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1956-03-22 第24回国会 参議院 逓信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十二日(木曜日)    午前十時五十九分開会     —————————————  出席者は左の通り。    理事            宮田 重文君            久保  等君            柏木 庫治君    委員            石坂 豊一君            白波瀬米吉君            新谷寅三郎君            津島 壽一君            最上 英子君            三木 治朗君            山田 節男君            八木 幸吉君   政府委員    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   参考人    日本放送協会理    事       岡部 重信君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○放送法第三十七条第二項の規定に基  き、国会承認を求めるの件(内閣  提出衆議院送付)     —————————————
  2. 宮田重文

    理事宮田重文君) それでは逓信委員会を開会いたします。  委員長が所用のために委員長の委託によりまして、私が委員長の職務を行います。  別に報告事項もございませんので、これより本日の議事に入ります。  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  郵政当局のほか、日本放送協会からも参考人として関係者が出席されておりますから、御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
  3. 久保等

    久保等君 NHKの三十一年度予算ですが、いろいろお尋ねしたいこともあるのですけれども、まあ昨年の年末ごろから本年の一、二月ごろにかけて、特にNHKのいわゆる日放労——日本放送協会労働組合ですか、これと協会側との間における給与問題をめぐっての紛争問題が問題になっておったわけですけれども、これの問題について一応協会側の方から経過の御説明をお伺いいたしたいと思います。
  4. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 日本放送労働組合との給与に関するいろいろ交渉経過でございますが、結論的に簡単に申し上げますと、この三十一年度給与引き上げについての要求でございますが、その内容としましては、月額平均二千四百円を引き上げることというのが主眼点でございます。それにつきまして再々交渉が行われ、闘争手段として一時あるいは電波にまで影響を及ぼすというような懸念もあったわけでございますが、協会給与がどうあるべきかということについてはいろいろ問題はあると思います。組合としては類似事業との関連においての給与水準が低いということを根拠とした理由、それから一般産業に比べますと、NHK給与というものは表面上これに劣ることはないが、職員厚生内容から見ると一般産業よりも劣る、そういうような点を主として二千四百円の引き上げを要求したわけでございますが、再三の交渉経過において、闘争手段として電波をとめるというようなことは一応保留されたわけでございます。しかし、この予算について組合としては満足しているわけではないのでございまして、そんたくしますのに、この予算が御承認を得ました暁において、総則弾力条項等についてさらに具体的な交渉が開かれるのではないかと、かように考えているわけでございます。
  5. 久保等

    久保等君 御説明の中で、NHK従業員に対する厚生施設がやはり十分でないというような御説明でありますが、われわれ確かに地方へ参って各放送局等でやはり感ぜられますることは、一般局外者NHKというものに対して考えております非常にいわば一種のはなやかな事業であるといったようなことから、知らない一般の国民の気持からするならば、NHK従業員待遇といったような面が、厚生福利施設の面でも相当充実しておるのではねいかというような気持一般気持ではないかと思うのですが、しかし、事実は非常に厚生施設らしい施設をほとんど見ることができないような実情にあるのです。こういったような点について、私はNHKが特にどういったような方面に、たとえば施設等の面について全国放送局等についてお考えを持っておるのか、それからまた三十一年度でどういったことを具体的にお考えになっておるのか、二三御説明を具体的にお伺いしたいと思います。
  6. 岡部重信

    参考人岡部重信君) ただいま久保さんからお話しのありました厚生施設の面でございますが、御承知通り、比較的協会の歴史といいますか、始まって以来年月がたっていないというようなこと、従いまして、何と申しますか、全国あまねく聞えるようにというような放送法に課せられた使命と建設事業、それに引き続きましてさらに最近テレビジョンというようなことが起ったために、やや厚生施設というものについては十分でない面もあるかと存じます。ただこの数年にわたりまして及ばずながら厚生面に力を入れていくことにいたしたわけでございますが、そのおもなものといたしましては、大体三方面くらいから申し上げたらと思いますが、協会直接にやる面と、それから健康保険においてやっておる面、それから共済組合においてやっておる面という点の三点かと思います。それで協会自身としてやります分につきましては、漸次健康保険に委託すると、あるいは共済組合に委託するという面がおもな面でございまして、まあ厚生という面にはまだいっておらんかもしれませんが、職員住宅というような問題について毎年若干ずつの建設あるいは借り入れをいたしております。それからどこでもやっておるような温泉地における休養施設というようなものでございます。それから健康保険関係といたしましては、御承知通り、この主眼点療養所がおもでございますので、療養所の面は、あるいは厚生施設と言えるかどうか、まあ広い意味では厚生施設だと存じますが、各中央局を単位といたしまして、いずれも一、二カ所の結核療養中心とした病棟を施設しております。それから、大体各中央局ごと療養所的のものを施設しております。それから共済組合関係につきましては、これは中心都市におきまして、東京ですと上京する職員のための宿泊所とか、大阪とか、名古屋にも若干いたしておりますが、そういう宿泊設備、あるいは最近におきましては未だ私の方としては非常におくれておるわけでありますが、東京における子弟の勉学のための施設を、ただいまようやく着手しておる、かような状況でございます。それから今お話しの中にありましたように、非常に困る問題は小さなところでございます。人数が少い関係上、施設面がなかなかそういうところまでは及ばない。若干の人数のある、県庁所在地のある局でありますと、場合によりますと適当なところの旅館の一部を借り受けの契約でやるというようなこともいたしております。なお、小さなところではやむを得ませんから、運動用具というようはものをいささかなりとも備えつける。そういうような、きわめて概略なお答えでございますが、状況でございます。
  7. 久保等

    久保等君 普通厚生施設一般的な設備の拡充、整備に相伴って、解決されていかなければならないと思うのですが、たとえば予備費の問題にいたしましても、収入予算額に比較して予想以上に上回ったというような場合に、この金が予備金に繰り入れられ、それが経営委員会議決等を経て、一般施設改善等に充てることができるというような予算総則になっておるのですが、特に住宅面等の問題は、私はやはりこういった予算額に比較して、当初の予定よりも収入増加をしたといったような場合においては、当然一般設備と同じように、厚生関係施設等にも振り充てられて、今日まで参っておるのかどうか。それからまた、今後特に三十一年度の場合等にも、そういった場合には、やはり今言った非常に厚生関係施設等が、なかなか一般施設、あるいは設備等改善等が、今日NHKにとってはやはり非常に大きな課題でありますし、そういう点からとかく手が回りかねるという実情にあると思うのですが、そういう場合にやはり私当然そういう収入増のあったような場合には、厚生関係施設等についても、NHKとしては考慮すべき問題だと思うのですが、こういったことについて、NHKではどういうお考えを持っておりますか、お伺いをしておきたいと思います。
  8. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 総則の第七条に関連してのお尋ねがございましたが、われわれとしましても、今お話しのような増収という場合に、いろいろ職員努力というようなものが非常に関連があるのでございまして、それを励ますという意味においても、たとえばちょっと社宅とか、あるいは寮のようなものは、これを取り上げていい対象だと存じております。それで今年度はちょっと忘れましたが、かつてそのような考え方からして、一つ聴取者増加を、責任を割り当てまして、その責任を非常に超過したような場合に、ある種の比率でその局の最も緊要とするであろうような療養所というようなものに、制限をつけて振り当てたことがございます。なお三十年度増収分からも、若干ただいまお尋ねのような方面に、これを回しているような次第でございます。
  9. 久保等

