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1954-04-13 第19回国会 衆議院 建設委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月十三日(火曜日)     午前十一時九分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 瀬戸山三男君 理事 田中 角榮君    理事 志村 茂治君 理事 細野三千雄君       逢澤  寛君    仲川房次郎君       堀川 恭平君    松崎 朝治君       五十嵐吉藏君    村瀬 宣親君       三鍋 義三君    菊川 忠雄君  出席政府委員         建設政務次官  南  好雄君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建設事務官         (計画局長)  澁江 操一君  委員外出席者         建設事務官         (計画局都市計         画課長)    鶴海良一郎君         専  門  員 西畑 正倫君     ————————————— 四月十二日  委員細野三千雄辞任につき、その補欠として  大矢省三君が議長指名委員選任された。 同月十三日  委員大矢省三君及び有田二郎辞任につき、そ  の補欠として細野三千雄君及び堀川恭平君が議  長の指名委員選任された。 同日  細野三千雄君が理事補欠当選した。     ————————————— 四月十三日  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一四二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長選任  土地区画整理法案内閣提出第一二八号)  土地区画整理法施行法案内閣提出第一二九  号)  公共工事前払金保証事業に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出第一四二号)     —————————————
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたすことがあります。すなわち細野三千雄君が昨日委員辞任され、本日再び本委員となりましたが、同君は理事でありますので、これが補欠選任を行わねばなりません。この補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めて、理事細野三千雄君を指名いたします。     —————————————
  4. 久野忠治

    久野委員長 次にお諮りいたしますが、水道に関する調査のため、小委員十五名をもつて水道に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認めてさよう決しました。  次に小委員及び小委員長選任でありますが、これは委員長に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  6. 久野忠治

    久野委員長 公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、まず提案理由説明を聴取いたします。南政務次官
  7. 南好雄

    南政府委員 公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案提案理由並びにその概要について御説明申し上げます。  本法律案は、追つて説明申し上げることとなります建設機械抵当法案と同様と、わが国建設工事機械化を促進することをその目的といたすものでございます。すなわち、公共工事前払金保証事業に関する法律により設立せられております建設業保証事業会社をして、従来の業務のほか新たに政府地方公共団体建設機械製造代金前払いをいたします際におけるその保証をなし得ることとするとともに、建設業者建設機械購入のための資金の融通を受げる際に、その債務保証をなし得る道を開き、もつて建設業機械化促進に寄与せしめんとするものでございまして、これが本法律案提案理由でございます。  以下本改正案の主要な点につきまして御説明申し上げます。  第一に、現行法による土木建築工事に関する前払金保証に加うるに、これらの建設機械製造に関する前払金前払金保証対象といたし、建設機械製造を容易ならしめ、もつて公共工事の適正な施工に万全を期することといたしたのでございます。  第二に、建設機械抵当法案による建設機械抵当制度のみでは、金融機関に対する担保として十分でない場合も考えられますので、これらの金融機械購入のための長期借入金につきましても、現行法において保証事業会社兼業として営むことを認められている運転資金に関する債務保証事業と同様に、債務保証を行い得るようにしたのでございます。  第三に、保証事業会社兼業として行います金融保証事業は、今後重要性を加えて参りますので、前払金保証約款におけると同様、その約款につきましても、建設大臣の承認を受けることを必要といたしたのでございます。  以上公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案提案理由並びに主要な事項について説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第でございます。  なお、本法律案より先に、建設機械抵当法案の御審議をお願いいたしますはずでございましたが、御承知の通り、建設機械抵当法案は、法文が長いもので印刷が手間どつておる関係上、本法案が先に提案せられた段を、ひとつあしからず御了承願いたいと存じます。
  8. 田中角榮

    田中(角)委員 議事進行について、委員長に一言要望しておきたいのであります。建設機械抵当法案は本日提案になる予定であり、また法律関係でありますので、特に法務委員会付託法務委員会理事会等において希望しておられるようでありますが、この法案はただいま提案理由説明がありました法律案と、うらはらの法律案でありますから、当然この委員会に付託せらるべきだと思いますので、議長との間の折衝委員長においてしかるべくやられて、万遺憾なきを期せられたいと存じます。
  9. 久野忠治

    久野委員長 ただいまの田中君の御説ごもつともでございまして、一昨日私は法務委員長と会見しましてこの由申入れをし、さらに事務総長とも会いまして、議長にしかるべくおとりはからい願うように話合がいたしてありますので、この法案は当然建設委員会にかかるものと考えておりますが、なお私もさらに折衝をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  10. 村瀬宣親

    村瀬委員 この際、既存の公共工事前払金保証事業会社に関する資料提出を、委員長を通じてお願いをしておきます。それはこの公共工事前払金保証事業に関する法律提案されましたときに、当委員会でずいぶん論議を尽したのでありますがこの会社は、いわば人のふんどしで相撲をとるといつたような会社でありますが、非常に考えつきはよいのでありまして、これによつて、日本の公共工事は非常に進んだ新たな形態に入ることができると、私たちは非常な期待を持つたのであります。一体前払金保証事業会社は、全国一律ということは結局法律では置かなかつたのでありますが——今多分三つできておるのではないかと思いますが、その会社についての保証料並び保証基金を一銭ずつとることにしておつたはずであります。あるいはその後五厘にかえたというようなことも聞いておりますが、そういう保証基金がどれだけあり、保証料がどれだけあり、そうして最近これで貸例れになつてしまつたという例はあまり聞かないのでありますが、これは一つ保険会社みたいなものでありますから、その保証金としては幾ら支払つたか、全然支払つてないか。全然支払つてなければ、厖大な社内保留金ができると思うのでありますが、これはどうなつておるか。私は何も検査員でもなければ、会社内部の信用をどうしようという意味でもありません。今度新たにこういう改正をして機械購入に対しても前払いをしようというのでありますから、それには今までの実績がどうなつておるかを知る必要がある。決して会社経理状態がどうであるか、もうけ過ぎておるか、あるいは欠損が行つておるかということを調べる意味ではありませんから、支障のない範囲において、できるだけ詳しくそういう面の資料を出していただくように、委員長におとりはからいをお願いいたします。
  11. 久野忠治

    久野委員長 村瀬君より御要求の資料は、しかるべくとりはからいたいと存じます。     —————————————
  12. 久野忠治

    久野委員長 次に土地区画整理法案及び土地区画整理法施行法案の二案を一括して議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。細野三千雄君。
  13. 細野三千雄

