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1956-04-26 第24回国会 参議院 逓信委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月二十六日(木曜日)    午後一時五十二分開会     —————————————   委員異動 四月十三日委員石坂豊一君、久保等君 及び小笠原二三男辞任につき、その 補欠として三浦義男君、相馬助治君及 び菊川孝夫君を議長において指名し た。 四月十四日委員三浦義男辞任につ き、その補欠として石坂豊一君を議長 において指名した。 四月十七日委員宮田重文君、最上英子 君、瀧井治三郎君及び菊川孝夫辞任 につき、その補欠として石村幸作君、 小幡治和君、木内四郎君及び永岡光治 君を議長において指名した。 四月十八日委員小幡治和君、木内四郎 君、新谷寅三郎君、石坂豊一君及び相 馬助治辞任につき、その補欠として 最上英子君、瀧井治三郎君、上原正吉 君、大屋晋三君及び久保等君を議長に おいて指名した。 四月十九日委員上原正吉君、館哲二 君、最上英子君及び石村幸作辞任に つき、その補欠として新谷寅三郎君、 雨森常夫君、長島銀藏君及び宮田重文 君を議長において指名した。 四月二十日委員長島銀藏君、雨森常夫 君、宮田重文君及び大屋晋三君辞任に つき、その補欠として紅露みつ君、森 田豊壽君、遠藤柳作君及び石坂豊一君 を議長において指名した。 四月二十一日委員紅露みつ君及び森田 豊壽辞任につき、その補欠として最 上英子君及び館哲二君を議長において 指名した。 四月二十三日委員永岡光治辞任につ き、その補欠として松浦清一君を議長 において指名した。 四月二十四日委員柏木庫治辞任につ き、その補欠として村上義一君を議長 において指名した。 四月二十五日委員村上義一辞任につ き、その補欠として柏木庫治君を議長 において指名した。 四月二十六日委員松浦清一辞任につ き、その補欠として永岡光治君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松平 勇雄君    理事      久保  等君    委員            石坂 豊一君            新谷寅三郎君            瀧井治三郎君            津島 壽一君            寺尾  豊君            最上 英子君            永岡 光治君            三木 治朗君            山田 節男君   国務大臣    郵 政 大 臣 村上  勇君   政府委員    郵政省電気通信    監理官     平山  温君    郵政省貯金局長 成松  馨君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選郵便振替貯金法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (放送法改正に関する件)  (国際電信料に関する件)  (PBX問題に関する件) ○郵政事業運営実情に関する調査の  件  (日、中の郵便協定に関する件)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 逓信委員会開会いたします。  まず前回以後の委員異動について御報告いたします。  去る四月十三日に久保等君、石坂豊一君、永岡光治君、四月十七日に瀧井治三郎君、最上英子君、四月十八日に新谷寅三郎君、四月十九日に館哲二君、四月二十四日に柏木庫治君がそれぞれ委員辞任されたのでありますが、その後今日までの間に以上の方々はいずれも本委員に復帰されました。また四月二十日宮田重文君が委員辞任され、その補欠として遠藤柳作君が委員に選任されました。  以上御報告いたします。     —————————————
  3. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) それではこれより本日の議事に入ります。まずただいま御報告いだしました通り久保等君及び柏木庫治君の委員辞任に伴う理事補欠互選いたしたいと存じます。互選方法は前例により、これを委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それでは久保等君及び柏木庫治君を理事に指名いたします。     —————————————
  5. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に郵便振替貯金法の一部を改正する法律案内閣提出予備審査)を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  6. 久保等

    久保等君 この前の委員会でただいまの法案につきましては一応政務次官の方から提案趣旨の御説明があったのですが、多少専門的なといいますか、ちょっとわかりにくいような法案内容にもなっておりますので、郵政事務当局の方からもう少しある程度詳細な御説明を願いたいと思います。
  7. 成松馨

