○
政府委員(
小林與三次君) お手許にお配りしてあります
市町村職員共済組合法案要綱につきまして、大体
法律案の順序で書いてありますから、それによりまして御
説明中土げたいと思います。
第一
目的
この法律は、地方公員務員法の精神にのつとり市町村職員の福祉の増進を図るため、市町村職員共済組合の組織及び業務について定めることを
目的とすること。
これは別に申上げます。
第二 総則に関する事項
一 市町村職員共済組合(以下「組合」という。)は、法人とし、都道府県のと区域ごとに設置するものとすること。
二 組合は、その組織及び業務に関する必要事項について規約を定めるものとすること。
三 組合に議決機関として組合公を置き、議員は、市町村長及び市町村長以外の組合員のうちからそれぞれ同数を
選挙するものとし、議員の定数及び
選挙の
方法は規約で定めるものとすること。
四 組合を代表する者として
理事長を置き、
理事長は、市町村長である
理事のうちから
理事が
選挙するものとすること。
五 組合に若干人の
理事を置き、組合の業務は、
理事の過半数で決するものとし、
理事は、市町村長である議員及び市町村長以外の組合員である議員のうちからそれぞれ同数を
選挙するものとすること。
六 組合に監事を置き、組合会において、市町村長である議員及び市町村長以外の組合員である議員のうちからそれぞれ一人を
選挙するものとすること。
七 国家公務員共済組合法に準じて非課税の
措置を行うものとするにと。
ここが市町村職員共済組合の行うその事業主体である共済組合について
規定いたしたのであります。ここのところが実は国家公務員共済組合と違う重夢な一点てございまして、国家公務員の共済組合、現在府県庁の職員が八
つておりますし、市町村でも警察職員及び学校関係職員が入
つておるのでございますか、これは国の公務員を建前にして作
つておりますので、国全体が各省別に一本にな
つておりまして、各省のにれぞれの大臣がその責任者になる建前で、極めていわばまあ役所中心に組織されておるのでございます。そうした組織を市町村の自主的な組織である共済組合に使うことは適当でございませんので、それでこの
法案におきましては、市町村共済組合を府県弟位に置きまして、これを民主的に組戦いたしまして、組合の運営が民主的且つ合理的に行われるように配慮しようというので、この
考え方をと
つたのでありまして、これは大体国民健康保険組合の
考え方を中心にしてや
つておるのでございます。そこで組合は府県ごとに置きまして、そしてその組合の組織その他の問題は規約で定めることにいたしますが、この組合の機関といたしましては組合会を置きまして、組合会の議員は雇用主である市町村長と、それからこの組合員になる一般職員である組合員のうちからそれぞれ同数ずつ
選挙してこれを民主的に構成する、こういう
考え方をと
つておるのでございます。ただ組合を代表する
理事長は仕事の性質上市町村長のうちから出たほうがよかろうというので、
理事のうちから
選挙することにいたしておるのでございます。それから仕事の内容を監査する監事も、これも雇用者代表と共に被用者の代表を共に入れることが必要でありますので、それぞれ一人ずつ
選挙して選ぶ、こういう建前をと
つております。それからなお共済組合につきまして、各種の非課税
措置は国家公務員共済組合に準じてそれぞれ行うことにいたしております。大体以上で次に移ります。
第三 組合員に関する事項
一、市町村に使用される者で市町村から給与を受けるもの(以下「職員」という。)は、組合員とすること。但し、虎に掲げる者は、との限りでないこと。
(一) 常時勤務に服しない者
(二) 臨時に使用される者
(三) 国家公務員共済組合法による典済組合の組合員
二 組合員の資格の取得及び喪失は、国家公務員共済組合法のそれと同様とすること。
但し、退職した場合において退職の日又はその翌日に当該都道府県の、区域内の市町村の職員と
なつたときは、組合員の資格を失わないものとすること。
