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1956-05-17 第24回国会 参議院 地方行政委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月十七日(木曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————   委員異動 五月十四日委員木下源吾辞任につ き、その補欠として森崎隆君を議長に おいて指名した。 五月十五日委員横川信夫君、佐野廣 君、堀末治君、川村松助君、伊能芳雄 君及び高瀬荘太郎辞任につき、その 補欠として西川甚五郎君、森田豊壽 君、大野木秀次郎君、泉山三六君、小 西英雄君及び後藤文夫君を議長におい て指名した。 五月十六日委員泉山三六君、小西英雄 君、大野木秀次郎君、西川甚五郎君及 び森田豊壽辞任につき、その補欠と して川村松助君、伊能芳雄君、堀末治 君、横川信夫君及び佐野廣君を議長に おいて指名した。 本日委員小幡治和君、中田吉雄君、松 澤兼人君及び森崎隆辞任につき、そ の補欠として酒井利雄君、近藤信一 君、東隆君及び大倉精一君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松岡 平市君    理事            伊能 芳雄君            宮澤 喜一君            森下 政一君            小林 武治君    委員            大谷 贇雄君            川村 松助君            佐野  廣君            酒井 利雄君            堀  末治君            横川 信夫君            東   隆君           小笠原二三男君            大倉 精一君            加瀬  完君            近藤 信一君            松澤 兼人君            森崎  隆君            野田 俊作君            鈴木  一君   国務大臣    国 務 大 臣 太田 正孝君   政府委員    自治政務次官  早川  崇君    自治庁選挙部長    事務代理    皆川 迪夫君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選 ○議案の取扱いに関する件   —————————————
  2. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 委員会を開きます。委員異動がありましたから、御報告申し上げておきます。  十四日付木下源吾君は委員辞任せられ、新たに森崎隆君が委員に選任されました。  十五日、委員横川信夫君、佐野廣君、堀末治君、川村松助君、伊能芳雄君、高瀬莊太郎君はそれぞれ辞任せられ、新たに西川甚五郎君、森田豊壽君、大野木秀次郎君、泉山三六君、小西英雄君、後藤文夫君が委員に任命せられました。  十六日付西川甚五郎君、森田豊壽君、泉山三六君、小西英雄君、大野木秀次郎君がそれぞれ辞任せられ、新たに横川信夫君、佐野廣君、川村松助君、伊能芳雄君、堀末治君が委員に任命せられました。  なお本日委員小幡治和君、中田吉雄君が辞任せられ、新たに酒井利雄君、近藤信一君が委員に任命されました。   —————————————
  3. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 次に、理事補欠互選の件についてお諮りいたします。  本月十五日、理事伊能芳雄君が委員辞任せられましたため、理事に一名欠員を生じておりましたところ、昨日伊能君が再び委員となられました。これより理事補欠互選を行いたいと存じますが、互選成規手続を省略し、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 御異議ないと認め、伊能芳雄君を理事に指名いたします。
  5. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 次に御報告申し上げます。御承知のように、昨日地方自治法の一部を改正する法律案地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案並びに公職選挙法の一部を改正する法律案がそれぞれ衆議院を通過いたしまして、本委員会に本審査になることになりました。両法案をこれから御審議願うわけでありますが、両法案についての衆議院審議経過にもかんがみまして、特に本朝委員長理事打合会を開きまして、今後の両法案審議についてお諮りいたしました。しかるところ、社会党森下理事は、地方自治法並びにこの関係法案委員会としては先に審議をしろという強い御主張があり、自由民主党の宮澤理事並びに緑風会小林理事は、公職選挙法の一部を改正する法律案を先に委員会であげ、これをすみやかにあげて、地方自治法並びにこれが関係法案審議すべし、こういう御主張がございました。それぞれの御主張がございましたが、議がまとまりません。で、委員長といたしましては、この機会に、従来そういう点について特別に慣例もございませんし、多数の会派の御意見に従って、公職選挙法の一部改正法律案を直ちに議題に供したいと存じております。
  6. 森崎隆

    森崎隆君 今までの経過が御説明願いたい。と申しますのは、自治法選挙法、両法案につきまして、予備審査段階にあったと思います。予備審査の場合ですね、重要法案は、重要度の問題は別にいたしましても、一応予備審査に手をつけているものがもしあるとしますれば、これを早く片づけて、日程を作ってやっていくのが当然だと思います。その点は、委員長当然お考えになってしかるべきだと思いますが、今までの経過はどうですか。選挙法の方は予備審査で手をつけておりますかどうか、自治法の方は予備審査で手をつけておりますかどうかをはっきりしていただきたい。それに従っていきます。やはり筋を通さないとおかしい。
  7. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 経過は、皆様御承知通り自治法については一部予備審査をいたしております。選挙法については予備審査をいたしておりません。経過はその通りでございます。
  8. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 委員長としては、従来の委員長考え方からして、どの種の法案であろうが、話し合いの決するところに従って審議をしていくという基本的な立場には変りがないと思うが、今、委員長のお諮りになったので聞きますと、理事会では意見がまとまらなかった、従って多数会派意見に従ってやってもいいと考えられるような委員長の御意見まで加えられて、そうして公職選挙法をやりたいという形で御相談になっている。私は、そうではなくて、今の御相談なされることは、理事会経過を御報告なさって、この段階では理事会ではまとまりそうもないようであるから、委員各位の御意見を伺い、各会派意見を伺って、多数の決するところに従って進むなら進みましょう、委員長としてはどちらを審議しようともいいのだという態度でなければ、(「その通り」と呼ぶ者あり)これは話は、話し合いというものは進まない。一方の話だけで押し切られたという形が出て、最初から工合が悪い。それで、何も内容的な押し問答をするのではないが、その前に委員長として、今の段階で当委員会への諮り方について再度考慮を願いたい。あるいは事務当局がただ事務的に書いた原稿を、私は委員長として読んだのであろうと思いますが、事務当局がもしも事務的にこの種の重要な問題を原稿を書いたとするならば、事務当局の従来のいき方とは違う点において、事務当局を私はあくまでも追及しなければならぬ。委員長が特にこういうふうに書けということで、原稿を書かせたとなれば、松岡委員長をこれは特段に追及しなければならない。しかし、これは何かの錯覚だと私は思っているので、諮り方としては穏当な諮り方をした上で、一つ話し合いを進めるということでやっていただきたい。そうなれば、その次の段で私の意見はまた申し上げます。
  9. 松澤兼人

