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1954-12-20 第21回国会 参議院 労働委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十二月二十日(月曜日)    午後零時十二分開会   —————————————   委員の異動 十二月十七日委員白井勇辞任につ き、その補欠として剱木亨弘君を議長 において指名した。十二月十八日委員 菊川孝夫辞任につき、その補欠とし て松本治一郎君を議長において指名し た。 本日委員山田節男君及び松本治一郎辞任につき、その補欠として赤松常子 君及び平林剛君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤原 道子君    理事            剱木 亨弘君            田畑 金光君    委員            宮澤 喜一君            早川 愼一君            阿具根 登君            平林  剛君            苫米地義三君   事務局側    常任委員会専門    員       磯部  巌君    常任委員会専門    員       高戸義太郎君   説明員    労働省労働基準    局長      亀井  光君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○労働情勢一般に関する調査の件  (自動車交通運輸労務者労働問題  に関する件)  (駐留軍労務者労働問題に関する  件) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 藤原道子

    委員長藤原道子君) では只今から労働委員会開会いたします。  この際委員のかたにお諮りいたします。当委員会は先に劒木理事が一時委員辞任されたため、理事が一名欠員になつておりましたが、このたび劒木君が再び委員に戻られましたので、この際劒木君理事に指名いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 御異議ないものと認めさように決定いたします。   —————————————
  4. 藤原道子

    委員長藤原道子君) それでは次に自動車交通運輸労務者労働問題を議題に供します。御質疑のおありのかたは順次御発言をお願いいたします。
  5. 阿具根登

    ○阿具根登君 局長だけ見えておりますから基準局長に御質問いたしますが、もう二回ほど本委員会でも自動車運転手の問題で審議しておりますが、その中からわかつたことは、特に年末を控えて非常に事故が多い。その事故防止するために罰を以てやつておる、いわゆる罰金を課するとか或いは免状を取上げるとか、まあそういうことをやられるので、そういう罰を受けた人は自分生活を守るために再びそういう違反を犯すよう原因を作つておる、こういうことになつて来たわけなんです。ところがそれではそういう罰を犯さなければならないよう生活環境であるかどうかということをその原因調査してみると、基本給が二千円乃至三千円、そうしてあとは全部歩合給になつている。自動車一台持つておる人が三百五十キロから四百キロを一日に走らなければ生活ができないようになつておる、こういうことなんです。ところがすでにもう二年くらいになりますか、一年半くらいになりましようか、基準局のほうからは注意が出ておる。そういう労働条件ではいけない、少くとも現在収入の六〇%ぐらいは基本給にしなければいけないという勧告書が出ておる。ところが勧告書は出つぱなしでそれから何もやつておらない。それでいろいろ注意して聞いてみますと、もうすでに自動車一台が三百五十キロなら三百五十キロを一日に走る。その間四割のお客を乗せておつて、六割は空車である、業者に言わしてもそういうことまで出ておる。そうして歩合制まで加えて一万二千円なり一万八千円程度給与をもらつておるということになれば、もう実績がわかつてしまつておるのであつて歩合制を必要としない程度になつておる。或いは歩合制を必要とした場合極く僅かでもいいところになつておる。例えばタクシー二十台なら二十台なければタクシー会社としての許可がないようでありますが、そうすれば四十名の運転手がおるものと見まして、四十人の人の平均水揚げというものは今までのデータによつてはつきりわかつておるということになれば、歩合制をやる必要はないぐらいまでに進んで来ておるはずなんです。それを二年前の勧告をそのまま、勧告はいい勧告をされたけれども、全然それから先は何もやつておられない、こういうことになると思うのです。  例えば労働時間でも監視断続業務とみなされておるようでありまして、そうして一日置きの二十四時間勤務、こういうことになつておる。そういうことから考える場合に、根本問題にメスを入れなければできない、罰では運転手だけを罰するようになつて来る、そうすれば却つて弊害が殖えて来る、こういうことになりますので、基準局がこの際そういう弊害をなくする意味においても、勧告書を出されたその趣旨においてもう少し徹底的にこれを調査なり或いは折衝なりをされたならば最も近道じやないかと思うのですが、どういうようにお考えでしようか。
  6. 亀井光

