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説明員(
東壽君) 今
新潟の
知事さん、
市長さんから大略の御
説明がありましたが、
新潟地区の
地盤沈下につきましては、事実として非常な
沈下を起しておりまして、その
状態は憂慮すべきような
状態にあるということは確かでございます。私たちが肉眼で観察し得る
現象としましては、
西防波提——お手元に確か青い
対策促進協議会のパンフレットが参っておると思いますが、それをちょっとごらん願いたいと思います。
西防波堤と申しますのは、その1、2、3という赤い丸でもって番号が書いてございます。それが
西防波堤でございます。その
防波堤、それから東の方にある
突堤、それを
東突堤と申しておりますが、それから
導流堤の
端末部であります。それから
港内検潮所、そういうところが非常に下っておる。
西防波堤におきましては、その
図面に書いてありますが、
建設当時のフォーメーション・レベルよりも一メートル八十二というものが
沈下しておるということに、先端においては
沈下しておるということが見えます。それからまた
臨港埠頭のポンツーンの
岸壁面がすれすれでありましたものが
岸壁が下って参りましたので、自然と浮き上っております。これが一メートル三十
程度浮き上って、段がついております。それもその
図面にございます。それから
西突堤が
防波堤が
沈下いたしましたために、波によりまして
越波が起ります。従って
臨港埠頭及び
航路等に今までになかったような波による障害というものが起りつつあることは事実であります。それから
冬季風浪に対しまして東
海岸の方の平和町その他右の方でございますが、その
部分の
浸水が起っておるということも事実でございます。それからまた
背後地区におきましては、
排水不良等によって
浸水が起っておる。
排水不良によって水がたまって非常に困っておられる。あるいはまた非常に雨の強いときに水浸しになる
地域がふえているということも事実でございます。
そのような
状態が特に昨年から今年にかけまして顕著でありましたために、この問題が大きく取り上げられて参ったのでありまして、そのために
新潟地区では
地盤沈下調査委員会というものが、先ほ
どもお話がありましたが、県、市及び各
関係の官庁を
中心としまして作られて参りました。いろいろ今その
計画に対してその
沈下の
状態、現状をいかにすべきかということについて
対策を立てられておるのでありますが、この
対策につきましては、まず二つのものに分けて考えられます。一つはこの
沈下の
状態というものを目で見つけているのでありますが、しかし、これがたとえば
陸地測量部の
一等水準点、こういう基準になるものとこれとどういう
関係にあるか、潮位との
関係はどうか、今少しく数字的に明らかにしなければならない。それと、この
沈下がどういうような
原因でもって起ったか、メカニズムはわからなくても、その
沈下の
状態と、いろいろその
原因を起すであろうところのファクターになる事象を見つけ出しまして、それによって恒久
対策を立てなければなりません。たまたま私
どもは大阪、尼崎等において、こういう
地盤沈下に対する経験を得ておりますので、これから申し上げるような
調査研究によってこれを確かめたいというために、
調査計画というものを一つ立てなければなりません。それから今一つは、
沈下によって浸入をいたしましたり、あるいは
防波堤の波浪によって港内の静穏の乱れるのを紡ぐための緊急
対策を立てなければならない。この二つに分けて
計画を立るべく進めております。ちょうど来
年度の
予算要求の時期になって参っておりますので、非常に急ぎますので、簡単にさし
あたりその要求に間に合せるだけの
計画を来
年度の要求といたしているような次第であります。それを簡単に申し上げて、これに対する
運輸省の態度を明らかにしておきたいと思います。
第一は、
調査計画でございますが、今の
沈下の現状を薮学的に明らかにしたいということで、水準測量、潮位の観測等をいたします。それから地質
調査、ボーリングいたしまして地質の
調査をいたします。次に
沈下等の精測をいたします。そしてこれが
原因の
探究を進めたいと思うのでございます。それらに対しまして、
地盤沈下調査委員会といたしましては、約六千六百八十万の
予算要求をしてきておりますが、さし
あたりこれに対しまして千七百万
程度を要求いたしまして、これに対処いたしたいと思っております。
それから緊急
対策の方でございますが、
東突堤の
かさ上げ、それから
西防波堤の
かさ上げ等でありますが、そのほかに東海津の防潮護岸、その他山ノ下護岸、山辺堀の締め切りなどいろいろ
計画をしております。
新潟地区の
調査委員会の方から要求して参りましたものは、全体
計画として約八億要求して参りました。これに対しましてさし
あたり先ほど一番先に申し上げましたが、肉眼ではっきり観測し得るもので、緊急にこれに対処しなければならないもので、非常に顯著なものといたしまして、
防波堤の
かさ上げ、それから東
海岸の防潮護岸、それから山辺堀の締め切り、これを
計画いたしまして、約全体に四億という
計画をいたしましたわけであります。来
年度は
防波堤の
かさ上げ等につきまして一億二千六百万、東
海岸の防潮護岸に六千四百万、全部で一億九千万を要求いたしております。さし
あたり運輸省港湾局として、これに対処するものとしてはそういうふうになっております。