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1957-02-12 第26回国会 衆議院 法務委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年二月十二日(火曜日) 午前十一時九分
開議
出席委員
委員長
三田村武夫
君
理事
池田 清志君
理事
福井
盛太
君
理事
横井 太郎君 小島 徹三君 高橋 禎一君 馬場 元治君 花村 四郎君 林 博君 松永 東君 横川 重次君 佐竹
晴記
君
田中幾三郎
君 吉田 賢一君 志賀 義雄君
出席国務大臣
法 務 大 臣
中村
梅吉君
出席政府委員
検 事 (
大臣官房経理
部長
)
竹内
壽平
君 検 事 (
刑事局長
) 井本 臺吉君
委員外
の
出席者
判 事 (
最高裁判所事
務総局総務局総
務課長
) 海部
安昌
君 判 事 (
最高裁判所事
務総局経理局
長) 岸上 康夫君 判 事 (
最高裁判所事
務総局経理局主
計
課長
) 上野 宏君 専 門 員 小木 貞一君 ――
―――――――――――
二月八日
委員西村力弥
君
辞任
につき、その
補欠
として坂 本
泰良
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員坂本泰良
君
辞任
につき、その
補欠
として西
村力弥
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
二月七日
人権擁護
に関する
請願
(
加賀田進
君
紹介
)(第 三四五号) 同月九日
前橋地方法務局沼田支局庁舎新築
の
請願
(藤枝
泉介
君
紹介
)(第五三七号) 同月十一日
宇都宮地方裁判所真岡支部庁舎新築
に関する請 願(
山口好一
君
紹介
)(第六一三号) の
審査
を本
委員会
に付託された。 二月十一日
申立人
の
損害救済
に関する
陳情書
(第 一二八号)
裁判官等
の
不当行為
に関する
陳情書
(第一二七号)
門標掲示
に関する
法律制定
の
陳情書
(第一六 三号)
検察
官の
不当行為等
に関する
陳情書
(第一七五号)
在留中国人
及び
朝鮮人
の
保障等
に関する
陳情書
(第一七六号) を本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
法務行政
に関する件
裁判所
の
司法行政
に関する件 ――
―――――――――――
三田村武夫
1
○
三田
村
委員長
これより
法務委員会
を開会いたします。 本日は
法務省関係
、算の
説明
を
当局
より聴収することといたします。
中村法務大臣
。
中村梅吉
2
○
中村国務大臣
先般
委員会
の第一回
委員会
と申しますか先日の
委員会
でごあいさつをいたしました際に申し述べましたように、私といたしましては、
法務行政
を担当する上において前
牧野大臣
の
方針
を大体において踏襲して参りたいということを申し述べたのでございます。本日さらに
委員長
から
法務行政
に関する基本的な
所信
を述べろという御内意もございましたので、ここに要領をかいつまんで申し述べたいと思います。 御
承知
の
通り
、
法務省所管
の
業務
は、
検察関係
を主軸といたしまして、
刑務所
、
少年院等
の
矯正
及び
保護関係
の
業務
、登記、戸籍、
供託等
の
法務局関係
、それに
破防法
に基く
公安調査関係
、
出入国管理
、
民事
、
刑事等
の
実体法
及び
訴訟法等基本法
の
制定
及び
改廃等
のことを
所管
いたしておるのでございます。この際特に私が重視したいと思う要点について
所信
を披瀝いたしたいと思います。
法務省所管
の最も重要な任務でございます
検察権
の行使に当りましては、厳正かつ公平を旨とするとともに、
刑事訴訟法
の精神に従って、証拠の裏づけが十分であって、なお迅速であることが肝要であると思うわけであります。それと同時に、
基本的人権
を尊重し、かりそめにも、
人権じゅうりん
が
検察
を通してあってはならない、かように考えます。これらの点に十分留意しながら、
検察当局
は
綱紀
の
粛正
と
治安維持
の達成に全力を尽さなければなりないと思うのであります。なお、現内閣は、御
承知
の
通り綱紀
の
粛正
を施政の重要な一環といたしておりますので、
涜職事件等
につきましては、できるだけ
政府機関部
内の協力を得まして、これを二葉のうちに刈り取るように努めて参りたいと思うのであります。次に、
法務省所管
の
重要業務
である
補正保護関係
について申し述べたいと思うのであります。御
承知
の
通り
、
法務省予算
の五〇%
余り
が
刑務所
、
少年院等
の
矯正費
に使われておるのであります。私といたしましては、現在
刑務所
、
少年院等
で行なっております
生産作業
を一そう合理化しまして、できるだけ
受刑者
の
職業補導
、授産という方面に意を用いまして、
刑余者
が釈放後なるべく生業につきやすいように努めることによって再犯の
防止
をはかるとともに、
更生保護
の
施策
を一そう
充実
下ることに努めまして、一定の
改悛状
