○
政府委員(
高田正巳君) では私から御
説明を申し上げたいと思います。
暫定案の
中身につきまして御
説明を申し上げまする前に、便宜上お
手元にお配りしてございます
医療協議会の
会長の
答申書の中に詳しく書いてありまする
審議の経過につきまして、一言御
参考までに御
報告を申し上げまして、御
審議の資とさせていただきたいと存じます。
その中に
相当詳しく書いてございますが、三月九日に
大臣から、新
医薬制度の
実施に必要な限度の
暫定的な
点数表の
改正について御
検討を願いたいという要請を申し上げましたところ、
中央社会保険医療協議会におかれましては、そこに
最初の方に書いてありまする
四つの柱といいますか、そういうふうなものに即したものにしたがよかろう、そうしてその
原案の
作成は
公益代表委員に
一つお願いをしたいということが、全員の御
意見としてまとまったわけでございます。
その
四つの柱と申しまするのは、そこに書いてございまするように、
一つは
患者が
医師の
調剤を求めた場合も、
薬剤師の
調剤を求めた場合も、
医療費に
変化がないようにということでございます。今回の
分業の
趣旨は、
患者の自由なる
選択権を認めて
法律が制定されておるわけでございますが、その
趣旨に即して、どちらで
調剤を求めた場合にも、
患者の方からみますると、
医療費に
変化がないということが
一つでございます。
それから二番目といたしましては、総体の
医療費に
変動を来たさないとともに、
各種の
社会保険及び
各種の
医療機関の
医療費に極力
変動を来たさないように配慮すること。
三番目といたしましては、時期が切迫しておるので、本月の二十日ごろまでにはまとめたい、まとめなければならないので、それでとうていこの広範囲の
改正はできないから、そういう点も考慮して、
現実にまとまるような案を
検討すること。
それから四番目といたしましては、将来この新しい
医療費の
支払点数表を
検討いたします際に、それのじゃまになるようなものでないこと。大体この
四つでございます。
それで、
右意見に基きまして、
公益代表の
今井委員が、お
手元にお配りをいたしましたようなこの
今井試案をお出しになったわけでございます。でこの案に対しましては、そこに
医師側、
薬剤師側、
保険者及び
事業主側、
歯科医師、被
保険者、
公益側、それぞれの
立場からのいろいろな御
批判がございまして、その御
批判の
内容はその中に
相当詳しく書いてございます。それぞれの御
批判はございましたけれ
ども、しかし全
委員の
意見といたしまして、いずれにしろまあ一口に申せば、
時日もないことであるし、これ以上の案はなかなか求めようとしても求められない。従ってその終りの
五行目に書いてありますように、「しかしながら全
委員の
意見として
今井案が新
医薬制度の
実施に必要な
点数表の
改正に必要とされた前記四
条件をおおむね満たしているものであり、その苦心は多とするものである点が一致して表明された。」わけでございます。
なお、その次に書いてございますように、各
委員の
意見はそれぞれそこに
不満が表明されたような
意見であるけれ
ども、
期日の
関係もあるので、全
委員の
意見で、
答申は
会長に一任するということに一致をいたしたわけでございます。それで
会長といたしましては、一番
最後に書いてございまするように、「新
医薬制度の
実施に即応するための
臨時暫定的改正点数表としては
別紙今井案を
実施することがやむを得ないものとする。」こういう御
答申でございます。
それで、この御
答申に対しましては、
医療協議会の全
委員が一致してこれに御賛成に相なったような次第でございます。
それで、かような御
答申をいただきましたので、私
どもといたしましては、これに即して
実施の取運びをいたすことにいたしました。
さて、その案の
内容でございますが、お
手元にございますのは、一番上に「
診療報酬点数表中薬治料の部及び
文書料の部を次のように改める。」これが二枚半となっておりまして、これがいわゆるお
医者様の方の
点数表の
改正でございます。
この次に三枚でありますが、これは大体
内容は同じでございますが、
歯科医師関係のものでございます。
それから
最後の一枚が
保険薬剤師さん
関係のものでございます。三本になっておりまするので、非常に
繁雑のように見えまするけれ
ども、なお書き方が非常にいろいろな場合を
考えてめんどうになっておりまするので、
