過地点というものを、地元の要望あるいは政治的な支配を受けて、そうして効率の上らないような形に持っていくことをおそれるからなんです。そういうことを懸念するものですから、審議会に付議し、答申を受ける場合の案というものはどの程度のものを提案するかということを伺っておきたいのです。
  26. 中山福藏

    委員長中山福藏君) これは小澤政務次官からお答えになるのが当然と思いますが……。
  27. 田中一

    田中一君 非常に重大な問題ですから、速記録にちゃんと載せておきたいのです。
  28. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) この審議会にかけます際に、起終点だけで、その途中を別に案がなくしてかけるということは、事務当局といたしましては責任がないように思われますので、やはり事務当局といたしましては、ちゃんとして調査いたしまして、その調査の結果こういうふうになったということで、かけるというふうにいたしております。
  29. 田中一

    田中一君 今小澤政務次官の御答弁、よく伺いましたけれども、そこに非常な危険を感ずるのです。なるほど経過地点地元人たちも、自分地点の近所に相当高能率道路ができるのならば、その経済的な価値というものはその沿道の市町村といいますか、村、そういうものが非常に有利な立場に置かれることは間違いないのです。従ってですね、実測調査をした後に提案されるものでありますと、これは建設運輸の具体的な科学的な積み上げによるところのものでありまするから、一応正しいと見ざるを得ないのです。たとえば参議院におきまして、衆議院におきましてもですよ、予算編成権というものは政府が持っている。その積み上げ予算というものを国会において審議する場合においても、一応大蔵当局が各省も連絡を持ちながら、積み上げたその予算を批判する程度にしかすぎないのです。もとの立案するところの建設運輸大臣が公正なものであるならば、これはまあ一番また公正なものであるべきであって、信用せざるを得ないのですけれども、どうしてもこういう国民に直接に利害の大きい予算決定というものにつきましては、相当慎重に扱わなけばならぬと思うのです。それが多数党の、いわゆる与党政治的な意思によって、この路線決定されることをおそれるから、重ねて伺うわけなのですけれども、私はむろん一応の経過地点というものも、起点終点を示す場合に盛り込んでも差しつかえないと思いますけれども、一応これに立てる、この区域に建設したいのだ、予定路線を作りたいのだというときには、前に審議会に付議するのも一つの方法であろうと思うのです。その方が間違いはないのではないかと思うのです。予想されておりますところの審議会委員というものは、少くとも与党であろうと野党であろうと、そういう政治的な意味がたくさんございますから、責任がある委員を出し合おうじゃないかという話し合いも進めております。従って、巨額の調査費を使って、両大臣実測調査をしたものを押しつけられるという傾向は避けたいと思うのです。そういう意味から言ってです、今小澤政務次官が育ったように、相当予算を使って調査実測をして、これが是なりと信ずるものだけを付議するのだということでは、私が心配している問題は解決されないと思うのです。私は小澤政務次官答弁は不満足です。従ってむろん閣議できまっている御発言ではないのじゃないかと思ますが、これは一つ運輸大臣建設大臣総理大臣ともどもここに御出席を願いまして、この審議会に付議しようという、提案しようというところの案件は、どの程度のものを審議をしてもらうかということを明確に示していただきたいと思うのです。もしも小澤政務次官が、自分が今言った発言政府意思であるというならば、私は非常に不満足です。従ってあなたを軽く見るわけじゃございませんが、総理並びに建設運輸の三大臣に出ていただいて、はっきりとその点の考え方審議会への付議の持ち方について、提案の持ち方について念を押しておきたいと思うんです。
  30. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) ただいま田中委員がおっしゃいました国民経済上非常にまあ大事なことであるということは、これは当然のことでございます。それから、この路線は、やはり国民の全般の利益あるいは経済の向上のために資する道でございまして、単なる政治的に解決するというような問題ではございませんので、やはり根本的にはちゃんとした路線を選ぶべきである、これは当然でございます。しかしこれを審議会に出します際に、やはりちゃんとしたいろいろなデータをそろえて出しませんと、御審議いろいろ参考になりませんので、やはりちゃんとしたデータをそろえる。そうして調査もして、そうして出すのが私は事務として当然じゃないか、そういうふうに考えるものでございます。
  31. 田中一