    政府委員成松馨君) 前回政務次官から提案趣旨並びにその概要について御説明があったのでありますが、その概要につきましてもう一度集約させていただきますと、大体大きな問題点としましては三つの点があげられると思うのであります。  一つは、従来振替貯金利用方法といたしまして、非常に定期にたくさんの利用をする人たちがおるのでありますが、これが従来の方法でありますと、特殊払込書というような様式のもとにやっておったのでありますが、これは非常に利用者の面からいたしましても、またこれを取り扱いまする地方貯金局、これを私ども口座所管庁といっておるのでありますが、その口座所管庁におきましても非常に手数がかかりますので、この利用方法取扱い手続等を簡単にしたい、これが一つのねらいでございます。  それから第二点といたしましては、この従来の特殊払い出し方法によりますと料金が各金額別に変っておったのでありますが、やはり大量に利用するといったような点からこの料金計算方法を簡単にすると同時に、手続を簡素化したに伴いまして従来よりも低料にしたい、これが第二点でございます。  第三点といたしましては従来郵便貯金をする場合には現金小切手だけが貯金預入になし得るものでありましたのでありますが、今度の改正に伴いまして手続の中に支払通知書というのを作ったのでありますが、この支払通知書をもってこの郵便貯金利用に資したい。それと同時に従来為替証書あるいはまた従来の振替貯金利用方法であります払出証書といったようなものも、これも郵便貯金にこれを現金化せずして預け入れるようにしたい、こういう点が、この三つの点が今度の改正の大きな点でございます。その三つの点につきましてなお詳細に御説明いたしますと、第一の利用方法を簡単にしたというのはどういう点かと申しますと、従来の定期に大量の利用をする人というのは、たとえて申しますと、たとえば会社あたり株主総会を開いたあとで株の配当金株主に送るといったような場合が非常に多いのでありますが、そういうような場合に従来の方法でございますと、取扱い方法といたしましては、三票式の証票、これを特殊払出証書といっておりますが、これを利用いたしまして、これに金額であるとか、名あて人であるとか、あるいはまた払い戻しを受ける郵便局名前であるとかいったような点を書き入れまして、これを口座所管庁に差し出すわけであります。口座所管庁におきましては、その三票式——三票のうち、一票を自局にとどめ、一票を名あて人に送り、一票を払い戻し郵便局に送るというような手続をとっておりますので、非常に利用者の側から見ましても、口座所管庁の側から見ましても手数が非常に著しかったのであります。その点を利用者要望等もありまして、極力簡素化するように考えました結果、今度は従来の様式と異なりまして、差し出し方法といたしまして、支払通知書というものを名あて人ごとに作ってもらい、それには名あて人名前金額等はもちろん入れてもらわなければなりませんのですが、払い出し郵便局といったようなものは書いてもらわなくてもいいわけであります。その支払通知書を各人別ごとに作ってもらったものを一括して口座所管庁に持って来てもらう、その際にはやはり全体の金額といったようなものが幾らになるかというものは、払出書と申しておりますが、これは出していただくのであります。そういうような三票式のものが一票式になったという点、それからまたことに一票式になった場合にも、払い戻し郵便局を指定しなくてもいいといったような点が、非常に手数が簡便になるわけであります。これを先ほど申し上げましたように、三票式ですと、それぞれ区分してあるいは発送しなければならないのでありますが、支払通知書の場合には、支払通知書口座所管庁に出してもらいますと、口座所管庁では、これを金額に対しまして浮き出し印を押しまして、これを利用者たる会社の方に返すわけであります。会社の方から名あて人に直送する。名あて人はそれを郵便局へ持っていきまして現金に引きかえるわけでありますが、その場合に従来でありますと、郵便局が指定されておりますので、その郵便局に行かなければいけないということになりますが、今度の場合には、郵便局を指定しておりませんので、自己の住所地の近所の局へ行けばいいというようになって、利用者としても非常に便宜になるだろうというように考えておりまして、なおこの新たに作ります支払通知書でございますが、従来の振替利用でございますと、十万円まで利用できるわけでありますが、この支払通知書につきましては、簡易払い支払通知書につきましては、金額制限を三万円といたしたいと考えております。この二万円という数字をきめましたのは、大体においてこの簡易取扱い利用は、株主に対する配当金が多いと思うのでありますが、これを調べてみますると、三万円以下の場合が非常に多いようでありまするし、それからまたこの支払通知書は、利用者の方で作ってもらおうと思っておりますので、そういったような点から多少防犯的な面も考慮しまして三万円という金額制限いたしたいと考えております。  それからこの支払通知書によって払い戻しをする期間は、一カ月としたいと考えております。この一カ月といたしましたのは、従来の振替利用でございますと、二カ月間が大体払い戻し証書有効期間でありますが、従来の実績をながめておりますると、ほとんど一カ月内に支払われるものが多いという点と、それからまたこれは利用者の方の要望もございまして、株主支払通知書を送り、その支払通知書によって現金化する場合に、会社の方といたしましては、なるべく早くその計算関係をはっきりと精算したいという考えがありまして、その期間を一カ月くらいにしてほしいという要望もあります。先ほども申し上げました、従来の振替利用期間が大体一カ月以内におさまっているという点から、一カ月といたしたわけでございます。それからこの払い戻し利用しまする支払通知書は、再交付をしない考えでおります。と申しますのは、この支払通知書案内書なし、郵便局に対しても案内書を出しませんので、無案内式のものでありますから、再交付することによって二重に支払われるおそれもありますので、再交付をしないということにしております。しかしこういうふうにいたしましたことは、郵便局との関係において支払いをしないというだけでありまして、会社株主との権利関係がそれによって切れるものではございませんので、株主権利には関係ないわけでございます。  それからなお五十条の六でございますが、現在高計算上の特例という条文がありますが、少しわかりにくい条文でございますので、例をもって説明することをお許しいただきますと、現在の振替貯金法では、口座の現在高以上の金額を振り出すことはできないというような規定等がございます。その場合にその現在高というものをどういうふうに考えたらいいかというのが問題でありますが、この支払通知書口座の現在高を振り出す場合に、たとえて申しますと、ここに口座の現在高が百五十万円あるといたしまして、この支払通知書による金額が百万円ぐらいだといたします。そうした場合に、現在のところ八十万円支払われた、支払通知書によって支払われたと仮定いたしますと、口座所管庁のこの振替口座には、なお七十万円残っておるわけでございますが、実際問題としては二十万円は支払通知書によって支払われる予定になっておりますから、一応口座の現在高としては五十万円ということにして、五十万円以上の金額を割るような他の払い出しをしてもらってはいけないという取りきめでございます。それからなお現在の振替貯金法におきましては、この払い戻し証書を銀行に譲渡することができるという規定がございまするし、あるいはまた手形交換所において決済の手段に供することができるという規定がございます。これを同様に支払通知書にも及ぼしたいという考えでございます。なお料金の問題につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、現在の利用方法によりますと、金額別料金段階があるわけでございますが、このように大量に利用しようとする場合には、双方の利用者並びに口座所管庁手数を省くために料金計算方法を簡単にしたいということから、支払通知書一枚について十五円という金額と、それからその総体の金額の千分の二をプラスしたものを料金にしたい、このように考えております。で、支払通知書一枚の料金を十五円というふうにきめました考え方につきましては、現在の料金体系におきまして口座振替という制度がございまして、これが十五円になっております。この口座振替手続と、それから今度の支払通知書に関する取扱い手続とほぼ似ている点もございますし、それらを料金体系の上から見て勘案いたしまして、それと同時に口座振替の場合は現金が動かないのでございますが、この通知書の場合には現金が動く、あるいは多少の危険負担もあるといったような点も考慮しまして、支払通知書一枚について十五円、全体の金額の千分の二をそれにプラスしたものをもって料金とするというふうにきめたのでございます。それからあともう一点は、付則に関係ある点でありますが、先ほど御説明申し上げましたように、今までの郵便貯金利用につきましては、現金小切手をもってしか預入ができなかったのでありますが、今度は為替証書、それから今までの払い戻し証書、それからこの支払通知書をもってしても預入ができるという点と、それから振替貯金に対して払い込みをする場合に、今までは払い戻し証書為替証書をもってしてもできるのでありますが、支払通知書制度を作ることによりまして、支払通知書をも振替預入ができる手段としたいという考えでございます。なおこの実施期日準備期間等も考慮いたしまして七月一日からしたいというように考えております。
  8. 久保等

