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1956-03-20 第24回国会 参議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十日(火曜日)    午後一時四十七分開会     —————————————   委員異動 三月十六日委員永岡光治辞任につ き、その補欠として山本經勝君議長 において指名した。 三月二十日委員山本經勝君辞任につ き、その補欠として永岡光治君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松平 勇雄君    理事            宮田 重文君            久保  等君            柏木 庫治君    委員            石坂 豊一君            石原幹市郎君            瀧井治三郎君            津島 壽一君            最上 英子君            永岡 光治君            三木 治朗君            山田 節男君            野田 俊作君            八木 秀次君            八木 幸吉君   国務大臣    郵 政 大 臣 村上  勇君   政府委員    郵政政務次官  上林山榮吉君    郵政省電気通信    監理官     松田 英一君    郵政省電気通信    監理官     平山  温君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    行政管理庁監察    部監察参事官  山口  酉君    会計検査院事務    総局第五局長  上村 照昌君    日本電信電話公    公社総裁    梶井  剛君    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君    日本電信電話公    社計画局次長  小島  哲君    日本電信電話公    社経理局長   秋草 篤二君     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 逓信委員会を開会いたします。  前回以後の委員異動その他について御報告いたします。  三月十六日永岡光治君が辞任され、補欠として山本經勝君が選任されたのでありますが、本日永岡光治君が再び委員に復帰されました。  次に、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件についてでありますが、本件は去る三月十五日衆議院において承認の上、即日本院に送付されました。なお、本件につきましては衆議院逓信委員会において付帯決議が付されましたが、その内容はお手元に配付の資料により御承知願いたいと存じます。  また、三月十六日内閣から提出されました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案予備審査のため本委員会に付託されました。  以上御報告申し上げます。     —————————————
  3. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) それではこれより本日の議事に入ります。まず、電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。本案の質疑を継続いたします。前回八木委員よりの御要求により、行政管理庁及び会計検査院当局からそれぞれ担当者が出席されておりますので、この際御発言を願います。
  4. 八木幸吉

    八木幸吉君 行政管理庁監察部の方にお尋ねをいたしたいと思います。  昭和三十年十二月の行政監察年報を私拝見したのでありますが、その中にいろいろ電信電話公社監察結果が御報告になっております。ただいま議題になっておりまする加入者負担臨時措置法を審議するに当りまして、やはりこれは公社経営内容等も重大な関係を持つわけでありますから、その意味合いで私伺うのであります。さて、ただいま申しました年報の中に、調査の結果直営工事請負工事比較して、請負の方が安く上っているということが一つ。それからもう一つは、いろいろ工事をやるについて、もしくは物を買うについて、ほとんど大部分入札でなくて随意契約によっておるというようなことが載っておるのであります。この二点につきまして、監察の結果を御報告を得たいと思うのです。その意味は、この公社経営を改良するについて、この観点から見てどういう点を直す余地があるというような点について承わりたいのであります。
  5. 山口酉

    説明員山口酉君) ただいまの御質問に関しましてお答え申し上げます。公社工事につきまして、できるだけ経済的に行うためには、どういうふうな方式をとることがよろしいかというような点を検討いたしますために、直営による場合と、請負による場合との経済性比較をしてみたのでございます。この比較の方法といたしましては、同一種類のもので直営請負の二形態がございますと、非常にたやすく比較ができるのでございますが、なかなかそういう事例がございませんので、非常にこまかな点まで的確な結論を出すということはできなかったのでございますが、傾向的に判断をいたします程度資料といたしまして、工事費の中で非常に大きな部分を占めております。労務費を主として対比いたしたのでございます。もちろん資材費等も非常に大きいものでございますが、これは大部分請負の場合でも、公社の方で支給するように取り扱われておりますので、除きましてもあまり影響がないと判断をいたしたわけでございます。それから請負に出します場合には、間接費的なもの、監督費のようなものが別に考えられなければなりませんので、さようなものも加算いたしまして検討いたしました結果、約請負にいたしますと八七%ぐらいで、できるような計算になりましたので、この点につきまして、将来公社の方で検討されまして、でき得る限り請負の量をふやしていかれるように勧告をいたしなわけでございます。これについてはその後公社の方でも同じような御見解に基きまして、   〔委員長退席理事宮田重文着席〕  性質上どうしても直営を必要とするものが相当ございます。たとえば非常に新式の新しい施設を作ります際に、あるいはまた通信の秘密というようなことに関しまして、やはり業者にまかすことが適当でないと思うような部門もございますが、そうでないようなものにつきましては、でき得る限り直営請負に切りかえるような方向で、改善と申しますか、方式を変えて参りまして相当の成果が上っておるように承知いたしております。  それからもう一つお尋ねの点でございますが、随意契約が非常に多いという問題でございます。これは私ども調査いたしましたもので、先ほど八木委員から御質問がございました点は、資材購入に関するものと存じますが、この点につきましては、先ほど八木委員の申されましたように非常に随意契約が多くなっております。で、随意契約が直ちに非常に不経済になるかどうかということにつきましては、即断しがたいところでございますが、一つ公社のような機関におきましては、大体原則として公開入札制度をとることがよろしいのではなかろうかという建前から見ますと、それが大体郵政大臣承認を得ました会計規程方針でもございますので、そういう観点から見ますと、随意契約が非常に多いのは適当でないように思われるわけでございますが、その状況本社調達品につきましては、随意契約件数で九六%くらいになっております。それから地方調達品につきましては、件数で八九%くらいになり、金額の方まで見ましても、やはり本社の方で九六%、地方調達品の方で七二%くらいになって、随意契約件数は非常に多くなっております。これにつきましては、契約規定調査いたしました結果では、適当でないように思うのでございまして、非常に広範な随意契約ができるように規定上なっておるので、そこでこれは規定そのものを再検討されて改められるようにした方がよかろうという趣旨のことを申し上げたわけでございますが、その後公社におきましてこの点を再吟味されまして規定を改められておるはずでございます。それからさらに、随意契約によりましても結局安く経済的に購入できればよろしいということも考えられるわけでございますが、そういう観点から見ましても、予定価格積算いたします際に価格計算原価計算をいたしますいろいろの基礎データ十分調査が行き届いておりませんと、適切な価格の算出ができないのでございますが、その点につきまして従来の機構上多少再検討を要する点があるように見受けたのでございますが、この予定価格積算をいたしますための専門的な機関がございませんので、非常に品種の多い取扱い品でございますので、契約事務について調達に関する契約事務一つの係が一貫して行うような形式ですと、どうしてもこういう基礎調査が十分行われにくい。特に内部牽制という観点から見ましても、積算は独立した機構を持つことが適切であるというふうに考えられたのでございまして、その点を意見を申し上げたのでございますが、公社におきましては新たに原価調査課というものを作られまして、専門的にその方面調査を担当するようにいたしておりますので、非常にこの点については改善をされておると存じております。
  6. 八木幸吉