三 組合員である期間の計算については、国家公務員共済組合法のそれと同様とすること。なお、この法律による組合員である期間及び国家公務員共済組合法による共済組合の組合員である期間は、退職年金を受ける権利を有する者の場合を除き、相互に通算するものとし、この通算される期間に係る責任準備金の移換を行うものとすること。これは法律の第二章の組合員に当る問題でありまして、組合員の
範囲はこれは国家公務員共済組合法と全然同様にいたしております。それで臨時に使用される者、それから常時勤務に服しないいわゆる非常勤の職員だけは、その性質上組合員とすることがおかしいので省いてありますが、一般の事実上常時勤務に服している者はことごとくこれを組合員にいたすのであります。それから組合員の資格の得喪は、これは一般にやめたりなんかする場合でありますから特に問題はありません。この点で特に申上けたいのは、国家公務員共済組合法とこの通算の
規定を入れたことでありまして、これはこちらの改正に伴いまして、国家公務員共済組合法も改正をいたしまして、これを受ける
規定を設けることにいたしておりますが、それぞれ国家公務員と地方公務員との間に身分の移動が行われました場合におきましては、組合員としての資格を全部通算する。その場合に従来の組合の負担金の問題その他の財源の問題がありますので、これは通算される期間に係る責任準備金を相互に移換して組合財産の処理をいたしているのであります。あとは特に申上げることはないと思います。
それから第四は給付に関する事項で、
第四 給付に関する事項
組合の行う給付は、保健給付として療養の給付、療養費及び家族療養費、分べん費及び配偶者分べん費、ほ育手当金並びに埋葬料及び家族埋葬料、退職給付として退職年金及び退職一時金、廃疾給付として廃疾年金及び癈疾一時金、遺族給付として遺族年金及び遺族一時金、り災給として弔慰金及び家族弔慰金並びに災害見舞金、休業給付として傷病手当金、生産手当金及び休業手当金とし、その給付事由及び内容等は、国家公務員共済組合法によるそれと同様とすること。この場合において、療養の給付、療養費又は家族療養費の支給期間(三年)には、国家公務員共済組合法によるものを含めるものとすること。
これは法律の第三章に当る
規定でありまして、この組合決の実体に当るわけでございます。共済組合が行う給付の内容をここに詳細に法律上列挙されているのでございますが、これは全然国家公務員共済組合法と同一の内容にいたしております。そこでこれにつきましては、別に参考にお配りいたしておきました参考
資料を御覧願いますというと、この
市町村職員共済組合法案と健康保険法と厚生年金保険法との給付額の比較表をお配りいたしてございます。それを
ちよつと御覧願いたいのでございますが、
市町村職員共済組合法案の参考
資料というのがお手許にお配りしてありますが、その
資料の第一表に市町村職員に対する年金
制度適用状況調というのがございます。ここに現在の市町村の職員一般についてこういう関係の運用はどうな
つておるかということが書いてあるのでありますが、一般職員につきましては、吏員には恩給条例がありまして、いわゆる恩給組合、市町村恩給組合によ
つて二十二万人の者が年金を受けておるわけでございます。それからその雇用人のうち交通とか水道という特定の事業に従事する約二万九千人につきましては、厚生年金保険法の適用があります。この厚生年金保険法の内容の比較はあとから申上げますが、二万九千人あります。それ以外の十二万五千につきましては、全然年金
制度の適用がこれはないわけでございます。これがまあ完全にブランクにな
つておりまして、このブランクにな
つておるものについて速かに年金
制度を確立する、こういうことが今度の
法案の一番の
重点の
一つにな
つておるわけでございます。それと共に、それらを合計いたしまして、三十八万人全部でおりますが、この三十八万人の者につきましては、短期給付のいわゆる療養給付の問題がありまして、これは一部の者は健康保険に入
つておりますが、全般的に国家公務員なり府県の公務員なりと同様な短期療養給付がありませんので、これらのものにつきまして、一般的な療養給付その他の道を開こうというところが今度の問題の
重点でございます。併しながらここにありますところの教職員とか警察、消防職員につきましては、それぞれの道が今まで開かれておるのでございます。
