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1953-11-04 第17回国会 参議院 大蔵委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十一月四日(水曜日)    午前十時五十六分開会  出席者は左の通り。    委員長     大矢半次郎君    理事            西川甚五郎君            小林 政夫君            菊川 孝夫君            森下 政一君    委員            青柳 秀夫君            岡崎 真一君            木内 四郎君            藤野 繁雄君            松岡 平市君            山本 米治君            土田國太郎君            三木與吉郎君            野溝  勝君            松永 義雄君            平林 太一君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省主計局主    計官      小熊 孝次君    大蔵省理財局長 阪田 泰二君    農林省農業経済   局農業保険課長  久宗  高君   参考人    参議院農林委員    会農業災害補償    制度に関する小    委員長     松浦 定義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○租税金融制度及び専売事業等に関  する調査の件  (株主相互金融に関する件) ○農業共済保険特別会計歳入不足  を補てんするための財源措置等に関  する法律案内閣送付) ○昭和二十八年度における特別鉱害復  旧特別会計交付金支払財源に充  てるための資金運用部からする借入  金に関する法律案内閣送付)   —————————————
  2. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) これより第三回の大蔵委員会開会いたします。  租税金融制度及び専売事業等に関する調査議題といたします。先ず株主相互金融に関する件につきまして、先般皆様から御承認を得ておりました参考人といたしまして、全国相互金融協会理事長宮本平八郎君及び同常務理事大西静雄君の両君が出席しております。これより参考人意見を聴取いたします。  なお、祕密会にいたしたいと思いますが御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それでは秘密会にいたします。    午前十時五十八分秘密会に移る
  4. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記をとめて下さい。    午前十時五十九分速記中止    ——————————    午後零時三十五分速記開始
  5. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記を始めて。これにて秘密会を終ります。    午後零時三十六分秘密会を終る
  6. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) それでは暫時休憩いたします。    午後零時三十七分休憩    ——————————    午後三時十七分開会
  7. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 午前に引続きまして委員会を開きます。農業共済保険特別会計歳入不足を補てんするための財源措置等に関する法律案議題といたします。  本件につきまして去る二日小林委員から御要求がありましたので、本日農林委員会農業災害補償制度に関する小委員長松浦定義君を参考人として御出席を願いましたから御質疑を願います。
  8. 小林政夫

    小林政夫君 御出席を求めた趣旨を小委員に呑込んでもらつてお答えを願いたいと思いますが、もう一度繰返しますと、農業共済保険の問題については地方農民のいろいろの批判もあるし、又我々殆んどの国会の都度といいますか予算審議の都度、この歳入不足補填の問題を取上げたというようなことで、これについては相当抜本的な検討を要するのじやないかということを痛感しておつたのであります。農林委員会においても、そういう見地から小委員会を設けて折角検討中であるということを承わつておりますので、今この保険制度そのものについての御検討がどの程度のところまで進んでいるか、又改正方向等についてはどういうふうな御見解を持つておられるのかということを承わりたいと思います。
  9. 松浦定義

    参考人松浦定義君) 只今農林委員会から、本年の冷害に伴いまして、共済金一般冷害対策のほうに四十五億今回繰入れられましたので、その補堀につきまして本委員会にその措置を御承認願うための法案が提出されておる結果、只今小林委員からの御要求によりましての御意見でありますが、御承知通り農業災害補償制度が数年前から実施されまして、今日現在におきまする段階を以ていたしましては、末端農民は非常に不満の点が多いというようなことが最近非常に強くなつて参りまして、本年の第十六国会におきまして特にこの問題が強くなつて参つたのであります。従つて政府がその当時家畜共済の一元化の問題を取上げまして、そうして一部修正を実は農林委員会にかけられたわけであります。そういう空気が出ております時に、一部修正をやる場合においては、全面的に改正する段階にあるから、これらにおきましても検討の要があるというようなことで、一応この問題審議のためには衆議院のほうとの関係もありますので、協議をいたしましたところ、衆議院のほうにおきましてもこの問題はどうしても抜本的な改正の要があるというので、只今委員長からお話のありましたような農業災害補償制度に関する特別小委員会というものを実は設けたから、参議院のほうにおいてもそれを設けて、両院会議の上で結論を出すことにしたらどうか、こういう申入れがありましたので、参議院におきましても只今のような小委員会を設けたのであります。その時に今申上げましたような家畜共済の問題は特にこれは疾病障害等の問題が非常に大きく出て参つておりまして、死亡、廃用との一本化ということを政府が提案したのであります。併し今申上げましたように、若しこれをやるという場合には抜本的な改正の要があるのじやないかということを前提としてはおかしいのじやないかということがありましたが、実はこの問題は相当前から問題になつておりまして、とにかく試験段階としてやつてみたいと、こういうような形から、これを認める際に、実は両院の小委員会協議会におきまして、農林大臣も将来農業災害補償制度に対しては、両院の小委員会の考えておられるように抜本的な改正の要ありと認めるので、この際この問題についてはこうして頂きたいというような御発言等もありまして、実はそれを了承いたしたいのであります。従つて、この災害補償制度に対しまして、どういうふうに扱うかということから、今日まで休会中も二、三回継続審議として審議をいたしたのでありますが、いずれにいたしましても非常に広汎多岐に亘る法案内容でありますと同時に、その取扱は慎重でなければ末端農民が非常に迷惑するのじやないかということから、多く意見を聞く意味におきまして、実は三重県の農政食糧課長奥井亮三郎氏等の意見も徴しまして、いろいろ今日まで検討を続けておるのでありますが、まだ今日ここで結論というものを御報告するに至らないのであります。従つて、まあ大体の方針といたしましては、現在やつておりまする農業災害補償法を適用いたしましたのでは、例えば掛金に相当する以内のものしか実際問題として農民個々の手に渡らないといつたような、そういう点も非常に多いと同時に、甲地帯はいつも掛けつ放しであつて乙地帯はその逆でいつも受ける地帯であるということから、農民個々の間にもいろいろ議論がありますこと、又現在の食糧重要度から考えまして、米麦に対しましては強制加入でありますが、この強制加入に対しましても、現在自家保有しか生産しない例えば二、三反程度のものまで強制加入をさせてやる必要のほどのものでもないのじやないか、国が補償する場合においては、そうした小範囲なものは、或いは必要であるならば町村単位として別な共済制度、或いは又保険制度等も考えられる。従つて国が行う場合には、もつと大きい点だけを取上げてやることにして、而もこれは強制でなく任意でやることが好ましいのじやないか。従つて全額これは国庫負担にするといつたような、一面申しまするならば社会保障制度的な形にすることがいいのでないか、まあこういうような空気の中に今それぞれ検討いたしておるのでありますので、甚だ今日まだ、折角御要請かありましても、現段階においてはこの程度のことであるということを先ず御了承を願いたいと思います。  なお、今回はこちらに四十五億というものの歳入補填の御協議段階といたしまして、できれば当時は本年度実施段階においてもこういう事態がある場合においては、何とかそういう点にも間に合うようなことも必要でないかとい意見もありましたが、なかなかこの問題はそう急速に結論が出せないという意味から、本年度のこの問題につきましては、私ども農林委員会といたしましては、いろいろ冷害対策を扱つておる関係から、今度の総額におきまする七十億の冷害対策費では到底賄い得ない、そういう意味合から百十五億というような線に同意をいたしておるのでありますので、この四十五億というものは、百三十億という政府支払金額に対しましての当然これは義務があります関係から、当委員会におきましては是非この点につきましても、私ども農林委員会が今主張しておりますような線に是非協力を願いますことが、今申上げましたような農業災害補償制度を抜本的に改正をする段階としては、当然でなかろうかというふうにも考えておりますので、この点を御了承を願いたいと思います。
  10. 小林政夫

