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1956-06-01 第24回国会 参議院 本会議 第58号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年六月一日(金曜日)    午前零時十一分開議   ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第五十八号   昭和三十一年六月一日    午前零時十分開議  第一 余剰農産物資金融通特別会   計法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)           (委員長報告)  第二 国際金融公社への加盟に伴   う措置に関する法律案内閣提   出、衆議院送付) (委員長報告)  第三 特定物資納付金処理特別会   計法案内閣提出衆議院送付)            (委員長報告)  第四 金融制度調査会設置法案   (内閣提出衆議院送付)            (委員長報告)  第五 税理士法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)            (委員長報告)  第六 気象業務法の一部を改正す   る法律案内閣提出、衆議院送   付)       (委員長報告)  第七 地方自治法の一部を改正す   る法律案内閣提出、衆議院送   付)       (委員長報告)  第八 地方自治法の一部を改正す   る法律施行に伴う関係法律の   整理に関する法律案内閣提   出、策議院送付) (委員長報告)  第九 国防会議構成等に関する   法律案内閣提出衆議院送付)            (委員長報告)  第一〇 通商産業省設置法の一部   を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)   (委員長報告)  第一一 農林省設置法の一部を改   正する法律案内閣提出、衆議   院送付)     (委員長報告)  第一二 昭和二十三年六月三十日   以前に給与事由の生じた恩給等   の年額の改定に関する法律案   (内閣提出衆議院送付)            (委員長報告)  第一三 電源開発促進法の一部を   改正する法律案内閣提出、衆   議院送付)    (委員長報告)  第一四 千島歯舞諸島返還等に関   する請願     (委員長報告)  第一五 千島列島返還等に関する   請願       (委員長報告)  第一六 李承晩ラインによるだ捕   抑留漁船乗組員釈放等請願            (委員長報告)  第一七 韓国抑留漁船乗組員の送   還に関する請願(二件)           (委員長報告)  第一八 京都植物園接収解除促   進に関する請願  (委員長報告)  第一九 名古屋市内駐留軍家族住   宅移転促進に関する請願            (委員長報告)  第二〇 駐留軍使用の大津水耕農   園等の用地を地元被害農民に払   下げするの請願  (委員長報告)  第二一 福岡地方簡易保険局大濠   庁舎返還促進に関する請願            (委員長報告)  第二二 名古屋白川接収地域   の返還に関する請願委員長報告)  第二三 長崎県鳥島区域駐留軍   爆撃演習廃止に関する請願            (委員長報告)  第二四 奄美大島知名町に米軍飛   行場基地設定反対請願            (委員長報告)  第二五 日ソ日中国交回復促進   に関する請願(二件)            (委員長報告)  第二六 オットセイ保護条約締結   促進等に関する請願            (委員長報告)  第二七 太平洋水域における水爆   実験中止請願(十件)            (委員長報告)  第二八 太平洋水域における水爆   実験中止等請願(四件)            (委員長報告)  第二九 原水爆実験禁止に関する   請願(六件)   (委員長報告)  第三〇 原水爆実験禁止等に関す   る請願(七件)  (委員長報告)  第三一 公海における水爆実験禁   止の請願     (委員長報告)  第三二 人権擁護事業予算増額に   関する請願(二十件)            (委員長報告)  第三三 高知地方法務局赤岡支局   改築に関する請願 (委員長報告)  第三四 埼玉県皆野町に浦和地方   法務局出張所設置請願            (委員長報告)  第三五 山口県宇部市に山口地方   裁判所支部等設置請願            (委員長報告)  第三六 宮城築館簡易裁判所に   家庭裁判所併置請願            (委員長報告)  第三七 秋田県米内沢町に簡易裁   判所等設置請願 (委員長報告)  第三八 徳島刑務所移転に関する   請願       (委員長報告)  第三九 売春問題に関する請願            (委員長報告)  第四〇 売春禁止法制定促進に関   する請願     (委員長報告)  第四一 売春防止法制定促進に関   する請願(二件) (委員長報告)  第四二 戸籍法第百二十八条改正   に関する請願   (委員長報告)  第四三 大阪拘置所都島区内移   築反対に関する請願(三件)            (委員長報告)  第四四 大阪拘置所移転にかかる   国有財産不当処分反対請願            (委員長報告)  第四五 大阪拘置所茨田横堤町   移転に関する請願 (委員長報告)  第四六 長野伊那警察署不当   取調調査に関する請願            (委員長報告)  第四七 中国における日本見本市   開催に関する請願(八件)            (委員長報告)  第四八 中国向け木造船輸出特認   に関する請願   (委員長報告)  第四九 木造船中国向け輸出禁   止解除に関する請願            (委員長報告)  第五〇 長野八ケ岳いおう採掘   反対に関する請願(二件)            (委員長報告)  第五一 大分県新馬上金山鉱害   による損害補償請願            (委員長報告)  第五二 道南地方地下資源調査   に関する請願   (委員長報告)  第五三 北海道遠別町の地下資源   開発促進に関する請願            (委員長報告)  第五四 石油資源開発株式会社に   対する国家投資請願            (委員長報告)  第五五 山形県の石油等開発促進   に関する請願   (委員長報告)  第五六 鉱害賠償及び鉱害復旧制   度強化に関する請願            (委員長報告)  第五七 只見川電源開発促進等に   関する請願    (委員長報告)  第五八 国立只見資源公園設定に   関する請願    (委員長報告)  第五九 北海道石崎川電源開発に   関する請願    (委員長報告)  第六〇 北海道落部野田追両河   川の電源開発に関する請願            (委員長報告)  第六一 山形朝日川地区電源開   発事業促進等に関する請願            (委員長報告)  第六二 長野松本市に商工組合   中央金庫出張所設置請願(二   件)       (委員長報告)  第六三 余剰農産物見返円の中小   企業導入に関する請願(二件)            (委員長報告)  第六四 中小企業振興対策に関す   る請願      (委員長報告)  第六五 火災保険協同組合の法制   化に関する請願  (委員長報告)  第六六 中小企業等協同組合法第   九条改正に関する請願(三件)            (委員長報告)  第六七 在外財産処理促進に関す   る請願      (委員長報告)  第六八 引揚者の在外財産補償に   関する請願    (委員長報告)  第六九 福島県立たばこ試験場の国   立移管に関する請願            (委員長報告)  第七〇 対日平和条約発効前の沖   縄における米軍使用による土地   等の損失補償請願            (委員長報告)  第七一 信用保証協会国家財政   資金導入等請願 (委員長報告)  第七二 鹿児島県桜島噴火降灰に   よるたばこ耕作被害対策請願            (委員長報告)  第七三 在外財産補償に関する   請願       (委員長報告)  第七四 岩手県盛岡市附近に国立   たばこ試験場設置請願            (委員長報告)  第七五 岩手県大船渡市に設置さ   れる東北製塩株式会社製塩許   可促進請願   (委員長報告)  第七六 紅、おしろい等物品税   軽減に関する請願 (委員長報告)  第七七 北海道滝川滝川電報電   話局庁舎新築に関する請願            (委員長報告)  第七八 新潟県にテレビジョン放   送局設置促進請願            (委員長報告)  第七九 茨城県久慈川改修工事施   行に関する請願  (委員長報告)  第八〇 宮城広瀬川筋仙台市評   定河原橋災害復旧工事費国庫補   助金早期交付等に関する請願            (委員長報告)  第八一 京都大野ダム建設に伴   う損害補償等請願            (委員長報告)  第八二 茨城県横利根川ひ門開放   に関する請願   (委員長報告)  第八三 一級国道三号線中久留米、   八女両市間舗装工事施行に関す   る請願      (委員長報告)  第八四 放射第一号路線中五反田   駅ガード築造等に関する請願            (委員長報告)   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ……(発言する者多く議場騒然、聴取不能)    ————————
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ……会議を開きます。   〔「休憩々々」「議長散会」「休憩反対」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて、暫時休憩いたします。    午前零時二十六分休憩    ————————    午前十時十七分開議
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  天田勝正君外一名から、賛成者を得て、直ちに休憩することの動議が提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票を願います。(「そんな問題じゃない、議長休憩にしなさい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「すみやかに話し合いを願います」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「正常ということはどんなことだ、議運というものは今後やらないということか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「だまし打ちするな」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「どうして話し合いをしないのですか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「理事会も何も開かなくてどういう正常化ができるのだ、手続をふめ、手続を」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「わかっているよ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「議員が一体何を本会議で審議するかわからぬような議事進行については協力できないじゃないか。正常化するとは議院運営委員会で十分に話し合って何を審議するかということが事前にわからなくて本会議の正常な運営はできない。議長はこの点について最大の善処をしてもらいたい。そのことだけは強く要望しておくから」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。  投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。  よってこれより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 百六十票   白色票  五十八票   青色票   百二票 よって本動議は否決せられました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名     五十八名       最上 英子君    高田なほ子君       久保  等君    清澤 俊英君       山本 經勝君    山口 重彦君       岡  三郎君    海野 三朗君       河合 義一君    三輪 貞治君       田中  一君    永井純一郎君       東   隆君    荒木正三郎君       三橋八次郎君    竹中 勝男君       内村 清次君    赤松 常子君       山下 義信君    山田 節男君       栗山 良夫君    村尾 重雄君       相馬 助治君    佐多 忠隆君       須藤 五郎君    木村禧八郎君       鈴木  一君    成瀬 幡治君       若木 勝藏君    江田 三郎君       小林 孝平君    矢嶋 三義君       菊川 孝夫君    片岡 文重君       小松 正雄君    重盛 壽治君       吉田 法晴君    大和 与一君       加瀬  完君    藤田  進君       湯山  勇君    千葉  信君       近藤 信一君    田畑 金光君       大倉 精一君    阿具根 登君       天田 勝正君    松浦 清一君       秋山 長造君    棚橋 小虎君       曾禰  益君    松澤 兼人君       森下 政一君    岡田 宗司君       小酒井義男君    戸叶  武君       松本治一郎君    三木 治朗君     —————————————  反対者青色票氏名      百二名       上林 忠次君    加賀山之雄君       梶原 茂嘉君    井野 碩哉君       山川 良一君    森田 義衞君       森 八一三君    村上 義一君       溝口 三郎君    三浦 辰雄君       前田 久吉君    廣瀬 久忠君       中山 福藏君    豊田 雅孝君       田村 文吉君    竹下 豐次君       高橋 道男君    高瀬荘太郎君       島村 軍次君    佐藤 尚武君       後藤 文夫君    伊能繁次郎君       武藤 常介君    大谷 瑩潤君       白波瀬米吉君    松原 一彦君       西岡 ハル君    井上 清一君       伊能 芳雄君    小沢久太郎君       青柳 秀夫君    佐藤清一郎君       有馬 英二君    滝井治三郎君       関根 久藏君    吉田 萬次君       白川 一雄君    菊田 七平君       中川 幸平君    田中 啓一君       榊原  亨君    上原 正吉君       大矢半次郎君    藤野 繁雄君       木島 虎藏君    谷口弥三郎君       三浦 義男君    館  哲二君       石原幹市郎君    中川 以良君       池田宇右衞門君    青木 一男君       野村吉三郎君    泉山 三六君       津島 壽一君    苫米地義三君       佐野  廣君    小幡 治和君       大谷 贇雄君    石井  桂君       雨森 常夫君    西川弥平治君       白井  勇君    横山 フク君       高橋  衛君    松平 勇雄君       寺本 廣作君    紅露 みつ君       山本 米治君    石川 榮一君       剱木 亨弘君    加藤 武徳君       高野 一夫君    横川 信夫君       松岡 平市君    長谷山行毅君       野本 品吉君    平井 太郎君       川村 松助君    堀末  治君       西郷吉之助君    堀木 鎌三君       遠藤 柳作君    吉野 信次君       笹森 順造君    小林 英三君       木村篤太郎君    石坂 豊一君       三木與吉郎君    新谷寅三郎君       小西 英雄君    島津 忠彦君       岡崎 真一君    重政 庸徳君       安井  謙君    小柳 牧衞君       川口爲之助君    木内 四郎君       深水 六郎君    古池 信三君       井上 知治君    山縣 勝見君    ————————
  8. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 藤田進君から、賛成者を得て、すべての案件に先だって、余剰農産物資金融通特別会計法の一部を改正する法律案を審議することの動議が提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  9. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。  これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算〕   〔「だれがこの公報を発行しているのだ」「この公報の第一番に余剰農産物が出ているのだぞ、これを否決して何が正常化だ」と呼ぶ者あり〕
  10. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 百八十七票   白色票   六十七票   青色票   百二十票  よって本動議は否決せられました。(「公報無視だ」「何が正常化だ」「議運を開け」「公報掲載通りやれ、これは何のために発行しているんだ」「議長議事進行発言」「公報掲載通りにやらないで何が正常化か、そんな正常化があるか」「どうして議事進行発言を許可しないのか」「議長々々」「公報通りにやるべきじゃないか」「一応三十分程度の休憩」と呼ぶ者あり)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      六十七名       高田なほ子君    久保  等君       清澤 俊英君    山本 經勝君       山口 重彦君    安部キミ子君       岡  三郎君    海野 三朗君       河合 義一君    三輪 貞治君       田中  一君    永井純一郎君       東   隆君    荒木正三郎君       三橋八次郎君    小笠原二三男君       竹中 勝男君    内村 清次君       赤松 常子君    山下 義信君       山田 節男君    藤原 道子君       野溝  勝君    栗山 良夫君       村尾 重雄君    相馬 助治君       佐多 忠隆君    市川 房枝君       八木 幸吉君    須藤 五郎君       木村禧八郎君    石川 清一君       鈴木  一君    成瀬 幡治君       若木 勝藏君    江田 三郎君       亀田 得治君    小林 孝平君       菊川 孝夫君    片岡 文重君       小松 正雄君    重盛 壽治君       吉田 法晴君    大和 与一君       加瀬  完君    藤田  進君       湯山  勇君    千葉  信君       近藤 信一君    田畑 金光君       大倉 精一君    永岡 光治君       阿具根 登君    天田 勝正君       松浦 清一君    秋山 長造君       棚橋 小虎君    羽生 三七君       曾禰  益君    松澤 兼人君       中田 吉雄君    森下 政一君       岡田 宗司君    小酒井義男君       戸叶  武君    松本治一郎君       三木 治朗君     —————————————  反対者青色票氏名      百二十名       上林 忠次君    加賀山之雄君       梶原 茂嘉君    飯島連次郎君       井野 碩哉君    山川 良一君       森田 義衞君    森 八三一君       村上 義一君    溝口 三郎君       三浦 辰雄君    前田 久吉君       廣瀬 久忠君    早川 愼一君       野田 俊作君    中山 福藏君       豊田 雅孝君    常岡 一郎君       田村 文吉君    竹下 豐次君       高橋 道男君    高瀬荘太郎君       島村 軍次君    佐藤 尚武君       河野 謙三君    後藤 文夫君       伊能繁次郎君    武藤 常介君       大谷 瑩潤君    白波瀬米吉君       松原 一彦君    西岡 ハル君       井上 清一君    伊能 芳雄君       小沢久太郎君    青柳 秀夫君       佐藤清一郎君    有馬 英二君       滝井治三郎君    関根 久藏君       吉田 萬次君    森田 豊壽君       白川 一雄君    菊田 七平君       中川 幸平君    田中 啓一君       榊原  亨君    高橋進太郎君       鹿島守之助君    上原 正吉君       大矢半次郎君    藤野 繁雄君       木島 虎藏君    西川甚五郎君       谷口弥三郎君    三浦 義男君       左藤 義詮君    館  哲二君       石原幹市郎君    中川 以良君       池田宇右衞門君    青木 一男君       野村吉三郎君    泉山 三六君       津島 壽一君    苫米地義三君       斎藤  昇君    佐野  廣君       小幡 治和君    宮澤 喜一君       大谷 贇雄君    石井  桂君       雨森 常夫君    西川弥平治君       白井  勇君    横山 フク君       高橋  衛君    松平 勇雄君       最上 英子君    寺本 廣作君       小滝  彬君    紅露 みつ君       山本 米治君    秋山俊一郎君       石川 榮一君    剱木 亨弘君       加藤 武徳君    高野 一夫君       横川 信夫君    松岡 平市君       長谷山行毅君    鈴木 強平君       野本 品吉君    平井 太郎君       川村 松助君    堀末  治君       西郷吉之助君    堀木 鎌三君       遠藤 柳作君    寺尾  豊君       吉野 信次君    笹森 順造君       黒川 武雄君    小林 英三君       木村篤太郎君    石坂 豊一君       三木與吉郎君    新谷寅三郎君       小西 英雄君    島津 忠彦君       岡崎 真一君    重政 庸徳君       安井  謙君    小柳 牧衞君       川口爲之助君    木内 四郎君       深水 六郎君    古池 信三君       井上 知治君    山縣 勝見君      ——————————    ————————
  11. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて、暫時休憩いたします。    午前十時五十九分休憩    ————————    午後一時二十二分開議
  12. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続いて、これより会議を開きます。……   (発言する者多く、議場騒然。聴取不能)   —————————————    〔「議事進行に関する発言議長」「議長、岡君が議事進行発言を求めております」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然
  13. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 議長は、ただいま発言の途中でありますので、議事進行についての発言は、本院規則第百二十三条の第二項の規定により、適当の時期に許可をすることにいたします。(「適当な時期は今だ」「議場の整理」「降壇をさせろ」と呼ぶ者あり)  本院規則第百二十三条の二項により……(発言する者多く議場騒然、聴取不能)……することにいたします。(「暴力に屈するな」「どっちが暴力だ」「議長降壇を命じろ」「着席々々」「衛視を下げなさい、衛視を」「少数党に発言の自由を与えよ」「議長、相手にするな」「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)   〔岡三郎発言の許可を求む〕
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 岡君何ですか。
  15. 岡三郎