    松澤兼人君 関連して、委員長のおっしゃる前にちょっと。全く小笠原君の意見に同感なんです。なるほど先ほどの委員長理事打合会は、決裂したような形になっておりますけれども、果してこれを決裂と考えていいかどうか。さらに話し合い機会を持ったならば、あるいは話し合いがつく段階であったかもしれない。一応私どもは、わが党の森下理事からその経過報告されまして、まさかこれが最終の段階であって、委員長の腹として、公職選挙法先議しようという、そういう腹がきまったとは私は報告を受けていなかったのであります。従って、この委員会が正式に開かれるならば、委員長理事打合会経過報告があって、そしてどちらを先議するかということをお諮りになり、その意見がまとまらなければ、あるいは懇談会に移すなり、あるいはさらに委員長理事打合会を開くなりして、十分に話し合いをして、それでも話し合いがつかないならば、最終的には委員長の権限にあることでありましょうから、それは適当に審議の方法をお立てになっても差しつかえないと思う。今の段階で、直ちに公職選挙法というものを先議しようと思うが、ということで審議にお入りになるということは、これは委員長ともわれわれは考えられない。もう少し話し合い機会があるのじゃないか、こう思うのです。
  10. 松岡平市

    委員長松岡平市君) お答え申し上げます。従来委員会を開くたびに、どの法案議題に供するかということについては、少くとも私はこの委員長になってから、特段理事会にお諮りをしないで、審議の都合を見ながらやってきたことは、各委員承知通りでございます。私は大体それでよろしいと考えております、私自身が−…。が、お聞き下さい、私はさように考えております。(「異議がないときはそれでよろしいでしょう」と呼ぶ者あり)だからお聞きなさい。問題があるから、私は特に先ほど申したように、これは衆議院審議経過もあるから、これは今までのように私が勝手にやっては、これはいささかいけない、こう考えましたから、理事会を開いたのであります。打合会を開いたわけであります。ところが、これはもう初めから話が二つであった。結論を得がたい、こういう状況になって参りました。そこで当初、まあ小笠原君のお話では、それならばそのように、そのままここに諮ろう、こうおっしゃるけれども、しかし私は、今言うように、大体委員会を進めていくのに、きょうはどれを議題にするか、どれとどれを議題にするかということは、これは大体委員長がすべき事柄だと考えております。問題があったときに、初めてこれを待てとか、あるいはこちらを先議しろとかいう御意見が出る段階であって、少くとも私は、……今小笠原君は、委員長事務当局の書いたものを読んだが、書き方が悪いとか、あるいは書き方を何とか、……読んでおりません。事務当局に書かした覚えもございません。小笠原君はそれを私が、それならば、はなはだ不都合だと、これはおっしゃるにきまっておる。私の理解では、今言うようなことでございます。そこで委員長といたしましては、議題としてはここまでやってみましたけれども、話がつきませんから、選挙法をこれから議題に供したい、かように考えておりますということを申し上げたので、それがいけないとおっしゃれば、これから新たに、委員長のそういう考え方は悪い、こういうふうに御抗議願えればけっこうでございます。特に事務当局その他についてお叱りをこうむることは、一つそういう点は、事務当局は何ら関与しておりませんから、申し上げておきます。
  11. 森下政一

    森下政一君 どうですか松岡委員長、先刻の委員長理事打合会では、御承知通りに、社会党主張自民党並びに緑風会主張が対立して、結論に到達しなかった。どれくらい時間をかけて、そのことについて論議しても、とうていこれは結論を得ないというので、まあ一まず委員長理事打合会では意見がまとまらぬという状態でお諮りになったわけです。ところがどうでしょう。速記をつけてこれをやっておるが、非常にしかつめらしい討議になるから、一応速記をとめて、この全委員を、何というか、懇談会のような、あるいは協議会のような形に移してもらって、このことについて、もう一ぺん全員で相談したいと思う。御承知のように、過日内閣委員会の問題で非常に紛糾いたしまして、本会議が三日も開けないというような状態があったのを、ようやくいろいろ各党各派で努力をしました結果、なごやかな結論に到達したと、そのときのことの条件一つに、各党各派が了解したものの中に、これから一つ参議院の各委員会も軌道に乗って、スムーズに運営してゆくと、それに努めるというような了解も成立したことでもあるし、ことに今、今日から審議にかからなければならない地方自治法並び公職選挙法は、ともに重要法案と目されておるものであり、そしてこの両法案、特に公職選挙法案衆議院における審議経過から見まして、もうほとんど両大政党が激突寸前状態を呈して、世間を非常に憂慮せしめたというような事態もあったということにかんがみても、これは、この審議ということについて、いろいろけわしい状態が起りやすい問題だと私は思うのだが、衆議院と同じような状態参議院において繰り返したくないという私はその根本において考え方が強いのです。だから、一つさらに具体的に話し合いをしましてたとえば、先刻も委員長理事打合会でもたとえば地方自治法先議するとして、何日あったらこれを議了し終るかというような、納得のゆくようなことを両党が確約できるならば、それを先議することも必ずしも同意しないわけでもないというような意見もほかから出ておったが、そういう点についても、一つ打ち解けて懇談して、願わくば両法案ともに、何とか審議を終ることができるような工合に、できれば非常になごやかになると思うので、一つ協議会のようなことに移してもらって速記をとめて話し合いをつけるということに一つ努力すると、こういうはからいをしていただきたいと思いますが、どうですか。どう結論になるか一つ−…−。
  12. 小林武治

