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1954-10-19 第19回国会 衆議院 農林委員会 第75号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年十月十九日(火曜日) 午前十一時四十一分
開議
出席委員
委員長
井出一太郎
君
理事
佐藤洋之助
君
理事
福田
喜東
君
理事
吉川 久衛君
理事
芳賀 貢君
理事
川俣 清音君 小枝 一雄君
佐藤善一郎
君 田子 一民君 松岡 俊三君 松野 頼三君 松山 義雄君
伊東
岩男
君
本名
武君
足鹿
覺君 井谷 正吉君
片島
港君 中澤 茂一君 中村 時雄君 久保田 豊君
委員外
の
出席者
農林政務次官
羽田武嗣郎
君
農林事務官
(
大臣官房長
) 渡部
伍良
君
農林事務官
(
農地局長
) 平川 守君 専 門 員 難波 理平君 専 門 員 岩隈 博君 専 門 員 藤井 信君
—————————————
十月十九日
委員本名武
君及び
井手以誠君辞任
につき、その 補欠として
伊東岩男
君及び
片島
港君が議長の指 名で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
昭和
二十九
年度
農業災害対策
に関する件
—————————————
井出一太郎
1
○
井出委員長
これより
会議
を開きます。 先般の
理事会
の
申合せ
によりまして、午後三時より再開することにいたしまして、暫時
休憩
いたします。 午前十一時四十二分
休憩
————◇————— 午後三時三十三分
開議
井出一太郎
2
○
井出委員長
休憩
前に引続き
会議
を開きます。
農業災害対策
について
議事
を進めることにいたします。本
委員会
は先般来数次にわたり
委員会
を開き、稲作その他の農産物、
農林業施設
の
被害状況
について
当局
の
説明
を求め、また現地につき
委員
を派遣いたし、その
実情
を調査して参りましたが、すでにこれが
対策
について早急に
措置
を講ずべき段階に達しておると思うのでございます。本件については、
農林省当局
においてもそれぞれその
措置
に対する
対策
を講ぜられて参りまして、二十九年
災害対策要綱
と称するものができておるように承
つて
おるのであります。本日はまずこれについての
説明
を聴取いたしまして、順次
議事
を進めて参りたいと考えます。それでは
羽田農林政務次官
より御
説明
を願いたいと存じます。
羽田農林政務次官
。
羽田武嗣郎
3
○
羽田説明員
二十九
年度
の
災害
につきましては、
農林省
といたしましては、去る十六日に
農林省
としての案をきめまして、これを
災害対策本部
に
官房長
より
提出
をいたしまして、目下その
提出
と同時に
大蔵省
に対してはこちらの独自の立場から連絡をいたしまして、この
農林省
が立てました
対策
をぜひ
実現
をいたしたい、こう
言つて
日夜
努力
をいたしておるような次第であります。お手元に配付を申し上げましたその
対策
の
要綱
について大筋の御
説明
を申し上げまして、なお
事務当局
より、御質問がございました場合にまた詳細に申し上げたいと存ずる次第であります。
ちようど
一から十七までございますが、逐条的に大体のことを申し上げたいと存じます。 まず第一に、
公共施設
の
災害復旧
は三五二の
復旧率
により速かに着手するものとし、早急にこれに必要な
つなぎ融資
の
予備費
の
支出
をすること。 この三、五、二につきましては昨年も問題にな
つて
、
大蔵省
の
財政状態
からなかなか同意してくれませんが、これについてはこの
委員会
の
皆様方
の特に御
支援
をいただきまして、三、五、二の
復旧率
によりましてこの本
年度
の
災害
につきまして早急なる、計画的なる
復旧
をするようにいたしたい、こう存じておりますので、何分の御
支援
をいただきたいと存じますが、われわれ
農林省
としては、しつかりと
大蔵省
と
折衝
を進めておるような次第でございます。なお
つなぎ融資
の
予備金支出
の問題でございますが、従来までに五
号台風
までの
数字
がはつきりいたしておりまして、以後の
災害
につきましては、今月の二十日に各
関係県
から
数字
を
申達
をして来ることにな
つて
おりまして、従いましてこの
つなぎ融資
の現在大体きまりかか
つて
いるのは五
号台風
まででございますが、その
金額
は大体一億円のところで
大蔵省
との間に話が固まりつつあるような
状態
に相な
つて
おります。 二、
農林水産業
の
施設
(
漁船
、
漁具
を含む。)の
被害
については
農林漁業金融公庫
の
融資
によるものとし、これに必要な
資金
を
確保
するため
投融資節約
の
中止
、
農林中金
に対する肩替りの
見送り
、
増資等
を行うこと。 この
農林水産業
の
施設
、つまり
施設資金
でございますが、この
農林水産業施設
の内容といたしましては、従来
皆さん
御
承知
のように、
協同組合
の倉庫とか建物、それから養殖の
施設
、畜舎、農舎、それにここに書いてあります
漁船
、
漁具
、こういうようなものが
農水産業
の
施設
として考えている
対象
でございます。こういうものに対する
施設
の
被害
に対しましては、
農林漁業金融公庫
の
融資
によりまして
対策
を立てて行きたいと考えている次第でございます。それに必要な
農林金融公庫
の
資金
を
確保
するために
投融資節約
の
中止
、つまり今年の
緊縮予算
のおかげといいますか、
緊縮予算
のために、
皆さん
の御協賛を得ました
予算
をさらに五分ないし一割
節約
するというようなことが、
予算通過
後に
行政措置
として行われたことは御
承知
の
通り
であります。そういうようなために大体
農林中金
から十億ばかりを
節約
するということにな
つて
おりましたが、この
節約
は前
通り
に返して、この
対策
として使えるようにしたい、こういうことで
大蔵省
と交渉を強力に進めているような次第であります。そのほか、
農林中金
に対する
肩がわり
の
見送り
、
増資等
を行うというようにいたしまして、
資金源
を
確保
いたして、そうしてこの
施設
の
災害
に対する
資金
に充てたい、こう考えておる次第であります。 なお
公庫融資
の
増額
によりなお
資金
が
不足
するときは三、に準ずる
立法措置
を講ずること。 この次に三がございまするが、
公庫
の
融資
で足りないというような場合が生じました場合においては、
系統金融機関
を動員いたしまして
資金
をまわして行きたい、こう考えておるのでございます。そのためには、どうしても
損失補償
並びに
利子補給
というようなものについての
立法措置
が必要でありまして、こういう点については、今後
皆様方
に
立法措置
のお願いをいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。それから次の
開拓
(
魚田開発
を含む。)
者住宅等入植施設
の
復旧
については
補助
の
特別措置
を講ずること。
開拓民
の
方々
の
住宅
が今度は相当深刻にやられました。お気の毒にたえない次第でございまするが、なおまた
水産方面
におきましても、
北海道
に
内地
から
移民
をされた
水産移民
の
諸君
の
住宅
が相当やられたのであります。こういう
農業開拓民
並びに
水産開拓民
で住居をやられたものに対しましては、何とか
政府
としても特別なる
措置
を講じまして善処したい、こう存じまして、この
住宅災害
の
復旧
につきましては、二分の一
国庫
が
補助
をいたして行くということで、目下
大蔵省
に
要求
をいたしておるような次第でございます。 それから第三のところをごらんいただきたいと存じます。 三、
被害農林水産業者
の
経営資金
については、
利子補給
、
損失補償
(
補償率
は
引上げ
る。)等の
立法措置
を講じ、
系統金融機関
から
融資
を行わせること。これがため必要により
農林債券
の
資金運用部引受け枠
(来
年度
)を増大する等の
措置
を講ずること。 これは先ほどの
施設資金
に対しまして、今度はいわゆる
営農資金
と申すべきですが、ここに
水産
がありますので包括して
経営資金
と申しておりまするが、いわゆる
営農資金
並びに
水産業者
の
経営資金
につきましては、
利子補給損失補償
をいたしたい、こう考えて、去年と同様に考えて
立法措置
を講じなければならない。そしてそれは
農林中金
あるいは
県信連
、
農協等
の
系統金融機関
から
融資
を行わせまして、
営農資金
、
水産
の
経営資金
に充てたい、こう存じておる次第でございます。
補償率
につきましては、
開拓者
の
方々
、ことに
岩内
の火災にあつた
漁業家
の
方々
に対しては、まことにお気の毒な
状態
にございますので、従来
政府
の
補償率
は四割でございましたが、特に
開拓者
なんかにどんどんと金がまわ
つて
行けるようにするためには、ある程度
補償率
を
引上げ
て行かなければ、
金融機関
が危険が
つて
なかなか金を貸さないというおそれがございますので、
開拓者
については
補償
を六割程度にまで
引上げ
たい、こう考えておるのでございます。また
岩内
の漁村の
方々
の
経営資金
につきましても、六割ぐらいをめんどうみるというように
補償率
を
引上げ
まして、そうして
系統機関
が
安心
をいたしてこれらのお気の毒な
方々
に
融資