    ○岡三郎君 議事進行に関する発言を求めます。
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 岡君の発言を許可いたします。   〔岡三郎登壇、拍手〕
  17. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は、ただいま議長の許可を得まして、簡潔に議事進行に関する要望を述べまして終りたいと存じます。  私は、本日の議事が、社会党の提案による余剰農産物資金融通特別会計法の一部を改正する法律案を先議する、このことは参議院規則第八十六条第二項、「議事日程は、参議院公報をもって予め各議員に通知し、官報にこれを掲載する。」とあります。なお、国会法第十九条に、各議院の議長は、その議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を進捗するための運営をはからなければならぬという趣旨が書いてあるのであります。私は以上の論点より、昭和三十一年六月一日午前零時十分開議の議題になっておりまする議案をまず審議するということが、本院を正常化する基本問題であるということを、ここに言いたいのであります。(拍手)しかるに与党は、多数によってこの動議を否決したということは、まことに遺憾きわまるものでありまして、昨夕以来、今朝にかけまして、議長あるいはわが党の松本顧問等によりまして、参議院における良識を発揮して、本会議場内外の正常化をはかるということを決定せられたことについては、まことに同感の意を表するものであります。(拍手)  しかしながら、現在におきましては、議長職権によって進行せられておりまするが、何とぞ今後の運営におきましては、議長におかれて、この議事日程を尊重し、円満なる運営をはかられんことをここに要望いたしまして、私の議事進行に関する発言を終ります。(拍手)    ————————
  18. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 天田勝正君外一名から、賛成者を得て、直ちに休憩することの動議が提出せられました。  これより本動議採決をいたします。  表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票を願います。(「時間制限」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票は……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)すみやかに御投票願います。(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「はあい」「議長時間」と呼ぶ者あり)  時間が参りますれば投票箱を閉鎖いたします。(「反対々々」「投票するのに一人三十分くらいかかるよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  時間が参りますれば投票箱を閉鎖いたします。(「閉鎖々々」「まだたっぷり時間がある」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  時間が参りますれば投票箱を閉鎖いたします。(「議員の投票権を中絶したら大ごとだぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  制限時間に達しました。(「何をするのだ議長」「投票させないのか」と呼ぶ者あり、その他離席する者、発言する者多く、議場騒然、「投票させなさい」「採決無効だ」「投票箱を守れ」「衛視なぜ来るんだ、議長が命令してないじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然、聴取不能)
  20. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数議場騒然、聴取不能)   白色票議場騒然、聴取不能)   青色票 百二十四票 ……(議場騒然、聴取不能)……否決せられました。(「投票に異議あり」「早く次の議案をやれ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      二十名       高田なほ子君    久保  等君       清澤 俊英君    山本 經勝君       山口 重彦君    安部キミ子君       岡  三郎君    東   隆君       三橋八次郎君    小笠原二三男君       赤松 常子君    藤原 道子君       成瀬 幡治君    江田 三郎君       亀田 得治君    小林 孝平君       大和 与一君    加瀬  完君       天田 勝正君    中田 吉雄君     —————————————  反対者青色票氏名      百二十四名       上林 忠次君    河井 彌八君       加賀山之雄君    梶原 茂嘉君       飯島連次郎君    井野 碩哉君       森田 義衞君    森 八三一君       村上 義一君    溝口 三郎君       三浦 辰雄君    廣瀬 久忠君       早川 愼一君    野田 俊作君       豊田 雅孝君    常岡 一郎君       土田國太郎君    田村 文吉君       竹下 豐次君    高橋 道男君       島村 軍次君    佐藤 尚武君       河野 謙三君    後藤 文夫君       伊能繁次郎君    武藤 常介君       大谷 瑩潤君    白波瀬米吉君       松原 一彦君    西岡 ハル君       井上 清一君    伊能 芳雄君       小沢久太郎君    青柳 秀夫君       佐藤清一郎君    酒井 利雄君       仁田 竹一君    滝井治三郎君       関根 久藏君    吉田 萬次君       森田 豊壽君    木村 守江君       中川 幸平君    田中 啓一君       榊原  亨君    高橋進太郎君       大矢半次郎君    藤野 繁雄君       木島 虎藏君    宮田 重文君       植竹 春彦君    谷口弥三郎君       三浦 義男君    左藤 義詮君       館  哲二君    石原幹市郎君       中川 以良君    中山 壽彦君       池田宇右衞門君    青木 一男君       西田 隆男君    野村吉三郎君       泉山 三六君    津島 壽一君       苫米地義三君    佐野  廣君       小幡 治和君    宮澤 喜一君       大谷 贇雄君    石井  桂君       雨森 常夫君    西川弥平治君       横山 フク君    高橋  衛君       松平 勇雄君    深川タマヱ君       宮本 邦彦君    最上 英子君       寺本 廣作君    小滝  彬君       青山 正一君    紅露 みつ君       山本 米治君    秋山俊一郎君       石村 幸作君    剱木 亨弘君       加藤 武徳君    高野 一夫君       横川 信夫君    長谷山行毅君       鈴木 強平君    野本 品吉君       平井 太郎君    川村 松助君       西郷吉之助君    堀木 鎌三君       郡  祐一君    遠藤 柳作君       寺尾  豊君    吉野 信次君       笹森 順造君    黒川 武雄君       小林 英三君    一松 定吉君       木村篤太郎君    大屋 晋三君       石坂 豊一君    三木與吉郎君       新谷寅三郎君    小西 英雄君       井村 徳二君    島津 忠彦君       岡崎 真一君    重政 庸徳君       入交 太藏君    小柳 牧衞君       川口爲之助君    木内 四郎君       深水 六郎君    古池 信三君       岩沢 忠恭君    重宗 雄三君       草葉 隆圓君    八木 幸吉君    ———————— 〔事務総長退席、参事河野義克君着席〕
  21. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田三郎君から、委員会審査省略要求書を付して、事務総長芥川治君の不信任決議案が提出されました。  この際、本案の委員会審査省略につきお諮りいたします。発議者の要求通り委員会の審査を省略し、日程に追加して、直ちに本案の審議に入ることについて採決をいたします。  表決記名投票をもって行います。発議者要求の通り委員会の審査を省略し、日程に追加して、直ちに本案の審議に入ることに賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  22. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。(「投票時間を制限しない方がいいんですよ、みんなやりますから」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「投票させなさい」「時間の制限」呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票については……(議場騒然、聴取不能)すみやかに御投票願います。(「異議あり」「議長、何分でしたか」「二十五分」「三十分と聞えた」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「時間制限反対」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。  時間が参りますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。(「はあい」「投票したものは降壇するように、議長」「よけいなことだ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「急げ急げ」と呼ぶ者あり)  時間が参りますれば投票箱を閉鎖いたします。(「急げ急げ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「投票は待つの」「時間時間」「何の時間だ」「もう少しだ」「あと十人、たまには全部投票させなさい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「時間」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「時間はどうしたのだ」「時間はちょうど三時半」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「議長、時間」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。(「打ち切ったらまたもめるぞ、議長、しんぼうしなさい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「人のいやがることを無理にさせるものじゃないのだ」と呼ぶ者あり)  投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。  これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  23. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 百九十四票   白色票  百九十四票   青色票     なし  よって発議者要求の通り、委員会の審査を省略し、日程に追加して、直ちに本案の審議に入ることに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百九十四名       上林 忠次君    河井 彌八君       加賀山之雄君    梶原 茂嘉君       飯島連次郎君    井野 碩哉君       山川 良一君    赤木 正雄君       森田 義衞君    森 八三一君       村上 義一君    溝口 三郎君       三浦 辰雄君    廣瀬 久忠君       早川 愼一君    野田 俊作君       中山 福藏君    豊田 雅孝君       常岡 一郎君    土田國太郎君       田村 文吉君    竹下 豐次君       高橋 道男君    高瀬荘太郎君       高木 正夫君    杉山 昌作君       島村 軍次君    佐藤 尚武君       河野 謙三君    後藤 文夫君       伊能繁次郎君    武藤 常介君       大谷 瑩潤君    白波瀬米吉君       松原 一彦君    西岡 ハル君       井上 清一君    伊能 芳雄君       小沢久太郎君    青柳 秀夫君       佐藤清一郎君    酒井 利雄君       有馬 英二君    仁田 竹一君       滝井治三郎君    関根 久藏君       吉田 萬次君    森田 豊壽君       木村 守江君    菊田 七平君       岡田 信次君    中川 幸平君       田中 啓一君    榊原  亨君       鹿島守之助君    上原 正吉君       大矢半次郎君    藤野 繁雄君       木島 虎藏君    宮田 重文君       植竹 春彦君    谷口弥三郎君       三浦 義男君    左藤 義詮君       館  哲二君    石原幹市郎君       中川 以良君    池田宇右衞門君       鶴見 祐輔君    野村吉三郎君       津島 壽一君    苫米地義三君       斎藤  昇君    佐野  廣君       小幡 治和君    宮澤 喜一君       大谷 贇雄君    石井  桂君       雨森 常夫君    西川弥平治君       横山 フク君    高橋  衛君       松平 勇雄君    深川タマヱ君       宮本 邦彦君    最上 英子君       寺本 廣作君    小滝  彬君       紅露 みつ君    山本 米治君       秋山俊一郎君    剱木 亨弘君       加藤 武徳君    高野 一夫君       横川 信夫君    松岡 平市君       長谷山行毅君    鈴木 強平君       野本 品吉君    平井 太郎君       川村 松助君    遠藤 柳作君       寺尾  豊君    吉野 信次君       笹森 順造君    黒川 武雄君       小林 英三君    一松 定吉君       大屋 晋三君    石坂 豊一君       高田なほ子君    久保  等君       清澤 俊英君    山本 經勝君       山口 重彦君    安部キミ子君       岡  三郎君    海野 三朗君       河合 義一君    三輪 貞治君       三木與吉郎君    新谷寅三郎君       小西 英雄君    田中  一君       永井純一郎君    上條 愛一君       井村 徳二君    島津 忠彦君       岡崎 真一君    重政 庸徳君       東   隆君    荒木正三郎君       三橋八次郎君    小笠原二三男君       安井  謙君    小柳 牧衞君       川口爲之助君    平林  剛君       竹中 勝男君    内村 清次君       赤松 常子君    木内 四郎君       深水 六郎君    古池 信三君       岩沢 忠恭君    山下 義信君       木下 源吾君    藤原 道子君       井上 知治君    重宗 雄三君       野溝  勝君    栗山 良夫君       村尾 重雄君    相馬 助治君       佐多 忠隆君    八木 幸吉君       須藤 五郎君    羽仁 五郎君       堀  眞琴君    木村禧八郎君       鈴木  一君    成瀬 幡治君       若木 勝藏君    千田  正君       江田 三郎君    亀田 得治君       小林 孝平君    矢嶋 三義君       菊川 孝夫君    片岡 文重君       小松 正雄君    重盛 壽治君       吉田 法晴君    大和 与一君       加瀬  完君    藤田  進君       湯山  勇君    千葉  信君       近藤 信一君    大倉 精一君       永岡 光治君    阿具根 登君       松浦 清一君    秋山 長造君       棚橋 小虎君    曾禰  益君       松澤 兼人君    中田 吉雄君       森下 政一君    岡田 宗司君       小酒井義男君    戸叶  武君       松本治一郎君    三木 治朗君    ————————
  24. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 川村松助君外五名から、賛成者を得て、本日の議事における発言時間は、委員長報告及び趣旨説明については二十分、質疑、討論その他の発言については一人十分に制限することの動議が提出されました。  これより本動議採決をいたします。表決記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行〕   〔議長閉鎖を命じてから入って来ている」「三人入って来た」「やり直せ、やり直せ」と呼ぶ者あり、その他発言し、離席する者多く、議場騒然
  25. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 議場閉鎖の時期について疑義があるようですから、円満なる議事進行をはかるため、あらためて採決いたしますから、一たん議場開鎖いたします。(拍手)   〔議場開鎖
  26. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 氏名点呼を行います。議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  27. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票を願います。(「まだ始まったばかりじゃないか」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票を願います。……すみやかに御投票願います。(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います(「はあい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。  ただいま行われております投票については、自後五分間に制限いたします。(「反対」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「考えているんだよ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「何の採決だ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「つかえている、つかえている」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。  時間が参りますれば、投票箱を閉鎖いたします。(「反対」「まだ早い」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。(「議長、これが済んだら少し休憩しなさい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。……すみやかに御投票願います。(「はい、急いでやりますよ」と呼ぶ者あり)  制限時間に達しました。  これより開票いたします。投票参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算
  28. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 百七十七票   白色票  百二十四票   青色票   五十三票  よって本日の議事における発言時間は、委員長報告及び趣旨説明については二十分、質疑討論その他の発言については一人十分に制限することに決しました。      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百二十四名       上林 忠次君    加賀山之雄君       井野 碩哉君    山川 良一君       赤木 正雄君    村上 義一君       溝口 三郎君    廣瀬 久忠君       早川 愼一君    野田 俊作君       中山 福藏君    豊田 雅孝君       田村 文吉君    高橋 道男君       高瀬荘太郎君    高木 正夫君       杉山 昌作君    島村 軍次君       佐藤 尚武君    河野 謙三君       後藤 文夫君    伊能繁次郎君       武藤 常介君    大谷 瑩潤君       白波瀬米吉君    松原 一彦君       西岡 ハル君    井上 清一君       伊能 芳雄君    小沢久太郎君       青柳 秀夫君    佐藤清一郎君       酒井 利雄君    有馬 英二君       滝井治三郎君    吉田 萬次君       森田 豊壽君    白川 一雄君       木村 守江君    菊田 七平君       岡田 信次君    中川 幸平君       田中 啓一君    榊原  亨君       鹿島守之助君    上原 正吉君       藤野 繁雄君    木島 虎藏君       宮田 重文君    植竹 春彦君       谷口弥三郎君    三浦 義男君       館  哲二君    石原幹市郎君       中川 以良君    中山 壽彦君       池田宇右衞門君    鶴見 祐輔君       苫米地義三君    大野木秀次郎君       斎藤  昇君    佐野  廣君       小幡 治和君    宮澤 喜一君       石井  桂君    雨森 常夫君       西川弥平治君    白井  勇君       横山 フク君    松平 勇雄君       深川タマヱ君    長島 銀藏君       最上 英子君    寺本 廣作君       青山 正一君    紅露 みつ君       山本 米治君    秋山俊一郎君       剱木 亨弘君    加藤 武徳君       高野 一夫君    横川 信夫君       松岡 平市君    長谷山行毅君       鈴木 強平君    野本 品吉君       平井 太郎君    川村 松助君       堀末  治君    杉原 荒太君       寺尾  豊君    吉野 信次君       笹森 順造君    黒川 武雄君       小林 英三君    一松 定吉君       大屋 晋三君    石坂 豊一君       清澤 俊英君    三木與吉郎君       新谷寅三郎君    小西 英雄君       井村 徳二君    重政 庸徳君       安井  謙君    小柳 牧衞君       川口爲之助君    木内 四郎君       古池 信三君    岩沢 忠恭君       山下 義信君    小野 義夫君       井上 知治君    亀田 得治君       重盛 壽治君    大和 与一君       千葉  信君    近藤 信一君       大倉 精一君    曾禰  益君       松澤 兼人君    中田 吉雄君       森下 政一君    小酒井義男君     —————————————  反対者青色票氏名      五十三名       高田なほ子君    久保  等君       山本 經勝君    山口 重彦君       安部キミ子君    岡  三郎君       海野 三朗君    河合 義一君       三輪 貞治君    永井純一郎君       上條 愛一君    東   隆君       荒木正三郎君    三橋八次郎君       平林  剛君    竹中 勝男君       内村 清次君    赤松 常子君       木下 源吾君    山田 節男君       藤原 道子君    野溝  勝君       栗山 良夫君    村尾 重雄君       相馬 助治君    佐多 忠隆君       須藤 五郎君    羽仁 五郎君       堀  眞琴君    木村禧八郎君       鈴木  一君    成瀬 幡治君       若木 勝藏君    江田 三郎君       矢嶋 三義君    菊川 孝夫君       片岡 文重君    小林 亦治君       小松 正雄君    吉田 法晴君       加瀬  完君    湯山  勇君       田畑 金光君    永岡 光治君       阿具根 登君    天田 勝正君       松浦 清一君    秋山 長造君       棚橋 小虎君    羽生 三七君       戸叶  武君    松本治一郎君       三木 治朗君    ————————
  29. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 事務総長芥川治君不信任決議案(江田三郎君発議)を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。江田三郎君。   〔江田三郎登壇、拍手〕
  30. 江田三郎

