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1953-10-30 第17回国会 参議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十月三十日(金曜日)    午後一時五十九分開会   —————————————  委員氏名    委員長     前田  穰君    理事      入交 太藏君    理事      重盛 壽治君    理事      井村 徳二君            植竹 春彦君            岡田 信次君            仁田 竹一君            一松 政二君            加賀山之雄君            森田 義衞君            大倉 精一君            大和 与一君            東   隆君            片岡 文重君            木島 虎藏君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     前田  穰君    理事            入交 太藏君            重盛 壽治君    委員            植竹 春彦君            仁田 竹一君            一松 政二君            加賀山之雄君            森田 義衞君            木島 虎藏君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   説明員    運輸省港湾局長 黒田 靜夫君    運輸省鉄道監督   局民営鉄道部長  山内 公猷君    運輸省自動車局    財務課長    原山 亮三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○運輸一般事情に関する調査の件  (報告書に関する件)  (昭和二十八年度運輸省関係予算補  正に関する件) ○派遣議員報告専門員報告   —————————————
  2. 前田穰

    委員長前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。  先ず運輸一般事情に関する調査につきまして、閉会中も調査を継続いたしたのでありますが、参議院規則第五十五条によりまして、閉会中の調査未了報告書を提出することになつておりますから、これを提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。  なお未了報告書の内容につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたしました。  次に、委員長の提出する報告書には多数意見者署名を付することになつておりますので、御署名を願いたいと存じます。  多数意見者署名    木島 虎藏  入交 太藏    仁田 竹一  森田 義衞    加賀山之雄  一松政二    重盛 壽治   —————————————
  5. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、昭和二十八年度運輸省関係予算補正に関する件を議題といたします。  本件は主として地方鉄道自動車及び港湾に関する災害対策予算でありますが、先ず政府当局より御説明をお願いいたします。
  6. 山内公猷

    説明員山内公猷君) それでは私から私鉄関係の今回の六月及び七月の水害復旧に対します補助金の御説明を申上げます。  当初、前身、国会におまして御連絡申上げました額は、補助金の額におきまして約一億六千万円ということになつておつたのでございますが、その額は、当初御説明をいたしましたように、会社が非常に取急ぎまして報告をいたしたものを取りあえず御報告いたしたわけでございまして、当時の状況といたしましては、まだ線路が濁水の中に埋没しておるというよう会社も相当ありましたので、爾後水が引きまして、会社報告を十分に査定いたしましたのが約半額になつておりまして、今回大蔵省復旧費の五分の一額といたしまして要求いたしましたものは七千九百三十五万九千円になつております。併しその中にはまだ建設省関係補助対象可能性になる分もありまして、そういう他の法案との関連によりまして、幾分減るものも出て来るだろと思つております。例を以て申上げますと、熊本電気鉄道菊池川橋梁につきましては、その杠上の費用径間拡張工事費というものが、菊池川改修工事に伴いまして、川幅を広くし、築堤を上げるということによりまして要する費用が、河川法によりまして、我々といたしましては、そのほうの補助金が出るのが事業の性質上当然ではなかろうかと考えておりますが、その分が若しも認められるといたしますと、約千九百万円が損害額の中から減るということになりますので、目下大蔵省当局とこの予算額につきまして折衝をいたしておる次第でございます。  引続きまして十三号台風に関する御説明を申上げます。  十三号台風につきましては、まだ災害の日が浅いために、十分な省としての査定調査を了しておらないわけでございますが、一応六月、七月の災害に対する法律対象と認められるというものを大ざつぱに考えまして七社選び出してございます。その被害額は、会社報告によりますと七千六百四十九万三千円・復旧費の五分の一額といたしまして千五百二十九万八千円、これだけを計上いたしておりまして、一応この額は災害予算決定が差迫つておりますので、大蔵省には連絡をいたしてありますが、この額につきましては、運輸省査定はまだいたしておりません。電鉄関係、トータルにいたしまして七千九百万円の千五百万円でございますので、約九千四百万円、これが本年度におきます災害の全体の額となる予定でございます。今回の予算には項目としては載つておりませんのでございますが、大蔵省との交渉におきましては、今度の水害予備費の三十億の中で見る。見るという方針は大蔵省は確認をいたしておるのでございますが、只今申しましたように、まだ被害額会社個別に弾かなければなりませんので、決定をいたしておらないわけでございます。運輸省といたしましては、できるだけ早くこれを決定をしてくれということで大蔵省に目下折衝をいたしております。
  7. 前田穰