    小林武治君 今、森下君のお話がありましたが、私どものこの審議期間は、きわめて限られておることで、こういうような事情からも、私はこういう手続などにあまり多くの時間をついやすべきでないと、もっと実質的の審議をしたいと、こういうように考えるのでありまするが、今の問題につきましては、私の一つ見通しとしては、これは平行線をたどって、なかなか話し合いがむずかしい。従って、私のおそれるのは、時間を空費するのを一番おそれる。また審議の実質でなくて、つまらん形式あるいは手続のために時間を使うということを極度に私はおそれておりますが、従いまして、これが話し合いがつく等というふうな見通しがあれば別ですが、もしそれがなければ、やはり結論において時間浪費になるということを心配いたしまするので、その辺のことを一つ委員長でもってお考えになって、善処されたいと思います。
  13. 松澤兼人

    松澤兼人君 それは話してみなければわからない。
  14. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 松澤君に発言を許します。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも話が横に行ってしまう。私さっきから質問しておるのですから、それに対して……。質問をやるのだから……。
  16. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 松澤君に発言を許します。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はあなたに伺いたいのです。伺っておるのです。その答弁の様子によって、段階を踏んで質問を申し上げておる。それを横っちょからぽんと話が行ってしまうから、行ったり戻ったりして、小林さんから時間空費などというおしかりまで受けなければならぬということになってくる。私は、手続上のことは形式論議で、そしてそんなことで時間を空費することは困るという意見は、一般的には聞いておきますが、それは形式論であるか、委員会運営上本質論であるかは、議を重ねていくに従ってだんだんわかることなんです。だから委員長に、こういう重要な問題ですから、逐次質問をしたいと思う。で、委員長としてはっきりせられたことは、理事会における様子もわかりました。しかもまた、委員長個人として、扱い上、委員長としては多数意見というものが確認できたようであるから、公職選挙法先議したいと、いかがであるかということで意見を問うておられるようであります。異議があれば異議を申してもらいたいということであります。ですが、委員長としてですね、単独に何を審議しようと、それはそのときそのとき委員長としての考えでやっていいんだということは、これは一般的な、論議のないときの問題であります。しかも、委員会運営そのものは、慣例もあれば、やはり秩序を立てて、そして審議していく建前もあるわけです。従って、この種の付託法案において、何ら問題がなければ、何ら問題がなければ予備審査等に取りかかっておって、しかも衆議院の方からそれがすみやかにあがってきて、そして先議できる状態になっておる法案というものがあれば、それから順序として取りかかっていくということは、一般的な場合、だれもこれは否定し得ないところである。ところが今回は、地方自治法はこちらでは公職選挙法同様に予備審査付託になっておりますが、予備審査段階でこれを審議したのは、地方自治法審議せられておる、手をかけておる。しかも、最近数日の委員会開催に対する公報では、地方自治法審議せられる対象となって公報が出ておるんです。従って、昨日のように、衆議院先議せられて自治法が先に通ってきたという場合においては、一般的に自治法先議せられるということは、委員会秩序の上からいっても、これは問題のないところなんです。これを公職選挙法先議しなけりゃならぬということになれば、これは、そういう秩序の問題というよりは、政治的緊急性ありということ以外には先議の理、由はないはずなんです。従って、私はそういう過去の先例も他にあるのですから、何を先議するかということは、御相談なさってもいいことだと思う。しかし、その条件としては、やはり緊急性あり、緊急に今日の国政の上にこの法案がすみやかな通過を必要とするという諸条件がそこにあってですね、そして全体として政治的に考慮せられるというのが筋だと考える。ところが、自治法とこの公職選挙法とは、しからばいずれが重要であり、いずれが緊急性があるかということは、これは論じてみなくちゃならぬところなんです。非常に論議のこれはあるところなんです。(「その通り」と呼ぶ者あり)しかし、その論議において、自治法は今日の地方公共団体のために緊急な施策である。地方財政再建その他一連の法案で、今日の国と地方を通ずる財政なり、あるいは自治行政の上において緊急であるということは、だれも否定できないことなんです。自治法そのものは、前回にも出て、これが審議ができなかった経過があるのです。このたび初めて出てきた法案ではない。ところが、公職選挙法の方は、これは緊急なりとして政府提案にもなり、よき今後における国政運営の基礎をこれに求めてくるということで、非常に重要な法案であると世間もこれは確認しておったものであります。しかしながら、政府が提案せられました原案というものは跡形もなくなって、そして、修正案と申しますか、本質的には新たなる法案といってもいいでしょう、そういう実体のものが参議院に現われてきた。しかも、この法が通過することによって、あす、あさってにこういう基本の日本の国政を運用する方針というものが打ち立てられる趣旨の内容にはこの修正案はなっておらぬのであります。自治法の方はそうではない。あすにもこれは必要なものであります。そういう問題を考えた場合に、公職選挙法先議しなければならぬという多数の御主張があるとするならば、その御主張というものもこれが述べられて、それがわれわれの理解がいき、そして少数派野党であるから理解がいかないのだということでなくして、一般に今日の国政に関心を持っておられる主権者立場から、国民が納得するような態度であり、そういう方針であるというものであるならば、われわれは率直に引き下がる、確かに多数の言う通り先議せられるのもいいでしょう。しかし、そうでないものを多数であるからということで運用するということになるならば、委員会慣例として行なってきた秩序が乱れることなんです。そういう意味で、私は単に手続上の問題、形式論として小林君がおっしゃるような、そう軽々に事を扱える問題だとは考えない。どちらも政府提案のものです。そして、重要なりとして提案せられたものなんです。しかるに一方は、政府提案はほとんど否定せられて、修正せられて出てきて、そして、今日即日速効の上がる法案ではないのです。こういうことになるならば、政府与党建前からいえば、政府が提案せられ、重要であるというものが審議せられ、それが直ちにあすの国政に実現できるものからこそ押してこれは先議主張していくべきものなんです。それを今日、政府与党さんの方は逆なんです。だから、これは全く与党野党立場を入れかえて、私の方が鳩山内閣のてこ入れと申しますか、応援隊になったような形なんで、非常に工合が悪くなってきたんです。皆さんいつ野党になったということを聞いたこともない。で、私の申すことが饒舌であるというおしかりを受けるとするならば、饒舌だということを証拠立てるために、なぜ公職選挙法先議せられなければならぬかという御意見を私に答弁することを通じて、国民の前に明らかにしていただきたい。そういうことが納得せられて、初めてこの委員会審議というものも行われると思うのです。これは委員長扱い範囲外のことですから、委員長にお伺いするのでなくて、自民党理事さんに、どういうわけで公職選挙法先議しなければならないかという、この理由をわれわれの納得するように御説明願いたい。
  18. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 この政府提案の初めの法律は、非常に時局からして早くしなければならないというので提案された法律であることは、今あなたのおっしゃる通りです。それが非常に重要な点が除かれて、修正案になったということは、衆議院の意思によっての修正であると、こう思うのですが、この衆議院修正は、この法律ができて公布された日以後の最初通常会の召集の前日までにいい成案を得て、内閣総理大臣に提案しなければならない。調査会に義務づけられるわけであります。これはすぐやらなければならない。この法律が通ったら、すぐそういう準備をして、そうして次の常会までにはりっぱな、国民が納得されるようないい案を作って出すべく準備をしなければならぬ。(発言するもの多し)