できるようにはかりたい、こういう
考え方
をいたしておるような次第であります。これがため必要により
農林債券
の
資金運用部引受けわく
を増大する等の
措置
を講ずるようにいたしまして、できるだけ親切なる
方法
でどんどんと
系統機関
が金を貸して行くようにする。そのために
資金
の
わく
もまためんどうを見てやるというような
方法
をとりたいと考えておるような次第であります。 前年に引き続き
被害
甚大な
地域
の
開拓者
に対する右の
融資
については、三年以上の
据置期間
を設ける等
特別措置
を講ずることとし、これがため必要な
資金
について
財政措置
をすること。 昨年も
冷害
があつたり、あるいは
台風
を受けたりしたお気の毒な
開拓者
があります。こういうような方につきましては、ことしさつそくこの
資金
を返すというようなことは再び続いてのことでありますから、ますます困難でございます。そこで、従来の
営農資金
にはすえ置きということがなか
つたの
でございますが、今度は二度も引続いて
災害
を受けておる特別な
開拓者
の人々に対しましては、三年以上のすえ置き
期間
を設ける等の
特別措置
を講じまして、これらの
方々
に
安心
をして、今後勇気を
奮つて営農
にいそしんでいただきたい、こう考えておるのでございます。 二十八年
災害
に関する
特別措置法
により融通を受けた
農林漁業者
で再び
災害
を受けたものについては、本
年度償還分
について
延期
しうるごとく
措置
すること。 昨年の
冷害
あるいは
台風
、風水害のために
特別措置法
によ
つて融資
を受けた
農林漁業者
で、再びまた今年も受けたという方に対しましては、今年の
償還分
をもう一年
延期
をいたす、こういうふうにいたして行きたいという
考え方
でございます。
従つて
、この
営農資金
は、従来二年で返すというものが三年に結局なるわけでありますが、一年延びた本年分の
利子
だけは、この際
関係者
に支払
つて
もらいたい。これは、この間
農林大臣
が
北海道
へ参りましたときにも、
開拓民諸君
が非常な
責任感
を持ちまして、われわれは
利子
だけ払うから、また
延期
をしてもらいたい、こういう熱烈なる誠意こもれる
お話
を承
つて
、涙をこぼして参
つたの
でありますが、こうした
開拓民
のお
気持
もありますし、また
一般農家
としても、借りたいものは
利子
だけ払
つて
やる、但し元金だけは延ばしてもらいたい。こういうようなお
気持
をお察しして、
利子
だけはこの際払
つて
いただいて、そのかわり一年分延納するというようにいたして行きたい、こういう次第でございます。 四、
被害農家
の食糧
不足
するものに対しては、
政府手持主要食糧
を
払下げ
、
代金延納等
の
特別措置
を講ずること。 これは昨年の
冷害
のときにいたしたようなのでございまして、
主要食糧
を払い下げて、
代金
は無
利子
で来年の
出来秋
のときにいただくということに今年もや
つて
行きたいと存じておる次第ございます。ただ去年も悪い、また今年も悪いというように二重に重な
つて
おるお気の毒な
農家
の
方々
に対しましてはどうしたらよいかという問題については、
特別措置
を講ずるようにいたして行きたい。よく実績を調べてみますとすぐに米を借りておるわけではないようでありまして、四月なり五月なりあるいは端境期なりに借りておるのでございますから、
従つて
今
出来秋
の米をすぐそのまま返さなくても、あるいは
代金
を払わなくても、まだそのときまで一年間借りておるわけでありますから、月別にずつと遅らして行くことができるわけでありますが、こういう問題については、二重に重な
つた被害農家
のために最善を尽して行く、こういうような
方向
で
農林省
としては考えておるような次第でございます。 五、
被害農家
が
水陸稲
、
雑穀種子不足
のため再生産に支障を来すものについては、特別の
措置
を講ずること。 これは昨年もいたしたのでございますが、
水陸稲
の
種子
については十割の
補助
をいたして行きたい、
雑穀
については、
開拓地
については三分の二、それから
北海道
及び
内地
については二分の一の
補助
をいたして行くというようにして、
種子
の
確保
のために
農家
の
皆様
の御心配をなくしたい、こういう
努力
をしたいと考えておる次第であります。 六、
農業災害
の甚大なる
地域
については、
実情
に応じて
救農土木事業
、
開墾作業等
を実施すること。 これは昨年もやりまして非常に好
成績
をあげたのでございますが、今年もぜひともこれにできるだけの力を入れまして
農家
の
金銭収入
の道を講じて、同時に将来の
営農
の上に二重の利益をはかりたい、こういうことでこれは特に力を入れて行きたい、こう考えておりまして、現在予定しております
金額
は二十八億円でございます。
北海道
に対しましては十四億九千万円、残りを
内地
の
関係
のところにやりたい、こう存じておるのでございます。少しく内訳を申しますれば、
土地改良
に、
内地
に対しては七億五千万円、
北海道
に対しましては四億円、それから
開拓事業
に対しましては
北海道
に四億三千万円、
内地
に一億六千万円、それから
林道
は
内地
に一千万円、
北海道
に四千万円というような
方向
で
救農土木事業
をいたしまして、
土地改良
、
開拓
あるいは
林道
というようなもので
金銭収入
を得て、同時に将来のものをや
つて
行く、なおこの
委員会
でもずいぶん問題になりました
過年度災害
の繰上げ施工につきましては、ただいまの二十八億円をできるだけ繰上げる
方向
にまわしまして、そうしてすみやかに工事の完成を期するというように差向けて行きたい、こういうような
考え方
を持
つて
おる次第であります。 七、
災害
に伴う
異常発生
の
病害虫防除
については、特別の
措置
を講ずること。 これは大体
予備費
の中から九億円くらいの
予算
を
要求
する
考え方
で今
大蔵省
に
折衝
を始めておるような次第でございます。 八、
冷害
の甚しい
地域
については、
耕地防風林
を
設置
すること。 これはさしあた
つて
の問題ではなくして、
恒久施設
でございますから、
農林省
の来
年度
の
予算
の中にこの
予算
を計上しまして、
耕地防風林
の
設置
を進めて行くようにいたしたい、こう考えておるのでございます。 それから次の、 九、
冷害
の甚しい
地域
については、
水稲健苗育成
、及び
耕土培養事業
を実施するとともに
水温上昇施設
の
設置
を図ること。 でございますが、これもまたさしあた
つて
というよりも、三十
年度
の
農林省予算
にこのことを強く主張をいたして
実現
をはかりたい、こういう次第でございます。
水稲
の
健苗育成
、
保温折衷苗
しろあるいは温床苗し
ろ等
の
奨励措置
でございますが、これについては
北海道
に一億円、それから
青森
、
岩手等
に一億一千万円くらい、合せて二億一千万円くらいのものを
要求
をいたす
考え方
でおるのでございます。ただここに
委員各位
の御
留意
をいただきたいことは、
全国
の
水稲健苗
の
育成
のために
保温折衷苗
しろ並びに温床苗しろの
要求
をいたしておりますので、今回の
災害地
の
北海道並び
に
青森
、
岩手等
の問題を上手に
大蔵省
に
折衝
いたしまして
実現
を期したいと存じておりますので、これだけやつたらほかの県はいらぬじやないかというような問題が起
つて
は困りますから、こういう点につきましては特に
委員各位
の御
留意
を願いまして、
大蔵省
の
方面
にもよく
お話
を願いたいと存じます。
農林省
としては、あくまでも
水稲健苗
ということが
冷害
のみならず多収穫の上にも非常に貢献しておると存じますので、あした来
年度
の
予算
の
説明
を申し上げまするけれども、この際の問題とあわせまして
皆様
の御記憶と御
協力
とをいただきたいと存ずる次第でございます。
耕土培養事業
を実施するとともに、
水温上昇施設
の
設置
をはかること、
耕土培養
は大体
冷害地
に四百万円くらいの
耕土培養
をやりたいというふうに考えておるのでございます。それから
水温上昇施設
は、これは
恒久
のうちの特に
恒久
でございますが、これは
温水ため池
の問題でございまして、
恒久
の三十
年度
の
予算
の中にこの点を、特に
冷害
にかんがみて
温水ため池
に力を入れるべきであるという
方向
のもとに、
予算獲得
に邁進をいたしたいと考えております。
ちよ
つと私
感違い
をいたしましたが、
北海道並び
に
青森
の
水稲健苗育成
及び
冷害地
の
耕土培養
はさしあた
つて
のものでありまして、
水温上昇施設
を三十
年度
の
予算
にいたして、前の二つは今度の
臨時国会等
に
予算
を獲得いたしたいと考えておる次第でありまして、この点訂正をいたしておきます。 十、
国有林
の
風倒木処理等
のため特別の
措置
を講ずるとともに、
国有林野事業
において極力
被害農家
の労力を吸収すること。 今回の
台風
におきまして
国有林
の
風倒木
がたいへんできました。
北海道
において五千万石も風で倒れました。それから
内地
の
国有林
において五百万石というような
数字
が数えられておるのでありまして、これらの
処置
に対しては、林野庁の
特別会計
だけではこれらの取片づけの
予算
が
不足
をいたす点もございますので、こういう点については特別の
措置
を講じまして、これらの取片づけ、
処理
という問題をや
つて