    説明員亀井光君) 只今質問の御趣旨は我々も全く同感でございまして、先般労働基準法施行規則改正する際におきましてもその問題を取上げまして、現行の施行規則第二十六条におきまして一昼夜交替制を認めておりまするタクシーハイヤー等運転手につきましては、これを削除いたしまして、一昼夜交替制を認めないということといたし、七月一日から施行することにいたしておるのであります。ただその際に現在のハイヤータクシー運転手の人の給与体系その他から見まして、直ちにこの一昼夜交替制を廃止しますことは著しい収入の減になりまするために、中央労働基準審議会使用者側労働者側双方委員からこれについて或る期間その施行を猶予するようにというふうな答申もなされました結果、施行は七月一日からなされておりまするが、これの実施につきましては我々の行政上の指導の結果を待つておるような現段階でございます。  お話の中にございました、最近におきまする交通事故の頻発がどういう原因に基くかということをいろいろ検討して見ますると、根本的には需要供給という問題になりますし、これは又営業許可のあり方の問題にも関連して参ります。又他面労働条件の側から申しますると、一昼夜交替制の問題と給与体系の問題とが二つ大きな問題になろうと思います。給与体系の問題につきましては、お話ように、大部分会社における運転手労働条件というものはごく小部分固定給と大部分出来高払い或いは請負給というところが主体になつておる。そこで我々のこれに対しまする行政指導としては、できるだけ固定給を高めまして、請負給或いは出来高払い給与というものを少くするよう給与体系というものを勧告し、その指導をいたしておる。ただ問題は、この賃金そのものに関しまする額或いは給与制度につきまして、労働基準法においては強制力がないのでございまして、これはすべて労使双方話合できめて行くという建前になつておりまするために、飽くまでも行政上の指導勧告という点にとどまるわけでございます。従つて我々が幾ら指導をし或いは勧告をいたしましても、業者の側でそれに従わない場合におきまして、罰則を以て強制するという措置がとれませんために非常にむずかしい、急速に解決が困難な事態もあるのでございます。併し我々としましては、根気よくこの問題を処理をするよう努力を続けて参りたい。その一方根本的な営業許可の問題につきましても、運輸省とも連繋しまして、すつきりとした業態における業務の運営がなされることを私どもは期待をいたしております。
  7. 阿具根登

    ○阿具根登君 まあ私も局長が言われることもわかるのですが、併し自動車運転手の一昼夜交替を認められたり、断続業務を認められているそのものが私は間違つておると思うのです。監視業務というのは、守衛であるとか或いはポンプの当番であるとか、扇風機の当番であるとか、こういう人たちのことを一応監視断続業務として私ども考えており、法の精神もそうであろうと思う。ところが車を運転して、そして而も各国から比べて非常に劣悪条件にある日本の道路を、而も東京都で見るならば七百万からの人口がそれこそ道一ぱいに歩かなければならないような所で運転をするのは、普通の労働よりも遥かに私は精神的にも肉体的にも重労働だと思う。その人をどうしてそういう監視断続業務と同断に見たのか、こういう問題が一つ。  それから法の精神は八時間で、八時間労働をしたならば最低生活はできるものだ、しなければできないということを謳われておる。それを行政を担当される基準局のほうで、八時間では食えないからそれで長時間働くことを認めておるのだ、こういうことは、今言つたよう精神面からいつて肉体面からいつても特にひどい労働をしておるものを、八時間では食えないのだということを認めて規定付けておる。そのために長時間働いてもよろしい、その結果によつて生じて来るのが一日に三十数人という死者を出すよう事故になつておる。こういう点から考えても、問題はただ運転手業者そのもののみでなくて、その背後に多くの一般人がたが非常に大きな犠牲を負つておるということになれば、ただ八時間では食えないからというようなことでは私は片付かないと思うのです。それが私は誤りである。そういう運転手条件等考えて、これはそういう勤務条件はできないということを基準局がはつきりした態度を示しておるならば、これは業者運転手のほうもやはり八時間で食うのが建前だ、八時間で働かして生活を維持させるのが業者の責任である、こうなつて来るならば、これは或いはタクシーメーター代が上るかも知れません。併し一般言つて、それじや一般労働者の細君或いは奥さんがたタクシーなんかに乗られるか、乗られる人は極く僅かで、そうして犠牲になる人たちは大体乗らない人たちが多いのじやないか、こういうことを考える場合、まだほかに方法があるのじやないか、こう思うのですが、どうですか。
  8. 亀井光