    田中一君 当然審議会意思が、これがよいであろう、その路線賛成であるということになって、初めて調査実測をするのも可能なんです。先ほど例として申し上げたように、国会予算局というようなものを持っておりまして、そうして積み上げたところの予算というものと同じようなデータを持ちながら国会審議が持たれるならば、もっとわれわれの持つ予算審議権というものによって、十分なる審議ができるのであります。しかし何といっても、まあ官僚諸君が持っておるところの統計と申しますか、長年積み上げ資料というものを国会では持ちません。ただ現われたものを、自分の能力の限界において質問をして満足しているのが現状なんです。私は常々そう思っている。国会にも予算局を持ち、そうして前年度、前々年度、数年前からの積み上げ予算資料というものを準備しながら国の予算を検討するならば、もう少し万全な正しい政治が行なわれるのじゃないかと思うのです。と同じように、今度の日本経済再建基本となるような大事業、これが単なる運輸建設大臣意思によって、既定事実として積み上げたものを審議会に付議するようなものであってはならないと思うのです。従って当然積み上げられたところの調査の結果を提案する前に、考え方の中にある路線というものを、一応審議会事前に諮ってやるべきが万全の策ではなかろうかと思うのです。そのためにわれわれは国土開発縦貫自動車道、この法律の中にも、あえて目をつぶって起点終点というものを、定規で一本線を引いたあの別表を盛り込んだわけなんです。その懸念からわれわれが盛り込んだわけです。これはまあ小澤政務次官も当時一緒になって論議した仲間ですから、よく御存知でしょう。こういうことをしなければ、これはしかし幅がございます。幅があるものですから、そのために多少の動きは、技術的に可能な範囲のものは当然でありますけれども、そうした形の計画というものを示さなければ、一ぺん作ったら、なかなか変更のできない高速自動車国道でありますから、事前審議を受けるというような形をとってほしいと希望しているわけなんです。従ってどこまでも小澤政務次官が、私がるる申し上げたような前段の扱い方をしないというならば、やむを得ませんから、建設運輸総理の三大臣に御出席願って、この国民経済に及ぼすところの影響が甚大であるということを、るる私は御説明申し上げて、最後的な答弁を聞きたいと思うんです。
  32. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 田中さんが、先ほどおっしゃいました調査とか実測とかということでございますが、それは審議会資料を出す限り、やはり工費も算定しなければならぬし、それからそのいろいろな資料も整えなければなりませんから、ある程度はしなければなりません。しかし工事をする直前にする精密測量とは違いまして、やはりこの工費を算定するに足りるような実測でございまして、工事をちゃんと実行する際には、また別に精密測量もするというようなわけ合いでございまして、その測量にもいろいろな段階がございまして、精密測量までは審議会に耕すことはいたしません。そうしてそこでおきめを願いまして、それから今度工事に着手する段になりますと、ちゃんとした精密測量をするということになるわけでありまして、ただ問題は、審議会に出す前に、データが何もありませんと御審議に差しつかえるわけでございます。コストのエスティメーションもできませんし、それからいろいろな関係上、審議に必要なだけのものは、これは出すのは当然じゃないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
  33. 田中一

    田中一君 今の政務次官答弁は当然なんです。それば当然そうあるべきなんです。従ってこれは小澤さんよく御承知の通り縦貫自動車道の場合でも、ああして起点終点定規を当てて、目をつぶって線を引いたというこの考え方は、計画として一応現われていなければならぬ。従ってこの高速自動車国道—現在考えておる線はございませんという答弁を、前回の委員会にも道路局長は言っておりましたけれども、肋骨状になるか並行線になるか存じませんけれども、一応の計画というものを、ここにあります通り閣議決定してやるということになっておりますから、閣議決定の前に、やはり国会に示してもらわなければ私はいかぬと思います。これならば一応納得するものもあります。しかしそういう条件がこの法律案にはございませんから、審議会というものに提案する案件というものは、まあ国土開発縦貫自動車道でわれわれが承認し、可決したというあの考え方ぐらいは、審議会事前に示して、そうしてその答申に待って調査実測をするという方向にいくことが妥当ではないかと思うんです。これは国土開発縦貫自動華道ではっきりこの例はあなたも賛成をして、むろん私も賛成をして、そうしてきめた考え方なんです。従って法律案国会の承認を経ろとは今さら申しません。申しませんが、審議会にだけは、事前にそういうような考え方をお示しにならないと、非常に危険があるということが予想されるから申しておるわけでありますが、その点は小澤政務次官も同じような構想で、あなた別表をとれという方の主唱者だったと記憶していますが、前例があるのです。片一方の国土開発縦貫自動車道の方にはそういうような別表というもので、国民にこの間をやるのだと示してやらなければならんのですから、同じような示し方をまず調査実測をする前に審議会に示すという方途はとっていただけませんかね。
  34. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 関連して……。この審議会に付議する路線については、当然この根本が、今田中君の言う通り起点終点というものが、これが重大な問題です。この間の地形なりあるいは経済的の調査というものは、これは概算測量というか、ほんとうの常識的なあらましなものを審議会にやるので、それを今度の高速自動車道というやつをどれだけやるのだということを審議会にかける場合に、どこからどこまでやるという起点終点というものが重大な問題です。これはもう当然やらなければ—これがちょうど田中委員が心配しておられる。当然審議会でやるのは起点終点、その区間の間の地形なりあるいはその他の条件というものは、ただ起点終点だけやったのでは審議会の方では何ら決定のファクターがないから、それにつけ加えて中間道路条件はどうだという参考資料を出すということで、あくまでもその審議会にかける当初のやつは、起点終点というものが重大なんです。
  35. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 今岩沢さんのおっしゃいましたように、その起、終点はこれはまた大事な問題でございますから、これはしなければいけません。それからその途中におきましても、ただ起終点だけ示しまして、間はどこをとるかわからないで御審議願いますというようなことでは、これは御審議に差しつかえますので、御審議の便宜上ラフな予測をいたしまして、そうして御審議上差しつかえないようにするというふうにいたしまして、それから審議会で御決定になりまして、ちゃんときまりました場合には、今度は実際に工事するときはちゃんとした精密測量をする、そういうふうにするわけでございまして、最初精密測量にうんと金を使ってしまって、にっちもさっちもいかないようなふうにして審議会にかけるというようなことは、そんなことはございません。
  36. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 だから僕は、政務次官答弁が、起終点ということをことさらによくとれるように言っておるのだが、だから測量とか調査とかいうことだけを重点に置いて田中委員との答弁になっておるから、今僕は最初に言うたように、審議会にかけるやつはあくまでも起点終点というものが重大な目的だ、それに対する中間のいろいろの状況を概算測量なり、あるいはほんとうあらましのいろいろな資料を集めて参考資料として出すというようなことならば、田中委員の心配する点は解消するのじゃないかと、こういうように私は思っているのです。
  37. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 今岩沢先生のおっしゃる通りでございます。
  38. 田中一

