○
竹山国務大臣 ご
もっともな御
意見でありまして、決して
考えなかったわけではありませんが、率直に申せば、前
内閣の
政策の
批判がましいことを私の口から申し上げることもいかがかと
考えましたので、そういう
意味で申したのであります。例としておあげ下さったこの
地方債、
地方財政から来る
公営住宅の困難ということは、確かにこれは
現実の問題であります。そこで、私も毎度申し上げるように、五万戸に対して、今年度でも約百億近い
地方起債を
地方財源としては要るわけでありまして、これをそのまま百パーセント
起債を認め得るかどうかということについても、
地方財政計画を立て、またこの
予算の編成の過程におきまして、私も
事務当局も、何十回となく折衝、
努力をいたしたようなわけでありまして、今度の
地方財政計画の中におきましては、
政府の
最終決定の案におきまして、第一に
住宅の
起債は優先的にこれを認めるということをはっきり明示をいたしておりますように、これを明らかに別
ワクにするということも、
大臣同士の話は了承をしたのでありますが、事務的な発表、表現の仕方としては、そういうことにいたすよりも、もう少し全体的な
地方財政の
現状に合うようにした方がよかろうということで、別
ワクには今年はいたしませんでしたが、
実行上はさようなことにいたすことにきまっておりますから、私は今年度の
計画については、
地方の
起債については
心配いたしておりません。ただ、内容になって参りますと、
お話の
通り、従来もこの
地方起債の問題で困難をきわめたのは、一般的にいわゆる
交付団体の方へ
起債をつけるということについて、これは原則的な
理由で、楽というわけでありませんけれども、やりいい。ところが、
自治庁の方からいうと、
東京とか
大阪の
富裕県の
住宅に限って相当膨大な
起債を許すということは、全体の
財政計画、
起債のプランからいいまして、なかなか承知をしないのであります。
住宅だけが例外だという
考え方は、
自治庁は
自治庁なりに、全体の
地方財政から
出発するものですから、この点で、私は従来も
事務当局同士の話がなかなか煮えなかったもとだと思います。その例が
東京で、
お話の
通り計画通り家が建ちませんので、三月に強引に、これは事務的な交渉を抜いて十億急遽
東京に
起債の
ワクをつけまして、今その家が進行しているというようなわけで、この
自治庁の
考え方が、すべて間違っているというわけにはいきませんし、そうかといって、
富裕府県の
住宅に限って無制限に
起債を与えていくということについても、全体的には議論が出てくるといったようなことで、これはなかなかめんどうな問題でありますが、今年はそういうことにならぬように、実際の
計画をあわせて話し合いをつけてありますから行きますが、これはなかなか
お話の
通り、今後一そう困難になって参ろうと思います。そういうわけで、私は
公営住宅がどの
程度までやり得るかということについては、もっといろいろな角度から検討しなければなりませんから、簡単には
結論は下せませんけれども、これを拡大するということは、今の
建前ではなかなか容易でないということは、率直に私も
考えております。と申して、またこの
公営の
制度に、思い切って
国家負担率を増していくならば、これはまあできましょうが、そうなれば
戸数を、
国民の要請であるところの
戸数に応ずるだけの
財政的な
裏打ちができなければ、全体の
計画を縮小しなければならぬ。
一体今の
制度をできるだけがんばって、
地方の
努力を要請してこの
戸数を維持することが必要か、あるいは
政府負担率を上げて、
戸数を減らしても楽にする方がいいかというようなことになりますと、これはなかなかむずかしい問題でありまして、将来のことは別として、私は今の率を維持することに
努力して、できるだけ
公営の
戸数を増していくということが、われわれの今置かれている立場からの
努力の目標であろうと
考えますので、今度の
計画もそういうふうにいたしたようなわけでありまして、御
指摘の
通り、このことは容易でないというふうに
考えておるのであります。