    小林政夫君 まあ今承わつたよう段階のようでありますから、その間にいろいろ御研究になつてつて、いろいろな基礎資料もあるだろうし、御準備になつておる資料等を頂いて、今後の我々の本件に対する考え方を固める参考にしたいと思います。お差支えない範囲で御収集の資料を頂ければ有難いと思います。
  11. 松浦定義

    参考人松浦定義君) 只今小林委員からの御要求になりましたいろいろの資料につきましては、できるだけ早くまとめまして、当委員会のほうへも参考資料として提出いたすようにいたしたいと思います。
  12. 松永義雄

    松永義雄君 資料のことですけれども、共済基金で前に相当揉めたですがね、共済基金を作る時に……。それはどの程度行つておるのか、是非農林省から求められて、こちらに一緒に送つて頂ければ結構だと思います。農林省に請求すべきかも知れませんが、ついでに一つ……。
  13. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) ほかに松浦君に御質疑ありませんでしようか。   —————————————
  14. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次に昭和二十八年度における特別鉱害復旧特別会計交付金支払財源に充てるための資金運用部からする借入金に関する法律案議題といたしまして質疑を行います。
  15. 小林政夫

    小林政夫君 前のほうと両方に関係するわけですが、前回の時に資金運用部資金資金繰りですが、最近の資金状態特に資金源の、それから当初二十八年度予算参考資料としてもらつた資金運用部資金の使途もその後において多少変つているのじやないかと思われるし、又この補正予算とも関係して資金源について変更があるのじやないかと思いますので、是非詳細を理財局長から一応説明して頂きたいと思います。
  16. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) この資金運用部資金運用計画につきましては、当初本年度予算が成立いたしました時に、それに伴いまして資金運用部のほうとしても運用計画を定めておりました。それは御承知のように総額といたしましては千五百八十億の運用計画でございました。それに対しまして内容といたしましては、特別会計に対するもの或いは政府関係機関に対するもの、地方債、その他いろいろございますが、ともかく千五百八十億円、それでそれに対する財源といたしましては、いろいろ預託金その他の増加を認めますほか、財源不足いたしますので、当初の計画におきましても百八十一億円の国債の売却を見込みまするほかに、前年度から百九十九億円の繰越金を残して参つたのであります。それが年度末には百二十六億に減少する、七十三億減少するといつたような、かなり一ぱい一ぱい計画を立ておつたのであります。ところが今回災害関係によりまして、いろいろと又追加需要が起つて参りましたので、その関係検討いたしました結果、今回の補正予算に伴いまして、災害関係等といたしまして先ず地方債におきまして百八億円の追加引受けをすることにいたしました。この百八億円は大体内訳で申しますると、八十三億が今回の災害関係ということになつておりまして、二十五億は、実はこの前の国会の時に老朽校舎、六三制の校舎等につきまして二十五億の地方債の枠の増加が認められたわけでありますが、それがその当時におきましては資金運用部のほうの起債引受け計画がございませんので、一応公募ということになつておりましたが、これも今回資金運用部引受けに振り替えました。それが二十五億、合計いたしまして百八億、こういうことになつております。  それからその次に、これはまあ予算のほうにも関係して来るわけでありますが、一般会計予算におきまして、特定道路事業特別会計に十五億の繰入れをいたす予定になつておりましたのを、今回の予算財源にするために、これを資金運用部のほうで負担することにいたしました。ただ資金運用部といたしましては、他の公共事業等と同様にこれを或る程度節約いたします関係も考えられまして、十二億九千万円を資金運用部としては特定道路事業特別会計に貸付けることにいたしております。  それから、特別鉱害復旧特別会計でございますが、これはこの委員会にも法案がかかつておりますが、特別鉱害関係災害によりまして、特に緊急に復旧を要する資金に充てるために、資金運用部からこのほうに一億二千万円だけ貸付けることにいたしております。合計いたしまして百二十二億の資金を新規追加運用することになるわけであますが、これに対しまして原資のほうの増加を見ますと、郵便貯金が、大体年度初めの計画におきましては七百二十億円の増を年間に見ておりました。これが大体上半期でその約半額をもうすでに増加しておるのでありますが、毎年下半期上半期よりも増加額がやや多いというのが毎年の趨勢でありまして、上半期だけで半額達成いたしましたので、下半期には、これはかなり郵政省のほうにも御努力を願うつもりでおりますが、下半期におきましては六十億の、更に計画以上の増加があるというふうに考えまして、それで六十億。それからその他のいろいろの預託金増加の見込みが一括いたしまして十五億、それから回収金予定以上に増加いたしますのが二十三億円、合計いたしまして九十八億の原資増加がまあ現在のところは見積られるわけであります。それで百二十二億と九十八億との差が二十四億だけが財源として不足いたしますので、これは先ほど申上げました前年度からの繰越金を更に二十四億だけ食い込むと、只今計画では来年度に持越す年度末の余裕金は百二億になる。こういうような見通しを立てておるわけであります。なおこれはいろいろ御承知のように、今回災害関係復旧割合現在の三百億円の予算では大体二割程度の復興ができるわけでありますが、これを三割達成せしむるために必要な融資実情に応じて資金運用部からするというような三党協定等もございまして、そういうようなものも将来資金余裕をできるだけ捻出してやるという必要があるわけであります。  なお、そのほかに国民金融公庫その他いろいろそういう方面で資金需要が多少起つております。これらにつきましてはなお今後の資金増加状況と睨み合せまして、更に追加して何かの計画を決定しなければならないと思いますが、現在のところまだその辺のところを見通しを立てて、はつきりした計画を出し得るという段階になつておりません。さような状態でございます。
  17. 小林政夫