    委員長前田穰君) 御質問ございませんか。
  8. 仁田竹一

    仁田竹一君 この資料関係ありませんね。今回の水害予算には、これは融資なつている。
  9. 山内公猷

    説明員山内公猷君) これは復旧費というところの三割が補助予算になるわけでございまして、国会のほうからの御連絡によりまして、前のこの法律におきまして運輸省がこの融資斡旋をしなければならないということになつておりましたので、休会中に融資斡旋をどの程度やり、どの程度実績を挙げたかということを御報告申上げろということでお配りを申上げた次第でございます。
  10. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質問ございませんか。一つお伺いしたいのですが、六月、七月の大水害による地方鉄道復旧費の二割を補助する。それは大蔵省から出ております説明のどの項目に入つておるわけなんでしようか。
  11. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 予備費なんでございますが、三十億取つております雑件の中の予備費に持つてつて支出する、そういう説明で了承しております。
  12. 前田穰

    委員長前田穰君) 災害対策予備費ですか。
  13. 山内公猷

    説明員山内公猷君) さようでございます。
  14. 前田穰

    委員長前田穰君) 災害対策予備費というのは、当初に百億あつて、それから会度十五億加えて、百十五億になつているのですがね。三十億というのはどういうのかわからん。
  15. 山内公猷

    説明員山内公猷君) ちよつと判明しませんので、それでは大蔵省とよく……。
  16. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質問ございませんか。  それでは自動車局財務課長にその次御説明願います。
  17. 原山亮三

    説明員原山亮三君) 自動車関係被害でございまするが、自動車全体のバス、トラック、ハイヤー、タクシー全部の水害地被害額が約七億三千万円でございまして、この前の国会で成立しました特別措置法対象なつておりますのが一般乗合自動車一般路線貨物自動車ということになつておりまするので、その特別措置法補助対象となります関係会社被害額は一億五千万円と、こういうことになつております。それで法律附帯決議には、自己の復旧能力の可能なものについては、これを一応除外するというふうな恰好になつておりますので、特別大きな会社とか、或いは被害特別僅少のものにつきましては、これを除外いたしますと、一億四千八百万円と、こういうふうなことになりますので、現在大蔵省のほうに要求しておりまするのは、復旧価額一億四千八百万円と、こういうことで、その五分の一の約二千九百万円の価額補助を必要とすると、こういうふうに交渉いたしております。それでその二千九百万円の内訳でございまするが、西日本地区は二千百万円、南近畿地方が約八千万、こういう恰好になつております。  それから自動車関係の十三号台風関係でございまするが、現在集まつております範囲内におきましては、車両等の直接損害は殆んどございませんで、道路が決壊したとか、崖崩れ等による運行不能という関係は相当ございまするが、直接被害額は今のところございません。
  18. 前田穰