    八木幸吉君 大体お話を伺いましてよくわかりましたが、昭和二十八年度の公社本社調達が三百五十七億五千八百万円、そのうち昭和二十八年の四月から十二月末までの件数が一万七百四十六、金額にして三百二十三億八千万円、この中で今もお話がありましたが、随意契約割合件数で九六%八、金額で九六・三%、残りは指名競争入札で、公開競争入札はほとんど皆無である。こういうことであるのですが、年間本社だけで三百五十九億、地方の五十億を入れますと約年間四百億からのものを調達されるのに、ほとんど大部分随意契約による、こういうことはこれは規格その他いろいろの原因はあるのでございましょうけれども、あまりにそのパーセンテージが多いような気がいたすので、その点あとから公社の御説明をわずらわしたいと思うのであります。  それからもう一点は、先ほど請負直営お話がございましたが、請負が大体直営比較して八七%安く上る。これは単に請負労務費の問題でなくて、直営請負では若干の開きはありますけれども公社全体のやはり経営の問題にも一つの大きな示唆を持っておるんじゃないか。この辺将来どういうふうにおやりになるおつもりか、その辺の公社の御決心のほども承わってみたいと思うのであります。  それから行政管理庁の方にもう一つ伺いますが、前払い金が非常に多く、契約前の前払い金が、昭和二十八年の四月から十二月までの調査でも約三十二億円になっている。   〔理事宮田重文退席委員長着席〕一億円以上の前払いを受けた業者が五つある。前払い金の総額は九〇何%だ、こういうことがうたわれておるのですが、この点をちょっと伺いたいと思いますのと、もう一つは、貯蔵品、いわゆる物品経理の面でありますが、これは数年前から見れば、今の総裁は非常に御熱心のようでありまして、大へん改善されたということを私は承わって喜んでおるのでありますが、この貯蔵品勘定での何かお気づきの点か、もしくは改善された跡があれば、簡単でよろしゅうございますから、行政管理庁からもう一言おつけ加えを願いたいと思います。
  7. 山口酉

    説明員山口酉君) 前払い金につきましては、これは最近の状況はどうなっておりますか調査いたしておりませんが、昭和二十八年度の四月から十二月までの状況について申し上げますと、業者に支払いました前払い金は三十二億一千万円ございます。で、受けました業者の数は二十三社になっておるわけでございますが、前払い金につきましては、前払い金を支払うことによる利益も相当考えられると存じております。前払い金支払いに関する諸条件規定上あまり明確になっていないように感じましたので、前払い金取扱いは特に厳格な条件のもとに明確な方針を定めてやる必要があるという意見を申し上げておるのでございます。その後この点については規定を整備されておることと存じております。  それから次に貯蔵品の問題でございますが、これは非常に大きな資材を取り扱います関係上、資金運用面から言いましても非常に重要な問題でありますので、約二回にわたりまして調査いたしましたのでございますが、貯蔵品取扱いにつきましては、非常に顕著な改善の跡が見受けられております。回転率だけの見方から申しますと、表面的にはなお二十八年度に対して二十九年度は多少回転率が落ちておるようなまあ数字になっておりますが、これを内容的に見ますと、各月別の在庫推移状況をとってみますと、二十九年の十二月以降は逐月在庫が減少しております。で、二十七年度の回転率は約二回転になっておりますが、二十八年度は四・五回転、それから二十九年度は三・五回転で、二十九年度は少し悪くなったように見えますけれども内容的にはさような状況で、これは年度当初が比較資材が滞留しておった影響であろうと存じます。このためには公社の方では表面にあります貯蔵品のほかに、事業品としてすでに現場の方に持ってゆきましたものの実際使用されますまでの間の品物をできるだけ早く使う、その方面を減らすという方面努力をされましたために、二十九年度の初めのころに貯蔵品の方が比較的滞留しておるのではなかろうかと観測いたしておりますが、最近の状況を見ますと、二十九年の十二月以降はずっと減少しておりまして、この傾向は現在まで続いておりますので、傾向といたしましては非常に努力の跡が顕著であるというように感じております。
  8. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の御報告に対して公社の御意見を伺いたいと存じます。
  9. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 私経理局長でございますが、また総裁から答弁が必要でございましたら……。まず請負直営能率比較の問題でございますが、御指摘のように私どもはこの点はずいぶん前から考えた問題でありまして、電気通信省時代にはかなり大きな建設部というものを持っておりまして、地方にも相当大きな部隊がおったわけであります。公社になりまして、この点について八木委員のおっしゃるように、もっと請負に出してやるべきだという方向に進んだのでございまして、これに対してはまた別な反対もかなり強くあったのでありますが、一応現在のように直営請負の二本立できておりますが、大ざっぱに申しまして、工事量のまあ半々というのが現状じゃないかと思っております。そこで能率比較でございますが、これはなかなか一概には判定はむずかしいと思っておりますが、山口参事官のおっしゃるように非常に諸条件が一致したものをとらえて比較するということでないとできないわけであります。私ども工事につきましては非常に技術的にむずかしい工事もむろんございます。それからある程度保全要員、つまり保守に当る要員建設要員とを兼ね備えておるということも考えておかなくちゃならない、建設一点張りという部隊もございますけれども、相当な部分保全も片手間にやるということでございます。従いましてこれには突発事故もむろんございますし、その他地域的にはそれぞれ必ずしも一定した、安定した工事量というものは予想できません。従いましてある程度支局別には非常に稼働しておる、労働強化と申せますくらいの働きをしなければならぬところもございますし、ある年、あるときにはかなりの人が非稼働のままで待機しなくちゃならぬということもございます。全体をならしますと、参事官のおっしゃるように、平均すればまず請負一〇〇%とすれば公社要員については八〇%くらいにしか稼働しないというものもあり得ると思います。これは現在は先ほど参事官数字のように、全体として請負と同じだけの能率を上げておるかどうか私どもにも判定はつきませんが、その差が出ておるということは、特殊な技術、あるいはある程度保守とかみ合せて待機するという点からやむを得ない問題ではないかと、こういうふうに考えておりますが、極力むだな非稼働要員がないように、時には北陸の部隊を信越に回して工事をしてもらうということすらもやることもございます。  二番の随意契約の問題ですが、これは御案内のように、ずっともう数十年前、逓信省以来私ども電気通信機材購入につきましては、当時の会計法が適用されておる時代から非常に特例として、予算決算会計令特例として非常に大幅な随意契約が認められて参っております。今日におきまして会計法の適用がございませんで、諸般の会計規則の基本的なものは郵政大臣認可を得ることはなっておりますが、ここにおきましても御案内のように大幅な随意契約で、ほかの官庁に見られないくらいの随意契約でございます。これはいつも御質問のあるところでございますが、これには私ども電気通信機材という非常に特殊な産業、非常にマーケットが限られた、電電公社だけといっても過言でないくらいな非常に狭まれたマーケットである。多少のものは防衛庁などにも昨今少しございますが、何と申しましても電信電話機械器具というものはうちだけである。従いましてそれに対するメーカーというものは非常に一つのわれわれの悩みの種でございます。これはあえて業者保護とかいう気持は毛頭ございませんが、非常にこれを競争に打ち出してやるということもまあ問題の多い点で、かえってそれが非常にコスト高につくということもあるわけでございます。そういうことで、特殊な業界を控えておるということが一つと、それから技術的に非常にたくさんの分野の商品が高度の製品使用を求められるということがございます。従って今参事官の御説明の中の、ほんのわずかの競争契約分野というものは、すぐおわかりのように、たとえば繊維製品とか、くつとか、自転車とか、自動車とか、こういうものは何も電電公社とかいう特殊な産業という関係は毛頭ございません。これはもう堂々と競争契約に打ち出す。それから線材にしましても、鉄線のようなものは、これは非常にマーケットが広うございますから、これも競争契約をやっていく。かなり昨今になりますと終戦直後と違いまして、品質も安定いたしまして、かなり競争範囲を拡大してもいいものも多少は出て参っております。そういうものを少しはこれから随意契約をはずして競争契約に変えた方がいいのじゃないかという分野がございますが、そういったような品物は非常に金額件数も少うございまして、大部分のものはマーケットにもどこにもない、公社だけしかないというもので、割合としますと非常に随意契約が多いのでございますか、この点は私どもも好んで随意契約をやっておるわけではない。それからまた、随意契約にして一体高くついておるかどうかということは、なかなかこれは一がいに判定できないので、品物によりましては随意契約によってされる方が、かえって安いということもございます。  それから前金の問題でございますか、これは現在、参事官の御説明のよりに、年間活撥前金が出るようなときで、グロス・トータルで三五から三六でございます。しかしこれを大体年に三回あるいは四回に分けて出しますものですから、一回に出す額は多いときで十億、少いときで五億という額でございます。この前金につきましては確かに前金を出すルールが不備でございまして、これは行管の方からも勧告を受けまして、解決をしたい。この点について前金を出すルールがどうも、金はきめてなかったものですから、先般郵政省認可を経て少しけじめをつけた出し方は、大ざっぱに申しまして、一番たくさん出すのが六〇%、それから一番最低が二〇%か二五%、六〇%というようなものは製品の生産に非常に長期間を要するもの、それから短期間にできるようなものは割合前金を安くしていいんじゃないかと、こういうような工合でありまして、かなり前金を出す場合、われわれは渋って出しておるつもりでございます。これを平均に年間ならしますと、稼動資金としましてはまず三億くらいのものが年間十二カ月ころがっておるというふうに計算できると思いますが、むろんそれによって私どもは金利を値引きして価格から差っ引いてやっております。  それから回転率の問題ですが、在庫回転率につきましては、私どものここ数年来の企業合理化の最も雄たるものとして、私どもは堂々と世間に誇り得るものだと確信しております、これは検査院の御報告にも——報告には多少不満でございますが——いい点はなかなかほめてはいただけないのでありまして、総論にもこの点だけは二十九年度も八年度もよくできておる。数字をあげて申しますと、昭和二十六年から七年にかけての貯蔵品量というものは実に百四十八億もあった時代もあったのであります。当時の電気通信事業保全建設のボリュームというものは、今では半分ではございませんが、かなり少いのであります。にもかかわらず、そういう膨大な在庫品をかかえておった。今日現在では幾らかといいますと、六十二、三億になって、非常な能率を上げております。個々にわたりますと、また検査院からも御指摘をいただきますように、物品については、ある部分については少し貯蔵量が多いというものもございますが、全体としましては、貯蔵品回転資金能率化ということにつきましては非常に私どもは成績を上げて、しかも仕事の量は、五カ年計画——こんなに予算が多くなっても、しかもそれで間に合っているということは、前が多くなかったということもありますけれども、かなり努力したつもりでございます。以上、弁明がましくなりましたが……。
  10. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の貯蔵品の問題は、この前私総裁に伺ったときに、せめて五十億にしたいと言うておられまして、非常にその後の努力で、今御報告がありましたように、成績良好で、この点は非常に感謝するのでありますが、そこで随意契約に関連して、原価計算する機構を整備されたと、これも非常にけっこうなことだと思うのであります。この行管がお調べになった二十八年では随意契約件数金額も大体において九六%以上ということになっておりますが、現在は一体それがどのくらいになっておって、将来どれくらいが一番妥当だと、こういうふうな数字的に何かお考えがあれば承わっておきたいと思います。
  11. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) まあ数字でどの程度改善になったかと、随意契約の幅をこれ以上ふやすという気持ではなくて、経済情勢というもの、あるいは一般のメーカーの実力というものの安定度というようなものも、大へんに信を置けるようになって参りましたので、競争契約範囲をふやす方向にはいかなければならぬ。で、パーセンテージはさっき行管の方の御説明よりももっと競争がふえる方向にいくと思いますが、今ここでどの程度までパーセンテージ競争の方の分野がふえたかということも、ちょっと今計算もできませんし、持ち合せがないのであります。それから将来何%ぐらいまでに随意を狭めていくかということも、まあ八〇くらいにするとか、七五くらいまで持っていきたいというふうなことも、放っておいて無責任なことも申し上げられないのでありますが、まあお言葉によりまして今後そういう方向に極力持っていくように資材の方にも伝えて努力してみたいと思うのであります。
  12. 八木幸吉