それからその次の表を御覧願いますというと、先ず
市町村職員共済組合法案と健康保険法との比較をここに書いてございます。そのうちの主体が保険給付でございますが、病気に
なつたり或いは子供を分娩したとき等に給付を受けることにな
つておるのでございますが、そのうちの療養の給付とか或いは家族の療養費というのは健康保険法との関係は同様でございます。それから下の分娩費、配偶者分娩費、保育手当金、本人並びに配偶者、それから埋葬料及び家族埋葬料、これらのものは給付の内容がいずれも健康保険法のほうが低いのでございます。一般の共済組合法のほうがやや
程度が高いのでございまして、この高い府県その他の公務員並みの給付を市町村の一般職員に適用しようというところが実質上の相違になるのでございます。それからその下の休業給付というのも健康保険と大分逢うところがございます。特に罹災給付は全然健康保険
制度にはないのでございまして、これが昨年の大災害のときに随分罹災を受けた公務員がお
つたにもかかわらず、一般の国家公務員なり府県公務員は救済をされておりましたのに、市町村の職員につきましてはこの給付がなくて、特に例の特別立法で一部見ることになりましたが、実はこの開きがあ
つたのでございます。この罹災給付の
制度を伺としてでも確立してもらわなければいかんのは、健康保険法の適用ではその
目的を達することができない、こういう実質上の問題が存するのでございます。
それからその次に長期給付の表がございますが、これで共済組合と厚生年金保険法との比較を書いてございます。そこで厚生年金保険法は今度の
国会で少し増額にな
つておりますが、それでも実はその金額が相当違いまして、そのわかりやすい表を一枚めくりましたところに退職年金の表が付いてあります。そこを御覧願いますというと、組合員であ
つた期間一十年、二十五年でやめたそれぞれの数字を出してあります。その次に市町村共済組合の大体退職年金の額、それから厚生年金保除法によ
つて今度、そこに
衆議院修正というのが、印刷したときはそうでしたが、これは成立した案であります。その間における比較を御職願いますというと、共済
制度、年金
制度の開きが相当あることをお認め願えると思うのであります。二十年のときは
余りありませんが、それから年がたつに
従つて相当な開きが出て参
つているのであります。それともう
一つは備考に書いてあります支給開始の時期が、組合のほうは五十歳でございますが、厚生年金のほうは男は六十歳、女は五十五歳、これは若年停止の
範囲が相当違
つている。これは実質的に極めて大きな相違にな
つて参るのでございます。そこで実は厚生年金
制度に統一して向うで一本でやるべきじやないかといういろいろ御
意見もあ
つたのでありますけれ
ども、結局国家公務員、府県公務員並みの
制度というものと厚生年金の
制度がこれだけの開きがある以上、一般の市町村につきましても、警察なり教職員なりと同様な処遇をしてやるのが当然の配慮でなければならないのでありまして、我々といたしましては、現在の
段階においては到底厚生年金
制度によ
つて救済することができない。そこにこの法律を
提案せざるを得なか
つた根本的な
理由があるのでございます。
あと退職一時金以下の表を付けておりますが、これは御覧願いたいと思うのでございまして、それぞれ皆相当な開きがあるのでございます。大体これが給付の内容でございまして、それぞれ一般の公務員については保障されておりますが、市町村の職員について保障されていない問題点でございます。そのくらいにいたしまして、次の項に移りまして、要綱の第五の福祉事業に関する事項を御
説明申上げたいと思います。
組合は、給付の外、福祉事業として、組合員の保健、保養又は教養に資する施設の経営、組合員の利用に供する財産の取得、管理又は貸付、組合品員の貯金の受入又はその運用、組合員の臨時の支出に対する貸付、その他これらに附帯する事業を行うことができるものとする。
これは法律の第四章に該当する
規定でございまして、共済組合は今申しましたような長期給付並びに短期給付を行うほか、福祉事業といたしまして、組合員の保健の面で健康診断をや