行きたい、こう考えておるのでございます。なおこれらの取片づけにつきましては、できるだけ
被害地
の
農家
の
方々
の御
協力
を得まして、
金銭収入
の道をはか
つて
行きたい、こう考えておる次第でございます。 十一、
林業者
に対する
伐採調整資金
の
増額
の
措置
を講ずること。 御
承知
のように、
森林法
において
幼齢林
を切りたいというものを押えるために、年々
調整資金
を与えておりますが、本年は引続く
冷害
あるいは
災害等
で、
森林所有者
が早く、樹齢に達しないものを切りたいというような方も相当あるだろうと想定をいたしまして、この
増額
をいたして行きたい、昨年
はちようど調整資金
が二十五億ということでありました。本年は二十一億円の
予算
にな
つて
おりますが、これに三億二千万円ぐらいを
増額
いたしたいという
考え方
であります。二十一億と三億二千万円ですから、二十四億二千万円くらいの総額に持
つて
行きたい、こういう
考え方
でおる次第であります。 十二、
農業災害補償法
及び
漁船損害補償法
による
保険金
については速かに本払又は
概算払
を行うこと。 従来の例によりますと、ほ
つて
おくというと、こういう
保険金
の支払いが来年にもな
つて
しまうというようなおそれもありますので、地方庁、町村を督励してもらいまして、こういうような
災害
の
金額
を
至急
に
申達
をしてもらいまして、できるだけ早く本払いをする、ことになかなかそれの
数字
が出て来ないというような
被害額
の非常にはげしいものに対しましては、できるだけ
概算払
いによ
つて
、さしあた
つて
の
農家
並びに
漁業家
の
金融
の道をつけたい、こう考えておる次第であります。
漁船災害保険
の
義務加入制度
の
対象
を現行二〇トンを一〇〇トンまで
引上げ
るよう
法的措置
を講ずること。 これは御
承知
のように、十九
国会
でも
つて
補助金
の整理に関する法律によりまして、実は一〇〇トンまで
義務加入
にな
つて
おりましたのを二〇トンに
大蔵省
の原案で引下げられて
しまつたの
でありますが、今度の
災害
にあ
つて
みますと、やはり一〇〇トンまでを
至急
にやる必要がある、さもなければ漁家の回復がなかなかできない、だから
保険義務加入
は一〇〇トンまですることの必要があることを痛切に感じておるのでございまして、この
措置
を
至急
講じたいと考えておる次第であります。 十三、
冷害
による
災害
の甚大な
地域
については、
薪炭林
の
特別払下げ
を行うとともに、
炭がま設置
の
国庫補助
を行うこと。 これは昨
年度
冷害地
において実施してたいへん
成績
を上げて、
被害農民
の方から喜ばれたのでありますが、今年も
国有林
の
薪炭林
の
払下げ
を施業案以外に行いまして
薪炭林
を提供いたしたい、こう考えておるのでございます。 それから
炭がま
につきましても、昨年の
補助
をいたしましたものは二年間くらいは使えそうでございますが、さらに本
年度
において八百七十基を増置をいたす。これに要する
予算
は千二百万円になりますが、この八百七十基は
北海道
だけといたしたいと存じております。そういうふうになりますから、昨年の分とこの八百七十基とが
補助
せられるということになれば、
被害者
の
方々
に対しては冬の仕事ができて、相当なる
金銭収入
になる、こう存じておる次第でございます。 十四、畜産の
飼料確保
のため、
特別措置
を講ずること。 まず
飼料
の種でありますが、
種子
についてはやはり
助成金
を出す必要がある、こう考えておるのでございます。ほかの
農作物
の
雑穀等
と同様に一部
補助
したい、
青刈大豆
とか、
飼料用
のとうもろこしの種、レツド・クローバーこういうような
飼料
の
種子
に対して三分の一を
北海道
に対しては
補助
して行きたい、こういう
考え方
で、
大蔵省
並びに
災害対策本部
に対して強く
要求
をいたしておるのでございます。 なおこの際申し上げておきたいのは、すでに実施しておるところでございますが、
北海道
は、今年はささが
ちようど
六十年で、花が咲いて枯れておることは、
農林大臣
も見て来られたのでありますが、そのため
飼料作物
が非常に不作でございます。そういう
関係
から、
国有林
の下草に対しましては、従来一束八円くらいで
払下げ
をしてお
つたの
でありますが、今年は無料でこれを刈らして、そして
飼料作物
に間に合わしてもらおう、こういうことで、これはもう十日か十五日くらい前に、まだ草の枯れない、秋の深くならぬ前に、
処置
をいたしまして、すでに
実行
をいたしておる点でございます。 十五、
供出割当
の適正と公平、
災害
対策
適正迅速を期するため
災害
時における
農作物
の
被害調査
の
施設
を
整備拡充
こと。 この
委員会
においても先般来
統計調査事務所
の
数字等
についていろいろの御議論も承
つたの
でありますが、どうしても今の
統計調査事務所
の
人員等
では、十分に迅速果敢に
被害
の報告をしてもらうというだけの
人員
もございません。そういう
意味
で今後のことに対処いたしまして、こういう点を考えておるのでございます。 十六、
農業気象観測
及び
試験研究
の
充実化
を図ること。 これはどうしても
災害
を防除して行くためには科学的な動員をすることが必要でございます。
農業気象観測
と申しましても、
農林省自身
が
気象観測
をいたすという
意味
じやございませんで、要するに、
気象台
その他の
末端機関
の過去における
気象
の
データー
がございます。こういう
データー
を、
気象台
と連絡いたしまして十分出していただいて、
冷害
の
観測
の資料として行くというような
考え方
を持
つて
おるのでございます。それから
冷害
の
試験研究所
の
充実
をはからなければならぬ、そして
冷害等
の対処の道を講じて行くということは当然のことでございまして、こういう点についても
予算
を
要求
いたして
充実
をはか
つて
将来に備えたい、こう考えておるような次第でございます。 十七、
麦類
の
緊急増産
を図ること。 これは昨年
実行
をいたしまして、
部落単位
に麦の
共進会
を開いて非常に
成績
のよかつたことは
皆様
の御
承知
の
通り
でございますが、
農林省
としては来
年度
も本
予算
にこれを引継いでや
つて
行くようにいたして、その賞品としては
噴霧器等
の、
皆さん
が共同に使えるようなものを出して行く、そして
麦類
の
増産
の
奨励
をはか
つて
行きたい。 これらの十七項目にわたりますものを総合いたしまして
対策本部
に出してあるのでございまして、これの
実現
のために特別なる御
支援等
をいただきたい、こう存じておるのでございます。 なお、本日は
農林大臣
がお伺いをいたしまして
北海道
の話をしたり、これらの
説明
を申し上げたりすべきでございますが、本日は米の
供出割当
の
全国
の
知事会議
が一時半から開かれておりまして、
ちようど
この時間に折あしく参れないので、まことに恐縮でございましたが、以上はなはだ雑駁でございますが、一応の御
説明
を申し上げまして、こまかい点についてはまた
皆様
の御質問に応じて、
事務当局
より詳細に御答弁いたしたいこう考えておる次第でございます。
井出一太郎
4
○
井出委員長
政府
当局
は補足
説明
がありますか——それでは質問があればこれを許します。
川俣清音
5
○川俣
委員
それでは
ちよ
つとお尋ねいたします。去年収用植物等の
対策
があつた、それから植物防疫に関して相当広汎な
対策
が講ぜられておりますし、食生活改善についても
対策
が講ぜられておりますが、ことしこれを抜かれた理由が明確じやないのです。もし
官房長
から
説明
ができますならば、これは
対策
を講じないという
意味
なのか
予算
措置
を伴うために今
提出
をしないという
意味
なのか、その点を伺いたい。
渡部伍良
6
○渡部
説明
員 ただいま検討中でありまして、実は昨
年度
相当こまごました
助成金
を出しました。ところが会計検査の結果なかなかうまく実施されていないので、大分批難が出ておるのであります。従いまして
実行
ができるようにするのには、どういうふうな形でや
つたの
が一番いいのか。ただ
金額
をつかんで出すというふうな結果になると、たとえば去年一戸当り二円とかあるいは二十円というふうな金が出ている。それでもある
意味
においては、大きい
意味
からいえばいいのかもしれませんけれども、ただ行政としては、相当検討しなければいけないと思いますので、ただいまそういう点については、検討を加えておるのであります。もう少し検討を加えた上で、はつきりした施策を打出したい、こういうように考えております。
川俣清音
7
○川俣
委員
特に
北海道
、
青森
等の特産果樹につきましては、甚大な
被害
を受けておりますので、樹勢回復等の
処置
が必要にな
つて
来ておると思います。また
北海道
青森
、岩手の畑作地帯についての
冷害
並びに十五
号台風
の
対策
としての何らかの考慮が必要であろうと思われます。今十七項目も並べられたとしまするならば、これと同列に並べなければならぬ問題がまだ残されておると思いますので、研究を願
つて
おきたいし、当
委員会
におきましても具体的な問題が出ることを、あらかじめ御
承知
おきを願いたいと思います。
井出一太郎
8
○
井出委員長
芳賀貢君。
芳賀貢
9
○芳賀
委員
ただいまの羽田次官から非常にすらすらと御
説明
がありましたが、まずお伺いしておきたい点は、これは