    細野委員 私はこの法案につきまして、その大筋には賛成でありますが、一応こまかい点について、法文の順序に従つて二、三お尋ねしたいと思うのであります。   〔委員長退席田中(角)委員長代理着席〕  今度の法律が、借地権者権利をある程度認められたということは、非常にいい点だと思いますが、借地権者というものは、借地法全国に施行されましてから、どのくらいになりますかたしか昭和十六年だつたから、もう十四、五年になると思います。借地権登記されている例は、私はおそらく非常に少いのではないかと思います。私は現在借地人でありますけれども、別に登記はしていない。登記はしていないでも、借地権存在を主張するのに、何らさしつかえないと思います。わざわざ登記料払つてまで登記する必要はない。でありますから、未登記借地権者というのが、非常に多いと思うのでありますが、これが本法適用を受けます場合には、申告しなければならぬ。しかるに、申告の場合には地主さんの連署を得るか、またはそれを証明する何らかの書類を出さなければならぬということが、八十五条で規定せられております。そこでまず第一に地主さんの連署を得るということでありますが、実際問題として、はたしてこれができるかといいますならば、さしつかえないもののようではありますけれども、地主さんはなるべくそういうような書面には判を押したがらないのであります。でありますから、今度は何らかの証拠をもつて届出をする場合には、これを立証しなければならぬ。ところが、実際借地人地主さんとの間に、借地契約書を交換して持つているとか、借地人の方が契約書を持つている場合はないのではないか。借地権を届ける場合に添えるべき証拠書類というものは、どういうものがあるか、結局地代の受取りくらいしかないではないか。しかし、その地代受取書には、この八十五条の要求するような、たとえば、どこの何番地の何坪の地代の受取りだということまでは明記してない場合が多いのであります。ただ金受取書だけでしかないのであります。なお、場合によつては、そういう受取書さえもない借地人も、往々にしてあるのではないかと考えられるのでありますが、一体この場合の申告には、どの程度書証の添付が必要であるのか、まず第一にその点を伺つておきます。
  14. 南好雄

    南政府委員 お答え申し上げます。詳しいことは、なお課長が参つておりますから説明させますが、私が記憶いたしております限りにおきましては、今細野さんの御質問にありましたように、地代領収書だけで十分でございます。いずれにいたしましても、連署をした書類か、しからずんばその事実を証明する一つ証拠として、地代の受取りで十分である旨を施行令に定めるつもりでございます。しかし、その受取りさえもないような場合がございました場合には、地代の受取りに匹敵する、または同等の価値を持つている他の書証なり人証、物証がございますれば、そういう方面の規定までもある程度いたしたいと思つておりますが、大体は借地権存在を知らしめるに足る地代の受取りというようなものは、普通の賃貸借契約といたしましても、必要欠くべからざるものと思います。大体地代の受取りで十分ではなかろうかとも考えております。しかしお言葉のように、それさえもないような場合がございましても、他の事実によつて借地権存在を明確に立証することのできるような場合はさしつかえない、こういうふうに考えております。
  15. 細野三千雄

    細野委員 なお、この届出をするにつきまして、十九条でありましたか、公告のあつた日から一箇月という期限が付されております。一方八十五条の方におきましては、期限が定めてないのでありますが、これはどういう関係でありますか。なお、この期限内にもし届出をしなかつたならば、どういうことになるか。二十条の第二項によつて意見書を出す権利が、届出をすればあるのでありますが、しかし二十条の方は「利害関係者」となつておりまして、関係権者という言葉はないのであるから、あるいは届出をしなくても利害関係者ということで意見書提出はできるのかどうか、この二点をお尋ねいたします。
  16. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 十九条の申告と八十五条の申告とは、趣旨が違うのでありまして、十九条の申告は、十八条によりまして借地権者同意を得ます場合に、その員数なり地積なりが確定しておらなければ、その三分の二の同意ということが確定いたしませんので、その地積なり、頭数の確定のために十九条の規定を設けたわけであります。従いましてこれは組合設立前の事前の行為でありますので、一月と限つたわけでありますが、八十五条の申告は、事業実施を通じまして初めから終りまで関係がありますので、申告期限を限らなかつたわけであります。  なお第二十条におきまして、利害関係者意見書提出することができるように規定しておるわけでありますが、ここにいう利害関係者は、十九条で申告をした者に限るわけではないのでありまして、申告のない借地権者につきましても、ここにいう利害関係者に該当する、かように考えております。
  17. 細野三千雄

    細野委員 なお組合区画整理を施行する場合、二十五条によれば、借地権者はすべて強制加入といいますか、組合員とならなければならない。しかしながら五十八条では、その申告を怠つた借地人委員選挙権があるのかないのか、その点をお尋ねするわけであります。  それから利害関係人というものの範囲でありますが、関係権者という言某が使われておる場合には、すなわち区画整理の施行せられる土地区域内の土地に何らかの権利があるものということになつておりますが、利害関係人という場合には、その土地には直接は関係がないけれども、その土地区画整理が行われることによつて区域外の者でも商売上影響があるのだというふうな人まで、利害関係人として意見を述べたりすることができるのかできないのか、伺いたい。
  18. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 ただいまの御質問の第一点であります二十五条と五十八条の関係でありますが、二十五条は組合員資格規定した規定でありますし、五十八条は公共団体区画整理事業を施行いたします場合の、土地区画整理審議会委員選挙に関する規定であります。それぞれ趣旨違つた規定でありますが、このいずれを通じましても、申告に関しまする事項については、共通な考えを持つております。すなわち二十五条では、第二項の規定によりまして、申告のない権利は二十五条一項の適用につきましてはないものとみなしますし、第五十八条の適用につきましても、同じように申告のない者はないものとして取扱うわけであります。従いまして、申告のない借地権者はも申告のない限りは組合員にもなれませんし、公共団体が施行いたします場合に、委員資格もないことになります。  それから御質問の第二点の利害関係者範囲でありますが、これは法案の二十条の二項に書いてありますように「当該土地区画整理事業関係のある土地若しくはその土地に定着する物件又は当該土地区画整理事業関係のある水面について権利を有する者」となつておりまして、必ずしも整理施行地区内の土地なり物件権利者には限らない、かように考えております。
  19. 細野三千雄

    細野委員 次に、この意見書提出ということは、非常にけつこうでありますが、これが一体採択されるかされぬかは施行者によつて決定される。もし採択されないという場合に、その採択しないということに対して不服な場合は、何らかこれを救済する方法があるのか。採択しないという通知は、行政訴訟対象たる行政処分であるかどうか。おそらく行政処分ではないと思います。そうすれば、意見書を出すということは、結局あまり効果はないのではないかというようにも思いますが、この点についてはいかがですか。
  20. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 意見書採択すべきかどうかにつきましての判断は、それぞれ事業計画を定めます場合であるとか、あるいは換地計画を定めます場合によつてつておるのでありますが、事業計画の例で申し上げますと、組合事業計画を定めます場合は、意見書知事のところに出まして、第三者である知事がその採否を判断するということになつております。施行者が判断するわけではないのであります。それから公共団体なり行政庁事業計画を定めます場合の意見書は、これは知事に出ますが、出ました意見書土地区画整理審議会に付議して、そこで採否をきめることになつておるのでありまして、これも第三者である機関が定めることになつております。  それから換地計画意見書でありますが、この換地計画意見書は、組合であります場合は総会で採否決定することになりますし、公共団体または行政庁が施行いたします場合は、所有者なり借地権者から選ばれました委員で構成されておる土地区画整理審議会意見を聞いて採否をきめるということになつておりまして、施行者が恣意的に採否をきめるということにはなつておらぬわけであります。  なお意見書を採用しなかつた場合には、通知することになつておりますが、これも通知に対して訴訟なり訴願なりを提起するということはなかろうと思うのでありますが、意見書が採用されなかつたその事業計画なり換地計画決定につきましては、施行者決定でありますので、これについて不服のある者は、訴願なりあるいはさらに訴訟という道が開かれておるわけであります。
  21. 細野三千雄