    江田三郎君 ただいま問題になりました決議案は、   本院は、事務総長芥川治君を不信任する。  右決議する。  理由は、「事務総長芥川治君は参議院事務総長として国会法、参議院規則等諸規則に通じ正、副議長を補佐し、院の円滑なる運営に責任を負うべき立場にあるにもかかわらず、議事運営、衛視の使用等にしばしば誤りを犯し、混乱におとしいれたるは誠にその責任重大である。よって本院は、事務総長芥川治君を不信任する。」というのであります。  そこで、そもそも事務総長とはどういう役をするかということでありまして、事務総長芥川治君は、今は事務次長がすわっておりますが、この席にすわる人であります。  事務総長というものは、これはよく誤解があってはなりませんから、念のためはっきりしておきたいと思うのでありますが、これは昭和二十二年四月三十日法律第七十九号の国会法による職務なのであります。で、この国会法は昭和二十二年十二月法百五十四、昭和二十三年七月法八十七、昭和二十三年十月法二百十四、昭和二十四年十月法二百二十一、昭和三十年一月法三、こういうようにたびたび改正をされておりますが、この国会法は、第一章から第十八章まであります中の第三章が、「役員及び経費」というのであります。その第三章の第十六条に、「各議院の役員は、左の通りとする。」となっておりまして、そこに、わかりませんか。(「わからない、大事なところは二回繰り返して下さい」と呼ぶ者あり)のどが痛いんですから、あまりしゃべらさぬようにして下さい。なるべく簡単にやりたいですから……。(「水を飲んで」と呼ぶ者あり)あとで飲みます。  第十六条の「各議院の役員は、左の通りとする。」それが、一が議長、二が副議長、三が仮議長、四が常任委員長で、五が事務総長であります。そこで事務総長というものは、この国会法第十六条に規定するがごとく議院の役員でございますから、諸君の、議員よりは一段高いこの位置にすわるのであります。その点につきましては、役員だから上に上るのがいいか、あるいは役員も、もう少し下の方へおりるのがいいかということは、いろいろ諸国の制度を検討いたしますと問題があることでございますが、わが日本の参議院という所は、衆議院の方は別にいたしまして、この参議院は貴族院以来の伝統を持っておりますので、だいぶこの事務総長のいすの位置が高いようでございます。そういう高い所にいすがあるということは、議場混乱の際、いすのひっくり返るおそれもあって(笑声)、先ほどさようなことを散見いたしましたが、将来一つ、これは検討をすべきものと存じます。  そこで、いよいよもう少し進めて行かなければなりませんが、そもそも事務総長とはどういうものであるかといえば、第十六条の役員でありますが、第二十七条によりまして、「事務総長は、各議院において国会議員以外の者からこれを選挙する。」ということになっております。従って事務総長芥川治君は、国会議員ではないのでありまして、国会議員以外から選挙されておるのであります。選挙ですよ、間違えちゃいけません。羽仁君のような学識経験者におきましても、事務総長がいかなるものであるかということがおわかりにならないことは、私は非常に遺憾とするところでありまして、従って私は、この国会法に基いて、まず事務総長とはどういうような仕事をするかということをはっきりしなければ、なかなか先へ進まないのであります。いやしくも人を不信任するということは、これはその人の将来にとりまして重大なことでございますから、一体事務総長ならば、どの程度の欠格条項があれば不信任していいかということを考えるのに、そもそも事務総長とは何であるかということが羽仁君のような人でもおわかりにならぬ。それでは誤解を起しますからして、私は、あえて事務総長とは何ぞやということを、諸君が手元に持っておられます国会法に基いて、一番間違いのない説明をしておるのでございます。そこで……、どこまでいきましたか、ちょっと忘れましたが、(笑声)第二十七条で「選挙する。」となっておりまして、その選挙された事務総長は、「参事その他の職員は、事務総長が、議長の同意及び議院運営委員会の承認を得てこれを任免する。」というのであります。従って、ここに並んでおるところの参事にいたしましても、今、事務総長のかわりに席についている河野事務次長にいたしましても、この衛視諸君にいたしましても、あるいは諸君がお茶を持ってきてもらうあの人にいたしましても、エレベーターの職員は何人おるか知りませんが、あのエレベーターの女の職員にいたしましても、あるいはたばこを吸うたときのあとを掃除してくれる人も、これまた何人おるか知りませんが、ことごとくこれは第二十七条の後段によりまして、「事務総長が、議長の同意及び議院運営委員会の承認を得てこれを任免する。」と、私は解釈するのでございます。ただしかし、ただいまの私の解釈につきましては、「参事その他の職員は、」とありますのが、その辺でたばこの吸いがらを集める人も職員という名になっておるかどうかということが、これは多少疑問の存するところでありまして、もし、これにつきましては、諸君の中で御疑問等がございましたならば、事務当局をして答えしめたいと存じますから、その点はそのままにして、前に進みたいと思います。  そこで、どういう仕事をするかということの中で、参事その他の職員を任免するということは、ただいま私が申し上げた通りでございますが、第二十八条によりますと、「事務総長は、議長の監督の下に、議院の事務を統理し、公文に署名する。参事は、事務総長の命を受け事務を掌理する。」こうなっておりまして、ここのところがちょっと問題なのであります。というのは、「事務を統理」するという言葉と、「事務を掌理する。」という言葉があります。統理の「とう」は統制の「統」、掌理の「しょう」は「たなごころ」この統制の「統」でいく統理というのと、「掌」の下に理のついている字句とが、どれくらい違うかということが、これまた疑問の存するところでございまして、この点につきましては、また疑義がございましたら事務当局に答えさせることといたしまして、私の提案理由をもう少し続けて行きたいと思います。(拍手)  そこで、この統理、掌理という問題がございますが、「事務総長は、議長の監督の下に、議院の事務を統理し、公文に署名する。」という役割を持っておるわけでありまして、従って、統理というものがどういうことかは別にいたしまして、なかなかこれは大へんな仕事でございますからして、この第十六条によって国会の役員となっておるのであります。そこでこの事務総長に、こういう役員に事故があったときにはどうなるかというと、これは明らかに第二十九条にきめてありまして、「事務総長に事故があるとき又は事務総長が欠けたときは、その予め指定する参事が、事務総長の職務を行う。」、ただいま河野事務次長がこの席についておりますのは、二十九条によってやっていることでございますから、これは河野君の間違った措置ではございませんから、御安心を願います。なおまた、議長としても、これにつきましては私は責任がないと思います。第二十九条によって、事務総長に事故があるから、河野事務次長がここにすわっておるわけであります。  それで、そもそも国会法のどことどことに事務総長の規定があるかということは、私もちょっとよくわからぬ点があるのですが、次に国会法を受けますところの参議院規則によりますというと、これは昭和二十二年六月二十八日の議決による参議院規則、その後、昭和二十三年十月十一日、昭和二十四年十月二十六日、昭和二十五年七月十四日、昭和二十六年十二月十五日、昭和二十七年十月二十四日、昭和三十年三月十八日、これだけちょっと日付を早く申しましたから、お聞き取りにくかったかもしれませんが、もう一ぺん重ねて申しますと、昭和二十三年十月十一日、昭和二十四年十月二十六日、(「早い、早い、わからぬ」と呼ぶ者あり)昭和二十三年十月十一日、よろしいか。(「明瞭々々」と呼ぶ者あり)昭和二十四年十月二十六日、よろしいか。(「よろしい」と呼ぶ者あり)昭和二十五年七月十四日、(「よし」と呼ぶ者あり)昭和二十六年十二月十五日、(「よろしい」と呼ぶ者あり)昭和二十七年十月二十四日、(「よし」と呼ぶ者あり)昭和三十年三月十八日、(「よし」と呼ぶ者あり)こういうように、これはしばしば改正になっておるということは、この規則もなかなか欠陥があったんだろうと思いますが、今のところ、これに欠陥があるかどうかはよくわかりませんが、(「どういう理由で改正したのか、それを説明されたい」と呼ぶ者あり)その点は、もう羽仁君から御質問がございましたならば、詳細事務当局にお答えさせますから、私の発言をあまり妨害しないようにしていただきたいと思うのであります。一体この事務総長が、大事なことでありますから申し上げておきますけれども、芥川治君が不信任ということになると、あとの後任の選挙をしなければならぬのであります。あなた方の中には、芥川君を不信任すると、もうこれで運営がとまってしまうのじゃないかというようなことをお考えになっている人があるかもしれませんが、そうではないのでございまして、芥川君の不信任案が通過いたしましたら、たちどころにこの参議院規則によって選挙をいたしますからして、その点は遠慮なしに不信任に御賛成願いたいと思うのであります。(「時間がたったぞ」「今のところは序論だ」と呼ぶ者あり)結論を急げといったところで、簡単な結論をして、人の一生にかかわるようなことに誤解を起さしてはならぬことでありまして、そういうことはやはり慎重にやらなきゃなりません。(「議長注意」と呼ぶ者あり)その辺からあまりヤジを言うので、参議院規則のどこに何があったかわからぬようになっちまう。(笑声)提案者の頭を混乱させぬように御注意願いたいと思うのです。  これはあとでまた参議院要覧のことに触れるといたしまして、そもそもわれわれが、こういうような国会役員でありますところの芥川君を、なぜ不信任を出したかということであります。芥川君は、しばしばここにすわっておりましたからして、皆さんもよく御承知と思います。なかなかりっぱな人柄であります。まずイギリス流の紳士というところでございましょうか。こういう点は外交官の小瀧君あたりに鑑別をしてもらった方がいいと思いますが、まず相当な紳士だろうと思います。どうでしょうか、小瀧君。(拍手)一体そういう紳士とは思いますけれども、なおまた単なる、紳士というのじゃなしに、芥川君はロマンス・グレーでありましてもこの点なかなかよろしいところがあと思います。近ごろはこのロマンス・グレーというものがなかなか魅力があるということになっておりますので……、この大事な提案のときにだんだん退場する人があるということは、私もまことに残念に思うことでありまして、これは一つ議長の方でよろしく御注意を願いたいと思うのであります。(拍手)私が、人の一生にかかわることを提案しているのでございますからして、これは首尾一貫、前後を終始お聞き願って、それから御判断を願わなければ、途中で立って、まん中の大事なところを切られたために誤解をされて、皆さんが不信任すべからざる者を不信任したり、不信任すべき者を不信任しなかったということでは、これはその人、芥川君個人のためにも、また議院の運営、今後の問題につきましても、いろいろと、悪影響があることでございますから、これは一つ慎重にお聞きを願いたいと思います。残念なことには、この間うちの国会で、いろいろございましたので、私も少々のどを痛めまして、声が少しかれましたが、これは少しごしんぼう願って、私の毎日の精励恪勤によるところの、こののどの痛め方でございますから、御容赦を願いたいと思うのであります。  そこでこの、(「討論終り」と呼ぶ者あり)討論ではない、佐藤君でもお間違いがある。私は提案理由の説明をしているんであって、あなたがすぐに、私のを討論とお聞きになるようなことだから、私が繰り返して慎重にお聞きを願いたいと言っておるのであります。その点は佐藤君もよく御注意を願いたいと思います。  それで、芥川君はなかなかの紳士でございます。昔の貴族院の時代でも、これぐらいの容貌端麗なイギリス流の紳士、しかも顔色を見ますというと、絶えず処女のごとく、ほおを桃色に染められておりまして、こういう点、しかも先ほどちょっと申しましたが、ロマンス・グレーでもありますし、なかなかこの席に置くのには、りっぱな格好がついた人だと思います。それなんですよ、その格好だけではいかぬというところに問題があるわけで、私がこの議席からつらつらと芥川君の面相を観察いたすところによりますと、この芥川君はまことに正直な人である。その点においては間違いない。ばかをつけるか、つけないかは諸君の勝手でありまして、私はそういう言葉を使っておりません。芥川君は正直な人であると言っておるのであります。私は少くともそう見受けるのであります。従ってこの人は、もし諸君が不信任を、これを通過させて、この席からほかの席へ移ってもらうようなことがありましても、正直な人でありますから、なかなか使い道はあるだろうと思います。その点は一つ御遠慮なしに不信任案に賛成を願いたいと思うのであります。(拍手)同時に、しばしばこの退職官吏というもの、これは役員ですから、官吏かどうかちょっとよくわかりませんが、こういう大事な仕事を退職した人は、この在任中にいろんなコネクションを持っておりまして、退任するとあやしげなことをやる。中には退任いたしましても、自分の住んでおる公舎だけでも、一つ勝手に使うというような、これは一番小さい悪事とは思いますけれども、そういうことがあるんでございまして、(「交換はないか、交換は」と呼ぶ者あり)参議院の場合に公舎の交換があるかどうかということは、寡聞にして私は知りませんので、そういう点につきまして、諸君のもしお疑義がございますならば、後刻御質問下されば、事務当局に詳細にお答えさしたいと思います。  大体正直な人であるとは思いますし、また悪いことができる人ではないと思いますけれども、ずっと観察をしておりますというと、この人はどうも、先ほどいすがちょっと倒れましたけれども、いすの倒れるような傾向があると思うのであります。というのは、あらしに対して弱いということなんであります。容貌端麗にいたしまして、なかなか事務能力にすぐれておりますけれども、世の風に対しては、きわめて抵抗力が弱いということで、この点は、事務次長河野君に至りましては、次長ではございますけれども、これは大したものでございまして、この点は、いかなるあらしが参りましても、何かいたしましても、一番隅っこで、じっとからだを持ちこたえて、けがも何もしないでいるというほどの、この処世の術を心得ておるのでございますが、芥川君の場合には、どうもそういう点につきましては、私は疑問だと思うのであります。
  31. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、発言時間が参りました。
  32. 江田三郎

    江田三郎君(続) そこで芥川君が、この風に弱いということは、これは、彼がこの席へ着きましたとき、どこをにらんでおるかということを皆さんがごらんになれば、よくわかるのであります、彼は決して真正面を向きません。いつも下を向いております。芥川君がこの廊下を歩くときには、絶えずうつむいて歩いております。そこに彼の、このきぜんとして一つのものを見ることができないという性格の弱さが、私の多年研究いたしました骨相の面から見ましても、明らかに現われておるのであります。(拍手)
  33. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、発言時間が参りました。
  34. 江田三郎

    江田三郎君(続) さらに骨相だけでなしに、私どもが芥川君のやったことを見ましても、そういう点が、はっきりするのでありまして、私は、まあこれから一つ芥川君が……。
  35. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が参りました。
  36. 江田三郎

    江田三郎君(続) 最近におきまして、どういうことをしたかということを申し上げなければなりません。ここまで私が申し上げましたのは、そもそも事務総長とはいかなる職分のものであるか、そういうことに重点を置いて参りましたので、この重大なる職分の事務総長をなぜわれわれが不信任しなければならないかということは、これは事務総長という役割が重大であるという説明だけでは、これは議長が何と言われようと説明にはならぬのであります。この重大なる事務総長が、いかなることをやったから不信任かということを言わなければならないのでありまして、本来、かような人の一身上に関するようなことを、この何分で、どうであるかということをきめるのはいささか無理があるので、私は、ああいうことには反対をしたのであります。私は決してあれには白票を入れておらぬのでありますから、その点は一つ、皆さんも私に対して御寛容の精神を持たれて、もう少し私が青票を入れたという精神で聞いていただきたいのであります。(拍手)
  37. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、発言の時間がきました。
  38. 江田三郎