    田中一君 それならば一応納得できるのです。そこで、一つの例を申しますと、運輸省に今度ついた五百万円、建設省に四千万円という中央道調査はどのくらいなものをやるつもりですか。これは国土開発縦貫自動車道建設法でもってはっきりと示してある、決定しているわけなんです。一応決定しておるはずです。従ってこの場合にはどの程度調査測量をするつもりか、伺いたいと思います。
  39. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 中央道につきましては、三十二年度四千万円の予算調査いたしますが、この調査は航空測量をいたしまして、五千分の一の地形図を図ることが目的でございます。
  40. 田中一

    田中一君 むろん三十二年度はそうでありましょうけれども、しかしこれを完成する計画というものはお持ちのはずなんです。三十三年度はどう、三十四年度はどうということは継続して予算がつくとわれわれは考えております。従ってそれは実施をするというための段階の調査であろうと思うのですが、その点はどうですか。
  41. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この調査は、まず予定路線をきめる調査をいたさなければならぬわけであります。先ほどもお話のように、起終点というものがきまっておりますから、その間の経過地をどうとるかということをきめる調査でありますから、概測をいたすわけでございます。この中央道基本計画を立てる段階になりますと、もっとこまかな調査をいたさなければならぬわけですが、予定路線をきめるまでの段階における調査といたしましては、地形図を作りまして、それを考査するという程度で足りるのではないかと考えております。
  42. 田中一

    田中一君 では今の問題で、一応自分で割り切って考えてみますと、結局従貫自動車道の場合には、法律で一応予定路線の経過地と申しますか、示してありますから、私ども心配いたしません。そのために建設の場合の経済効果なり、あるいは建設費の合理的な軽減と申しますか、一番技術的な合理性と申しますか、そうしたものでやっていくと了解いたします。しかしその他の高速自動車道というものに対しては、何ら国民の前に示されておらないわけです。従ってその一応の素材といわれるような立案をまず両大臣がして、そうして閣議決定を見て、審議会提案して、その答申を待って初めてやる、あるいは三本なり四木というものを示して、そのうちの最上のものはこれだと思う、しかしこの場合はこうあらなければならぬというラフなもので当然いいと思いますが、そういうものを示して、まずその答申を得てから実際の計画その他の問題をどうするかをきめるというような考え方でよろしゅうございますか。
  43. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) ただいま田中委員のおっしゃられたように、われわれも考えておるわけでございます。
  44. 田中一

    田中一君 ではその点は了解いたしました。  次に伺いたいのは、この河川法三十二条の、また道路法五十八条の原因者負担金の問題です。これは幸いにして今度われわれが考えようとする国土開発縦貫道の分でありますが、この分はおおむね予定路線決定すべき経過地点というものを法律できめておりますので、割合に他の施設とかち合うところが少いのではないかと思うのです。しかし、むろんこれには林道もあり、あるいは市町村道もむろんかかる場合があると思いますが、こういう際にやはり一つ計画というものができ上っておらぬと、全体の建設のための余分な負担をどこかがしなければならぬということになると思うのであります。現在持っておるのは、今出ている高速自動車国道というものは、おそらくこの二十六国会で成立するでしょうが、この前に既設の施設がたくさんございます。こういうものをも考えながら、二重の余分な負担を避けるという意味においてもですね、先般道路局長縦貫道以外のものはまだ考えておらないという御答弁がありましたが、道路整備十カ年計画と並行してですね、この高速自動車道路を、全国計画というものをですよ、一応立てる必要があるんじゃないかと思うんです。そうしてそれによって、原因者負担ということにきめられておる原因者はどこまでも今度の高速自動車国道であろうと思うんです。従って全国的な高速自動車国道計画を立てるつもりはございますか。そして立てるならばどういう機関で—計画ですよ、こういう機関でとういう形で国民の前に示そうとするか、向いたいと思うんです。
  45. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 高速自動車国道の全国的な網は、これはすみやかに立てなければならぬわけでございます。ただいま道路整備の十カ年計画を検討中でございますが、この十カ年計画とこの高速国道をあわせて計画いたすつもりでございます。その点はこの十カ年計画におきましても、はっきり高速国道考え方を出したいと考えておるわけでございますが、これらの公示の方法でございますけれども、法律的には別にきめられておりませんけれども、こういう高速道路網というものは非常に大事なものでありますから、利用のできる機関を通じまして、これらを皆さんに知っていただくように努力する考えでございます。
  46. 田中一

    田中一君 道路整備十カ年計画が今現在作業中ならばですね、あわせてですよ、道路整備十カ年計画国民の前に示すと同時に、この高速自動車国道法に対する考え方を同時にお示し願いたいと思うんですが、その作業といいますか、準備はむろんこれは三十三年度から道路整備十カ年計画は持たれるわけですから、三年度でしたね、たしか。四年度ですか、そのときにですね、一緒に示すような作業を続けていただきたいと思うんです。その点はどうです。できましょうか。
  47. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 十カ年計画を樹立いたします際には、高速国道につきましても大体の計画は立てたいと考えておるわけでございます。
  48. 田中一