農林省当局
の希望的な
要綱
であるかということであります。この点をお伺いしたい。
羽田武嗣郎
10
○
羽田説明員
ただいま御指摘のように、
農林省
としてはぜひこういうふうにいたして行きたい、それで
対策本部
に出したのでございます。もちろん希望的といえば希望的かもしれませんが、ぜひ
実現
したい、
皆さん
の御
協力
をいただきたいと思
つて
おります。
芳賀貢
11
○芳賀
委員
希望的かどうかということをお伺いしたのは、少くとも
農林省当局
においては、省議を経て、これはどうしても
実現
しなければならない、連絡本部に送り込む、そういうような段階まで行
つて
、それを経られておるかどうかということを申しておるわけです。
羽田武嗣郎
12
○
羽田説明員
ちようど
大臣が帰られまして早々でございますが、
事務当局
で大体検討して、大臣にも了承を得てありますから、省議を経ているとい
つて
も間違いないのであります。手続的には大臣が
ちようど
北海道
に旅行されておつたという点がございますが、大臣には報告して了承は得ております。
芳賀貢
13
○芳賀
委員
そういたしますと、
農林大臣
が主として
北海道
の
災害地
域を視察して帰
つて
来た、現地における
災害
の
実情
をおそらく十分に認識して来られただろうと思いますが、留守中につくつたものですから、それらの意見はこれにまだ入
つて
おらないのですね。その点はいかがですか。
羽田武嗣郎
14
○
羽田説明員
大臣に会いまして、その報告を聞いて、大臣の所見も聞いてそれから文章をこしらえてやつたわけでありますから、入
つて
おります。なお当
委員会
におきまして、先般佐藤小
委員長
外
皆様
の貴重なる御視察も織り込みまして、こういうような
処置
を講じたのであります。
芳賀貢
15
○芳賀
委員
織り込んであるとすると、問題はもう少し具体的になりますが、この
要綱
の十七の中において具体的な
数字
は非常に欠除しているわけであります。そういうことになると、実質的な中味はどの程度のものであるかということが非常にあいまいであります。少くとも実質的には省議を経られたという場合においては、十五号を中心とした
台風
の
災害
対策
あるいは
冷害
対策
等に対して、
農林省当局
としては一応
対策
費の総額をおよそどの程度に線を置いて、あくまでもこれを
実現
するということが一番大事な内容でないかと思いますが、ただいま農林次官の御
説明
によりますると、ただ単に臨時救農土木に
関係
のあるような問題の二十八億、その他は
北海道
、
青森
、岩手県下における
水稲健苗育成
の費用あるいは若干の
耕土培養
費等が
金額
として計上され、さらに
炭がま
等の
設置
に対して幾ばくかの
数字
が計上されておるという程度で、それ以外の点に対しましては、まつたく
予算
と
関係
のある内容が欠除されておるわけであります。そういう点に対しましても、もう少し詳しく御
説明
を承りたいのであります。
羽田武嗣郎
16
○
羽田説明員
実は私の
説明
が飛び飛びと
数字
をあげましたために、誤解を受けましてまことに恐縮であります、実は大体の
数字
については各項目ごとにあげておるのであります。なお一線の方からの報告がまだ漏れておる点もございますし、
数字
の最後的決定が、今ここに御報告できないことをまことに遺憾といたしますが、今週一ぱいには大体これについての見合うところの
数字
は全部決定をいたしまして、そうして
災害対策本部
に
提出
をいたして
折衝
いたしたい、こう考えておる次第でございます。
芳賀貢
17
○芳賀
委員
そこでお伺いいたしたい点は、
数字
の出ておらぬところはいいわけでありますが、具体的に
数字
が表面に現われるということになると、当然
予算
面に
関係
が出て来るわけであります。これを行う場合においては、限られた範囲内における行政的な
措置
はとられると思いますが、その
要綱
の中においても結局立法的な
措置
を講じなければならぬ点が非常に多いのであります。それで将来
政府
の責任においてこれを立法化するという一応の見通しのもとに、つなぎ
資金
あるいは
つなぎ融資
等の緊急的な
措置
を講ぜられることは当然でありますが、それはあくまでも経過的な緊急
措置
として講ずべきものであ
つて
、一定の段階に到達した場合においては、これを当然正しい形にしなければならぬと思うわけであります。その場合に、大臣の現地視察等もあつたわけがありますが、速急に臨時
国会
を召集する必要があるとかないとかいう判断は、
農林大臣
等の視察の中から生まれて来たかどうかという点であります。これは今後臨時
国会
を召集する場合の時期の問題と非常に
関係
が深いので、それらの点もあるいは農林
当局
を主体とし、あるいは今後
対策本部
を通じて、臨時
国会
召集の時期いかんということは非常に重大な点であると思います。その点に対する解釈はどの程度にいたしてよろしいか、お伺いします。
羽田武嗣郎
18
○
羽田説明員
これは
農林省
だけの問題でありまするが、なお建設省やあるいは文部省の学校の
災害
なんかもございまして、総合的に
対策本部
に
数字
が集まり、
対策
が練られまして、そうしてやはり臨時
国会
は必要だと存じますので、適当なときに
数字
もそろえ、
対策
も十分でき、応急
措置
は応急としてやり、法律
措置
を要するものは臨時
国会
ということになりましようから、
対策本部
において
農林省
以外の各省のものが出そろ
つて
、それを十分検討いたして、必要なる法案も用意いたして、臨時
国会
という順序で行くものと存じております。
芳賀貢
19
○芳賀
委員
次に
要綱
の中で若干の点に対してただしておきたいと思います。この農林、
水産
業
施設
の
災害
に対する
融資
等の問題でありますが、この場合
施設
災害
は、結局
台風
に付随しておるわけであります。この
施設
災害
の中に、農業者の住家以外の非住家の損傷は非常に甚大であります。これは
開拓者
とまた違いまして、一般既存
農家
に対しましては、かかる住家以外の建物の
災害等
に対しても、これを
補償
する等の措者は、今までの前例としてあまり講じられてはおらないわけでありますが、十五
号台風
あるいは十二
号台風
等によるところの農業者の非住家建物の
災害
が非常に大きいということが、一つの今度の特殊性であります。この場合の
復旧
費等に対しましては、農林
当局
としてはどのような
措置
を講ぜられようとしておるか、その点はいかがでありますか。
羽田武嗣郎
20
○
羽田説明員
ここにも書いてございましたように、
融資
の建前で参りたいと存じております。
芳賀貢
21
○芳賀
委員
これは
金額
に計算した場合は相当多額なものになると思います。一例を
北海道
にとりましても、この非住家の損失は約二万八千戸くらいに及んでおるわけであります。そうすると
金額
においても相当大きな
数字
になると思いますが、それらを今次官の言われたように、まつたく
融資
だけに依存した場合において、その建物の
災害等
が速急に
復旧
できるかどうかという見通しでありますが、この点は間違いないでしようか。
羽田武嗣郎
22
○
羽田説明員
国家財政もございますので、
融資
の
方向
でや
つて
行きたいと考えております。
芳賀貢
23
○芳賀
委員
なおこれに関連して、この
国有林
の風倒折損木が、今の報告によ
つて
も五千万石以上あるわけであります。これらは前例はありますが、速急に
処理
しなければならぬわけでありますが、現地における
災害
者の建物等の
施設
復旧
の場合において、その近隣の
国有林
の風倒折損木を
政府
が特別の
措置
を講じて
払下げ
をする。場合によ
つて
は、これは前
国会
等におきましても、国有財産の一部を無償で供与することもできるというふうに法律の改正が行われておるわけでありまして、かかる
被害
の甚大な地帯、たとえば
災害
救助法を発動したような地帯に対しては、地方公共団体あるいは農業
協同組合
等を通じてこの
被害
木の
払下げ
、あるいは無償の供与を行うという
措置
は、当然講ぜられてもいいんじやないかというふうに考えておるわけであります。林野庁長官お見えにな
つて
おりませんようですが、こういう点に対しましては、ことしの五月の暴風雨のときの前例もあるわけでありますが、当然そのような
措置
は講ぜられるべきであると解釈してよろしいかどうか。
渡部伍良
24
○渡部
説明
員
風倒木
の問題は、今までのお調べと五千万石以上という
数字
が出ておりますが、
お話
にありますように、先般の法律の改正で無償または廉価で払い下げることができますので、
公共施設
に対してはやりますが、一般の個人の倒壊家屋等の
復旧
のためには、今の法律では無償でやることができないのであります。そこで今までの研究の段階では、無金利、無担保で相当長
期間
の償還で払い下げる。
災害
救助法の発動されたような地帯を限
つて
、すなわち
被害
甚大な所を限
つて
、そういうふうな特別な
措置
を講ずるというところまで研究しておりますが、これは長官がこの間大臣と一緒に参りまして、相当思い切つた
対策
を講じたいというのでなお研究中でありますが、現在の段階ではそこのところまで結論が出ておりません。
吉川久衛
25
○吉川(久)
委員
関連して、私はきようは質問はしないということにな
つて
おりますので、質問ではなくてお伺いをするのでありますが、芳賀君の質問に関連をいたしまして、先ほどの政務次官の
お話
では、臨時
国会
は大分遅れるやにうかがわれるのでありますが、