    江田三郎君(続) そこでなぜ一体われわれが……。
  39. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに説明を進めて下さい。
  40. 江田三郎

    江田三郎君(続) なぜ芥川君に対して不信任案を出すかと言いますと、本会議の問題もございますが、先ほど申しましたように、芥川君は、この国会法の第二十七条に基きまして、参事その他の職員を任命する権限を持っておるのであります。従って警備の問題につきましても、速記の問題につきましても、あるいは委員部の問題につきましても、この事務総長がしっかりしていてくれておると問題にならないのでありますが、ついせんだっても、私はまあ内閣委員会におりますが、内閣委員会は、せんだって皆さん御承知のように、突如零時十分から開会されるというこの札が部屋にかかって、そうして衛視は三十人あまりも動員されておる。委員部の諸君も行っておる。一体そういうものはどういうような手続に基いたのかと言って聞いてみるというと、はなはだはっきりしないのであります。何だか青木一男委員長が、何か小さな紙きれに書いて、それをもとにして人を集めるようなことをされて、あれだけのものを集めたというのでありますが、しかし、そういうことは一体公報にちゃんと出なければならぬことなのであります。そこで、そういう公報が出ておるか、出ていないのかということを聞いてみますというと、現場におるところの警備の人は、私にはわからない、わからないと言うて、この一体だれの命令を受けてきたのかというと、私にはそういうことはわからない。警務部長でないとわからぬと言う。警務部長に聞いてみると、何かそのあたり、だれから命令を受けたか一向わからない。およそ、そもそも国会の職員を……。
  41. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 発言時間が過ぎました。
  42. 江田三郎

    江田三郎君(続) だれの命令を受けたのかわからないような形で遊ばしておくということは、これは明らかに事務総長の責任でありまして、私は、この点は、人によりますというと、ああいうことになりましたのは、内閣委員長春木一男君の責任であるという人もございますけれども、これは私は、内閣委員長青木一男君の責任ではなしに、事務総長の責任であると考えるのであります。その点は一つ、誤解のないようにお願いしたいのでありまして、一つ青木一男委員長にも、いろいろ問題がありますが、あの点は、青木一男委員長の責任ではなくて、事務総長の重大なる手落ちなのであります。  それから、まあその時に委員部の諸君も来ておりますが、この委員部の諸君にいたしましたところで、公報にも何も出ていないものを、だれの命令を受けて来たのか、これまた事務総長芥川君の責任でありまして、芥という字は、ごみと読むのかもしれませんが、しかしこれは人の名前でございますから、勝手な読み方をしないように、正確に芥川治と、これは御了解を願いたいと思います。名は体を表わすということになりますと、芥川治君は芥の川を治めるという人なのでありまして、まことに適任者のようなのでございますが、これは治められないから問題なのでございます。そういうことにつきましては……。
  43. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、発言時間が過ぎました。
  44. 江田三郎

    江田三郎君(続) この芥の川を治めるか、治めないかということについては、なかなかそうは簡単にはいかないのであります。
  45. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が参りました。
  46. 江田三郎

    江田三郎君(続) それで私は、芥川君のあらしに弱いということを申しましたが、今一体われわれ参議院でも衆議院でも、日本の国会は非常に重大な時期に達しておると思うのであります。毎日の新聞を見ましたところで、国会の危機ということがよく言われております。そういう国会の危機ということが何によってこういう危機が来たかということもございますが、こういう国会の危機には、議長を補佐するところの事務総長は、よほどしっかりした人でなければならぬということになる。せんだって来、ここに芥川君がおられる間に、皆さんはしばしば体験をされたと思うのであります。われわれが日ごろ尊敬しますところの松野議長がこの席へすわられましても、あるいは日ごろ尊敬いたします寺尾副議長がこの席へすわられましても、しばしば問題を起すのは、これは決して寺尾さんや松野鶴平氏の責任ではないのでありまして、大部分は、補佐役であるところの事務総長の力の足らざるところであると思うのであります。
  47. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が過ぎました。
  48. 江田三郎

    江田三郎君(続) そういうところは、なぜ力が足りないかということなのでありますが、(「降壇」「おろせ」と呼ぶ者あり)これは芥川君が、先ほど申しますように、このあらしに対して弱かったと思うのであります。先ほど申しましたように、大事なことだからよく聞いて下さい。骨相上見ても、芥川君はどうも性格が弱い。そういうような骨相上に欠陥のあるような人では、この事務総長は務まらない。で、大体まあ日本の議会政治が危機だと言われるときに当りましては、この多数党と少数党の本来のあり方ということが問題になるのでありまして、これはなかなか国会規則がどうあるから、何がどうあるからといって、規則にある通りのことばかりをあなた方はやかましく言いますけれども、もっと一体少数党の言うことを聞くという気にならなければだめですよ。時間々々と言うけれども、時間は毎日たっております。
  49. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 発言時間が過ぎました。
  50. 江田三郎

    江田三郎君(続) 時間は問題ではないのであります。時間というのは、五時の次には六時、六時の次には七時がくるのでありまして、そんなことでばたばたする必要はない。そういうようなことを言っておる間に、この国会全体が泥沼に落ち込んで、国民から浮き上ってしまったら大へんなのでありまして、そういうことは、何と申しましたところで、この議長を補佐するところの事務総長が一番しっかりしていてくれなければだめなのであります。(「騒ぐときは黙っておれ」と呼ぶ者あり)
  51. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が過ぎました。
  52. 江田三郎

    江田三郎君(続) 騒ぐ時は黙っておれということでありますから、お騒ぎになれば私は黙りますけれども、(「ますますおそくなる」「降壇々々」と呼ぶ者あり)やかましければ、私は黙っておりますから……、静かにしてもらったら、また話します。  で、そもそもこの二大政党の対立のもとにおきまして、国会運営はいかにあるべきかということは、これは非常に大事なことでありまして、この点はいろいろの学者がいろいろ申しておりますけれども、一体この間うち以来の国会の混乱というものを、自民党の諸君に言わせますというと、社会党がでたらめだと言いますけれども、社会党はそうではない。逆なことを言っておるのでありまして、そういうことが、もう少し皆さんも人の話を聞いてみないというと、現にこの参議院の運営だってうまくいかないのであります。(拍手)私はまだその序論ばかりを述べる時間しかないのでありまして、なぜ芥川君を不信任しなければならぬかということを言おうと思うと、諸君の方で騒がれるから、なかなか肝心の点にふれることができないのでありまして、これを私は非常に遺憾といたします。(拍手)  そこで芥川君が、先ほどは内閣委員会のときのできごとを申しましたが、きのう、あるいはきょう、ここにおる芥川君のやり方を見ましたところで、しばしば議長の補佐を誤まっておるのであります。先ほども岡君の議事進行に対するところの発言の取扱いにいたしましても、もし事務総長がしっかりしておれば、ああいう混乱は起らないのであります。松野さんは何といいましても大物でございます。大物ということの特徴は、諸君これをよくお聞き願いたいのでありまして、大物の特徴は、大きいことはわかっておるけれども、こまかいことはわからぬということなんであります。さて、そういう大物をしてあやまちなからしめるために、こまかいことに気がつくところの事務総長がしっかりしておらなければできないのでありまして、こういうような、しばしば松野さんを誤まらすような、大物の名を汚すようなことをする事務総長をつけるということは、この松野氏を一生懸命に選挙されました自民党の諸君といえども、これに対しては私は賛成なさると思うのであります。あなた方の手で、あなた方の議員会長の一番の大物、松野氏をこの席へ着けて、松野さんが今後私は何年生きられるか知りません。しかし参議院議長という、このいすへ着かれた松野さんに、私は最後まで、この職をあやまちなくやっていただきたいと思うのであります。議会政治の混乱、議会政治の権威が云々されるときに、この松野氏をして誤まらしめたならば、だれが一体このあとを収拾するかということは、私どもは真剣に考えなければならぬと思うのであります。そういう点につきましては、何と申しましても事務総長がしっかりしなければならぬのでありまして……。
  53. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が過ぎました。
  54. 江田三郎

    江田三郎君(続) 松野さんのような人にあやまちをさしては、そういう悪例がこわいのです、私は。私の片々たる言論のごときはどうでもよろしい。この大物の松野さんに何とかこの危機の参議院をおさめてもらわなければならない。それにはこの芥川君ではだめだということを私は言っておるのでありまして、芥川君の具体的なこの不信任の理由を言おうとすると、諸君の方がかれこれ言うから私はなかなか言えないのでありまして、(「議長、時間を厳守せしめよ」と呼ぶ者あり)議長は、あるいは私に早くやめろということを言われるかもしれません。しかし、これは自由民主党の諸君は別な考え方を持っておられなければならぬ。この事務総長の人柄いかんによっては、松野議長に傷がつくことになるのでありますから、この松野氏を選んだあなた方としては、事務総長の今後の問題については慎重でなければならぬはずなのであります。そういう点は、自由民主党だけでなしに、緑風会の諸君にいたしましても、今まで佐藤さんが議長の職を全うされた、河井さんがその職を全うされた、緑風会も議長を出した経験があるのでございますから、議長の補佐役の事務総長がどんなに必要な大事な人かということは、十分おわかりになると思うのでありまして、私ども議長を一ぺんも出したことのない社会党が、こういうことを注意をしなければならぬということを私は残念に思うのであります。こんなことは私たちが申し上げなくても、自由民主党や緑風会には、ちゃんとわかっておるはずなのであります。
  55. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が過ぎました。
  56. 江田三郎

    江田三郎君(続) 時間がということでございますけれども、これはなかなか大事なことでありますから、そう簡単にはいかないのであります。
  57. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君に降壇を命じます。
  58. 江田三郎

    江田三郎君(続) 議長、そう簡単に言われますが、なかなかそんな工合にはいかぬのであります。(「降壇々々」と呼ぶ者あり)一体降壇々々と言われますけれども、そう簡単に人の一生にかかわる、事務総長の一生の問題が、そんな簡単な説明では打ち切ることができないのでありまして、もし私の説明が足らざるために、芥川君が不測の災厄を受けるということがありましたら、これは私が申しわけないことでありますから、私もこの提案をいたしました以上、そう簡単に引き下がるわけには参りません。私の趣旨が皆さんに納得できるまで聞いてもらわなければならぬのであります。(拍手)  そこで芥川君が……。
  59. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、降壇を命じます。(「妥協しちゃいかぬぞ」と呼ぶ者あり)
  60. 江田三郎

    江田三郎君(続) 妥協じゃないですよ。妥協じゃなしに、私が繰り返して申しております、あなた方が出されたこの大物議長の松野さんを傷つけるようなことがあったらいかぬではないかということを言うておるのでありましで、近ごろ自由民主党の中にも、松野さんに対してあまり気持のよくない人があるということを聞きましたが、あるいは今、がらがら言っている人は、松野君に反対している人でございますか……、そうではなかろうと思うのであります。(拍手)そこで私はこれから、(「度が過ぎる」と呼ぶ者あり)度が過ぎるということは……(「足らぬ」と呼ぶ者あり)なかなかこれは、このことは二つの意見がありまして、足らぬという意見と、度が過ぎるという意見があるのでございまして、これはなかなかそう簡単にはいかないのであります。
  61. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、降壇を命じます。
  62. 江田三郎

    江田三郎君(続) 提案の理由によりますというと、事務総長として、国会法、参議院規則等の諸規則に通ずるということが、これが大事なのであります。これを私はこれから言わなければならぬのであります。(拍手)  今この国会におきまして、いずれの動議を先議するかということが問題になっておるのであります。このいずれの動議を先議するかということにつきまして、この院の運命に関するところの動議が出ております。
  63. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、降壇を命じます。(「何べん言っても聞かないじゃないか」と呼ぶ者あり)
  64. 江田三郎