    久保等君 まあベースアップ問題についての問題をさらにお伺いしておきたいと思うのですが、まあそれは今次日放労ベースアップ闘争をめぐっての問題についてでありますが、一月の十一日であったと思いますが、ストに突入するといったようなことで、非常に強力にこの問題が取り上げられまして、その以前に、昨年来団体交渉等が持たれておったようでありますが、まあ幸いにしてストといったような最悪の事態を回避して、問題の一切が今日なおしかしこの予算審議国会にかかっておるという実情にある点を私承わっておるのですが、まあさらにその後いろいろと一般官公労関係、あるいは民間等を含めての総評等で言われておりまする春季賃上げ闘争といったような問題が発展をして参りまして、本日は大臣がお見えになっておりませんから、お伺いをするわけにも参りませんが、とにかく一般公共企業体関係について、政府調停案を受諾するという態度を決定しております。まあそういう今日の発展をみておりまするが、しかしNHKの場合におきましては、よほど時期的にはさかのぼって、昨年の秋から年末にかけて、特にこの問題が非常に緊急的な状態におかれておったように思うわけですが、私はまあNHK放送協会当局としては、天下の大勢がどうであろうと、とにかく従業員との間における団体交渉に非常に誠意を持って、この問題の解決努力せられたと思うのです。それで今日のようなベースアップ問題が非常に大きな、政府当局にとっても政治問題化しておるといったような情勢の推移については・当時もちろん何らこれに対して推測ないしは予想をすることもできなかったと思うのですが、一般的な民間、あるいは国家公務員なり、公共企業体関係、こういったような問題については、NHKとしては私は当然その当時、昨年の暮から、本年の一月ごろにかけて、当局側としては、一般の問題がどういうように推移するかということは予想しなかったと、情勢としては私判断するのですが、これはまあ当然そうじゃないかと思われるのですけれども、念のためにちょっと伺っておきたいと思います。要するにNHK外政府関係機関なり、国家公務員等の問題が具体的にある程度予想せられておったかどうかという問題について、念のためにちょっと伺っておきたいと思うのです。
  10. 岡部重信

    参考人岡部重信君) ただいまお尋ねの、春季闘争及びその結末がどのようであろうかというようなことについて予想はどうだったかというお尋ねのように伺ったわけでございますが、ちょっと私どもとしては、その予想を、当時どうだろうかというようなふうまでは予見し得なかったと申し上げるのが正直なところじゃないかと思います。
  11. 久保等

    久保等君 もちろん普通の常識から言っても、またNHKが、本年の一月上旬ごろがいわば最も緊急な、といいますか、緊迫した情勢に置かれておったと思うのですが、まあ、そういう当時の情勢で、二カ月あるいは三カ月後の今日の情勢が、しかも一般的な情勢が、どうなるかといったようなことについての予想がつかないのは、これは当然だと思うのです。まあ、それで私は念のためにその点伺っておいたのですが、この予算総則の第六条の問題についてですが、「予備金は、予見しがたい予算不足に充てる以外にこれを使用することができない。」という条文がございますが、これは電波監理局長の方にお尋ねいたしたいと思うのですが、この中には私は一般的な問題としてここに規定されておると思うのですが、その中には当然給与問題等についての場合もこの中に含める場合があると思うのですが、電波監理局長はどんなふうにお考えでしょうか。
  12. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) この問題につきましては、一般的には使用できないように考えられておりますけれども、非常な経済激変というふうな場合には、これが適用できるのではないかと考えております。
  13. 久保等

    久保等君 ですから、私の今お尋ねいたしておりまする、ここに書かれておりますることは、要するに予見しがたい場合における予算不足という場合に予備金が使われるのだということが言われておるのですが、その中には、やはり予見しがたい事情によって、ベースアップを行わなければならぬという事態が出た場合には、やはり予備金からこれを支出するということもあり得ると私は存じますし、また、今の電波監理局長の御答弁もへそういう点は肯定せられておると思うのですが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  14. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 久保委員が仰せられましたように、全く予見しがたい経済上の変動のあった場合には、これを使用して給与に使えるだろう、そういうこともでき得るだろうということを考えております。その通りでございます。
  15. 久保等

    久保等君 このことは今の大臣ではございませんが、前の松田郵政大臣の当時においても、そういった点が逓信委員会で問題になり、松田郵政大臣からやはりその点はっきりと答弁がなされておりますし、今の電波監理局長の御答弁もそういった点と私は一致しております。そういう点で予備金も、これを今言った予見しがたい経済情勢変動と言っておりますが、しかし、まあ経済情勢変動のみならず、私はこの前の松田郵政大臣の御答弁のときに、質問者質問の要旨を念のためにちょっと申し上げてみたいと思うのですが、昨年の三月二十六日の逓信委員会における質疑応答内容として、「たとえば官公労給与ベースアップされるとか、あるいは民間給与が上る。特に日放労の場合は同業種である新聞社給与が上って、新聞者給与日放労の諸君の給与とアンバランスになる、こういう場合には予見しがたい予算不足に充てるということで、この予備金を使うことができるか、」という質問に対して、松田郵政大臣は「それは予備金の性質にかんがみて、やむを得ない場合には予備金から支出するという場合があり得る」という答弁をし、さらにその点が繰り返してその後も確認されておるような議事録を拝見するのですが、そういう点から、単に経済上の変動というだけではなくして、客観的に他との均衡問題等考えあわせて、しかも官公労その他のベースアップという問題炉経済事情変動とかなんとかいう問題よりも、長い間たとえば昇給がストップしておったとかはんとかいうことで、ある一定時期にそのベースアップが若干なりと実現するという事態が出て参りますならば、必ずしも経済情勢という問題よりも、一般的な他の、まあ民間ベース、あるいはまた官公労ベースそのもの変動によって私はやはり当然NHK従業員に対するベースアップの問題も考慮して参ることは、また当局としての当然の措置だと思うのですが、従って、ひとり経済情勢変動といったようなことには限られないと思うのです。その点今特に経済情勢といったことだけを具体的に取り上げて御答弁になったのですが、まあそれは私は一例だと思うのですが、いかがでしょうか。
  16. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) この経済上の激変の場合にはということを一例として申し上げたわけであります。いろいろの社会上の変化が起って参ります。それにつきまして、その情勢をよく分析して理解した上において、どうしてもこれば使わざるを得ないだろうという場合においては、この予備金を使うこともやむを得まい、そう考えております。
  17. 久保等

    久保等君 わかりました。
  18. 山田節男

    山田節男君 今の久保委員質問に対する濱田監理局長答弁ですが、予備金の本質からいって、今監理局長は、経済事情変化があった場合ということを言われるのですが、それはたとえばなんですか、インフレーション、極度のインフレーションが起きて、現在の給与ではどうしてもいけない、こういう場合には予備金を使用し得るというのか。これは御承知のように電電公社法を作ったときに、給与総額伸縮性を持たすということ、非常にこれは問題となったのです。当委員会としては、経済上の激変があった場合には、給与総額に対して伸縮性を持たせろという一項を持たせた。これは予算問題とは別として、給与という問題でやったのです。今の濱田局長答弁では、予備金経済上の激変があった場合には、たとえば天変地変があった場合は、給与に関しても、予算総則の第六条を適用して、ベースアップではないかもしれんけれども、事実上の給与の増額ができる、こういうふうに解釈しておられるのですか。
  19. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 給与の問題は原則といたしまして予備金という中できめるのでなくて、給与管理費というような方面においてきめておくべきものであろうと思うのであります。今日では経済事情激変というようなことが予見できない、それは今日物価が横ばいの状態であります。そういうことを予見できませんけれども社会情勢変化によって、あるいは物価がだんだん上ってくるとか、またNHK給与と他の諸企業との関係において相対的に考慮しなければならぬという場合が非常に強く要求される場合においては、例外的にこれを使うのもやむを得ないだろう、こういうふうに考えておるわけであります。
  20. 山田節男