    田中一君 今の点了承しました。  もう一つ伺いたいのは、道路交通取締法との関連なんです。速度はこれは命令できめようというんですが、この道路交通取締法、この法律に支配される—支配というか、制限されるところのものの中に、第二条の第三項中これを除くというように書いてあるんですが、「「一般交通の用に供する通路」の下に「(高速自動車国道を除く。)」」というように書いてあるんです。道路交通取締法との関連はこの高速自動車国道はどういうようになるんです。
  49. 三橋信一

    説明員三橋信一君) お答え申し上げます。道路交通取締法の二条の三項「一般交通の用に供する通路」というところから高速自動車国道を除いております。これはどういう意味かというお尋ねだと思います。
  50. 田中一

    田中一君 いや、これは当然この自動車国道ですから、一般交通じゃないのだから除くということになっているのだろうと思います。そうしますと、この道路交通取締法はこの部分のどの範囲までのものに適用されるかということを伺いたいと思いますが。
  51. 三橋信一

    説明員三橋信一君) これは高速自動車国道は、この高速自動車国道法の付則によりまして、道路の種類の中に入れてございます。従いまして、道路交通取締法の二条の第二項で「道路とは、道路法による道路、」という定義がございます。この道路の中に当然入ってくるわけでございまして、従いまして、道路法による道路一般の適用は受けるわけでございます。
  52. 田中一

    田中一君 速度だけをこれできめるということになっているのですね。この道路交通取締法では、そうするとその他のたとえば事故のあった場合に、人間がそこを通ったと、それをひき殺した場合にはどうなるか。この人が通ったからといって鉄道と同じように、人が通ったからといって汽車をとめるという場合には、自動車は人が通ったから自動車もそのスピードを落してそれを避けるというようなことをどう考えているか。それは道路交通取締法ではどうなっているのですか。たとえば鉄橋の上を人間が通っている。だから急停車してとめるということに鉄道法ではなっているかどうか、私はわからぬのですがね、その点はどうなっております。ひき殺してもやむを得ないのだと、立ち入ってならぬ所に立ち入つたのだからやむを得ぬのだということになっているのか。と同じように、この場合でもその点はどういうことになっているのですか。
  53. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 今お話の点でございますが、これは人が乗る場合もあるわけでございますが、これは当然ひき殺していいというようなことにはならぬわけであります。(笑声)で、まあ今関係の条文が見つかりませんので、しばらくお待ちを願いたいと思います。
  54. 田中一

    田中一君 そうすると、今その点は調べて答弁されるわけですね。
  55. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) ええ。
  56. 田中一

    田中一君 いや、そういうところの道路交通取締法をわれわれは知らぬものだから、こういう愚問を発するわけですが、しかしこれは重大な問題なんです。これは事人命に関する問題ですから、すべてに優先しなければならぬものだと思うのですが、どういう考え方を持っておるかをはっきり伺っておきたいと思うのです。  それから現在道路交通取締法ではその場合にはどういう明示があるか。同時にまた現在どういう扱い方をしているか、現実に。これはおそらく非常にこの高速自動車国道というものの機能を完全にそれを遂行しようという、発揮しようというならば、こんなこと速記録に残したくないが、一人の犠牲者が出ることによって、ああこれは死にそうだなということになると、そういう災害が除かれると思うのです。当然入っちゃならないときめられている道路のはずなんです、あるいは自転車で交通しちゃいかぬということにきめられているものなんです、一般交通じゃないのですから。そのときにそれをも守るんだということになりますと、これはもうやたらに上ってきます。そういう点を一つほんとうに重大な問題ですから、これははっきりと御答弁願いたいと思う。
  57. 三橋信一

    説明員三橋信一君) ただいまのお尋ねの点でございますけれども、人をひいていいということにはなりませんで、この高速自動車国道法には立入り制限、出入制限の規定がございます。それから道路交通取締法におきましても、「道路において交通の妨害となり又は交通の危険を生ぜしめるような行為で命令の定めるものは、これをしてはならない。」というような規定もございます。これをなしました者にはそれぞれ罰則の規定が道路交通取締法にはございます。従いまして、ただいまのお尋ねの点でございますが、そういうように立ち入っていけない道路に人が立ち入ったと、それをひいたという場合に、それはひいてもいいことになるということではございませんで、ひいた者に、つまり自動車の運転手でございますが、これの罪と申しますか、責任と申しますか、それが軽減される要素にはなると思います。しかしながらひいていいということにはならぬというふうに考えております。
  58. 田中一

    田中一君 そうすると、こういう道路も現在あると思いますけれども、刑法上の判決はどうなっております、従来の。
  59. 三橋信一

    説明員三橋信一君) ただいまその資料その他を持ち合せておりませんが、私どもまあ従来聞いておりますところでは、先ほど御答弁申し上げましたように、たとえば車道を歩いておった、それで自動車にひかれたと申します場合には、それの歩いたことの妥当性でございますか、それによりまして、妥当性と申しますか、違法性と申しますか、それの程度によりまして、ひいた者の方の責任が軽減される、あるいは民事上の賠償の問題になりますれば、それが一つのひいた者の責任の方を軽減する要素になるというふうに了解しております。
  60. 田中一