    説明員亀井光君) 御質問の中で一点、この規則の第二十六条に監視断続業務としてタクシーハイヤー運転手労働時間をきめておるのではございませんので、法律の第四十条に基きまして、その根拠の下に一般交通業としてその中に従来含まれて参つたのでございます。仕事の性質は決して監視断続という趣旨で一昼夜交替制を認めておるのではなくて、交通運輸業という特殊の業態から認めておるのでございます。この点誤解がありますから御訂正願います。  それからお話の中に、根本の問題としまして、八時間労働制をすれば事故がなくなるかどうかという問題は、これは私一つの理屈としては考えられると思います。そういうことも一つの大きな原因としてあろうと思いますが、それにはそうするだけのこの運輸行政といいますか、ハイヤータクシー行政等結付き考えませんければ、基準法だけでどうするとか行かぬ問題がそこにある。それは結局先ほど申上げました需要供給の問題、需要を越して今供給が多いために、そこに非常に競争力タクシー運転手同士競争力タクシー業者自体競争が激しい。その中には二十台という現在の許可基準の中でもぐりの、話に聞けば三千台乃至四千台、一万二千台のうちで大部分の者がもぐり免許を持つてつておる。こういう問題も根本的に解決しませんければ、基準法で八時間労働制をとつたからすべて片付くのだというふうには私は考えていない。やはりこれは総合的に、運輸省運輸省運輸交通行政という面、又我々は労働者労働条件の実質的な向上を図つて行くという面、両方総合的にやつて行かなければならん、私はそう思います。従つて私の面からいたします点としては、給与制度の問題が根本的な問題であろうと思いますので、その点に今努力を続けておるわけであります。
  9. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると運輸法基準法はどちらを優先的に考えられておられるのか。運輸法に対して基準局として、運輸に関係のある労働者運輸法に縛られておるものと思うか、それとも基準法が優先する労働者というふうにみなされるか。
  10. 亀井光

    説明員亀井光君) これはおのおのの所管でございまして、私のほうは労働条件というものを所管としておりますから、その面からできるだけそういう労働者労働条件の結果から来る事故防止というものに努力をいたしたい。運輸省交通政策交通行政というものから、その面の事故防止努力をして参るように我々は要請すべきではないかという、両者一致して、あとか先かという問題よりも、やはり総合的にやるべき筋ではないかというよう考えております。
  11. 阿具根登

    ○阿具根登君 四十条をまだ見出さんのですが、それには労働者をそういうふうに、基準法で言う監視断続業務ような一昼夜交替制使つていいということになつておるのか、それとも運輸法労働者の面でなくて、その他の機構の面でなつておるのか。例えば道路法等に関連した問題、そういうことを規定されておるのか、運転手を含めた、労働者を含めたそういう法律になつておるのか。
  12. 亀井光

    説明員亀井光君) 運輸省でやつておりますものは、労働者保護ということよりも、交通行政という一つの筋から出て来ていると思います。労働者運転手労働時間がどうだとか或いは給与制度がどうだとかいうことでの観点から現在の許可基準というふうなものを定めておるのではないと私は考えます。併し他面そのことが直ちに労働者労働条件に影響し、延いてはそれが公衆の利害に影響があります場合は、我々に相談があつて、そうして我々の労働者保護するという立場からの意見とがそこで考慮されて、交通行政というものが打出されて行くべきであるというふうに私は考えます。それで今お話のございました基礎は、法律の第四十条に「第八条第四号、第五号及び第八号乃至第十七号の事業で、公衆不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第三十二条の労働時間及び第三十四条の休憩に関する規定について、命令で別段の定をする」ということが法律の文句になつております。「公衆不便を避ける」という一つの理由から制定当初そういう形になつたのではないだろうか、それと又実体的には運転手給与体系その他というふうなものも当然考慮されたのではないか。この法律の条文の「公衆不便を避けるために」ということが根拠となつて施行規則第二十六条の中に運輸交通事業が一昼夜交替制を認められているというふうなことでございます。
  13. 阿具根登