  19. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 静粛に願います。
  20. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 そういう意味において非常に日が切られておるのです。これがまあ第一の理由だと思う。  第二には緑風会から先に小選挙法案がもう十六国会でしたか出された、これはその後非常に緑風会はお急ぎになったけれども、しかもこの委員会では、もう一度はこれはどうしてもやらなくちゃならぬというところまでいったけれども少数事情でこれが継続審議になっておる。その後ついにこれは審議未了になってしまった。そこで昨年の二十一国会でしたか、昨年の臨時国会にもう一回緑風会から、これはまた非常に急ぐものだから、ぜひ重要な法案だからやりたいというので出されて、継続審議になっておったことも御承知通りであります。こういうわけで、本委員会といたしましては、その法案緑風会が先にこれを引き下げた。何のために引き下げたかと言えば、これは全く自分たちの欲するところのような、欲する選挙区割に大体近いものが出てきたから、そしてしかもその精神が通っておるから引き下げたという説明であった。そういうことから考えれば、この法案審議はどうしてもこれは先に譲ってくれたのだ。法案順序緑風会の方がわざわざこのために譲ってくれたのです。だからこの法案がこの委員会に来たらすぐ、これは即刻順位を先にとっておった。当然やらなければならぬと私は思うのです。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで自治法との関連は。
  22. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 自治法の方は、これはそんなにあす、あさっての急ぐ法案とは思いません。(発言するもの多し)
  23. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 委員会外発言は許しません。傍聴人は静かにしていただきたい。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 委員長は怒って言っているのでないのだけれども、初めて聞く人は怒られたような感じを受けるから……。それで今伊能さんのお話になったことで明らかになったことでは、地方自治法は急ぐものでない、今とやこう言う問題でない、そういうものを、これだけ膨大なものを重要法案であるからといって出されて、われわれ一生懸命審議しなければならぬと考えていたが、そういうことを言われると、どうも工合が悪い。二合悪いけれども、これはもうほったらかしていいんだということだけは明らかになった。だからまあこれは太田さんにはお気の毒だけれども、事のきまりようでは、このものはもうわれわれは審議してくれなどと、急ぐなどと与党から言われましても審議できないし、そういうふうに押されてくると思うのです。自治庁長官も、まあそういう結果になればやむを得ないということになるだろうと思いますから、念のために申し上げておきますが、しかし伊能さんの今お話になられた、緑風会さんの公職選挙法が撤回になったときに、公職選挙法がすみやかに先議されなければならぬという条件が出てきたのだという論理は、私らは伊能さんにも小林さんにもそうしてもらうんだぞということを聞いたことはないのだから、それは知らぬ。それはわからない。ただたしかに前段で言われているように、小林君らが提案した案が撤回になる理由は、政府案がもっと緑風会案に近ずき、しかも調査会案を尊重するということなんだから、これは撤回したんだというふうなことは、その間の事情を聞いておった。しかし緑風会さんの出した案とは全くこれは油と水以上に違った案がここに出てきているんですよ。だからだんだんに小林さんにも伺いたいのですが、これはもう小林さんの御主張から言えば、審議の対象にもうなれないものなのです、この修生案は。それをしも先議して、これを審議しようということはどういうお話なのか。これも順次お伺いしたいところなんですが、端的にもう一度伊能さんにお尋ねしたいことは、そういう条件がわれわれ、のみ込んでおったものであったかどうか。私理事でないからわからぬが、先議するのだという条件になっておったのかどうか。もしもそうだとすれば、予備審査でなぜ地方自治法審議に入ったか、しかもなぜ公職選挙法予備審査を、地方自治法公報に出して先議する機会が何回もあったんですかり、選挙法についても審議しようと思えば審議できたものを、なぜほったらかしておったか。
  25. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 一つ私から。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは伊能さんにお尋ねしておるのですから。
  27. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 私から。なぜ予備審査をしなかったか、自治法はなぜ予備審査をしたか。こういうことですが、これは私としては伊能君の今の御答弁もありますけれども、私は、ここに来た法案はどの法案でも、すべて審議を尽して会期内に審議を尽したいと、こういう考えを持っております。まず基本的に持っております。そうするのには、いつどの法案をどういうふうにした方が一番そういうふうになるかということを、私独自の判断をもっていたします。それで公職選挙法については、これは予備審査をするということ、予備審査というものが必ずしも適当でないと考えます。自治法につきましては、これは予備審査をできる限り早く進めておく方がいいと、こう考えておりました。なぜ選挙法予備審査をしなかったかということは、ただ私がそういうふうな、どういうふうにした方が審議がうまく行くかということについての、私の判断からそういうことにしたにすぎません。別に与党に強制されて、予備審査を一方はやり、一方はやらなかったということでございませんから、これは伊能君のお答えでなしに、私がそうしたことが悪かったというなら別でございますけれども、そういうことであるというふうに、予備審査をしたしなかったということはそういうふうに御了解を願いたい。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 委員長の申した内容についても異議はあるけれども委員長の責任の部分の御答弁は御答弁として承わりました。伊能さんどうです。
  29. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 まず緑風会の案の撤回された問題でありますね。この問題は、なるほどこれは区割がこの中にはいっていないのだから、その意味においてはたしかにそういうことです。しかしやはりこの精神というものは、この法の中に、緑風会が当初ねらっておったところの法の精神というものは、この法案の中に十分はいっておるわけです。修正案の中にも残っておると思う。それを緑風会さんが今日に至ってもやはりこの精神を残しておきさえすればというのは、この気持はよくわかるのは、これと同じような審議話し合いの過程に、ちょうどこういう修正案に類したことを妥協を持ち出したことがあるのだ。私は、だから緑風会としてはこれはむしろ自分の案にだんだん近寄って来たと思っておると私は思う。そういう意味においても、この法案をわれわれとしては、この委員会の今までの経過から言えば、先にやるべき筋合いである。言わば先積みしておったものである、もちろんこれはそういう条理から来るので、そこにどこにも条件とか、あるいは撤回のときにそういうつけたりとか、何もあったわけではありません。しかし、今までの経過から判断をすれば、当然そうしなければならないという結論をわれわれは持たざるを得ない。なおこの機会に私お答えしておきますが、自治法が今国会を通らなくもいいというふうなことを申し上げたのでは毛頭ないのでありまして、どっちを先にするかという場合のそういう順序を申し上げたので、両法案とも私は当然この国会中に何らかの結論を出すべきである、こういうふうに考えるわけです。
  30. 宮澤喜一