    細野委員 今意見書採択、不採択について、審議会決定をする場合もあるかのような御答弁でありましたが、私はこの土地区画整理審議会というものは、どうも本法を読んでみまして、一つ決定機関ではないように思う。のみならず七十条におきましては、行政庁が施行する場合には付属の機関だというふうなことが書いてあります。この七十条の場合は、審議会行政機関であるのか。従いまして、審議会委員公務員になるのか。この委員が何か悪いことをすれば収賄罪になるのか。この審議会性質は、ある場合には諮問機関であるかのようにもとれることもありますが、この点について伺います。
  22. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 本法案には審議会が二つ出ておりまして、私が先ほど意見書採否については審議会の議に付してそこで採否をきめると言いましたのは、これは土地区画整理審議会ではなくて都市計画審議会であります。事業計画につきましては、都市計画審議会に付議することになつております。次に換地計画につきましては、土地区画整理審議会意見を聞いて意見書採否決定することになつておるわけであります。  そこで、この土地区画整理審議会性質でありますが、これはやはり都道府県に置かれた場合には都道府県機関であり、国に置かれた場合は国の機関であるわけでありまして、その構成員はもちろん国家公務員であり、あるいは地方公務員であると考えております。従いまして刑法の収賄贈賄等の罰則の適用につきましても、公務員として取扱われることになると思います。
  23. 細野三千雄

    細野委員 次に、この審議会委員でありますが、今度新しく任期を設け、さらにリコール制度ができたことは、一つの進歩だと思います。しかし、このリコール全員改選制度——全員といつて階層別選挙でありますから、ある階層、すなわち借地人階層あるいは地主階層のそれぞれの全員リコールされるが、これははたして妥当なものかどうか。私はにわかに結論が出せないのでありますが、これはなぜ不評な委員があればその委員一人だけをリコールすることにできなかつたのであろうかということが第一点と、それから施行者は、ある場合学識経験者を五分の一まで選任することができるということになつておりますが、この選任については、施行者がその選任をするについて相談相手になるような制度を何か設けて置く必要はないか。施行者が独断で選んでやることになつておるが、この点に何か弊害が生ずるおそれがないか、こういつた点が心配になるのでありますけれども、その点について、政府はどういうふうにお考えになつておりますか。
  24. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 第一点のリコールでありますが、土地区画整理審議会委員リコールにつきましては、ただいまお話のありましたように、借地権者所有権者それぞれのグループにつきましての全員リコール規定しておるわけであります。全員リコール規定いたした理由は、いろいろあるのでありますが、せんだつて局長瀬戸山委員に御答弁申し上げましたように、一つには、この審議会には予備委員が置かれております。予備委員が置かれております関係上、特定の委員だけがリコールを受けた場合には、予備委員の筆頭というか、一番上の順位にある人が必ず委員に繰上るわけであります。ところがリコールということは、もう一度そのポジシヨンにつきまして選挙し直すというのが本来の建前であろうと思いますので、ここに予備委員制度があります関係上、全員リコールということを考えましたのと、それからなお、その他いろいろ理由はあるのでありますが、一つには、少数派といいますか、委員の中の少数を代表しておる者、これは過半数の投票によりましてリコールということが可能であります場合には、常に不安定な状態に置かれているわけであります。従いまして委員に問題があります場合には、全員について選挙をやり直すということが一番適切であろう、かように考えまして、全員リコールということにいたしたのであります。  次に、学識経験者から委員を選びます場合の方法であります。これは施行規程で定めることにいたしておるのでありますが、本法案では、都道府県知事なり市町村長が、特にほかの機関に諮問いたすとか、意見を聞くとか、そういうことは規定していないのでありまして、一応都道府県知事なり市町村長の良識にまつてなしたい。なおそういうことによつて非常に弊害が起らないかというお話でありますが、委員の定数の五分の一以下に数を限定いたしておりますので、さような弊害は起らないのではないか、かように考えておる次第であります。
  25. 細野三千雄

    細野委員 私は、この審議会というものが決定機関でなく、単なる諮問機関である場合が多い点から見まして、まあこの組合の場合の総代とかなんとかにリコール制度があるのは首肯し得るのでありますが、審議会委員についてリコール、しかも全員リコールということにつきましては、まだ納得が行きません。まあそれはそれといたしまして、次に総代総代会に出席できない場合に、代理人が認められていないのはどういう理由か、これが一つ。  次に評価員の問題でありますが、評価員は三人ということになつておるが、この三人の評価員は、別に三人が会議することには、つまり会議制にはなつていないのであります。しかも、この評価員評価は、必ずしも決定権はないかのように見えるのであります。結局損失額等決定する場合の一つ参考意見にする程度のものにすぎないと思うのでありますが、この評価員評価がそれぞれ非常に違うというふうな場合が起るのではないか、どの意見をとつていいか困るような場合が生ずるのではないか、むしろ会議制にした方がいいんではないかとも考えられるのであります。その点についてはどういうお考えでありますか。
  26. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 第一点の、総代代理人議決権といいますか、代理人をなぜ認めないのかというお話でありますが、この総代は、各組合員の中から選挙によつて選ばれた人でありまして、この人ならばということで投票いたしておるわけでありまして、みだりに他人によつて仕事を行つて行くということは好ましくない、かように考えまして、代理人制度は、総代については認めなかつたのでございます。但し、書面によつて議決に参加するということは認めております。  それから評価員評価方法でありますが、これは本法案によりますと、方法につきましては別に規定はいたしておりません。三人以上の一人々々が独立に評価いたしまして、それを施行者が平均いたしますなり、その他の方法で適当な数値を出すということもけつこうでありましようし、あるいは評価員全部が会議いたしまして評価の数値を出すということもけつこうであろうと思います。
  27. 細野三千雄

    細野委員 次に換地計画の点についてお尋ねしたいと思います。過小宅地もしくは過小借地をなるべく整理しようという適正化の関係でありますが、この場合の基準となる地積は「政令で定める基準に従い」とあります。が、この政令の内容は、現在の特別都市計画法の施行令にある地積と大体同じようなものと理解してよろしいかどうか、これが第一点であります。  それから第二点といたしまして、宅地の立体化でありますが、九十三条で「建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与える」とありますが、この建築物の一部を与えるというのは、どういうことでありましようか。建築物というものは、一箇の建築物として所有権の目的となると思うのでありますが、建築物の一部分が権利の目的となり得るということは、私にはちよつとわからないのであります。結局これは共有ということになるのでありましようが、共有ではあるが、しかしそのある区画——共有となると、何か全体に権利が及ぶようですがある一部分だけしかその権利が及ばない。この建築物の一部所有という関係が、どうも私にはよく理解できないのであります。これが第二点。  それからもう一つ、第九十五条にいろいろ列挙してありますが、その最後に「その他特別の事情のある宅地で政令で定めるもの」というのは、一体どういう宅地であるか。以上三点をお伺いします。
  28. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 宅地地積の適正化のための過小宅地の基準でありますが、これは大体特別都市計画法施行令によつてやりたいと思います。  それから宅地の立体化につきまして、建築物の一部を与えるとはどういうことであるかというお話でありますが、ここに考えております建築物は、九十三条の第五項にもありますように、耐火構造でなければならぬということにしておりますが、まあアパートのようなものをお考えつてけつこうかと思うのであります。アパートのそれぞれの居住区画の所有権を与えて行く。その場合に、階段であるとか廊下であるとか、そういつた共用部分があることは当然であります。その部分につきましては、共有の持分を与える、かように考えておる次第であります。  それから九十五条の第一項第六号の「その他特別の事情のある宅地で政令で定めるもの」といいますのは、たとえば古墳、墓地であるとか、あるいは特殊な地積であるとか、そういうもので地積を減すとか、あるいは位置をかえるということが困難なものがあるわけでありますが、そういうものを指定して行きたいと思います。
  29. 細野三千雄