    ○阿具根登君 只今聞いたのでますます私はわからなくなつたのですが、運輸法の言われておる法の精神というものは、公衆に迷惑をかけないためにということが基準になつておる。第一はそれが基準になつていると思うのですよ。そうすればタクシー運転手が今のような非常に大きな労働過重になつていることが何のために公衆に迷惑をかけるのですか。時間が短くなつて公衆には迷惑をかけない、公衆はそれを喜んでおる。一尽夜交替勤務が八時間勤務になるならば、公衆のためにいいことであつて、決して悪いことじやない。法の精神というものは、飽くまでも労働者に対してはやはり八時間というものを考えて……、ところがそれが公衆のために八時間、例えば汽車なら汽車が走つておる。八時間たつたら途中でストツプして代るというそういうことは公衆のためにできんでしよう、恐らく。ところがそういうものを悪用して自動車運転手に適用されておる。これは適用法基準法では了解できない。この法の精神というものはどちらが先に考えられるべきものであるか。私は運輸法で説いておるのはそういう意味を含めておると思うのです。ところがタクシーのはこういう公衆に迷惑をかけるということはない、八時間ならば公衆は非常に助かる、これはどうお考えになりますか。
  14. 亀井光

    説明員亀井光君) 私の説明が悪くて誤解を招いたかと思いますが、例えば八時間労働制ということになりますと三交替になります。そうするとその間の切れ目ですね、これはタクシー運転手はそれほどではないでございましよう。これは主に自動車でございますと貨物運送長距離貨物運送あたり主体になる、その切れ目をどうするか、交替の問題ですね。タクシー運転手長距離お客運転する場合そういうこともある、そういう場合を考慮された、形式的には。それから実質的には制定当時におけるタクシーハイヤー運転手労働の実態というものが一昼夜交替で出て来ておるという、この現実に即してそういうものを含めたのじやないか、私はそういうふうに考える。とろこが昨年来その問題が交通事故との関連において浮び上りましたので、我々としてこれを改正することに著手をいたしたわけでございます。著手をいたしますると、只今申上げましたよう賃金の面でいろいろな波紋を描いておるのでございますので、そういう波紋を十分しずめた上でこれを施行したい。併し施行するという方針改正しておりますからきまつておることでございます。大体その時期についてはそういう波紋を少くしてそうして実施したいという気持でございます。
  15. 阿具根登

    ○阿具根登君 これでやめますが、トラツク運転手の問題もあります。併しトラツク等長時間行く場合は助手台運転のできる運転手を殆んど乗せておる。たまたま業者が悪い人は、免許状も持たない助手を乗せて、そうして交替してするから事故が起きておる。大体考え方としては二人の人が交替運転しておる、こういうふうに考えられると思います。タクシーもその通りです。十時間も十五時間も走るならば、これは一人の運転手でやるのが無理なんです。二人の運転手でやるべきなんです、助手台に乗せるべきなんです。そういう点から考えて、やはり問題が起きてから基準法というようなものは変るのでなくて、基準法精神一つ尊重して、これ以上問題が起る前に、先般あれだけ立派な勧告書も出しておられますから、相当勧告期間も長く済んでおるのだから、今時分にこういう論議をしないで、近江絹糸の二の舞を踏まないように、近江絹糸については相当ここで言つたけれども局長はそういうことはあつてはいないと言つたけれども、実際にそのベールを取つてしまつたところが、国民が唖然とするような人権問題が起つておる。こういうことがあつておりますから、もうこれ以上紛糾する前に、基準法としては打つべき手を打つてもらいたい、こういう要望を申上げて私の質問を終ります。
  16. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 別に御質問ございませんか。
  17. 阿具根登