    小林政夫君 後期繰越しが今の説明されただけの支出で行つて百二億になる。で、まあ結局食い込みが九十七億、前年度繰越しに対する食い込みが九十七億、今度の農業共済保険特別会計歳入不足を補填するについても、農林省から出されておる資料によつて手当額が七十億円、それでこのうちその資金運用部だけでは恐らく受け切れないじやないか、他の金融機関一般金融機関等協力も求めなければならないのではないかと思われるのですが、それだとかいろいろ災害対策費が少いということになると、起債で行くのだということが今まで説明されておる。この資金運用部余裕としては殆んどこれ以上は引受けにくいというような状態ではないかと思いますが、もうどのくらい引受けられますか。あなたのほうで百二億使つてもいいということになると、百二億使つてもいいということになるのですが……。
  18. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 資金運用部は御承知のように五千億以上の金を廻しております。資金増加といいましても、これは順調に増加するわけではなくて、時期によつて増加する時期もあり余り増加しない時期もあるという状態です。それから運用のほうにおきましても長期の運用をしておりますほかに、地方団体その他に短期の繋ぎ融資起債もありまして、いろいろ工面をいたしておるわけでございます。そういう関係資金源をつけます上におきましても、どのくらいの余裕金資金運用部としては用意しておれば確実であり健全であるかと言えば、これはいろいろ考え方見通しの仕方によりましてきまるかと思います。大体従前は百五十億くらい繰越金がなければ、先ず先ず不確実といいますか堅実なやり方ではないというように、まあ一応の目安を置いて私ども考えておりましたので、まあ今年度は非常に資金需要が多いということで、いろいろとできるだけ資金のそういう収支の計画等の堅実といいますか、できるだけ円滑なやりくりをつけることにいたしまして、百二億程度は何とかやれるのじやないかと、何とかまあ現在考えておるわけでございます。まあ非常にそういうような災害復旧等で非常な金が要る。こういうような事態でなければ、資金運用部だけの立場から申しますれば、もう少し余裕金というものを持つて行きたいというようなことでございます。
  19. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、農業共済保険特別会計歳入下足を補填するのに一般会計から八十五億円入れただけでは、農林省の見積りでは先ほど言つたように七十億下足することが予想される。これはちよつと資金運用部だけでは引受けかねる、こういうことが言えるのでございますか。
  20. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) これは甚だ遺憾ながらそういうことを申上げざるを得ないのでありまして、資金運用部としては、先ほど申上げましたように、只今きまつております計画以外に、災害復旧工事を本年度内に進行するものについては、実情を調べて百五十七億円の範囲内で、できるだけのことをしたい、こういうように考えておりますので、今度の資金増加が予想以上に殖える、資金繰りが何とかつくというようなことになりますれば、やはり尤ず百五十七億円の範囲内で災害復旧工事、殊に防災というような非常に緊急を要するものに先ず出して行かなければならないのじやないかというふうに考えておりますので、どうも現状ではどうしても農業保険のほうまでは手が廻りかねる、かように考えておりまして、こちらのほうにつきましては、やはり農業共済組合連合会のほうで市中等から資金を調達して賄つて頂く、こういう方法を考えて頂くほかはないのじやないか、資金運用部としてはそういう状態になつております。
  21. 野溝勝

    野溝勝君 一つ聞きたいのですが、先ほど理財局長さんの話によると、資金運用部国民金融公庫資金確保も相当当てにしておるようでございますが、大体どのくらい予定されておりますか。
  22. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 国民金融公庫関係でございますが、これにつきましては、実はまだどの程度追加融資をする必要があるか固まつていないわけでございますが、実は過去におきまして、七月の災害或いは十三号台風、いろいろそういう災害の機会におきまして、国民金融公債災害地におきまして特別に別枠融資ということをいたしましたわけであります。それが又国民金融公庫関係は非常に成績がよくて、大体予定されたほどの額は貸出ができておるわけであります。その結果、国民金融公庫といたしましては、一般貸出資金、殊にこの年末を控えまして、このまま年末貸出資金にしておきますると、災害関係に食われたために年末にちよつと資金不足を生ずるというようなことが考えられて参りますので、間接の災害関係のようなことになりますが、その程度の分だけはやはり補填して行かないと、国民金融公庫が年末にどうもその使命をうまく発揮することができない。こういうふうなことになるのじやないかというふうに考えておるわけであります。
  23. 野溝勝

    野溝勝君 どうも私呑み込めないのですが、先ほど資金運用の点について同僚小林君から質問のあつた際に、郵便貯金のほう並びに国民金融公庫資金確保をしたいというお話があつた。それで、実は今聞いたのですが、今局長の言われるごとく、国民金融公庫の利用というものは非常に大きいのであつて、又実際これほど金融内容と言いましようか、性格と言いましようか、期待されておる金融はない。それだけにこの国民金融公庫の活動並びに能率というものは、私はうんと上げてもらわなければならないと思います。だからいつも国民金融公庫関係法案など出た場合には、この大蔵委員会は殆んど全会一致です。こういう必要に応じて、より以上の財源を我々に要求しておる際に、これから資金を又割いて行つて廻すということになると、国民的にその生活がますます窮迫して行くのじやないか。こういうようなことについて、一つこれから資金を融通するとか、取上げるということは私は反対なんです。この点を局長はどう考えておられるのですか。
  24. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 御説の通りでありますわけでありますが、この災害関係分は、先ほど申上げましたように別枠融資というようなことで、災害地に特に集中して国民金融公庫でも力を入れて貸出をしましたわけで、それが今出ておるわけであります。それで現在も国民金融公庫としては資金繰りがついておるわけであります。ただ年末に差しかかりまして、年末に非常に中小業者その他庶民階級資金需要があるという時に際しまして、いろいろ資金見通しを考えますと、現在の計画されておる資金量では足りない、こういうようなことを国民金融公庫では見通しを立てておるわけであります。結局その原因を考えてみますると、災害関係大分年末にとつておくべき資金使つてしまつたというような関係になると思いますが、従つて、これから資金運用部資金状況等を見まして、そういう時に間に合うように追加を考えて行く、こういうことで申上げたわけであります。
  25. 野溝勝

    野溝勝君 これはあなたに言つても仕方がないようなものですが、予算衆議院を通過いたしまして誠に情けないと思うのですが、実際国民金融公庫性格というものは、零細な庶民階級を対象にした金融機関ですが、これが災害復旧のほうに出すのもいいけれども、庶民金融機関の最高五十万円、一般には五十万円で頭を抑えておいて、そうして完全なる融資もできない、そうして増額しなければならんという際に、年末前に災害復旧にごそつと持つて行つてしまつたのでは、あと実際庶民金融機関というものはまるで何もなくなつてしまう。そういうことに対して、一体政府は一時の糊塗装策と言いましようか、切り抜け策として資金流用或いは運用によつて、この財政的措置としようとしているのですが、こういうことに対して、どうも局長などは実際よく知つておられるのですから、無理だなと思つて大蔵大臣に何とか相談をせられたことがありますか。この辺はあなたを追及してもしようがないから言わなかつたが、ざつくばらんに言つて頂きたいのです。これは速記をとめておいてもいいです。
  26. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど来の御説明ちよつと不行届であつたと思うのですが、災害関係に廻しましたと申しますのは、これは災害地中小工業者、その他の庶民階級に特別に融通したわけであります。そのほうはやはりそれで緊急の必要のあるものでありますから、そういう方面に国民金融公庫としては特別に活動をしたのであります。そのために毎年の例でありますが、年末に非常に資金が要る場合に資金量不足になつて参りますので、それをこれから補填いたすために資金運用部資金繰り等を見まして、余裕を捻出して追加運用を決定をいたそう、こういう運びになつておるわけであります。国民金融公庫資金を充実して、これをせいぜい活用させるということは、これは勿論御承知通りでありまして、これは大蔵大臣も十分御承知になつておりまして、従いまして、その辺のところは今回は災害関係ということで、地方債追加その他が主になりましたわけでありますが、勿論引続いてその方面に十分打落ちのないように考慮いたすつもりでございます。
  27. 野溝勝