    八木幸吉君 行管の方はそれくらいにしておきまして、次に会計検査院の方にお伺いしたいと思いますが、これもやはり資金の効率的の使用という点から私伺いたいわけであります。昭和二十九年度の決算報告に、いろいろ電電公社に対する不当不正の指摘がありますが、その中で一つ二つ実は伺ってみたいのです。たとえば青山の電話局増築工事自動交換機温湿度調整設備のために三百二十万円あれば、一応その作業部分だけは温湿度調整設備ができるのに、それを機会に一億三千七百万円で局舎の拡張をした。しかもまだずいぶん局舎には収容力に余裕があったんだというようなことが出ています。館林の電報電話局にいたしましても、十五年さき加入者の見込みが二千名だと、十五年さきを見込んで三百八十七坪の局舎を建てればいいのに、局長が独断で五百三十三坪の局舎を建てて千二百万円損した、こういうふうなことが出ていますし、二十八年の決算報告には九州の鳥栖の局舎のことが出ていまして、これには連絡が不十分だったために、昭和二十八年に工事にかかって工事ができてからもう一年十カ月あまりになるのにいまだにまだ動いていない。たぶんことしの五月ごろには動くのじゃないか。一言で言えば金の使い方が非常に見聞の企業の資金に苦心していらっしゃる方なんかから見れば、利子の問題もあまり問題にならない。まあ大きな組織ではありますけれども、いかにもどうもむだに使われているということもわれわれしみじみ思うのですが、その辺のつまり建設と余裕と稼動、遊休設備というような関連において会計検査院からお考えを伺ってみたいと思います。
  13. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 私どもの検査といたしましては、実は今お話がありましたような事態を見ておるわけでございますが、大体の検査のいたし方といたしまして、建設五カ年計画に相当重点を置かれておられますので、そういう意味で工事なりあるいは資材関係で、十分所期の目的通りに行われておるかどうかということを検討しておるわけでございますが、工事関係につきましておもなるものは、大体お話のございましたように過大な施設、あるいは不必要、あるいは不急な施設という事態が相当多く検査報告に載っておるわけでございますが、で、私どもの方といたしましては、普通の官庁の建物というような場合でございますと、大きい建物が建って遊んでいる。これはもちろんいかんことだと思うのでございますが、電電公社の場合におきましては、私どもの考えといたしましては、この建設資金なるものは御承知のように自己資金もございます。それから電話公債あるいは負担金などがございまして、その中には金利のつくものが相当あるわけでございます。それからまた、そういう意味で建物等を作る場合には、合理的にやらなければならぬということと、また建物を作りましても有効な建物を作りますれば、これは収益として還元してくるわけでございますが、かような不急な、過大な事態が起りますと、遊んでいる金利を払わなければならぬ、収益は上ってこない、こういうような考え方から、できるだけさようなものを避けて、需要のある面になるべく回して、そうして公衆の利便をはかると同時に、収益を増していくように運営される方が適当ではなかろうか、かような考え方から検査をいたし、ただいまお話しのありましたような事態を検査報告としてあげておるわけでございます。
  14. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の建設資金の効率的使用、なるべく需要のある方へものを建てて早く利益の上るようにという今のお考えのラインからして、東銀座に十億六千万円で大きな電話局が建っていますが、相当あれにはまだ余裕があるのだ、こういうことを聞いておるのです。今日も電話の飽和状態のところと、それから余裕のあるところの資料を実はお願いしておりまして手元に参りましたが、加入者の増設不能の局の調べがあるのですが、余裕のあるところは、まだよく見ておりませんけれども、きておらぬようですが、たとえば今の銀座の十億六千万円かで作り、土地がまだ五百何十坪かある。あそこにはまだ相当余裕があると思う。ところがこの増設不能局の調べによりますと、たとえば中野では局舎が九千三百、三十年末の予想加入数が九千五百四十、それから三十年末の予想積滞数が六千五百、結局もう一万六千ばかり足らぬのだ、荻窪にいたしましてももう一万四千六百五十必要だ、こういう非常に切実なところがあるわけですね。そこで私が横から見ますと、銀座には相当余っておるが、あそこの十億と土地を入れれば十二億以上になるのですが、経済単位からいったらどれくらいになるか私は存じませんが、六億円くらいで中野と荻窪に建てた方が早く収益が上るし、みんなも便利するし、経済の原則にのっとるのじゃないか、こう思うのですが、銀座をお調べになったことがあれば私の申し上げたことについての意見を伺いたいのですが……。
  15. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) ただいまの東銀座の点については、私の方で調べたことがございます。その内容は、これは二十八年度の計画でございまして、二十八年の六月から着手されまして三十年の十一月に完成しておるものでございますが、その工事費は、ただいまお話しのございました十億余りでございます。そうしてこれの計画といたしましては収容力を四万ということで計画をされたように聞いております。施設といたしましては全部が四万ではございませんで、私の承知しておるところでは、局舎あるいは土木工事は四万、それからその他は一万あるいは二万というふうな形で工事が施工されたように承知しております。ところが四万でなされましたが、その後のいわゆる電話の発達調査から申しますと、四万に伸びるかどうかということについて非常に疑問があるわけでございまして、現在において相当の余力があるように承知しております。かような事態が起りましたのは、当初のいわゆる加入者の予想というものを一応立てられまして四万ということでおやりになったわけでございます。その場合にはあるいは京橋、築地、銀座の一部をこれに収容がえをするような点も考慮されて四万ということで計画を立てられたように承知しておるわけでございますが、だんだん工事が進んでいくにつれ、その後におきまして調査されたところがこれほどはなかなかむずかしいというような調査の結果が出たように承知しております。なお、さような関係でございますから、その計画の場合にどういうふうな標準でやっていくか、あるいはその発達調査加入者の見込みがどれだけあるかというふうな見通しをどういうふうに立てるかというところに非常に問題があるわけでございまして、この件につきまして、その後の公社調査におきまして相当の数量が減ってきているということも事実でございますが、その途中においてこれをやめるということも一応考えられるわけでございますが、ただ相当これは途中でそういう事態が起ったものでございますので、私のほうといたしましては、これはすぐ不当だというふうに責めていくというほどの考え方もございませんが、かような事態から考えまして全面的に、これはもちろん公社でお考えになっており、そうして非常にむずかしいことではございますが、将来の需要見込みをどういうふうに立っていくかということに非常に問題があろうと思うわけでございまして、その点について万全な措置をとられることが必要ではなかろうかというふうな実は結論に達しているわけでございます。
  16. 八木幸吉

