○佐々木(盛)委員
政府の
立場から申しますると、いろいろな事情もあるかと
考えまするが、私は最後にそのことを強く
希望するということを特に強調いたしておきます。
さらに私は
日本がスパイや間諜をま
つたく野放しにした非常に変態的な状態に置かれているということが、
日本の自衛体制確立の上におけるところの非常ながんであるということを
考えますと同時に、もう一点私はこの際
長官に承
つておきたいことがあります。それは、今日国家機密が漏洩する、この国家機密の漏洩はどこで漏洩をしているかという問題であります。率直に申しますると国家機密の漏洩をいたしておりまする者は——
日本におきまして外国人が非常に多い。しかもその国籍を申しまするなれば、ソ連並びにその衛星国の者が多いのであります。これを思想の面から申しますると共産党員であります。ところがこの
日本の共産党は、今日は
憲法のもとにおきまして、合法政党として存在が
認められております。
従つて保安隊の中にも、共産党員がいないとは
長官自身も断言はできなかろうと私は
考えます。現に私たちが今ここで記憶によみがえ
つて来ることだけを思い起してみましても、先般も福岡の総監部におきまして、軽
機関銃が盗まれてしま
つた。しかも盗まれて紛失したものが、まだ発見をされないというようなことも私は承
つておる。東京においてはいかがでしよう。東京の総監部におきましては、新聞にも出ておりましたが、
保安庁が民間に頼んでつく
つた映画のフイルム、これは作戦や軍機に非常な関係があるものである。四十本ほどつくらしたが、その中の十五種類約三十本ぐらいが盗まれておる。盗んでお
つた者もわか
つて参りました。これは
日本におりまするところの朝鮮人、密入国で出入国管理法違反の問題で取調べた結果、はからずもその中から
保安隊のフイルムが発見されたということをわれわれは知
つたわけであります。近くはいかがですか。これは先般も私は
外務委員会において問題にいたしましたが、三重県におきまするところの
相当大がかりな、
保安隊の内部に共産党のフラクシヨンがありまして、外部との連携があ
つたということもすでにある新聞によ
つてはスクープされているところであります。私
ども国警に行きましてこのことを調査いたしましたが、そういう事実のあ
つたことを
認めております。私たちが
日本の
防衛のためにほんとうに信頼を置いておりまするところの
保安隊の内部に、かくのごとき共産党員が存在し、フラク活動がある。外部からはこれに対して反戦の気分をあおることもできれば、武器を持ち出せということを扇動することもできる。反乱を起せということを扇動することもできる。それは自由自在です。そういう扇動をしたからとい
つて、別に共産党というものは合法政党として
認められておりまする限りは何ら処罰の
方法はない。また隊内におきましては、単にその人間が共産党員であるというだけの理由によりましては
保安隊から排除することはできないでありましよう。しかし今日あなた方の
考えもわれわれの
考えも、共産党というものは暴力的なものであるということは申すまでもございません。私
どもいささかそういう
方面のことを勉強いたしておりまするけれ
ども、ここでそんなことを申し上げる必要はございませんが、とにかく暴力と離れて共産主義という思想はあり得ないのであります。その共産党員が
保安隊の中に存在しておることが現実の問題として、隠れもない事実として今現われて来ておる。われわれはこういうものに信頼を置くことはできない。もとよりそれは少い部分ではありましようけれ
ども、たとい少くてもその
保安隊の内部にそういう者がお
つて、しかもこれを排除することができないというようなそういう法律の
建前にな
つてお
つて、われわれが安心して武器を託することはできないと私は
考えます。そこでこの際私は
佐藤法制局長官に承
つておきたいと思いまするが、なぜ共産党員の
保安隊への
就職を禁止するという法的
措置をとらないか、私は
保安庁長官にも承りたいのでありまするが、これは
憲法に保障されたところの言論結社の自由によるのであるから、共産党員であるからとい
つて、
保安隊から排除することはできない、こういうふうなことをおつしやるかもしれませんが、
保安隊へ入るときは、強制徴兵でなく契約によ
つて入
つて来るわけでありますから、その契約のときの条件といたしまして共産党員は採用しないぞ、また共産党員であることが判明した場合には排除する、こういう法的
措置をとるということは何ら
憲法に違反しない、違憲ではない、私はかように
考えるわけでありますが、
法制局長官のその点に関する法的見解はいかがでございますか。