    野溝勝君 それでは災害地に対する資金融通をこの枠の中から過分に考えて過分に処置したと、こういうふうに解釈してよろしいですね、そういう解釈ですね。そうすると、大体国民金融公庫には全体の額がきまつておるわけですが、そうすると、それを全国的に各府県にどのくらいという配分計画もきまつておるわけですか。そうすると、こういう災害の問題が起つたその面に多くそれを配分するということになれば、ほかのほうは結局どうなるのですか。
  28. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 国民金融公庫で実際地域別に枠をきめて配分しておるかどうか。その点については詳しいことはちよつと存じませんが、とにかく災害関係につきましては、やはりそういう特殊事情、緊急災害地中小業者等がそういう災害の復興等のために至急に金が要るという点から、そのために国民金融公庫に対して国から出します資金の枠を殖やさないうちに、特に早く出してもらつたわけでありますから、やはりあとからそれを出した分だけは埋め合せをつけるという必要があろうと考えておるわけであります。そういう意味で先ほどから申上げておるわけでありまして、ほかの資金を食つてしまつた、災害地災害地以外のものを食つてしまつたと、こういう結果にならないように処置したいと考えておるわけであります。
  29. 野溝勝

    野溝勝君 そうすると、それは次の通常国会乃至は補正予算を以てこれを解決しようとしておるのですか、そこの考えはどうなんです。
  30. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) これは資金運用部資金といたしましては、運用審議会に諮問いたしまして追加運用が決定できるわけでありますが、その限りにおいては次の国会を待たずにもできるわけでありますが、ただ国民金融公庫政府機関としての経理との関係もありますので、大体次の国会早々にそういう計画の変更を確定すると、こういうことになつておるのであります。
  31. 森下政一

    ○森下政一君 今の野溝さんの質問に関連してですが、この災害関係国民金融公庫の枠を、緊急を要するので転用したというのは十六億のように聞いておるのですが、そうですが。
  32. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) さようでございます。
  33. 森下政一

    ○森下政一君 そうすると、今のお話を聞いていると、これは次の国会を待つまでもなく、運用資金運用についての審議会か何かあつてそこできめれば、又資金運用部のほうで余裕があれば、十六億そのまま補填する、そうして年末金融に支障を来たさないようにする考えである、こういうことですね、あなたのおつしやつたことは。そう解釈してよろしいですね。
  34. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) これは資金運用部といたしましては、大体資金のほうの見通し等もつきますれば、計画としては直ちに補填して行きたいと思ひます。
  35. 森下政一

    ○森下政一君 それから中小企業金融公庫ですが、これは御承知のように、最近始まつてどんどん大蔵省のほうで鳴り物入りで宣伝されて、相当世間がこれに期待しているのだが、実情はあなたは十分御存じないかも知れんが、公庫のほうでは各府県にいろいろ割当をして、而もこれを取扱う代理行為をするものがいろいろ指定されてあつて、それぞれ枠を与えているらしいのですね。そこで、例えば各信用金庫なんかがそういうことになつているのだが、こつちの信用金庫の割当されている枠というのは非常に少い。世間ではそういうことがわからんものだから、どんどん借入れの申込をして、申込が殺到しているけれども、割当てられる枠が少いためにどうにもならんということが実情で、自然借入れの申込みをする者は十分の満足を得ていない現状にあるように私は承知するのですが、そのほうからも災害関係のほうに、私の聞くところでは何でも十八億五千万円くらいのものがやつぱり転用されているようです。そうすると、これは国民金融公庫と同様に、一般の枠がそれだけ狭められているよう思うので、これも同様に資金運用部資金の面で余裕があればそこで補う、そうして一般の枠を保持するようなことが必要なんじやないかと思うのですが、そういうようなお考えはありますか。
  36. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 中小企業金融公庫のほうにつきましては、御承知のように九月発足いたしましたばかりでありまして、現在どの程度資金の融通が進捗いたしておりますか、はつきりしない点もございます。私どものほうでは、まだこちらの公庫のほうにつきましては、年度末までにどのような資金繰りになつてどのような追加需要があるかというような話を伺つておりません。只今のようなお話がありますれば、十分実情等も調査いたして見たいと思います。
  37. 森下政一

    ○森下政一君 それから先ほど小林さんからいろいろご質問になつて、あなたのお答えがあつたのですが、この間小林さんからたしか御要求があつたのじやないかと思うが、資金運用部資金資金繰り状況、その他現段階においてどのくらいの余力を持つておられるか、或いは将来はどういうふうな見通しかというふうな資料を頂きたいという御要求があつて、まだ資料を頂いおらんと思うのですが、これは是非頂きたいと思うのです。  それから、先刻小林さんとの質疑応答を承わつておりますと、今度の補正予算農業共済保険ですか、というものを当初は百三十億ということになつたのが八五億に減額されて来ているのですね。ところが当初の説明を見ると、百三十億というものは最低の見積りだというようなことがどこかに書いてあると思うのですが、それが今度は八十五億でたしか四十五億減つた。これは保守三党のいろいろの協定によつてこういうようなことになつたのだが、大蔵大臣の過日の本会議における説明を聞いてみると、これは結局資金運用部資金等によつて必要があれば充足して行くようなことを言うたが、あなたの説明を聞いていると、そんなようではなさそうに聞えたのです。そうすると大蔵省の言つたことは出たらめの嘘つぱちというこになつて来るのではないですか、そういうふうにとれるが、そうじやないですか。
  38. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) この共済保険関係の支出見込額といつておりますが、不足見込額につきましては、これは主計局のほうで主管いたしておりますすので、私どものほうで詳細なことを御説明いたしかねるわけでありますが、ただ先ども申上げましたように、不足の場合に資金の処置といたしましては、資金運用部のほうの立場から申しますと、只今災害復旧のほうの追加を要望されている資金につきましても、現在のところでは設備の見込が全部については立たないわけありますから、それ以上こちらに回す資金余裕は現在のところないわけでありますが、大蔵大臣がお答えになりましたのは、資金運用部資金に限つてということでなくて、何らかの金融措置を講じて金繰りをつける、必要な支払いをやる、こういう御趣旨でお答えになつたのではないかというふうに想像いたします。
  39. 森下政一

    ○森下政一君 大蔵大臣の答弁は、それじや非常に善意に解釈して、あなたの言われるようにあなたがいま助け舟を出された仮に答弁であると了承しても、少くとも資金運用部のほうでは、こんなものを、政府修正で出て来たところの差額を、資金運用部資金が引受けて何とかしてやろうというような余力は今のところないとおつしやる。これは私はあなたの言われることを正直に伺うと……そういう実情を知るために資料を出してくれませんか。それはいやがらずに出して欲しいと思うのだ。
  40. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) これはあとで……。
  41. 森下政一

    ○森下政一君 間に合うように出して下さいよ、何もかも済んでから出してもらつたのでは、なんにもならんから……。
  42. 小林政夫

    小林政夫君 どうせあとで資料を出してもらいますが、先ほどの話の地方債プラス災害関係、八十三億プラスですね、その枠を、従来当初予算予定されておつた地方債の枠にプラス百八億であつて、当初予算予定されておつた地方債で使おうとしておつた資金内容ですね、これは変更ないのですか。当初地方債予定されておつた金額の中に、災害関係地方債が食い込むというようなことはなくて、必ず八十三億の災害関係地方債を加えるということなんですね。
  43. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) これはお尋ねの通りでありまして、勿論当初の計画の中にも、当面の災害に充てるための起債予定されております。それは当然充当されるわけでありますが、そのほかに八十三億だけ純増と言いますかプラスになるわけであります。
  44. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、今森下さんの言われるように、大蔵大臣がどうしても予算で足らなければ起債で行くという意味においては、資金運用部資金起債に当て得る額としては八十三億がリミツトだ、それ以上はちよつと困るということが言えると思うのですね、あなたの立場としては。
  45. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 一応現在の状況で見込まれまする資金運用部資金繰りから申しますと、どうもそれ以上何億引受けるということは、ちよつと申上げにくいわけでありますが、ただ今後の資金状況の推移等を見まして、郵便貯金、簡易保険等につきましては、やはり特に資金増加を図つて頂くというようなことも考えまして、出た資金余裕災害関係地方債増加に廻して行くということを考えておるわけであります。ただ現状といたしましては、どれだけそれで効力があつて、どれだけ資金が殖えるから、何億の枠だけはまだ殖やす余地があるということは、ちよつ申上げかねるわけであります。
  46. 小林政夫