    ○阿具根登君 別の問題でもいいですね。  一般問題になりますけれども、ついでですから御質問申上げますが、小坂労働大臣のときに基準法をいらい出した、そうして基準法をどうするかという審議をされておつた。ところが小坂さんはやめてしまつた。そのあとまだ審議会基準法審議をされておるというようなことをちよつと聞いたのですが、そういうことはやられておるかどうか。それから局長として基準法改正ようとしておるのかどうか。大臣が変つたところで大臣がやるわけじやない、やるのは皆さんがやるわけです、それはどうですか。
  18. 亀井光

    説明員亀井光君) 誤解があるようでございますが、基準法自体についての改正は何ら我々はやつていないのであります。施行規則その他の省令でございますね、この改正については、すでに御承知ように七月一日から新らしく改正されました。施行規則、それから女子年少者労働基準規則技能者養成規程、この三本を改正したわけであります。今安全衛生規則、それから事業場附属寄宿舎規程、この二つ省令改正について審議会審議を続けております。我々としましては、審議会審議の結果、答申を得まして、これを実際に改正するかどうかということを検討したい。審議会審議会として今検討を続けておるわけであります。まだ結論が得られておりません。それから法律自体改正につきましては、これは各方面からいろいろ改正要望等もございますが、我々としてもできるだけ慎重にこの問題を取扱いたいということで、まだ検討段階でございまして、改正するという方針もきめておるわけでもございませんし、又そういう方向に向つておるわけでもございません。
  19. 阿具根登

    ○阿具根登君 それでわかりますが、私たちが一番こわがるのは省令改正なんです。省令で以て法律を骨抜きにされるようなことをされたのではこれはたまらんです。安全衛生なんかも今やつておられるようですけれども、相当これは一般労働者の中にも意見があるはずなんです。それで省令をいらわれる場合も、法の精神というものは、これは十分御承知と思うのですけれども、時の内閣、今度は民主党は今は何もできん内閣だけれども、こういうやつが出て来た。あなたがた民主党に衒う必要もない。自由党に衒う必要もない。如何なる内閣ができても労働者を守るあなたがたは唯一の機関なんです。労働者基準局長に本当に慕つて来るような、これは時の政府、保守党の政府なつた場合は、一番苦しい立場になられるのがあなたがた仕事を発揮されるところだと思う。まあ皆さんのおつとめもそれはよくわかりますけれども、ややともすると時の政府の言う通りに、これは労働者が可哀想だと思つても変えて行かれる。或いは率先して自分のほうからこれは変えるべきですよ。今の労働者は駄目だというようなことではなくして、労働者保護機関としてサービス満点でやつて頂きたいと、この際お願い申上げておきます。
  20. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 田畑さん如何ですか。
  21. 田畑金光