    江田三郎君(続) おいおい聞きますが、大体、私は物事に対して熱心なのでありまして、正常の形になれば非常に正常にいく男なのでありますが、なかなか正常にいっていないので、そこで一体どこまで従ったらいいかということが、よく私にはわからぬのであります。正常に物事が進んでおりましたら、私は規則を一つも疑いはしません。しかし、国会の日程に出ていることが頭から踏みにじられるような正常でない運営のときは、私は何を聞いていいかわからないのであります。そこであんまりやかましく言わぬで聞いていただきたいと思うのです。私が言おうとすることがしばしば中断されるのでありまして、まだいろいろございますけれども、あんまりやかましく言われますから、また質問でもあったら答えることにいたしまして、これで一つ提案理由を終る次第でございます。(拍手)
  65. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 本案に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。羽仁五郎君。   〔羽仁五郎登壇、拍手〕
  66. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 ただいま提案せられました本院事務総長芥川治君に対する不信任の動議というものは、実に重大な問題でございます。しかるに、その提案の理由の説明を十分聞くことができないで時間を制限せられる。そういうことをせられますと、やはりその今、提案者もるる述べられましたように、人の一生に関する判断をしなければならないということでありますから、勢いその質問が多岐にわたらざるを得ないのであります。  私は第一に質問者に向って伺いたいのは、国会とはそもそも何をするところかということであります。(「提案者だ」呼ぶ者あり)提案者に向って伺います。(「羽仁さん、あなた学者だからあわてないでやりなさいよ」と呼ぶ者あり)いや、それは、だいぶくたびれておりますために、言葉の言い間違いがございまして、まことに申しわけないと思うのでありますが、提案者に対して質問をいたしたいのでありますが、第一は、国会とはそもそも何をするところかということであります。私の了解するところでは、国会は言論の府である。国会で第一に尊重すべきものは、言論を尽すということである。(「やはり制限がある、時間には」と呼ぶ者あり)時間の制約ということを言われますが、これは二義的なものであります。第一義的なものはあくまで言論でなくてはならない。従って、世界の各国……(「暴力は否認しますよ」と呼ぶ者あり)何ですか。(「暴力は否認します」と呼ぶ者あり)今私が伺いたいと思っているのは、国会とは何ぞやということです。そして言論を重んずるかどうかということであります。(「暴力は否認するということを言っているんだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)議長、ヤジが多くて質問できない。
  67. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 静粛に願います。
  68. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) ヤジのために私がだまっている時間は、これは寛大にお考え願いたいと思います。私は、特に参議院、いわゆる第二院の持っている使命は、いわゆる政党政派という立場に立たないで、純理論的に言論を尽すということにあるというふうに承知をしているのであります。また世界各国の二院制度をとっておりますところの例を見ましても、上院において言論の時間を制限しているというところは、私は寡聞にしてあまり知らないのであります。(拍手)これはそういうところがほかにも多くあるものかどうか、この提案者にも伺いたいと思うのでありますが、アメリカの上院などを見ましても、上院の発言者の発言に時間が制限せられるということは、見たこともなければ聞いたこともないのであります。私はやはり日本の民主主義の成長のために……。ことに参議院がややもすれば発言の時間を制限することのみを考えておられるのじゃないか。現に安井謙君のごときは、ほとんど時間時間ということを連呼しておられる。(笑声、拍手)安井謙君も高邁な識見を持っておられる政治家であろうと思う。時間々々というのは、あるいは御自分が次官になるという意味でおっしゃるのか、それともどういう意味でおっしゃるのか、絶えず時間々々ということをおっしゃる。こういうことは私はこの参議院の品位のためにあまり納得できないことでありまして、特に時間の制限というものは二義的なものであり、二義的のものをもって第一義的な言論を制限するということはできない。国会——議会というものにおいて、いわゆるフィリバスターというものは、長い民主主義の伝統によって確立せられておるところのものであります。多数によって決するといっても、ただ頭の数を数えればいいというだけのものじゃないでしょう。皆さんの頭は、別に、スイカのようなものじゃない。ただ数えればいいというものではないはずです。その皆さんの頭から出てくる言論というものを十分に聞いて、しかるのちに採決をすべきものでしょう。ただ自分たちが多数を持っているから採決を急がれるということは、全くこれこそ民主主義の墓穴を掘ろうとするものにほかならない。この点において、私は現在のわが参議院のあり方というものが、不幸にしてわれわれが平素同情を惜しまない事務総長芥川治君の問題にも関連しておるのではないかと思う。これは皆さんにも十分にこの点は考えていただきたいのであります。私どもは、今議席においでにならないようでありますが、七年前に、本院において破壊活動防止法案という実に重大な法律案を審議したことがございます。ところが、当時の法務委員長は小野義夫君であられましたが、よく与党の諸君の了解を得られて、この委員会において実に八十数日にわたって審議をせられたのであります。そうして私なども、その委員会において一日に八時間ぐらいの質問あるいは討論を寛大に許されたのです。そういうふうに言論をあくまで尽すという態度をとられるときには、破壊活動防止法案のような、実に複雑な、そうして重要な問題を持っておった法律案でありましても、国会の審議が決して好ましからざる紛擾を招いたようなことがなかったのです…今問題になっておる政府、与党が通そうとしておる法律案のごときは、そもそも何ですか。教育に対して、多年その心血を注いで、あるいはその一生をささげて努力してこられた教育家の方々が、それに対して深い憂慮を表明せられておる。矢内原東大総長であるとか、そういうような方々が学問について、どれほど心血を傾けてこられたか。そのために戦争中には、その学問の節操を守られて、あるいは身辺に危険が及び、場合によってはその職を辞しても学問を守ってきた方々であります。そうしてまた、全国の小学校その他の学校において、現在問題になっておるような法律案について深い憂慮を示されておる方々は、全く低い待遇に甘んぜられて、そうして国民の子弟の教育のために、それを使命として心血をささげておられる方々である。それらの方々が、この教育に関する民主主義の新しい教育というものが行われてから、まだ何年にもなってはいないではありませんか。その教育を受けた人々はまだ卒業して社会に出て働いておるわけではないのです。ついこの間新しい制度を作ったばかりのものである。しかも、その新しい制度というのは、日本の過去の教育の害がどんなにひどいものであったかということは、日本の国会そのもののレベルが、いまだに上らないということが、何よりもこれを明らかに証明しておるではありませんか。お互いに受けてきた教育の害が実に深いのです。そのために、主権在民の今日、国民の厳粛なる信託を受けて立法に当らなければならない最高機関の任務を帯びておる方々が、いたずらに採決を急ぎ、いたずらに時間のみを念頭に置いて、言論を尽すことができないということであるならば、国民はこれを何と考えるでありましょうか。(拍手)
  69. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 羽仁君議題について質疑をして下さい。
  70. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 私は芥川君に対して、好ましからざる問題が起っておるということ、その根本の原因というものは、この国会に対する政府、与党の態度が、国会の最高の立法の使命を了解していないところにあるのではないかと伺っておるのであります。国民は決してむだにわれわれを選挙をしておるのではありません。国民はその生命及び幸福をわれわれに委託しておるのであります。いいかげんの考え方で教育のやり方などを変えて、われわれの次の時代をになうべき若い人々が、再びわれわれが経験したような残酷な運命にあわなければならないということを心配しておるのであります。諸君は、この間の不幸な戦争によって、日本国民が何人死んだか御承知ですか、その数を。何人の女性が未亡人になったか、その数を御承知ですか。何人のかわいい子供たちが孤児になったか、その数を知っていますか。そんな悲しいことを繰り返したくない。それが国民の最高の念願である。また立法機関たるわれわれが負うておる使命ではあります。  教育に関してその一生をささげてきた人々が、深い憂慮を表明せられておるにもかかわらず、党派的な利益だけを念頭に置いて、教育に関する法律を変えようとするがごときは、断じて許されない。諸君は、よくその良心に聞いてみたまえ。われわれの次の時代をになう人々は、五十年、百年先の日本をになう人々ですよ。保守党の諸君は、五十年先、百年先の日本が、どういう日本であるかをはっきりごらんになっておりますか。今日のような日本が五十年も百年も続くことは、国民の幸福ではありませんよ。(「われわれの死んだ後においてを憂えておるのだ」と呼ぶ者あり、その他発言するもの多し)議長議場の整理をして下さい。
  71. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 静粛に願います。羽仁君、発言の時間が過ぎました。(「降壇」と呼ぶ者あり、その他発言するもの多し)
  72. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 議長議場の整理をして下さい。
  73. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) お静かに願います。
  74. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 私が申し上げておるように、時間の制限のみを急いで、本質的な解決をすることができないならば、諸君の墓穴を掘るだけです。諸君はそれだけの自信があるのか、五十年先、百年先の日本が見えるのか、百年先の世界が見えるのか。(「君はどうだ」と呼ぶ者あり、拍手)諸君は歴史に逆行しようとして、みずから葬られるだけの話だよ、少し勉強してみたまえ。警察などで国が治まるなどというものではないぞ。国会に警察を入れるなんということで、日本の国民が喜ぶと思うか。国民が喜んで服するためには、教育に関する法律などは十分に討論すべきである。(拍手)この教育に関する新しい立法に反対しておる諸君たちだって、これに対して十分の討論を尽し、この法律が悪用され、乱用されるような危険がないというところまでいくならば、決して無用な反対をされるものではありません。(発言する者多し)
  75. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 静粛に願います。羽仁君、発言の時間が過ぎました。
  76. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 私は、人の志というものは、たとえば人の、人間の志というものは、決して奪うことのできるものではないと思うのです。諸君は、男であれ女であれ、それがいやがるものを無理にさせるというようなことはなすべきでない。新しい教育制度を変えようということは、その教育に献身をしておる学校の先生がいやがっておるじゃないか。そうしてまたそれを代表しておる組合の方々が……、実際こうしたこの苦心というものは察してあげてみたまえ、同じ政治家であるならば。これまで苦心惨たんして反対されるというものを、しいて押し通そうとするものは、これこそ諸君は暴行にひとしい。国会の中で無理やり法案を通そうとする暴行にひとしい行為に対して、国会に問題が起る。ここに芥川治君の問題が起っているのであります。これを提案者は、もっと十分に説明せられ、従ってこの根本問題の解決についての提案がなされなければ、何度やったって、 ここへすわる人はなくなってしまいますよ。しまいにはだれがすわるのですか。しかもここにすわる人がなくなるだけならよろしい。参議院というものは、国民の目の前でなくなってしまいます。(「君がなくすのだよ」「何を言うか」と呼ぶ者あり)教育について、一晩でも寝られなかったことのないような人が、教育の法案について無理を押そうとすることこそ、参議院をなくしてしまうものだ。どうか、私は皆さんにもお願いします。教育について一晩考えてごらんなさい。そしてわれわれが教育を頼んでいる人たちが、何度諸君にお願いしているか、その言葉に耳を傾けて、ちょっとでも聞いてごらんなさい。問題はそこにあるのです。それが解決されない限りは、国会の運営というふうなものを正常に上せろ上せろと、そういう形式的な、三百代言的な、警察国家的なことを言っていることは、国会の権威を下げることであれ、上げることでは絶対にありません。
  77. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 羽仁君、すみやかに発言を終了して下さい。
  78. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 実際私は、先日来この議場にすわっていて、この根本問題が解決されなければ、問題は解決できないということであります。(「問題は院議を尊重することだ」と呼ぶ者あり)院議を尊重するとか、時間であるとか、そういう三百代言的な問題じゃありませんよ。あなた方も国権の最高の機関である立法府の議員であるならば、この問題の重要性がおわかりにならなければ、国会議員たるの資格はない。やがて間もなく来たるべき参議院の選挙において、国民の審判を受けなければならない。私は不肖ながら、戦争中の教育に反対して、たとえ自分は投獄されようとも、教育や学問をただ守ってきたものである。(「何をぼやいているのだ」と呼ぶ者あり)伊能君は、鉄道についてはよく御承知かもしれないが、教育についてはあまり御説を伺ったことがない。教育について御研究であるならば、一つ十分説を伺いたいと思います。私は、あなたが鉄道のことをおっしゃるならば耳を傾けて聞きます。そのかわり、あなたは私が教育について述べているときには耳を傾けて聞くべきです。  私は、どうか政府も与党も、現在の事態に深くかんがみられて、一芥川君だけの問題じゃない、この国会の運営がほんとうに正常に進んで行くためには、現に先ほども私が例に引いたように、破壊活動防止法案の審議の際なぞは討論を十分に尽していったのである。そういう点を十分考えられて、ある点は、十分討論を尽す、場合によっては、これほど社会の問題になっているような法律案は、政府においてもいさぎよく撤回される男らしい態度をとられる、これだけ反対されて、それでもやって行こうというのは、人がいやがるものを無理にやるという、実にやぼな政治家ですよ。
  79. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 羽仁君、時間が過ぎました。(「降壇々々」と呼ぶ者あり)
  80. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 私は、ほんとうに最近の新聞や、ラジオを見て、国民がどんなに心を痛めているかということも考えなければなりません。しかも国民は、何のためにこういう悲しむべき事態が起っているのかということを考えざるを得ません。三百代言的な、その一つ一つの小さな問題だけを、国民は決して見てはいません。何ゆえにこういういろいろな問題が起ってきたのか、その根本問題を国民は考えています。そうすれば、要するに教育について、一晩でも眠れなかったこともないような人たちが、教育についてめちゃくちゃな法律を作って、それを教育を担当している人々があくまでいやがり……。
  81. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 議長は降壇を命じます。
  82. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 国会においてさまざまな問題が起ってきているのを、あくまで無理を通そうとする。そのことから現在のすべての問題が起っていることを、国民は必ずはっきり見ます。  かつて軍部が国会議員に向って「黙れ」と言ったようなことを諸君はやっているのです。清瀬文相は、かつて荒木文部大臣という人がいたが、それと全く同じことを今やろうとしているのです。学者が反対し、教育者が反対することを無理やりやろうとしているのである。教育を圧迫し、学問を圧迫し、言論を圧迫して、諸君は何をやろうとしているのだ。私は、われわれの先輩たちが悲しむべき戦争犯罪の罪を犯されたことを決して忘れるべきではありません。清瀬文相御自身もその弁護人として御苦労されたのである。そういう悲しむべきことを再び起すか起さないかということが、現在われわれの国会にかかっている問題です。
  83. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 議長は、羽仁君に降壇を命じます。
  84. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君(続) 結論だけ言います、整理して。最初に申し上げましたように、どうか提案者から、国会の負うている唯一の最高な使命は、言論を尽すということにある。その言論を尽させないで、時間のことばかり考えている。時間のほかに、何が諸君の念頭にあるのだ。国家の百年の計を立てなければならないのに、わずか五分、十分を争っている。交通事故でなくなる方は、一秒の時間を争って自分の命を失ってしまう。それと同じように、諸君はわずか一日、二日、三日を争って国民を百年の悲しみに沈めようとしているのじゃないか。私は、提案者がどうかこういう点についても十分に御説明下さることをお願いいたします。  なお第二の問題、第三の問題を伺いたかったのでありますが、議長の御命令でございますから、それを尊重して降壇いたします。(拍手)   〔江田三郎登壇、拍手〕
  85. 江田三郎