つたり、或いは結核の療養所を作りましたり、或いは保養施設を作
つたり、或いはその他住宅の資金の貸付をや
つたり、そういう各種の福祉事業をいたす道を開いてあるのでございまして、これは現に国家公務員なり府県の公務員なりにつきましては、それぞれ相当活溌にこの事業をやりつつあるのでございます。特に私たちの関係しております府県の一般公務員の例について申上げますと、各種の保費施設というものは大体各府県皆持
つているほか、最近は結核病棟を設けるためにそれぞれ資金を融通いたしているのでありまして、これは所によ
つては又鉄筋の恒久的な結核病棟をそれぞれ作りつつあります。それを共に住宅貸付といたしまして個人に貸付すると共に、まとめて住宅を作る場合に資金を融通いたしておりまして、非常に地方の職員にも喜ばれておる事業であります。組合に逐次資金がまとまれば、そうした事業を十分に行い得ることに相成ると存じております。
それからその次は、第六、掛金、負担金等に関する事項で、
組合の給付及び事務に要する
費用についての職員と市町村との負担区分は、国家公務員共済組合法のそれと同様とすること。
これは法律の第五章に関する
規定でございます。これは全然国家公務員と同様の建前にいたしておりまして、その内容を簡単に申上げますと、いわゆる短期給付の問題、具体的な問題はそれぞれの共済組合できめることにな
つておるのでありますが、短期の療養給付に対する掛金はそれぞれ市町村と各組合員とが原則が半分々々で持つことにな
つております。それから退職給付に当てるのは、組合員の掛金が四十五に対し市町村が五十五を持つという建前でできておるのであります。これは皆国と同様でございます。ただこれにつきましては、あとから経過
規定がございまして、従来健康保険組合において、それぞれ市町村が組合員との協定で高い率を負拠している場合がしばしばありまして、そういう場合はその率を引続いて認める、こういう建前をと
つておるのでございます。これはあとから御
説明申上げたいと思います。
それから第七は、市町村職員共済組合連合会に関する事項、
一 組合の業務の適正且つ円滑な運営を図るため、市町村職員共済組合連合会(以下「連合会」という。)
を置くものとすること。
二 連合会は、法人とし、組合に対する技術的及び専門的な知識
資料等の提供、事務の指導、組合の長期百給付及びり災給付に要する
費用に充てるための積立金の管理その他その
目的を速成するために必要な事業を行うものとすること。
三 連合会に、議決機関として、総会を置き、議員は五十五人とし、各組合の
理事長及び市町村長以外の
理事が互選する者をも
つて組織するものとすること。
四 連合会に、役員として、会長一人、
理事九人及び監事三人を置さ、会長は、
理事が互選し、
理事は、総会の議員が4選(
理事のうち一人は、組合の市町村長以外の
理事が互選した総会会の議員とする。)し、監事は、総会において、学識
経験を有する者、組合の
理事長及び市町村長以外の
理事が互選した総会の議員のうちからそれぞれ一人を選任するものとすること。
この
規定は法律の第六重に該当する
規定でございまて、それぞれの府県の共済組合の連合組織を中央に
全国一本に設けたいと思うのでございます。その意味はそれぞれの府県の組合業務についての専門的な、技術的な援助をするというだけでなしに、この長期給付と特に罹災給付でございますが、これは成るべく危険を
全国的に分散いたしまして、中央でまとめて資金をプールして動かすという必要がございまして、特に災害のことをお
考えになればわかりますが、災害はもう一地方に集中的に起る事例が多いわけでございますので、そこでこれらの資金たけは連合会でまとめて管理をする、こういうことが適当であろうと存ずるのでございます。そうした仕事をやるために連合会を設けることにいたしまして、連合会の組織は、これも国の共済組合と全く違
つておる重要な点でありまして、国の共済組合は中央一本になり、現在の府県の職員の場合でも
自治庁一本で作
つておりまして、地方には支部があるに過ぎない。そうして中央の運営機構も、これは共演組合法できま