    細野委員 今の宅地の立体化で耐火構造であるということはわかつております。わかつておりますが、その中のある一区画が独立して権利対象になるとはどうも私には思えない。たとえばそういう場合には、登記はどうするのですか。二階のどつちか側の部屋一つとして登記はできないはずですが、それはどういうふうになつておりますか、なお御説明を願いたいと思います。  それから次に損失の補償ですが、これは一体どういう基準でなされるのか。これまた何らかの基準があると思うのでありますが、その基準があれば御説明願いたいと思うのであります。それから損失補償にからみまして「通常生ずべき損失」という言葉が使つてある場合が多いのですが、   〔田中(角)委員長代理退席、委員長着席〕 移転建築物の賃貸借料の増減の請求等の場合にはよつて生じた損失という文字が使つてあります。このよつて生じた損失という場合の方は、因果関係のある損害はすべて含む、通常生ずべき損害のほかに、特別の事情によつて生じた損害でも、原因結果の関係さえあれば、すべて補償するというふうに解釈していいのかどうか、この二点をお尋ねいたします。
  30. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 建物の一部の所有権について、その所有権を与えるような取扱いができるかどうかというお話でありましたが、建物の区分所有権と申しますか、その一部についても、所有権を考えることはできると考えております。なお、登記等につきましては、法務省の民事局とも打合せをいたしましてできるという建前をとつております。  それから損失の補償でありますが、本法の中には「通常生ずべき損失」と書いてあるところと、それから「生じた損失」と書いたところとあるわけでありますが、この「生じた損失」といいますのは、主として権利関係の調整のところに出ております。これはたとえば百十六条等の場合におきましては、本来当事者間において損失の補償をすべきことを、施行者が間に一枚加わつておるという建前になつておりますので、この場合には通常生する損失のみならず、生じた損失をも補償するということにいたしておるわけであります。
  31. 細野三千雄

    細野委員 従来の実例を、私はあまり知らぬのでありますが、一体補償する金額というものと、区画整理の総事業費との割合は、どんなふうになつておるのでありましようか。それをひとつお聞きいたしたいと思います。
  32. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 その方は、私担当いたしておりませんので、よくわかつておりません。今資料がありませんから、後ほど調査して御答弁申し上げます。
  33. 細野三千雄

    細野委員 それから区画整理事業の国の補助金でございますが、従来では特別都市計画法の施行令では十分の八以内ではなかつたかと思うのであります。今度は二分の一以内になつてしまつたのであります。これは非常に緊縮という関係によつてこうなつたものと思いますが、これはやはり財政上の事由によるものかどうか。それから受益者の負担額につきましては、百二十粂によれば「政令で定める基準」ということになつておりますが、この政令はどういうふうなことをおきめになるのか、この二点をお尋ねいたします。
  34. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 区画整理事業の国の補助でありますが、特別都市計画法で現在行つております土地区画整理事業は、この法律では行政庁施行、すなわち三条の四項による施行の区画整理事業に振りかわつて行くわけでありますが、この三条四項の区画整理事業につきましては、第百十八条の三項にありますように、補助ではなくて国が一部を負担するということにいたしております。なお、その負担の限度につきましては、政令で定めることにいたしておりまして、法律上は二分の一という制限はないわけであります。それから補助金の規定は、百二十一条にあるわけでありますが、それは三条三項の規定による区画整理事業でありまして、公共団体が自発的に施行いたします区画整理事業につきましては、一定の条件のもとに二分の一以内の補助を下るということにいたしておるわけであります。  なお第百二十条で、受益者負担金の規定を設けておるのでありますが、この場合にどういう政令を定めるかという御質問でありますが、これは負担金をかけ得る限度を、政令ではつきりさせたいと思つております。すなわち図画整理をやりますれば、大体において宅地の値上りが行われるわけでありますが、その値上り分を越えて負担させるべきではないので、その値上りの限度を規定する、あるいは控地計画のところに規定してありますように、保留地の制度があるのでありますが、保留地をとりました場合は、その限度において負担金をかけることができないというふうなことを規定いたしたい、かように考えております。
  35. 細野三千雄

    細野委員 なお区画整理は、今度の法律では行政庁、ことに建設大臣がみずから施行するという場合があり得ることも予想しておるようでありますが、これは実際の場合どういうふうな場合でしようか。もし大がかりなものならば、こういうふうな事業こそは、早くやつた方がいいと思うのでありますが、具体的に予算の伴うことであるから、そう簡単にできないということであるかと存じますが、たとえば、どういうところをやりたいというお考えか現在あるのかないのか、これをお伺いしておきたい。
  36. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 建設大臣がみずから土地区画整理事業を行う場合といたしまして、今具体的にどこをやるというふうに固まつたものはないわけでありますが、建設大臣がみずから行う場合として予想されます事項は、三条四項にもありますように、一つには、建設大臣が河川工事であるとか、あるいは道路工事であるとか、そういつた公共施設に関する工事を直轄で施行しております場合に、その工事とあわせて区画肇理をやつた方がいい場合、それからもう一つは、そういつた公共施設に関する工事との合併施行の必要はないのでありますけれども、事柄の性質といたしまして、たとえば東京都の衛星都市を建設する——衛星都市は、東京都内にも建設できるでありましようが、近県にも建設しなければならぬ。こういう場合に、東京都知事が隣の県に行つて工事をするということは、今のところでは適当でありませんので国か行う。あるいは中央官衙計画に基きまして、中央官衙街の敷地を区画整理するというふうな場合に、これは国と直接の関係がある事業でありますのと、東京都にやらすよりも大臣みずからやつた方が適当ではないか、かようなケースを考えておるわけであります。
  37. 細野三千雄

    細野委員 私は今までの御答弁で、なお納得の行かぬ点がありますが、私自身もまだ長い法律でよく読んでおりませんので、さらに次会に留保することにして、今日はこれで私の質問を終ります。
  38. 菊川忠雄