お話
の様子から私が想像いたしますと、どうも十一月の末になるのではないかと思われるのです。そうなりますと、この
対策
要綱
の第十七の
麦類
の
緊急増産
をはかることというのは、来
年度
の
麦類
の
増産
をはかる御計画なんですか、この秋まきの麦の
増産
をはかるのだとすれば、これはもう今まいている地方もあるのですが、そういう具体的な問題について、何か具体的な方策を立てておいででなくてはならないと思うのですが、この点はどういうことにな
つて
おりますか。
羽田武嗣郎
26
○
羽田説明員
これは御指摘のように、実は来
年度
本
予算
に
要求
をいたしておる項目でございまして、今さしあた
つて
の問題として、秋麦をまいていますけれども、それの結実したときの
奨励
の方策を立てたい、こういう
意味
でございます。
吉川久衛
27
○吉川(久)
委員
そうするとこれは
災害
対策
でなくとも、食糧
増産
施策として、当然それは
政府
としては考えなければならないことで、こういうものをたくさん並べて一応国民の目を、——
災害
に対してこのようなことをしているというごまかしにすぎないことにな
つて
しまうのです。ですから緊急
対策
とそれから
恒久
対策
とにわけてこれを表示される必要があろうと思うのですが、それは別として、とにかく緊急
対策
として、この
災害地
に対して麦の
増産
施策を打ち出す、これは当然なんです。それを全然これは来
年度
の分であるということならば、これは削除なすつた方がいいと思います。もし具体的な計画が立
つて
いるならば、その内容を伺いたい。
渡部伍良
28
○渡部
説明
員 今の政務次官の
説明
に
ちよ
つと補足して申し上げます。これは昨年の
冷害
対策
でも取上げてやつたわけです。二十九
年度
予算
には計上されていないので三十
年度
の
予算
に計上しよう、こういうことを今政務次官が仰せられたのであります。その同じ項目をもう少しく広げて、この
災害
の緊急
対策
として打出したいこういう考えであります。
羽田武嗣郎
29
○
羽田説明員
来年の麦秋のものを今から大体の
方向
を示して、
奨励
をさせて、その場合にはこういうことがあるのだということを知らせて激励をしたい、こういうことで、今まくときに、そのことを出して、食糧
増産
をや
つて
もらいたい、こういう考えです。
吉川久衛
30
○吉川(久)
委員
一応
方向
を示すのならば、作付の
奨励
でもいたしますか、麦価の問題について、大体の見通しを指示されますが、そういう点はどうなんです。それでなければ来年の
奨励
にならない、しかも緊急の問題です。
渡部伍良
31
○渡部
説明
員 この
緊急増産
の内容は部落別の生産力向上のための供進会などをやることによ
つて
、麦の
増産
をはかりたい。去年相当効果が出ておりますので、今年もこれに必要なものをさらに範囲を広げてやりたいこういう
考え方
であります。
井出一太郎
32
○
井出委員長
伊東
委員
。
伊東岩男
33
○
伊東
委員
この
対策
要綱
通り
に実施してもらうことを特に希望いたしますが、しかしこの
要綱
によると、大半は
特別措置
をするという
意味
であります。
特別措置
は多くは立法化が必要だと思うのでありますが、
農林省
はこれらのことについて立法化するという信念があるのかどうか。立法化するということになれば、先ほどから質問のあるように、
至急
に臨時
国会
を開く必要があるが、その点いかがでありますか。
羽田武嗣郎
34
○
羽田説明員
必要なものについては立法化をいたす、こういう
考え方
でおります。
伊東岩男
35
○
伊東
委員
農林
災害
の査定は大体済んだのでありますか。もし済まぬとするならば、いつまでに済みますか。
羽田武嗣郎
36
○
羽田説明員
今月一ぱいに済ませたいと思
つて
おります。
伊東岩男
37
○
伊東
委員
大体
災害
の査定が終りまするならば、つなぎ
資金
を供給するということも、
営農資金
を出すということも、大よそ見当がつくのでありまするが、特に急ぐのはつなぎ
資金
であります。このつなぎ
資金
は、大体どの程度に
至急
に出し得るのでありまするか。なお
営農資金
を出す内容についてただいまでも
説明
ができれば
説明
を願います。
羽田武嗣郎
38
○
羽田説明員
先ほども申しましたように、つなぎ
資金
で各
関係県
から正確に出て参
つて
おりまする
被害
状態
は、五
号台風
まではもう来ております。従いまして五
号台風
については、先ほども申し上げましたように、一億円くらいが
大蔵省
との了解がほとんど固まりかか
つて
来ておるという
状態
でございまして、ほかのものについては、今月の二十日までに県から出してもら
つて
、そうしてこれを集計してつなぎ
資金
の
対策
を講じて行く、こういう
考え方
で今進めて、各県を督励しておるところであります。
伊東岩男
39
○
伊東
委員
先般
対策本部
長は、私への答えに、建設省は二十五億をつなぎとして出した。しかし今日、あとで聞いてみるというと、それが全部建設省
関係
のつなぎ
資金
であるようでありますが、建設省
方面
はすでに出しておるのに、
農林省
だけどうしてそんなに遅れるのでありますか。もう少してきぱきや
つて
いただけませんですか、どうですか。
羽田武嗣郎
40
○
羽田説明員
御
承知
のように建設省の
被害
というものは固形物といいますか、堤防とか橋とかという一定のところできちつとつかむことができますけれども、
農林省
の方は全面的にずつと広くございますから、その計算や何か県がなかなか出して来ないので、今督励をしておる、こういう
状態
でございます。
伊東岩男
41
○
伊東
委員
それは今月中に大体きまると見てよろしゆうございますか。
羽田武嗣郎
42
○
羽田説明員
そうでございます。
芳賀貢
43
○芳賀
委員
ただいま農業者の
住宅
は除くとしても、納屋あるいは畜舎等の倒壊、大損傷、これらの点に対して、二、の後段の方には、
開拓者
の
住宅
等あるいは入植
施設
の
復旧
に対しては、今回の場合においても二分の一の
補助
を
政府
は出す腹構えをしておるということでありますが、既存
農家
の場合においても、こういうような異例の
災害
があつたような場合においては、あるいは
住宅
の場合では農業
関係
の
施設
と言うことはできませんけれども、納屋畜舎のような場合においては、これは当然農業用の
施設
であります。ですからこういう場合においては、当然農業者の被災
施設
に対しては
補助
の
措置
を講ずるということが当然にな
つて
来ると思いますが、どういうわけで
要綱
の中からこれが落ちておるのですか、その点に対しては検討の余地がなか
つたの
ですか。
渡部伍良
44
○渡部
説明
員 御
承知
のように、
開拓者
住宅
はそもそも
補助金
を与えて入植させておるのでありまして、入植後まだ
営農
が確立しておらないのでありますから、これに対してはどうしても
補助金
をやらなければ
処置
がない。しかるに一般の
農家
については、とにもかくにも長年
営農
を続けて来てお
つて
ここで
災害
を受けたのでありますから、この分は納屋、畜舎について低利
資金
を融通しよう、こういう
考え方
をしておるのであります。
芳賀貢
45
○芳賀
委員
この場合
官房長
に対して認識を深めてもらいたいと思いますが、大臣もおそらく
災害地
域をまわ
つて
来て、建物等の倒壊の
状態
を見て来たと思いますが、倒壊しておる場合は、これはすぐ自力で
復旧
できないような家屋とか建物が倒壊しておるのです。完全な、どのような
台風
が来ても倒れないような建築物は、やはり内容が
充実
しておるところの
農家
等の建物である。非常に農業は零細化して、力が足らぬ。常時建造物を
復旧
補修のできないような力のない人たちの建物が不幸にして倒壊しておるわけです。ですからかかる
被害農家
の建物というものは、やはりその経済力の面においては、
開拓者
とやや同列にあるような人たちが非常に多いわけであります。ですからこういう点に対しましては、やはり現状に即した配慮というものが必要であるというふうに考えておりますので、この点を指摘して申し上げたわけでありますが、これはどうしても一考を要するのではないかと思いますが、いかがですか。
渡部伍良
46
○渡部
説明
員 その辺の区別が非常にむずかしい問題だと思います。既存
農家
でも、非常に零細で生活に困
つて
おる人があることはもう事実だと思います。
従つて
そういう人は新規入植者とあまりかわらぬじやないかという説ももつともなんでありますが、どこでその点を打切るかという点は、不親切というそしりを受けると思いますけれども、一応新規入植者と既存
農家
というので区別せざるを得ぬ、こういうのが現在までのわれわれの
考え方
であります。なおよく研究したいと思いますが、今まだ
お話
を聞いたりあるいはたくさんの写真を見たりしておりますので、むしろ
北海道
については、もつと根本的に、
北海道
に適するようなブロツク
住宅
とか何とか、そういう
方面
から入
つて
行くべきであ
つて
、
災害
のときに一挙にそれを片づけるということはなかなかむずかしいのではないか、こういうふうに考えておりますが、なお研究したいと思
つて
おります。
芳賀貢
47
○芳賀
委員
先ほど
委員長
のお言葉があ
つたの
で、二、三点についてきようはとどめておきますが、次に出て来る問題は、この
営農資金
の
関係
であります。これは
冷害
関係
等に対しては、特に昨年
冷害
を受けた所がまた今年