    山田節男君 NHKはこの予算総則の第六条ですね、そういうように解釈しておられるかどうか一つ伺いいたしたい。
  21. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 少し山田さんのお尋ねに合わないかもしれませんが、予備金使途については、濱田局長お答えになったと大体同じように考えております。ただ、この給与の何といいますか、給与予算が増額するのかというお話しだとすれば、予備金給与の項に充ててそれから支出するというような事実操作をいたしますから、そういう意味ではお尋ね給与の項の金額増加ということは言えるだろうと思います。
  22. 山田節男

    山田節男君 そうするとNHK従業員の大体予算に充てておるように給与総額といいますか予算が出ているわけですが、今のようにベースアップをしなくちゃいかぬ、こういう場合には勢いワクがはみ出るわけですから、その場合において予備金を使用し得るという見解を持っておられるのですか。
  23. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 政府の方から御答弁なさった通り、私どもとしては先ほど久保委員からもお話がありましたが、この予備金給与に使えるということについては、たびたび当委員会でもお話があり、また、社会経済情勢といいますかの激変のようなことがあった場合には、客観的にそれが激変と認められ、また予備金を使うということが社会通念上やはり妥当だと認められる範囲であることはもちろんだと思いますが、予備金対象になる、かように考えておるわけであります。
  24. 山田節男

    山田節男君 これは三十一年度NHK予算金額から見て、たとえば天変地変があって放送局施設がこわれたり何かして、これが不幸にしていつもいつもそういうふうになった場合には、とてもこの予備金ではまかない切れぬというような場合もあるのじゃないか、そういうことが想定される場合ですね、今のこの給与総額というもののワク伸縮性が持たれていないという建前でいけば、第六条の予備金も緊急の場合には使用し得るということにいたしましても、これだけの予備金ではこれは八千人に近い従業員の者に対してまかない切れぬじゃないか、そういうことを想定するならば、もっとこの予備金も僕は多く見積るべきであると思うのですが、そこらあたりに今の濱田電波監理局長説明NHK経理担当予算を計上する場合に非常にそういう違いがあるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
  25. 岡部重信

    参考人岡部重信君) この予備金金額についてのお尋ねでございますが、おっしゃる通り天災地変というような暴風などがおもなものですが、古くは、古くはといいましても二十九年度以前ぐらいでございますが、御承知通り物価が非常に上っていくというのでこの予備金が主としてそれに充てられていたわけでございますが、この二十九年度、三十年度あたり予備金対象となるような物価の値上りというものは非常に少くなってきております。それから御承知の本年度あたりは台風の被害というものが非常に少かったわけでございます。それから二十九年度も少かったわけでございます。それで従来二億五千という予備金を置いたわけでございますが、そういう観点からしまして今年度は実は五千万円減らして二億にしたわけでございます。それから今の従業員待遇の問題につきましては、御承知通り総則弾力条項によりまして、企業努力による予定外増収並びに節約によって生れた金額職員給与に充てる、かような処置をいたしまして、三十年度は御承知通り年度中途でございますが、二十九年度、三十年度これに対処してきた次第でございます。
  26. 久保等

    久保等君 ラジオ予備金は三十一年度は二億円になっておるのですが、三十年度はたしか二億五千万円ということであったと思うのですが、今の御説明予備金使途は三十年度あるいは二十九年度あたり等の経験に徴して、比較的そう多くを見積らなくてもよろしいのじゃないかという考え方で五千万円程度削減したかと思うのですが、三十年度はまだ年度の途中ですが、しかしほぼこれも見通しがついておると思うのですけれども、二十九それから三十両年度において予備金の支出がどの程度金額であったか、ラジオテレビジョンに分けてちょっと御説明願いたいと思うのです。
  27. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 二十九年度の点につきましては、後刻ちょっと調べましてお答えさしていただきたいと思いますが、三十年度の見込みでございますが、三十年度はただいまお話しのありました通り二億五千、これを計上したわけですが、先般当委員会で決算の際にお話が出ました当委員会の御要望によりまして、新聞会館を買収いたしたわけでございますが、それがおもなものでございまして、大体ただいまの予想では一億二千七百万くらいですか、大体一億三千万円程度じゃないかと思っております。二十九年度の点はあとからちょっと申し上げます。……テレビジョンの方は今のところ予定ございません。
  28. 久保等

    久保等君 先ほどNHKの方へもお伺いをし、それからその後に電波監理局長からお伺いいたした両当局の御意見を総合して、私はやはり当面NHKとしても非常に大きな問題であり、かつ未解決のままになって参っておりますベースアップの問題につきましては、少くとも客観的な経過等については、先ほど私がお伺いをいたした過程でちょっと申し述べたような状況等もあり、そういった点を考えあわせて、十分にこの予備金等の問題をも考慮に入れて早急に問題の解決をはかる必要があるし、またそういったことは、この予算の立て方そのものも十分に考慮せられておるという問題に結論はなると思うのですが、そういう点でNHKのこういったベースアップ等の問題が長く長期にわたって未解決のままになるということはこれは事業上の面から考えても私は非常に憂慮すべき問題だと存じますし・ごく最近出て参った政府当局調停案に対する問題についても、これが早急に解決をはかろうという情勢の中にありますだけに、NHKの問題については昨年来からの問題であり、本年の一月十一日にストに突入するといったような情勢をも引き起しでおったわけですが、これが予算審議といったような問題から未解決のままに今日なっておると思うのですが、そういう点を考えあわせて、特に早急に問題の解決をはかってもらわなければならないと思うのですが、その場合に予備金等の問題をも考慮に入れて早急に私は解決をはかっていただかなければならんと思うのですが、NHKのお考えをこの際承わっておきたいと思うのです。
  29. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 職員待遇改善につきましては、私どもも及ばずながら最善の努力を尽している所存でございますが、お話し通り問題の解決を早期にはかるということは最も重要な点でございますので、先ほども申し上げましたように、いずれこの三十一年度予算の実行に当りまして組合との協議ということが起るわけでございますが、できるだけの努力を尽しまして問題を長引かせないようにして解決したいと存じております。なお、ただいま会長がおりませんので、後刻参ると存じますが、会長からもお答え申し上げることと存じます。
  30. 山田節男

    山田節男君 今の久保君の質問関連してですが、給与の問題で電波監理局長にちょっとお伺いしますが、御承知のように二千円ベースアップの問題で三公社五現業が調停を頼んで三公社五現業に裁定案が出ているわけですね。NHK事業の性格からいえばこれはむしろ公社に近いものである。そうすれば三公社に対してのベースアップの要求に対する裁定案の中で四項目が出ているわけです。そのうちのこれを見ますと、その中の一つである定期昇給の予算化、これはNHK説明を見ても書いてあるわけですが、あの第一項目にあったベースアップというものにかわるといいますか、暫定的のものとして五千円の手当を支給する、調整手当、このNHKと三公社の法律上の性格からいえば、こういう長い間二千四百円のベースアップというものを日放労が出しておるわけです。今も言われておるようになかなか片がついていないのです。そうすればやはり監督官庁である郵政省がこれに対して調停案に類似するような一種の裁定といいますか、一種の裁定をこれは郵政省として出すべきじゃないか、と申しますのは、昨年の秋以来、この日放労NHKの経営者の間に長い間の団体交渉を継続していまだその結論が出ない。先ほど言われたようにストにたよろうということまで事態はきている。そうすれば郵政省としてはやはりこの三公社に少くとも準じた裁定案というものを下さないと、なかなかこの結論が経営者と労働組合では出ないんじゃないかと思うのです。この点についてどうですか、どういう見解を持っておりますか。
  31. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 日本放送協会が三公社と同じような性格であることは御承知通りであります。これにつきまして政府が何か裁定案を出す気はないかというような御質問でございまするが、これにつきましては目下NHKの経営者と組合の間におきましていろいろ折衝が進行中であるというようにお聞きいたしておりますので、それによりましていろいろ案を考えて、この両者が最もいい妥結点にくるように念願して、またそういうふうなもしも希望がありますならば意見を申し述べたい、こういう考えでございます。今日郵政大臣が、来ておられませんので、これにつきましてはっきりしたお答えは申しかねる次第でございます。
  32. 山田節男