    八木幸吉君 今お話しの京橋、築地、銀座、これはもう満員になったのですか、まだ余裕がありますか。会計検査院でお調べになったことがありますか。
  17. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 私の承知しているところでは、余裕があるように承知しております。
  18. 八木幸吉

    八木幸吉君 そうしますと、その附近の、東銀座の電話局の近くの京橋、築地、銀座にも余裕があれば、先ほど私が申し上げたように、その東銀座の方をやめて荻窪や中野へ持っていったほうがはるかに有効だと思うんですが、その点いかがですか。
  19. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) お説の通りのように思いますが、ただ結果的に見た場合と初めから見た場合とに多少問題がございますが、現在の結果から見ればお説の通りに考えているわけでございます。
  20. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の東銀座と京橋、築地、銀座並びに荻窪、中野とのこの相関関係についての簡単でけっこうですが、公社側の御意見を伺いたい。
  21. 靱勉

    説明員(靱勉君) 御要求によりまして余裕施設につきまして局名を一々あげてございませんが、お手元へごらんに入れております「局内設備状況について」というのをごらんになりますと大体の様子がおわかりになる次第でございます。そこで基本的な観念といたしましては、もちろん建設資金を最も有効に使っていくということが、これはもう当然の次第でございますが、ただいま東銀座が、郊外の荻窪その他の局が非常に行き詰まっている、これと比較して非常にむだがあるのじゃないかという御質問でありますが、電話につきましては、やはり長期の見通しのもとにこれは計画していかなければならぬ、これは各国共通の問題でございます。ちょうど一ぱいになるように建ったのでは、すぐ満員になっちゃいまして、また新たに建てるとなると、二年もあるいは三年もかかる場合もございます、大きな局になりますと……。そうしますと、その間全然つかぬ。銀座、京橋方面におきましても非常に需要があったわけでございまして、東銀座の局も十年あるいは十五年後のさきを見通しまして立てた次第でございまして、そのために現在の京橋あるいは築地の局の加入者を収容がえをするというようなことによりまして、その方面に余裕を作る。現在日本の一番電話を使うビジネス・センターにおきまして、まだ加入者割合というものが必ずしも大きくないのであります。これは将来だんだんと負担金なり、あるいは社債等の減額というようなことによりまして、需要は、先般御説明したように、非常に増大すると、こういう考えでおります。私ども発達調査というものを非常に重要な問題として考えておりますが、何分にもわが国におきましては自然増というような形にまだ電話はなっていないのです。過去の取り戻しを相当とらなければならぬ。それから、申し込んでおられるだけの需要で算定するのはきわめて危険でございまして、実際の需要より申込みものが非常に多くあるわけであります。こういう観点から経済的な設計をしなければならぬ。会計検査院の御指摘の中にある点等につきましては、私どももその点計画、あるいは需要見込みに誤りのある点は、私どもも認める次第でございますが、東銀座の局が余裕があるとおっしゃいますが、これは決して、まあ現在はありますが、これはだんだんに詰まってくる。そういうような計画のもとで、あの局については、私どもきわめて不経済な設備をしたとは考えていないのでございます。荻窪の局、その他荏原、あの郊外地域におきましては、非常に現在積滞が多い。これもなかなか解決しないで困っておる次第でございますが、第二次五カ年計画の御説明のときに、別途印刷物でお配りしてございますが、ようやく電話が申し込んでつけるようになったのは、大都市の中心地域だけである、その他の地域におきましては、場合によっては二年も三年もあるいはもっと待たなければ一個も電話がつかない。こういう状況でありまして、小さく全国的に分割して電話局を建てるということは、どうもこれはなかなかできないのでございまして、やはり作るときにおきましては、将来のことも考えまして、余裕を持った設備をしてこないと、電話の需要には対応できない。一挙に全国的に解決すればいいのでございますが、とうていそれだけの膨大な資金量を電話だけに集中するわけにいかぬ。こういうことを考えますと、やはり需要の非常に多い、行き詰まったところを漸次解消していくということにいたさなければならぬ次第でございまして、今後大都市の中心部から周辺地域に及ぶ、あるいは地方都市、農村地区におきまする電話施設をできるだけ広く公平に計画していく、これが私どもの今考えております計画の大綱でございますが、これはようやく第一次五カ年計画の二年度が終る時期でございまして、たとえば戦災電話等もなお七万個残っておるというような状況で、どうもまだ電話は正常状態になっていない。しからばこれをみんな小さく割ってやれるかというと、これはなかなかそういうわけにいかぬ。かえってそういうことをしますと不経済になるというような状況もありまして、先生の御指摘の点等も、まことに申しわけないと存じますが、全体の考えとしては、そういう考えで今後東京付近におきましては、郊外地域の整備に重点を置いていかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第であります。
  22. 八木幸吉