被害地
にな
つて
、おるわけであ
つて
、当然これは前
年度
の
災害
資金
の返済の問題と今後の
経営資金
の貸付の場合と二重にな
つて
来ると思うのでありますが、この
資金
措置
を講ずる場合においても、その基本になるのは、
台風
によるところの
災害
は、先日の農林
委員会
においてその
被害額
というものは大よそ作報の方から
説明
があつたわけでありますが、ただこの
冷害
の場合においては、その
冷害
による農作
被害
というものはどの程度であるかという認定がまだできて来ておらぬわけであります。これはもう速急に統計調査部等を鞭撻して、一日も早くこの
冷害等
によるところの
被害額
を報告させないと、農林
当局
においてもその具体的な計画が立たないのではないかと私は考えておるわけであります。昨今
政府
は、各府県に対して供米の割当をや
つて
おるようでありますが、この
冷害
関係
の減収額というものは全然出ておらぬのです。こういうところに割当の問題が停頓しておる一つの原因があるとも考えますが、
政府
は大よそいつまでにこの
冷害
関係
の
被害額
、の把握を行うかというその点に対してお伺いします。
羽田武嗣郎
48
○
羽田説明員
政府
としては、先ほど言つたように今月の二十日のところでも
つて
集めておりますから、近くすつかりできると思います。
芳賀貢
49
○芳賀
委員
災害
融資
関係
で明確にしておきたい点は、昨年の法律によりますと
損失補償
の
措置
が講ぜられるようにな
つて
おる。ですから今年の
冷害
あるいは
台風
災害等
によ
つて
まつたくその収入の道がとだえたという場合においては、これは当然その返済の能力を失
つて
おるわけです。ですからかかる
被害農家
に対しましてはなまぬるい。また延納するというようなことでなくて、この場合、そういう減収のはなはだしい
被害農家
等に対しては、むしろ一部
損失補償
のこの項目を適用する必要が生じて来るというふうに私は考えておりますが、この点に対して
当局
はいかなる考えを持
つて
おりますか。
羽田武嗣郎
50
○
羽田説明員
やはり
大蔵省
との交渉におきましても、今後永久にずつと農村経営をや
つて
行くにつきましても、借りたものは返すという観念は責任ある立場において持
つて
行く態勢、また実際
農家
の
方々
もそのつもりでおられますから、その
気持
を害さないようにして行くことが独立国民としての
方向
ではないか、実はこう考えております。そういう
意味
において、今さつそく
損失補償
で埋め合せてしまうというようなことになると、また
大蔵省
がなかなかこつちの言うことを聞いてくれませんし、やはり
農家
の借りたものは返すという精神を生かして、延納してそうしてやがては返していただく、こういう
考え方
で進んでおります。
芳賀貢
51
○芳賀
委員
農林次官、この点は非常に重大なのです。あなたは去年は農林次官をや
つて
おりませんが、昨年のああいう特別立法ができた根本的な精神、この善意なる
努力
をして皆無であるという場合において、そこから今
年度
の返済が行われないのは当然であります。これは
努力
が足らなかつたということではないわけですね。だから予測されない
災害等
によ
つて
返還の能力を喪失しておるというような場合においては、当然この
損失補償
というものはここから生きて来ると思うのです。ただそれを貸したものを返させるということ、何年た
つて
もこれを返せというような場合においては、
損失補償
の道を講ずるということは、あなたの思想から言うと必要がないと思いますが、いかがですか。どういう場合にしからば
損失補償
はこの法律にある項目を生かすかという問題です。
羽田武嗣郎
52
○
羽田説明員
ただいまの問題でございますが、去年のものをことしにな
つて
第一年として返すというところに、ことしの収穫がないというまことにお気の毒な
状態
でありますが、これは延ばすことによ
つて
やがて自分の責任を果せるという方が大部分の
気持
でございますので、その場合でも、どうしても法律によ
つて
延期
をしたにもかかわらず返すことができないという方においては、
損失補償
で
政府
がめんどうを見る、こういうふうに考えておる次第であります。
芳賀貢
53
○芳賀
委員
そういたしますと、原則的には去年のものは一年
延期
する、しかる後に一年後に返済の能力がどうしても出ないということが判断された場合においては、これは
損失補償
である程度整理して行く、そういうお考えですか。
羽田武嗣郎
54
○
羽田説明員
全部の償還
期間
が来たときに返し得ない人に対しては国家が
補償
する、こういう建前であります。
芳賀貢
55
○芳賀
委員
大体その点はわかりました。そういうことになると
被害農家
に対しては、結局
政府
は
融資
だけで逃げておるわけです。金だけ貸してやる、それも
政府
の
資金
を貸すのじやないのですね。農民自身の
系統機関
の金を使わして、ただ若干の
利子
の補給とそれから
損失補償
をやるということだけで責任を持
つて
おらぬです。そういう場合において、ことしもまた中金あるいは信連を中心としたところに
資金源
を求めて、そこから
融資
させる、しかもその返済年次というものは短くとも三年あるいは五年ということに
なつ
た場合には、昨年は四百八十億の
わく
で四百十億くらいしか使わなかつたかもしれませんが、ことしもまた二百億くらいは必要であるということになると、
系統機関
の自己
資金
がほとんど枯渇してしまうようなことになると思います。ことしもこの
要綱
を見ると去年と同じように中金あるいは信連等の
資金
だけに依存しているというような形でありますが、こういうところから非常に今後農村における
金融機関
の危険な様相が出て来ると思いますが、この点に対してはどういうようなお考えを持
つて
いるか、その点を聞かしてもらいたいと思います。
渡部伍良
56
○渡部
説明
員
資金源
は
お話
の
通り
系統機関
の
資金
が主にな
つて
おります。しかしここにも書いてありますように
お話
のようにそれでは足らなくなるおそれがありますので、二の方では
公庫
の増資すなわち財政
資金
の
増額
、三の方では
資金源
として
資金
運用部の引受けの
わく
を拡大する、そういうふうな考慮をめぐらしておるのであります。
芳賀貢
57
○芳賀
委員
次に
種子
対策
の問題に関連してお伺いいたします。
水稲
の
災害地
域に対する種もみの
確保
あるいは
雑穀
地帯等における大豆、小豆あるいはその他
雑穀等
の
種子
確保
というものは非常に重大な問題であるし、どうしてもこの
種子
が
確保
せられなければ、来
年度
の再生産というものはできないわけであります。この
要綱
の中にも出ておりますが、今
年度
の
種子
に対する
考え方
というものは、
政府
が一定所要量を買い上げてそれを無償のような形で
被害農家
に与えるというような形をとるのか、あるいは実質的には無償で与えると同じような形の助成政策をとるか、そういう点が本質的な問題として非常に重要であると思いますが、これはまた緊急を要する問題でありますので、その点に対すを
対策
はどうでありますか。
渡部伍良
58
○渡部
説明
員
種子
の点につきましては、米の
種子
は食糧庁で買い上げましてそれを配給するという方式をとることにきめております。
雑穀
の
種子
につきましては、これは非常に困つた問題でありまして、稲の場合は供出の中へ含めていろいろな
奨励
金をつけて買うことができるのでありますが、
雑穀
の
種子
の
不足
状況は
水陸稲
に比べて非常にひどい。
従つて
食糧庁が買いに出ても食糧庁に売りに来ないだろう、こういうことが予想されますので、今頭を悩ましておるので、まだ結論は出ておりません。もう少し研究させていただきたいと思います。
芳賀貢
59
○芳賀
委員
今の
官房長
の
お話
によると、種もみの場合は食糧庁が食管によ
つて
買上げをして、そして無償でこれをや
つて
、その次がはつきりしない。それともう一つは
雑穀
の
種子
の
確保
ですね。
雑穀
地帯は御
承知
の
通り
、畑作
農家
は
麦類
以外はほとんど共済の
対象
にな
つて
おらぬ。ですから大きな
災害
を受けても、この救済の道というものはまつたくないわけです。ですからそういうことをともに考えて
対策
を講ずる場合においては、実質的にはやはり
雑穀
地帯における
種子
の問題が非常に大事にな
つて
来ると思うわけでありますが、昨年の場合には、これが非常に軽視されて取扱われておつたわけであります。ことしはそういうことのないようにしていただきたいというふうに考えておるわけですが、考慮中であるということになればこれは今結論は出ないかもしれませんが、この問題に対しては特に力を注いでや
つて
いただく必要があると考えるわけであります。 まだいろいろただしたい点はありますが、きようの
申合せ
もありますので本日はこの程度にして明日継続いたします。
渡部伍良
60
○渡部
説明
員 今の
水陸稲
の
種子
は、無償では差上げることはできません。今の集め方、それから確実な
確保
の面について食糧管理
特別会計
を使う、こういうことに御
承知
を願いたいと思います。
雑穀
の
種子
については、むしろ手がないというのが今までの研究の結果でありまして、昨年のように
補助金
をや
つて
も
補助金
がうまく
種子
にまわらなかつたというふうなことがあ
つたの
では困りますので、どうすべきかということをもう少し研究させていただきたいと思います。
井出一太郎
61
○
井出委員長