    委員長前田穰君) 御質問ございませんか。
  19. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 今のお話鉄道自動車も六、七月の台風によるもので、十三号台風関係は入つておりますか。
  20. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 十三号台風に関しましては、私鉄に対しましてはこの法律対象になりますものは大体七社を一応想定いたしております。事故の順序によりまして或いは又落ちる所があるのかも知れません。大体江若鉄道奈良電気鉄道北丹鉄道有田鉄道大井川鉄道福井鉄道土佐電気鉄道、この七社に対する補助を一応大蔵省に請求しておりまして、被害総額七千六百四十九万三千円、これが会社の申請いたしましました被害総額であります。これに対しまして、その五分の一が千五百二十九万八千円ということでございまして、表の上から言いますと、或る程度十三号台風につきましては被害が少いように見えるのでありますが、実は十三号台風被害を多く受けましたのは近畿鉄道京阪神急行京阪鉄道或いは名古屋鉄道というふうに非常に大会社ばかりでございまして、まあそれらの会社はこの法律適用範囲外にあるのでありますから、小さい会社のまあ対象になれろと思うものの額だけ申上げますと、こういう小さい額になります。
  21. 前田穰

    委員長前田穰君) 私から少しお伺いしますが、自動車関係は、十三号のほうには格別の損害はないというようお話つたのですが、たしかあの法律車両だけでなしに、全般の設備にも適用するようなふうになつておると思つておりますが、その特別措置をされる地域はこの政令案でわかりますが、損害程度に関しては、どういうふうな査定なつておりましようか。
  22. 原山亮三

    説明員原山亮三君) 自動車関係のこの特別措置法被害対象でございまするが、これにつきましては、この法律が論議されましたときに、全部の車両その他の施設全部含むんだというのが普通のこの法律解釈だと思うのですが、参議院のほうの水害対策委員会のほうで、こういう私企業に対する補助につきましては、相当シヴイヤーに考える必要があるということで、自動車については車両に限定して補助することにすべきである、こういう御忠言がございましたので、法律解釈上としては、一応車両以外の施設等につきましても補助対象になると思うのでございますが、そういう参議院の特に御要求もございましたために、現在要求しておりまするのは、車両だけに限定して処置しております。
  23. 前田穰

    委員長前田穰君) ほかに御質問ございませんか。
  24. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 運輸省関係で何か繋ぎ融資みたいなものをあれされたのですか、ここに出ているのは。
  25. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 法律に従いまして、又その後閉会中にありました水害地緊急対策委員会決議によりまして、融資斡旋を進めなければならないということによりまして、運輸省といたしましては、できるだけ運輸の開始を早くするように各方面の金融機関連絡をとつたわけでありまして、そのやりましたことといたしましては、災害が発生いたしましてから直ちに、関係陸運局が窓口になりますものですから、関係陸運局災害復旧資金融資斡旋に努めるように、国会その他の御要請を通報いたしました。それと共に本省といたしましては、開銀総裁全国銀行協会連合会長日本銀行融資斡旋部長中小企業金融公庫総裁宛融資斡旋方につきまして依頼いたしたわけでございます。実施面におきましては、陸運局並びに本省関係官を実地に各銀行に派遣いたしまして融資斡旋に努めました。借入の実績は、お手許に差上げましたように十一社、金額一億八千四百十二万円ということになつております。これは資料が集まりましただけでございまして、そのほかにもまだ地方的に補修ができ上つている状態を見ますると、もつと借りられておるのではないかと思つております。取りあえず実績の集まりましたものだけを御報告いたした次第でございます。
  26. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 自動車関係手配中のものとなつておるのは、これは見込が立つておるのですか。
  27. 原山亮三

    説明員原山亮三君) これにつきましては、民鉄部長から御説明がございましたが、自動車関係につきましても、各金融機関に対しまして銀行協会連合会長開銀中小企業部関係国民金融公庫関係に対しまして、自動車関係について特にお願いをして参りまして、現在判明しましたものはこういうことになります。手配中のものと言いますのも、大体向うのほうは了解しておるというような恰好のものが三つございまして、この備考欄に書いてございまするような、日田貨物貸出決定、或いは熊本電気鉄道の確定というのがございます。
  28. 前田穰