    山田節男君 そうしますと、この問題について団体交渉がすでに半年以上も継続されて満足すべき結論が出ない。この中にNHK予算案を見るというと、定期昇給分については三十一年度において予算化する、これしかうたっていないわけです。そういたしますと今政府がのんだやにうかがっておる三公社に対する調停案というものの、少くともそれに準じたものはNHKの要求を受け入れてやるべきだ、こういう実は考えが出てくるわけです。それでこれはNHKの当事者間で今日まで半年間なかなか妥結すべき結果が現われなかった今日、最近になって三公社五現業に対する裁定案というものが出て、三公社の方はもうすでに労働組合がのみ、政府ものむやに私は聞いておるわけです。そういたしますと、この団体交渉の過程においてNHKの労働組合と経営者とは一つのサンプルができたわけです。これによって要求するだろうと思う。ところが経営者としては予算関係からできない。予備金もたった二億円しか計上していないのだということになりますと、そうした場合にやはり監督官庁である郵政省としては、このサンプルが出ている以上は、これに準じて何とか妥結させるというような僕はそれだけの気持はあってしかるべきだと思うのですが、今までNHKから郵政省に対してそういうような相談もないし、また郵政省としてもNHKに対してそういう一つの何といいますか、調停案を示して、懸案になっている、この争議の問題になっているものを解決しようという意図をお持ちになっていないのかどうか、この二点をお聞きしたい。
  33. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) かようなサンプルが出ました以上、政府も当然考えるべきだというお考えはごもっともではございますが、先ほど申し上げましたように経営者と組合との間の交渉がある程度進捗しておるように聞き及んでおりますので、これにつきましてはNHK当局からお聞き願いたいと思います。
  34. 山田節男

    山田節男君 それでは今の質疑に対してNHKの何といいますか、お気持一つ伺いしたいと思います。
  35. 岡部重信

    参考人岡部重信君) 先ほども若干待遇改善のことにつきまして申し上げましたが、もちろん三公社に対するいろいろの何といいますか、調停案、調停ですか、などは私どもとしては十分参考にしてこれを検討しなければならん問題だと思います。しかしまた、一方から言いますと、御承知通り労働関係法規の適用につきましても、三公社とNHKとは違うところがございます。それで私どもとしてはできればもう組合と経営者との協議において問題を解決していきたいというので、ただいまもやっておるわけでございます。それでこれに対してもはやそういうことはだめだというふうには私ども考えておらぬわけでございます。なるほど予備金というような問題についても、考えによっては非常に不足かもしれませんが、先ほど申し上げたような観点からすれば一応この予備金で足りるのではないか、私どもとしては今後組合のただいま御指摘がございました昇給原資というようなものにつきましてこれをお認め願った暁におきましては、この原資を十分活用し、それで七条の活用によりまして、企業努力でそれによって特別の給与をして、そうして他の企業体というものにあまり違わないようにしたいと、かような大筋の考えを持って今後交渉にも当っていきたいとかように考えているわけでございます。
  36. 山田節男

    山田節男君 もう一つテレビジョンの三十一年度予算に関してですが、この表を見ますと、テレビジョンの放送費は三十年度の三億七千万円に比べて、五億六千六百余万円になっております。約二億円ばかり増加しているわけですが、このテレビジョンはすでに放送を開始して三年度になっており、大体順調に視聴者がふえていると思うのですが、外国に例を見ましても、テレビジョンの視聴者の数というものは算術級数的でなく幾何級数的になっております。それが例外なく原則的になっております。日本の場合においてもそうあるべきことを希望するのですが、ことにテレビジョンの放送の時間、これを延長するということ、それから放送番組をやはり視聴者に魅力を持たせるという、いわゆる放送番組の質の問題、これにやはり相当の力を注がないと視聴者というものはふえないんじゃないか。それともう一つは、国内国際に、どうしてもやはりラジオでは果し得ない、テレビジョンでなくては果し得ない特殊のものを送るというようなことが、テレビジョンの視聴者を増加する原動力になっておると、私はそういうように解釈するのですが、三十一年度すなわち第三年度のテレビの放送費というものは前年度に比べて約二億円の増加である。もちろんこれについては今申し上げたように相当留意されて二億円の増加をされたと思うのですが、ことにこういう初期においてはむしろこういう点は予算上の放送費として過剰なウエイトを持っておっても、たとえばこれを八億円にするぐらいにする方が、やはり経営から考えていくと視聴者をより幾何級数的にふやせるという見込みが私は立つのじゃないかと思います。こういう点から考えますと、今年の放送費を前年度よりも二億円ふやしたことは非常に保守的な計上だと思うのですが、どういう基準で二億円だけを増加されたか、その経過一つ説明願いたいと思います。
  37. 岡部重信

    参考人岡部重信君) テレビジョンの番組については今御指摘の通り、私どもとしましてただいまの番組が最善のものであるというようなことは、毛頭考えておらぬわけでございます。皆さんの御意見も十分承わりまして、よりいい番組にしたいと常に考えておるわけでございますが、この放送費のふえ方の問題についてですが、ふえ方自体としては金額から申しますと山田さんのおっしゃる通りなるほどまだ二億足らずじゃないかとおっしゃいますが、率からいいますと相当の増加率でございます。それでこのテレビジョンにつきまして放送番組の何といいますか、ただいま予算としましては、七時間の放送時間をもって編成しておるわけでございますが、大体定期の番組としましては五時間半でございます。それにスペシャル・イベントと申しまして、たとえば国会の中継とか、相撲の中継とか、舞台中継などのスペシャル・イベントのものが一時間半でございます。それで七時間という予算の立て方になっておるわけでございます。ただ本年度におきましては、番組の内容の充実という面にもむろんこの所要経費を充てておりますが、それより先に計上しなければならぬ仕事がございます。それはもう御推察の通り年度におきまして九州から北海道までのおもな局ができ上るわけでございますので、マイクロ・ウェーブの借用料というものが非常にふえて参るということがおもなものでございます。それとこのテレビジョンの何と申しますか、進歩がはなはだしいと申しますか、そのために建設費でなく、いろいろ技術的の改修をしなければならぬというようなものでございます。それでただいまお話しのように、この金額を五億なり、六億なり増してよりよくしたらいいではないかというお考えも、確かに私もごもっともだと思います。しかし一方から言いますと、申すまでもないのでございますが、私ども炉当初の計画として、こういうNHKのような企業体として採算の年度をいつにおくかというときに、五年目ぐらいにおくのが妥当ではなかろうか、十年ではちょっと金融関係その他で持ちにくいという考えのもとにおきまして、御承知通り三十二年度で黒字が出るという立て方をしておるのでございます。一方、受信者の伸びはどうかといいますと、二十七年、二十八年、二十九年の三カ年は予算で御承認を得た数字についに達しなかったわけでございますが、ただいまお話し通り、この増加というものはある意味で、何といいますか、幾何級数的のものでございまして、最近ようやく受信者は伸びて参りまして、本三十年度におきましては初めて御承認を得た予算の受信者の数を上回ることができるのじゃないかという予想を持っておるわけでございます。一つには番組の面というものが受信者を伸ばすことは当然でございますが、また一方から言いますと、できるだけ早くテレビジョン建設して、全国の方々にできるだけ早い機会にテレビジョンが見られるようにしたいという一つの大きな要素もございますので、本年度におきましては、私どもとしましてもお話し通りこれをもって足れりとしておるわけではございませんが、やむを得ずこの程度にとどめたような次第なのでございます。
  38. 山田節男

