○上林忠次君 先般千葉県のほうに視察に行きました際に、今頃の高等学校の状態を見ておりますと、これは
農業関係のみならず、
一般の実業教育の
対策が軽んじられている。それで私PTAの会長にも話をしまして、もつとこの
方面の教育を強化する
ようにお願いしたのでありますが、現在のところ、昔の実業学校が皆高等学校に入
つてしま
つて、そのうちの一部の部として特殊な実業教育を施しているという
ようなことで、この特殊な部に入
つている連中も余り熱が出ない。特に
農業関係の連中はああいう
ような特殊な実験をしたり、作業をしたりするために、昔の
ような実業教育が十分滲透しないという
ようなことでありまして、何とかこの点を変えなくては
日本の
産業が萎靡するのではないかということを私話したのでありますが、
農業関係につきましては、とにかく
農業というのは生活が苦しいので、幾ら先生に話してもなかなか熱心にや
つてくれないし、生徒も熱を出さない。勿論現在の学校がああいう工合に、昔の何々工業学校或いは農学校、商業学校の
ような工合の学校が少いので、その点も悪いのでありますが、大体
農業におきましては、利益が少いから土着して
農業に従事する
ような熱が出て来ないのだという
結論に達したのでありまして、
日本の零細
農業として収入が少い。この点が生活の
程度の低下にもな
つて来るという点で、現在の
農業はだんだん昔よりも衰微して行く状態にあるのではないか、
農業に従事すべき第二の国民がそういう
ような状態で現在ありますので、これをうんと優秀な
農業者を作る教育をしなければならんと思うのでありますが、今回の
補助法の改正の中にもあります
ように、実業教育の教科書の
補助を切るという
ような工合で、逆行した今度の切り方にもな
つておろうと思うのであります。さ
ように
農村は民度が低くて生活が苦しいという点で、そういう
ような
農業に対する熱もさめて参りますので、これは国としては大問題じやないかと私は
考えておるのであります。それでこそこの補償金或いは
補助金、
農業関係の
補助金は切られては困る。そうして少しでもこの零細農を守り立てて、収入を殖やす、そうして民度を高くする、生活を楽にするということで、
農村を再興させなければ
日本の将来は危いのじやないかということで、私は
農業関係の普及員の
補助金を元へ帰してくれということを申しておるのであります。千葉県におきましては、今では何パーセントにな
つておりましたか、普及員が年に二十万円
程度県のほうへ食込みをや
つておる
ような
現状でありまして、単価が、
大蔵省で
考えておられる
ような単価では、なかなか実際今の設置はできていないという状態であります。
農業の将来、又実業教育の将来、
日本全体の
産業の将来から
考えまして、特に
農業の将来を
考えますとき、私この今回の三分の二の
補助金を減すということは大問題じやないかと痛感するのでありますが、それで
農林省におきまして、又
政府全体としましても、普及員の員数は減さないのだ、今度の行政
整理にもかけないのだという
ような一貫した
方針をと
つておられます。又
大蔵省のほうでは、交付金でこれは
財源的な
措置は見ておるという
ようなことにもな
つておるのでありますが、この
指導陣の組織というのは、試験場からずつと一貫した
指導網というものができておるのでありまして、一年、三年の問題じやないのでありまして、すでに六年間継続して優秀な成績を、この貧弱な陣容ながら挙げているという
ような
現状から
考えまして、今年から下げる、継続すべきこの
事業を今年から下げる、又
衆議院の決議によりますと、今年一年は我慢せいという
ような簡単な気持でこれを取扱
つておりますが、私はこれはそういう
ような一年間限りこうせいという
ようなことではいけないのじやないか。何とか引続いてやらなければならない。特にいろいろな施設が削られる。この際この人的資源で間に合う
ような、而も少しこれの活動を強化するならば、生産は向上するし、
農民の生活は向上するという
ようなこの施設を削るというのはどうかと
考えておるのであります。過般大蔵大臣が来られたときも、そういう
ような工合に優秀なことは自分は知らなか
つた。これは水産
関係にもそういう問題がありましたが、そんなものならこれは
切つてはいけないのだという
ような御
意向も出ましたのでありまして、私はこの施設はますます強化する必要こそあれ、今ストツプするとか、或いはこれで抑制して将来続けて行くという
ような
大蔵省の御
意向に対しましては、もう少し
大蔵省の本当の気持をお聞きしたいのであります。どういう工合にや
つて行くのか、
紐付でやるか、或いは
予算を組替える、すでに
出しております
地方税の交付金、これを元に帰したらどうか。そしてこれを普及員の
補助の縮小を元に帰したらどうかと
考えておるのでありますが、長い話になりましたが、そこらをお汲取り下さいまして、
大蔵省の御
意見を
一つ聞きたいと思います。