    委員長前田穰君) ちよつと時間がありますのでお伺いしたいのですが、民営鉄道部長にお伺いしますが、政令施行地域の中に静岡県が入つてつたのが消えたというような経過になつておるように承知しておりますが、これは恐らく大井川鉄道災害特例法の中に入れないのだという趣旨だと思いますが、これは六月、七月のいわゆる大水害ではなかつたということなんですか。意味はよくわかるのですが……。大井川鉄道災害は、極く僅かの期間の差であるという点で特に適用から除外したということについて、従来の運輸省大蔵省交渉といいますか、或いは水害対策委員会との関係といいますか、それを一つ説明願いたいと思います。
  29. 山内公猷

    説明員山内公猷君) 御指摘通り静岡県につきましては、当初政令案に入れまして水害対策委員会に御説明を申上げておつたわけでございます。静岡県につきましては、只今御指摘通り大井川鉄道関係でございまして、大井川鉄道は、増水と流心の変更によりまして橋梁流失のために、三千万円殆んど全部の損害はその橋梁流失関係でございますが、その被害を受けました実情から申上げましても、大井川鉄道というものは現在非常に経営困難を極めておりますのと、現在発電関係の資材を相当送つておりますので、国の面から見ましても重要な鉄道でありますために、できれば入れたいという気持で御説明を申上げたわけでございます。取除きました事由といたしましては、六月及び七月の災害でございます。日にちから申上げますと、七月二十日に受けました災害でございますが、この法律は六月及び七月における大水害、特別な水害地を救済するための特別立法であるという点から考えますと、静岡県におきましては、当時被害が殆んどなかつたわけでございます。他の特別立法適用すべき被害一つもないわけでございまして、この大井川の橋の近所が少し被害を受けたという程度でございまして、この一般法令適用地域にならなかつた。そういうためにこの特別立法を指定する際には、特別な災害であるために国が二割の補助をする、而も私の企業に対して補助をするということは、相当厳重に考えるべきではないか、そういう点から見ると一般被害に変りないのではないか。被害としては大きいかも知れないけれども、地域的に見れば、この法律適用する要件を充たしていないのではないかというような御意見が非常に強くありまして運輸省といたしましても、その点十分検討いたしたのでございますが、今申上げましたように、大井川鉄道というものが非常に経営困難であるということと、現在国家の非常に要請しております発電工事を推進しておりますために、国会の御提案によつてきまりましたところの法律施行について、行政官が初めから落して考えるということはどうかということで一応入れまして、御批判を頂いた上、その事情説明して落すべきものは落したほうがいいのではないかという省内の意見決定によりまして、御協議申上げましたところ、それは落すほうがいいのではないかというお話で落した次第でございます。
  30. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質問がなければ、港湾局長
  31. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) 二十八年度におきまする港湾関係災害復旧事業費で、今回の補正予算に計上される問題について御説明申上げます。  大体補正予算災害復旧費として計上いたされますものは三つございます。第一は、二号台風に対する災害復旧費でございまして、第二が、北九州和歌山に襲来しました豪雨災害に対する復旧費でございます。第一は、十三号台風、即ち愛知三重に襲来しました台風による災害復旧費でございます。この総額復旧額におきまして五億一千六百万円となつておりまして、そのうち国費の支弁は四億三千六百万円でございます。  内訳を少し詳細に申上げますと、二号台風は六月の初めに四国附近に起りましたが、比較的広範囲でございますけれども、被害は軽少でございまして、一般災害復旧費の率によつて特例法適用されておりませんです。これによりまする港湾災害は八千八百万円でございまして、そのうち約一割の八百万円が今回の補正予算に計上されております。これに対しまする国費は五百三十万円でございまして、負担率はおおむね復旧額の三分の二に相成つております。  次に、北九州和歌山に起りました豪雨災害につきましても、港湾自体災害は比較的軽少でございましたけれども、関門両港並びに小倉、若松、戸畑、八幡そのほか長崎県の諸港におきまして土砂の流出が相当ございまして、荷揚場前面とか、或いは接岸荷役をする場所が相当埋没いたしまして、これに対する被害額は総計十一億一千四百万円と相成つておりまして、今回の補正予算特例法適用いたされておるのでございますが、その計上いたしました復旧額は一億一千七百万円、これ又おおむね一割程度でございまして、特例法によりまして、負担額は約八割国庫が負担いたしますので、この一億一千七百万円のうち、国庫が負担いたしますものは九千八百万円と相成ります。  次に、九月二十五日に襲来いたしました十三号台風に対しましては、港湾災害愛知三重両県並びに名古屋港に相当甚大な被害を及ぼしまして、その災害見込額は三十六億一千七百万円になつております。このうち補正予算におおむね三億九千百万円を計上いたされまして、特例法適用を受ける見込でございます。これらの災害のうち、台風が渥美半島、知多半島中間の水道を抜けまして、豊橋附近を通つて北上いたしました関係で、名古屋港における高潮、それから伊勢湾におきましては西海岸の北部、津、宇治山田、松坂、四日市における被害が甚大でございます。知多湾におきましても、西海岸港湾施設災害が甚大でございました。  以上三つ災害を合計いたしまして、災害の額は四十八億二千万円でございまして、これに対しまして今度の補正予算で取あえずおおむね一割強に相当いたします五億一千六百千円が計上いたされまして、そのうち国費で賄なうものは四億三千六百万円と相成つております。以上でございます。
  32. 前田穰