    山田節男君 テレビジョンの、民間放送と比較して見て放送時間がこれはNHKとか、特殊の場合がございますが、概して見ると民間の方が放送時間が長い。民間放送はもとより商業放送ですから、スポンサーがつけば幾らでもやることが経済的にもできるわけです。しかし、今のような民間放送の放送時間が長くて、NHKはそれよりも短かいという情勢が続くということは何といいますか、公共放送だから放送時間が長くなくちゃならぬということは言えませんけれども、もとよりこれは質の問題を考慮しなければなりませんけれども、こういう点がやはり公共放送として、ことに公共的立場から放送すれば、先方が八時間半すれば十時間くらい公共放送の建前からスポンサーがなくてもやらなくちゃならぬというような義務は一つもないんじゃないか、こういうことを含めての御質問を申し上げたのですが、NHK建設の方へ金をよけい回してやるということならこれ以上追及いたしませんが、もう一つラジオ放送の方の三十一年度予算額に約二億円ばかりの技術研究費というものを計上しておられる。これはテレビジョンの放送の方では技術研究費というものが計上されていないわけですね。御承知通り中部地方のように山岳地帯が多くて、テレビジョンの放送ということになれば雑音もありましょうし、あるいは地勢上の関係で映像が非常に不明瞭である、こういう点も外国より、よそよりも多いんじゃないか。これはやはりテレビジョン設備をどんどん拡張するからには、そういった方面の放送技術の研究も私は相当必要じゃないかと思う。  それからもう一つは、放送技術というものが年々進歩しておる、また今日の施策というものは三カ月あとにはもうすでに古い。こういうような時代なんですから、ラジオよりもむしろテレビジョンの方は技術の日進月歩のテンポが早いということになります。そうすると多くの技術研究費をテレビジョン放送に置かれるべきじゃないかと思いますが、名目上においてはテレビジョンに技術研究費というものが計上されておらんわけです。これは一体どういうような理由でそういうふうになっておるのか、御説明願いたいと思います。
  39. 岡部重信

    参考人岡部重信君) テレビジョンにつきまして、たしか二十七年からでございましたか、予算の御審議をいただいておるわけでございますが、このテレビジョンをその当時から実施していく上の一つ考え方といたしまして、テレビジョンの経費というものをラジオと区分をする。しかしその区分に当って何と申しますか、研究費までテレビジョンの方の部分から出していくというほどのことはないのではなかろうか。要するにこれほどまで重荷をかけていっては、とうていテレビジョンの普及発達ということは無理ではなかろうかというような意味合いにおきまして、二十七年度予算御審議からずっとこの研究費というものは一本にまとめて計上しているわけでございます。従いまして今お尋ねのようなテレビジョンの研究が、日本の地勢並びにテレビジョン技術の進歩の度合の激しさというものから、技術の研究の必要がテレビジョンにあるんじゃないかというようなお話しのように承わったのでありますが、そういう意味合いでテレビジョンの方に研究費はございませんが、ラジオの方と共通でテレビジョンの研究をいたしておりまして、こまかいことを申し上げますと、このテレビジョン関係の研究費が約八千万円を占めておるようなわけでございまして、今のお話の、日本の地勢に応じた送信方式の問題、それからNHKにおきましては、現在のラジオの鉄塔というようなものをテレビジョンに供与するのにはどういうふうにしたらいいかというような研究、それから特に最近カラー・テレビジョンの研究に相当の重点を置いて、これを実施しておりまして、ごく最近の機会に、最近のカラー・テレビジョンの研究の一端をごらんいただけることができるのじゃないかと存じておるわけでございます。それで繰り返して申し上げますが、そういうふうにテレビジョンの研究は全くお話し通り必要でございますので、研究所でこれを鋭意やっている次第でございます。なお、ただいま申し上げた金額は、何と申しますか、テレビジョンの申し上げた金額のほかに、大部分輸入に仰いでいるようないわゆるイメージ・オルシコンの研究とか、その他の電子管の研究については、また別に経費が計上されている次第でございます。
  40. 山田節男

    山田節男君 では最後に、このNHKの技術関係の方はお見えになっておりますか。……浜田局長にちょっとお伺いしておきますが、この中部のラジオ放送の場合ですが、御承知のように周波数が非常に混雑しておる。それから従って混信度も非常に多く、ラジオの何といいますか、声の質というものも非常に乱れがちになっておることは御承知通りなのです。これは日本だけではなく、ヨーロッパにおいてもアメリカにおいても非常に混線が激しい。従来の周波数の中波標準放送を聞いていますと、次第に長短波に、これは御承知のように放送のクオリティからいえばFMの方がいいのです。次第にFM放送に切りかえていくという大勢にあるように私は承知しておりますが、日本のこれらの質というものは、ことに周波数の周波における混雑状況から見て、将来やはりラジオ放送というものはFMに切りかえた方がいいのじゃないかと思います。こういうような点について郵政省あるいは放送局はどういうふうな心がまえになっておりますか。それならばそれとして、やはり研究するにしても、そういう方面に研究のウエイトを置くべきではないかと思う。濱田局長から、専門家であるからこういう点についてどういうものでしょう、見解を一つ伺いしたい。
  41. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) この周波数変調方式の放送は非常に魅力があることは、ただいま山田委員のおっしゃった通りであります。日本の現状は中波の放送が多く、混信や何かで大へん困っておる。それからまた海外の外来電波においても困っている状態でありますので、私個人といたしましては、非常によくなると思います。場合によりましたならば、日本の放送はやがて超短波放送、周波数変調方式を使った超短波放送になったらばいいんじゃないかというふうに考える次第でございますけれども、今日急にこれを採用していくというのにはいろいろ困難な状況があります。これにつきましては、今から綿密に研究をして、そうしてある時期になったならばこれを採用するのがよかろう、そういうふうに考える次第でございます。これに関しましては、先ほど岡部さんからお話がありましたNHKの研究所におきましても、ラジオテレビジョンの研究を一本にまとめてやっておるというお話がありましたが、この方法なんかはその準備になる一つの分野であろうと思われますので、御承知のごとくテレビジョンの音声放送は、これは超短波周波数変調であります。従って、今日すでに研究が続けられておるものと考えてよろしいのであります。問題はいつ日本において実施すべきかどうかということになろうと思うのであります。大体そういう考えを持っておるわけであります。
  42. 山田節男