    宮澤喜一君 今、小笠原委員から非常に論理の明快なるお話がありました。
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 明快だと御認定になりますか。
  32. 宮澤喜一

    宮澤喜一君 明快だと考えます。そこで同じ論理を拝借して伺ってみたいのですが、たしかに地方自治法の改正が非常に緊急性が高い、その通りだと思うのです。そこで、もう一つ公職選挙法の改正案の方とどっちが緊急度が高いかということなんですが、この公職選挙法の方は、先刻小笠原委員お話によると、衆議院で大修正をして何か水と油のようなものだ、初めのものに比べますと、ということをおっしゃった。ところが、それはまあ小笠原委員がそうお考えになっておるとか、新聞に書いてあるとかいうことなんでしょうが、この委員会としては、衆議院でどういう修正をなすったかということは公けには伺ったことがない。ですから、両方の緊急性を比べるとすれば、まず公けにどういう修正をなすったか伺いませんと、比べようのないことなんですね。あなたの論旨を聞いていきますと、提案修正理由一つ伺ってみない分には比べようがない。どうですか。そうすると、それをやらなければなりませんが。
  33. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の申し上げたいというところにあなたも落ちてきたわけなんです。どういう修正になって、審議の対象になるものかならぬものか、あなたはまあ聞いてみたらよかろうと、それで聞いてみたら、これは審議の対象になるのだということです。多数をもって審議に入っていくから、そのとっかかりをつけるには、まあ二言言わせた方が得だというあなたの気持はよくわかる。ところが私は、その意味とは反対の意味で、聞けというならば聞いてみようという考えは別にある。別にはある。けれども、まあそのことはそのこととして、よくまたあとで相談しましょう。で、伊能さんに私答弁を求めた点では、両方結論を出したいということにおいては、これはその通りなんです。両方結論を出したいということは、両方上げたいということでしょうね。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  34. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 上げたいって……、つまりイエスかノーかをこの委員会が出すということです。
  35. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 出すという……。
  36. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 ええ、そういうことです。
  37. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、結局両方とも審議を終了させたいということで、しかも、これを無修正衆議院から来ました案を通過させたいという意向は、与党として常に変らざるところなんです。それをなぜそういう御決意がありながら、前後させる理由があるか。そう思いながらも、公職選挙法は先にやる、自治法はあとだという理由がどこにあるか。今そちらのお話では、私の論理は明快だと言う。しかもそういう御認定があるので、そんなら、両方上げたいというなら、堂々と順序よく、少数意見もお聞き届けになって、そうしてこの委員会の従来の審議秩序も乱さぬようにしておやりになって何ら差しつかえないことです。しかも地方自治法はもう相当重要で膨大な法案だ、あと十五、六日、日曜を除きあるとするならば、これを折半して使ってやっていこうとか何とか、具体的な御意見でもあれば、森下理事もいろいろこれは御判断になられるところでしょう。両方通過させたいということでありながら、しかも順序自治法公職選挙法として通ってきながら、しかもこの委員会としては、自治法予備審査をしておりながら、しかも緊急性から言えば、自治法の方が程度が高いということをお認めになっておりながら、なお前後を入れかえなければならぬという理由はどこにあるのか、率直に理由をお伺いしたい。
  38. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 これは、さっき私は何回も申し上げましたように、この委員会緑風会案というものが二回もかかっている。そうして初めの法案は、最後は結局審議未了になり、出し直した法案がこの国会まで継続審議になっておって、先般撤回されておる。これが撤回されたというときの気持が、この法案を作るからという気持で撤回されたのであるから、その気持からいって、当然これはもう先に取り上げなければならぬ、できさえすればすぐ取り上げてやらなければならぬという、われわれの委員会としての暗黙のうちに気持があったわけです。そこでこれを一番先に取り上げた……。