    小林政夫君 もう一遍、先ほど野溝さんの御質問に関連して、国民金融公庫年度融資についてですが、これを出す場合においては、たしかこれは今の資金繰りから考えると、勢い本当の年末融資であつて、短期資金繰り余裕使つて、あなたのほうの資金余裕使つて、一時融通するということになると思うのですね、この資金繰りだと。常時ずつと国民金融公庫に借りつ放しにする余裕というのは、今の資金繰りから言つて一銭もないと言つてもいいくらいです。ただ年末にちよつと一カ月か二カ月ぐらい貸し得るかも知れないという程度のものである。そうして一方災害地に対する国民金融公庫の十億というような貸出しは、かなりこれは長くなり、回収はそう短期に回収できない。そこの点は、その金繰り等はあなたに聞くのは無理なんだけれども、あなたのほうから今承わつておきたいのは、本当に短期のつなぎ融資国民金融公庫に対する一次的な資金を供給するにとどまるのじやないかいう点を念を押しておきたい。
  47. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) これは国民金融公庫に年末に貸出資金として供給します金は、これはやはり短期の資金というわけには参らないと思うのでありまして、借入れを受けました利用者が直ちに翌年一月、二月頃に返済ができまして、公庫から資金繰りの面において返せるという、こういうようなことはやはり中小企業の融資でありますからむずかしいだろうと思います。やはり追加融資をとつて頂くとすれば長期運用のような形で決定しなければならないと思います。その時期までにやはり資金増加状況等を見ましてその程度資金は何とか捻出して考えて行きたいというふうに計画しておるわけであります。
  48. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると先ほどのお話ですと、災害老朽校舎、特定道路、特別鉱害というような資金をつけて行くと、原資における当初予算よりの総額予定九十八億を加えても、繰越金は百二億になります。で、国民金融公庫に対する貸出金を何億か取ると百二億から減るというようなことになるのです。それは九十八億原資が殖える予定のものが、お説のごとくうんと殖えれば、それだけは殖えて、原資において九十八億より殖えた分だけは国民金融公庫貸出しても、次年度繰越百二億というのは減らんでしようけれども、その点はどうなるのですか、百二億相当食い込むことになるのですか。
  49. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど申上げましたように百二億という繰越資金自体かなり少な過ぎるというふうに考えるわけです。国民金融公庫に対しまする追加融資原資を考えます場合に、できるだけ預託金回収金その他でこれ以上出る余地はないか、更に検討いたしまして、なお今後時日のたつにつれまして見通しもはつきりして参りますから、できるだけそういう方面で資金を出して行きたいと考えております。併しどうしても止むを得ない場合におきまして、国民金融公庫におきましても原資の必要があるということになりますれば、これは全然百二億以下絶対に減らすことはできない、そういうふうにも思いますが、先ほど申上げましたようにはつきり基準の立てかねる問題でありますから申せないと思うであります。できるなればもうこれ以上減らさないようには考えております。こういうような状態であります。
  50. 小林政夫

    小林政夫君 国民金融公庫の年末融資は我々も是非つてもらわなければいかんと思う。そうして先ほどのお話に対しても、災害のほうへはもう八十三億が最高限度であつてちよつと資金運用部からは、地方起債を八十三億以上引受けるということは望みないということがはつきりわかるわけです。それから委員長についでに要望しておきますが、国民金融公庫だとか今の中小企業金融公庫、年末の中小企業金融について、政府当局から事情を聴取したいと思うのです。それで適当な機会をこの会期中に一つ委員長のほうで作つて頂きたい。
  51. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 承知いたしました。
  52. 平林太一

    ○平林太一君 理財局長にお尋ねしたいと思いますが、国民金融公庫、中小企業金融公庫、それから農林漁業金融公庫、こういう零細な資金投資をするものが、期せずして今回の災害対策の予算というものの狙いになつたのだが、この日本開発銀行、これは御承知通り二十八年度で六百億円、それから同行は繰越金として二百五十億を所持しておつたと承知しておりますが、そうすると合計八百五十億円になる。他に減税大公債の二百億全部を拳げて投資特別会計としてこれを開発銀行に投資してありますから、この八百五十億、殊に九月以降の八百五十億の対象は来年の三月まであります。こういうものからなぜ緊急の措置をとることを考えないのか、殊に資金運用部資金は、今お話を伺いましても必ずしも豊富なものではない。それであるから、特にこれは資金運用部審議会の議を経てやる、それもできるかどうか。これは械だ心許ないような只今の御答弁であつたか、この方面から少し大幅に、八百五十億のものを抱いておるのですから、何十億なんという細かいことを言わずに処理する方法はないかどうか、それを一つ考えてもらいたい。
  53. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 開発銀行につきましては、お話のような計画を持つて、本年度の貸付をいたすわけでありますが、これにつきましては、大体いろいろ開発銀行の貸付ける融資等の内容はございますが、やはりその内容といたしまして電力とか、海運とか、石炭とか、いろいろそういつたような基礎産業、そのほかのものにつきましても重要産業が中心になつておりまして、これらにつきまして計画通り貸付けて行くということも、やりこれは必要なことであろうと考えるわけでありますが、ただこれが実情といたしまして、今日ではもう年度も半ば以上経過しておるわけであります。開発銀行におきましても、それぞれ融資の申込みを調査いたしまして、どういう事業にどの程度貸出しができるという見込みを立てて、こういう計画に基いて進んでおりまするし、借入れる側におきましても、それに基いて事業が進行いたしております際でありますから、今日今から本年度の貸付の計画を削減するということは、これは非常に困難であるというふうに私どもとしては考えておるのです。
  54. 平林太一