    田中一君 これは幸い斎藤君がここに出席しておりますので、斎藤君一番たくさん扱っておるでしょうから……。
  61. 中山福藏

    委員長中山福藏君) もし差しつかえなければ、斎藤委員の御経験を披瀝していただいてけっこうです。
  62. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 立ち入り禁止になっておる所に人が入ってきて、そしてそれを自動車の運転手がひいたという場合においても、刑法上責任は、これは免れるものじゃないことは当然だと思います。そこで自動車運転手の注意義務といいますか、どの程度善良なる運転手として、人を発見した場合にはどこでブレーキをかけてどうすべきか、この義務もまた軽減されるものじゃないと私は思います。ただスピードに制限がある場合に、そのスピードをこえていれば、もう明らかに注意義務を怠っておったということが明瞭であります。ところがこの高速自動車にスピードの制限がないというような場合には、スピードを出しておったということの責任はありませんけれども、しかし事前に発見をしてそれまでにブレーキをかけて、そうしてとめるということをなすだけの時間があうたかどうかということによってきめられるものであって、そういった一般刑法上の責任は何ら軽減されるものじゃない、かように思いますので、これは今何もおられますが、国鉄の機関車の運転士の注意義務もまた同じことである、御心配はなかろうと思います。
  63. 田中一

    田中一君 幸い内村君がおられますが、国鉄の場合はどうですか。
  64. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 私ついでにお伺いいたしておきたいのですが、この高速自動車国道のスピードの制限というのは全然しない予定か。またどれだけのスピードの出せる道を作る予定か。そしてまた一般的に自動車何台並んで走れる構造にされる予定か。それらの実際の問題を私ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  65. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 高速自動車国道の中にもいろいろの種類が出て参るのでございますが、ただいま計画いたしております名古屋—神戸について申し上げますと、これは四台並んで通れる幅を持たせる計画でございます。  それから道路の構造といたしましては、最高百二十キロ出せる計画にいたしております。  それからこの自動車国道の方にまあ最高速度と最低速度のことは書いてありますが、その他の速度の制限については道路交通取締法によりまして実施いたす考えでございます。
  66. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 この道路交通取締法によって速度の制限、最低最高等もきめられるというお考えですが、今考えておられる名古屋—神戸間のものは、あなたの方としてはどの程度のスピードのものにしてもらいたいというお考えがあろうと思いますが、その辺をお伺いいたします。
  67. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路の構造としては、百二十キロ出せるような構造の道路にいたしますが、通常走る速度といたしましては百キロ程度を予定いたしております。
  68. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 なおこれは高速度自動車国道となっておりますが、国道のいわゆる自動車の専用道路というのはこれだけになるわけでございますね。高速でない自動車国道というものは、別にはもう考えていない、こういうことでございますか。
  69. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) ただいまのところは、高速自動車国道だけを自動車専用で走らせるように考えておりますが、将来は現在の一級国道、二級国道その他の府県道等におきましても、一部分自動車専用にしなければならぬようなことになろうと考えております。
  70. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 その場合には、またその法律をお作りになるお考えですか。
  71. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その場合には、道路法の改正をいたしたいと考えております。
  72. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 じゃ道路法の改正で自動車だけの専用道路というものをまた別に設けられるわけですか。
  73. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 今度の改正でも、自動車だけが通る道も道路という定義をいたしたわけでございます。ただ、今の道路法にはそういう場合の管理規定がございませんので、管理に関する面を改正する必要があろうと考えております。
  74. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 大体この高速自動車道路は、まあアメリカあたりで言うエクスプレス・ウエイとか、あるいはフリー・ウエイとか言っておりますね、大体ああいうものと観念してよろしゅうございますか。
  75. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) アメリカで言っておりますフリー・ウエイ、エクスプレス・ウエイがこの高速自動車国道の観念でございますが、さしあたり作る予定をいたしております名古屋—神戸間の道路などはフリー・ウェイといった観念でございます。
  76. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 最後に一つ、十三条で、各幅が二十メートルをこえるということを規定してあるのですが、これは道路の中心からか、あるいは路側からか、あるいはまた道路敷の端からか、どちらですか。
  77. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この特別沿道区域の制限の中にあります二十メートルと申しますのは、道路敷の端からはかりまして二十メートルでございます。
  78. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 そうなると、これは安全のために万一のためをおもんぱかってのことで非常にけっこうなことだと思うのですけれども、しかしこの高速道路というものの性質から考えると、少くとも視距をどのくらいとっておるか、あるいは最小半径をどういうところからとるか、少くとも百二十キロのスピードを出すというならば、その最小半径とか視距というものは相当大きくとらなければならない。従ってこういうことがほんとうに起り得るかどうかと、こういうことを私は心配しておるので、これは安全のためにわざわざやったような条文なんですが、実際はどうですか。そういうことが起り得るからというのですか。こういうことは大体山地においてポイント・カーブのところで起り得ると思うのですけれども、そのほかドロン・カーブではこういうことは考えなくてもいいと考えておるのですか、どうですか。
  79. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その点はお話しの通りでございます。お話しのような場所にこういうことが起るわけでございますが、見通し距離を得るために最初はあったけれども、建築ができたために見通しというものがなくなるといった場合のことを予想いたしまして、こう規定いたしておるわけでございます。
  80. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 そうすると、市中へ入るときは大体高架になると思うのですが、高架になって、市中においてそういった二十メートル云々というようなことをやると、市内の建築とかあるいは街路というものに対しては非常な影響を受けるので、従ってあとから作る高速道路というものは、当然そういうようなことのないように、非常にカーブを作る場合においても、大きなカーブを作って視距も非常に大きなものをとるということで、市街地においてはほとんど心配ないと、こういうふうに考えていいですね。
  81. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) その通りでございます。市内においては考えておりません。
  82. 中山福藏