  39. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 暗黙のうちの気持が委員会としてあったというのは、自民党さん、緑風会さんの方にあったろうし、社会党にはなかったのだから、形式上は、委員会としてそういう気持があったわけではない。これはお取り消しを願っておきたい(「自治法は三回目だ」と呼ぶ者あり)とともに、自治法の問題の中でも、今森下さんが言いましたけれども、これも何度も何度も自治庁から出て、そしてにぎられにぎられして案を練り直して、これこそいい案だということで御提案になっておる。その点の論理はこれは同じなんです。しかもあなたが言うのは、単に緑風会さんから出ておるから、従って継続してやるという暗黙の了解なんだということだけなんですから、それだけにしか理由がないんですから、両法案結論を得たいという努力を皆さんおやりになるということであるならば、ここの委員会として、社会党の反対しておるのは、順序よくやれということで反対しておるのだから、順序よくやることによって両法案上るようにあなたの方で御努力になるということで、何らあとは他意がない。あとはその根拠も理由もないので、そのことが、お認めにならぬということこそが、私たちはこの委員会の運営から言えばまことに奇っ怪なことだと思う。これは片方ほったらかすんだ、選挙法さえ上ればいいんだということで主張するという党内事情、政治的な諸情勢、こういうものがあるなら、あるんだということになれば、これは私たちとしては数で押し切られるという状態も起るだろうが、そういうことはないんですから、あなたの御発言から言えば、そういうことは全然ないことなんです。ただ事務的に、緑風会との義理合い上先議せられることを主張せられるということであるならば、この際緑風会さんの方も両法案通過ということで御同調めさるということで御納得いただき、少数派である社会党意見も入れて、堂々とこれは順序よく先議せられる、それ以外に理由はあとないのです。他意はないのです。もう事態は明らかになったのです。そういうふうに一つ、常に公正であると言われる委員長においてもお取り扱いを願いたいと思う。あと他意ないのですから。
  40. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 先ほど森下理事からのお話もありますし、まあ一応小笠原君から、社会党主張は繰り返し述べておられます。私もいろいろ申し上げたいけれども、一々委員を指名して、速記をとりながらやるということよりも、この問題は懇談した方がかえって結論を早めると思いますから、速記をとどめて、懇談に移ることにいたしたいと思います。速記をとどめて。    午前十一時五十九分速記中止    ————・————    午後零時二十六分速記開始
  41. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記を起して。  暫時休憩いたします。    午後零時二十七分休憩    ————・————    午後三時四十一分開会
  42. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 委員会を再開いたします。  委員異動がありましたから、御報告申し上げます。委員松澤兼人君が辞任せられて、新たに東隆君が委員に任命されました。   —————————————
  43. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 委員長及び理事打合会経過について御報告申し上げます。午前中の委員会におきまして、いろいろ御論議があり、さらに懇談に移りまして、いろいろ各委員からのお話がございました。その結果、さらに一時半から各会派理事各位にお集まりを願いまして、私もこれに加わって、問題のいずれを先議するかということについて御相談を願いました。自由民主党並びに緑風会側は、ぜひ公職選挙法の一部改正法律案先議したいという強い御主張があり、社会党森下委員は、ぜひ自治法の改正法案先議すべしといういろいろな意見の御開陳がございました。御協議を願いましたが、理事会におきましてはどうしても話し合いがつきません。委員会の時間の都合もありましたので、委員会を再開いたしました。暫時速記をとめまして、御相談をいたしたいと思います。  速記をとめて。    午後三時四十四分速記中止    ————・————    午後五時五分速記開始
  44. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記をつけて。
  45. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 さっきから情義々々と言うものだから、あまり情義にとらわれるようですが、法案審議は情義でない、一つの条理ですね。条理というものは、とにかく幾度もこれはこれより先にやれやれというのを押えてきた。そういう意味になってくると思いますが、自然に。ある程度まで順序がきているのです。やらなくちゃならぬという順序がきておるということを考えなければならぬ、今までから考えて。そういう情におぼれるというような情義ではないので、理論的にそういうふうに、今までの事情から、そういうふうにやるのを、待て待てと押えてきておる。そういう関係があるということです。
  46. 小林武治

    小林武治君 委員長はもう少し議場の整理を一つしてもらいたい。(発言する者多し)やかましいぞ。先ほど小笠原君のお尋ねでありますが、私の方は、自由党の考え方もまことにけっこうな考え方であると思うし、これは条理とか情義とか言うが、結局この両法案を議了するためには最善の道である、こういうふうに私は自由党も考えておられると思う。私も自治法もぜひこの際議了したいと、こういうふうに思っておりまするが、この両法案をこの会期でやるためには、これが最善の道であると、こういうふうにお考えになっていっておると思います。私どもの方でも、何とかこの結論をこの両法案について出したいと、こういうふうに思っておりますから、この案が最善だと思って私も賛成しておる、こういうふうに考えております。
  47. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、小林さんおいでにならぬ前にこういうふうに日程をお作りになって、両法案を上げるのが最善の策だとおっしゃるが、そういう御自信があるなら、選挙法をあとの日程にし、自治法を先の日程にしても、日程においては変りがないのだから、そうなってはなぜ上げられないとお考えになっておられるのか、これをお伺いしたい。
  48. 小林武治