まだ順番であと三人ありますので、大体
委員長
は五時くらいをきようは目途にしておりますし、簡潔に願います。中澤茂一君。
中澤茂一
62
○中澤
委員
この
対策
は、なくなられた金子
委員
などが熱心にやられて、去年当
委員会
で決定して、農民に非常に感謝されたものを踏襲したもので、ここに並んだものは非常にけつこうです。けつこうですが問題は
資金源
の裏づけになるんだ。
資金源
の大わけは、二十日にそれをと
つて
まとめても、二十二、三日になるだろうから、今週一ぱいかかるだろうと思う。そこで、緊急の問題として十一月十五日に返す飯米の
処置
がある。去年の飯米
処置
を、無償貸付を受けたものを、十一月十五日に返さなければいけない。とすると
立法措置
が必要にな
つて
来る。
行政措置
ではこれは困難じやないかと思う。この問題が
立法措置
として一点出て来るわけです。 それから
営農資金
の
延期
の問題も立法の問題になるわけであります。そこで今度の
対策
に対する問題の項に、
施設
災害
については大体
農林漁業金融公庫
でまかなわせる。
経営資金
については中金の金を使う。去年は中金が
施設
まで引受けたが、ことしはわけたわけです。そこはいいんです。しかし
農林漁業金融公庫
に金がありますか。ない。そうすると増資というしまいに書いてある文句が問題にな
つて
来る。この増資というものは
立法措置
でないとできない。こうなると、どれもこれも
資金源
の問題についてみな
立法措置
が必要にな
つて
来る。差迫つた飯米の
処置
については十一月十五日に——私は期日を正確に覚えていないが、たしか十一月十五日に返納しなければならぬ。それから
農林中金
の
資金
運用の
わく
の増大、これも
立法措置
なんです。そうすると、
立法措置
ができなければ、今年の
災害
対策
は全然身が入らないということになる。このごろ加藤
対策本部
長を呼んで聞いてみると、臨時
国会
を開く気はありませんと言う。吉田さんの帰るのは十一月十五日か二十日でしよう。そうな
つて
来ると、われわれ
委員会
でいくら一生懸命にや
つて
みたところで、身が入らないことにな
つて
来るそして
行政措置
として一体そういう立法の可能性があるかということ、
公庫
へ何らかの
資金源
の手当ができるのかどうかという点が一点。 いま一点は、中金の
資金
が枯渇している、もし今年の
償還分
を見込んでやるとすれば、今年の
償還分
は、まだそれが全部すぐ入
つて
来るわけじやないんだから、その足りない分は緊急
措置
をしなければならないが、一体中金のどこから出すつもりか。これも日銀の
資金
わく
の増大によ
つて
まかなうんだという御答弁ならば、これも
立法措置
になる。これに対して、われわれ身が入らないものをやつた
つて
しようがないんだが、
行政措置
でどの限界の認定ができるか。これはさつきゆうに差迫つたものはできないが、こういうふうに打
つて
という納得できるある程度の解明をしてや
つて
いただきたいと思います。
渡部伍良
63
○渡部
説明
員 ごもつともでありますが、私の方では
資金
の必要額が計算できますれば——一応今は腰だめで
大蔵省
へ話しておりますが、法律
措置
はあとで通常
国会
ででもや
つて
いただいて、実際上の貸付はや
つて
行きたい、こういう
考え方
をしております。すなわち二の
農林漁業金融公庫
の分では
増資等
も
政府
資金
、財政
資金
が間に合わなければ、一応預金部で借りておいて、預金部で借りておけば今の
公庫
のコスト計算で行くと不利になるわけです。しかしそれはあとでカバーしてもらうということでできるわけですから、要するに
公庫
の分についてはどれだけの金が必要であるか、それを今のような
公庫
のコストからい
つて
、どういう財政
資金
と預金部の
資金
との割り振りでやればコスト計算上いいかという勘定ができます。それができますれば、それによ
つて
法律の改正をやればいいので、その場では今言つたように預金部等から
資金
を借りてや
つて
行きたい。これはそのあとの
経営資金
の問題についても同様でありまして、春の
冷害
対策
、その後東北等の凍霜害等を追加することにな
つて
法律が継続審議にな
つて
おります。その法律を改正していただくという前提で、今必要
資金
額をはじいておるわけであります。あらかじめ中金から流しておいて、それを今の
冷害
あるいは風水害
対策
で、どういうふうな基準で貸したものはさかのぼ
つて
、この法律に基く
資金
と
利子補給
と
損失補償
の
対象
資金
であるというふうにさかのぼ
つて
法律で認めて行くという手続をと
つて
いただきたい、こういうふうに考えております。 それから
資金源
はあるかどうかという問題は、御
承知
のように中金の
資金
はこれからどんどんふえる一方でありまして、問題は来年の端境期の六、七、八月にどういうふうな
資金
繰りになるかという問題であります。そのときには先ほど
説明
しましたように、
資金
運用部の引受け額の拡大とか、あるいは日銀からのことしやつたと同じようなやり方をやつたらいいのでありまして、現在
資金源
がないということは全然ないのであります。これから三月まで、はむしろ中金の方では金が余
つて
困るという
状態
でありますので、端境期の
処置
を——これは中金にも話しておるのでありますが、これは
政府
と中金の間で片づけるという問題です。そのときに
政府
が手の打
ちよ
うが足らなければいくらでも責めてよろしい、その点の手だけは、端境期にどういう手を打
つて
切抜けるかということは、あらかじめ
政府
部内で相談して行こう、こういう話をしておるのであります。法律の裏づけがあとになるということだけが
ちよ
つと変則になりますけれども、緊急やむを得ざる場合でありますので、その点は御了承願いたいと思います。
中澤茂一
64
○中澤
委員
あなたの言うように、中金の方は弾力性があるのですが、これは
資金
繰りは非常に苦しいんだ。百億くらいの一般
資金
のしわ寄せが来ておる。四百十一億を出しているから、
資金
繰りは苦しいんだが、中金の方は弾力性があるから、これはなんとか
方法
を講じられる。問題は、一体
公庫
の
施設
災害
の方をどうするかということです。これは
立法措置
がなければ、預金部の
資金
をも
つて
ごまかしてやるというわけにはいかぬでしよう。その点はどうですか。
渡部伍良
65
○渡部
説明
員
お話
のように預金部の
資金
を一時借りて、あとで
公庫
のコスト計算、経費の計算——預金部の
資金
だと金利を払わなければいけませんので、それだけ悪くなりますが、それはあとで埋め合せすればということになります。預金部の金を借りて、法律によ
つて
増資をするまでつなぎはできるのであります。
中澤茂一
66
○中澤
委員
いま一点。あなたの答弁の中で、この前参議院でひつかか
つて
とうとう乱闘でだめに
なつ
たあれを通じて、法律的な改正をして行くという答弁をあなたはしているが、これはあれだけでできると思いますか。
渡部伍良
67
○渡部
説明
員 あれは、ここに書いておりますが、必要な条項を追加することになると思います。
中澤茂一
68
○中澤
委員
あれだけか。
渡部伍良
69
○渡部
説明
員 ですから、あれにたとえば
開拓
の分とか、あるいは今の貸付限度の拡大、あるいはすえ置き
期間
を置くというような、そういう条項をあの法律の中に入れるということになるのじやないかと思います。なお廃案にして新しい立法をしてもいいわけなんです。どつちにするか、法律的な手段は——私の今までの考えでは、あれに必要な条項をいろいろ追加して行けばいいのじやないか、こういうふうに考えております。なおよく研究してみます。
中澤茂一
70
○中澤
委員
いま一点だけ……。実は
資金源
の問題がまだ納得行かないのであります。いま少し質問したいが、きようは何か時間に
申合せ
があるそうでありますからよします。ただ温床苗しろ、病虫害助成という問題は、
全国
のあらゆる農村、農民団体の陳情等にこれが入
つて
おり要望している。これに対して政務次官は、八億を
予備費
から
増額
すると言う。今
予算
に八億あるのですから、
予備費
から八億
増額
して十六億にするというわけですか。これが一点です。 いま一点、温床苗しろの問題ですがさつき政務次官は、
北海道
一億、それから
内地
一億一千万、合計二億一千万ということを
説明
していますが、それ以外に三十
年度
の
予算
ともかみ合せて考えて行かなければいかぬが、全体としてどう考えているのですか。
予備費
から出す八億を加えて、本
年度
の
予算
の分と両方病虫害防除に出すのか。それから
北海道
のヒメハモグリバイが入るのかどうか。今の八億を本
年度
の
予算
と加えて十六億になるのかということと、温床苗しろ全体に対する二十一円五十銭を、この前のように強引に
大蔵省
に食い下
つて
とつた方がいいか、
冷害
で五億とつた方がいいか、三十
年度
予算
で正規
要求
をしてとつた方がいいか、これについて政務次官の政治的な御見解を承りたい。
羽田武嗣郎
71
○
羽田説明員
先ほどの
説明
の八億というのは、消毒薬の問題を入れないで、温床苗しろの問題を申しまして、二億一千万円ということを申したのでありますが、これは実は来
年度
の温床苗しろと
保温折衷苗
しろと両方のものを実は来
年度
の
予算
に
要求
する方が賢明なのか、農民のためにいいか、今この際やつた方がいいかという問題は、むしろこの際やるという方が賢明ではないか、こう政治的に考えますけれども、これはまたよく