    久保等君 今度新しく設けようとしております条文の五十条の二のところに「(簡易払)」として、「定期に多数の払出の請求をする加入者省令の定める基準に適合する」云々とあるのですが、省令で定められる基準内容はどういったことをお考えになっておるのか。
  9. 成松馨

    政府委員成松馨君) 先ほどの御説明に漏らしまして恐縮でございましたが、私ども考えといたしましては、原則としまして年二回以上利用し、一回について五百件くらいを出すものを大体この承認申請をしてもらって認めていきたい、こういう考えでございます。
  10. 久保等

    久保等君 ただいま御説明のあったその程度基準利用せられておる利用状況のようなものについて一年間にどの程度のものか、ちょっと御説明をお伺いしたいと思うのです。
  11. 成松馨

    政府委員成松馨君) 今申し上げたような定期に多数の利用をするものは大体全国で八十余万件くらいあるように記憶しております。
  12. 久保等

    久保等君 それから、今度の支払通知書利用できる金額が三万円以下ということにしたような御説明がさっきあったんですが、まあ従来十万円から三万円という金額制限を押えたことに対する御説明を先ほど伺ったんですが、大体の今まで利用されてきた状況をみると、三万円以下ということでほとんどの利用者の需要は満たされるのじゃないかという御説明もあったんですが、しかし十万円から三万円に切り下げられたことによって利用者範囲というものがある程度排除されるといいますか、従来からの経験からいうと範囲が狭まって参ったわけですが、どの程度のところまでしか——どの程度のところまでしかというよりも、まあ従来一〇〇%だったものが六〇%なり七〇%程度利用者に対しては十分この三万円以下でも利用をしてもらえるということになるだろうと思うのですが、やはりある程度利用者には三万円以上の場合利用したいという者も相当おると思うのですが、そういう若干この制度によって悪くなるという意味じゃないにいたしましても、利用される範囲が限定されて参ると思うのですが、実際問題として十万円以下で従来あったわけですが、その利用状況——金額の面からする利用状況ですね、これをパーセンテージである程度一つお示し願って御説明を願いたいと思います。
  13. 成松馨

    政府委員成松馨君) 先ほど御説明いたしましたように、もしこの簡易取扱い方法が施行されますと、主としての利用者会社から株主に対する配当金が多いのではないかと思っております。現実問題として、私どもの今までの見た範囲では三万円以下が非常に多いのでありますが、試みに東京地方貯金局につきまして昨年十一月並びに十二月この定期に大量の取扱いをしたもののうち二十五社ばかりについて一社、これはまあ無差別の抽出と申しますか、引き抜き検査をやってみたのでありますが、大体一社二、三百件程度、全体で五千六百件ばかり調べてみたわけであります。結論的に申し上げてみますと、三万円以上のものは五千六百件ばかりのうちで十一口・〇・二%現実問題としてはあったわけでございます。御参考までに申し上げてみますると、金額段階別に申し上げてみますると、千円以下のものが二千七百七十五口で四九・一%、それから千円以上五千円以下のものが二千五百三十四口で四四・九%、五千円以上一万円以下のものが二百五十四口で四一五%、一万円以上三万円以下が七十二口の一・三%、三万円以上が十一口の〇・二%、こういう数字であったわけでございます。私どもといたしましても、実際問題として利用する内容を調べてみますと、ほとんど大部分が三万円以下であるという点と、それからこの場合は今までの利用方法と異なりまして、郵便局案内書を出すのではなくして、無案内式であるという点、それから支払通知書利用者の方で申請してもらうというようなことを考えておりますので、防犯的な見地から見ましてもこの金額くらいで押えたい、こういうふうに考えたわけでございます。
  14. 久保等