    ○菊川委員 今の細野氏の質問に関連いたしまして、三点ばかり、起り得る具体的な問題を想定しながら、御説明をいただきたいと思います。  一つは、第十九条に関係してですが、ただいまの御説明によりますると、借地権の立証の方法としては一つは宅地の所有者借地権者連署をする方法と、それからそれによらなくても借地権を証明する書類を添えればよろしい、こういうことだけはここに明瞭に出ておるのであります。この場合、あとの方の問題ですが、今現実に借地権が置かれておる姿を考えますと、特に戦災都市ですが、東京都などにおきましては、御承知のように終戦直後一応焼野原になつた。ところがそこに家を借りた借家人が、どういう法律でしたか、とにかく臨時措置法であつたと思いますが、それによつて地主なりあるいは前の借地人との話合いがつかなくとも、とにかくそこにバラックを建てる、あるいはそれにだんだん手を加えて本建築になるというふうなことをやつても、臨時措置としてある期間までは認めるというふうな措置を法律でとつたと思つております。そういうことから、当時は地主借地権者も、前のように家を建ててそして前に住んでおつた借家人に貸すという能力がなかつたものですから、そういうふうにして今の戦災都市の戦災地が復興して来ているのが実情なんです。ところがその後その建てた借家人が、元の借地権者なりあるいは地主とそれぞれ借地契約なり何かを結んで、契約の更新をはからなければならないことになつておりますが、事実は現状は、それがなかなか違つてつておりますから、それがとれなくて係争中のものが相当あるのであります。だから、そういう場合においては、占有権をそのまま活用しておるのであつて、それが借地権として相互に確認されないという状態ですから、地代など持つてつても受取らない。そこで供託しているというところが、相当多いのです。これで当分さしつかえないわけですけれども、この法律案によつて、今度区画整理審議委員選挙をやるということになりますと、連署はもちろんできませんし、立証する書面も、契約書あるいは地代の受取り、こういうものもあるいはとれない場合があるかもしれない。そういうふうな場合を考えますと、おそらくこれは省令できめる場合に、何か研究願わなければならぬと思う具体的な一つの問題と思いますが、そういう場合はどういうふうになりますか。かえつてこの法律案によつて、この点を今から考えておかないと、何か紛争を起すのじやないかと思いますので、この点をお尋ねしておきたいと思います。
  39. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 ただいまの問題につきましては、省令を公布いたします場合に、十分考慮いたしたいと思つております。しかしながら、いずれにしましても、借地権を立証する何ものもないとう場合には、これはいたしかたないのでありますす。
  40. 菊川忠雄

    ○菊川委員 今の問題で、たとえばまだ係争中であるという事実、あるいは供託をしているというふうなことも、やはり立証する書類一つとして認めるようになりましようかどうか、そういうことがわれわれ望ましいと思うのですが、その点について、いかがですか。
  41. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 供託書を証拠としてただちに認めるかどうかということにつきましては、疑問があろうと思います。なおこの点につきましては、十分研究いたしましてお答え申し上げます。
  42. 菊川忠雄

    ○菊川委員 第二の点は第五十八条です。区画整理審議会の組織、それから委員に関連してでありますが、その中の第九項で、例の委員リコール制の問題です。この点については、細野委員からも質問があり、またこの間は村瀬委員からもいろいろとお尋ねがあつたたようでありますが、ここでの御説明によると、予備委員制度を設けた。だから予備委員というものがあるために一部のリコールでは、予備委員を繰上げるということのために、かえつて問題が不必要に起るおそれがあるということの懸念から、全員リコールということもやむを得ないというふうな結論に到達されたというふうなお話がこの間あつたんです。そういたしますと、一体十人から五十人の範囲内で審議会委員をきめる場合において、各地の実情から何名になるか知りませんけれども、おそらく予備委員というものは、その中の比率はきわめて少数だと思います。そうすると、その少数予備委員の、早く言えばある種の好ましからぬところの策動を予想して、全員リコールということを認めるということは、どうもわれわれから見ると、何か角をためて牛を殺すような結果になつているのではないか、こう思うのでありまして、むしろそういう場合に、逆に予備委員などは認めなくて必要ならばその分だけ補欠選挙をやつてはどうかというふうに考えるのですが、そうまでして予備委員を置かなければならぬという重要性がどこにあるかということをお尋ねしたい。それからもう一つ全員リコールとなりますと、それはリコール制がやれないのではないか、こう思うのです。というのは、その中に悪い人があるからリコールしろ、しかもその中の少数のものが策動するおそれがあるという御心配のようでありますけれども、三分の一以上の同意を得てリコールが、成立する。しかも今度はそれを一般に問うて過半数の賛成を得なければ、その人はリコーールにならない、こういうのでありますから、これはなかなか少数の策動ではできないことなんです。つまりそれほど重大な過失を犯した、あるいは不適任と認められたこう考えられる場合においてのみ起るリコールですから、その場合に、そういう人をマークしてリコール制度を置く、これがつまり委員の一人々々を無言のうちに監督するということになるわけですから、そうでなければ、リコール制という字句が生きない。ただ、こう私は考えておりますが、どう考えましても、どうも全員リコールという制度リコールではなくて、要するに委員会の解散あるいは改選を要求するということなんであつて、理論的にもどうも趣旨が違うのではないか。ここで問題になるのは、予備委員を置いたがために起るこういう弊害であるとすれば、そうまでして予備委員を置かなくてもいいんじやないか、少数の策動があつて常に不安定だからというあとの御説明では、どうもリコール制というものの本来の趣旨からいつて納得できない、こう考えるのですが、この点はいかがでしようか。
  43. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 予備委員の必要性でありますが、これは現在戦災復興でやつております区画整理事業につきましても、特別都市計画法によつて置かれておるわけでありまして、この置かれておりますゆえんのものは、土地所有者なり借地権者から委員が選ばれるのでありますが、その選ばれた所有者なり借地権者の持つておるそれらの権利を転々と譲渡するということが、都会地におきましては、相当頻繁に行われたわけなんで、そのたびごとに欠員が生じて、欠員補充の選挙をやつてつたのでは非常に煩瑣になるという建前から、予備委員という制度を設けたわけでございます。  それから次に、リコールの場合なぜ全員リコールしなければならぬかというお尋ねでございますが、先ほど私申し上げましたのは少数の策動によつて委員の地位が不安定になると申し上げたのではなくて、委員の中には、少数者を代表する委員もあるんじやないか。たとえば八分の一なり十分の一を代表する委員もあるわけでありますが、そういう人は、リコールを濫用いたしますと、常に不安定な地位にあることになるわけでありまして、そのことを申し上げたのであります。
  44. 菊川忠雄

    ○菊川委員 そうしますと、予備委員というのがどうしても必要であるとすれば、リコールによつて一部の者がやめた場合には、これはやはり選挙によつて行うのであつて予備委員を繰上げるということはできないのだ、それ以外の資格を失つた場合においては予備委員の繰上げができる、こういうふうにおきめになることが合理的じやないか、そういうふうに考えるのですが、こういう点いかがですか。
  45. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 さようなことも、立案の過程におきましては考えてみたのでございますが、かえつて煩瑣になると考えまして、原案のような規定にいたしたわけでございます。
  46. 菊川忠雄

    ○菊川委員 先ほどからいろいろと伺つても、私どうしても納得行かないのは、どうもリコール趣旨からいつて委員の中で一人悪いことをした、それをやめさす場合に、他のそういうことがあつてはならぬと思つて内部で一生懸命努力し、あるいは闘つた諸君言で巻添えを食う、何か一種の連座制度であつて、逆に言えば、悪いことをしてもお互いがかばい合わなければならぬ、かえつてこういう弊害が多いのじやないかと思うどうも私ほかの例は知りませんが、一体リコール制でそういう例がどこかにありますかどうか。あつてうまく行つていれば別でありますけれども、大きな過失が委員の中にあつた場合には共同の責任であつてそういう場合には三分の一以上の者の要求があり、過半数の同意があれば、ただちに全員が辞職してそして委員の改選をやらなければならぬというのが、本来の趣旨ではないかと考えるのですが、どうも私ふに落ちないのです。これは、私ももう一度考えてみますけれども、御研究願わなければならぬ問題じやないか。せつかくのけつこうなねらいが逆になるのじやないかと思いますので、こういう点について、御研究をもう一ぺんなさる用意があるかどうか、この点を伺つておきたいと思います。
  47. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 リコール制度の立法例を見ますと、個人々々についてやる場合と、それから全体についてやらなければならぬと規定した場合と二つあるわけであります。たとえば、森林法の役員の改選請求につきましては、原則といたしまして全員について同時にしなければならないというような規定を設けておるわけであります。この規定趣旨は、おそらく私が先ほどから申し上げておりますような趣旨からであろうと思います。二つの制度が立法例としてあるわけでありますが、われわれとしては、この審議会委員につきましては、原案のような行き方が妥当であると今でも考えておるわけであります。
  48. 菊川忠雄