    山田節男君 今の濱田監理局長の御意見は私も賛成ですが、・この六月がちょうど再免許の時期なので、これにとても間に合わないと思うのですが、次の再免許の時期がくるまでには、やはりこういうことは、政府が具体的に一つの政策を講じておかなければならないのではないか。で、御承知のように、もう電波に対する需要はふえるばかりですから、むしろ放送はそういう超短波の方向に持っていくということは、これは政府が意識的にそういう方に引っぱっていくということが私は必要じゃないかと考えます。それで今の御方針はわかるのですが、もう一つ私はこれに関連してお伺いしたいことは、これも白黒のテレビジョン放送を始めて第三年度に入るのですが、この標準方式のときに、将来のカラー・テレビジョンというものを考えてこの標準方式をどうするか、御承知のようにまあ非常な論争があったところです。しかるにわれわれから言えば、むしろ無論やりに白黒にした。五百二十五本の走査線で六メガのアメリカ式をとった。これについては私はしろうとでありますが、やはりこのカラー・テレビジョンに移行しなければならないという時代は近く必ずくるだろうと思うのです。アメリカにおきましても、非常にまだ放送の期間はわずかですけれども、これはもう急テンポに進むということは、これは私は断言していいと思うのです。そこで、今の六メガ五百二十五本の走査線のスタンダードですね、やがてくるべきカラー・テレビジョンの時代に入って、これもアメリカのまねをすればいいじゃないか、これが大体アメリカ式をとった大きな原因だろうと思うのです。これについては、やはり濱田局長はそれについての専門家であって、現在の日本の標準方式というものは、カラー・テレビジョンに移行する場合においても何ら支障炉ないという技術的な見解をお持ちになられるかどうか、この点一つ伺いしたい。
  43. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 六メガ、七メガの問題は、カラー・テレビジョン、天然色テレビジョンの実現の場合を予想して論ぜられたことが多いと思うのであります。私の見解では六メガで一向差しつかえないと、ただいま考えております。と申しますのは、このだんだん研究が進みまして、場合によるともう少し幅を狭くしていいかもしれないというふうな見方もございますので、私はちっとも心配はいたしておりません。普通の常識では、バンドの広い方がいいだろうというのが一般考えでありますけれども、また一方においてどんどんこれを狭くしていくというのが技術の進歩でもあり得るのであります。それにはただしいろいろ条件炉ありますから、ただいまごらんになっているようなテレビジョンそのままを狭い幅でもって実現するかどうかということは疑問であります。けれども、いろいろなこのやり方を考えますれば、まあ決して狭い幅でもって不可能とは考えられないのであります。  ついでに申し上げますが、アメリカではカラー・テレビの研究が御承知通り非常に進みまして、いつになったら日本にそれを輸出してやろうかということを考えている状況でありますから、日本でも非常に熱心にテレビについて研究を進め、対策を講じなければいけないと思います。おそらくそう遠くない将来において天然色テレビが日本でも実現されることと私は考えております。その対策についてやはり当局といたしましても、ほんとうの国民のためになるような方法を作らなければならぬ、そう考えておるわけであります。
  44. 津島壽一

    ○津島壽一君 簡単な質問です。電波監理局長に御質問して、御答弁を願いたいと思います。この三十一年度の新予算に直接関係ないかもわかりませんが、全体にNHKの収支予算事業計画等の案の取扱い方でございますが、これはこの前の委員会でも郵政大臣質問したのですが、一般予算・特別会計の予算も含めて国会に早く提出をしたい・実際においては一月下旬になっておるのですが、NHK予算がいつも提出がおくれる。その事情は郵政大臣で意見を付して提出すると、こういうような規定もあるから、そのためにおくれるという事情も想像できるのです炉、しかし金額は相当大きい予算でもあり、ことにこの受信料というものがほとんど義務的に、一種の租税的なものになっておる場合に、ほかの予算と同時でなく、おそく提出するということについては、これは前もたびたび言ったことですが、実行していただきたいと思うのです。  ところで、今回の放送法の改正要綱として、まあ基本方針と申しますか、配付された書類の項目を見ますと、どうもその点においてむしろ逆にいくのじやないかと想像される点があるのです。これは放送法の改正案がいずれ正式に提出される機会に論ずべきことでありますけれども、このNHK予算を審議をするに当ってこの書類を見るときに、どうも非常に私の少くとも考えていることとちょっと反対の方向に行くのじやないかという懸念があるのですね。そこでこの要綱・基本方針と書いてありますが、放送法改正の基本方針、二月二十九日の郵政省の発表なんですが、これによりますと、「協会の収支予算事業計画及び資金計画は、国会承認を要するものとするが、協会よりその提出を受けた郵政大臣は、これを適当と認めたときに国会提出する」ということが書いてある。適当と認めたときに国会提出するということでは、あるいは適当と認めなければ提出しないでもいいかという疑念もあるし、また、その提出の時期いかんは郵政大臣がしかるべく裁量によってきめてもいいというように、今度の放送法の改正の中にそういったような方針で新しい案を作るというお考えであるか。まあこれは審議会等で審議された結果でどうなるかという問題は別ですが、少くとも基本方針にこう書いてあるとは、どうも私の要求した点がむしろぼかされて、適当と認めたときに国会提出すればいいのだというようなことの改正をされるという意向であれば、これは一方において要綱というか、基本方針の中では、受信者との間では契約すべきであるということの現行法を、もう設備をしたものは契約したものとみなすといって、一方的に契約をしないでもしたものとみなして、一定の料金を取ってしまうということであるにかかわらず、これは国会で適当と認めたときには承認はするけれども、適当と認めたときに国会提出するんだという方針をここに案として書かれていることは、どうも私らは納得がいかない点があるように思うんです。なおまた、受信料の額、これは郵政大臣の認可にかからせることとするということが同じ項目に書いてあるんです。現行法は御承知のようにこの受信料の月額というものは国会承認を経るべきものであろということを書いてあるのに、どうもこうなるというと郵便大臣が受信料値上げを認可すればいいんで、まあ一方的に行政措置にでもされるというような意図があるのかという疑いを持つんです。これは放送法の改正案の内容を議論しているんじゃないんで、私の質問の趣旨は、来年度以降、まあ三十一年度は今出ていますからこれは問題が過去になってしまったんですが、三十二年度以降放送法の改正がなかった場合、またこれを改正する場合においては、ほかの政府機関と同様に、同時に予算事業計画等を出していただきたい、おくらす事情はないと思うんです。というのは、これは国際放送の関係であるとか、あるいは選挙放送というような、国際放送のときには政府の補助を繰り入れたところの予算を作るという、これはもうほかの方でもいろんな補助金の関係とか、まあ債券の発行額とか何とかいうようないろんなものがきまらぬと、政府機関のごときは予算がきまらぬというけれども、これはもう十一月、十二月にきまっちゃう。であるから、日本放送協会予算というものを早く出せば、これは郵政省で意見を付するのは、一般予算がきまる前に意見を書いてしまう、そして同時に出せるんですね。出せれば、われわれは十分慎重に審議して、そして今の給与の問題でも一ついろいろ意見もあると思うんですが、もう審議の時期が四月一日という新年度にまで迫られているものですから、今の同僚の質問のごときは、私ももっと言いたいんですけれども、もう一週間しかないということです。こういうことは、放送法改正の機会に直さなくても実行上でできることは、これはぜひ実行していただきたい。しかしながら、放送法改正に当ってそれと逆行するような放送法改正を……まあこれは読み違いだったら、ここで一つ御訂正願いたいのですけれども、そういうような意図があるかどうかということです。要すれば将来のNHK収支予算は、政府機関、一般会計その他の予算と同時に提出して、これに現行法によれば政府の意見を添えて出すこと、これを実行してもらいたい。もしこれが実行できない事情があったら一つ説明していただきたい、できないという事情があればですね。また、放送法改正に当ってこれらの問題を、今の現行法は提出の時期が書いてないんで、これをはっきりと一般予算と同じような規定をここへ入れていただきたいというようなことがあるんですが、果して実行できぬのでありますか、また放送法改正の基本方針というものは一体どういうものでありますか、この点を局長一つ明確に御答弁を願いたい。
  45. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 津島委員の御要望のごとく、NHK予算はなるべくすみやかに国会提出するようにしたいという希望を当局もかねがね持っております。今後も努力をしたいと思っております。ただし、このNHKにおいて行われております国際放送関係予算は国の予算から少しおくれるのはやむを得ないという点がありますけれども、そう大して非常に大きな開きはないと考えられますので、大体において御要望に沿うことが可能であろうと考えております。  なお、先ほどお目にかけました放送法の改正の資料でありますが、あれに書いてありますこととNHK予算とは、今年度予算はむろんあれの改正されるまでは関係がなく行われるのは当然であります。大体そういう考えでございますが、御了承を願いたいと思います。
  46. 津島壽一

