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政府委員(
柴田達夫君) 二十五条の十六は
仲裁の
規定でございます。
仲裁はやはり三人の
仲裁委員がこれを行いますが、
仲裁委員はいきなり
審査会の
会長が指名いたしませんで、
委員または
特別委員のうちから
当事者が
合意によって選定した者について
会長が指名することを原則といたしております。ただし、
合意による選定がなされなかったときは、
仲裁が進行いたしませんので、
委員または
特別委員のうちから
会長が指名することにいたしております。
仲裁は、先ほども一申しましたような
関係上、
合意に基いて始まるものでございますので、なるべく、しかもその効力が
相当強いものでございますから、
合意を尊重いたしまして、できれば
当事者から信頼された
仲裁委員が
仲裁に当るということが理想でございますので、それを原則にいたしたのでございます。なお、
仲裁委員は、そういうような
確定判決と同じ効力を有するという点で、非常に
法律的にも
民事訴訟法の
規定が適用されることでございますし、全然質的に慎重な手続を要するという
関係もございますので、
法律知識を必要とするという点から、少くとも一人は弁護士法の
規定による弁護士となる資格を有する者でなければならないという
条項を設けたわけでございます。
四項におきましては、この
仲裁につきましては、この
法律に別段の定めがいろいろございます。たとえば今の
仲裁委員の選定手続でございますとか、後にございます証拠調べの手続とか、あるいは異議の申し立てとか、
資料の
関係等が特別になっておりますけれども、原則としては
民事訴訟法の
仲裁の
規定が適用され、
民事訴訟法の
仲裁人というのがこの場合の
仲裁委員になりまして、民単
訴訟法第八編の多数の
規定を適用するということになるわけでございます。従いまして、これは一口に申しますと、
民事訴訟法の
仲裁と同じ機能の
性質のものでありますけれども、一人の
仲裁人に頼むということではなくして、この場合は
建設工事の特殊性から、
裁判外の第三者としてなるべく専門的な、それは技術的にも専門家である、あるいは
法律的にも専門家である人たちの、実情をよく知った人たちの
仲裁による方が
解決がしやすいという場合が、
建設工事の場合の特殊性といたしまして非常にあるわけでございます。事実上の認定の問題というようなものが非常に
建設工事の場合には多いということがございますので、
仲裁の
機関をこういう特別のこの
建設業法によるところの
審査会の構成の中から選んだ
仲裁委員にするという点だけが違うと、大体一口にいえばなっているのが特色でございます。