    ○菊川委員 その点は、私どもも研究させてもらいたいと思います。  第三の私のお尋ねしたい点は、九十三条の宅地の立体化、これは先般も村瀬委員が問題を提起しておられますし、今細野委員も仰せになつたのですが、建物の共用部分の共有持分をきめる、これは私もわかる。ところがその共有持分となる建物が建つておる土地の共有持分をきめる、これは実際上非常にむずかしいんじやないか。というのは、たとえば一階平面建でもむずかしいでしようが、いわんや、これが高層建築の場合むずかしい。たとえば、東京都住宅協会でやつておる例の渋谷の宮益坂の九階建か何かの大きな建物ですが、これは建てた後にそれぞれの部屋を売つたわけですから、建物の共有持分がそれぞれに所属いたしております。あの場合には土地は決して共有じやありません。公有であります。だから土地そのものはだれのものでもない。ただその上に建つておる建物が、それぞれ一画ずつ区切られて買われたわけであります。これならばわかるのであります。従つて区画整理をやる場合に、換地として個人々々が持ち寄つた土地をきめて、その上にこういう建物を建てたから、土地も持分がきめられるし、建物も持分がきめられるというりくつになるでしようけれども、実情においては、これはなかなかむずかしい問題だと思う。従つて換地をした場合には、こういう立体化の問題を解決しようと思うならば、換地の部分については、これは区画整理を施行するものか公共的な立場から所有したものである、都がやる場合においては、それは一種の保留地に準ずべきものである。その保留地の上に建てた建物については、そういう換地について所有権があつた人が優先的に共有持分を持ち得る、こういうことにしないと、実際上は換地の土地の持分を与えられたが、これは処分も何もできないものであつて、名目だけのものになる。従つてそういう場合には、共有立体化によつて解決される換地部分に対しては、土地の部分は換地という形で補償するのでなくて、それは別の金銭によつて経済的に補償してしまう。そしてそれを償うものとして、立体化されてできた建物の一部を優先的に持分と認める、こういう建前にすべきじやないか。これはどうも今の所有権というものをいろいろと法理的に掘り下げて行く場合に、おそらく非常にむずかしい問題が起るところであつて、そういう行き方も新しい時代には起るかもしれませんが、ここに踏み入れるならば、今までのそういう所有権の所在というものについて、十分にそれぞれの法務省その他と御研究をなすつておかぬと、ただこの法案だけで簡単に踏み入れるわけに行かない、私はこう思うのですが、それについての御研究はいかがでしようか。
  49. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 宅地の立体化につきましては、これはまつたく新しい制度でありますので、法務省の民事局とも十分打合せの上立案いたしたものであります。ただいま土地については共有持分を与えずに、公有のとつておいたらどうかというお話があつたのでありますが、それにはいろいろ事情がございまして、原案のような行き方にいたしたわけであります。というのは、一つには、区画整理によりましていろいろな既存の権利を動かすわけでありますが、その跡始末はできるだけ簡潔にしてしまいたい、かように考えたわけであります。たとえば、組合区画整理をやります場合には、土地だけを組合有として残しておきますと、いつまでたつて組合は清算の段階に到達できないわけでありまして、いつまでもあとに尾を引くということになるわけでありますから、既存の権利に対しましては極力権利を与えまして、施行者との関係を絶つてしまいたい、かように考えたわけであります。もう一つは、これをたとえば保留地にしてとつておくということにいたしますと、やはりそれぞれの個人に与えられる権利の価値は、若干でも下るわけであります。下りますと、同時にまた先ほど申しましたように、補償とか清算とかそういつた仕事があるわけでありますから、それの補償なり清算を通じまして施行の費用がかさんで行くということになろうかと思います。そういつた配慮から、土地は共有持分として権利者に与えて、それによつて事業を簡潔にしてしまうというふうな考え方をとつたわけであります。
  50. 菊川忠雄

    ○菊川委員 これは今この法案を通して事業を行うという立場から見れば一つの便宜的な方法としては、それも一つ方法じやないかと思う。それは十分に了解できる。だが、一面あとに非常にやつかいな問題が起る。というのはその共有の土地というものはもらつてはいるけれども、税金は、わけ方もむずかしいでしようが、とにかくそこに住んでいる人が話合いの上で納めて行く。けれども、いつまでたつても、これは自分の財産として処分ができない性質のものである。全員同意しなければ、担保にも簡単になり得ない。たとえば三階なら三階の人が、自分の地所はあの中の何坪あるんだと言つてみたところで、これはちよう。アパートの廊下とか共同便所と同じことであつて、処分すべき対象にならない。そういうものであるから、これは従来の意味でいう第三者に取引し得るという内容を持つた私有権ではなくなつてしまう。そこに問題があると私は思つている。このことをおやりになるについては、これが便宜の方法で今日の時代においてはこういうこともしなければならぬのであれば、これも一つの新しいけつこうな行き方であろうと思いますが、それに伴う不安については、何か十分納得の行く部内におけるいろいろな研究があり、また今結論を得ていないが、将来こういう方向へ進み得るというような見通しを持つているならけつこうなんですが、そういう心配をしているからお尋ねするわけです。
  51. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 土地の共有持分の譲渡性につきまして、菊川さんとわれわれの考え方とは、前提条件が違うと思います。われわれは。この土地の持分は、譲渡が可能であると考えております。上の建物とあわせましてその土地の持分を他人に譲渡するということは、将来ともあり得ることであります。譲渡を禁止いたしておるわけではないのであります。
  52. 村瀬宣親