    委員長中山福藏君) ちょっと私から一点尋ねておきますが、この十一条の第一項というのは絶対規定として起案せられたものですか。すなわち「道路、一般自動車道又は政令で定める交通の用に供する通路その他の施設以外の交通の用に供する道路その他の施設は、高速自動車国道と連結させてはならない。」、これは絶対規定ですか。
  83. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 絶対規定でございます。
  84. 中山福藏

    委員長中山福藏君) ところで第二項になると、許可規定にこれはなっていますね、これはどういう関係ですか。
  85. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) これはこの第一項にいいます道路、一般自動車道あるいはまた政令で定められる交通の用に供する通路、そういうものが高速自動車国道と連結する場合において、建設大臣に許可を受けなければならぬものとしておるわけでございます。
  86. 中山福藏

    委員長中山福藏君) そうすると、これはいわゆるただし響きというふうに、文案というものを私は制定するのが普通の行き方じゃないかと思うのですが、これは前の項目の絶対規定というものを打ち消すということになるのじゃないか、こういうふうにあとの方は任意規定になっておって、先の方は絶対規定になっておる。
  87. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この第十一条の方は、これこれのもの以外は連結さしてはいけないということでございます。連結させてもいいものをここにあげておるわけでございます。そのさせてもいいものにつきましても、大臣の許可を受けなければならないことにいたしておるのでございます。
  88. 中山福藏

    委員長中山福藏君) だから建設大臣の許可を受ければ絶対規定というものが一応帳消しになって、許可を受けた場合には任意規定にそれが持ち越されると、こういうことになるのじゃないですか。法文の体裁としてどんなものかと考えるのですが、おかしいと思う。ただし書きに入れるならこれはよくわかるのですが、原則と例外としてやるべきものだと思う。
  89. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) よくのみ込めない点があるのでございますけれども、高速自動車道に連結してもいいものは道路、一般自動車道または政令で定める通路でございます。これは連結させてもいい。しかし連結させる場合にはやはり建設大臣の許可を受けるということでございます。
  90. 中山福藏

    委員長中山福藏君) だからその場合には、ただしということで建設大臣の許可を受けたる場合において云々ということになるのが当然じゃないかと思うのですがね。こういう場合にはどうも、私はあまり研究していないからなんですけれども、ちょっと見たところではおかしいように思う。一方は絶対的の規定で、一方は許可さえ受ければそれは任意規定になるというふうな感じを受けるのですがね。
  91. 田中一

    田中一君 道路整備特別措置法のうちの、日本道路公団の工事実施計画書は認可してもらわなければならぬけれども、自分で、国で計画されたもの以外のものを高速自動車国道として計画することはあり得るのですか。
  92. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) あり得ません。
  93. 田中一

    田中一君 その点を何っておかぬと、これを見ると何でもできるような形になっておりますから、どの場合でも計画全部をやはり国が示す計画のもとにやるというわけですね。
  94. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  95. 西田信一

    西田信一君 先ほどの斎藤委員の質問に関連してお聞きしたいのですが、この高速自動車道以外の自動車国道があり得るかどうかということに対する答えがありましたが、道路局長にお尋ねしますが、昨年あたりいろいろ問題になっておりました北海道についてのいわゆる正力構想、いわゆる有料道路に対する考え方が具体的になりましたが、あの構想局長は御承知でありましょうか。
  96. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) あらましを聞いております。
  97. 西田信一

    西田信一君 そこで、あの正力構想というものと、それから今度の法案並びに先ほど斎藤委員の御質問になったこれ以外の有料国道、高速という字句を冠しない自動車国道というものが考えられるかという、この三点の関連はどういうことになるか。もう一度申し上げますと、正力構想というものは要するに有料自動車道路を作るというので、それとこの今提案されておる法案と、それから弔う一つ先ほど斎藤委員が御質問になったのは、この高速という字句を冠しない自動車国道というものが考えられるか、こういうお尋ねがあったと思うのですが、この三つの関連はどうなるのか。
  98. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 正力構想で北海道に計画いたされました有料道路は、この高速自動車国道でいう国道に該当するものと考えます。それから先ほど斎藤先生から申されました一般の道路のうちで自動車専用の道路考えられるかというお話でございましたが、これは将来において考えたいと思うわけでございます。たとえて申しますと、現在戸塚の有料道路は料金を取って通しております。あれなどは将来償還すれば無料になるわけでございまして、旧道と申しますか、もとあった道路はあの有料道路とあわせて両方とも国道でいく、将来はああいった戸塚の道路みたいなものは自動車専用の道路にいたしたいという考えを持っておるわけであります。
  99. 西田信一

    西田信一君 私は正力構想というものは、要するにこの法案の精神をそのまま考えられたところのいわゆる高速自動車国道というような考え方の構想であったと思うのですがそうではなかったですか。
  100. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 私もさように了承いたしております。
  101. 西田信一

    西田信一君 そういたしますと、こういう法律が制定せられない時代に正力構想というものが発表されたわけですが、そうしますと、あの構想を生かすということは、この法律によらなければならないことになるのですか。
  102. 富樫凱一