を確認し得た者については安心して仮釈放を行い得るような基盤を造成して、一面において
行刑費
の
合理的節減
を期待し得る
方向
を作って参りたいと思っております、なお、現在の
矯正制度
は、四十数年前に
制定
された
監獄法
によっておりますような次第で、すでに
監獄
という観念が根本的に改められ、現在、
部分的改正
によってその名称も
刑務所
、
拘置所等
に改められている次第でありまするし、実際運用の面から見ましても幾多
改善
すべき点があると思われます。かような点にかんがみまして、諸般の準備と
検討
を進めまして、すみやかに
現行監獄法
を
時代
に即応する
矯正法規
に
改正
する
努力
を払いたいと思うのであります。また、
破防法
の命ずる
破壊活動
の
防止
、
出入国管理等
も
法務省
の
所管
であります。これらは
治安確保
の上に重要な関連がありますので、その使命を果すために
所要
の
努力
を続けて参りたいと思います。 次に、
基本法典
の
改正
について一言いたしたいと思います。
法務省
は
民事
、
刑事
に関する
基本法律
を
所管
しておるのでありますが、これらの
基本法律
がその
時代
の
国民生活
に適しているかどうかについては、常に深い関心を払い、これらの
基本法律
が
国民生活
に背馳しないよう
適時改正
を加えて行く必要があることを痛感いたしております。終戦後憲法も改まり、これらの
基本法典
についても
必要最小限度
の
応急的改正
が行われてきたのでありますが、本格的な
改正
の
検討
は後日に譲られてきたのであります。従って、今日においては
基本法典
の
改正
問題と真剣に取り組むべき時期に到達しておると言わなければなりません。この趣旨に基いて、
法務省
におきましては、
牧野
前
大臣
の当時、昨年
基本法典
の
改正
に関し
特別顧問制度
を新設し、斯界の
最高権威者
に
特別顧問
を委嘱して着々と
作業
の進行をはかっている次第であります。私としては、この
作業
を適正かつ円滑に進行せしめるよう努めて参りたいと思っております。 最後に、
最高裁判所制度
の
改善
について申し述べたいと思います。
最高裁判所
は、現に非常な
努力
を払いながらも、なお三千数百件の
事件
が積滞しておりますし、
上告制度
の基本問題と関連して現状に対していろいろと世論の批判がありますことは御
承知
の
通り
であります。すでに
国会
におきましても種々御
研究
をいただいて参りましたのみならず、
法制審議会
にも諮問いたしまして、すでにその答申を得ておりますので、私といたしましては、急速に
所要
の
検討
を進めまして、でき得れば今
国会
にこれが
制度改正案
を提案いたしたいと思っております。 以上、
法務行政
の
方向
について
所信
の一端を披瀝いたした次第であります。何とぞ
法務委員
の各位におかれましては御理解ある御支援のほどをこの機会に切に御願いいたす次第であります。
三田村武夫
3
○
三田
村
委員長
続いて
竹内経理部長
から
予算
の
説明
を求めます。
竹内政府委員
。
竹内壽平
4
○
竹内政府委員
お手元に三種の
説明資料
を御配付申し上げておきましたので、それに基きまして
法務省所管昭和
三十二年度
予算案成立
の
経過
と
内容
につきまして
概略
御
説明
を申し上げたいと存じます。
法務省
が
大蔵省
に提出した
昭和
三十二年度
歳出予算概算要求総額
は三百五十六億七百七万一千円でございまして、そのうち十九億六千九百四十七万一千円は
官庁営繕費
で
建設省所管
に
計上
を
要求
したのでございます。
右要求
に対する
大蔵省
の
査定
結果は、
建設省所管計上分
一億六千五百二十六万八千円を含めまして二百三十二億七千三百四十四万三千円となり、前年度
予算額
に比較いたしますると二十一億三千四百二十万七千円の
増額
となっておるのでございます。
増額
のおもなる
内容
は、
人件費関係
において十五億四千二十三万一千円、
旅費関係
において三千一百九十九万三千円、
庁費関係
において七千四百四十二万五千円、
営繕費関係
において二億五千一百七十八万七千円でございます。さらに分説いたしますると、
人件費関係
において、
給与改訂
に伴う
所要財源
として前年度
人件費
の六・一%並びに昇給、
昇格財源
四%がその大部分でございます。
旅費
、
庁費関係
におきましては、わずかながらも従来の
予算
の窮屈な状態の
改善
に向けられた
増額
でございます。
営繕費関係
は、大幅な
増額
は前年度に引き続き
法務局関係等
の老
朽廃施設
並びに
収容施設
の
改善
のための新営費でございまして、これらは前年度に比べて顕著な
増額
をみたものでございます。 次に、
重点的施策
の
経費
は、おおむね、第一には
治安対策費
、第二には
史生保護充実強化
の
経費
、第三には
矯正行政
の
刷新充実
の
経費
、第四には
営繕費
、第五には
売春対策費
、第六には
人権擁護活動
の
充実費
、第七には
基本法典
の
調査立茶
の
関係
の
経費
、第八には
給与事務貧等
の
改善
の
経費
でございます。この
重点的施策
の
査定経過
並びに
内容
につきまして
概略
の御
説明
を申し上げたいと思います。 これは別表の「
