○岡田
委員 これはあまり時間をとりたくないから、私簡略に申し上げているのだが……(
重光国務大臣「それならそれだけでいいじゃないか」と呼ぶそれだけでよくないじゃありませんか。あなたいいかげんに言っているから、それだけで終りにならない。準備がそろってからと言っても、さっきから言っているように、七月までにこれをきわめておかなければ、
条約が
発効しないじゃありませんか。そういう点からいって、
協定を今国会にかけるようにするという
意味の答弁がない限りにおいて、あなた自身いろいろな資料を準備して云々というようなことを言ったって、そんなことわかりませんよ。われわれ了解できませんよ。だからそういう点を伺っているのじゃありませんか。そういう点をはっきり伺いたいと言っているのです。その点が第一点。
第二点、時間がありませんから伺いますが、きのうの
外務大臣の御答弁によると、今度の
国交回復問題並びに今度の
協定は慎重にやらなければならぬのだと記者団会見でも発表して、おられることは、先ほど穂積君の
質問に対して、
質問のときにも言っておりますし、そういう
意味の御答弁もあった。ところが、きょうあなた新聞をごらんになったかどうか知りませんが、読売新聞では
ロンドン支局で河野農林大臣と直接に国際電話をやっている。これを見るとわれわれとしては非常に同感のことを
河野代表は言っております。どういうことを言っているかというと、たとえばとにかくこれまで
日本では
ソ連の
方針や
態度を正しくつかんではおらなかった。しかも大へん
日本の
態度というものは甘くて、非常に
情勢を甘く見ておって、押したら何でもできるのではないかというように考えておった、こういう
考え方の根本が間違いなんだ、こういうことを鋭く
河野代表は言っているわけです。こういうような
情勢の観測をしておったのは、ほかならない外務省であり、外務省の責任者であるあなたである。こういうように
情勢の食い違いが、あなたも一緒に入って選んだところの
河野代表からはっきり言われているじゃありませんか。(「
松本全権も言っている」と呼ぶ者あり)今
お話の
通り松本全権も言うているじゃありませんか。こういう
情勢に基いてあなた自身の今までのソビエトに対する
考え方がいかに甘いかということを、はっきり御理解願わなければならないし、今までのようなやり方ならばますます恥の上塗りをせざるを得ないと思う。
まず第一にここで伺いたいのは、
河野代表のこういう
意見について、あなたはどういうようにお考えになっておりますか。
第二の点は、きのう閣議であなたが慎重にやる必要があると言ったところが、その閣議の最中に鳩山総理大臣は、
日ソ交渉再開の問題については、あまり重要な問題ではないから、あなたの言っているほど重大に考える必要はないという
意味のことを言ったと新聞に出ている。もはや鳩山さんとあなたとすら
意見が違っているじゃありませんか。(「初めからだ」と呼ぶ者あり)初めから違っているのだけれ
どももますます違ってきた。そうするとあなたと同じ考えを持っている者は、もはや閣内にはほとんどおらなくなったということを
意味しているではありませんか。このときにおいて、同じ外務
委員会の、そうして主管大臣であるあなたに対して私たちは野党といえ
ども、卒直にこの機会にそのような甘い見方、従来の外務省のような古い
考え方やめて、新しい
情勢に応じた
考え方になる必要があるということを、われわれも切々としてあなたに訴えて、あなた自身がわかってもらわなければならぬと思うのです。主管大臣であるあなたが首切られて、われわれ喜んでいる気持には必ずしもなれない。この際に非を改めるが賢明ですよ。間違っているのならこの際に卒直に改めたらどうですか。その
政治責任をおとりになるのはやめておとりになるのもけっこうです。おそらくやめざるを得ないでしょう。そういう点であなた自身の
情勢観測は、少くとも
日本の閣内においてさえこういうようになっているじゃありませんか。岸幹事長だって言っているじゃありませんか。岸幹事長は、今までのような
平和条約の締結
方式ではだめだ、
アデナウアー方式でなければだめじゃないかと言いかけているじゃないか。あなただけが何ぼがんばったってだめですよ。
日本の国内ではあなただけが孤立している。自民党の中でも孤立しているのですよ。せいぜいやってくれているのは、ここにいる北沢君か……(北沢
委員「何を言うか」……と呼ぶ)だれか知らないが、
外交調査会かあるいは吉田派の一派くらいでしょう。そういう人たちと心中するのはおやめになったらどうですかというのです。
第三は、あくまでもこういう
協定を強行するならば、吉田派というような頑迷固陋な連中は、脱党、除名されてもやるのだと言っている。あなたはもしこの
漁業協定を
交渉するについて、自民党の中で除名、脱党の問題起こっても、断固としてやる決意があるのか。その当時にまた妥協するのですか。そういうようなことまで考えてやる決意があるのかどうか。こういう点についても第三点として伺っておきます。
時間があまりないから、一括して伺っておきます。