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川俣委員 日本の
災害を受ける地域というものは、不幸にして大体きまつたようなかつこうに
なつておるのです。そこに問題がある。従
つて昨年貸し付けた
資金が今年全額回収せられるならば、私はあえてこういうことをおそれないのです。また今年も
冷害に見舞われ、今年も
災害に見舞われるというように、二年、三年と引続いて
災害が起る危険性があり、
日本の風土、気候がそういう条件下に置かれている。この点を閑却しては相ならぬと私は思うのです。
農民自体が、自分たちの
系統信用機関を完全な独立の方向に持
つて行きたいということは、何人もおそらく反対しないと思うのです。しかしながら
農業災害についての特殊性というものを無視せられてまで強要されますることについては、そこに反撥が起ることは当然だと私は思うのです。これは
農民の
努力のいかんにかかわらず、まつく天災的な
災害を受けるのであります。しかも、一年に一回ないし二回より収穫の上らない一年の労苦が、一朝にして
災害にあうというような危険の伴う地域がやや限られておるところに問題があるのでありまして、そのためになかなか
資金が回収せられない。しかも初めは短期の
融資のつもりがだんだん
長期にならざるを得ない。このところに
中金だけが、ひ
とつ大いに理想を高くして切り抜けるのだというその気概は私は了としますけれ
ども、その気概だけをもちましても克服できない自然条件があるということをお考えにならなければならないと思いまするし、この点についてはおそらく御異存はないと思うのです。私は決して
中金が安逸をむさぼることを慫慂しようとも思いませんし、認容しようとも思いません。もう少し別な立場から、あらためて
中金の内容については
検討いたしたいとは思います。しかし私はきようはそういうことを言うよりも、この際全体の
日本の
系統機関の持
つておる任務を別にいたしましても、
政府がこれだけ過重な責任を負わせるからには、
政府みずからにもある
程度負
つてもらわなければならないということも強く主張せられなければならないではないか、むしろきようはその方を強く表現したいのです。この結果これだけのものを与えられた上においては、私は内容についてほんとうはもつ
とつつ込まなければならぬ点はありますよ。それとこれと別にしなければならぬ。あなたたち
中金の業績内容については、これは別の
機会に譲ります。これはおきゆうをすえなければならぬ点もあると思いますけれ
ども、それをや
つておつたんでは根本は片づきません、それはのけますが、それだからとい
つて決して寛大だというふうに説解されては困るのです。この際
中金は、これだけの
災害を
負担するということを、
農民全体のために、みずからもつと積極的な意思表示を
政府になされなければならぬのではないか、私の申し上げておるのはこうなんです この点どうですか。