法務省所管昭和
三十二年度
歳出予算参考資料
(
査定経過
)」と書いてあります表を
ごらん
願いたいのであります。このおもな
重点的施策
の
経費
の
総額
は、三十二年度の
概算要求
におきまして百五十七億一千六百万の
要求
をいたしました。この
関係
の三十一年度の
予算
は六十二億五千九百万
余り
でございまして、この
査定
結果は六十九億八千三百万でございましたので、差し引き七億二千四百万が
増額
になっておるのでございます。 そこで、まず第一の
治安対策費
でございますが、この
関係
におきましては、今の三つの欄を
ごらん
いただきまして、
差引
一億五千百万円の
増額
になっております。この
治安対策
の
関係部局
は、第一には
公安調査庁
でございます。第二には
刑事局
、
検察庁関係
でございます。第三は
入管関係
でございます、この三
組織
につきまして
概要
を申し上げます。
公安調査庁
の
関係
におきましては、三十二年度
概算要求
十八億に対しまして、
査定
結果は四億三百万でございます。
差引
一億二千四百万の増になっております。このおもなる
要求
は、
増員関係
と
調査活動費
その他
関係
の
器材費等
でございますが、
増員関係
は、この表で
ごらん
の
通り
、
査定
ゼロでございまして、
増員
は一人も認められておりません。
公安調査庁
の調査官の
調査活動費
におきまして一億二千四百万の
増額
が認められております。これが
公安調査庁
における
治安対策費
のおもなる
経費
の
増額内容
でございます。 次に、
刑事局
、
検察庁関係
を見ますと、この
関係
におきましても
増員
は全部ゼロになっております。それから、
治安統括参事官室
、
犯罪対策審議室
、
犯罪対策連絡会議
、社会を明るくする運動といったような一連の
施策
があったのでございますが、これらもいずれも
査定
結果はゼロになっております。そして、この
関係
におきまして認められましたのは、
情報活動
の
強化
、
検察事務
の
科学化
というところの欄に書いてあります
調査活動費
の千九百四十万円というのが
治安対策費
として認められた唯一の
費目
でございます。
要求
の
概要
は
摘要欄
に記載してありますが、これらはすべて
査定
の結果とお比べいただきますとわかります。 次に、
入管関係
でございますが、
入管関係
におきまして、やはりここでは四百五十二人の
増員
を予定しております。この
増員関係
におきまして認められましたのは、
審査官
三十名と、二ページのまん中辺にあります
調査活動費
五百四十万円、これがおもなる
査定
結果でございます。 結局、
治安対策費
につきましては、
増員
を
主体
とした
事務費
は認められませんで、
調査活動
の
経費
によって
情報活動
を活発にするということが
査定内容
になっておるのでございます。 次に、二番目の、
更生保護
の
充実強化
の点に進みたいと思います。三ページの一番上でございます。この
関係
におきましては、三十二年度の
概算要求
で十億を
要求
いたしました。前年度は一億六千六百万でございます。
査定
結果は三億一千六百万で、
差引
四千九百万の
増額
となっております。おもなる
要求内容
は、
増員関係
、
更生保護会
に対する
補助金
、
保護司
の
実費弁償金
の
増額
、
更生保護委託費
の
増額
、
更生保護会
の
職員
の
研修
、
保護司
の
研修
、
補導援護旅費
、
庁費等
の
増額
というような
費目
になっておるのでございますが、
増員関係
は
査定
結果はゼロでございます。
更生保護
全等に対する
補助金
の
関係
におきましても若干の問題は残ったのでございますけれども、
査定
結果は結局前年度
通り
ということで、増減はございません。
保護司
に対する
実費弁償金
の
関係
におきましては、この
委員会
でも毎々申し上げたかと思いますが、
保護司
に対しまして一人年間約三千円の
予算
を八千円に
引き上げ
てほしいという
要求
をいたしたのであります。これは、月一件当りに換算いたしますと、百二十円を二百五十円まで
引き上げ
てほしいという
要求
をいたしたのでございますが、その
関係
におきましては、百二十円を百三十円まで、十円だけ
値上げ
をするという
査定
結果になっております。それから、もう一つは、ロのところに書いてあります
特殊勤務保護司
四百二十六人の
増加
を認めていただきました。それから
取扱い件数
の
増加
も認められまして、この
関係
において二千二百万の
増額
になっておるのでございます。 それから、
更生保護委託費
、これは
更生保護会
に対する
対象者
の
委託
のための
経費
でございまして、これは
委託費
の
単価
の
引き上げ
と
委託期間
の
延長
を
要求
した
内容
になっておりまするが、
査定
結果は若干ずつ認められております。すなわち、
単価
の
引き上げ
におきまして、
ごらん
の
通り
若干の
値上げ
が、
食事付宿泊
、ただの
宿泊
、両方ともにつきまして
単価
の
値上げ
を認めておりますし、
委託期間
の
延長
につきましても、
食事付宿泊
の場合には若干認めております。その