    委員長前田穰君) 御質問がございましたらどうぞ。一つお伺いしますが、この本年度補正予算の中で、即ち五億一千六百万円の中で、直轄の四億三千六百万を引きますと、補助に該当するものはおよそ八千万になるように思うのですが、大蔵省の出しております資料には、附帯災害関係諸表というので、いろいろな地方公共団体に対する補助金運輸省所管は一億五千万円となつておりますが、これはどういうことなんですか。
  33. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) 御説明申上げます。二十八年度補正予算として災害予算のほかに、一般港湾災害費の中で、港湾土木事業費補助一億五千万円が別途に補正予算に計上されておるのでございまして、これは災害を受けましたいろいろな施設を、途切れ途切れの災害を受けました場合に、災害を受けた場所だけ復旧いたしますると、その中間の緩んだ所が非常に危険でございますので、これに対しまして合併施行補強工事をいたすのでございます。それに対します助成費として一億五千万円が、災害復旧費とは別途にプラスして計上されておるのでございます。
  34. 前田穰

    委員長前田穰君) もう一つお伺い上ます。が、この災害復旧費の五億何がしは、大体においてこれでいいというふうにお認めになつておるんだと思いますが、その半面に、一般公共事業費の本年度予算を、港湾関係において四億幾らでしたか、節約をするようなつておつたと思うんですが、大体において支障なく節約ができるお見込なのでございましようか。
  35. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) お答え申上げます。  災害復旧費が五億一千万円計上されましたのでございますが、御指摘ように、その半面に今年度既定経費から一般修築費で以ておおむね一割程度の四億二千万円の減少を見たのでございますが、まあ大体工事が順調に進んでおりまして、経費が節減されますことは非常に痛手ではございますけれども、この程度であれば止むを得ないのではないかというふうに考えております。
  36. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質問ございませんか。
  37. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 一般は今度のあれは三・五・二とかいつておりましたが、大体二割になつておりますね、農業災害しか道路とか港湾は。どうしてこれは一割くらいになつたのですか。
  38. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) お答えいたします。建設、農林とも被害総額のおおむね一割を計上いたしております。
  39. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 全体が千五百六十五億ですか。それに対して三百億とかそういう恰好になつて大体査定されたものの二割くらいになつておるように見受けますが。
  40. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) 河川道路港湾一般公共事業費として扱われておりますので、河川道路港湾よう公共施設被害額復旧に対してはおおむね一割で、ほかの災害復旧費相当額が、率が多いのだろうと思います。
  41. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 公共事業費の今度節約というか、節減が片つ方において行われておりますね。そのほうで港湾関係としてはどれくらいの影響があつたのですか。
  42. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) おおむね既定経費の一割でございまして、四億二千万円でございます。
  43. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 そうすると、既定経費の四億一千万円を節約して、名前だけ変えて災害復旧費として四億三千幾らというものに変つたというだけになるのですか。
  44. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) 四億二千万円既定経費が削減されました。そうしてこれは一般修築費でございまして、災害復旧費のほうはそれとは別途に、新たに五億一千六百万円災害復旧費が計上いたされまして、そのほかに先ほどお話申上げましたように、港湾土木事業費補助として一億五千万円が新らしく計上されておりますが、この一億五千万円は、災害を受けた個所と併せて施行する既設の施設改良費でございます。   —————————————
  45. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質問ございませんか。  次に、議員派遣報告をお願いしたいと思います。  先ず第一班の北陸班から御報告願います。重盛君。
  46. 重盛壽治