    ○平林太一君  今の御答弁であると、電力と言われるが、電力は別個に二百億を財政投融資から措置しておる。そういう事実も今の局長の答弁の中に、開発銀行についても理由としては極めて明確にこれが実証されておるわけです。資金繰り措置が出ておるという話ですが、これはいずれにしても、数学的に見て、要するに中小企業金融公庫は、本年恐らく百億内外、九十五億ぐらいと承知いたしますが、百五十億の中からそれを差引きますから、それで九十五億しかない、国民金融公庫の数字は、私はちよつと明確に承知しておりませんが、これは理財局長承知通りであろうと思う。これ又極めて零細なのである、農林漁業金融公庫についても、それに百億ぐらいであろうと承知いたしております。そういうような零細な、殊に中小企業でありますとか、国民金融公庫は今お話があつた通り、それは影響するところが、貸付対象が如何にも国の全体の基盤をなしておる大衆に影響するところか尽大である。それをどうも何かすぐそういう措置をする、すぐ中小企業金融公庫が措置する、その僅かなものを狙うのだ。こういう思想的態度は私は非常に改めてもらわなければならん。それで開発銀行のような、これは今御答弁を伺つておると、これは一般常識的で、我々に答弁する御答弁ではないと私は承わる。八百五十億というものを、まだそれから電力というものは二百億持つておる、千五十億、これから仮に二〇%をとつても二百億とれる、そのくらいのことは国家が基礎産業に措置するということは、又そういう理由としては美辞麗句に過ぎないと我々としては考える。これに対して斧鉞を加えることができないということは、何らかそこに私は一つの圧力、そういうものによつて財政措置がいたされておる、こういう疑念を抱かざるを得ないのですが、これはやる気なら必ずできるのです。開銀などに対しては、そういう厖大なものを持つておるのですから、どうでしよう、そういうことに対して一つ計画を改めてする考えはないか。それで、開銀には措置してあることですから、年末の、只今小林委員から御発言のあつた年末の問題というものは、特にこれから総合的に合体を収上げなければならん。そういう場合にこういうことを一つ対象になさつたらどうでしようか。極く懇談的に大蔵当局とこういう委員会ですから……。そういう意味一つ伺いたいと思います。
  55. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 御趣旨のように、資金運用部資金というものは、大体が非常に零細な、全国から集つた資金の集積でありますから、やはりお説のような中小企業とか、その他に運用するということがこれは趣旨であろうと思います。それで資金運用部資金運用計画といたしましても、只今地方債関係でありますとか、住宅、国民金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫といつたような面に相当重点をおいて運用計画が当初からきめられているというふうに、私どもとしては考えているわけであります。ところが今回こういうような災害という事態が起りまして、その関係で更に追加を要するという事態になつているわけでありますが、これにつきましても地方債とか、或いは先ほど申上げましたような国民金融公庫、こういつたものは資金の許す限り、是非優先的に至急に措置いたしたいと考えてやつているわけであります。その場合にそれでも資金が足りない、どこかに財源はないかという場合に、すでにきまつている運用計画を或る程度組替えて出す余地があるのじやないかという点は当然考えられるところでありまして、私どものほうといたしましても一応はこういう苦しい際でありますから、それぞれの項目につきまして多少節減するといいますか、運用を止めるという余地はないかということも一応検討いたしたのでありますが、先ほど申上げましたような事情によりまして、相当年度初めでありまして、まだ今日の程度まで事が進んでおりません場合には、或る程度初めから計画を替えるということも可能性はあると思います。今日になりましてこれを削減するというか、計画を変えるということは、やはり先に政府での当初予算のときに取りました計画を当てにして仕事が進んでいるわけでございまして、そういうものに非常に迷惑をかける、或いは工事その他の関係から言いますと、非能率なことが起つているというようなことが考えられますので、どうも現在のところではその方面でこれを削ればうまい智恵が出るというようなものが出て来ないというような状態になつているので、御趣旨の点は非常によくわかるわけでありますが、そういうような状況になつておりますわけでございます。御了承を願いたいと思います。
  56. 平林太一

    ○平林太一君 非常に腑に落ちない御答弁です。開銀はすでに二十八年度に二百五十億も持越している。二十九年度恐らく前年度の予想からも八百五十億というものを持つているんです。相当のこれは繰越しで、私から申しますと消化し切れないと思う。そういうものを、政治的意図に、よつて厖大ものが開銀に流れているということを言明せざるを得ない、諸般の事情で……。殊に現在の内閣がいたしているところの財政投融資等に対するところの措置、そういうようなものを政治的に見ましても、こういうものを何でこのままにいたして、そうしてそれがでないというようなことは重大な政府の責任だ。できないというが、それならすでに議決したこの国民金融公庫、或いは中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫にどういうわけで措置できないか、政治的に考えて、そういうような取敢えず国家危急の災害等の場合には、総合したいわゆる国策の上からそういう措置を取つて行かなければならん、又取ることが適切なんです。そうして相互に均霑して行かなくちやならん。そういう点、開発銀行というのは、今の電力というお話であつたが、一千億内外抱えている。それですから、そういうことはそれでよろしいから、至急開銀が今いたしておりますところの今資金計画を、基礎産業に対して計画をいたしているというが、現在どのような、つまり計画の進捗を開発銀行がいたしているか。現在の業績を至急に調査して、そうしてこちらへ報告してもらいたい。それから来年の三月までどれだけの資金に対するところの計画をなしているか、或いはそういうものを御覧になればこういうものは不必要だ、それは不必要でない場合には、これはいわゆる第二次、第三次に考えるべき資金措置であるというものが開銀の中から我々が発見できるわけです。それを大蔵省で、必ずそういうものはできるのですから、そういうものを一つ措置して、殊に年末金融というものは極めて零細なものですから、そういうことが本年の何か非常に差迫つた問題として考えられておるのですから、一つ至急開銀の資料を出してもらいたい。現在、本年は日本輸出入銀行には全然措置していないと思います。それで要するに輸出入銀行の業務遂行の上には支障はない。ところが余りにも開発銀行というものに対しての無批判的なそういう資金措置というものが腑に落ちない。だから、これはどうしてもこの際開銀からそのうちの二百億なり、現在八百五十億あるのですから、二百億くらいは私のいわゆる測定からいたしましても、これは出させ得るのであります。それによつて日本の基礎産業というものが毫も支障を来すということはない。その二百億を措置することによつて、全体のいわゆる基盤であるところの総合した国力の、産業の充実が期待せられると、こういうことを考えるのですが、どうでしよう。今日即時御返事を頂かなくとも、一応ちよつと承わつておく。そうして至急開銀に対して一つ現在の八百五十億に対する措置がどのように取運びをされておるか。それだから今の御答弁によると、そういうことは善処されることができないのだということであれば、できないという理由を明確に、資金運用の実際を一つ報告せられるようにこの際求めておきたい。
  57. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 開発銀行の関係につきましては、先ほど申上げましたように、一応出す余地がないかということで検討したわけでありますが、先ほど申しましたように、ちよつと今日においてはむずかしいんじやないかというふうに見たわけであります。今お話がございましたので十分な資料を取寄せまして、なお検討いたします資料等を提出いたすことにしたいと思います。
  58. 平林太一