    村瀬委員 私はまた資料なんですが、戦災都市の復興、区画整理の進行状態をこの次に出していただきたい。それは本法の施行によつて戦災都市の区画整理がどのような影響を受けるか知りたい。影響がないのなら、そんな資料を出していただく必要はありません。そこで、現に施行中の戦災都市の区画整理は、今後どうなるかという問題であります。これは本法第百十八条の第三項によつて定められる政令の内容によつて、著しき影響があると思うのであります。これは建設大臣から説明してもらわないと、政令で補助を何ぼ出すということの目的が一体わかるかどうか。これは現に進行中の戦災都市にとつては、かなり重大な問題であります。それと関係なしにこの法案を通してみても、現に進行中のものがとんでもない結果になつては困るから、その資料を知りたいために今要求しておるわけであります。戦災都市の区画整理が完了しておれば、そんな必要はない。これはきよう官房長で御答弁ができるかもしれませんけれども、時間がないようですから……。  その次は、今菊川委員お話なつた点でありますが、私も前会に、宅地の立体化というのは、非常におもしろい、いい思いつきだけれども、何か所有権の新たな形態が生み出されるのではないか、従来の所有権の観点とはかわつたものではないかということを尋ねたのでありまして、菊川委員と同様な感じを持つのであります。但し、その処分は、あなたのおつしやるようにできるでありましよう。そこで、それに関連した資料ですけれども、一体永小作権というものはどうなつているか、どこどこに建つているか。それから、最初に行われたものから今日まで、どういう処分ができているか。あれは困つた問題で、何とかあれを解消したいという問題が、高知あたりにあつたわけです。最初永小作権ができ上りまして、歴史が——非常にむずかしい問題でありますが、ああいう問題が今全国のどこどこに残つているか。最初にどれだけあつて、どこどこにどれくらいの面積があつて、その後どういう経過でどう処分したか。減つたはずでありますから、その資料を出していただきたい。これは宅地の立体化に非常に参考になる問題だと思います。  もう一つは、これも今菊川委員お話なつたものと関連してでありますが、審議会審議安貞のリコール制、これも私前会にお尋ねしたのですが、前会では全然原案の趣旨が間違いであると思つておりました。きよう政府委員の御説明を聞いて、一点だけなるほどと思う点もあるのであります。この条文に現われている通りでありますならば、リコール制を置いても、まつたく実施はできません。一人、二人悪い者をリコールしようとするときに、全部やめさせられるとすれば、菊川委員のおつしやるように、共同して防衛に当ります。でありますから、一人、二人悪くても、自分たちもやめさせられるならば、その悪いことをした人をかばうような立場になります。そういう意味では、全然あつてなきがごとき状態である。ただ一つ政府委員の御答弁の中に、少数権利者の保護をせねばならないという御答弁、これは非常に重大だと思います。それは最初はばらばらで、みなが自分たちのめいめいの利益を代表した委員を選ぶでありましようが、進行の過程において意見が二つに対立して来た場合——どうも甲と乙とが反対するために、われわれの意見が通らない。だから甲と乙とをのけてしまえば、その問題はうまく行くんだ、こういう意見が対立した場合に、甲と乙とをのけるために、一つのグループというか、いわゆる党派根性が二つにわかれた場合に、その少数意見を抹殺してしまうというようなことも起り得るであろうということを心配してのこのグループ制のリコールだというならば、私は非常に特殊な例ではありましようが、そういうことは非常に心配になつて来たわけであります。けれども、その特殊の場合のために全然法文が死文化してしまうことは、せつかくの思いつきがむだになることでありますから、私は菊川委員のおつしやる通り、一人、二人でも、独立して個人についてのリコールが十分できる方法を講じておいて、そのまま予備員を上へ上げてもよいと思うのであります。その際になつてまた選挙をやり直しますと、やはりその派の人を出すでありましようから、最初から予備員をきめておけば、どの党派の予備員かわかりませんから、補充する場合にはその予備員がいいかもしれません。それはそうしておいて、別に少数意見を大勢の力で抹殺して、自分たちの野望を達成しようということを防ぐ方法を一箇条設けておくということにしましたならば、りくつは通るのでありますが、そうではなくて、特殊な場合を心配のあまり、全体ができないようにしてしまうことは、せつかくよい思いつきを死文化してしまうのでありますから、その点は意味をなさぬと思うのでありまして、これは資料の要求にはなりませんが、一応お考えおき願いたいと思います。
  53. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 ほかのことは次会に譲りますが、一つは、今村瀬委員からも触れられた百二十一条の補助金、百十八条の費用の負担の問題で、現行法との関係がわからないので聞いておきたいと思う。現行法の解釈という問題であります。御承知のように特別都市計画法の第四条では、都市計画法の第六条の規定適用することになつている。なお都市計画法の第六条の二では「政令ノ定ムル所ニ依リ国ニ於テ其ノ二分ノーヲ負担ス」となつております。さらに特別都市計画法施行令の第九条には、さつき細野委員が言われましたように、いろいろの項目にわけて補助の率を定めてありますが、このつながりが、どういうふうになつているか、わからないので、説明をしていただきたいと思います。
  54. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 このつながりは、実は複雑になつておるのでありますが、特別都市計画法の第四条によりまして、費用につきましては都市計画法の第六条及び第六条の二が適用になつておるわけでございます。それはただいま御指摘の通りでございます。都市計画法の第六条の二によりますと「国ニ於テ其ノ二分ノ一ヲ負担ス」ということになつておるわけであります。これを具体的に書いたのが、特別都市計画法の施行令でありまして、施行令の九条では補助に切りかわつておるわけであります。実は都市計画法の第六条の政令というものは、現在定められていないのでありまして、現実には負担と同じような作用を持つておる補助でやつて行こうということであります。補助にあたつて施行令の第九条で補助か行われておる、さようなことになつております。
  55. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 これはわれわれも非常に怠慢で、よくわからないのかもしれないけれども、今申し上げたように、都市計画法の第六条の二には、明らかに「国ニ於テ其ノ二分ノ一ヲ負担ス」とある。それを適用した法律の、しかもこれは昔は勅令でありますが、今でいうと政令になります。それをかつてにかえてしまつて——これは内容は一々申し上げませんか、補助の額を四つの分類にわけてあるのですが、これはどういうことなんですか。いまさら言うのもおかしいけれども、この法律改正するにあたつて聞いておきたいのは、法律で二分の一ときめておいて、政令で十分の八以内だとか四分の三以内だとか、あるいは三分の一以内だとか三分の二以内だとか——法律で二分の一以内とか十分の八以内というのなら別でありますが、二分の一ときめておるのを、政令でいろいろなふうにわけてきめてあるのかわからないのです。今度整理された法文関係して来るわけですが、それはどういうふうにお考えになつておりますか、法律的に伺いたい。
  56. 鶴海良一郎

    鶴海説明員 都市計画法の六条の二で、国が二分の一負担するということになつておるのですが、これは政令の定めるところにより負担するということに規定されております。ところで、この政令は、大蔵省当局と話合いがつかない面がありまして、実は定められていない状態になつております。従いまして、われわれとしましては、政令がなくて負担をすることができなくなります関係上、財政上の補助という手段によりまして、これにかわるべき手段を講じておるわけであります。
  57. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私はこの間も冒頭に、法律をつくつても、それを正しく運用しなければならぬということをいろいろ申し上げたのでありますが、これは実に驚くべきことだと思うのです。法律で二分の一ときめておいて——これはあなた方を責めるのじやないのです。法律をつくるときに、われわれはこういうことを考えておかなければならぬから言うのです。しかし、先ほど細野委員も言われたが、法律を全然実行しておらない。これは政令の定めるところによりというのは、ただ補助の手続などを政令で定めるのであつて、補助の額といいますか、国の負担は三分の一とちやんと法律できまつておる。政令というのは、その手続の規定をどういうふうに申請するかということをきめるだけであつて、それがなければ堂々と二分の一を予算に組んで補助しなければならない。ところが別の法律、いわゆる政令でいろいろなことを書いていて、今申し上げたようなことになつておるのですが、これはきわめて奇怪千万です。これは今まで怠慢であつたといえば別であります。いまさらこれを取上げるのじやないのですが、こんなでたらめなことを政府がやつておる。大蔵省云々と言われますが、それで私どもは大蔵省を毎日のようにつるし上げをいたしておるのであります。法律をつくつておいて法律を行わないということはけしからぬ。これはあなた方を責めるのではないが、私はわからなかつたので、さつきから私の考え違いかと思つて頭をひねつておりましたが、実際そうなつておる。百二十一条には「二分の一以内」と書いてある。私はこれを取上げるわけであります。現行法では二分の一とはつきりきまつておる。なぜこれを申し上げるかというと、今度の一兆円予算で各種の補助金整理の法律案をつくつて、非常にもめておる。特にそういう行政庁によつて左右されるような法律は、できるだけつくらないようにしなければいけないというのが、根本の問題であると考えておる。しかし、一兆円予算を通した以上、とやかく言つてもしかたがないので、各党が話合いをして、この臨時立法は二年という期限をつけることで話合いをつけて衆議院を通過した。それほど重大な問題である。ところが新しく政府が出されたこの法律案には、現行法には二分の一と明定されておるのに、さらに二分の一以内にされたことはおかしいので、これはどういうわけかということをお尋ねしておるわけであります。これはひとつ政務次官から御答弁を願いたい。
  58. 南好雄