    重盛壽治君 私から北陸班関係報告を骨子だけ申上げたいと思います。  私どもは今般の閉会中に運輸委員会北陸班といたしまして、八月二十四日から同月三十日の間一週間に亘り新潟、長野、富山、石川の各県を私と森田委員が派遣せられまして、主として第十六国会におきまして成立を見ました道路運送法の一部を改正する法律地方鉄道軌道整備法港湾整備促進法施行状況、海陸の輸送、気象の業務、離島航路等運輸一般事情について調査をいたしたのであります。その詳細につきましては、報告書を会議録に掲載することで御了解を願いたいと思いますが、主なる点を若干申上げてみますると、概要次のようなことが申上げられるのではなかろうかと思います。  先ず第一に、新潟陸運局に私どもは行きました。自動車関係を先に申上げてみたいと思いますが、新潟陸運局では、私鉄、バス、トラックの総合的交通調整の必要性が強く強調されたのであります。その理由といたしましては、事業はおおむね軌道に乗つた企業経営にあるが、トラック事業においては、自家用自動車の進出によつて業者の経営は非常に困難な状態に追い込まれておる。その原因は、自家用車が類似営業をやつている。自家用自動車自動車運送事業との調整を行い、輸送秩序の健全な確立を早急に樹立してやらなければ、非常な苦境に立入るのではないかということが考えさせられて参つたのであります。特に交通事業者に対しましては、固定資産の減免とか、地方税、事業税の軽減というようなことも考えてやる必要があるのではなかろうかというような点が、私どもの目に映つたのでございます。これに関連しまして、第二に道路整備の問題が必要である。これは勿論政府は民間団体等とも関連いたしまして、道路全般の必要性ということはひとしく認めておりまするが、国の、或いは地方の財政が困難なために一向に進行を見ないということでありまするが、これらの地方におきまするところの自動車交通量の増加は非常に甚だしいために、破損された修理にさえ事欠く状態である。特に今回、例のガソリン税が道路整備の方同に廻されるというようなことになつておると存じまするが、それらを急速にこれらの道路修理に廻わす、この地方は御承知のように冬季間は交通は殆んど鉄道が絶えるというような場合もできて参りますので、そういたしますると雪解け期の道路は全く濘土、泥沼の中を走つておるというような最悪の状態が生れておるのであります。それでこれが打開策といたしましては、第一に、開発道路よりも既成道路の改善鋪装に積極的に方針を打立てなければならんのではなかろうか。  又第二は、必要財源の捻出に早急な施策の樹立をいたしまして、これに関連しまして除雪費について、雪国の特殊事情を認めて、国の予算といたしまして別に設けるべきではなかろうか。申上げるまでもなく、一般働く人たちには、積雪手当とか地域給とかいうようなものがありまするが、仕事の上に立つて全般的に見まして、そういつたものが何も設けられておりませんので、実情にそぐわない。暖い所も寒い所も同じだという実態が生れておるのではなかろうか。  それから第三に、自動車の整備検査の問題がありまするが、これは自動車事故をなくすには、運転技術の向上と自動車の車体検査制度の確立にあることは申すまでもありませんけれども、この地方におきまするところの、富山県の陸運事務所においての一つの例を申上げますると、富山県自体としては完全な設備を有しておりますけれども、管内約七千の車両に対しまして検査官は二名しかおらない。それで県下の事故は、施設強化後は非常に、この自動車の検査をする施設を設けたことによつて非常に事故は少くなつておりまするが、これは富山県の場合でありまして、他の県はこの施設すら満足な施設がございません。