    ○津島壽一君 ちょっとはっきりしなかった点があるのですが、放送法の改正の基本方針というものに掲げられておる趣旨は、これは適当と認めたときに郵政大臣国会提出するというようなことがありますが、今の現行法のもとにおける実行方法としては、なるべくすみやかにやるという趣旨の御答弁に対して、改正後はもっと自由にやるんだという方針を掲げたのですが、一体この内容はどういうことを指しておるのですかという後段の点がどうもはっきりしないように思うのですが、もう一ぺん御答弁願いたい。
  47. 濱田成徳

    政府委員濱田成徳君) 改正後は自由にやるという、そういう考えであの改正の案ができておるのではないと思います。郵政大臣が適当と認めたときに国会承認を求めるという、そういうくだりはございます。それは実は今日でも多少と申しますか、NHKの当事者と郵政省の当事者において実行しておるところなのでありまして、そのことを法律化して、すなわちNHKが突然でき上ったものを郵政省に提出するというのではなくして、前もってどうしたらよかろうというようなことにつきまして打合せのようなことが取り行われまして、それによって予算案の原案ができて、それを正式に郵政大臣提出すると、そういう手続が取り行われるわけです炉・最後に郵政当局が大体これで妥当だろうということになったときに、郵政大臣国会承認を求めると、そういう精神にしてはどうかというのが、あのくだりなのでであります。でありますから、あれによって今後予算提出が非常に早まるとか……、早まると申しますのは、今おそいから悪いのですけれでも、それによって自由に当局が変えるというようなことではなくて、先ほど申し上げましたように、すみやかにその提出ができるようにという考えには変りはないのでございます。影響はないと考えるのであります。
  48. 津島壽一

    ○津島壽一君 もう一ぺん次の機会にでもその点をはっきり答弁していただきたい。この文章が、適当と認めたときに国会に郵政大臣提出するのだとこうお書きになっておる。その予算内容、実体を適当と認めるまで研究した上で、いつやるかという時期には触れていないのだとおっしゃれば、この文章をもう一ぺん読み直して次回に完全な明確な御答弁をお願いしたい。そういうあいまいな御答弁では、何らこの文章というものが全体の信頼ができないことになるのです。今資料もなしに急に私の言った言葉で答弁するということは、間違ってもいけませんから、よく読んでこれはこういう意味ですということを、この次の委員会一つ十分御説明していただきたい。  もう一つ私の疑問に思った点は、国際放送等の予算政府から繰り入れられるから、補助を受けるから、放送局予算というものはなかなかできないのだというのであれば、各省の予算も、また電電公社の予算も、財政投融資の金額がきまらぬから、予算は二月に出してもよいのだというのと同じことで、全体を見合って同時に決定をして、その数字だけを入れかえて集計するのです、予算というものは……。でありますから、日本放送協会は、国際放送の補助の金額が幾らになるか、それは一般会計から出すものであるから、一般会計の予算というものが大体内定する時分にこれは幾らになるといったら、そのブランクのところだけ金額を入れて集計するというだけでいいのですね。時間的に各省はそれを全部やっているのです。だから、国際放送の予算がきまらぬから、一般会計を提出してその協賛まで経てきまった金額をそこへ入れるというなら、これは放送局予算は五月になり六月になるのです。そういうことをもっておくれる理由にするなんということは、私は非常に事務を知らぬものだと思うのですが、この点ももう一ぺん御研究の上、あわせて次回に御答弁願いたいと思うのです。この案の内容についてもっと御質問したいと思いますけれども、全体的にわれわれが聞きたい点を十分聞きただす時間的余裕がなくて、年度末、新会計年度までに決定しなければならぬという立場に追い込まれることが今後ないようにしたいというのが趣旨なのです。そういう趣旨によってこういう質問をするわけでございまするから、その点をはっきりと次回に御答弁願いたいと思います。私の質問はこれで一応打ち切っておきます。
  49. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 時間がありませんから、項目で御質問申し上げますから、項目でお答え願いたいと思います。項目でお答え願いたいと思います。  ごく事務的なことですが、第一は、これは主としてテレビジョン関係する問題でありますが、大部分はラジオ関係するのでありますが、このごろNHKテレビジョンの番組を見ておりまして、海外の事情の紹介とか、あるいは向うで作った番組をこちらの方に受け入れて映しておられるのが多いように思うのですがね。こういう場合に、われわれはかねて希望しておるのですが、なるべく文化協定なんかによってお互いに番組交換をやったらどうかということを前から申しておるのですが、そういう建前でこれはでき上っておるものですか。あるいは日本だけ部分的に料金を出して向うから番組を買ってきて見せておられのですか。日本の番組も海外に流れてゆくようなことは何かNHKとしては交渉せられ、実行せられておるのですかということが第一点。  その次は、これはまた問題が違うのですが、先ほどお答えのように、また資料をいただいておりますように、大体昭和三十二年度になるとテレビジョンの方はほぼ収支のバランスがとれて、大体経済的には見込みがついてくるという状態になるだろうということはこれは非常にけっこうだと思います。予期しておったよりも早くなって非常にけっこうなのですが、そうなって参りますと、普通、経理上特に注意してもらいたいのは、いろいろな設備に対しましては放送債券を発行しておる。これは減価償却をやっておられますから、これを放送債券で埋めてゆく。ちょうど十分の一くらい積み立ててゆくという法律の規定になっておりますから、大体においてこれは設備費の関係は償却されておるものとみていいだろうと思うのですが、ところが、事業費に対しましてその不足を長い間やはり長期借入金でまかなってきたのですね。それが相当累積しておる。その事業費の不足額を、これは初期であるからしようがないのですが、それをどういうふうにして今後償還してゆくか、返済してゆくかという方針をもうお立てにならなければいけないと思う。余っただけ返すのですが、今度の予算総則を見ましても、それに関連するような条文がたくさんあります。ありますが、基本的な方針はちっとも明示されていないことは、このテレビジョンに関しまして事業費の不足を長期借入金でまかなわれたものは、それをどういうふうな方針で返済するかという基本方針をお立てにならないと、予算をどういうふうにしてお作りになりましても、一体毎年これは方針が変るのかどうかということが明瞭でないのであります。この点はどんなにお考えになっておりますか。これは電波監理局と両方にお伺いしたい。  それからもう一つの問題は、テレビジョンがこういうふうにして非常に普及して参りましたことはけっこうですが、しかし、これはまだ私は伸びてゆく可能性があるだろうと思うのですが、一番大きな問題は受像機の値段の問題であります。かつて日本のラジオの方がまだ並四の古い機械を使っておりまして、民間放送でも許そうものならすぐに混信してしまうだろうということで非常に困った時代がありました。このときに私ども早くスーパーにするようにしなければならぬという主張をしたのですが、NHKのお作りになった三球スーパーというのはほんとうに試験的なものであった炉、しかし三球スーパーで理屈の上ではそれがその当時三千円程度でできるのだということを発表され、われわれもそれを見学に行きまして非常に参考になったのです。これがやはりメーカーを刺激したことは非常に大きかったと思うが、こういうふうにしてNHKの研究所はテレビジョンの受像機について同じような、どういう設計でどういうふうな部品を使ってどういうふうにすれば非常に安い性能のいいものができるかということを御研究をしておられるのじゃないかと思いますが、ラジオのスーパー化したときにお示しになったような熱意をテレビジョンについても具体的にお示しになっておられるのかどうか、一体研究所の方ではどういうことを研究しておられるのか、この問題に関連してです。その三点簡単にお答えを願いたい。
  50. 岡部重信