つておるのでありますが、運営審議会しいうものがあ
つて、単に審議機関を置くことにな
つておるのに過ぎないのであります。これを議決機関といたしまして、民主的に組立てる必要がありますので、総会を置いて、それをそれぞれの下の共済組合から積み上げる方式で以てこれは開く。その場合にも単に雇用者側の市町村長の代表ばかり出てはいけませんので、被用者側の職員代表も加えるように配慮いたして、この職員の構成を
考えてあるのでございます。この点につきましては、自治労協その他の幹部の人たちと十分協議をして、この組合の内容と役員の構成等を協議して案を立てたのでございます。そうして共済組合全体の運営を合理的に民主的に動かして行こう、こういう
考え方でございます。
それからなお、もう
一つ申上げたいのは、この要綱に書いてございませんが、この中央の連合会で管理する資金の運用の問題が
一つございまして、これは特に法律の七十五条の四項でございますかに
規定を入れまして、「確実で、有利な
方法により、且つ、組合員の福祉の増進又は市町村の公共の利益に資するように運用しなければならない」と、この運用の
目的を書きまして、これだけの資金がまとまれば相当な金額になるのでありまして、この運用の
方法を十分
考える必要がありますので、これは専ら組合員の福祉のためか、それともそれぞれ関係しておる市町村の公共の利益になるような形で運用する。それ以外の単に利殖の
方法を
考えたりなんかすることはこれはやめる、こういう
考え方で以て運用の方針を法律に書いてあるのでございます。それでこうした大きな、特に厚生年金あたりでもそういう問題が起
つておるのでありますが、資金の運用をどうするかという問題がありますが、これはそもそも関係しおる組合員及び団体に還元をする建前で運用する、こういうことを法律で明定いたすことにいたしたのでございます。
それから要綱の第八に戻りまして、
市町村職員共済組合審査会に関する
一 給付の決定又は掛金その他組合員が組合に対して支払うべき金額の徴収に関する異議を審査するため、連合会に審査会を置くものとすること。
二 審査会は、九人の
委員をも
つて組織するものとし、組合員代表する者、市町村を代表する考及び公益を代表する者各三人の
委員は、連合会が推せんする者のうちから
自治庁長官が委嘱するものとすること。
この
規定は法律の第七章にございまして、この共済組合につきましては、給付の内容をきめたり、或いは掛金その他の問題につきまして、若しいろいろ問題が起ることもあり得るので、問題が起
つた場合におきましては、そうした問題を合理的に解決する
方法が必要なのでございます。で、そのためにはこの審査会という組織がございまして、これはまあほかのこうした類似の組織には皆
考えられております。その審査会を中央、これは
全国に
一つあればいいわけでございますから、置きまして、組合の代表、市町村の代表、それから公益代表者、それぞれ三人ずつでやりまして、而もそれを皆連合会に推薦をさせて、そうして
自治庁長官が委嘱する、こういう
考え方で公正な審査機関を設けて、そうして論議のあとがないように運用して行きたいと存ずるのでございます。
それから第九は会計に関する事項で、
組合及び連合会の事業年度は、
政府の会計年度によるものとし、予算は、
自治庁長官に届け出なければならないものとすること。
これは法律の第八章の問題でございます。特に申上けることはございません。ただ、ここで申上げたいことは、いわゆるこれに類似の団体とすれば健康保険組合等がございますが、これにつきましては、実は監督の
規定が厳重でございまして、予算、決算その他皆認可事項等にな
つておりまして、その他いろいろな形で監督が加えられておるのでございます。それから国並びに府県の公務員は、これは役所がやるのでございますから、これは勿論そうした権限が強いのでありますが、市町村の場合におきましては、これは市町村自治体の建前を尊重し、極めて自主的にやるということを
考える必要がありますので、そうした意味の
規定は最小限度にとどめるという建前にいたしておるのでございます。その点が実はほかの
制度と又違
つておる一点でございます。