    久保等君 先ほどお伺いした一年間の振替貯金利用状況は年間八十余万件というお話があったのですが、金額にすると大体どの程度になりますか。
  15. 成松馨

    政府委員成松馨君) 全体のそれだけを引き抜いた金額というのはただいまのところ調べておりませんですが、大体五千円未満が非常に多いように記憶いたしております。
  16. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言ございませんか。それでは本案につきましては本日はこの程度にとどめることにいたします。     —————————————
  17. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に郵政事業運営実情に関する調査及び電気通信並びに電波に関する調査を一括して議題といたします。  かねて久保委員から諸般の問題について御質疑の通告がございましたが、ただいま郵政大臣を初め郵政省並びに公社当局からも御出席になっておりますので、この際御発言を願います。
  18. 久保等

    久保等君 郵政大臣おいでになっておりますので、この前の委員会での話にも出た問題でありますが、例の放送法改正問題についてお伺いしたいと思うのですが、すでに臨時放送法改正審議会でいろいろ御検討がかえられておる過程にあると思うのですが、先般、大臣のお考え方は、従来から言われておったように、やはり今国会に出したいんだというお考えのもとにいろいろ審議会での検討を願っておるというようなお話があったと思うのですが、まあすでに国会の方も末期に近づきつつあるわけなんですが、非常に重要な内容を持っております放送法改正問題について、大臣はどういうお見通しを持っておられるのか、大臣のお考えを承わりたいと思います。
  19. 村上勇

    国務大臣村上勇君) お答えいたします。放送法改正諮問審議会とでも申しますか、これはただいま審議会検討中でありますが、聞くところによりますと、それぞれのこれに関係する方面の代表の意見を大体に聞き終ったというところで、いよいよ逐条的にこの放送法をいかに取り扱っていくかということはこれからだということを聞いております。従いまして当初から私はこの法案は非常に大事なものでありますので、もちろん超党派的にあらゆる各界の権威者を網羅したいい審議会にお願いしておるのでありますが、従ってこれを拙速主義ばとりたくないと思いまして、この審議に対しましては私どもとしては何ら差し出がましいことは申しておりません。実はただいま御質疑にありましたように、私もでき得ればこの国会にまとまれば提案いたしたいと思っておったのでありますが、現状を検討して見ますると、どうも答申がまあこの国会には間に合おない、かように思っておりますのでこの国会に出したいという希望は今日の場合もう私としては捨てざるを得ない、かように考えております。
  20. 久保等

    久保等君 今の審議会における審議の模様から大臣としても今国会政府として提案するということについてはもはや断念せざるを得ない状況にあるというお話しなり御説明だったと思うのですが、さらに、審議会そのもの審議について、当初はやはりでき得ればこの国会提案したいという考え方からすれば当然これは少くとも国会開会中に何らかの答申を出してもらいたいという希望は持っておられたと思うのですが、しかし、今御説明にもあったような審議状況だとすれば、国会開会中のその期間内に何らかの結論審議会として出すということ、そのこともこれはまあ私おそらく何とも判断しかねる問題だと思うのですが、ただ大臣としてどうお考え審議会審議をさせるという方針をとっておられたのか、すなわち国会開会中という期間を限定して審議会をもってその間に何らかの結論をとにかく出してもらいたいということでおかけになったのか、あくまでも内容について十分一つ検討してもらいたい、従って国会閉会後もその審議はあくまでもその放送法改正内容について十分に検討をさせるという意味からいけば必ずしも国会開会中という期間に限定されないで、その独自の立場で十分に研究審議をしてもらいたいというお考え方なのか、今日になってみれば相当国会閉会後における問題についても、私はある程度見通しが立つと思うのですが、かりに国会開会中に十分な検討が加えられて結論が出されない場合には、当然国会終了後も十分に時間をかけて、なお継続して審議をしてそうして最良の結論を出してもらいたいという方針でおられるのかどうなのか、国会開会というその期間に非常に大きなウエートを今日でもやっぱりおいてお考えになっておるのか、それともそういうことにはこだわらずに十分に国会開会中に結論が出ないということであればなお引き続いて審議会を運営して参って審議をさせるというお考え方なのか、お伺いしたいと思います。
  21. 村上勇

    国務大臣村上勇君) お答えいたします。私は国会開会中とか、あるいはまた国会閉会になったとかいうようなことには何もこだわっておりませんで、少くともこの法案重要性にかんがみまして審議会におきましては慎重に御審議を願って、時間的な制約をこれに加えるというような希望はまた私どもの方から申し伝えるというようなことは避けたいと思っております。従いまして国会閉会後といえども審議会結論が出なければ十分御審議を願いたい、かように思っております。
  22. 永岡光治

    永岡光治君 関連質問会期は五月十七日ということが予定になっておりますが、これが今度の会期になっておりますが、十七日までにはとうてい出せないというのは、もう物理的に考えて私は本国会にもう出せないという結論に達したと思うのですが、それは私の考えは誤まりじゃないと思うのですが、その点は大臣はどうお考えになっておりますか。
  23. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これはもう常識的に御判断願っても会期がすでに迫っておりますので提案することは不可能だと思っております。
  24. 永岡光治

