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秋山俊一郎君 この問題につきまして、最近
関係の留守家族が二百余人上京して参りました。そうして各
関係省、水産庁であるとか、あるいは外務省、法務省等を歴訪しまして陳情いたしたことは御
承知であると存じます。その陳情した留守家族の方々がわれわれに訴えますところは、各
関係省に行きますというと、水産庁に行くとこれはどうも外務省と法務省の
関係であって、自分たちではどうともならぬのだというような
お話しだ。外務省に行くと、これは法務省との
関係があって法務省が頑張っているからわれわれではどうにもならぬということ。法務省に行くと、これは外務省との話がついておらぬ。どこへつかまっていったらいいかさっぱりわからぬと言って、非常な憤慨をしておったのであります。そこで私は水産庁といたしまして、あるいは農林省といたしましては、事、
漁業に関する問題でありと、漁民、漁船に関する問題であります以上、
関係省が三つであろうと四つであろうと、その総合的な
経過はつかんでいなければならない問題である。現段階においてどういう情勢にあるということぐらいはつかんでおって、それを陳情して、ああいうふうにきわめて生活に困窮しておる人たちが資金カンパをやって、はるばる子供を連れて出てきた。これらの人にすげないあいさつをするということは、私はもってのほかだと思う。少くとも外務省あるいは法務省は、自分の所管内の問題だけをやっておりますけれ
ども、これの一番
関係の深い問題は、私は官庁は農林省じゃないか。従って農林省といたしましては、しかもその水産庁といたしましては、今までの
経過についてことごとく知っていなければならぬ。法務省との
関係がどうなっているか、あるいは外務省との
関係がどうなっているか、これが行き詰まっておるというようなことは、国内の問題でありますから、十分
承知しておって、そういうものには親切に答えをしてやるべきであったと私は
考える。私はその場に立ち会っておりませんから、果して留守家族が陳情をした場合に、そういう態度であつたかどうか存じませんけれ
ども、私
どもに泣いて訴えたところは、どこに行っても取りつく島がなかったのだと言って、私
どもは非常にお気の毒に思ったのであります、で、われわれといたしましては、大体今日まで抑留者の返還問題につきましては、大村に収容しております韓国人の問題とからみ合っておるということを
承知いたしておりますが、それぐらいのことは水産庁でもよく御
承知であろうと思うし、その
経過ぐらいはよくおわかりになっておるのであるから、そういうことはよく
説明していただきたかったと私は
考える。そこでまあ今日、韓国における政治情勢も、大統領選挙以来多少変っておるやにわれわれも
承知しております。さらにまた最近アメリカの国務次官補のシーボルト氏が韓国に渡って、この問題について李承晩と話し合いをする、李承晩であるかあるいはだれであるか、とにかく韓国の要路の人と話し合いをして、日韓会談を促進し、日韓の問題を円滑に進めるかのような話をするかのように新聞に現われておりますが、そういうことにつきましても、水産庁としては何かキャッチしておるところがあるのじゃないか、その後の情勢等につきまして、これは外務省の所管であろうと思いますけれ
ども、これは絶えず私は水産庁においてそういう面において注意をし、外務省と折衝をし、連絡をとって知っておるべきものであろうと、こう
考えます。この点について、最近の情勢を伺いたい。