それから要綱の第十、その他、
一 組合及び連合会にその事業の執行に必要な報告徴収等の権限を与えるものとすること。
二 組合は、この法律の定める医療に関する事項については、随時、厚生大臣に連絡しなければならないものとすること。
三、組合及び連合会は、
自治庁長官が監督するものとすること。
これは法律の第九章に該当するのでございまして、今少し御
説明申上げたことにも関連いたしておるのでございます。二に書いてありますのは、この医療に関する問題につきましては、随時厚生大臣に連絡する。これは健康保険組合
制度との調整を
考える必要もありましたので、国家公務員共済組合法にも類似の
規定がありますので、その建前に従うことにいたしたのでございます。
第十一 罰則に関する事項
療養の給付、療養費及び家族療養費に関する報告及び立入検査について国家公務員共済組合法のそれと同様の罰則を設けること。
法律の第十章にございますが、特に御
説明申上げることはございません。
第十二 経過
措置に関する事項
一 組合員のうち、恩給法の準用を受ける者、退職年金及び退職一時金に関する条例の適用を受ける者及び六月以内の期間を限
つて使用されるものには、当分の間、退職
給付、廃疾給付及び遺族給付に関する
規定は適用しないものとすること。
これは法律の附則の十五項でございます。これは当り前のことを書いてありまして、これも国の公務員共済組合法と同様な
規定でございまして、恩給法の準用を受ける者とか或いは条例で年金を受取る者には勿論この
規定は要らないのでございます。それからいま
一つ、六ヵ月以内の期間を限
つて使用されて極めて短日月でやめる者を前提にして、これは年金
制度をやるということは筋が合わないので、そういう者についてはやらない、こういうことを
規定した例でございます。
それから二は、
この法律の公布の際現にこの法律による組合の組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合を組織している市町村かその職員でこの法律による組合の組合員となるべきものの過半数の同意を得てこの法律の公布の日から九十日以内に
自治庁長官に申し出たときは、当該申出に従い、この法律の規正の全部又は保健給付、り災給付及び休業給付に関する部分を当該市町村及びその減員に適用しないものとすること。この場合においては、この法律の
規定の全部の適用を受けない市町村は、退職給付、廃疾給付及び遺族給付については、この法律に
規定する給付に相当するものを行わなければならないものとすること。
これは法律の附則の二十一項でございます。七十五ページでございますが、この
規定は実は
一つ問題になる
規定でございまして、実は
先ほど長官の
説明にもありましたが、この共済組合法をめぐ
つて一番問題があ
つたのは健康保険組合との関係が
一つあるのでございます。それで健康保険組合につきましては、一部の市町村の吏員が健康保険に加入しておる者が相当ありますので、現にそれで足りるではないかと、特に健康保険組合によ
つては、いろいろな
先ほどちよつと申しましたように負担率が一般の国家公務員よりも率が、市町村が負担するものと組合員が負担するものとが半分々々にならずに、所々によ
つては三対三或いは極端なものになると三対一のような割合の所もありまして、そうしたいい負担率を持
つておるものを組合に統合されちや組合員が困るじやないか、そういう問題が
一つと、それからもう
一つは、健康保険組合は
先ほど申しました
通りいろんな給付のほかに附加給付というものをそれぞれ組合が自由に作り得ることにな
つておりまして、むしろ附加給付をや
つておるものが共済組合になるというとそれは認められん。そういうものがあ
つては
却つて給付の内容が下るからいかんのじやないか。そういう二点が実は中心の問題だ
つたのでございます。併しながら我々といたしましては、その二点につきましては、それはこれから申します
通り、経過
措置によ
つて救済すると共に、この
考え方にはそうした一部の富裕の健康保険組合に加入しておる者については、又それぞれ自主的にや
つておるのだからそれをとやかく言う