関係
におきまして一千七十三万九千円の
増額
になっております。 それから、
更生保護会
の
職員
の
研修
、
保護司
の
研修
の
経費
でございますが、これは
更生保護会
の
幹部職員
の
研修
だけにつきまして、百九十三人について七日間の
研修
を
東京
で行うことを承認されております。 それから、
補導援護旅費
、
庁費
の
関係
でございますが、これは三ページの下の方に書いてありますように、
保護司
に対する
通信費
とか、巣鴨の
刑務所
を出ました
第三国人
の
援護補助金
、それから
鉄道運賃
の
値上げ等
を見たものでございます。 結局
総額
におきまして四千九百万の
増額
になっておるのでございます。 次に、第三番目の
矯正行政
の
組織
の
経費
でございます。まず、この
関係
におきましても、
増員
が
主体
をなしておりまして、左の方に書いてありますように、千六百九十八人の
増員要求
をいたしたのでございますが、結果は
摘要欄
の
査定
というところに書いてございます。上の方から
要求
、
査定
と書いてありますその
査定
のところに、
刑務所関係
において、
豊多摩
、
小菅刑務所
及び
東京拘置所
の
移開設
に伴いまして、二百二十人の看守の
増員
が
定員
で認められ、
少年院
の
関係
において、
教化活動
の
充実
のため教官の
増員
が九十二名認められました。これは、千六百九十八人の
増員要求
に対しまして、得た結果はそれだけでございますけれども、本年もまた
定員
の
増加
ということは極力抑制するという
編成方針
でございましたので、それにいたしましてはよく認められたというふうに考えております。 この
刷新充実
といたしまして
矯正科学研究
の
経費
を
要求
しましたが、これは
査定
結果はゼロとなりました。
受刑者
の
職業補導
の
経費
、これは非常に私どもとしましては重視した
経費
でございましたが、
査定
結果は前年度
通り
ということでございました。 ただし、
少年院
の同種の
職業補導
の
経費
につきましては、三百五十三万六千円の
増額
が認められたのでございます。特にこの
関係
におきましては、
補導用
の器具とか
原材料費
の
増額
が認められたのでございます。 次に
刑務所収容費
の点でございまするが、これは千四百九十五万五千円の
増額
となっております。この
数字
はわずかな
数字
でございますが、
内容
を分析してみますると、相当顕著な
改善
が認められるのでございます。すなわち、この
関係
におきまして、
査定
のところを
ごらん
願いたいのでございますが、
豊多摩刑務所
の
開設
に伴う
備品等
の
経費
、それと、口にあります
小菅刑務所
、
東京拘置所
の
移開設
、これも当然の
経費
であると思いますが、
収容者
の処遇の
改善
というところで、金額はわずか四十四万二千円という
数字
が出ておりますけれども、
内容
をもう少し申し上げますと、三十二年度は、前年度の八万七千人の
収容対象者
に対しまして八万五千人という
査定
を受けましたので、この
関係
で二千人の減ということになりました。この二千の
収容者
が減ずるということになりますと、その二千人に対する食糧、衣料その他の付随します
経費
はぐんと減るのでございます。にもかかわらず、その他の点で
改善
されましたために、
差引
におきまして結局四十四万二千円という
増額
になっているという点を御注目願いたいのでございます。すなわち、どういう点で
改善
されたかと申しますと、まず
日用品
の
単価
の
引き上げ
が認められた。すなわち、男については二百四十五円のものが九百八円というふうにふえておりますし、女子につきましては三百十三円が千二百三十一円というふうにふえております。これはシャボンとかちり紙とかいう
身の回り品
の
日用品
でございます。二番目が
お菜代
の一円の
値上げ
、これは一昨年も承認されたのでございます。その結果としまして、書いてありますように、被告を十六円五十銭から十七円五十銭、
成人受刑者
が十八円五十銭から十九円五十銭、
少年受刑者
が二十一円五十銭から二十二円五十銭、そのほかに
特別菜代
として
勤労食
が三円から十円に上った次第であります。こういう
関係
で
給養関係
が非常によくなっております。五ページの方にお目を通していただきたいと思いますが、そこに
内地米
の
値上り分
を見てもらいまして、それから
医療器具
の
増額
。それから、
主食配合率等
の変更によって一千五百万円も減っております。その減っておりますことも、その次に書いてあります二千人の
減員
に伴いまして六千八百万円減になっております。こういう点で大きく減っているにかかわらず、ふえた面もありまして、
差引少額
ながらふえたという結果になっております。次に
作業賞与金
の
増額
の点は、これは、ここに
内容
は書いてございますが 二十五年当時の
作業賞与金
の八割増ということになっておりまして、これも顕著な
改善
の
あと
を示しているのでございます。
収容人員
の減少に伴いまして、当然
収容者
の
被服費等
が減っております。こういうふうに出入りの激しい
経費
でございますが、
内容
的にはかなり顕著な
改善
