○松浦定義君 ちよつと関連して……。今いろいろ聞いておりますと、相当強硬な御
意見のようですが、昨年の
冷害対策で、二十九
年度の
予算には出ておらないけれ
ども、五億以上のものを見た。それでどうにかこうにか二十九
年度はこの温床というもののために相当増産をした、これは
はつきりしておるのです。ところがときたま東北の一部から
北海道全体にかけて今までにない
冷害を受けた。併し同じような均霑した
制度の下で温床を実施しておるところがあ
つても、この地帯的に受ける
冷害というものによ
つては、どうしても現在のような成績しか挙げ得なか
つたというような事実があるわけなんです。そこで今年はまあ
大蔵省として絶対どういう事態であろうともやらない方針だ、こういうお
考えのようですが、今、
江田委員のおつしや
つたように、
北海道としてはやはり
内地府県と同じような形でや
つてお
つても、なお
冷害という人為的にどうにもならないもののためにこういう結果に
なつて
しまつたということになると、これは成るほど
北海道の一部くらいは不作であろうとも、減収しようとも、今年は
全国的にもう普通作以上だとい
つたような
考え方に立てば、これは別だと思うのですが、やはり一々の農家の個々にしてみれば、そういうものじやないと思うのです。特にまあ地帯的にこういうふうに日本のように非常に細長い国で、それぞれの地帯の事情を持
つておるところにおいては、これは何としても一遍に、もうこの
制度はこうだからということで無視してそれをや
つてしまうということは、私はもう絶対にこれはいけないことだと思うのです。それは成るほどできないことなら農家は仕方がないからやめはしましようけれ
ども、やはり結局的にはやはり政府のそういう施策というものに対して、不満の中でやはり食糧の増産をやるということになれば、せめてこういうような、
全国的に結果的にこう出て来る地帯において、やはり多少でもそういうことの恩典をなお与えて、そうして次の年から一律にこういうふうにするということにならなければ、私はこの一方的な犠牲をあえて強要をしながら、国全体の
考え方がこうだからということで割切るということはこれはどうも私は不満だ。そこでどうしても今の
お話のようですと、政府としてはそういうような
考えはないと断言されておるようですが、実はまあ我々は農林
委員会として、農業政策のいろいろの点について日本の農業というものに対してどうあるべきかということを一応は検討はしておりますが、
農林省自体の
考えとしては、我々
委員会がこうして主張しているような、すでに
農林省要綱としては是非この点は今年はやりたいということを
はつきり言
つてお
つて、そういうことを農林
大臣以下、そういう農業
関係の政府筋から現地を見た場合には、
はつきり農民の前にそういうことを誓
つておるのです。ところがこれは
大蔵省の
考え方がこうだから、或いは政府がこういう方針にきま
つたからとい
つて、
農林省はやはり
農民に対して仕方がなか
つたということを、今、
次長の話のような形で
答弁するかも知れませんけれ
ども、現実の問題としてはそういうことでは納得しない。そこで我々としては、まあ農林
大臣或いは農林政務次官の言明に従
つてそういう意思を変えないで主張しようと続けておる。或いはまあ
一般農家もそういう形で必ずしも今年も何がしかのものは見てもらえるだろうというふうに
考えておる。ところが今のような
考えですと、来
年度の増産意欲というようなものは全然なく
なつてしま
つて、結局的にはこれは農家
自体の損ではあるけれ
ども、今までの政府がと
つて来た方針がそうなのだから、やつばり助成々々で甘やかして来た農家に対して最終
段階に来て、或る
程度均衡的な恵まれたような地帯においての手配ならいいと思う。ところが今に
なつて、例えば
北海道は全
地域に亙
つて、或いはその他の東北の一部には、一部であ
つてもこれを必要とするような時期に、今のような形でぶつ放してしまうということは、これは政府の方針として私は甚だ遺憾だと思う。それならもつと早く、例えば現在の政府が相当長い間この農業政策に対して
国民の不満の中に続けて来られたと思うのも、甘やかしたとか、何とかというようなことも今言われるような立場に立たれたからだと思います。従
つてなぜそういうことを是非やらなか
つたか、なぜ昨年あたり
全国的な凶作だから、或いは
冷害だからと言
つて五億以上の金をなぜ認めたかということ。昨年認めておらなければ今年なんか我々はそういう問題を取上げはしない。ところが昨年は
全国的な凶作だから取上げて、今年に
なつて
北海道の一部と東北の一部だからと言
つて取上げない。そうして今のようた
お話をするのは同じじやないと思うのですが、今いろいろ情勢は変化しておるでしようが、そういうところに行
つて、今までと
つて来たそういう農業政策に温いためには、
北海道の一部であろうと東北の一部であろうと、これは私は先ほど
救農土木の問題で、北流道だけに云々というようなこと、或いは
全国的にそのうちやるような
お話と同じように、そういう
救農土木の点でやられるような、こういう問題に対して同じような形を私はとるべきだと思うのです。どうしてもおやりにならないということであるならば、今日までと
つて来た現政府の農業政策、これは私はこのことを以て全部を律するわけじやありませんけれ
ども、こういう問題はそういう冷やかな態度でおやりになるべきじやないのです。従
つて政党政府でありますから
大臣の
考え方は別としても、少くともやはり
次長としてのお
考え方は、相当私は今後にも影響を及ぼすようなことをこの際や
つて頂きたくない。そこでどうしても
補助金ということになれば、恐らくこれは衆議院のほうとしても私が今申上げましたような点についても相当慎重に
考えておるでありましようから、或いは議員立法でこの問題を何がしかの形で
予算措置的な立法をするかも知れません。そういう場合には止むを得んと言
つておやりになるのか、それでも断固としておやりになるというような覚悟があるのか、こういう点について甚だ僣越でありますけれ
ども、私見であ
つても結構ですが、お聞かせ願いたいと思います。