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横山参考人 本日は私
どもの
関係のために、非常に忙しい中御
審議いただきますことを、厚くお礼を申し上げます。
ただいま
国鉄当局側から
お話がございました点については、われわれとしては大いに
異議のあるところでございます。私
どもが、何はともあれ、
各位の十分なる御
検討をいただきたいと思いますのは、どうしてこういう
事態が起
つたかということが第一の問題でございます。いろいろ申し上げたいことがございますが、時間も勘案いたしまして、きわめて要点的に私
どもの
闘争に入
つた理由を項目的に申し上げたいと思うのであります。
第一には、私
どもの
賃金がここ数年来非常に
低下をしたという事実であります。それはか
つて二千九百二十円といわれた時代もございましたが、それ以来
国鉄の
賃金は、同じ
公社関係と比較いたしまして、今日質的に最も
低位にあるということが第一であります。これは私
どもが申し上げるばかりでなく、大蔵省の
岸本給与課長が
公務員読本で、
国鉄の
賃金が一番
低位にあるということをみずから立証されておるのであります。加うるに、か
つて六十二万といわれた人員は、現在四十四万と約十八万の削減にな
つております。また
労働の
実情といたしまして、きわめて
労働が強化されております。この点は、昨年の
仲裁裁定の
趣意書におきましても明白なところでございます。こういう
労働条件の
低下に相伴いまして、
仲裁裁定が三回にわた
つて、完全な履行がされることができませんでした。これが積年の
国鉄労働者の
不満と
なつたところであります。かてて加えて、直接
労働条件の問題ではございませんが、こういうふうにな
つて来るそもそもの根本ということについては、
職場で働く
国鉄労働者として、
国鉄の経営というものがもう少し健全に充実されなければならぬというところに
背景もあ
つたわけでありまして、国会でいろいろ御
審議をいただいておる中で、私
ども特に痛感するところでございます。
昨年、
政府が
ベース・
アップをしないということを
決定いたしましたときに、
国鉄の
労働者の憤激はその頂点に達したわけであります。こういう中で、
政府の最終的な
決定が一月からというふうに
決定をいたしましたが、なおかつ
国鉄労働者として
不満のありました点は、約五点ございました。
一つは、八月からと一月からとの
相違であります。四回にわたる
仲裁裁定か蹂躙をされたということであります。
一つは、昨年の年末の手取りが、一昨年に比較して非常な
減収を見ておるということであります。一昨年は約二万円見当でございましたが、昨年十一月三十日現在における
政府案によりますと、約一万四千円
——物価が一割一昨年より上
つていましたから、ほんとうならば二万二千円が一昨年と比較して妥当なところであ
つたのでありますが、一万四千円の案で、一昨年より約八千円の
減収を見ておる、こういうことが第二の
原因であります。
第三番目は、
公務員と
国鉄労働者に、年末
手当〇・二五の差があるということでありました。この点は歴史的な
背景があるわけでありまして、ようやく昨年の春、
各位の御了解をもちまして、
公共企業体と
公務員とが
一緒であ
つたわけでありますが、それが年末になりまして再び〇・二五差があるという案が提示されましたことも、どうしても納得できなか
つた第三番目の
理由であります。
第四番目は、
ベース・
アップが公称約千円
——実質は約五百円ぐらいでありましたが、
物価政策によりまして、一月以降の
物価の値上りを見るならば、とうていこれでは
ベース・アツプにならないという計算を緻密にいたしまして、これでは話にならぬということが第四番目であります。
第五番目は、すぐに
賃値金上げと首切りとが
一緒になるような
背景を見せておりました。これらの点からして、
国鉄労働者としては、あの段階におきましてどうにも納得ができないというところであ
つたわけであります。
そこで、私
どもは
遵法闘争なり、あるいは
休暇戦術というものを採用いたしました。しかし、この
戦術それ自体を考えてみますときに、私
どもは平素の
基本的権利ないしは
業務上、
国有鉄道から平素やれとい
つてお
つたことを、そのまま実行したということが言えるかと思うのであります。たとえば、
遵法闘争をかりに例に引いてみましても、常に
国有鉄道側から
規定、
達等の完全な
実施というものを
要求されておりまして、この
規定、達の完全な
実施、法規の完全な
実施というところに、私
どもが平素やはりしいられ、かつ
闘争の最中においても、その
意味ならば何らさしつかえないというふうに考えられるところであります。
国鉄当局側から、その結果としての
運休なり、いろいろな
数字についての
お話がございました。あとで技術上の問題については
お話をいたしますが、総体的に申しますならば、
運休とか
遅延というものの直接的な
原因と、それから
当局側としてこれは
運休する、これは
遅延にするというような
措置も、
当局がみずから打たれたようでありまして、これらの
数字が直接に
国鉄労働者の
責任とされる点については、大いに異論があるわけであります。
そのほか、この十八人の
該当者が、一体どういう
理由でなされたかという点については、きわめて明白を欠いておるわけであります。御
審議くださるならば、あるいはわかろうかと思うのでありますが、
地方におきまする
責任者は、
一体労働組合としての
団体行動権並びに
団結権とどういう
関係があるのか。また
地方において、ある
地方本部においては
委員長、ある
地方本部においては
書記長というまちまちな
措置というものは、一体どういう
意味があるのかという点についても、きわめて明白を欠いておるところでありまして、御
審議をお願いいたしたいと思います。
なお、直接
組合員が
馘首の通告を受けておるところもあるのでありまして、
中央本部、
地方本部、それから
組合、その
関係がどういう点に
馘首の根拠を求めておるかという点についての、われわれの
説明の
要求についても、
当局側としてなかなか明白な回答がないのでございます。従いまして、
国鉄労働組合としては、今日
東京、
大阪、
広島、新潟の四つの法廷に対しまして御審理を求めておるわけでありますが、しかし
労使関係としてこれが円満なる解決のためには、
当局側と十分にさらに
馘首の問題について団体交渉し、これが撤回されることが正しい
措置であると考えまして、今日なお
不当馘首の
反対闘争を展開し、
当局側に善処を要望いたしておるのでありますが、なお
当局側としては、これについての交渉に応じようとしていないというのが
実情でございます。
そのほか、本日は
地方からも
国鉄労働組合の幹部が参
つておりますから、御
質問にお答えいたすことによりまして、私
どもの
不当馘首反対というこの
闘争について、十分なる御
審議を煩わしたいと考える次第であります。