そうして人間が僅かであるということのために、いわゆる自動車検査が非常に満足な検査がなされておらん。ですから非常な危険を伴つておるというのが、北陸の実態ではなかろうかというふうに考えます。自動車関係に関しましてはその他いろいろ施設の問題、たくさん申上げたい点がございますが、ただ一点、中央で法的に面倒を見てやつたらどうかというようなことは、二人の検査官で七千台もの車を検査するというようなことを九カ月目にやつておりますので、できるならばこれを新車両は少くとも一年、十二カ月くらいに延長するというようなことによつて、若干緩和で送るのではなかろうか。すぐできるというような問題は、そういう点に含まれておるように考えるのであります。  それから鉄道関係のことを簡略に申上げてみますれば、これは私は総論的に鉄道関係の問題に入る前に、皆さんはすでに御存じの方がたくさんおありであろうかと思いまするが、北陸は非常に重要な地方である。日本の産業の将来の発展の角度から見ましても、貿易の振興を図るという点から見ましても、非常に重要な地方であるにかかわらず、何か忘れ去られた存在とでも言いますか、そういうような形が随所に見受けられるのではなかろうか。港湾局の問題にいたしましても、そして鉄道監理局の問題にいたしましても、気象台の問題にいたしましても、極めて困難な所で皆が熱心にやつておるにもかかわらず、非常に矛盾した点がたくさん出て来るのではないか。そして僅かに裏日本あたりの鉄道の改修、補修、或いは非常な急句配を抜くというよう事業が中の郷と今庄間というような所でなされておりますが、これは戦時中輸送達成のためにできたもので、すでに路盤もできているので、隧道のみ一つ完備すれば、僅かな金で北陸地方の鉄道が非常に円滑に行くというようなことが予算関係で放置されておる。こうした問題は特に運輸省として急速にやつてやる必要があるのじやなかろうかということを見せつけられて来たのであります。  又富山県の富山駅の状態は、駅自体をもすぐに改修しなければならない。この改修のために、ホームと駅舎の間に地下道が一本しかなくて裏と表との連絡が非常に困難である。このようなことも一ついま一本地下道を設けてやつたらよかろうというふうに考えても、予算の点でどうにも追つかない状態に追込まれておるというようなことを見せつけられて来ました。  それから一般的なこれは問題になりましようが、天候が非常に不順のため、結核患者が非常に多い。一つの例を申しますと、一万四千人の従業員の中で四百人以上も収容せられておる。これは設備といいますか、すべての点が完備せられていないという点がやはり北陸地方の特異性ではなかろうか。この地に行つてのいろいろなご要望があつたんですが、その要望の中では、この鉄道公安職員を一つこれは廃止して欲しいという声が特に強くあつたのでありまして、これに関しましては、いろいろな理由がございましたが、これが終戦後の特殊事情に設置せられた時代とは少し違つて、労働問題に関与するというような状態に入つて来ておる。こういう点では相当お考え願わなければならんのじやなかろうか。これの具体案といいますか、希望としては、今現に三千人とかここにおるそうですが、せいぜい四、五百人を持てばいいのではなかろうかという変つた意見も出ておりますが、組合の関係からは、特に新賃金については、仲裁裁定の完全実施を願うとか、期末手当は現在の〇・七五を予算化される分を含めて二カ月分支給するよう一つ努力して頂きたい。或いは寒冷地手当については、新賃金決定の際に、その差額は補正予算に計上するよう一つお骨折を願いたいというような問題が持出されておつたということを申上げておきます。  長野県の監理局の強い要望といたしましては、長野は非常に山の中だといような感じから、地域給などが低いが、一般の物資も非常に高いという点から、これを是非とも地域給の引上げを願いたい。