    永岡光治君 それでこの点はこの程度にとどめて、私は次に昨日でございましたか、日中の郵便協定を結びたいというような問題について一部新聞記事が流れておりましたが、何か郵政当局でそういう情報を受けておるのか、またこれについてどう考えておるのか、郵政当局に何か考えがあったならば聞かせていただきたいと思います。
  25. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 昨日の新聞に取り上げられておりましたことにつきましては郵政当局としては別にただいま正式に中共との国交が回復していないために正式な協定とか、協議とかいうことはできておりません。ただ中共方面にまだ未帰還の人たちがおりますので、その人たちに何らかの方法で郵便物等を何とかいたしたいというような考えは持っておったのでありますけれども、正式な中共政府と日本政府との間にそういう問題についての協議その他はいたしたことはないのであります。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 郵便というものは私は国境を越えて、まあ正常国交回復があろうとなかろうと当然これは平和的な使命を持つ事業でありますし、そういう意味から考えて当然これは自由に郵便の交換ができることが最も望ましいと考えておりますが、まだ国交が回復されていない国は、中共のみならずあろうかと思うのです。そういう問題について政府としてもこれをきっかけにやはり私は方針を決定すべき時期にきておるのではないかと思うのですが、その点について何か郵政大臣、特に今後それを検討する考えはあるのか、それとも何か正常国交回復を待った後でなければ郵便の問題についでも何らの話し合いも進められない、こういうふうに考えられておいでになるか、その辺の所見を一つ承わりたいと思います。
  27. 村上勇

    国務大臣村上勇君) お答えいたします。ただいま郷指摘の通り、郵便物の性格からわれわれといたしましてもでき得る限り国交は回復していなくてもこれが正常化をはかるということについては御説の通りであります。従いまして外務省と連絡いたしまして、そういう方法がありますならば、何らかの方法によって一日も早く正常化をはかりたいとは思っております。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 昨年私国会の方からの命令で国慶節に出席いたしましたが、その際に日本の抑留者ではありませんが、向うに住んでおる方々で文通をいたしたいということで——これは文通はされておると思うのですが、一部何か不便を感じておるという情報も承わりました。従ってこういう問題についてこそ向うの動静も聞きたいし、それから内地で残っておる遺族の方あるいは御親戚の関係の方々も動静が知りたいということで、実は私はだいぶ手紙をことずかって向うに持って参りましたが、なかなかそれが紅十字会というものがありまして、向うではそれを通じて渡すというようなことで非常に不便を感じましたので、この点はやはりお互いに動静を聞いて安否を知りたいというのはもっともだと思うのでありますから、できるだけ早急な機会に国交回復とは別に私はそういう方面については特段の一つ検討をいただいて、できれば向うにおる方々の気持や内地のそういう方々の希望がかなえられるように善処を要望いたして、この問題についての質問を終ります。
  29. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言ございませんか。
  30. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 問題は別なんですが、こういうことを大臣に伺いたいと思います。それは、数日前に私のところへ日本の貿易業者の有志が参りまして、いろいろ陳情がございました。その内容を見てみますと、すでに大臣の方にも何か陳情のようなものを出したという話ですから、ある程度御承知かとは思いますが、国際電信料、電報料、これはどうも日本の貿易業者からいいますと、非常に大きな外国との競争上のガンになっているというのです。内容を私どもも調べてみたのですが、まだ十分に調べは届きませんけれども、たとえば日本からある国に打つ電報料と、それからその同じ国から日本にくる電報料、その電報料なんかが非常に開きがあるようです。日本から打つ場合、非常に高いのです。これはどうも私はおかしいと思うのです。一体こういうふうな国際電信料の取りきめは、郵政大臣がどういうふうな監督をしておられるのでしょうか。そうしてこういったのはおそらく郵政大臣として認可をしていられるのじゃないかと思うのですが、私は郵政省について公けに調べたわけではありませんが、何か国際電信電話会社のそういう問題についての働き方に対して、郵政大臣が口を出すことは法規上できないのだというような解釈を郵政当局がとっておられるような話も聞いたのです。これは公式じゃありませんからわかりませんが、しかしこれは実はこの会社法を作りますときに、法律が出ましたときに、これも公社法と同じように私ども委員でございまして、この会社法の十五条ですかば私が提案をいたしまして原案を修正したのです。初めは「業務上必要な命令をなすことができる」と書いてございましたが、これでは非常に広過ぎるからというので「公共の福祉を確保するために必要な命令」というふうに制限をつけたのです。しかし今のこういう問題のように一般公衆の利益を守るためというので料金についての命令をされるとか、あるいは設備が足りないから設備をもっとしなさいという命令をされるということは当然この十五条によってできると思うのです。その点についても解釈がまちまちでありますと、大臣が監督される場合に非常にお困りだろうと思うのです。でありますから、この法律の十五条の解釈についても、主管大臣としてはっきりとした御見解をお示しになっておく必要があろうかと思います。で、まあ監理官等を通じまして十分にお調べになる必要がありましようから、きょうここで具体的に、たとえば東南アジア地域——この東洋の地域の電信料はヨーロッパ圏内はお互いに安くしておるのですね、それと同じように安くしたらどうかというような問題もあるようです。一体に高過ぎる、だから一体に下げてくれ、特に日本から出る電信料は向うから来る電信料の何十%も高いというようなことはこれは法外だから、それを安くできるようにしたらどうかというような意見、そのほかたくさん専門的な意見もありますけれども、これを一々大臣から今ここで具体的に御見解を伺おうとは思わないですけれども、次の機会までに管理官を通じてでも十分お調べになって、これに対する郵政大臣の御見解なり今後の方針——こういうふうにしていこうということを一つお示し願いたいと思います。お願いいたします。
  31. 村上勇