    小林武治君 私は、日程が円滑にいけばこういうふうになると思うが、必ずしも与党さんも円滑にいくという自信がないのだろう、こういうふうに考えております。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 議事が円滑にいかないということをお考えになる根拠は、あなた方が作っておる。あなた方がなおかつこういうやり方によって、その議事が円滑にいかない事態をみずから作っておる。(「その通り」と呼ぶ者あり)みずから作っておる。われわれは常道な審議を望んでおる。地方行政委員会が過去にやってきたような堂々たる審議を望んでおる。結果は問わない。それはあなたの方の党の自信と、それは言って悪い言葉ですが、戦術にあるでしょう。しかしそういうことは表面言う筋合いのことではない。委員会としてはそういう揣摩憶測でなく、常道をもってこの審議をしていくということが建前であろうと思う。それに内容をつけるならば、もう午前中からいろいろ申し上げておることなんです。それで自信がない、自信がないとおっしゃっておられる。(小林武治君「ないだろう」と述ぶ)だろうとおっしゃっておられる。そういう自信がないからテクニックとして、技術の問題として、こういうふうな先議、後議を決するということは、わが党に対するそれは侮辱でもありましょう。そういうことは表芸として、理由として、根拠として言うべき筋の問題ではない。私はそういう意味では非常に根拠が薄弱だと思う。社会党にやられるかもしれないからこういうふうにするんだということでは、お互いに党と党の立場に立ってこの委員会審議をしていくということを、初めから否定しておる考え方だと思う。かえってわが党がこの審議に参画しないででも、やってのければ一番いいんだというようなお考えと同断なんです。そんなことでは政党政治は行われないと思うのです。私は伊能さんに、出先としては、もうお話結論としてはわかったが、再考慮していくということ、しかも小林さんの方のお話を聞いても、自民党さんのそうであろうという想像のもとに御同調なさっている向きなんです。これははね返ってまた自民党さんに再考慮願わなくちゃならない。緑風会さんの方は、自分としては最善の策だと思うと言っておられるが、自民党さんの方に自信があれば、直してもいいという結論になると思うのです、小林さんのお話なら。どうですか。
  50. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 先ほどお示しした日程の順序で、これはもちろん一日々々のこまかいことをこの日程でどうということではありませんけれども、大体の筋をこういうような筋でやっていくのが両法案結論を出すのに一番適切である。まあこういう考え方から出発していることは、先ほど何回も申し上げた通りであります。これについて今お話がせっかくありましたけれども、これを振りかえるというようなことは、私の今の考えとしては遺憾ながら応じられないということを申し上げたいと思います。
  51. 加瀬完

    ○加瀬完君 伊能理事は先ほどから結局小笠原委員の要請に応じられない理由として、この前からの緑風会の情義あるいは条理ということをおっしゃっておるのです。で、この緑風会の条理なり情義なるものは、緑風会がたびたび選挙法の改正案を出した、それを自由党としては協調できなかったので、この際小選挙区制を取り上げるのだ、こういうお話である。しかし二十八年に一体小選挙区制に、今の小選挙区制に似たような選挙法案を緑風会が出したときに取り下げましたのは、あなた方の方が警察法を出すために、あなた方の反対でこれの審議を断わったんじゃありませんか。それからその後、選挙法の一部改正が二、三度出ましたけれども、いつでも自由党の方の都合でこれらの法案が途中でだめになった。一貫しておるのは結局自由党の党略といったようなことで結論が出ておるとわれわれは言わざるを得ない。そういうお立場で今度もまたこの法案に相対するなら、衆議院においてああいう形で法案が進められました。それに対して世論というものは強い批判をした。せめて参議院に参ったら、ああいうふうなこともなくて、円滑な運営による審議というものを進めらるべきではないか、こういう大きな期待があると思う。これを自民党みずから、また自分の党略によりまして、参議院におきまして衆議院以上の愚を繰り返すということであるならば、これは二院の性格からいって、われわれは非常に相ともに反省しなければならぬことだと思う。こういう点から、ほんとうの条理というならば、二院としての参議院の運営が円滑にいくような、そういう条理をこの際立てるのが当然じゃないか。そういう点で、もっと自民党さんとしても、小笠原委員の要請のような点について、再御考慮がいただけなければならないのじゃないか、私はこう思うのであります。
  52. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 今来ている選挙法の改正案は、初めの政府原案に対して与論に相当の批判が出てきた。そういう批判に対する反省の上に立って、そしてなおかつ一番世論の批判の多かった区割りの問題については、これこれの措置をするということで、世論を十分聞いた上で出てきた法案だと思う。従って現存の世論を反映させて、そしてここですみやかに審議をするのが世論にこたえるゆえんであるというふうに考えます。(発言する者多し)
  53. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 御静粛に願います。傍聴の方は一つ御静粛に願います。
  54. 加瀬完

    ○加瀬完君 区割りを除いた小選挙区案であるから世論にこたえているかどうかということは、これは別の問題で、一番初めに本委員会として考えなければならないのは、扱い方を世論に応じて扱わなければならないということが先決だと思う。今扱い方を相変らず、今までの選挙法を取り扱ったと同じような党利党略的な、極論するならばそういうお立場で、一党一派に偏した考え方で向って参りましても、扱い方そのものが原則がはずれてきて、これは法案の内容そのものの審議に非常に支障を来たすと思う。ここできめなければならないのは、扱い方をどうするか、扱い方は、ここには自民党さんと緑風会さんと社会党と無所属さんがおりますが、この四者に共通な円滑なる運営の方法というものが話し合いをされ、そういう共通な場というものが、お互いの円滑の間に話し合いによってその結論が出て、その上に乗って進められるようにならなければならないと思う。初めから衆議院におきましては二カ月もかかったものを八日か九日で、その間に上げるのだ、こういうものを出されても、これは少し御無理というものではないか。これでは扱い方そのものに世論はそっぽを向くだろう。われわれは自民党のそういう世論に反するような扱い方の共同責任を負いたくない。この点はもう一回御考慮がいただけませんか。
  55. 伊能芳雄