    ○平林太一君 先ほどむずかしいんだ、開発銀行がむずかしいんだと、こういうのはどういう根拠からですか。甚だ腑に落ちない。調査した結果むずかしいんだとおつしやるならば、私ども承服はできる。併しながら今の段階ではむずかしいんだということを極めて断定的のようにお話になつているが、そういうことはどういうことを根拠に局長は言われるか。その根拠というものは必ず今の資金措置に対する事務的な内容というものを、定めし御承知の上でそういうことをおつしやるんだと思う。観念的な問題ではないのですから、経理会計に関するいわゆる措置等に対する取扱としての観点から、私どものほうでは答弁を求めておる。だからそれは困難だということは、そうすると昨日までの開銀に対する措置も定めし実際に即して、経理会計に即して、御承知の上でそういうことを言われるのか、その点を伺いたい。観念的であるというなら私はそれでよろしいのです。
  59. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 開発銀行の関係でありますが、先ほども申上げましたように、電力は、これは電源開発会社の関係資金繰り関係でありますが、開発銀行その他の電力会社の関係、或いは一般の火力発電の関係、その他の関係も出て来るかと思いますが、そういつた資金の、或いは海運、石炭、鉄綱といつたような基礎産業の関係も重点を占めておるわけでありますが、これにつきましては大体一応の金額がありまして、資金運用をやつておるわけであります。大体今年度はどれだけの資金がこちらに移されるかという目途を定めてやつております。これを今から変更するということは非常に困難でございまするし、又基礎産業の合理化とか拡充が遅れるということは、これはやはり中小企業の関係に非常に無理がある。又別の意味で問題になろうと思います。それからその他のいろいろの合成繊維でありまするとか、一般肥料でありまするとか、そういう一般産業の関係もやつておるわけであります。この関係につきましては、実は先ほど申上げました四大産業、これには非常に重点が置かれて来ておりますので、最近では非常に新らしいものにつきましてどんどん貸出を認めて行くというようなことは、開発銀行としていたしておらないわけであります。大体におきまして継続事業と言いますか、今までから、昨年あたりから引続きやつておるような事業が多いわけであります。従いまして、そういうような事業は或る程度進捗いたしておりまして、本年度もこれだけ借入れてこの程度完成する、こういつた形になつて来ております。そういうようなものを今日資金をとめますことは、やはりこれは非常に資金の無駄になります。国としても非常に全体として非能率的な企業の投資をする、こういう形になりますので、抽象的に申します、とそういうことになりますが、とにかく今日のように、もう年度初めから半年以上も経過した場合でありますから、今からどうもこれは削れないかと申しましても、実際問題としてなかなか困難がある。かような状態になつております。まあ一応そういうふうな判断をいたしまして、なかなか削るのはむずかしいというふうに考えましたわけでありますが、これらのものはお話の点もありますので、なお資料等も提出し、私どものほうでも検討いたして見たいと思います。
  60. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 今度の、今議題になつておりまする特別鉱害の借入についてでございますが、この特別会計は借入金というものはないわけですか、借入金をしなきやならんというのは、どこか受益者負担金を出さないとか、或いは納付金を納めないという理由がうんとあつて、鉱害の支払財源がうんと不足して来たために借入金をするんですから……、その点を一つ
  61. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) 御質問にお答いたします。この特別鉱害復旧特別会計と申しますのは、戦時中の、本来ならば日本で鉱害が起るというようなところにつきまして、戦時中それを強制的にやらしたというようなもので、鉱害の対策は今御承知通り、それにつきましては通産大臣が一定の時期までに特別鉱害という認定をいたしたものにつきまして、鉱業権者から鉱害の発生した場合につきましては、その鉱山の出炭量につきましてはトン当り二十円、その他の地区においてはトン当り十円というものを徴収いたしまして、この特別会計の歳入にいたしまして、それを以つてその復旧のための交付金を支給する、交付する、こういう建前になつておつたわけであります。ところが先般来の六、七月の災害におきまして、従来鉱害が発生しておりましたところの鉱区につきまして、更に著しいところの被害が発生いたしまして、このまま放置して置くことができない、こういうような状態なつたわけであります。それですでに計画済のものにつきましては、これは従来の納付金を以て充てることができるわけでありますが、併しこういうふうに災害で特に緊急を要するというものにつきましては、この特別会計といたしましては納付金でやる外ないわけであります。財源がございませんので、それからすでに手を着けておりますものにつきましては、それらの手を着けたもののほうに交付金を流動しなければならんという関係がございますので、借入金をいたさなければならん。こういうことでこの法案を提出されたわけでございます。
  62. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 そういたしますと、事情はよく分りましたが、それではこの借入金は何カ年くらいの償却の見込みでございますか。借入金でございますから、いずれ返えす返還計画を立ててのこれは御提案だと思いますが。
  63. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) これは三カ年計画で返えす予定でございます。
  64. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 そうすると、三カ年間に納付金或いは受益者負担金等で残つて来る、それで返えす、こういうのでございますか。
  65. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) 納付金を以て充てる、納付金を以て返えす、こういう建前でございます。即ち、先ほど説明が十分でございませんでしたが、これは本来二十九年度以降におきまして支出すべき鉱害でございまして、それを風水害によりまして二十九年度まで延ばして置くわけに参らん、こういうことになりましたものですから、それを借入金を以て取あえず措置する、その代り借入金の返済は二十九年度以降におきます納付金、これは石炭トン当りいくらということで払つて参ります。それを以て返済する、こういう建前でございます。
  66. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 ちよつとおかしいのですが、今度の風水害により起きた災害だとするならば、これは普通鉱害のみではないというふうに思う。鉱害だけによつて起きた災害ぢやない、こういうふうに思うのですが、納付金だけで三ヶ年間に返えしてしまうということになると、納付金がどこかで不足を来たすという、納付金というかこれ又財源不足して来るのですが、借入金を返えすということになれば、その点考えているのですか。
  67. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) お答いたします。今度借入金を以て措置いたします点は、お配りいたしました表にもございますと思いますが、この一番下段の表の、あとから三つ目の欄のところに特鉱分復旧費とございまして、これが一億二千万円、これが特別会計で負担する分でございまして、それで水害による増加分につきましては、これは特別会計の負担金とはいたさない、従いまして、当初の計画通り進むといたしますれば、そこに不足が生ずるということはないわけであります。水害によるもの、例えば家屋が傾斜いたした、その度合いが水害によりひどくなつたという場合には、これは特別会計では負担いたさないわけでありますが、併しその部分だけの復旧ということは含まれまするので、災害分と併せて復旧する、それでそれ以外の、水害による増加分につきましては、これは受益者のほうの負担として行こう、特別会計の負担といたさない、こういう計画でございますので、現在の計画で直ちに不足するという、こういう問題は出て参らないと思います。
  68. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 そうしますと、この表を見ますと、僅か一億二千万円、僅かと言つては語弊があるか知らんけれども、一億二千万円と出ておりますね。その一億二千万円ぐらいの資金のやりくりさえもできないようなのが、この特別会計でございますか、現在のこの特別会計というのは、そのくらい窮屈なものでございますか。
  69. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) この特別会計は、先ほど御説明いたしましたように、鉱害復旧、特別の鉱害復旧、こういうことでございまして、これは鉱業権者の納付金を以てやつて行く、こういう建前をとるのでございますから、その範囲内におきまして計画を立てまして、そうして復旧して行くという建前でこの会計ができております関係上、今次のような災害が発生いたしました際には、特別の借入規定を設けませんと借入の権能もない、こういうような建前になつております。まあ非常に窮屈といえば窮屈でございますが、建前がそういうようになつておりますものですから、今度特別に借入の規定を設ける、こういうような次第でございます。
  70. 小林政夫

    小林政夫君 農業共済のほうを質問していいですか。
  71. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) よろしゆうございます。
  72. 小林政夫