の
あと
を示しております。 次に
刑務所作業費
でございますが、これも八千七百万の
増額
になっておりまして、この
内容
で顕著なのは、
原材料費
の
不足補てん額
として四千万円認められた点でございます。 このような
改善
は
少年院
の
収容費
につきましても同様でございますし、
少年鑑別所
の
収容費
につきましても同様でございます。同様でございますが、
少年院
の場合は二千百万円の
減額
になり、
少年鑑別所
の場合は一千三百万円の
減額
になっておりますけれども、これは
収容対象者
の数が、
少年院
につきましては一万二千人から九千六百人というふうに、一千四百人の
対象者減
を見込んだために生じた
減額
でございます。
少年鑑別所
の場合は、二千五百人が千八百人と、七百人の
減員
となりましたために生じた結果でございます。 次に、六ベージの第四番目の
営繕費
の
関係
でございます。これは、御
承知
の
通り
、
法務関係
の
営繕
は全国に三千四百庁ございますし、
延べ坪数
にして八十三万坪という大きな
施設
をかかえております。それに対しまして与えられました
予算
が、二十九年が四億三千、三十年が五億五千、三十一年が六億四千というふうにふえてはおりますものの、これではとうていその
損耗補充
にも当らないのでございまして、これが大幅な
増額
を求めることは
法務省
にとりまして切なる
要求
であるわけでございます。それらの
要求
がある程度承認されまして、ここに
数字
に示しておりますように、前年度の五億二千八百万に対しまして、三十二年度は七億八千三百万、二億五千五百万の
増額
になっております。その
法務官署
の方と
収容施設
との割合、
査定
になりました各庁の
名前等
はこの表の記載の
通り
でございます。なお、その下の方に書いております
官庁営繕費
として
建設省所管
に
計上
されましたものが、本年は一億六千五百万でありまして、前年度と比較いたしますと五千三百万ふえておりますので、
法務省
に
計上
された二億五千万と
建設省
の五千三百万とを加えますと、本年は三億円以上の
増額
となっておる点はまことに注目すべき
増額
であると考えております。 次に、七ページに参りまして、五番目の
売春対策費
のことを申し上げたいと思います。
売春対策
につきましては、
売春法
が
法務省
において立案せられました
経過等
にかんがみまして、
法務省
としましては熱意を傾けてこの
対策
に取り組んでおるのでございます。そこで、
予算要求
におきましても二億七千万の
概算要求
になっておったのでございますが、その
査定
結果は三百万でございまして、三十一年度の
査定
が三百十二万八千円でございまして、三十二年度と比べますと、三十二年度が八万三千円の
減額
になっておるという実態でございます。それを各
関係組織別
に見て参りますると、結局これは
関係部局
が会同する
経費
だけが
法務省
に与えられた
売春対策費
であるということになるのでございまして、この点、はなはだ遺憾に存ずるのでございますが、慎重御
審議
を願いたい項目でございます。 次に、八ページに参りまして、
人権擁護活動
の
充実
の
経費
といたしまして、三十二年度の
概算要求
が一億でございました。前年度が千七百万でございますし、本年が千八百万、
差引
百四十二万七千円の
増額
となっております。この
関係
におきましては、
要求
のところに記載してありますように、かなり大幅な思い切った
人権予算
を組んだつもりでございますが、結果におきましては、遺憾ながらきわめて事務的に
査定
を受けたのでございます。たとえば、
人権擁護委員
の
増員
若干が認められましたほか、
事件増加
に伴う
侵犯事件
の
調査旅費
が認められた。あるいは諸謝金、
庁費等
について
事件増加
に伴う分として認められたものでございます。その中で特に力を入れましたのは
貧困者
の
訴訟援護
のいわゆる
リーガル
・エイドという
経費
でございます。約一千が
要求
いたしましたが、
査定
結果はゼロでございます。この
関係
は、
最高裁判所側
におきましても同じような
費目
につきまして
要求
をして、これも
査定
ゼロとなっておるようでございます。この辺の調整は本年度に持ち越された
関係
になっております。 次に、七番目の
基本法典
の
調査立案
の
関係
でございます。三十二年度の
概算要求
は一億六千九百万でございました。三十一年度
予算
が四千二百万で、
査定
結果は五千万でございます。前年度との
予算
の比較をいたしますと八百三十一万二千円の
増額
となっております。この
関係
におきましては、まず
増員関係
で
特別顧問
一名の
増員
を
要求
いたしまして、
要求通り増員
が認められたのでございます。
常勤職員
の十九名は
査定
ゼロとなっております。 それから、
国際会議
に出席する
旅費等
もこの中に含まれておりますが、前年度
在外研究員
というものを一人認められましたが、それに引き続きまして本年ももう一人、結局二人の
在外研究員
が承認されております。さらに、
在外公館
に
駐在員
を置く、アタッシェというのでありますが、これは外務省に人を派遣して外務省の
職員