繁雑でございまするけれ
ども、一口にこれを御
説明を申し上げますると、従来
薬治料としてお
医者様に支払われておりましたものが、
分業によって全部これが
薬局に行ったりいたしますると、その中に、
医師の
潜在技術料が含まれておるわけでございまするので、非常な不
合理が起る。従って
薬治料を分解いたしまして、
処方料と、それから
調剤料と
薬価そのものと、
三つにこれを分解いたしまして、そうして
薬局の
処方の場合にはお
医者様には
処方料を残して、
調剤料と
薬価とは
薬局の方に支払う。
医師が
調剤をなさる場合には、この
三つを合せてお
支払いする、
三つともお
支払いする、こういうふうなことになるわけでございます。
そうしてその
処方料の高でございますが、この
処方料の高につきましては、従来の
薬治料の中に含まれておりまする
潜在技術料というものが、高い薬になればなるほどその
潜在技術料も大きいという形に従来なっておりまするので、この
暫定案におきましても、その
現実の姿をくずさないように、
薬価が高くなりますれば高くなりまするほど、
処方料も高くなるという形をとっております。
薬価が十五円以下の場合、しかもその
薬価の
区切り区切りが従来の
点数表と同じ
区切り方がしてございます。この
薬価が十五円以下の場合には
処方料は一点、
薬価が三十円以下の場合には一・五点、四十五円以下の場合には二点、ずっと高くなりまして五百円をこえる場合には八点、こういうふうなだんだんと薬の値段の高くなるにつれて
処方料も増加するというふうなきめ方がしてございます。
それから
調剤料でございますが、これは〇・五点、これはお
医者様の方には、ほかの
支払いが全部
点数でございますので、
医者に対しては〇・五点、それから
薬局の方に対しましては、一番
最後の紙に書いてございまするように、六円ということに
金額で表示をされております。〇・五点にいたしましても、六円にいたしましても、新
医療費体系に基く
点数表で私
どもが
考えておりました
調剤料は七円でございまして、それよりは低くきめられておるわけでございますが、これは
現行の
保険薬剤師の
調剤料が二日分まで八円ということになっておりまして、一日分が四円に当っております。
そういうふうな現状からいたしまして、その他にも
暫定案でいろいろ不
合理なところは残っておるわけでございまするので、一応漸進的な意味で六円あるいは〇・五点ということで、あまり
理屈はないわけでございまするが、
試案を
お作りになりました
今井委員が中心になって、
関係団体といろいろと打ち合せをなさいまして、これは当然一部の反対があったわけでございまするが、その辺にきめようということで〇・五点、六円ということに相なったわけでございます。
なお
調剤料につきましては、その
資料に書いてございまするように、いろいろな剤型によって
調剤料が変って参りまするので、その剤型の区分あるいはそれらの
比率というものは、
現行の
保険薬剤師の
点数表と申しますか、そういうふうなものに即しましてきめられておる次第でございます。
なお、大体以上のような筋でございますが、このきめ方といたしましては、この
調剤料と
処方薬剤料という二つのものに
薬治料が分類されておりまして、今申し上げました
薬価と
処方料とは一本にまた合せて支払うという形をとっております。しかしながら、この
中身は
差引計算をして、もらえばすぐわかるというふうな形になっておる次第でございます。
それから、
薬局に
処方をお願いいたしました場合におきましては、お
医者様は、その一枚目の
最後の方に書いてありまする二案ございますが、「上記以外の場合」すなわち下の欄、これが
処方料に当るわけでございますが、これをお
医者様にお
支払いをするということになりまして、これは先ほど御
説明を申し上げましたように、薬の一日分、二日分という量によって、これの何倍かになりまするし、またそこに書いてございまするように、薬の
金額が高くなりますることによって多くなるわけでございますが、これがお
医者様の
手元に残りまするので、従来の
文書料としての
処方せん料は除かれております。表現の仕方が非常に
繁雑になっておりますることと、それに
説明があまり上手でないことで、あるいは十分に御理解をいただけなかったかと存じまするけれ
ども、このいろいろごたごた書いてございまするこの
暫定案の
中身を要約して御
説明申し上げますると、以上のようなことに相なると存じます。