    国務大臣村上勇君) お答え申し上げます。ただいま新谷さんの方にも陳情が参ったそうでありますが、私の手元にも本年初頭あたりから強い貿易業者からの要望が参っておりますが、私といたしましても日本の貿易の振興上その経費の相当部分を占めている通信費についても再検討をするということは、これは最も適切であると思います。ただいま監理官におきましてどの程度どういうようになるかということを検討さしておる次第でございます。ここ数日中に結論が得られようとは思いますから、それまで御猶予を願います。
  32. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 それでけっこうであります。そのときに伺いますが、ちょっと意見になりまして恐縮ですが申し上げておきたいと思います。こういうふうな国際競争ですから、貿易なんかはまあいろいろな方法を講じて政府としては助長の方法をとっておられると思う、海運なんかについても同様だと思います。やはりコストを安くしないとやっていけない、ところがこれなんかは、通信料なんかは、支払う者になってみれば一つの非常に外国の方は、ヨーロッパで言うと、日本の物価の三倍くらいなんですね、水準が。そういうふうな生活水準であり、物価なんです。それを基礎にしてきめられた料金と、こちらの方は同じようにやってきたというところに非常に私は問題がある。そのかわり海運会社でも通信会社でもそういうふうな高い水準できめられた運賃なり料金なりを取るわけですから、それだけその仕事をやる人たちは、通信をやる人たちはそれだけ収益がいいわけです、比較的には。そこで日本として国際電信電話会社の収益状況は、前々からいろいろ論議されておりますけれども、今後設備方面で非常に金をかけて拡充しなければならぬような問題がありますればこれは別だと思います。しかしそういう経費を差し引いてもなおかつ十分に収益が相当多い。まあうわさで、私たち数字をとったわけではありませんが、一割五分くらいの配当は平気でできるであろうと言われております。そんな状態であれば、貿易を伸張させる意味で、ことに今非常に外国貿易をやかましく言われて、外貨の収入というものに非常に重点を置いておられる政府として、わずかな競争力を与えることによって伸びていくことであれば、そういう方向に向ってこれを、電信料の軽減によってコストを下げてやるということを大局的にお考えになるのが非常に私は政府としては適当であるし、そういう方向に向われなければならないと思うのです、大局的には。でありますから、両方の調整が要りますけれども、そういう余裕がある限り、こういった措置をとっていただくことが、十五条に書いてありますように、公共の福祉を確保するために必要な勧告だと私は考えるのであります。大臣はこういう点について多少御遠慮をしていらっしゃるようにも見えますけれども、むしろ私はそれは大臣の責任だと思いますから、ぜひ一つしっかりお調べになった上で適当な措置を至急とっていただくように要望いたしておきます。
  33. 久保等

    久保等君 私公社の問題で、電気通信の問題ですが、PBXの問題で若干お尋ねをいたしたいと思うのですが、これは監理官の方からでもお答えを願ってけっこうですから、まあこの前公社が発足し、その後新しく公衆電気通信法、あるいは有線電気通信法といった法律が制定せられまする際に、いわゆる私設交換設備というもの、これの設備と保守については、もしその設備者が自分で設備をしたい、あるいはまた保守をやりたいという場合には、必ずしも公社にその設備なり、あるいは保守をやってもらうのじゃなくて、自分で特定の民間人に頼んでやってもらうというようなことが許されるような建前になったのですが、これはまあ私どもは果してそういったやり方がいいかどうか多分に疑問がありますし、またむしろ通信の性格からいって不適当ではないかという考え方を持っておったのですが、しかし当時必ずしも電気通信事業が、当時のまあ電通省ですが、電通省そのものが民間の要望に沿い得ない面が資材の面、あるいはまた人手の面等で沿い得ない場合もあるので、まあそういった場合には民間の手を借りてそういった要望にこたえるような方向を考えてもいいんじゃないかということがそういう法制の作られる理由であったと思うのですが、ところが最近このPBXの問題について、もう少し範囲を拡大してもらって、全面的にPBXは民営でやれるような形にしてもらいたいというようなことが特に業者の方から強い要望があり、また働きかけがなされておるということを聞いておる。このことについて私は直接あまりそういった要望を耳にいたしておらないのですけれども、そういう動きがあるということなんですが、すでに新しい制度が作られ二、三年を経過して、当時言われておったような立法当時の理由等から考えて、私は現行制度でそういう希望を持っておられる方も十分に働く余地といいますか、十分こういった方面で協力する面があるのじゃないかと思うのですが、それがさらに分野を広めてもらいたいと言っておられることに対して、果して今日PBXの問題が、それらの諸君の言うような要望を入れなければ、PBXの十分な設備なりあるいはまた保守といったようなものがなおかつ不行き届きといいますか、十分でないといったような面があるのかどうか、そういったことについて監理官の方から、そういう陳情なり動きというもののあることを御存じかどうか、またその言わんとするところはどういうところにその主張しておる主張点があるのかお伺いをいたしたいと思うのですが。
  34. 平山温