考えはない。併し一般の弱小の町村の雇用員はそうした恩典に浴しておらないわけでございまして、そうしたものについては最小限度学校職員や警察職員並みに保障してやる、これはどうしても
考えなければならない。そうしたわけでこの法律を作ることにいたしますと共に、単に形式上こういう法律を作るからこれで皆形の上で押し込んでしまうのだということは
考える必要は毫もないのでございまして、我々は最小限度法律で保障してやればよろしい、それぞれ自主的にできるところはそれは自主的の意思でや
つてかまわない、こういう
考え方でこの二項はこの健康保険組合を組織している者が若し組合員の過半数が同意してそれぞれ関係町村がその気に
なつたならば、この法律による共済組合法に加入しなくてもいいという
規定を設けたのでございます。そこで一部の富裕な健康保険組合に参加しておる団体はそれぞれ従来の形をその意思によ
つて継続して行くことができるのでございまして、これは問題がこれで解消することを我々も
考えておるのでございまして、全然御心配になる点はこの
規定によ
つてなくなるのでございます。ただ組合によ
つては、共済組合の
規定の全部を排除したいという場合、或いは最小限度短期給付、長期給付の問題だけを適用しない、こういうようなことを
考える場合もこれはあり得るのでございまして、そこらの選択の余地も認めておこうとするのでございます。でありますから、単に形式上
制度として統一するということを我々は期待しておるのではないのでありまして、実質的に最小限だけを保障するということだけで以てこの立法が
考えられておるのでございます。尤もこの点につきましては、逆に、社会保障
制度審議会の答申によりますというと、むしろ作るのならば均一に作るベきだ、例外を認めるのはおかしいのではないか、こういう意味の技術的な勧告も実は我々は受けておるのでございますが、併しながら我々といたしましては、そうした形式よりも地方自治の建前から申しましても、実質的の最小限を確保するということで行
つたほうが適当であろうということで、あえてこの附則を設けることといたしたのでございます。
それから第三番目は、
この法律の公布の際現にこの法律による組合の組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合は、第五項により存続する場合を除き、組合成立の日に解散するものとし、その健康保険組合の権利義務は、組合が承継するものとすること。
これは法律の附則の、二十二項でございまして、これは特に申上げることはありませんで、健康保険組合が全部こちらの共済組合に乗り移る場合には、解散し権利義務を承継する、これだけの
規定でございます。
四は、
この法律公布の際現に健康保険の被保険者である者が組合員となる組合は、当分の間、健康保険の被保険者で組合員の資格を有しない者を組合の組合員とすることができるものとすること。
これは附則の二十七項でございますが、この点は実は現在健康保険の組合に加入しておる者とそれから共済組合の対象となる者とが百パーセント一致しておらんのであります。と申しますのは、共済組合の対象となるのはそれぞれ市町村の公務員に限られております。ところが健康保険は、ついでに例えば市町村会あたりの事務局の職員などがそのまま健康保険にも入
つておりまして、そういう者をこちらへ引継ぐことによ
つて脱落させてはこれは気の毒でありますので、そこで健康保険の被保険者にな
つておるような者は皆こつちの組合の組合員にするにとができると、こういふうに
考えたのでございます。
それから五は、
この法律の公布の際現にこの法律による組合の組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合は、これを組織する市町村のうちに第二項の申出をしたものがあるときは、組合成立以後においても、その申出をした市町村及びその職員を以て組織する健康保険組合として引続き存続するものとし、その健康保険組合の権利義務で申出をしなか
つた市町村及びその職員に係るものは、組合が承継するものとすること。
これも技術的な
規定でございまして、健康保険組合に参加してお