    八木幸吉君 今副総裁から拡張の全般的な大綱の御方針を承わったのですが、私の伺ったのは、話があるいは小さくなるかもしれませんけれども、つまり築地と京橋と銀座という、東銀座を中心としての局には一体どれぐらいまだ余裕があるのか、その余裕があればそれをまず一ぱいにすれば、四万のファウンデーションなどのある東銀座をあわてて立てなくても、いきなり、つまり需要の緊切度といいますか、需要の激しい方からいえば、今の中野、荻窪でしたか、その方へ先に建てた方がずっと資金能率使用ではないかどうかと、こう私は伺ったわけなんで、こまかい話しになるかもしれませんが、数字的にちょっとそこをどなたかその方の係の方に、あまり長くなくていいですけれども、ちょっと伺ってみたいと思うのですが。
  23. 小島哲

    説明員(小島哲君) ただいまの御質問にお答えいたします。東銀座の局を作ります際に、すでにその当時銀座とかあるいは京橋、築地といった各電話局がどんな状況にありましたかということを申し上げたいと思うのですが、その東銀座の局ができます前に、これらの局はいずれの局も大体一万の容量を持っておりまして、すべてもう満員の状態にあったわけでございます。でむしろ予備数と申しますか利用度数の関係から見ますと、非常に不足しておるような状態でございました。それからそれに対します申し込みの状態でございますが、大体各局とも五千ないし一万程度の申し込み数をかかえておりました。当時のあの地区の電話市価は約二十万円をこえておる。多いところは二十五万円くらいになっておったわけでございます。で、これを救済いたしますのには、既設のただいまお話しのございました京橋、築地の局はもう満員でございましたから、何としてもいたし方のない状態でした。これに対応いたしますために、東銀座の局を計画した次第でございます。で、この局を作りましてただいま申し上げましたような三局の地域を分担させたわけでございまするが、従いましてすでに銀座あるいは京橋等に入っておりました電話も一部は東銀座の方に移し、そういたしまして東銀座付近の新たな電話申し込みを入れると同時に、移された銀座、京橋その他の局にも新しい電話加入者を収容いたした次第でございます。現在のところある程度年間を見通して入れておりますから御指摘の通り京橋築地はある程度の収容余力を持っております。具体的に今数字が幾らということをちょっとはっきり覚えがございませんですから、その点は申しわけございませんが、ここ数年くらいの電話申し込みに対して対応するような設備を持っております。  それから東銀座そのものでございますが、これはお話しのございましたように、建物それ自体は約四万の電話を収容できる大きさを持っております。で現在入っておりますのは一万、先ほどお話しございました一万の東銀座その他から取りました電話と、それから現在は比較的電話の申し込みに応じきれておりません芝の電話局の一部を五〇局としましてかりに収容いたしております。ですからかりに今のところ一万二、三千の設備が入っておると思います。  なお、このことはすでに御承知かと思いますが、電話の設備におきまして最も経費を必要といたしますのは、電話の外線設備でございます。次いで局内の電話交換設備でございます。建物とか土地とかいうものは、大体全体の経費のうち二〇%とか二五%とかそういった見当の経費でございます。しかも申し上げるまでもなく銀座付近に将来電話局を新たに必要とする場合に、新たに敷地を求めるいうことは、もう絶対に不可能だと申し上げても差しつかえないような状況じゃないかと思います。そういう地域でございますから、比較的全体の経費からいたしまするならば、占める比率の少い建物あるいは土地というようなものについてはある程度の余裕を持っていく。そうして比較的経費の多額に要します外線設備あるいは交換設備、自動交換機でございますが、こういうものはそのときどきの需要に応じて増設いたして参るというふうに私どもの計画を行なっております。こういうような計画でかたがたさらに今問題になっておりますが、現在収容いたしておりますが、銀座の局は大震災で火をかぶった、大正十二年の大震災で火を中に入れたような非常に建物としてはぜいたくな、しかも自動交換機みたいな重いものを入れる目的でない建物でございますから、これが相当重い設備を入れることについては問題を起しているような状態であります。そんなことを考えて参りますと、ここ十五年くらいの間に東銀座の建物は大体使い果たすものというふうに考えられております。従いまして経済的に見ますならば、決して何と申しますか、その線に沿わない計画をいたしておらないつもりでございます。かようにいたしまして、大都市の中心地区につきましては、ただいまお話しのございました東銀座なり、あるいは千代田局なりあるいは浜町局なりというものを作って参りましたために、大都市の中心地区につきましてどうやらお申し込みと同時に電話がついてくるという状態まで改善されて参ったわけでございます。  ところで次に、そういった状況でございまして、そうして同時にただいま御指摘の中野、荻窪方面、あるいは荏原方面といったようないわば郊外と申しますか、住宅地区に対しましても同時に電話局を作りますれば、それは私どもとしても非常に望ましいところではございますが、何分にも経費が限られているということからいたしますと、とりあえずいずれかをとらざるを得ない。そういたしますならば、先ほども申し上げましたように、時価二十五万円もする、しかも日本の経済の中枢であるといったような都市の中心地区に経費を投ずるというふうにせざるを得なかったのであります。かようにいたしまして、中心地区からおいおい、たとえば新宿とかいったような地区に向って新電話局を新設いたします。かようにいたしまして、ただいまお話しのございました中野、荻窪地区に対しましては三十一年度に新たに杉並電話局を新設することになっております。これによりましてその地区の電話申し込みに対して応ずる予定になっております。
  24. 八木幸吉

    八木幸吉君 話がだんだんこまかくなって恐縮ですが、今のお話をちょっと伺っておりますと、京橋と築地と銀座で一万で満員だった。その上にまた五千希望者があった。それをこっちへ持ってきて東銀座の近くのものも入れたということになると、一万七千ということになるのですが、一万二千というところを見ると、京橋、銀座の五千というのは割合に減ったのではないかという点が一つと、それからたしか先ほど京橋、銀座、築地にはまだ余裕があるということを言われたと思うのですが、お話が少しこんがらがっているように思うのですが、そこはどうですか。
  25. 小島哲