    小林政夫君 今の理財局長の説明だと、説明というか、資金運用部資金資金繰りによつて殆んど、殆んどじやない、この農業共済保険特別会計歳入不足資金運用部資金によつては補填されない、余力はない状態承知するわけです。そうすると、当初百三十億一般会計から繰入れる予定にしておいて、又四十五億冷害のために削られた、少くとも農林省から提出された資料によると、七十億というものが不足するようになつておるが、その内訳を見ると、少くとも一般会計から補填しようとしておつたものを削つた四十五億だけは、確実に政府当局としても本年度中に要るのだという考えだと思うのですが、その出合いはどうする考えですか。主計局でもどつちでも、適当なほう……。
  73. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) お答えいたします。当初予定いたしました百三十億と、それからその差額四十五億につきましては、これは勿論被害の状況がまだ確定いたしておりませんので、はつきりした数字にはならないわけでありますが、併しながらその措置につきましては、現在のところ災害対策予備費に廻しました三十億のうち、農業共済基金という制度がございますので、農業共済基金が連合会に対しまして融資する、その場合に、利子補給をする利子補給分が含まつておる、こういうふうに解しておりまして、それによつて年度内は措置できる、又場合によりましては、その利子補給契約が、年度を経過するという場合も考えられんことはないわけですが、そういう場合に対しましては、一般会計予算総則で、国会の御議決を受けまして、許されておりますところの災害復旧、その他緊急の場合におきまするところの国庫債務負担行為の限度額が三十億でございますので、これを使用して年度を越すということもできる、一応そういうような方法を以て措置して行きたい。このように考えておる次第でございます。
  74. 小林政夫

    小林政夫君 その借入先は一体どういう種類の金融機関予定しているか。
  75. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) これは農業系統の金融でございますので、まだきまつたわけではございませんが、系統金融機関である農林中央金庫等、幸い今は比較的資金的には余裕がある時期であるということも考えられますので、そういう機関が一応は考えられるのでありますが、これはまだ具体的にはきまつてはおらないのでありますが、一応そういうことが考えられるのであります。
  76. 小林政夫

    小林政夫君 農林中金は、これは大矢委員長が詳しいのですが、今は余裕があるかも知れないが、来年の、少くとも年度末くらいになつたら、余裕がなくなりはしませんか。二月の終り頃から三月、まあ三月になつたら少くとも余裕がない。この場合、他の貸出しを詰めてこれに充てるとしたら別ですけれどもね。それで、久宗氏のほうは円滑に運用できると確信しておりますか。
  77. 久宗高

    説明員(久宗高君) 只今大蔵当局から御説明になりましたようなことになつておるわけでございますが、今の農業共済基金が他の機関から借りて保険金を仮渡しするといつたような方法は、これは非常に変則な方法でございますので、私どもといたしましては万が一、一切の関係ができない場合はそこまで考えておかなければならんということで、そういう案も考えて、若しそういう場合には利子補給の問題も出て参りますので、例えばお話のございましたような災害予備費のほうの関係におきましても、そういう数字を予定しようということになつておるわけでございますが、ただ今のお話の中で、預金部その他の問題につきましては、今のお話通りだと思うのでありますが、この全体のやりくりをどういたしますかにつきましては、まだ検討中ということであろうと考えております。決定的なものではないと考えております。つまり今申しましたような最終の市中金融、つまり農業関係金融農業共済基金につけて、それで仮渡しをするという場合は、最悪の場合として勿論支払の迅速を期しますために用意としては考えておかなきやならんと思いますが、現在それにきまつた、それしか方法はないというところまでには行つていないし、まだ検討中だということに考えております。
  78. 小林政夫

    小林政夫君 私の心配しているのは利子補給は災害予備金でできるということは、はつきり先だつて来の説明においても明かである。ただ資金手当をどうするかということが問題なんでありまして、資金運用部資金には余裕がない、一般金融機関からと言つても、系統金融機関からと言つても、今は農林中金には或る程度余裕はあるかも知らんが、先へ行けば余裕がなくなつて来る、結局はその尻は災害農家へ行つて、出すべき金が適時に出ない、こういう結果になるのじやないか、出しさえしなければ金が要らないということで、すぐにこの被害農家に対する補填が時期的にずれて来るということを心配しておるのでありまして、何とかいたしますということで、それは法律によつて義務付けられているから、何時の時にかは何とかしなければならんのでしようけれども、目下検討中というようなことでなしに、小くとも四十五億を取られたので、その資金だけははつきりした見通しに立つて行かないと困るんじやないですか。
  79. 久宗高

    説明員(久宗高君) 勿論こういう数字が確定いたしました場合には当然補填が要るわけでございますが、それより以前に農家に対する支払の関係が先行するわけでございます。これにつきましては農林省といたしましては、先立てもお話いたしましたように、東日本につきましては大体正月まで、それから西日本につきましては旧正月までということで計算をいたしまして、年末にどのくらいの不足になるか、更に旧正月の支払の際にどのくらいの不足になるかということも、一応は現在推定して計算しておるわけであります。そこで仮に八十五億入れて頂きました場合の十二月末におきます支払に事欠く部分が、これは数字だけの上の問題でございますが、約十六億程度予定が出ております。これは勿論申請が十二月までに間に合わない所につきましては支払をすることができませんので、又被害額が相当に動き得るというようなことから、その十六億そのものについての手当を今すぐ考えるというところまでは実は考えておらないわけでございます。いずれにいたしましても、仮に資金運用部資金のほうから借りるというようなことができない場合の措置といたしをしては、只今大蔵当局からお話のございましたような農業共済基金に対して資金融通をいたしまして、それで連合会に保険金支払の必要な資金手当を間接にするという方法によるよりほかないわけであります。御指摘のような中金の資金繰りその他の問題も当然そこに出て来るわけでございまして、このほかに営農資金その他の問題を全部勘案いたしました際に、仮りに中金によるということになれば、その自己資産だけでやれるかどうか、更に何らかの裏打が必要であるかという問題が出て来るわけでありますが、現在その関係の数字が全部出揃つてこうだというところまでの固めはできていないわけでございます。
  80. 小林政夫

    小林政夫君 これは私の再三言つておることで了解しておられると思いますが、少くとも一般会計から百三十億の金を出す、こういう予算が一応組まれておる。それが八十五億に三党協定によつてつて、四十五億というものは減つたのです。それが資金運用部資金から出せるということなら、これは問題はない。併し資金運用部資金がそういうふうな窮屈であつて出せない、殆んど不可能だ、どこかから調達して来なきやならんということであれば、今あなたは非常に金融機関金融機関言つても、今減税国債以外の国債は相当消化難の時であつて、そうして国債でもそうだ、いわんや借入金でどのくらいの金利で借りるつもりか知らんけれども、そういうことについて何とかいたしますということでなく、少くとも予算で四十五億減つた分だけははつきりこの金融機関からこうやるんですという策を持つて我々に説明して頂くくらいに、少くともあなたのほうではつきりして対策を持つて国会審議に臨まるべきだ。そうしなきや安心できない。少くとも四十五億というのは今まで一般会計から出すということになつていたのだから、それをあなたの言れるように、いろいろの支払の時期等の問題があるけれども、この臨時国会においては少くとも四十五億は欲しいという意思があつたので、今から説明はいろいろ変えられるかも知らんけれども、少くとも四十五億というものは確実な財源を以て支払基金に当てて行かなきやならんわけで、もう少し固めてもらいたい。
  81. 久宗高

    説明員(久宗高君) 只今の問題につきましては私事務的に申上げただけでございまして、大蔵大臣の御答弁の中にも、それから又他の委員会におきます政府委員の御答弁の中でも、この問題につきましては預金部資金等ということであります。要するに融資によつて賄うということで、例えば預金部資金についてはやらないというお話は、私はまだ聞いておりません。
  82. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後四時四十八分散会