皆さん
と御相談いたしまして、一番いい
方法
をとりたいこう思
つて
おります。
中澤茂一
72
○中澤
委員
第二点の方は今の答弁でいいのです。しかしあなたはさつき、病虫害の
異常発生
防除の第七について
予備費
から八億を
増額
するということを言明しているのです。本
予算
の当初四億円のものをわれわれはたたいて八億にふやした。本
予算
の八億に
予備費
八億をプラスして、十六億を今年の防除費に出すか出さないかということをあなたにお聞きしているのです。
羽田武嗣郎
73
○
羽田説明員
この
災害
に伴う
異常発生
の病虫防除につきましては、本
年度
の本
予算
を今ここに正確に記憶しておりませんから、お答えすることができないのは遺憾でありますが、今度
予備費
から九億円の
予算
を
要求
いたしたい、こういう考えです。
渡部伍良
74
○渡部
説明
員 今の植物防疫
関係
のものは、農薬で二億農機具でたしか二億、いろいろなものを合せて八億かれこれにな
つて
おる。農薬代だけは二億だつたと思いますが、そのほかに今の八億ないし九億をプラスする。今度は農薬代だけです。
足鹿覺
75
○
足鹿
委員
その問題を私聞きたか
つたの
ですが、それは政務次官でなくてもよろしい。
官房長
に伺いたいのですが、九億内外のものをふやされる場合今のこうした
方法
は、羊頭を掲げて狗肉を売るような形にな
つて
おる。
大蔵省
の方針かどうか知りませんが、これを是正してもらわなければならぬ。なぜかと言うと、今まであまり病虫害の防除をしなかつたところで今度大発生をしたところは、その発生した額に対しての半額の助成、今まで非常に精励して病虫害防除をやつたが、さらに大発生したときは、その発生した差額に対して半額をやるという規定にな
つて
おるでしよう。そうすると、怠慢な地帯に対しては非常に
奨励
補助
が行き届き今までがんばつた地帯に対してはごくわずかな
補助
しか行かない、こういうやり方は、私は
金額
を九億円ふやされた趣旨は了といたしますが、その内容に至
つて
非常に矛盾を感ずるのです。これをどういうふうに是正をされて行く方針であるか。これはただ単に
予算
の九億を
予備費
から流用したことだけで私は満足することはできません。今の内容があまりにインチキきわまるものでありますから、この点を是正する意思があるかどうか、これをはつきりしていただきたい。
渡部伍良
76
○渡部
説明
員 今度の建前は
異常発生
の分について出すという建前にな
つて
おりますから、その
異常発生
のとり方によ
つて
お話
のように極端なところが出ておるのじやないかと思いますが、今具体的な例をあげられたようなことをまだ聞いておりませんから、なお
お話
の趣旨を体して、私よく研究したいと思いますが、とにかく
異常発生
に見るというので今度
予備費
から出すことといたしたいと思います。
足鹿覺
77
○
足鹿
委員
あなたはよくわからぬとおつしやるが、はつきりしているんですよ。たとえばこれが今度の
異常発生
を全部含めた発生総額とする。そうすると、従来助成をこの程度や
つて
おつた。しかしこれだけ
異常発生
をしたからこの半分をあなた方は助成すると言うのでしよう。ところが従来非常に精励をしてここまで防除をしておつた。しかし
異常発生
によ
つて
さらに
被害
が増大したという場合、この増大分の半分しか行かない。こういうでたらめなことはないと私は思う。そういう率をあなた方はちやんと
大蔵省
としめし合せてきめている。ですから、なまけものを
奨励
して、従来の精励した者に対しては冷遇をするということになりますから、
異常発生
部分にとかいう、そういう手品みたいな言葉を使わないで、投下した農薬料そのものに対して半額助成をするという行き方が一番公平だと私は思う。今まで使つた分以外に出したものの半分というような、そういうややこしい計算
方法
でなしに、防除をや
つて
もさらに
異常発生
をするのであるから、
従つて
今までは
補助
があろうとなかろうと精励したがさらに
異常発生
が出たという地帯に対しては、その防除総額の半分というふうにやるべきじやないですか。これを機会に私は交付率を改めてもらいたい。元来こういういろいろな項目を並べておりますが、いざこれが具体的に末端へ浸透して行く場合には、今の農薬助成の一例をあげたように、すべてがしつぽへ行くと、だんだんだんだん通行税やいろいろなものがかか
つて
来て少くな
つて
来る。それを私は言うのです。それを私はや
つて
もらいたいと思う。だからその点については、私はよく知らぬのだということでなしに、知らないでお
つて
査定するということではだめです。ですからそれははつきり、使つた防除費総額の半分にやる、こういうような方針に改めて行
つて
もらいたい。これは一つの実例でありますが、今まで同僚
委員
からいろいろな点について指摘されましたが、この
災害対策要綱
をわれわれがここで論議している間はまことにもつともでありますが、末端に行く場合におきましては、また後の機会に申し上げますが、これに似たような事例がたくさん出て来ますから、それらの点については、昨年の実績にかんがみて十分是正をしてもらいたい。今の病虫害の点だけもう一ぺん答弁してください。
渡部伍良
78
○渡部
説明
員
お話
の趣旨をよく研究いたします。正直なところ、今の通常発生の場合で普通発生しているときは、これは従来や
つて
いるのであるからよい。
異常発生
したところのものが、
足鹿
委員
のおつしやるように、なまけものを
奨励
するということにな
つて
いるか、な
つて
いないか、そういうところの区別が私には
ちよ
つとわからぬのですから、もう少し研究させていただきたいと思います。
中澤茂一
79
○中澤
委員
いま一点だけでやめます。二億農薬があ
つて
、今度で九億
予備費
から出すと政務次官は
言つて
おるから、十一億ある。そうすると前の
わく
はどうするつもりですか。しかし農薬の助成についてのいもちとあれについて
わく
を設けただろう。二回以上やつたあれというのは、十一億あればその
わく
をはずしてもいいと思うんだ。それの点についてはどうだろうか。十一億あるんだから、相当行けるだろうと思う。
渡部伍良
80
○渡部
説明
員 一回防除費にな
つて
おります。一回分にな
つて
おります。
中澤茂一
81
○中澤
委員
十一億あれば一回防除費じやなくた
つて
いいだろう。去年あれだけ出して二十二億だつたんだから、十一億あれば一回防除という
わく
をはずした
つて
いい。足りなかつたら、政務次官、政治性があるんだから、十一億ぐらいは……。そうしなさい。
渡部伍良
82
○渡部
説明
員 その
わく
をはずすということは私ははまだ考えておりません。
井出一太郎
83
○
井出委員長
松岡俊三君。
松岡俊三
84
○松岡
委員
第十六に
関係
する
気象
の問題であります。実は
気象
学界には二つの議論があ
つて
、北方の定点に関する深刻な争いがある。しかるに今度の洞爺丸の遭難事件以来、世論に動かされてややともすると、あるいはどこに行くかわからないという
状態
にな
つて
いる。この点に関して、われわれ
冷害
を常に憂えるところの東北
方面
としては、
予算
の配分上に重大なる関心を持
つて
いる。ことにわずかに一つの県内において二つの測候所があるけれども、この二つの測候所が全然役に立たないところに、やや規模の大きい山林計画の畑地改良、
土地改良
をやろうとして、今年から着手しようとしておる。こういうあんばいで、もし
農林省
の計画の国営の畑地改良、
土地改良
が不
成績
に終るようなことがあつたら、将来の全体の
土地改良
に重大なる
関係
がある。それが今の
気象観測
とマツチする。これが北方定点としての問題にな
つて
来る、北方定点の問題で、何だか東北
方面
の
冷害
の
予算
をこの
方面
に食われるおそれがはなはだ多いように私ども思うので心配しておる。この点について農林
当局
の特に御関心を私は
要求
したい。今までアメリカのためにのみ
気象
の
観測
が
予算
上に具体化するようなことがあ
つて
、関西
方面
の
気象観測
がやや
充実
し、今度は
冷害地
方の
気象観測
に
予算
を持
つて
行こうとする。この機会に洞爺丸の遭難事件が起り、この事件が起つたために、世論によ
つて
議論が二つにわかれて、どこに行くかわからないようなことを、もし農林
当局
が看過するようなことがあつたら、
冷害地
としては容易ならざる問題となるのでありますから、どうか
委員長
においては、次の機会にぜひ
気象
当局
をお呼出しを願いたい。これを究明して行かなかつたならば、私は東北の畑地、
土地改良
の将来に関する重大なる問題が起ると思う。もしこれが失敗したらたいへんなことになる。この国営の畑地改良が今年から始まれば、東北全体に将来これが影響する。その
土地改良
をするところに、同じ県内で全然測候所の
観測
が及ばないということは、これは
当局
もよくおわかりのことと思います。私のこの
要求
を
委員長
においてしかるべく御考慮願
つて
、究明しなければならぬ。北方定点の問題に
予算
、全部をとられてしま
つて
、東北の
冷害
方面
が閑却されるようなことがあつたら、とても許すことのできない事態である。これを特にお願いして、また農林
当局
の
予算
配分上についての多少に
関係
したことですけれども、重大なる御関心を私は
要求
しておく次第であります。
井出一太郎
85
○
井出委員長
わかりました。 本日はこの程度にいたしまして、明日さらに続行いたします。これにて散会いたします。 午後五時十七分散会