    説明員(小島哲君) 御指摘の通り、実は昭和二十九年度あたりの予定、その他の影響を受けまして、すでに申し込んでありました電話のうち、多いときは約半数申し込みを断わってこられたものがございます。そんなような状況で実は東銀座局を作ります前にたまっておりました申し込みの全部は入らずに、すぐお断わりになってこられた方は入れておりません。そのために今のような数字の食い違いが出た。それからあとの問題も結局そのときそういうような数字も含めまして話しておりますが、たとえば京橋の局について考えますと、一つ電話局というのはある地域を受け持っております。従いまして東銀座の局ができましたときは、東銀座の地域、それから京橋はその東銀座をとりました残りの地域というふうに地域を分担しております。従いまして残りました京橋の地域に対して新たに生ずるであろう申し込みに対応し得ますように、あらかじめ余裕をもって東銀座の方に移しております。そんな関係で計画的に余裕設備を京橋あるいは築地に持たしたわけでございます。
  26. 八木幸吉

    八木幸吉君 まあ、とにかく今のお話でもわかります通り、需給の問題はいろいろ経済界の変化によって不同が生じます。四万を目途として十五年さきのことを考えて十数億の金を入れるというような考え方は、非常に金に困る民間事業家の考え方から見れば、大へんな食い違いがあると考えるのが一つと、荻窪、中野等の非常な需要の熾烈なところと両方よく見合わしてお考えになったかどうかということについては、私もまだ多大の疑問がありますけれども、あまりこの問題について時間を取るというのはいかがかと思いますから、私の質疑はこれで終りたいと思います、ただもう一点私は伺いますが、「電信電話事業の概要」という本を実は昨日私は拝見したのですが、この中に電子交換機のことが出ております。それを見ますと、電子交換機が、たとえば容積も非常に小さいし、寿命も非常に長い。おまけに非常に安くできる。そして試作品がすでにできているかのように出ている。そうしますと、おそらく電子交換機の大きさというものはどの程度のものか私は存じませんが、たとえば東銀座の例で言えば、非常に大きなスペースを取って、建物を建てていますが、非常に小さい電子交換機ができてしまったら、全然これは何分の一、何分の一になるか存じませんが、むだになるというようなこともあり得るのじゃないかと思うのですが、電子交換機について簡単でよろしゅうございますが、容積はどのくらいで、大体の費用はどのくらいだということを、ごく簡単でよろしゅうございますが、御説明を願いたいと思うのです。
  27. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) お答えをいたします。電子交換機の問題がその概要に出ていますのは、将来のことを書いたに過ぎないのであります。現在世界各国とも電子交換機について非常に研究しております。大体私どもが一昨年参りましたときに聞きました様子では、今後それを完成するのに約十年かかるだろう、こう申しておりました。従って今直ちに電子交換機になり得るという状態になっておらぬのです。それからもう一つは、電子交換機はまだ研究の過程にある程度でありまするから、その値段等につきましては、現在の交換機よりも高いとか申しておりました、少くも試作したりしまして……。そうしてとうてい経済的には現在の交換機と置きかえるわけにはいかない。それでもっと経済的に製作するように研究を進めなければ、将来可能性が少い。  それからスペースの問題でありますが、これは現在のようなロール、回りますスイッチを使っております機械部門が非常に多いのでございます。これは電子交換機になりますと、真空管ですとトランジスター、こういうようなものを使いますために、サイズがかなり小さくなります。小さくなりますからスペースはずっと今よりも何分の一になるか、完成しておらぬものですから、何分の一になるというような見当は全然ついておりません。ですけれども、私らは大体想像するのに、現在の半分くらいになりはせんかと思います。しかし、これも実際問題として経済的に合うようにならぬ限りは、どうにもならぬわけですから、サイズの問題も、そろばんに合うようにするためには、そう極端に小さくできないのじゃないだろうかという懸念を持っております。いずれにいたしましてもまだ研究過程にありますために、われわれの研究所でもその研究を怠らないようにはしておりますけれども、ここ十年くらいの間にそれが実現するとは思われない。従ってかように遠い将来の問題を頭に置いて設計をしておったのでは、すぐ明年、明後年という問題がちっとも解決つかないという点がありますので、やはり私どもはそういう技術の発達については注意を払う一方、今後設計につきましても、将来電子交換機についてスペースがもっと少くて済むかもしれぬ。そうなるとわれわれは十五年くらいさきを見るのは長過ぎはしないか。十年後にできるとしますと、十五年で五年余ってしまいますからもう少し縮めよう、その十五年の半分七年半くらいに建物を作っていったらどうか、そうしてもしそれが三分の二のスペースで済んだとすれば、ちょっと継ぎ足せばいいんじゃないか、こういうふうに自由に変化し得るようにわれわれはあらかじめ考えてやっとらぬと、むだな建物を作ったというようなそしりを免れないというような考えを持って、最近まあ将来の計画を立てる上においては、そういう電子交換機の発達等も頭に置いて計画に対しての手加減をするようにいたしたいと思っております。
  28. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の電信電話事業の概要の中には「小形で長寿命かつ安価のものができ」云々、「小形モデルを試作し」云々、こう書いてありますから、私は非常に実は希望を持って読んだわけでありまして、今総裁の御説明でよくわかりましたが、従ってその東銀座ですね、くどいようですが、十五年さきを見てという非常に自信のあるようなことを説明がありましたけれども、この電子交換機が非常に早くできると五年間縮まっちまうということになるので、要は資金をなるだけ倹約して使っていたできたいという点を申し上げて私の質疑を終ります。
  29. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言はございませんか……、ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  30. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) それでは速記をとって下さい。  別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  32. 八木幸吉