    伊能芳雄君 衆議院は、なるほど非常に長くこの法案を持っておりましたけれども、区割りの問題についての審議は相当長くかかっているということは事実だと思うが、今こういう衆議院審議経過を私ちょっと調べてみますと、これに対する質疑は、今まで衆議院では五十六時間余なんです。それが区割を含んだ時間なんです。でありますから、審議の時間というものから考えれば、この八日間というものは、会期末で延長した国会であるということを考えて、勉強していただくならば、決してそんなに短い時間ではないと私は考えます。
  56. 加瀬完

    ○加瀬完君 これは、小笠原委員も先ほど指摘されたのですけれども、本委員会ばかりではなくて、この参議院全体にかかってきたいわゆる重要法案と目せられるもので、一週間や八日で一体法案の最後の打ち上げまでもしようというような計画というものは全然なかったと思う。これは前例にない措置だと思う。こういう強引の方法というものが一回行われますと、これが慣例になって、また強引な方法をとることになるかもしれぬ。それは、二院制の権威を傷つけることに私はなりかねないと思うのです。これは、お互いに会派を超越いたしまして、院の権威というものから、どういう扱い方をしなければならないかということを考えてみたいと思うのです。この点いかがでしょう。
  57. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 今の御傍聴の方々に申し上げますが、委員発言質問を受けておる人にもわからないというような状況では、大へん困難をいたします。ぜひ一つ御静粛にお願いいたします。
  58. 森下政一

    森下政一君 先刻来、小笠原君と伊能君の問答を承わっておると、伊能さんの言われるのは、緑風会に対する、何というか、一つの負い目を感じておるというふうにとれるのです。そういうお言葉をお使いになりませんが、この点は、午前中の懇談会にも、伊能委員からそういうお話が出た。そうしてそのときには、その後そういう言葉は使われぬが、午前中は、当委員会として緑風会一つの負い目を感じておるというようなお言葉があったが、委員会としては、何もそんなものを感じる必要はみじんもない。現に社会党に属しておるわれわれは、何にもそんなことは感じていない。この国会にも、緑風会から提案されておる選挙法改正案があったけれども、これは撤回したいというので撤回された。撤回されたからといって、これも別段何もわれわれは、だからこれをどうしなければならぬということも考えていない。そこで、結局これを先議したいとおっしゃる伊能委員主張は、緑風会に対する従来のいきがかり上これを先議したいということだけに尽きるということになると思うのです。そこを私は、一ぺん再考してもらいたい。午前中から言うておるのは、非常に、衆議院において、この問題の審議段階で、両大政党が激突寸前状態を演じた。世間は、どうなるのだろうというふうに、非常にその進展の状況について憂慮をしておった。それが衆議院議長の再三のあっせんによって円満な妥結を見た。非常に険しい状態が繰り返して起りかけると、さらに辛棒強く衆議院議長はあっせんに努められて、ついに昨日をもって衆議院において議了したということになったのだが、そういうふうないきさつからかんがみて、これは衆議院のことであるけれども参議院参議院で独自に、勝手に、どっちを先議にしてもいいのだというような考え方でなしに、参議院がまた激突寸前状態を繰り返すようなことがあったのでは、私は世間の物笑いになることをおそれると同時に、円満にこれを議了するゆえんではないと思うから、やはり衆議院から上った順序でこれを審議することにしようじゃないか。そうしてもしあなた方が日程を立てられるということがあるなら、一つあなた方の方で日程を作ってみてもらいたい。自治法をこれだけの期間の間に審議することができるかというような具体的なプランがあるなら、それもお示し願いたいというふうなことを申し上げたけれども、どうしても選挙法の方が先議でなければならぬと言われるから、理事会では懇談会が妥結をするに至らなかったのですが、ここのところは一つ何とか……。
  59. 松岡平市

    委員長松岡平市君) お静かに願います。
  60. 森下政一

    森下政一君 地方行政委員会の本審査に入った第一日から、こんなに紛糾してごたごたせんならぬということ自体が、すでに重大だと思うのです。だから、この段階でも私はおそくはないと思うから、この手続を十分に両党が納得できるように固めておいて、審議に入れば、非常にスムースにものが運ぶと思うから、もう一ぺん考えてもらいたい。どうでしょう委員長一つ、もうしばらく休憩いたしまして、全員で懇談するというふうな機会を与えてもらいたいと思う。
  61. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 御報告申し上げます。質疑の途中でありますが、御報告申し上げます。ただいま委員森崎隆君は辞任せられまして、新たに大倉精一君が委員に任命せられました。
  62. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ただいまの森下君の御提言もございますし、また、先ほど来だんだんの御意見もございました。なおこのことにつきましては、各派間においてさらに懇談を重ねたいと考えますから、暫時休憩いたします。    午後五時二十六分休憩    ————・————    午後十時十九分開会
  63. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 委員会を再開いたします。  休憩前の委員会におきまして、さらに委員会を休憩して、各会派間でさらにお打合せを願うことにいたしました。理事あるいは私、それぞれ各会派とお話し合いをいたしましたが、適当なる結論に到達いたしません。本日これから委員会を続行いたしますのには、この状況は不適当であると考えます。この状況下で私は、委員会を開いて、どういう状況が出るかわからぬというようなことにつきまして、御注意を受けております。繰り返して申し上げます。この状況下で委員会を続けることは不適当と考えます。よって本日は散会いたします。    午後十時二十一分散会