    政治委員富樫凱一君) 正力構想で言いますあれも有料道路でございますが、ただ一般自動車道と混淆する面もあったかと思うわけであります。しかし、構想としましては、この高速自動車国道という国道でございまして、それを有料で実施しようということであったように考えております。
  103. 西田信一

    西田信一君 そういたしますと、あの場合は公団にやらせるというような考え方ではなかったと思う。いわゆる国が直接やろうということであったと思うのですが、そういう構想は、この法律が制定された上においては、これは可能であるというふうに考えてよろしいのですか。
  104. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) あの構想をこの高速自動車国道法で実施いたします場合には、有料であれば日本道路公団に命じて実施させるということになるわけであります。
  105. 西田信一

    西田信一君 そうしますと、その点では正力構想はこの法律の示された内容とは相違がある。今度やる場合には道路公団でなければ、この両法律案からは実施できない、こういうふうに考えてよろしいのですね。
  106. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) さようでございます。
  107. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 さらにもう一つお伺いしておきたいのですが、道路運送法による自動車道ですか、自動車道事業、これについて今後こういう民間から自動車道事業を申請をしてくるというような場合に、建設省としては、まあ抽象的には言えないでしょうけれども、よければできるだけ建設省賛成だという御意向ですか。あるいはできるだけこちらの高速自動車国道なり、あるいは公団で有料道路としてやらせるように指導したいというお考えですか、その基本的な考え方を伺いたいと思います。
  108. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 日本全体の道路の整備を促進いたしたいという考え方から、一般自動車道で免許を申請されるものも今後も多々あることが予想されるわけでございますが、いいものは一般自動車道事業として実施することに賛成でございます。
  109. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 現在そういうような計画がどっかで持たれているというようなこと、あるいは申請されそうだというものが現にございますか。
  110. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) ただいま二、三ございます。まあ、従来の一般自動車道というのは比較的延長も短く、規模も小さかったのでありますが、今後申請されるものにつきましては、それよりは規模の大きな延長の長いものが予想されております。
  111. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 そういうものを免許される場合に、これは運輸大臣建設大臣が免許されるでしょうが、高速自動車国道法案なり、あるいは国土開発縦貫自動車道法なり、この路線決定については審議会で非常に慎重な態席をとるということになっておりますが、この免許の場合には、そういったやはり国全体の自動車道の関連において密接なものが生じてくるのじゃないかと思うのですが、審議会は全くノー・タッチでございますか、それらの関連をどういうようにおとりになるのですか。
  112. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 高速自動車国道法案の策三条でございますが、高速自動車国道予定路線をきめます場合には一般自動車道との調整について特に考慮されなければならない。」と規定いたしておるわけであります。一般自動車道との関係を考慮して予定路線をきめるわけでありますが、また高速自動車国道としての予定路線がきまりますと、一般自動車道としてどこを実施したらいいかという限界もはっきりしてくると考えておるわけであります。
  113. 斎藤昇

    ○斎藤昇君 私の申しますのは、一般自動車道を免許する場合には、これは審議会は全然関係がないでしょう。そこで一般自動車道の方は比較的軽易な手続でやれる。一般自動車がきまってしまうと、高速自動車道はそれに束縛されて、それとの関連においてきめられていくということは少しおかしいじゃないかという感じがしますが、あるいは運営の面において審議会に直接かけるものではないかもしれませんが、将来の縦貫自動車道なり、あるいは高速自動車道のそれらとの関連があるわけですから、一般自動車道等の免許においても、やはり審議会の正式な議案でないかもしれぬが、そこらでよく審議をされた方がいいのじゃないだろうかという感じがしますが、その点はいかがなんです。
  114. 富樫凱一

    ○政時委員富樫凱一君) その点はお話しの通りでございます。高速国道予定路線をきめます場合に、一般自動中道との関係について説明をいたさなければならぬと思いますが、運営の面におきましては、十分御趣旨に沿うようにいたしたいと考えます。
  115. 石井桂

    ○石井桂君 二、三日前の毎日新聞の学芸欄に名古屋と東京の弾丸道路というのが出ている。それでそのほかに縦貫道路としては信州を通るという図面が出ている。そこで、国土開発縦貫自動車道のあの計画によって、山の背を通る高速道路と、それから今の東海道をつなぐこの自動車高速道法による道路が二つできる形の図面ができておった。そこで、そういう事態が起り得るかどうか、この法律によって起り得るかどうか、あるいは東京と名古屋の方の高速自動車道はできないのかというような、どっちかが私としては疑問になったのですが、当局はどういうお見通しですか。
  116. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 名古屋と東京の間は、名古屋と神戸ができましたら引き続き実施されなければならぬと考えておるわけであります。名古屋と東京の間には、申されるように二本の線が考えられておるわけでございますが、中央道につきましては、本年度から調査に着手いたすわけでございます。着手いたしまして、建設費等を出しませんと、その建設の時期等もはっきりいたさないわけでございますが、また一説によりますと、東京と名古屋の間には二本要るというような説もあるわけでございます。遠い将来にはそういうことも考えられるかと存じております。
  117. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 先ほど委員長の十一条に対する質問に対してはお答えがないようですが、これはこういうふうに解釈はできないのですか。すべきではないかと思う。つまり「道路、一般自動車道又は政令で定める交通の用に供する通路その他の施設」これは高速度自動車道路と連結させようとするときは建設大臣の許可を得ればいいのだ。許可を得ればいい。「以外の交通の用に供する通路その他の施設」は、これは絶対にだめだ、こういうわけですね。そうすればこの条文はこれで私はいいと思う。ただし、しからば「以外の交通の用に供する通路その他の施設」とは一体どんなものか、交通の用に供して—これは私設のものか、どういうことですか。
  118. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) お話の通りでございます。どうも説明がへたで、その通り申し上げなかったかと思いますが……。  それからそれ以外の交通の用に供する通路と言いますと、林道とか、農道とか、あるいは私道というものが考えられるのであります。そういうものを指しておるようであります。
  119. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 私の言うのはね、第一項は絶対規定で、第二項は同じ条文に含まれながら任意的な精神を帯びている。それがおかしいじゃないか、そこに矛盾があるじゃないか。第二項はただし書きとしてあげられなければならぬものじゃないかと、こういうことをちょっとお尋ねしておるわけです。法文の体裁上こういう書き方はあまり見られないのでお尋ねしておるのです。
  120. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) この絶対規定だと申し上げましたのは、「その他の施設以外の交通の用に供する通路その他の施設」、これがまあ絶対規定かと申し上げたわけです。
  121. 西田信一