    八木幸吉君 私は法律案に対して反対の意思を表明せんとするものであります。  申すまでもなく電話事業は独占事業でありますから、加入者に負担をかける問題は十分慎重にこれを検討しなければならぬと思うのであります。この意味合いにおきまして、公共企業体の合理化審議会の会長である原氏その他民間の有識者の意見を聞いておきたいとの希望を申し出たのでございますが、御賛同を得ることができませんでしたので、大へん残念に思っておる次第でございます。  さて、本法律案建設費の一部を電話加入申込者に負担させようというのがその眼目でございますが、建設資金調達するのは、民間会社であれば増資によるか、金額が少なければ積立金でまかなう場合もあれば、一時借入金による場合もございます。公社の場合は財政投融資にこれを求めるのが当然の筋道であろうと存じます。電話拡充第一次五カ年計画におきましては、所要資金の総額は二千七百七十二億円、収支差額の建設繰入金が四百四億円、公募債券または政府の借入金が七百四十三億円でありまして、このほかに国際電信電話株式会社株式代金の引当で三十二億円、加入者引受債券が二百四十二億円、設備負担金が百七十八億円、電話設備料金十三億円でありまして、残額の一千百六十億円が減価償却引当金となっておる次第でございます。  ところが、昭和二十八年、二十九年、三十年度の建設資金調達の計画と実績とを比較いたしてみますと、次の通りであります。すなわち、加入者負担金及び引受債券勘定で百二十三億円、利益金の繰り入れで七十二億円、装置料等の勘定で四十六億円、合計二百四十一億円計画より実績が多かったのでありますが公募公債において二百九十二億円減少しましたために、償却費を五十一億円減少してつじつまを合せておるのであります。ただ、最初の五カ年計画と今回提出の建設資金調達状況という資料とで修正変更されておる点は、最初の分は装置料の計画予算が七億円でありましたものが、四十二億円と三十五億円増加訂正されております。同時に、国際電信電話株式会社の株式売却代金の三十二億円がなくなっておることでございます。従って、この資金計画のほかに、なお約九億円の国際電信電話株式会社の株式の売却代が収入されておるわけであります。また、この資金調達状況資料の中で、三十年度の利益繰入れは十三億円と見込まれておるのでありますが、実際は事業収入の増加は五十億円と予想されておるのであります。このうちから経費を若干程度引きましても、この十三億という計算から相当上回ることは間違いないと思われるのであります。  そこで私の申し上げたいのは、かくのごとく外部資金の減少の穴埋めを加入者負担の方へしわ寄せすることなく、あくまでも公社本来の立場からその資金調達計画は財政投融資に仰ぐべきであって、昭和三十一年度の財政投融資計画は二千七百六十六億円でありますから、しかもこの中に電電公社勘定が一文も計上されていないというのは、まさしく本末転倒でありまして、政府はこの点に十分の力及び思いをいたさなかったことを残念に思うのでありまして、これが私の本案に反対する第一の理由であります。  第二に私の申し上げたいのは、電電公社経営内容についてでありますが、昭和二十九年度において会計検査院より、不当または不正事項として指摘されておりますものは十九件あって、その金額は二億八千三百万円に及んでおります。なおまた、このほかに青山電話局の増設工事のごとく、温湿調整装置の整備のためだけであれば三百二十万円でできるものが、これに便乗して、現局舎になお相当の余裕があるにもかかわらず、自動交換作業室のほかに、全庁舎に温湿調整装置を整備するという不急工事を一億三千七百五十万円もやっておられるということは、まことに不経済なことであったと思います。また、館林電報電話局のごとく、十五年後の加入見込数二千名、これに要する局舎は三百八十七坪で足りるものを、五百三十三坪余の局舎を建て千二百万円余の失費をした事例もあります。さらに、約三千七百万円で昭和二十九年六月に完成した九州の鳥栖電報電話局のごとく、部内の連絡が不十分であったために、機械の方式がまだきまっておらないのに、建築に着工されまして現在すでに竣工後一年十カ月になっておっても、いまだ遊休状態であるといったようなものもございます。また、昨年に竣工しました東銀座電話局のごとくに、機械設備一切十億六千七百万円の資金を投じ、なおこのほかに五百数十坪の土地代があって、四万の収容力があって、現在の稼働数一万二千、しかもこの一万二千の施設をしたために、その周辺の京橋、築地、銀座の各局にも余裕ができておる、この事態は大へんけっこうのようでありますけれども、とにかく一方には積滞数の多い郊外の中野、荻窪等を設備した方がより以上に適切じゃなかったか、相当研究を要すべき問題でありまして、最も需要の多いところからまず着工して、機械設備をフルに動かして、その収益を上げるのが経営の本筋ではなかろうかと存ずるのであります。これを要するに、電電公社としては経営の合理化、資金の効率的使用になお一段の努力の余地があると考えられるのであります。  第三に、私の申し上げたいのは、国際電電株式会社の株式保有の問題であります。電話拡張五カ年計画には、この株式売却代金三十二億円は建設資金の中に計上されておったのでありますが、しかるにこのたび提出の資料の中には、これが省略されておるのであります。過日来のいきさつからであると考えるのでありますが、加入者負担の時限立法さえも延期して、お客に迷惑をも忍んでもらいたいというくらいに建設資金に困っておる際に、また地方財政窮乏の折柄、本年度七億五千万円の納付金さえ大問題になっておる今日、何の必要があって、国際電電株式会社の株式を保有するの必要があるのでありましょうか、電電公社首脳部としては郵政、大蔵両当局に一日もすみやかにこの株式を売却して、その対価約八億円を建設資金に回すべきことを交渉すべきであると思いますのに、むしろ反対に国際電電の株主たることを希望するがごとき行動は、真に加入者のためを思い、かつ建設資金に苦慮しているものとしての十分の熱意を、遺憾ながら認めることができないのであります。これが私の本案に対して反対する第三の理由であります。  第四に、私の申し上げたいのは、第一次電話拡張計画は昭和三十二年度で終るのでありますから、この時限立法もこれとマッチせしめて、その期限を二年とすべきであると思うのであります。政府は最初の二カ年は加入者負担金も第一次五カ年計画との関係からそのまま据え置くが、その後の負担の問題は、そのときの情勢に応じて政令できめると説明しておられるのでありますが、国会は毎年開かれておるのでありますし、二年後は政令できめるなどというあやふやなことでなしに、そのときに再び立法措置を講ずればよいのであって、政府は二年後には加入者の負担が若干減少するがごとき口吻を一方では漏らしておられますが、また他方では五年過ぎた後でも、加入者の負担をやめる自信がないというようなことも言っておられるのをみれば、本法案は名は時限立法でありますけれども、その内容は電話加入者に一定の税金を課する実体を有するものと言わなければなりません。従ってわれわれは厳重にこの法案を審議する義務があり、少くとも期限を二カ年とせず、五カ年とすることには反対せざるを得ないのであります。  次に第五に、電話事業の進歩発達と時限立法の関係について申し上げたいのでありますが、前述の通り、公社経営内容にも幾多改善を要すべき余地があり、ことに公社最近の報告によりましたら、電子交換機のごときも小型で寿命が長くて、しかも安くできそうだというようなことまでいわれておるのでありますから、現在十五年さきを目途として設計されておる庁舎の面積、構造等につきましても、幾多革命的の設計変更も予想されておりますし、また、他方では無線電話のこともありますし、また三年前の料金二割の値上げの問題にいたしましても、その後電話事業の発達に伴って合理的ではなかったと総裁も仰せられておりますし、また、建設資金調達計画を見ても、計画と実績とは相当の開きがあるのでありますから、従って第一次五カ年計画も終る二カ年さきで、さらに立法措置を講ずる必要ありゃいなやを再検討するのが最も妥当であると信ずるのであります。この意味におきまして五年の期限延長には反対であります。  最後に申し上げたいのは、三万円の加入者負担金を債券引受けに変更したらどうかということであります。これは加入者の側から言えば債券は売れるから、九万円の債券を引き受けても転売によってその差損金は一万円以下になって負担は軽減されます。他方公社の側から言えば、資金調達の面から言えば増減なく、ただ問題は利子と償還のことでありますが、これも五年さきであって、第二次五カ年計画を立てる際に、外部資金調達と見合って解決すればよいことであると思うのであります。  さらにこの際一言つけ加えることをお許し願いますならば、アメリカの電話事業のことであります。アメリカの電信電話会社は同国の約五千万以上の電話の九割を有し、年間十億ドル以上の建設資金を増資と社債によってまかない、毎年二百万以上の増設をやっております。この会社は約六十五万人の従業員によって一九五一年には十億六千四百万ドルの利益を上げて、なお六億二千九百万ドルの税金を払っております。長距離の接続時間もわずかに一分八でありまして、むろん加入者の負担金というものは一文も取っておりません。他山の石と申すべきでありましょう。  これを要するに私の申し上げたいのは、本案反対の論拠を逆に申しますと、当局が公社本来の使命から考えて、建設資金を財政投融資に仰ぐの方針を確立して、内部の経営の合理化と資金の効率的使用に徹し、国際電電会社の株主たらんとするがごとき道くさはやめて、時限立法の期間を二カ年とし、加入者負担金を債券引受けに切りかえるなれば、本案に賛成するにやぶさかではないのでありまして、もしこれもできずに、あくまでも相当部分加入者の負担によって電話事業の建設拡張を行わんとする安易な道を選ぶという方針であるならば、増資と社債によって建設拡張をする、民営方式公社方式を切りかえるの段階に立ち至らざるを得ないと信ずるのであります。  これをもって私の反対討論を終ります。
  33. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言はございませんか。
  34. 久保等