つた市町村の職員の一部がこちらへ来る、一部は自立でやろう、こういう場合におけるその間におけるその健康保険組合の始末を
考える必要がありますので、それとの権利義務その他の承継関係の
規定の基礎でございます。
それから六は、前二項により健康保険組合の権利義務を承り継した組合は、五年間は、当該健康保険組合がこの法律による組合成立の際現に行な
つていた健康保険法第六十九条の三の
規定による保険給付のうちこの法律に
規定する給付以外のものをこの法律による給付として行うことができるものとすること。
これは法律の附則二十八項でございまして、これは
ちよつと今申上げました
通り、健康保険組合ではこうした附加給付と申しておりますが、法律で書いてある給付以外に組合のほうできめれは随時いろいろな給付を行うことができたのでございます。例えば家族の療養費は半分だけ出すことにな
つておるのに、あとの半分も組合で持つ、こういうタイプの附加給付がいろいろ
考えられまして、それをや
つておる富裕な健康保険組合も実は少くないのでございます。そういうものが健康保険組合として存続すれは勿論その
通りやりますが、仮にこちらの共済組合に入
つた場合におきましても、そのために附加給付が行えなくなるということはそれは甚だ遺憾でございますので、当分そういうものは附加給付としてやり得るという道を開いてございます。これにつきましても、
先ほどの社会保障
制度審議会につきましては、やる以上はびしつとやるべきじやないかという逆の
意見が実は出てお
つたのでありますが、我々といたしましては、組合が現にや
つておるものをはずすのは実際に合わんので、ともかくも差当りこういう道を開き、むしろこうした附加給付の
制度は共済組合
制度全般についても場合によ
つては
考えられ得る、こういう含みも我々としてはあるのでございます。とにかくもこの
市町村職員共済組合法案におきましては、これを差当りそのまま認めるということを立法化いたしたいと存じております。
それから七は、
退職給付、廃疾給付及び遺族給付以外の給付については、市町村は、五年間は従前の健康保険の保険料の負担割合によることができるものとすること。
これが
先ほど申しました法律の二十九項に該当しますが、健康保険では負担割合がこの半分々々というのが建前でありますが、これは場合によ
つては事業主と職員との間において負担割合を変えることができる。そこで一部の組合では事業主のほうが余計負担しておりまして、まあ三対二とか、ときにませんが、そういう開きをつけておるものもあるようでございましてそういう場合に共済組合では、国、府県の例はもう半分ずつということがきま
つておりますが、ただ長期給付は四十五対五十五でありますが、負担率を変えるということは組合員に気の毒でありまして、現に自治体が余力がある、それぞれ余力があ
つてそういう意思があるものをそれをひつくり返す必要はない、同じ負担割合を差当り承継することができる、こういう建前にいたしたのでございます。
組合成立前の引き続く職員としての在職期間は、組合員である期間に通算するものとすること。この場合においては、その者に係る給付について、その期間の掛金に相当する額を減額するものと吊ること、
これは特別に申上げることはないと思います
九は、
職員でこの法律施行の際厚生年金保険の被保険者であ
つたものについては、その被保険者であ
つた期間を組合員である期間に通算するものとすること。
これも皆引き続き通算の
規定でありまして、特に御
説明を要しないと思います。
第十三は、関係法律の整理に関する事項、
この法律の施行に伴い、国家公務員共済組合法、厚生年金保険法、船員保険法、厚生年金保険及び船員保険交渉法、厚生保険特別会計法、船員保険特別会計法、日雇労働者健康保険法、結核予防法、国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律、印紙税法、所得税法、法人税法、
地方税法等の一部の整理を行うものとすること。
これは大体免税その他交渉関係の
規定の整理でございまして、特に御
説明は要らないと思います。
以上でございます。