○阿
具根登君
局長だけ見えておりますから
基準局長に御
質問いたしますが、もう二回ほど本
委員会でも
自動車の
運転手の問題で
審議しておりますが、その中からわか
つたことは、特に年末を控えて非常に
事故が多い。その
事故を
防止するために罰を以てや
つておる、いわゆる
罰金を課するとか或いは免状を取上げるとか、まあそういうことをやられるので、そういう罰を受けた人は
自分の
生活を守るために再びそういう違反を犯す
ような
原因を作
つておる、こういうことにな
つて来たわけなんです。ところがそれではそういう罰を犯さなければならない
ような
生活環境であるかどうかということをその
原因を
調査してみると、
基本給が二千円乃至三千円、そうして
あとは全部
歩合給にな
つている。
自動車一台持
つておる人が三百五十キロから四百キロを一日に走らなければ
生活ができない
ようにな
つておる、こういうことなんです。ところがすでにもう二年くらいになりますか、一年半くらいになりまし
ようか、
基準局のほうからは注意が出ておる。そういう
労働条件ではいけない、少くとも現在
収入の六〇%ぐらいは
基本給にしなければいけないという
勧告書が出ておる。ところが
勧告書は出つぱなしでそれから何もや
つておらない。それでいろいろ注意して聞いてみますと、もうすでに
自動車一台が三百五十キロなら三百五十キロを一日に走る。その間四割の
お客を乗せてお
つて、六割は空車である、
業者に言わしてもそういうことまで出ておる。そうして
歩合制まで加えて一万二千円なり一万八千円
程度の
給与をもら
つておるということになれば、もう実績がわか
つてしま
つておるのであ
つて、
歩合制を必要としない
程度にな
つておる。或いは
歩合制を必要とした場合極く僅かでもいいところにな
つておる。例えば
タクシー二十台なら二十台なければ
タクシー会社としての
許可がない
ようでありますが、そうすれば四十名の
運転手がおるものと見まして、四十人の人の
平均水揚げというものは今までのデータによ
つてはつきりわか
つておるということになれば、
歩合制をやる必要はないぐらいまでに進んで来ておるはずなんです。それを二年前の
勧告をそのまま、
勧告はいい
勧告をされたけれ
ども、全然それから先は何もや
つておられない、こういうことになると思うのです。
例えば
労働時間でも
監視断続業務とみなされておる
ようでありまして、そうして一日置きの二十四時間
勤務、こういうことにな
つておる。そういうことから
考える場合に、根本問題にメスを入れなければできない、罰では
運転手だけを罰する
ようにな
つて来る、そうすれば
却つて弊害が殖えて来る、こういうことになりますので、
基準局がこの際そういう
弊害をなくする
意味においても、
勧告書を出されたその
趣旨においてもう少し徹底的にこれを
調査なり或いは折衝なりをされたならば最も近道じやないかと思うのですが、どういう
ようにお
考えでし
ようか。