    江田三郎君 ただいま羽仁議員の方から、私の提案に対しまして質問がございました。質問の要旨は、しばしば議場騒然といたしまして聞きとれない節もございましたが、なおまた、議長があまり時間々々と言われるので、徹底した質問をなさることができなかったので、欠けた点もあるように思いますので、その点は多少私の解釈がひとり合点になっておるかもわかりませんが、私がまあ了解した範囲のことについてお答えをいたしたいと思います。  羽仁君の御質問の要旨は、芥川事務総長が議長補佐に欠くる点があって、こういう議場の混乱が起る、従って議場混乱の責任は芥川事務総長にあるというように提案者は言うが、実はそうではなくて、本来、言論の府であるべきところの国会において、近ごろ多数党が多数の横暴をやるために、そのために、芥川君がいかにりっぱな人として議長補佐をしようと思っても、それはできないのではないか。問題はこの芥川君の責任ではなしに、多数党の横暴の上にこの国会混乱の責任があるのではないかという趣旨のように承わったのであります。そうして、一体その点について、提案者は、最近のこの多数党の言論制限、言論抑圧というようなことについて、どのように国会を見ておるかという御質問のようでございましたから、まずこの点からお答えいたしますが、結論的にいうと、かりに羽仁君のおっしゃるようなことでありましても、私がそれでもなお芥川君の責任が不信任に値しないほどのものではないとは思いますが、しかし、せっかくあなたの方から、国会の言論はどのように尊重されておるかという御質問がありましたから、私はお答えしますと、私の近ごろ体験しておる範囲からいきまして、どうも近ごろは、羽仁君のおっしゃるような多数党の横暴というものは露骨に見えてきておるのであります。先ほど破壊活動防止法案について、そこに今おすわりでございませんが……、小野さん、おられませんが、小野さんのときには、八十数時間にわたって詳細に……、(「八十数日だ」と呼ぶ者あり)八十数日、単位が一つ違うのでありまするから、いよいよ慎重ということがわかります。八十数日の長きにわたって慎重に検討したというのに、私の所属いたしておりますところの内閣委員会におきましては、憲法調査会法案の審議が途中において、突如として、思いがけないときに質疑打ち切りの動議が出てきて、混乱のままに、質疑も討論もできないような状態になってきたのであります。たまたまこの憲法調査会法案のときには、内閣委員会で、緑風会の日ごろ私たちが篤学の士として尊敬しておるところの、今席におられませんが、梶原君が質問をされておりました。梶原君は、憲法調査会法案というものは、内閣法に照らしても、これが疑義があるのではないかという、非常に聞かなければならない大事な質問をして、それに対して政府の方は、なかなか納得のいく答弁ができなかった。なお、そのときに梶原君が何を言われたかというと、憲法の改正ということは軽々しくやってはならないのだ。たとえ賛成者が、憲法改正賛成者が二分の一あっても、なおあとの過半数に近い者が反対しておるというような状態で、あるいは憲法改正の主張が三分の二あっても、あとの三分の一に近い者が反対しておるというような状態で憲法改正をやることは、これはゆゆしき事態を引き起すのだということを梶原君は質問しておったのであります。私は貴重なる質問として耳を傾けました。わが社会党の委員長であった河上先生は、憲法改正は一歩誤まるというと革命になるのだ、内乱になるのだということを言われましたが、梶原君も同じようなお考えではないかと思います。ただ数で通るからといって、一憲法改正は軽々しくやってはならない。かりに改正の案ができても、それを行うときの時期とか、方法とかいうものは、よほど慎重にやらなければならぬ。(拍手)国民の大部分が意見が一致したときに憲法改正というものは手をつけるべきだということを梶原君が質問し、それに対する政府の答弁も、まだないうちにですよ、その質問をしたとたんに、憲法調査会法案の質疑を打ち切るという動議を突如として出すということは、諸君、何であります。(「だれだ、名前を言え」と呼ぶ者あり)この光栄ある役割を担当された人につきましては、いずれ諸君議事録等をお調べになればわかりますから、時間の節約上ここでは申し上げませんが、そういうようなことが行われて、とうとう、あのときには、大事な憲法調査会法案につきまして、討論もできなかったのであります。ただ、そういうような問題だけではない。この一つのことをもってみましても、羽仁君が心配されているような、状態は、はっきりと現われておるのであります。ところが内閣委員会は、その次に取り扱ったのは何かというと、これは国防会議法案であります。この国防会議法案について、われわれが憲法調査会の法案であれだけもめたから、もうああいうことを繰り返してはならぬから、一つ質疑の時間をきめておこうと、こういう協定をしたのであります。われわれは、国防会議法案については、破防法の八十数日にまで至りませんでも、少くとも二十日や三十日の時間はかけて、慎重に審議はしなければならぬと思っております。しかし、もう国会末期で時間がないからというので、それでは最小限のものとして、総理に対しては三時間半、担当大臣に対しては十二時間だけの質問をしようという、その了解を理事会においてなしとげたのでございます。ところが諸君、またもやです、この十二時間の質問終らざるうちに、例によって例のごとく、またもや質疑打切りの動議を突如として多数党から出される。これでは諸君、多数党の諸君がルールを尊重するとか何とかいったところで、どこに一体ルールの尊重されている実績があるのかと聞きたいのでございます。本日の混乱につきましても、多数党の諸君は、これは社会党がけしからぬということを言われますが、しかし、この点は先ほどの岡三郎君の議事進行に対する質問についてもよくわかりますまうに、この今日の混乱のもとは何であるかというと、議長が成規にわれわれ議員のところへ配ってきているところの公報に書いてある順序通りに、この議事を運ぼうとしないところにあるわけであります。ルールを尊重するという多数党の諸君が、みずからそのルールを破壊している。しかもルールをきめておけば、まだ質問の通告があるのに、憲法調査会法案では質問を突如として打ち切る。国防会議法案では、はっきり数字に現わした時間が残っているのに、突如として打ち切る、これで諸君、一体どうなるのでございますか。緑風会の諸君は、国会において一番ルールということをやかましく言われますが、この今私が申す事実をお聞きになって、ルールが尊重されているとお考えになっているのでありますか。われわれは物事の形式というものを無視するものではございません。しかしながら、ただ形式だけにとらわれて、ここに現われた一つの事件だけをつかまえて、これがいい悪いということは、これは私はしてはならぬと思う。一貫した過程の中に物事の本質を見なければ、物事の本質というものはわからないのでございまして、この私が申しますような、この憲法調査会法案なり、あるいは国防会議法案というようなものを考え、ただいまのこの今日の公報通りにこの国会は運営できないのだ。多数党によって公報が無視されているんだということを考えても、私は羽仁君のおっしゃるような点は重々感じておるのでございます。しかも、そういう点はますます激しくなってきたのではないか。われわれは、このかって破防法のときに、あの破防法が通ったならば、われわれは言論の自由を奪われるんだということを心配しました。しかしあの破防法のときに、羽仁君のおっしゃるように八十数日の審議をやったのであります。破防法が通過してから、あの法案の適用こそ受けておりませんけれども、今やこの重要法案が、ことごとくわずかの時間の間に審議を制約されて、そうして中間報告を求めるということは、破防法の精神が現実に着々と生きてきておるわけでありまして、その点、われわれは見のがすことができないのであります。私はそういう点から考えますというと、今日の混乱のこの責任は、多数党の横暴にあるわけでありまして、芥川君だけを責めることは無理かとも思います。しかし、なおそれにいたしましても、この国会役員である議長並びに議長を補佐するところの事務総長というものは、国会の権威を守るためにきぜんたる態度を持たなきゃならぬと思います。多数党の理事に何か言われれば、その前に首をうなだれるような事務総長であってはならない。一たん、こういったことを多数党の理事から言われるというと、発言をやりかえるような、そういう人であってはならない。しかも議長の場合には、私は繰り返して申しますれども、議長は大物ではありましても、議事規則なんか一つも知らない人なんでありまして、これを補佐するのには事務総長がしっかりしていなきゃならない。ところが、この事務総長が、そういう点において欠ける点があるので、羽仁君のように、これは多数党の横暴だけが責任があるので、芥川君には全然責任がないというようなことまでおっしゃるのは、私はどうかと思いますので、これは一つ羽仁君も志をお変えになって、私の提案に一つ御賛成を願いたいと思うのでございます。(拍手、「答弁漏れがあるじゃないか」と呼ぶ者あり)答弁漏れがあれば…、(羽仁五郎君「二大政党のあり方というものにその原因があると思う」と述ぶ)  その質問に対しましては、木村君の質問がありますから、そのときに一括してお答えいたします。   —————————————
  86. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 木村禧八郎君。   〔木村禧八郎登壇〕   〔「ちょっと待ってくれ」と呼ぶ者あり〕
  87. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 江田さんよろしゅうございますか、これから質問しますが。  事務総長の芥川治君が不信任をされた、不信任案を出されたことについて、これまで提案者の江田氏から、るる提案理由の御説明がございました。しかしその御説明が非常に不十分で、それは時間の関係上不十分でありました。つまり次に質問者に立ちました羽仁さんが指摘しましたように、あまり時間々々ということを、与党の諸君あまり言われたものですから、時間にばかりとらわれておりましたので、十分な御説明がなかった。提案者の江田さんの御指摘の通り、事務総長の芥川治君を不信任するということは、これは一身上の重大問題であります。従いまして、羽仁さんも十分にこの提案理由をただしまして、そうして誤まりのない判断をしなければならないわけであります。それについて羽仁さんも質問されたのでありまするが、これまた時間に制約されまして十分な質問もできず、また提案者の江田氏の御説明も十分でなかったようであります。(「人が人を裁くのだから、五番町のようなことがないように」と呼ぶ者あり)その通りであります。そこで私は、人を裁くのでありますから、これは重大問題であります、社会的に葬られることになるのでありますから。もしこれが通りますれば、そういうことになるのですから、われわれは十分に納得いくまでその理由をたださなければ、むしろわれわれは無責任ではないかと思うのであります。そういう意味で十分に納得のいく御説明を提案者の江田さんにしていただきたいと思うのであります。  私は、この芥川氏の不信任案の出てきたそもそもの背景といいますか、その原因といいますか、これはきわめて深く遠いものではないか、そう簡単なものでは私はないと思うのであります。(拍手)なるほど現象的には、きょうのこの議事運営に関連して起ってきた問題でありますけれども、この根本の原因を尋ねるとき、私は、議会制度の、特に民主主義あるいは議会制度の危機に立ち至ったことと決してこれは無関係でないと思うのであります。最近、これは日本ばかりではありません、世界的にこの議会制度あるいは民主主義というものは重大な危機に立っているのではないかと思う。そういう議会制度なり、民主主義の重大な危機の一環として、この芥川氏の事務総長不信任案の問題がここに起ってきたのではないかと思う。で、私たちは、これは単に事務総長不信任案問題だけでなく、もう言うまでもないことでございますが、物事は単に現象にとらわれず、その現象の背後にあるその根本の原因について、われわれよくただしておかなければ、単に事務総長の芥川氏をここで不信任してやめさせても、また次に、いすにすわるところの事務総長が同じようなまたあやまちを犯すであろうと思うのです。従ってこういう不信任案の出てくる根本の原因を除くということが、一つ私は非常に重要ではないかと思うのです。で、こういう点について、提案者の江田さんから十分納得いく御説明を願いたいと思うのです。これはわれわれとしては単に芥川氏を不信任してしまえば、それでいいという問題ではなく、芥川氏を不信任せざるを得ないような状態を生んだについて、わわわわにも責任があるのではないか。議会制度の運営、あるいは民主主義というもの、こういうものについてですね、特に与党の諸君が非常な無理をされているというところからきているのでありまして、今、羽仁さんから言論の問題について御所見が述べられ、江田氏の所見をただしたのでありますが、これは言いかえれば議会制度、民主主義の問題です。これが重大な危機に立っている、その一環であると思うのですが、芥川氏は、提案者江田氏の御説明によると、人間としては非常に正直である、しかし、その正直者の芥川氏がなぜ不信任されるような事態を起すに至ったのか。事務総長は、これは単に一党一派の事務総長ではない、これは参議院の事務総長であります。従いまして、一党一派に偏するような議長の補佐の仕方をしてはならないわけであります。ところが今日まで、議長の補佐の仕方を見ておりますと、どうもいわゆる多数の与党の圧力に押されて、そうして一方に偏したような形において議長を補佐しているような疑いが多分に見られるのであります。私も、提案者江田氏のご意見のように、松野議長については非常に公明公平な議長であると思うのであります。その松野議長があやまちを犯すとすれば、私はまた犯す危険が多分にあると思うのですが、それはやはり事務総長に責任が出てくると思う。江田氏の事務総長不信任案に関する提案理由は、これは与党に対しても非常に親切なわけでありまして、与党の出しましたこの松野議長にあやまちなかれ、こういう点から、この事務総長をかえた方がいいんではないか、こういう意味で不信任案を出していると思うのです。そこで、単に芥川氏だけをここで解任してみたところで、問題の根本が改まらなければ、何回でもこういう事態は起ると思いますので、こういう事態を根本的に改めるには、一体どうしたらいいか、こういう点についても、われわれやはり十分用意しておく責任があると思うのです。私は、こういう問題の起る根本の事態を直すためには、どうしても、最近急速に議会制度、民主主義が破壊されるに至りつつありますが、この根本の原因をやっぱり突きとめて、それに対する対策を講ずる必要があると思うのです。これは、提案者の江田さんも十分御存じと思うのでありますが、国会の機能には二つあると思うのです。その一つは、いかに民意をよく反映するかということ。もう一つは、国会は行政府すなわち政府というものを監督し、監視し、指導する、そういう機能があると思うのです。ところが、最近この国会の二つの機能がだんだん破壊されようとしていることは御承知であると思うのです。これまで資本主義の国においては、資本家の人たち、あるいは支配階級の人たちが、資本主義を守るために、封建的な制度を打破して、契約の自由、貿易の自由、取引の自由というのを唱えて、そうして民主主義、議会制度というものを、みずからの利益を守るために擁護し、育ててきたことは御承知の通りであります。ところが、その議会制度がだんだんと働く人たちに利用されるようになり、民主主義が発展して、働く人たちの数が多くなり、労働者諸君がこの議会制度、民主主義をだんだんに活用するに至り、労働階級はだんだんと国会に多く進出して参りました。そうなるにつれて、今まで民主主義、議会制度を擁護しなきゃならぬと言ってきた資本家諸君、あるいはその代弁者の官僚、あるいはその古手、そういう人たちが、今度は議会制度はじゃまになってきた。労働階級がだんだん成長してきて、そうして民主主義、議会制度というものを活用して、そうして労働階級の利益を守ろうとするに至りまして、これまでの支配階級は、民主主義、議会制度はじゃまになった。しかし、じゃまになったからといって、一挙にこの議会制度をなくすわけにはいかない。今の民主主義の浸透した時期においては、形としては議会制度は残しておかなければならない。そこで議会制度の中身を変えて、そうして議会の機能である民意をいかに反映するかという点と、政府を指導し、監督し、監視するという機能、この二つをここであいまいにしてしまう、これを歪曲してしまう。そうして実質的にファッショ独裁の政治をやろう、こういう傾向になりつつあることは、単に日本ばかりでなく、最近の世界的な傾向であると言われています。(拍手)
  88. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 木村君、発言の時間が過ぎました。
  89. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) 非常に重要ですから……。
  90. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 木村君、すみやかに発言を終了して下さい。
  91. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) はい。そこで、民意をいかに国会に反映するか。この点について比例代表制が一番よく民意を反映するわけでありますが、最も民意を反映しないのは、いわゆる一人一区制の小選挙区制であると言われております。そこで議会制度が、自分たちがこれを擁護し、育ててきたにもかかわらず、じゃまになるに至って、選挙制度を変えて小選挙区にして、なるべく民意が反映しないように選挙制度を変えて、ファッショ制度をやって行こう。いわゆる保守独裁の政治をやって行こう、こういう傾向が世界的に高まって参りまして、御承知のように、西ドイツあるいはイタリー、最近ではギリシャがそうである。日本でも、御承知のように小選挙区制度が現われてきたのは、単に私は、これは日本だけの問題ではないと思う。世界的なそういう傾向の一つの現われと思うのであります。もう一つは、議会の権威をだんだんに失墜させよう。——私は九年間国会をやって参りましたが、最初参議院に出たころは、こんなに非民主的な議事運営は行われなかったと思うのです。もっともっと非常に少数意見も尊重し、いわゆる参議院らしい議事運営が尽されたものです。ところが、だんだんに時間を非常に制限し、ことに予算委員会なんか、一兆円予算を審議するのに十分か十五分ぐらいしか総理に質問できない。一般会計は一兆円だけですけれども、特別会計あるいは政府関係機関その他を入れれば、ずいぶん大きな予算であります。こういうものを、たった十五分間ぐらいの質疑で十分審議が一体尽されるのでありますか。また議事の……。
  92. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 時間が過ぎました。
  93. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) 議事運営につきまして何か本会議なり、あるいは委員会なりの外でいろいろのことがきまってしまって、オープンに本会議なり委員会で十分に論議が尽されないのであります。こういう点は、だんだんに国会の決議なりあるいは国会の審議なりを通じて、そうして行政を監督し、あるいはこれを指導し、監視しなければならないのに、だんだん、そういう質疑が十分になされない。たとえば、先ほど、今度の内閣委員会におきまして委員長が質疑が十分に尽されないうちに打ち切ったという話を聞きました。あの内閣委員長は一体だれであるか。青木一男君です。前に予算委員会のときに、例の吉田内閣のつぶれるあの原因をなした造船疑獄です。(「議長、時間」と呼ぶ者あり)あの造船疑獄の質問を……。
  94. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 制限時間が過ぎました。(「降壇々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  95. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) 造船疑獄のことになると、皆さんやかましくなるのはどういうことですか。(拍手)事、汚職に関すると、ヤジが大へん飛ぶのはどういうわけなんですか。予算委員会のときです。造船汚職に関して質疑を続けておるときです。これを強引に打ち切ったのは一体だれですか。あのときの速記録をよくごらんになっていただきたい。そこで、あのとき造船汚職については特別の委員会を開いて調査すべきであるという提案があったときに、緑風会の諸君反対したのであります。ところが、あとになって、あれは特別委員会で審議すべきであった、すまなかったと、あとで反省された。これはけっこうですよ。
  96. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 木村君、発言の時間が過ぎました。
  97. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) あやまちを改むるにはばかることなかれ、けっこうでありますよ。(「降壇々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)実に国会の審議は、私が最初国会に出てきたころに比べまして、だんだんと不自由になってきております。こういうのは、やはりこれは、何も日本だけではないのでありますが、だんだんと世界的な傾向として議会がじゃまになってきて、みんな汚職とか、疑獄を起すから……。
  98. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 木村君に降壇を命じます。
  99. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) 公けのところで問題を審議することが困るのでありましょう。(「降壇々々」「衛視、何をするのだ」「降壇を命じた」と呼ぶ者あり)選挙区を小さくして民意が反映しないようにしていく。国会の言論を、先ほど羽仁さんも指摘されましたが、国会の言論をだんだん窮屈にしていって、ガラス張りで、オープンで、そうして問題が審議され、誤まりない結論を導くような事態とは全く正反対な方向に向いているんです。
  100. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 議長は木村君に降壇を命じます。
  101. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) 私は、そういう問題に、芥川事務総長の不信任案の問題が起ってきたと思うのです。(「これから結論だ」「がんばれ、がんばれ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)木村守江さん、木村守江さん、福澤先生は、そういうようなことは言っていません。あなたみたいな、ヤジをやっていいというようなことは言いませんよ。もう結論ですから、もう少し聞いて下さい。  最後に、提案者の江田さんに重大な点でありますから伺っておきたい。それはきょうの新聞なんか見ましても、(「関係ないじゃないか」「降壇々々」と呼ぶ者あり)重大な関係があるんですよ。(「一つも質問していないじゃないか」と呼ぶ者あり)これが重大な質問なんです。
  102. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 静粛に願います。議長は、木村君に降壇を命じます。
  103. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) じゃ結果を……いま一点だけ申し上げますから。それはですね、新聞で昨日の国会の運営なんかについてですよ、非常な社会党その他革新党を暴力といいますが、提案者の江田さんに一つ伺いたい。暴力とは何であるか、一体何であるか。ドイツのことわざにこういうことがあるのです。苦痛に耐えないほどある農民が馬をなぐったのです。そうしたらその馬があばれ出した。そうしてなぐったために馬があばれ出して、この馬は使い道にならないといって屠殺場に連れていった。原因はそこにあるんです。民主主義を破壊し、教育を破壊し、そういうような法案が出てきた。正当防衛、正当防衛として言論を尽すのが当り前であります。ところが言論を尽させない。最初岡議員から議事進行について提案があったのに、なぜ許さぬ。正当防衛として言論の自由を尊重しない。
  104. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 議長は、木村君の降壇を命じます。
  105. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) どちらに責任があるのですか。この点ですね。非常に私は世間に誤解があると思うんです。暴力という問題について誤解がある。こういう点はやはり明らかにすることによって、芥川事務総長の不信任案の根本的な意味というものははっきりしてくる。それによって私たちは一身上に関する重大な問題でありますから、誤まりない判断をいたしまして、そうしてあとで悔いのない、そういう態度をきめる必要がある。
  106. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 木村君に降壇を命じます。(「衛視の退場を命じなさい」と呼ぶ者あり)
  107. 木村禧八郎

    木村禧八郎君(続) まだ具体的にいろいろ御質疑申し上げたいのですが、議長から降壇を命ぜられましたので、これで私の質疑を終ることにいたします。(拍手)   〔江田三郎登壇、拍手〕
  108. 江田三郎