にしてしまいまして、給与その他も外務省の
予算
に
計上
されるわけであります。昨年初めて一人認められまして、さらに本年一人追加になりまして、合計二名ということになるのでございます。そのほか、国際私法
会議
の分担金等もこの中に入っております。 さらに、注目を願いたい点は、八ページの一番下に書いてあります犯罪
防止
及び犯罪者の処遇に関する第二回国連のアジア大会でございます。これは本年の十月初旬を目途としてただいま準備の準備と申しますか、全くの準備態勢でございますが、寄り寄りと話し合いを進めておるのでございます。このアジア大会を
東京
で開催するという国連からの要望に基きまして、閣議了解のもとに開催を決定して、その
予算
を
要求
したのでございますが、これは
概算要求
約二千万円に対しまして、三百九十六万六千円という
査定
結果をいただいております。参加予定は二十六カ国でございまして、参加人員は日本側を含めまして大体百二十名、日程は十日間ということになっております。日本にとりまして、国連加盟最初の日本主催の
国際会議
でございますし、さらに、これが犯罪
防止
及び犯罪者の処遇といったきわめて
法務省
にとって大事な
会議
でございます。この
会議
がうまくいきますために三百九十六万六千円が適当な
経費
でありますかどうか、ここのところがいささか疑問でございますけれども、そういう
査定
になっております。 次に、八番目の給与、
事務費
、これは、さきに差し上げましたのは給与
改善
費と書いてありますが、給与、
事務費
の
改善
でございます。これはきわめて事務的なものでございますが、
法務省
は御
承知
のように各
組織
を通じまして事務量が激増しております。これらの
関係
で、あるいは宿日直手当とか、あるいは超過勤務手当というようなものの
改善
を要する面が多々あるのでございますし、また、
旅費
、
庁費等
でどうしても
増額
してもらわなければならぬ必要な
経費
があるのでございます。これらを一括いたしまして特に強い事務的な
予算
折衝をしたのでございます。その結果をここに掲げておりますが、大きい点を申し上げますと、法務局出張所の宿日直手当が若干ではございますが認められました。それから同じ法務局の中に渡切費という三等郵便局に認められております
経費
がございますが、この渡切費も若干、五百七十万ばかり
増額
になりました。ただしこれは純増ではございませんで、
庁費
をその方に組みかえていただいただけでございます。それから、
検察事務
官の超過勤務手当が従来月二時間でございましたものを五・二時間にふやしていただいたのでございます。公安調査官の超過勤務手当も、二時間を四・六二時間に伸ばしていただきました。そのほか、
法務省
は専用電信というものを持っておりますが、その技術者に対しまして特殊有技者手当というものも本来は若干認められました。 給与の面でそのような
改善
を見たのでございますが、
事務費
の方におきましても、登記
職員
の
作業
衣だとか、あるいは登記所の白蟻車、あるいは地方
検察
庁の
庁費
、あるいは外国人登録記録事務の処理のためのマイクロ・フィルムといったようなものが新たに認められたのでございます。 以上が大体
重点的施策
の
内容
、
査定経過
でございます。 なお、その他の
経費
につきましては、もう一つの資料の
組織
・項別比較表、それから事項別比較表等を
ごらん
いただきますと、大体の
内容
はわかると思います。はなはだずさんでありますが、私の
説明
をこれで終らせていただきます。
三田村武夫
5
○
三田
村
委員長
次に、
最高裁判所
の
予算
について
当局
より
説明
を聴取することといたします。 この際お諮りいたします。
最高裁判所
当局
より出席、
説明
いたしたいとの申し出がありますので、
国会
法第七十二条第二項の規定によりこれを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と一呼ぶ者あり〕
三田村武夫
6
○
三田
村
委員長
御異議なしと認め、さよう取り計らいます。岸上経理局長。
岸上康夫
7
○岸上
最高裁判所
説明
員 それでは私から三十二年度の
裁判所
所管
歳出
予算
の
概要
を申しあげます。 お手元に差し上げてあります資料に基きまして、三十二年度歳出
予算
の
総額
は百六億七千七十九万六千円でございまして、前年度の
予算額
九十五億三百六十一万九千円に比較いたしまして、十一億六千七百十七万七千円の
増加
ということになっております。 その内訳を重要事項について申し上げます。 まず第一は
営繕費関係
でございますが、これは、三十二年度
予算額
は新営費、それから修繕費全部入れまして八億三千九百六十二万七千円、前年度の六億五百二十万三千円に比較いたしますと、二億三千四百四十二万四千円の増ということでございます。その
計上
されております新営費等の内訳の詳細は資料の一番最後のところに庁舎別に掲げてある
通り
でございます。新営
関係
は、前年度からの継続工事のところが二十庁、新規工事が十八庁でございまして、その
関係
の金額は七億二千九百七十一万四千円、それから補修費、法廷調停室等の増築費といたしまして五千七百二十万円、不動産購入費が四百七十二万円、