    西田信一君 今のに関連してお聞きしますがね。その私道とか、農道とか、林道とかというものがここにある。それを横断して、横断というか、それのあとに国道ができる場合もあるでしょうがね。そういう場合にはどう処理されるのですか。
  122. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 立体交差にするということでございます。
  123. 西田信一

    西田信一君 それは高速自動車道の施工の上に立体交差するということですね。既存の道路に何というか、通行上の障害を与えないような措置を構造上やるということですね。
  124. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) できるだけそうする考えでございます。しかし高速道路国道の方が上にいく場合もありますし、あるいは下をいく場合もあります。
  125. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  126. 中山福藏

    委員長中山福藏君) それでは速記を起して。他に御質疑がございませんか。  御発言もないようでありますから、両案の質疑は終局したものと認め、これより両案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  127. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 私、自由民主党を代表いたしまして、本両案に賛成するものであります。  自動車交通の非常に増強した現在におきまして、国土の開発並びに経済の伸展に対応するために、この高速自動車国道法の制定は時宜に適したものでありますが、その実施に当りましては、先般制定いたしました縦貫自動車道法との関連におきまして、慎重を期せられるように希望することと、また在来道すなわち現在の国道とか、以下府県道の整備につきましては、高速自動車道の実施に重点を置かなくちゃなりませんけれども、これと並行してすみやかにこれらの在来の国道並びに府県道の整備を実施せられることを希望いたしまして、賛成するものであります。
  128. 田中一

    田中一君 私は日本社会党を代表いたしまして、高速自動車国道法案並びに道路整備特別措置法の一部を改正する法律案賛成の意を表するものであります。  本法案は過ぐる国会におきまして、衆参両院の要望にこたえて政府提案したものであります。ことに臨時国会以来提案し、継続審議中の国土開発縦貫自動車道建設法によって促進せられた形もありますので、まことに衆参両院の意を体しての立法であろうかと存じております。ただ政府におきますととろの運輸建設両省の所管争いが、おそらく今日までこのような日本経済と密着する大事業を遂行しようという法律案提案がおくれたものであろうかと存じますが、この点も一応両大臣の話し合いの結果、おのずから分担する分野がきまりまして、ようやくここで採決する段階に至ったことは、おそきには失しますが、幸いなことであろうと考えております。この高速自動車道というものは、むろん高速自動車交通を意図するものでございましょうが、大体日本経済の基幹をなすところの、忘れられておりましたところの後進地の国土総合開発というものが、この道路建設によって大きく促進されるということでありますので、先般当参議院において通過いたしました国土開発縦貫自動車道法との関連においても十分その意を体して、万全の実施を見ていただきたいと希望するわけであります。  同時にまた、政府は近い将来において、ふたたびかつての国土開発縦貫自動車道路線決定に対する立案の担当者を建設運輸大臣に修正しようという意図を明らかにしておりますが、この点はむろんこの法律案が通過した暁には、この実施の過程においてそのような不便があった場合には、一応の考慮をされたものをまた両院に提案することがあろうかと思っておりまするが、この点につきましては、他の国十総合開発に関連する事業と見合いまして、道路だけが切り離された部署において、その面だけの意思でもって策定されるようなことのないように御考慮願いたいことをあわせて付記いたしまして、本両法律案に対する賛成の意を表するものであります。
  129. 村上義一

    ○村上義一君 私は緑風会を代表して、今問題になっております両法律案賛成の意を表するものであります。  この画期的な事業の遂行について、慎重な考慮を払って万全な目的達成に邁進していただきたいということは、岩沢委員からも述べられた通りであり、なお付け加えて強く希望したいことは、本法の実施につきましては、少なからざる財源を要すると思うのでありまして、従いまして、道路財源の確保につきましては、慎重かつ抜本的な考慮を払われることを強く要望いたしまして、討論を終ります。
  130. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 他に御発言ございませんか。—他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて、これより採決に入ります。  高速自動車国道法案及び道路整備特別措置法の一部を改正する法律案、全部を問題に供します。両案に賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  131. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 全会一致であります。よって両案は可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、両案を可とされた方は順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     石井  桂  岩沢 忠恭     西田 信一  田中  一     稲浦 鹿藏  小山邦太郎     斎藤  昇  中野 文門     武藤 常介  内村 清次     大河原一次  北 勝太郎     村上 義一
  133. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 本日はこれをもって散会いたします。    午後零時四分散会