    江田三郎君 同僚木村君の御質問は、先ほどの羽仁君の御質問と同じく、まことに重大な問題でありまして、私もこの答弁は軽々しくできないのでございます。まして、こういう答弁に時間の制限を付するというようなことは、これはまことに乱暴な話でありまして、私は繰り返して申しますけれども、不信任というようなものは、人の一生の将来にずっと関係することなんです。そういうことについてはほんとうにみんなで、とことんまで間違いのない審議をして行かなきゃならない。それを、質問の制限もございます。私の答弁まで制限をするというのはむちゃな話でありまして、私が提案をしようと思っても提案に制限をつけられる、答弁をしようと思っても答弁に制限をつけられる。(「答弁の制限はない」と呼ぶ者あり)  そこで私はおそらくその問題は、今ここで言われましたけれども、あれは事務次長が誤解をして言われているのだと思うのでありまして、一体何を聞かれるかわからかのに、ある人は一つの問題だけで質問をされるかもしれません。しかし、ある人は同じ時間の間に十でも二十でも質問をする人があるのであります。そういうときに問題をたくさん出されて、それを十分間で答弁せいとか、何とかいうことは、これはお釈迦様でもできるはずはないのでありまして、そんなむちゃな話はないと思うのであります。そこで羽仁君の質問といい、木村君の質問といい、これをほんとうにお答えする段になると非常にむずかしいのであります。  大体近ごろは答弁にもいろいろな型がありまして、まあその一つは鳩山総理大臣の答弁であります。何かというと、鳩山さんは、それは私は知りませんと言う。これは吉田さん以来の伝統でございますが、そういう答弁をされる。そうして、きょうは見えておりませんけれども、鳩山さんが答弁をするときには、法制局長官というのがわきにおって、耳の辺にくしゃくしゃとする。(「官房長官が来ている」と呼ぶ者あり)官房長官もそれをやるのかもしれませんが、その点は法制局長官というのが、くしゃくしゃとやって、それをこちらの耳で聞いて、こちらの方で鳩山さんは言うのでありまして、一体こんなばかげた答弁というものはないのであります。一国の総理大臣というものは、私は病気なら病気でも仕方がないと思います。しかしながら、一国の総理大臣の発言というのは、意見は違い、立場は違っても、やはり世の中に訴える力のあるものでなければならぬはずなんであります。アイゼンハワーが一つの発言をする、あるいはフルシチョフが発言をする、あるいはイーデンが発言をする。それらの発言は、おのおの立場は違います、立場は違うけれども、しかしフルシチョフの発言はフルシチョフの発言なりに、われわれの胸を打つものがございます。アイゼンハワーはアイゼンハワーなりに、やはり一つの哲学、一つの訴えるものを持っていると思うのであります。ところが、わが鳩山総理大臣になるというと、何もないのです。何か聞きますと、てんで答弁にならない。そうして法制局長官の言われたことだけを答弁する。もし私に、ああいう答弁をせいというのなら、鳩山さんのような答弁をせいというのなら、私は、これは五十質問されても百されても、三分間のうちに答弁してみせます。「以上、百の質問に対しては、法制局長官の言うのがまだよく聞えません」と、こういうことを言っていればいいのでありまして、そんなことは簡単でありますが、これは自民党流の答弁でありまして、われわれはそのようなものは答弁とは考えていないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)また近ごろは、きょう清瀬文部大臣は、ここにおられますけれども、清瀬文部大臣流の答弁というのがあります。これがまた大したものでございまして、教育の問題について、先ほど、今度の新教委法の審議はどのくらいしたのかということでありましたが、その問題は、私は自分の担当の委員会でございませんから、これは羽仁君にお答できませんでしたが、調べてみますと、新教委法は合計百六の条文のある中で、わずかに九条しか逐条審議をしていないという状態であります。百六条の条文の中で、わずかに九条だけを逐条審議をして、あと九割から残っているけれども、それを中間報告を求めるというのが今日の問題であり、しかもそういう筋の通らない動議を先に置いて、議長公報で発表した日程をくつがえそうというところに、きょうの混乱が出でくるのでございまして、私はこれは非常に遺憾なことと思うのであります。(拍手)  先ほどこの点につきまして羽仁君から御質問がありましたのに、私がそのとき直ちにお答えすることができませんかったので、この際つけ加えて答弁をいたしておきますが、さらにそういうような、この教育委員会は、私は文教委員会へ出ておりませんが、私の担当する内閣委員会へも清瀬文部大臣が出られた。そこで私は、いろいろ清瀬文部大臣に尋ねてみたわけですが、清瀬文部大臣という人は、これまた私どもとは次元が違う人なんでございます。たとえばこの新しい教育制度の問題について、東大の矢内原さん、あるいはその他の全国の各大学の総長さん、あるいは全国の教育者という、ほとんど第一線の教育者がことごとく名前を連ねて、この新しい教育制度はこれは間違いだ、こういうようなやり方をしたならば、日本を昔の日本に返してしまうのだ、民主主義とは逆なんだ、再び徴兵制へ戻るのじゃないか、こういうような種々の疑問を投げられておりますけれども、そういうことについて、わが清瀬文部大臣は、あれは学者が迂遠にして事の実情を知らないのだ、学者の方が間違っていると、こう言うのであります。(「なまいきなことを言うな」「とんでもない話だ」と呼ぶ者あり)皆さんはなまいきだとか何とか言いますけれども、そういうことを清瀬文部大臣は言うのでありまして、そこでまあ私も、たとえば矢内原さんなら矢内原さん一人だけの発言に対して、清瀬文部大臣が一対一でけんかをするというなら、まだ話はわかると思いますが、少くとも全国の各大学の名だたる学長なり、名だたる教育者が名前をそろえて、今の政府の教育のやり方は間違いだと言うのに、これは学者の方が、間違っているので、おれの頭の方が正しいのだと言うに至っては、これはつける薬がないのでございます。そこで次元の違った答弁をしてよろしいのなら、私も答弁の仕方がございます。わずかの時間でも、そういう答弁でもよろしい、吉田さんなり鳩山さんのように、何でもかんでもわかりませんという答弁、あるいは東の問いに対して西のことを答えるような清瀬流の答弁、そういうものならば、これはわずかの時間でもたくさんの答えができますけれども、答弁というものは、私はそういうものじゃないと思うのであります。  一体今日の自由民主党の主流をなす人々は、私がつらつら見ますというと、戦後追放になっていた人が多いのでございます。これらの諸君は、自分では正しいとお考えでございましょうが、この中に該当者がおりましたら、失礼でございますが、ごかんべん願います。自分では正しいと思っているのでございましょうが、世の中は違ってきておるわけなんです。自分たちが追放されたその留守に新しい日本ができた、ところが追放から解除されて帰ってみると、この新しい日本ができているのが、留守の間にできている新しい日本の姿が気に食わないのであります。まあこれはいわば更年期のヒステリーのごときものだと私は思うのでございます。(拍手)そういう点が清瀬文部大臣あたりにあるのではないかと思うのであります。清瀬さんの顔を見るというと、まことに朗らかで、いつもにこにことしておられますけれども、大体この清瀬文部大臣の答弁というものは、口数が非常に多い。口数が非常に多いというのは、やはり精神の一角にどこか欠陥があるのではないかと思うのであります。責任ある答弁というものは慎重でなければならぬのでございまして、一つの問いに対して、べらべらと幾つもしゃべっている。しかも内容を聞いているというと、(「口数が多いぞ」と呼ぶ者あり)私はなるべく簡単にやろうと思うのでございますが、諸君がそうお騒ぎになりますと、それだけどうしても時間がたくさんかかるのであります。その点は一つお静かにしていただかぬと、これは本来、議長諸君に注意をなさることでございますが、議長がおっしゃいませんから……。
  109. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) お静かに願います。
  110. 江田三郎

    江田三郎君(続) ああ、それでよろしい。(拍手、「名議長」と呼ぶ者あり)そこでどこまで話をしたか、ちょっと忘れてしまいまして、(笑声)まああとでまた、継ぎ足しのうまくいかぬ点は継ぎ足すといたしまして、時間をかけてはいけませんから進んで行きますが、さらにこの近ごろの政治がうまく行かないというのは、違いましたか、何ですか。(「漫談的にやるなと言うのだ」と呼ぶ者あり)一体、自由民主党の諸君は、私が言うことを漫談だと言っている。しかし何が漫談でございます。私が、総理大臣の答弁の仕方、清瀬文部大臣の答弁の仕方、こういう答弁は、民主主義に反しているじゃないかと言っているのに、何が漫談でございますか。こういう話をです、諸君、そういう話を漫談と聞くところに、もはや諸君の感覚のずれたところがあると私は思うのでございます。(「次元が違うのだ」と呼ぶ者あり)  そこでです。さらに、どうもその答弁の仕方もいろいろございますが、けしからないのは、答弁をしないという行き方でございます。それはどういうやり方かというと、たとえば決算委員会におきまして、加賀山氏の出席を求めるという問題で、これはもうだれが考えましても、この天下の新聞にことごとく、国鉄一家の問題という表現をしたり、あるいは文教委員長加賀山氏の何とかという大きな写真入りをしたりして、今大騒ぎになっておるのであります。一体、大事な文教問題の、この法案を審議しようというときにです、諸君、ほかの問題と違いますよ、教育の問題でしょう。その教育の問題が、今一番大きく問題になって、その担当の委員長の加賀山氏の身辺について、いろいろの問題がある、それをなぜ早くはっきりとさしていけないのでしょうか。私はその理由がわかりません。加賀山氏はおそらく潔白でございましょう。私は潔白だと信じたい、しかし潔白なら潔白でです、一日も早く決算委員会へ出て行って、事の黒白をつけることが、これは加賀山氏が自分の身を処理する道だけでなしに、国民の疑惑に対して、国会としてこたえる道であると思うのであります。そういう諸君が、そういう問題をほうっておいて、片一方で文教委員会の審議という形式的な論理だけをから回りさしているところに、今日の参議院の混乱の原因があるわけでありまして、そういうようなことを一つ一つ取り除いて行かなければ、なかなか木村さんの御質問のように私は軌道へは乗らないと思うのであります。そういうことはです、この加賀山氏の問題だけではございません。新聞をごらんになりますというと、この電源開発の佐久間ダムの問題につきまして、(「そうだ、そうだ」「くつの問題がある」と呼ぶ者あり)くつもある、おいおい言います。まず佐久間ダムからいきましょう。お聞き願います。電源開発の佐久間ダムの問題について、あの小坂総裁を衆議院の決算委員会へ呼び出した。呼び出しておいて、小坂氏に証言の機会を与えなかったということが問題になったではございませんか。私は、先ほどは羽仁君の質問に対して、時間の制限をした話をいたしましたが、これはもう時間の制限どころじゃないのであります。木村さん、これは大へんなことですよ。時間の制限じゃなしに、証言をするためこいといって、決算委員会へ呼び出しておいて、てんからあの老人を四時間も五時間も待たして、発言の機会を与えないで追い返すというのは、一体何でございましょうか。こうなってくるというと、全く手がつかないのであります。その問題につきましては、あるいはこの自由民主党の某幹部が関係しておる。そこでそれを聞かない小坂総裁の首を切ろうとしている。間組からこのたくさんの追加金の請求が来た。理が通らない追加金を出すまいとする小坂氏に対して、自由民主党の某幹部から圧力が加わって……、私は、その人の名前をおっしゃる人もありますけれども、やはり個人の名誉に関することでございますから、その点は一つ、人の名前に触れずに話した方がいいのじゃないかと思うのであります。ともかく、そういうようなことをやって、この命令を聞かないところの小坂総裁の首を切るというところにあの問題が出てきた。従って小坂氏の証言というものが、すなおに行われますというと、そういうような間組と自由民主党の幹部の間のスキャンダルということが白日のもとに暴露される危険性があるので、私はあの小坂さんの発言というものを押えたのではないかと思うのであります。(拍手)
  111. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに答弁を終了して下さい。(「時間の制限はない」と呼ぶ者あり)
  112. 江田三郎

    江田三郎君(続) 何しろ私に質問をされましたところの羽仁君といい、あるいは木村君といい、参議院において最も学者でありまして、こういう人がうんちくを傾けた質問に、わずかな時間に答えろというのが私は無理だと思うのであります。これは仕方がございません。私は昔から農民運動ばかりやって参りまして、あなた方の一つの質問に答えるためには、あなた方が一分間で使う頭を十分ぐらい使わなければ答弁ができないのですから、従ってどうしても時間がかかるのです。また先ほども私繰り返して申しましたように、人の一生に関することでございますから、こういう答弁は慎重にしなければならない。このために芥川君の一生を誤まらせては大へんでございますから、私は芥川君が、この不信任案に値すると思いますけれども、しかしながら、これはあるいは私の一方的な観察であって、木村君の言うように、あるいは羽仁君の言うように、何しろあなた方は学者ですから、いろいろお調べになって深い根拠の上に立って、ものをおっしゃっておるから、私はそういう質問には、自分の信念をもって、はっきりお答えしなければならぬと思うのであります。それに対して鳩山氏のような答弁、あるいは清瀬文部大臣のようにちゃらんぽらんな答弁、これでは済まぬのでありまして、どうしてもそこに時間がかかるのは、これは議長としても当然認められると思うのであります。(拍手)
  113. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が過ぎました。(「制限してないじゃないか」と呼ぶ者あり)
  114. 江田三郎

    江田三郎君(続) そこで先ほどの羽仁君の御質問も、木村君の御質問も、二大政党というものをお前はどう考えておるのだという重大な質問があったわけであります。これについては、まだ私は一言も答えておりませんので、この点については一つ詳細にお答えする義務があると思います。私の考えます限り詳細に答弁をしてみたいと思うのであります。  大体、今、二大政党というと、まるで二大政党になりさえすれば、日本の政治はよくなるのではないかというように言われて参りまして、そうして簡単に二大政党というものになりました。もっとも、あなた方は労農党でございまして、二大政党のまだほかがある、労農党を忘れておるとおっしゃるかもしれませんが、これは一応常識でそうなのですから、これはよろしいでしょう。(「二大政党というのは、お互いにものを十分言わせることでしょう」と呼ぶ者あり)私が今答弁しておるのでございますから、これは羽仁君も、お静かにお聞き願いたいと思います。政党が二つになりさえすれば政治が円滑にいくというのは、これは私は、とんでもない夢だと思います。二つになったところで、こちらの端とこちらの端と二つおったのでは、これはけんかをするだけでございましょう。二大政党というものは、本来ならば、二つの政党が、一つの共通の場を持って、その共通の場は、何%の共通の場か知りませんけれども、ある程度の共通の場があって話し合いができるということが、これは二大政党の成り立つところの根本的な基礎だと思うのであります。(拍手)ところが、こういう問題について話し合う場がなくて、お前は東、わしは西、こう離れておりましたならば、たとえ二大政党になりましたところで、これは、ただけんかをするだけでございまして、政治は円滑にいくはずはないのでございまして、そういうような条件をどうして作るかということを抜きにして、ただ形式だけの二大政党論というのは私は意味がないと思うのであります。  はなはだ残念なことに、一体社会党と自由民主党との二大政党の間の政策の調整をどうしていくか、どこに話し合いの場を求めるかということが問題になりますが、私どもは、今諸君が出しておるような憲法調査会法案、あるいは教育関係の法案、あるいは国防会議法案、とにかく日本の現在の第一線の学者諸君や、第一線の評論家諸君が、こぞって反動立法だという名前をつけるようなものばかりを諸君が出される限りにおきましては、これでは二大政党の運営がうまくいくはずはないのでございます。諸君は、社会党におとなになれということを言われます。われわれ、もちろん社会党といたしましても、反省の余地は十分あると思います。しかしながら、社会党だけが諸君に近寄ったのでは、これは日本の政治はどうにもなるものじゃございません。一体あなた方はどちらへ行っているのか。あたな方は、国防会議を作り、憲法を変えて、さらに軍備をふやそうとする。しかし、毎日の新聞では何を訴えておるか、きょうの新聞を見ましても、あの北鮮ですら、八万の軍備の縮小を新しく提唱しておるのであります。日本を取り巻く諸国、あるいは世界の諸国を見ても、もう戦争はできないのだ、話し合い以外にないのだという方向へ一歩々々と進んでいるときに、諸君はこれから憲法を変えて、役にも立たない軍備を作ろうとする。そういうような方向へどんどん進めておいて、そうして二大政党になったんだとか何とか言ったところで、これは諸君の二大政党論は、諸君のやっているところの反動的な政策を、形式的に国民の目をごまかす道具にすぎないのであります。何ら日本の政治を前進さすところの二大政党ではないのでありまして、そういう点につきましては、木村君が御質問をされましたように、私どもはどうしても自由民主党の諸君に根本的な反省を願わなければ、この参議院の今日の事態というものは解決つくものではないと思うのであります。  ただ、そう言いますというと、芥川君の不信任の理由が消えてしまいますから、私はそういうこともあるけれども、まだ芥川君自身にも問題があるのだということを繰り返して言うのでございまして、その点についてもう少し言わんと、今度は誤解を生むようになってきましたから、その点を申しましょう。そこで、芥川君の骨相のことを先ほど申したのでありますが、これはまあ骨相上は、人品骨柄のりっぱな人でございます。そうして正直な人であり、悪いこともできない人であります。ただしかし、この人が事務総長という役割が適格かどうかということについては問題があるのでありまして、私の観察するところによりますというと、芥川君がこういうような参議院の事務総長というよりも、博物館の事務局長、博物館の何といいますか、博物館の館長になる方が適任ではないかと思うのであります。その点は、現在国会におきましても、骨董的の価値のあるものが相当並んでおるのでありますが、しかしながら、この国会で直ちに骨董品と定義づけることは乱暴でありまして、この芥川君が、もしほんとうに仕事を得ようと思うなら、国会ではまだまだ骨董品が足りませんから、一つ専門の博物館の館長になられるならば、私はこれはほんとうの芥川君の行かれる道だと思うのであります。この波風の荒いところでは、芥川君はやはり私どもが不信任を問わなければならないのであります。というのは、波風が荒いというのは、これは先ほど私が申しましたように、自由民主党のこの考え方の中に、私たちが根本的に反省してもらわなければならぬ問題が多いのであります。自由民主党の中に宮澤君のような若い人もおられる。私は、自由民主党の中に宮澤君のような若い人が平然とおられる心理がわからないのであります。(拍手)あなたは笑っておられるけれども、一体あなたは鳩山さんの答弁を聞いて、どういう問題についても鳩山さんの答弁を聞いて、一ぺんでも納得したことがございますか。
  115. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が過ぎました。
  116. 江田三郎