営繕
事務費
が千八百七十九万八千円、こういう内訳になっております。 第二は、第一審の
充実強化
に必要な
経費
ということで四千三百七十三万五千円。これは前年度には特にこういう題目を掲げた
経費
はございませんので、新しく三十二年度で認められたわけでございますが、その
内容
は、第一審
強化
のための協議会の
経費
が三百六十四万八千円、それから法廷等の増築費が二千九百十九万五千円、それから書記官等の超過勤務手当は七百八十九万二千円、自動車の購入費が三百万円というのがその内訳でございます。 第三は、裁判官調査
研究
費及び管理職手当。これは
最高裁判所
の判事について調査
研究
費月額五万円、それから高等
裁判所
以下下級
裁判所
の判事について管理職手当を
要求
いたしたのでございますが、これは認められるに至りませんで、ゼロということになっております。
要求
額は全部で一億五千六百六十二万三千円の、
要求
をいたしたので、ございますが、ゼロということになっております。 四番目は、家庭
裁判所
調査官
研究
所。これは、三十一年度から認められましたのを、三十二年度についてさらに若干
増額
して認められたのでございますが、御
承知
のように、家庭
裁判所
調査官の養成、
研修
のための機関でございまして、おもなものは
研修
生五十名を一年間養成する、これの
所要
の
旅費
、講師謝金、教材費その他
器具
費等で、全部で千六百六十六万四千円でございます。 第五番目は、法律扶助協会
補助金
。これは、先ほど
法務省関係
で御
説明
ございましたのと重複しておるわけでございますが、一千万円を
要求
いたしまして、実は
査定
はゼロということでございます。 六番目は、調停協会
補助金
。この五千万円は前年
通り
認められ、
計上
されておるわけでございます。 七番目の裁判費、合計いたしまして十四億三千八百三十六万七千円。これは、御
承知
のように、裁判に直接必要な
経費
といたしまして、調停
委員
、鑑定人、証人等の日当、
旅費
、国選弁護人の報酬、
刑事
補償費その他
通信費
、
裁判所
職員
の臨検のための出張
旅費等
でございますが、これは前年度に比べまして約一億四千八百六十六万九千円ほど
増加
になっております。これは主として
事件
数の見込み増ということによる
増加
と、なお、三十一年度
予算
には法律上
改正
になりました証人、調停
委員
、鑑定人、国選弁護人等の目当の
増額
かございましたが、
予算
締め切り後の
関係
で三十一年度には
計上
されていなかったのを、三十二年度にはその法律
通り
の
単価
で計算いたしました。それによるものを含んでおるわけでございます。 それから、八番目に、
最高裁判所
の機構改革に伴い必要な
経費
というのを
要求
いたしたのであります。
要求
の
内容
は四億七千百二万五千円というものを
要求
いたしました。これは、結局、
最高裁判所
の機構改革に伴って、機構改革を目的とする法案が成立した場合には、それに必要な
人件費
、
施設
費その他の物件費等として
計上
いたしたものを
要求
いたしたのでございますが、この法案が今
国会
に提出されて成立するといたしましても、時期的に三十二年度中にそれを実施するということは準備等の
関係
から技術的に困難だ、従って、三十二年度
予算
に
計上
しても結局使えないということになる、そういう観点から、この
関係
の
経費
は三十二年度
予算
には
計上
しないということに
裁判所
側も了解いたしまして、ゼロということになっております。 九番目は、以上重要
経費
として申し上げました以外の
経費
でありまして、
職員
の俸給その他の
人件費
、通常の
庁費
、
旅費
というものでございます。この合計は全部で八十三億二千七百四十万三千円ということになっております。これの内訳は非常にこまかく、かつ経常的な
経費
が大
部分
でありますので、
説明
は省略させていただきまして、御質問等によってお答えをいたしたいと思います。 簡単でございますが、以上で御
説明
を終ります。
三田村武夫
8
○
三田
村
委員長
これにて
法務省
及び
裁判所
予算
についての
説明
聴取は終りました。
予算
に関する質疑は次会に譲ります。
三田村武夫
9
○
三田
村
委員長
次に、相馬ケ原農婦射殺
事件
及び広島における自衛隊員の演習中の死亡
事件
について井本
刑事局長
から事情を聴取いたします。井本
刑事局長
。
井本臺吉
10
○井本政府
委員
相馬ケ原の農婦殺害
事件
について簡単に御報告申し上げます。 この
事件
は本年の一月三十日の午後二時十分ごろに起きた
事件