    ○久保等君 私はただいま議題となっております電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表しまして賛成をいたすものであります。  この改正案の内容は、本年三月三十一日を期限とする電話設備費負担臨時措置法の効力をさらに五カ年間延長すること、並びに加入電話の種類変更の場合、その変更の前後における負担の不合理を是正し、調整をはからんとするものであります。この加入電話の種類変更に伴う負担の調整は従来の不合理な点の改善であります。当然の措置であり、特別の論議の必要もないものと思います。しかし、本臨時措置法の効力を再び五カ年間延長するということについて、私はこのことに関連してこの際特に政府の反省を求め、要望を申したいのであります。  今日、日本の電話設備の建設に要する資金は年々多額に上るのでありますが、政府の財政投融資は何らなされず、もっぱら公社の自己資金電信電話債券の発行による民間資金、さらにはこの負担法に基く加入者の負担から出ておる資金のみに依存しておる状況であります。これは現在日本の電信電話事業が世界的水準からながめたとき、電話の普及率が世界各国の中で実に第二十二番目くらいのところに位しておるという一事によってもわかります通り、まことにはなはだしく立ちおくれておるこの現実は、実に歴代内閣の怠慢と無責任さを雄弁に物語っておるものだと思うのであります。私は電信電話拡充五カ年計画もいよいよ昭和三十一年度で第四年目の段階に入るわけでありまして、第二次五カ年計画も具体的に樹立する段階にぼつぼつ参っていると思うのでありますが、今後特に政府が思い切って今日のこの嘆かわしい電気通信事業を飛躍的に拡充発展させるため、建設資金調達確保につきましては、みずから積極的に格段の努力をいたされるよう強く要望するものであります。昭和二十六年制定せられました電話設備費負担臨時措置法は、当時その名の示す通り臨時立法であり、やむを得ない一時の措置として作られたものでありながら、今回再び加入者の負担を続行して参ることは本法制定当時の考え方からいたしましても本意ではないはずであります。従ってこのような臨時措置法はできる限り早く廃止すべきでありますし、また、今後五ケ年の期間延長後においても、この間においてできる限り政府の別途資金調達によって受益者負担の軽減をはかることを希望いたしたいのであります。  次に、私はここでさらに指摘し、政府の猛省を促さなければならないことは、本臨時措置法によって、加入者に多額の負担をさせなければならないほど建設資金の不足に悩んでいる電気通信事業の現状にもかかわらず、政府はこのたび府県市町村等の地方自治体に固定資産税的な金を電電公社に対し納付せしめんとして、いわゆる国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案を今国会に提出してその成立をはからんとしていることであります。しかも今日赤字財政に悩んでいるといわれる地方自治団体は、今次町村合併に伴う行政区域の一大変革によって、その地域内における電信電話区域の合併、部落電話の新設、新電話局の設置等、電気通信の大整備、大拡充を緊急に行わなければならない事態に全国的におかれているのであります。従ってこの全国各市町村の電気通信施設の一大拡充整備をはかるための、これらの市町村に膨大な建設資金を必要としているのでありますが、このような事情を全く無視しまして、これらの市町村の一般的財政の赤字を補てんし、地方財政を再建するために必要なりとして、逆に電電公社から固定資産税的な納付金を徴収するという納付金制度は全く言語道断な悪政と言わなければなりません。  かつて昭和九年電気通信事業特別会計制度が実施せられたときに、一般会計への納付金制度が作られ、自後昭和十九年まで十一年間において約十三億円余、今日の資金にすれば優に四千億以上の莫大な資金が他に吸収せられたなまなましい事実があるのであります。このことがいかに今日の日本の電気通信事業の発展を阻害したかを銘記しなければならないと思うのであります。このような次第でありますから私は全国民の立場から過去の誤ちを再び繰返さないために、そして日本の電信電話を一日も早く世界の水準に近づけ、国民大衆がだれでも容易に安い電話を引き、そしてこの文明の利器を平等に利用することができるような時代を早急に実現するために、納付金法案が万一不幸にも今国会において通過成立することがありましても、早急にこれが廃止の実現に努力をし、さらに一段の積極的施策によって電話加入者の設備負担を軽減し、ないしは廃止されるよう要望してやみません。  以上結論として私は政府の電信電話事業に対する政策の今日までの誤ち、矛盾についてその二、三を指摘し、その反省を強く求めながら、他面何といってもわが国、電気通信事業の現状は電話設備の急速な一大拡充をはからなければならない緊急状態にあり、国民全般の強い熱望もまたここにあると信じますので、現に進行中の電話施設の拡充計画の実施は一時たりとその空白、停頓を許さない事情にあることを考え合せ、当面この負担法を存続せしめることに賛成するものであります。  以上で私の討論を終ります。
  35. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言はございませんか。
  36. 山田節男

    ○山田節男君 ちょっと議事進行ですが、この法案について衆議院から三月七日付の付帯決議がついているのですが、これはやはり衆議院送付のこの法案に付帯決議がついていれば、これは従来の参議院の議事規則によればこれは一応どう扱うかということを何しないと、今の反対討論、賛成討論の中に、今聞いてみるとその趣旨は入っているようだが、討論と付帯決議とはおのずから違うのでありまして、その取扱いをどうするかということを、一応やはり採決に入る前にきめておかないと、やはり、これはまずいのじゃないのかと思います。これをちょっと研究してもらいたい。
  37. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ちょっと速記をとめて。    午後三時二十六分速記中止      —————・—————    午後三時四十三分速記開始
  38. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記をつけて下さい。
  39. 柏木庫治

    ○柏木庫治君 電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成をいたします。  私は同僚とはかりまして、さっき八木委員が討論の中におっしゃった、二年ぐらい、それを延ばして三年ぐらいということは、一番望ましいという考えは持って、しかもわれわれの意見はそこにあったのでありますが、諸般の情勢を勘案いたしまして本案に賛成をいたします。実際問題として負担金及び公債を負担することは非常に架設を望む方からいえば重い負担と思いますので、これをなきものにしたいという理想は、十分だれもが考えておると存じますけれども、電話を、今までみたように電話は絶対かけられぬというように思わしむるような時代もあったのが、近来は、この点は、非常にこの点が金はかかっても希望を達せられる、ここいらを勘案いたしまして、五年は非常に長いと存じますけれども、やむを得ず本案に賛成をするものであります。
  40. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言ございませんか……。それでは討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を衆議院送付の原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  42. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における委員長報告内容、第七十二条により議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。  それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     宮田 重文  久保  等     柏木 庫治  石坂 豊一     石原幹市郎  瀧井治三郎     津島 壽一  最上 英子     永岡 光治  三木 治郎     山田 節男  野田 俊作     八木 秀次
  44. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  45. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記をつけて。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十四分散会      —————・—————