    政府委員(平山温君) お答え申し上げます。今久保委員からお話がありましたPBXの問題につきましては、現行法で認められたいわゆる構内電話交換のほかにもう少し仕事をふやしてほしいという意味の陳情は受けております。それからそれがどこから来ておるかということにつきましては、この制度が現在のように構内交換電話の設備に対しまして、公社でもできる、民間でもできるという制度になりましてから、両方で仕事をやっておるわけでございますが、それがやや公社に押されておると申しますか、それぞれ伸びてはおるのですけれども、やはり民間の方が当初予定したようないい仕事が出てこぬということにも原因はあろうかと思います。要するに経営が苦しいというような意味合いから、仕事をもう少し広い範囲にやりたいというところに陳情の出てきておるゆえんがあるだろうと思っております。
  35. 久保等

    久保等君 だが、業者が自分の活動分野を広げてもらいたいということは、にれはひとりこういったPBXに限らず、あらゆる場合において当然の私は要求であろうかと思うのです。ただその要求が入れらていいものかどうかという問題になってくると、特にこういった電気通信の場合にはきわめて大所高所から考えなければならない問題があるわけであります。特にこの問題を考える場合には、やはり加入者の利便という問題と、それからこの公共事業の電気通信事業という観点と、この二つの立場から私は十分に考えられて参らなければならないと思うのです。で、その以外の立場の、単にPBXの請負業者といいますか、そういった業者の考え方そのものによってこういうものが若干でもそういう方針が曲げられては、私はまあこれはゆゆしい問題だと思うのです。そのPBXが今日二本立、今言われたように、二本立でやられておるわけですから、利用者の立場から、加入者の立場から見るならば自分の好みと言っては語弊がありますが、自分が最も都合がよいと思われるどちらかにやってもらえるわけなんですから、まあ加入者の面から一体どういう判断をしているか、これも一つの私は一応判断の基準になると思うのですが、特別もう少し民営の形でやってもらった方がより都合がいいのだというような戸でも私は加入者の面からあるのかないのか、そういう声が出ておるのかどうか、そのことも参考のためにお聞きしておきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  36. 平山温

    政府委員(平山温君) 加入者の方からはとういう——加入者の場台ではこういうことを希望しているか、こういうお尋ねでございますが、これにつきましては私どもといたしまして加入者から直接、もっと民間でやる範囲を広くしてほしいというようなことは聞いてはおりません。またこれに関しまして公社の方にもそういう意見も聞いてみたわけですが、公社の方にしましてもそういう意見は特に聞いていないように承知いたしております。
  37. 久保等

    久保等君 それでは同時にですね、現行制度では非常に、現行制度ではというよりも、公社で直接PBXをやられておる場台がむしろ先ほどの御説明から推測すると量において多いのじゃないかというようなまあ御説明であったかと思うのですが、そういったことに対しての特別な苦情と言いますか、何とかもう少し考えてもらいたいといったような声、あるいは批判といったようなものも全然目下のところでは郵政当局特に監理官の方面でも耳にしておられないということでしょうか、その点もあわせて一つお伺いしたいと思います。
  38. 平山温

    政府委員(平山温君) お答えいたします。加入者の方からは直接参っておりませんけれども、先ほども申しましたように、業界の方の意向といたしましては、現在の法律でできない新しい範囲をふやすということのほかに、現在できる範囲内においても仕事をもう少しやれるようにしてほしいという御要望は聞いております。
  39. 久保等

    久保等君 まあ私はPBXの問題についてはいかに端末の通信の設備といえども、これは単に端末の設備だけとしての問題として考えられない電気通信のまあ有機的な性格を考えた場合には非常に重要な問題だと思うのです。従って通信の運用の面における全責任というものはだれが工事をやわ、だれがその工事をやった後の保守に当る建前をとろうとも、実際の通信の運用面における責任の全部はこれは公社そのものが負担していかなければならない私は問題だと思うのです。そういう点から考えて、やはり最良の技術と最良の機器を使って、しかも非常に細心の注意を払った設備の工事が行われ、また保守が行われなければならないことはこれは言を待たないと思うのです。そういう立場から考えて参った場合に、現行制度そのものに対しても私はむしろそういう立場を堅持し、かつ貫いて参るとするならば、この立法当時におきましても私は疑問をむしろ持っておったのでありまして、むしろPBXそのものもこれを一元的に公社そのものが責任ある形で設備保守等がなされていかなければ、運用面におけるやはり完璧を期し得ないのじゃないかという考え方で二本立そのものにも疑義をもっているのですが、ましてや今日の二本立になっておる制度そのものを変更して、しかもこれを民営と言いいますか、民間の業者によってその設備工事並びにその保守がなされるという行き方をさらに拡大しようというような考え方は少くとも私は許されないと考えるのです。ところで、いずれにいたしましても現行制度そのものに対して郵政当局として特に監理官の方から御答弁願ってけっこうですが、それを変更する、現行制度をいじるというような考え方は、そうすると全然考えておられないということに理解してよろしいのでしょうか、どうでしょうか。
  40. 平山温

    政府委員(平山温君) 現行法に基きまして、先ほど申し上げましたように構内交換電話設備につきまして公社と業者と両方やっております。この点につきましては基本的な考え方としましては、加入者が好むところに従っていずれかにこれを依頼してやるということになるわけでございますが、しかしこの方面、民間においてPBXの関係の仕事に従事している方々も相当ございますし、もしまたこれを活用することによって、先ほど久保先生からお話がありましたように、これが開放されたときの趣旨にもございましたが、民間資金の一部を活用してより多く電気通信設備を整備するというような趣旨も合せ考えますと、現行法のもとにおきましても民間のこういった力を活用することによって加入者の利便になり、さらに全体の電気通信事業の発展にも寄与し得るという意味合いにおいて、この業界というものも活用していくということは必要なことだろうと、私どもそう考えております。そういう意味合いにおきまして、公社の方にもそういう考え方でこのあくまで加入者の利便という前提のもとにおいての話ですが、これはこのPBXの関係業者を活用し得る面においてはこれを十分活用するように、しかも加入者の利便を十分達成し、事業をよりよく発展させるようにしてほしいということを私どもの方からも公社に要望し、公社もそういう考え方で進むということになっております。
  41. 久保等