    田畑金光君 私は別にありませんが、ただ私希望として申上げたいことは、十五日の日にハイヤータクシー業者並びに労働組合の代表を呼んでいろいろ参考意見を述べてもらつたわけですが、今最大の、我々一般市民立場から申上げる問題としては、事故発生原因というものは経済的の問題が中心になつているということを強く認識されたわけであります。この事故発生原因というものは、お話よう交通行政の面と労働行政の面が並行的に進まなければならん、こう考えるわけです。  従いまして基準局長要望として申上げておきたいことは、労働行政の面から見ましたときに、先ほど阿具根君からも指摘されておりましたが、一番問題として出て来ることが労務管理の非常に杜撰であるというこの問題であります。これについては勿論労働省の関与する限界というものもありますけれども、殊に先ほどお話基準法施行規則二十六条ですかの一昼夜交替の禁止についての措置です。これは速かに条件整つたから実施を厳重にさせるという努力を願いたいと思うわけであります。更に労働時間の短縮が同時に運転手給与の問題に影響することが明らかでありますから、従いまして今の給与体系を見ましたときに、例えば二万円の給与のうち固定給が僅かに三千円程度である。二百数十社の会社のうちで、一万円の固定給を出しておる会社というものは僅かに二、三に過ぎない。あとは殆んど三千円以下の固定給である。こういうよう給与体系では、どうしても運転手自身生活を守るために無理をしなくちやならん。従いましてこういう面については労働省の、殊に基準局勧告措置等でこれを指導してもらいたいと考えております。その他の問題については、これは交通行政の問題に関係いたしますので、どうか一つ労働行政の面からも、現在の市民生命をあずかる交通運送業務というものが、安心して我々一般市民の利用できるような、こういう態勢を確立するために、労働省としても積極的な御協力を願いたい、これだけを要望として申上げておきます。  以上であります。
  22. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 私もちよつとまあ希望を申上げたいのでございますが、年末になつてますます交通事故が発生すると思うのです。これに対しては過日来いろいろ御審議願つて、まあその原因が多岐に亘つておるということはわかつて来た。ここで一番私苦労いたしますのは、大切な生命が脅かされておるこの問題が、監督局がそれぞれに亘つておるということによつていつまでも解決しない。そういう労働条件その他が原因事故が起る。それが運転手だと、これが二千円くらいの罰金、それで営業停止が一週間或いは十日間、こういう場合に罰金を払うにはどうしておるかということも局長はお考えになつて頂いておるかどうか。結局罰金が払えない、ますますたまつて来る、そして最後に体刑を受けるというようなことになつておる。その家庭の悲惨さを考えるときに、一ときも早くこれは解決して頂かなければならないと思うのです。殊に二、三しかない会社ですが、一万円以上の固定給を出しておる、或いは二交代制をとつておる、こういうところには事故が少いやに聞いておるのです。ということになると、ここに模範的なものが出て来ておるのですから、これをやることが即交通事故を少くするということにも相成るわけですから、そういう点は労働者保護する立場に立たれる局長のところで強くもつとこの問題を進めて頂きたい、こういうことを私は特にお願いいたします。殊に二重処罰の問題については、幾多問題もございますので、そういう点も併せて御考慮を願つておきたい、かように存じます。   —————————————
  23. 藤原道子

    委員長藤原道子君) そこで委員のかたがたにお諮りいたしますが、警察庁から来るということになつていましたが、今日はまだ見えないようでありますから、結局当委員会は先般来自動車運輸労務者の労働問題調査して来たけれども、本問題は内容が多岐に亘つてつて、地方行政委員会運輸委員会、法務委員会所管に属する面も多々ございますので、調査の便宜のために、地方行政運輸、法務の三委員会と連合委員会を開きたいと存じますが、如何でございましようか、御異議ございませんか。
  24. 藤原道子

    委員長藤原道子君) それでは御異議ないものと認めまして、さように決定いたします。   —————————————
  25. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 次に私局長に伺いたいのでございますが、この間の駐留軍の労務者の問題ですね、ユニオン・クラブの問題について、あの晩に委員会当日の午後五時から面会ができることになつたというふうに伺いましたが、面会されて交渉された経過を若し伺えましたならばお伺いしたいと思います。
  26. 亀井光

    説明員亀井光君) まだ実は私は正式に報告を受けておりませんものですから、今日別なほうに廻りまして、会議がございまして、役所を出ておりますものですから、いずれわかりましたら申上げたいと思います。
  27. 藤原道子

    委員長藤原道子君) では重ねて、各地に発生しておるであろうところの当問題について、一つ今度ユニオン・クラブの問題が初めて正式に向うで会えるということになつたわけでございますから、十分に一つ御交渉を願つていることと期待しておりますが、その経過がわかりましたら至急にお知らせを願いたいと思いますので、強く要望いたしておきます。
  28. 亀井光

    説明員亀井光君) その直用労働者労働条件の問題につきましては、これは間接雇用から直用に切替えられる際も十分注意をいたしまして、労働条件の低下を来たさないように米国政府当局とも折衝したのでございまして、その後例えばPXというような全国的な組織を持つておりますところでございますと、就業規則等につきまして我々もその内容にタツチして、日本の労働基準法に合いますよう制定をさしたい、そしてその改善方に努力をしております。個々のそういうクラブ或いはホテル等で現象的に起りますものにつきましても、事前にできるだけそういうことの起らないよう努力をしております。東京ユニオン・クラブにつきましてはまだ十分報告を受けておりませんものですから、その報告を受けまして後適切な措置をとります。
  29. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ほかに御質疑ございませんか。  それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時四十七分散会