    江田三郎君(続) あるいは、鳩山さんは病人であるから仕方がないということになるかもしれません。しかし、私は病人というものは、これは同情しなければなりませんけれども、病人があまり特権を乱用してはならぬと思うのであります。今や鳩山さんの場合には、病人の特権の乱用であると思うのでありまして、ああいう状態を見て、宮澤君、また見渡すところ、いろいろと若い諸君がおられる。これらの諸君はどういう気持で平然として自由民主党の中にとどまっておられるのか、その点が私は不可解でございまして、私はちょっと脱線いたしましたけれども、今のところ日本の二大政党には非常に無理があると思うのであります。こう離れ過ぎた二大政党は、うまく行くはずがないのであります。その点は、木村君あたりが二大政党は早過ぎたのではないか。もう一つ検討が要るのではないかという主張を持っておられるということを聞きましたが、私はこういう参議院の現状を見ますときに、そういうことをしみじみと感ぜざるを得ないのであります。わが参議院におきましては、かつてそういう役割りを緑風会が果してきたのであります。木村君は、昔の参議院では発言の自由が与えられたと、少数党の木村君にも、たえず予算委員会でも、どこでも、発言の機会があったということを言われました。おそらくその当時は、緑風会が健在であったときのことを言っておられるのではないかと思うのであります。私は、今の緑風会が健在ではないとは言いませんけれども、しかし、かつての緑風会とは相当違ってきておるのではないか。
  117. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、時間が過ぎました。(「堂々とやれ」「制限はないよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  118. 江田三郎

    江田三郎君(続) 一体、今回の問題についても、緑風会は何をしているのか私にはわからないのであります。緑風会は堂々たる会派であります。その会派がこの混乱にしろ、何にしろ、一切の話し合いというものは自民党と社会党だけがやって、緑風会はいつでも別な座におられる。連絡もとってもらえない。なぜそれほど緑風会というものは自己否定をしなければならぬかと、私は不思議でならぬのであります。あなた方が参議院の良識とおっしゃるなら、良識なら良識なりに、その良識を出すやり方があると思うのであります。一切を自由民主党と社会党だけの話し合いにまかして、ただ緑風会としてはルールに乗せなければならぬ、ルールに乗せなければならぬという、抽象的な言葉だけをしてあそんでおられるのではないかと思うのでありまして、その点は、私は緑風会が自分を自分で否定されているのではないかと思うのであります。私は、緑風会の諸君が政治的意見について、われわれとどう違ったところで、それはいいと思います。しかしながら、あなた方はこの参議院において堂々たる会派なんです。つい先だってまでは、議長まで持っておった会派なのであります。それにしては、一体あなた方はこの混乱した状態に対して何の責任をとっておられるのでありますか。後藤先生、一番高い所におられますけれども、一体後藤先生がほんとうに日本の政治を救う軌道に乗せようという気概があるならば、緑風会にも私は違った働きかけがあると思うのであります。あなた方は、人のけんかのような顔をして静かに見て、ときどき議長のところへ抗議に行きさえすれば、それで参議院のこの状態が軌道に乗ると考えておられるのでありますか。
  119. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君、すみやかに答弁を終了して下さい。
  120. 江田三郎

    江田三郎君(続) 私は、この参議院の状態を軌道に乗せるということはお互いの連帯責任だと思うのであります。これをどうやって軌道に乗せるかということは、単なる形式的、民主的ルールだけでは片はつきはしません。そういうことについて、われわれは労農党の諸君も、共産党の諸君も、無所属の諸君も、緑風会の諸君も、全部が連帯責任でやって行かなければならぬのでありまして、その点は先ほど羽仁君が国会議員の連帯責任ではないかという、こういう質問がありましたのに、私、答弁を落しておりましたけれども、全くその通りだと思うのであります。そこでこの……。
  121. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君に降壇を命じます。(「暴力だ」「丁寧に答弁しろ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  122. 江田三郎

    江田三郎君(続) 私は、いろいろ申したいけれども、そうやかましく言われては答弁ができないじゃありませんか。諸君が静かになるまで待つより仕方がないじゃありませんか。  その次の質問は……(「答弁は終った」と呼ぶ者あり)あなた方はそう言いますけれども、天下の学者がうんちくを傾けた質問に、そう簡単に答えられるものじゃないのです。  その次は、木村君から出ました暴力とは何かということでありまして、諸君これをお聞き下さい。暴力とは何かと言えば、答えていわく、暴力とは、みずからである。そうなんですよ、諸君。(拍手)多数党のやっていることが暴力なんですよ。暴力とは小幡君みずからなんですよ。私はそういうお答えをしたいと思いますけれども、それにはいささか論理の飛躍がありますからして、もう少し時間をかけて説明をしなければなりません。(発言する者多し)静粛に願います。
  123. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君に降壇を命じます。(「何だ、答弁中じゃないか」「命令を守れ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く議場騒然
  124. 江田三郎

    江田三郎君(続) 私は諸君に一つ……、御静粛に願います。静かにやってもらわなければ答弁なんかできるものじゃないですよ。(「江田君、暴力と汚職の問題」と呼ぶ者あり)  そこで、その暴力とは何ぞやという問題でありますが、暴力とは、いろいろなやり方があると思うのであります。この世間は、たとえば私がこうやって時間を延長しているというと、もうこれを暴力というかもわかりません。しかしこんなものは暴力でもなんでもないじゃありませんか。これは私に答えるだけの時間を与えてくれれば問題は片づくものを、答弁をするだけの時間を与えないからして、私はこの限られている時間で答弁しなければならないのであります。そういうことを一々かれこれ言うもんじゃないと思うのでありまして……
  125. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君に降壇を命じます。(「答弁漏れがある」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く議場騒然
  126. 江田三郎

    江田三郎君(続) ちょっと待ってもらいたい。私はあまりやかましく言われるから、一体何が答弁漏れがあるかわからない。答弁漏れの点を一つ木村君と羽仁君、何か言って下さい、何と何とがあるか。「暴力と汚職との関係」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)木村君は何ですか。(「誤解があるから、もう少し説明していただきたい」と呼ぶ者あり)  羽仁君の質問に対する私の答えが残っているようでありまして、その暴力と汚職との関係はどうかということであります。これはなかなか関係のある問題であります。しかも、これはあえて私申し上げたいのは、一体今の日本で汚職はどこで一番多いかということになると、これは常識として防衛庁じゃないかと思うのであります。防衛庁は暴力というんじゃない。防衛庁はりっぱな防衛庁でございますが、(「学問上あれを暴力というんだ」と呼ぶ者あり)学者の説によると、防衛庁が暴力であれば、その暴力であればその暴力である防衛庁に、一番汚職が多いということは、羽仁君の言うところに、なかなか答えがはっきり出ていると思うのであります。しかもあの防衛庁の……。
  127. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君に降壇を命じます。(「何を言っているんだ、答弁中だ」「衛視の執行をしろ、答弁に時間の制限があるか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  128. 江田三郎

    江田三郎君(続) 次に……、先ほど来、自由党、石原議会運営委員長は、テーブルをたたいておこっている。しかし石原君は、テーブルをたたく資格がございますか。議会運営委員長の石原君としては、ちょっと抗議しておかなければいかぬよ。議会運営委員長の石原君は、私に対してかれこれ言う前に、あなたは、議長が発行した公報に基くところの、本日の運営をすべき責任者じゃありませんか。そういうことをでたらめにほうっておいて、私に対してだけ、私が三分や五分発言が延びたからといって、もうそれで手を打っているのは何でありますか。そういうことであるから、二大政党の運営が……。
  129. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 降壇を命じます。
  130. 江田三郎

    江田三郎君(続) うまくないのでございまして、そういう点を、一つ皆さんも十分お考えになっていただきたいと思うのであります。
  131. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 江田君の降壇の執行を衛視に命じます。   〔議場騒然、聴取不能〕   〔議長退席〕    午後六時四十四分    ————————    午後八時二十二分開議
  132. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続きまして、これより会議を開きます。  川村松助君外五名より、成規の賛成者を得て、質疑終局の動議が提出されております。  これより本動議採決をいたします。本動議表決は、記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行〕   〔「社会党だけを締め出すとはなんだ」「反対党に、錠をかけて入れないとは何か」「議会のクーデターだぞ」「社会党を国会の議場に入れなくて何をやろうとするのか」「明らかに謀略だ」「自民党のクーデターじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然
  133. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩いたします。    午後八時四十八分休憩    ————————    午後十一時七分開議
  134. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  川村松助君外五名から、成規の賛成者を得て、……(「議長」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然、聴取不能)……動議が提出されております。  よってこれより本動議採決をいたします。本動議表決は、記名投票をもって行います。本動議賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。(発言する者多く議場騒然議場閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名点呼〕   〔投票執行
  135. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) すみやかに御投票願います。(「さっきの問題どうした」「開会劈頭何で説明せぬのだ」「ああいう乱暴してもいいのですか」「釈明くらいやるかと思った」「何のための休憩だ」「事態を収拾してちゃんと釈明しますからと言ったから、下ったのじゃないか、何のための休憩だ、責任を明らかにしろ」「だれの指図でベルを鳴らした」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)すみやかに御投票願います。(「釈明しろ。釈明しないで投票ができるかね」「時間を制限して下さい」「どうするのだ議長、あの事態をどう判断したから休憩したのですか、それを明らかにしなさい」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「釈明するまで投票する必要なし」「明らかにしなさいよ」「どういう事態で休憩したか、国民の前に明らかにしなさい」「時間制限、投票のやり直しは重大だ」「議長、時間制限」「何を言うか」「議長、時間制限」「議長休憩中には取調べたはずでしょう、何のための混乱でしたか、明らかにして下さい」「釈明の要なし」と呼ぶ者あり)  ただいま行われております投票は、自後五分間に制限をいたします。(拍手、「何の制限だ、そんな資格があるか」「休憩の理由を明らかにしなさい」「投票々々」「進行」「何のための投票やり直しだ、それを明らかにせよ」「釈明せずに開会するなんて、そんな非常識があるか」「職権ばかりで押してもだめですよ、国民が承知しませんよ」「投票投票」「時間々々」「何の時間だ」「議長、整理々々」「議長、時間」「投票閉鎖」「議長釈明しなさい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く議場騒然)  すみやかに御投票願います。(「投票させる必票はない」「閉鎖しろ」「まだあるぞ」と呼ぶ者あり)すみやかに御投票願います。(「投票するぞ」「何のために時間を制限した」と呼ぶ者あり)  投票漏れはございませんか……投票漏れはございませんか。……投票漏れないと認めます。  よってこれより開票いたします。投、票を参事計算させます。議場開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票計算〕   〔「早くせんと間に合わぬぞ」「あわてるな」と呼ぶ者あり〕
  136. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数 百九十二票   白色票  百二十九票   青色票   六十三票  よって質疑は、終局することに決しました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者白色票氏名      百二十九名       加賀山之雄君    梶原 茂嘉君       井野 碩哉君    赤木 正雄君       森田 義衞君    森 八三一君       村上 義一君    溝口 三郎君       三浦 辰雄君    廣瀬 久忠君       早川 愼一君    野田 俊作君       中山 福藏君    豊田 雅孝君       常岡 一郎君    田村 文吉君       竹下 豐次君    高橋 道男君       高瀬荘太郎君    高木 正夫君       島村 軍次君    佐藤 尚武君       河野 謙三君    後藤 文夫君       伊能繁次郎君    武藤 常介君       大谷 瑩潤君    白波瀬米吉君       松原 一彦君    西岡 ハル君       井上 清一君    伊能 芳雄君       小沢久太郎君    青柳 秀夫君       佐藤清一郎君    酒井 利雄君       有馬 英二君    仁田 竹一君       滝井治三郎君    関根 久藏君       吉田 萬次君    白川 一雄君       木村 守江君    菊田 七平君       中川 幸平君    田中 啓一君       榊原  亨君    高橋進太郎君       上原 正吉君    大矢半次郎君       藤野 繁雄君    木島 虎藏君       西川甚五郎君    宮田 重文君       植竹 春彦君    谷口弥三郎君       三浦 義男君    左藤 義詮君       館  哲二君    石原幹市郎君       中川 以良君    中山 壽彦君       池田宇右衞門君    鶴見 祐輔君       青木 一男君    野村吉三郎君       泉山 三六君    津島 壽一君       苫米地義三君    大野木秀次郎君       佐野  廣君    小幡 治和君       宮澤 喜一君    大谷 贇雄君       石井  桂君    雨森 常夫君       西川弥平治君    白井  勇君       横山 フク君    高橋  衛君       松平 勇雄君    深川タマヱ君       長島 銀藏君    宮本 邦彦君       最上 英子君    寺本 廣作君       小滝  彬君    青山 正一君       紅露 みつ君    山本 米治君       秋山 俊一郎君    石川 榮一君       石村 幸作君    剱木 亨弘君       加藤 武徳君    高野 一夫君       横川 信夫君    松岡 平市君       長谷山行毅君    野本 品吉君       平井 太郎君    川村 松助君       堀末  治君    西郷吉之助君       堀木 鎌三君    郡  祐一君       寺尾  豊君    笹森 順造君       黒川 武雄君    一松 定吉君       木村篤太郎君    大屋 晋三君       石坂 豊一君    三木與吉郎君       新谷寅三郎君    小西 英雄君       井村 徳二君    島津 忠彦君       岡崎 真一君    重政 庸徳君       小柳 牧衞君    川口爲之助君       木内 四郎君    深水 六郎君       古池 信三君    井上 知治君       重宗 雄三君    草葉 隆圓君       亀田 得治君     —————————————  反対者青色票氏名      六十三名       高田なほ子君    久保  等君       清澤 俊英君    山本 經勝君       山口 重彦君    安部キミ子君       岡  三郎君    海野 三朗君       河合 義一君    三輪 貞治君       永井純一郎君    上條 愛一君       東   隆君    荒木正三郎君       三橋八次郎君    小笠原二三男君       平林  剛君    竹中 勝男君       赤松 常子君    山下 義信君       木下 源吾君    山田 節男君       藤原 道子君    野溝  勝君       栗山 良夫君    村尾 重雄君       相馬 助治君    佐多 忠隆君       市川 房枝君    須藤 五郎君       羽仁 五郎君    堀  眞琴君       木村禧八郎君    鈴木  一君       成瀬 幡治君    若木 勝藏君       江田 三郎君    小林 孝平君       矢嶋 三義君    菊川 孝夫君       片岡 文重君    小松 正雄君       吉田 法晴君    大和 与一君       加瀬  完君    藤田  進君       湯山  勇君    千葉  信君       近藤 信一君    田畑 金光君       大倉 精一君    永岡 光治君       阿具根 登君    天田 勝正君       松浦 清一君    秋山 長造君       棚橋 小虎君    曾禰  益君       松澤 兼人君    中田 吉雄君       森下 政一君    小酒井義男君       戸叶  武君    ————————
  137. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 本日は、これにて延会いたします。次会は、明日午前零時十分より開会いたします。議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後十一時五十分散会    ———————— ○本日の会議に付した案件  一、事務総長芥川治君不信任決議案