でございまして、鉄砲を発射した被疑者と目されるものはジラード・S・ウイリアムスという者でございます。この日に相馬ケ原で米軍の部隊が約三十名演習をしておったのでございますが、その演習の部隊に追随しまして約六十名くらいの付近の農婦などが薬莢を拾って歩いたわけでございます。演習は、午前中は実弾射撃、午後は仮想敵に対する空砲発射による襲撃演習と申しますか、さような演習がありまして、午後の一時四十分と申しておりますが一応演習が終了いたしました。その演習の終了した場所が通称物見塚と言うておりますところだそうでありますが、農婦に対しまして被疑者が鉄砲を放ったというわけでございます。これは、ただいまの調べでは、ライフル銃の先に砲弾の薬莢をつけまして、空砲を約十メートルぐらい離れたところから撃ったということになっております。その撃ち方は、これもまだ調べが確定しておりませんが、目撃者の証言その他によりますと、ねらい撃ちをしたという説と、腰にかまえて撃ったという説と、両方あるようでありまするが、大体のところは腰にかまえて撃ったというように調べが固まりつつあるように聞いております。その撃ちました空砲の先についた薬莢が被害者の背中に当りまして、肺動脈を切断して、直ちに死んだわけであります。この農婦につきましては、群馬大学で解剖いたしました結果、肺動脈が切断されておるということで、その薬莢によって死亡したということは明らかでございます。 現在、この被疑者の行為が行政協定第十七条の公務執行中の作為、不作為に基く罪であるかどうかという点を確定いたしますることが、第一裁判権がどちらにあるかということの結論が出ることになりますので、鋭意取り調べまして、その結論を急いでおる次第であります。この
事件
発生以来、日米協力いたしまして
関係
者を鋭意調べておりますが、現在までの状況では、まだ結論は出ておりません。引き続き
関係
者を取り調べておる状況でございます。 前橋地方
検察
庁におきましては、二月の九日に傷害致死罪として通報、
事件
の送致を受けまして、現在は検事が乗り出して調査しておる状況でございます。 さような次第で、今しばらくお待ち願いますと、いま少しく詳細な御報告ができると存じますが、現在の段階ではその程度でございます。 それから、広島の自衛隊員死亡
事件
につきましては、私ども
刑事
事件
としての報告をまだ受けておりませんので、この点につきましては、
事件
として扱うかどうか、まだ結論に達しておりません。新聞などによりますと、何か
業務
上過失致死罪であるとか、あるいは強要罪になるのではないかというような説も記載されておりますので、目下鋭意
研究
中でございます。(「調査中じゃないのですか」と呼ぶ者あり)まだ、広島の
事件
につきましては、
事件
にするかしないかということまでも
研究
中でございます。
三田村武夫
11
○
三田
村
委員長
中村法務大臣
から相馬ケ原農婦射殺
事件
及び広島における自衛隊員の演習中の死亡
事件
について
説明
を求ます。
中村法務大臣
。
中村梅吉
12
○
中村国務大臣
相馬ヶ原の坂井なかさんの死亡いたしました射殺
事件
は、非常に遺憾のできごとでございまして、私どもも、国際
関係
等もございますし、演習場に起りましたかような
事件
を重視いたして、非常に憂慮いたしておるような次第でございます。この
事件
については、まず第一に、
事件
の起きました翌日の一日に、日本側の群馬県警察本部
刑事
部、長、捜査
課長
等が、日本側の目撃者となっております五人の人を連れて、その
事件
の起きました米軍側の部隊三十数人に全部出てもらって、一体そのうちのだれがやったのか、首実検をいたしまして、目撃者によってその犯人と目される被疑者が明白になりました。引き続いて米軍側ではその被疑者を逮捕いたしておるのでありますが、日本側の県警察部の方では、その被疑者に直接当って一応の調べをいたしましたが、被疑者は真相を述べていないように受け取られますので、その後県警察部におきましては諸般の調査を遂げておったわけでありますが、一昨日でございますか、前橋の地検の方に
事件
が書類として送検をされて参りましたので、前橋の
検察
庁といたしましては、警察側と協力して、引き続き捜査を続けておる次第であります。昨日は現地において検証をいたしましたようでありますが、その
内容
等は、いろいろ
検討
すべき点がまだございますので、結論を得てから適当の機会に
法務委員
の皆さんに御報告申し上げるようにいたしたい、かように存じております。 なお、ただいま
委員長
からお話のありました自衛隊の広島県における
事件
、まことにこれは遺憾なできごとでございますが、
法務省
としては、主として
人権擁護
の立場からこの問題を
検討
すべきものと考えまして、目下
研究
中でございます。まず第一次的には、防衛庁の
所管
のできごとでございますから、防衛庁において事態を明らかにして、今後の対処策及び今度できた
事件
についての善後措置等について結論を出されることと思いますが、それと相待ちまして、
法務省
としては別の角度からこの
事件
の
研究
をいたしたいということで、目下
研究
中でございます。さような段階にございますことをとりあえず御報告申し上げます。
三田村武夫
13
○
三田
村
委員長
両件に関する質疑は次回に譲りたいと思いますが、この際
委員長
から法務
当局
に一言申し上げておきたい。両
事件
とも世論の中心になっております重要な問題であり、法の権威及び
人権擁護
の立場から当
委員会
においてもその真相を究明いたしたいと思いますから、法務
当局
においては十分その真相把握のために御
努力
の上、質疑に対する御用意を願いたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十分散会