    参考人岡部重信君) お尋ねの第一点の海外とのテレビジョン番組の交換と申しますか、につきましてお答え申し上げます。かねて、いつの委員会でございましたか、新谷委員からこの点について御要望がございましたが、私ども努力するつもりでこれ進んでおるのでございますが、数字的な点をまず申し上げますと、一年間に大体海外からNHKの方へ来るフィルムでございますが、十四件くらいでございまして、海外へNHKから出しておるのが十六件くらいでございます。そのほか海外からくるものにはVOAがこれは一年間に五十件くらいあるのじゃないかと思います。こういう数字からいいますと、まことに微々たるもので、私どもやっておるとはいえないくらいの状態かと存じますが、なかなか日本からあちらへ出すというものの、出したいというものと向うの要求するものとの違いと申しましょうか、そういう点もあるようでございます。しかし、まあできるだけこの点につきましては進めてゆきたいと思っております。現状ではそれではどういうものだといいますと、ある意味では情ないような話しでございますが、新潟の大火とか紫雲丸事件というようなものを向うが要求するわけでございまして、国民的にいえば悲しいものを要求する、向うへいっておるというようなことで、こういうものについても相当国として、国としてと申しますか、もっと広い立場で日本というものを紹介することに観点を変えたものでゆかなければならぬのじゃないかと、そういうふうな見方もしております。現状はそういう状況でございます。  それからテレビジョンのバランスでございますが、それについて三十二年度に黒字になってくる。それはそれとして、この事業資金の穴埋め、こういうものは事業資金の穴埋めで長期借入金でやっておる。この長期借入金についてそろそろ返還の計画が立っておるのは当然であろうというようなお話しでございます。私どももその点についてはおっしゃ通りだと思います。ただ今まで、先ほどもちょっと触れましたが、受信者の伸びがどうも予定よりゆかなかった、今年度にはって初めて予定よりもふえてきたという事態、この実績を将来押します場合には、大体最初の五カ年計画よりも上回っていくのじゃないかというようなのが出たのが最近のことでございます。それで大よその返還の見通しというものは、三十二年度においては幾らというような……、三十一年度はまあ御承知通りでございますが、幾らというような見通しをつけておりますが、その後につきましては、ただいま検討中でございますので、適当な機会にお答えさしていただきたいと、かように考えております。念のためちょっと現在の状況を申し上げますと……、失礼いたしました、御提出申し上げた資料にございますようですから、くどうございますから差し控えておきますが、大体の大まかなことを申し上げますと、NHKとしてこの放送債券と長期借入金の最も残額の多い年度末は、この表にございますので、三十一年度末でございます。放送債券が二十一億六千六百、長期借入金が二十二億七千六百七十万というこれが、それでこのあとはNHKとしての借入金はだんだん減っていく、こういう状態でございます。  なお、テレビジョンにつきましては、今の予想では三十二年度の末が最高の借り入れになるのじゃなかろうか、この表にもございますが、テレビジョンにつきましては結局放送債券と長期借入金が三十一年度末におきましては三十億一千四百万ございますが、三十二年度末においては、ただいまのところでは三十億一千七百、ごくわずかでございますがふえると思います。それからあとは漸次減っていくのじゃないか、はなはだ現状を主とした御説明で申しわけないと思いますが、そういうような状況なんでございます。  それから次にテレビジョンの受像機についてのお尋ねでございますが、テレビジョンの受像機につきましては、御承知通り技術研究所におきまして数種の何といいますか、設計と申しますか、設計をいたしまして、きわめて最近におきましては日本の実情に照らしまして十インチがいいのじゃないか、十インチの大きさのそれに対する回路その他の設計を発表したわけでございますが、御承知通りいろいろの事情で十インチというものがなかなか普及しませんので、かえって十四インチが普及する状況でございますが、そのときにいわゆる何と申しますか、十四インチの製品の中にNHKの設計をとり入れたメーカーが相当ございますので、お役に立っているのじゃないかと思います。  それからただいまテレビジョンについての、受像機についての研究ですが、それの最も重点を注いでおりますのは、ラジオにおきますと同じような……、私ども技術のことははなはだ詳しくなくて恐縮なんでございますが、トランスレスの受像機を研究しております。それによってやはり価格も当然低くなる見込みでございますので、それを主として研究している次第でございます。
  51. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今ので大体お気持はわかったんですけれども、なおこの次の機会にしますから、電波監理局とも御相談願いたいと思いますのは、各国との間の文化協定なんかに基きまして、これは電波監理局の問題ではないけれども、外務省の問題でしょうね。でしょうが、お互いに各国が相手を認識し合うという意味で、ラジオでもそうでありますが、なおさらテレビジョンなんかでもフィルムの交換を大いにやって、お互いの国情をもっと認識し合って、意思疎通をはかっていく必要がより必要だと思うのです。それについての今のお話しでは、あまり活動をしておられない様子ですから、これについて外務省とも御相談の上で、もう少し将来に対する方針を御説明願いたいのが一つ。  それからもう一つは、電波監理局の方にお願いしたいのは、さっき岡部さんからも御説明のあった長期の借入金の返済の問願ですが、余ったものだけただ予算に計上して返していくんだというような返済の仕方ではしようがないのです。ですから返済の方針をお立てなさいということを申し上げたい。これは電波監理局にも特に大いに関係のあるわけですから、この次でけっこうですから、御研究の上お答え願いたいと思います。
  52. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 簡単に伺います。本年度ラジオ関係の入金の方で収納不能による欠損見込額が七千九百万円、テレビジョン関係で六百八十万円あるわけでございます。それはラジオはともかく、テレビジョン関係でやはり金を納めないという人があるのは非常に不思議に思うのですが、ごく簡単でよろしゅうございますから御答弁いただきたい。  もう一点は、放送局従業員関係住宅状態がいかようになっているか、あるいは将来の年次計画があるかどうか、これは資料として御提出願いたい。この二点でございます。
  53. 岡部重信

    参考人岡部重信君) テレビジョンの収納不能ですか、不納の数が多いというのはまことに先生のおっしゃる通り、現在のテレビジョン施設しておる何といいますか、対象考えますとおかしなわけなんでございますが、実はテレビジョンの機械が何と言いましょうか、転々とすると申しますか、ある店から短期間で別の店へ移って行ったりなんかする、こういうような契約事項が多いのでございます。
  54. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 よくわかりませんが、ともかく十分金を取るところは上手に取ってもらいたいということだけを申し上げます。
  55. 宮田重文

    理事宮田重文君) ほかに御発言はございませんか。……別に御発言もなければ、本日にこれにて散会いたします。    午後零時四十九分散会