○鈴木
説明員 ただいまの御
質問にお答えいたします。第一の賃貸
住宅を
建設する法人の条項に対しましては、もとより可能なことと思っております。できればそういう方面にも貸し付けて
住宅を建てていただきたいということは、ひたすら念願しておるのでありますけれども、今までの
政府から国会の議決を経て毎年いただいております
政府出資あるいは
予算総則にきめられておる借入金の
限度の総額、そういう新しくいただく
資金の高に比較いたしまして、各方面からの
要求が非常に多過ぎると申しては語弊がありますが、多いのでありまして、常に十何倍もしくは何十倍の
程度になっておるのであります。賃貸
住宅貸付につきましても、そういう法人にもお貸ししたいとは
考えないではないのでありますが、
地方公共団体を財的あるいはまた人的の背景にいたしました財団法人、これが
住宅事情の逼迫しました
地方、つまり県民が
住宅対策に対して御熱心な
府県あるいは
大都市等に財団法人ができておりますので、あるいはまた新しく財団法人を作って貸付を熱心に希望されますので、そういう方面の希望をとうてい満足される
程度お貸付ができませんので、まずそういう方面の希望を第一義的に優先的に尊重しております結果、賃貸
住宅につきましては、そういう財団法人以外には一応お貸付の順序が回らないということに相なっております。ただし、近ごろはめいめい個人
住宅を――個人の所有すべき、みずから住むべき
住宅を求められるいわゆる個人
住宅につきましては、個々に貸付希望を申し込みされましてやっておるのでありますが、その大部分は俸給生活者その他いわゆる庶民階層でありまして、
住宅をいまだ建てた経験のない方がほとんど全部であります。しかるに、それが
土地を求め、または
建設業者を相手にして設計から始めまして
公庫から貸付を得て、みずからの家を建てるということは非常に難渋でありますので、約四年くらい前から、
地方公共団体が建売り
住宅なるものを希望されまして、あるいはさっき申し上げた
大都市あるいは
府県等を背景とした財団法人で建売りの行われるものもありますし、また
地方公共団体たる
府県市自身において建売りをしたいという希望が多々ありまするし、試験的に行なってみてもらいましたところが、大へんその成績が優秀でありまして――と申しますのは、そういう
公共団体が土建業者に
指名いたしまして
住宅を作らせるという場合において、土建業者の方面の方が非常な熱意と誠実をもって
建設に当っていただげまするし、第一
土地の獲得について、
地方公共団体の力をもちまして相当大面積の
土地を購入し、もしくは在来の公有地等で区画割をして宅地
造成をするという立場におきましても、あるいは農地
委員会との
折衝その他についても非常な便宜が得られますので、建売り
住宅なるものが、建ち上って、これを個人が購入する、購入する個人は、
公庫から借り入れられるだけは借り入れまして、なお足らぬところを自己
資金として調達して、これを
公共団体に納付する。
公庫から借り入れた
資金は、そのまま
地方公共団体にこれまた納付するというような仕組みになっておりまして、
建築の監督等は
地方公共団体の職員等が厳密に監督をしますので、なれない個人としましては非常な便宜と安心をもってこれを購入し得るのであります。これを
計画建売り
住宅と呼んでおりますが、これは
地方公共団体に非常に
要求が多く、つまりその
府県住民が熱心に希望されますので、年々その需要が非常に多いことに相なっております。それで今度の三十
年度予算案におきましては、この建売り
住宅の幅を、在来より相当広げて提案に相なっておるような次第であります。
御
質問の電車会社等とおっしゃいましたのは、この建売り
住宅を建てていただくということに、試みに昨二十九
年度から初めて、郊外電鉄会社の沿線開発のための一助として
公庫の建売り
住宅のわくを与えてもらいたい、年来の希望をわずかに、あるいは一社二十戸あるいは三十戸というように試験的に二十九
年度初めて郊外電鉄諸会社に対して割り当てたような次第であります。これはまだ今全部が全部でき上っておりませんが、今まで大部分竣工いたしまして、それぞれ希望する個人に購入をしてもらっております。が、これはやはり何倍という倍数になるようで、結局は一定の資格を持った人だけの範囲内で抽せんをしなければならぬというような状況であります七これは、電鉄会社ばもちろん営利会社でありまするけれども、将来における沿線の開発ということをひたすら念願しておりまして、今までわれわれが
関係しております範囲において、それぞれ誠実に、ある
意味では損得を度外視して、将来の沿線開発のために誠実に
事業を行なっておられまして、その結果も大へんよろしいと
考えておりますので、だんだんに増していきたいと
考えておりまするが、まだその建売り
住宅を、仰せになったその他の営利会社に割り当てるまでには至っておりません。これまたわれわれの方から申しますと、希望とわれわれの与えられた
資金との
関係において、一躍そう広く飛び越すわけにも参らぬ、かように
考えております。与えられた
資金を十分に有効に確実に運用する
意味合いにおいては、今日までのところその
程度に終っておりまするが、将来は決して貸付不可能と
考えておるわけではありません。電鉄会社に対しても、わずかに昨
年度試みに試験的に実行したというのにすぎませんので、これは漸進的に拡充して参りたいと
考えておる次第であります。
産業
住宅につきましては、一昨年国会において新しく産業労働者
住宅資金融通法を御議決に
なりまして、一昨年の八月から実施しておるわけでありますが、その際に衆議院の
建設委員会で附帯決議をいたしました次第もありますので、大産業会社に偏重しないように極力努めておる次第であります。仰せのような著名な大会社にももちろんお貸ししておりますけれども、中小企業者に対しましても、これはやはり中小企業の
関係から鉄筋コンクリートの大
アパートを建てて下さるような向きは少いのでありまするが、本造
住宅その他を、中小企業者に対しましてもお貸しして、
建設していただいております。ただいま手元に数字を持っておりませんけれども、相当の部分は中小企業産業会社に対しまして融通して
建設していただいておるのが実際であります。国会の附帯決議を尊重して、努めてさよういたしておる次第でございます。この点は御安心下さってよろしいかと思います。