    南政府委員 お答え申し上げます。突然参議院の委員会に呼び出されて中座しておりましたために、問題の内容を的確に把握しておらぬのでありますが、ただ一般的の問題といたしまして、承りました程度で御返事申し上げては申訳ないのでありますが、あとでよく確かめまして次会に御返事申し上げますとして、承りました程度で御返事申し上げるといたしますならば、間間そういう事例があるのでありまして、法律がありましても、政令がないために、そういうことが実行できないという前例は確かにあると記憶いたしております。しかし、今後法律を新たにつくり直す際におきましては、実体と法律とがほんとうに合致いたしますようにいたしたい。またそうすることによつて法律が正しく運用されて参ります関係もございまして、二分の一以内というような言葉でやつたのであろうかと存じます。しかし私は、この点につきましては、いろいろな観点がございますが、立法府が補助などを二分の一というふうに——従来は二分の一以内とか予算の許す限度とかいう言葉法律ができてしまつて、あとで政府の都合で補助率を引下げたりするようなことは、戦前の法律では常態であつたのですが、戦後の法律につきましては、そういうことは不明確な結果になるというので、補助の率などは明確に法律で明定する方針にかわつて参りました。私個人の見解といたしましては、その方が正しいと思います。そういうふうにやつて行きたいと思つておるのでありますが、たまたま本年の一兆円予算というような突発的事情がございまして、その間におきます調整上、当分の間二分の一以内というふうに補助金等の特例に関する法律には当分の間という言葉があるので、当分の間が済めばもとの状態に返るということで、一応納得したようなわけであります。今度のこの法律案につきましては、まことに申訳ございませんが、私そこまで気がつきませんでしたが、二分の一以内という意味は、補助金等の特例に関する法律と同じ趣旨で事務的に二分の一以内ということにおそらくしたのではないか。これには当分のうちがないから、私の言いますことが論理一貫しないのでありますけれども、事務的折衝の段階におきましては、戦前の法律のように、以内とか限度内という言葉を入れて、そういう場合における立法府の措置を合法化しようという趣旨で、そういうふうになつたのだろうと私考えております。しかし、立法府におきましてそういうふうな御意見がございますならば、これは委員会におきまする決定に従うよりほかない、こういうふうに私としては考えております。
  59. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 今政務次官の言われたことは、ちよつと的がはずれておるかもしれぬからという前提であつたので、けつこうでありますが、百二十一条は、前の都市計画法の第六条の二に該当するものであります。都市計画法の第六条の二は、法律で二分の一を国が負担すると決定されておる。そこでこの問題は過去の事件でありますけれども、どういういきさつで都市計画法の施行令によつてこうされておるか。今、政令が出ておらないからこの法律が実行できないというのは、議論になりません。これは百十八条の場合は、政令でなければ実行できません。政令で定めるところによつて費用の一部を負担すると、こうあるのですから、その政令で負担の率をきめなければいけないわけであります。しかし、都市計画法の第六条の二は、そんなことはいらないのであつて、ちやんと二分の一は国が負担すると決定されておる。それを政令で二分の一を三分の一にしたり、あるいは三分の二にしたりすることは、絶対に不可能なんだ。ところが政令というものは何も負担額を決定するものではなくて、その手続を決定するだけのものである。それがあろうがなかろうが、負担率はきまつておるのであります。その点は追究しませんが、なぜこうなつたか。これは立法と行政の大きな問題でありますから、次の機会に文書によつて、今日までのここに至つたいきさつをこの委員会に示していただきたい。
  60. 南好雄

    南政府委員 なお念のため、一応私釈明させていただきたいと存じます。私の申し上げましたのは、法律で、瀬戸山さんのお言葉の通り、二分の一とするというのを、政令で三分の一にするとか四分の三にすることは、これは法律の委任せざることを政令で出すことのできぬことは当然でありますから、私はそれはそういうことをきめましても、違法な規定であつて間違つておると思う。御指摘の通り、その政令は二分の一の金額を支給するその手段、方法等をきめる政令だと私も考えております。しかし、その手続なり方法をきめる政令がない場合には、違反をせずして法律が実施できないという状態が出て参ります。こういう実例が戦前におきましてはありましたと申し上げております。  それから都市計画法の第六条の二と申しますのは、先ほど私勘で申し上げたのでありますが、戦後の改正による規定だそうであります。終戦後においては、何々以内とか限度とかいうようなあいまいな言葉は避けて、国の補助とか国の分担とか申しますものは、これを明確にするという方針のもとにおいて、二分の一というふうになつたのだと記憶しております。しかし、それがいろいろな財政状態の都合によつて、財務当局自体としては非常に困る場合が往々にして起ることもまた事実であります。そこで戦前のように弾力性を持たせて最高限を法律できめて、財政状態によつてこれをやつて行くというような希望が、たまたま一兆円予算を編成する際に財政当局の方から強く要望せられまして、補助金等の特例に関する法律案を御審議つたことは御承知の通りであります。しかし私一個の個人的見解としては、これははつきりした方がよいと思つております。しかし、これは私個人の見解でありまして、政府全般の事情から申し上げますならば、戦争前におきましてそういう法律もあつたのでありますから、その点はやむを得ないものとして、私としても同意したようなわけであつたのでありますが、今度の場合も私が今申し上げましたような事情で、おそらく二分の一以内という規定なつたのだ、こういうふうにこの規定のできた経過を私推測して御返事申し上げたようなわけであります。なお御要求がありましたので、次会までには文書で明確にその間の事情を御回答申し上げる次第であります。
  61. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 二分の一以内という見解で提案されておることを責めるわけではありません、よいか悪いかは委員会決定いたします。二分の一ということで決定されている法律を実施しないで今日に至つたそのいきさつを、文書で本委員会に示していただきたい。すべての法律法律通りに施行されないことは、意味のないことでありますから、その施行されなかつたゆえんを、ぜひ文書によつて示してもらいたい。それによつてすべての法律をつくるときの心構えをきめなければなりません。それだけ注文して本日は終ります。
  62. 久野忠治

    久野委員長 残余の質疑は次会に譲ることといたします。     —————————————
  63. 久野忠治

    久野委員長 先ほど設置することに決短いたしました水道に関する小委員会の小委員及び小委員長選任につきましては、委員長に御一任願つたのでありますが、小委員には    内海 安吉君 岡村利右衛門君    瀬戸山三男君  田中 角榮君    佐藤虎次郎君  堀川 恭平君    松崎 朝治君  赤澤 正道君    村瀬 宣親君  中島 茂喜君    志村 茂治君  山田 長司君    菊川 忠雄君  細野三千雄君    只野直三郎君  小委員長には田中角榮君、以上の諸君をそれぞれ指名いたします。  本日はこの程度にて散会いたします。    午後零時四十七分散会