    久保等君 私のお尋ねしておるのはそういうことではなくて、現行制度そのものを運用する運用の仕方は、これは私あの立法の当時の経緯から考えても原則としてこれは公社がやっていくのだが、ただそういう考え方を貫いていくとすると、必ずしも公社が十分に人手を持っているというわけでもないし、また資金の点においても十分に資金を持っているということもないし、とかく加入者そのものに十分に手が回りかねるというところから不利不便をかけておる面がないでもないわけだから、そういう面に対する手の回らない点、手の届かない点に対して民間の手を借りてそうして加入者の便をはかって、できるだけ早く設備がつけられ、また実際の保守の面においても完璧な保守をやって参るというふうにしたいということが、少くとも私はあの法の制定せられた趣旨であったと思う。従ってその現行制度のもとにおける運用の仕方は、今監理官が言われるような考え方をもって現行制度もとにおいてやっていくことが私は許されると思うのですが、私の聞いているのはそうじゃなくて、現行の法制なり制度そのものを何らかの形で変更する一体必要を認めでおるかどうか、法の改正等を考えておるかどうか。私はそういう必要はさらさらないと思うのです。また、今日の状況においてそういう必要性は全然認められないと思うが、念のために今そういう点について監理官の方がどう考えておるかという質問をいたしておるわけです。現行制度の中における運用の仕方、またいろいろ業者の声とかいう問題は、先ほどお伺いしたことで私も一応その事実そのものについては了知いたしましたが、一体何らか法をいじってでもそういう方面に対する声を取り入れようとする意思でもあるのかないのか、そういう必要性は全然認めないというお考え方なのか、その点を結論的にお伺いしているわけです。
  42. 平山温

    政府委員(平山温君) 現行法だけでなしに、その仕事の範囲をふやすことについてどう考えておるかというお尋ねかと思いますが、この点につきましては、先ほど申しましたように、まず現行法の中で十分考えていくということを基本に考えておるわけであります。それを、現行法を拡大してやるかどうかということにつきましては、今のところ考えておりません。
  43. 久保等

    久保等君 現行制度を変更するという考え方、法律を改正するという意思も持っておらないということ、これは今明確にお答えになったので、その点で了解いたしますが、ただ、郵政当局なり、監理官の今言われる御説明の中で、できるだけ仕事をふやすことについて云々と言うが、私は、これは非常に厳正なるべき電気通信行政をあずかる郵政当局の立場としては、何かふらふらしたような印象を受けるわけです。業者の仕事をふやす、ふやさないというような問題について、これは私は関知すべき性質のものではさらさらないだろうと思うのです。もしそういうことについて、これは郵政当局のみならず、電電公社等においても、そういう問題を今御答弁されるような形でお答えになるというようなことは、何か不明朗な印象を与える危険性があると思うのです。すなわち、たとえば電電公社がやる仕事を逆に今度は下請に出すと、内容を言えば、そういうような形でこういったPBXの問題を取り扱っていくとすると、非常にそこにまたとかくの疑惑を受ける危険性があると思うのです。従って、私は法の建前から考えてもその点は非常にすっきりしていると思うのです。加入者が公社に設備をやらせるか、それとも民間にやらせるか、これはあくまでも加入者そのものが考えればいいことであって、それを公社がある程度民間にその仕事を分けてやるといったような形で民間の協力をさせるというような運営の仕方は、私はこれは非常に問題を起す危険性があると思う。ましてや、その当事者よりも厳正な立場にある郵政当局が、業者の仕事をふやすふやさないというようなことを中心にして問題を考えるということは、私は非常に本末を転倒した考え方だと思う。ただ、答弁の十分でない点で私の誤解であるならばそれはそれでけっこうですが、あくまでもそういう形で、通信事業というものに対して業者からの強い要望があるから、それに対して何とかこたえて、仕事の分野をふやしてやるとかやらないというようなことでこういった問題を考える、また、さかのぼっては、法改正そのものももし考えていくようなことがあるとするならば、これは私は非常にゆゆしい問題に発展する可能性があると思う。そういう点で、十分に一つ通信事業というものの使命と性格というものをはっきり私はやはり認識せられた形で、しかも現行制度を十分に円滑に運用するという考え方で御処理を願いたい。これは郵政大臣もおいでですから、特にこういった問題をめぐって、どういうことを真に考えておるのか、私も業者の意向は直接聞いておりませんから知りません。しかし、自分のところに仕事がないから、不景気だからというような考え方で法そのものの改正を云々するというようなことは、私はもうきわめて邪道だと思う。そういうことから、特に今後こういった問題について、もし問題がより発展をし、進展をするという事態がありまするならば、私よけいなことかもしれませんが、老婆心的に今申し上げたようなことも十分に一つ考えを願っておきたいと思う。  PBXの問題につきましては私は以上で終ります。
  44. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言ございませんか。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時六分散会      —————・—————