ここの重要な立場におる人が新潟からここへ来ましたらば、途端に一割五分の減収になつて家族の生活も困るというような状態になつている。だからこの点を考慮して善処を願いたいというような強い要望がございました。それから大糸北線の開通を急速に促進して頂きたい。特に電化の問題に関しまして、東海直線を中心にして常に電化の問題が論議されているが、北陸線こそ屈曲の所あり、坂路あり、そしてこれこそ電化の一番必要性を感ずる所であるが、なかなか電化をやつて頂けないので、電化の問題に関しましては、運輸委員会としては、国内全般を見渡して公平な御処置を願いたいという強い要請がございまして、勾配の所屈曲の所、それらの点を十分考えて輸送の運行に綿密な御考慮を願つて御協力を願いたいということが強く要請されておりました。  それからもう一点は、これは海運局長さんがおいでになりまするが、新潟海運局の希望と言いますか、これはまあ新潟ばかりでなく向うのほうの一般の希望であろうと思いますが、先ほどのように、北日本の中心になつておる海運局が新潟と長野を担任しておる。秋田とかその他北日本に面したすべてのところは仙台である。或いは一部は今度は名古屋のほうに行くというような形がございまして、仕事の運行上も、汽車ならば直通できるが、港湾事業ということになりますと、国をぐるつと一廻りしなければ自分の関係の所に行けないというような実情から、北日本全体の海運局というものは、以前は何かそういう形がなされておつたそうでありますが、私どもよく知りませんが秋田とか、それから北日本全体は一本の線で仕事のできるような方向にして頂けるならば非常に好都合であるということが強く要望されまして、これも是非とも帰つたならばお伝え願いたい。幸い海運局の方が見えられておりまするから、この点は特にお願いを申上げておきます。  それから海運に関係いたしまして離島航路の問題で、特に佐渡に私ども参りましたときに補助航路の指定について、現在新潟から佐渡に至つておりますところの一カ所が補助航路になつておりまするが、直江津と佐渡を繋ぐこの航路を是非とも補助航路にして頂きたい。その他にも多数要望がございましたが、鉄道敷設をするという国内の事情等から見るならば、この補助航路の問題は大した問題ではないのじやないかということで強い要請がございまして、帰つたらば十分研究をして御趣旨に副うように努力しましようというお答えを申上げて来ておるという実情でございます。  もう一点、先ほど申し忘れましたが、自動車関係で、自動車監理局と言いますか、新潟の監理局の業務の拡大のために、長野の一部を新潟に入れるというようなことに対する何かその問題が起きておるようでありまするが、これらも急速に解決をつけて、新潟自動車局の完備をお図り願いたいという希望等もありました。  その他たくさん希望、そして実情がどうしても取上げて上げなくちやならんというような問題があろうかと存じまするが、総括的に言いますと、先ほど申しますように、何かしら交通事業、海運事業自動車交通、すべての問題に関しまして、北日本は、いわゆる裏日本が若干国全体の立場から忘れておられるのじやないかというような感じを私どもは受けましたし、そして北日本の開発ということも十分に注意をしてやらなければ、日本全体の運輸事業の面には当然、経済の面にまで影響を及ぼすのではないかというように考えさせられて参りましたので、これらに対するところの積極的な御支援と御協力を特に参議院運輸委員の同志の皆さんにお願いするという強い要望がございましたことを御報告申上げまして、他は御質問でお答えするなり、或いは書類で御覧願うようにして頂けば幸いだと思います。  誠に雑駁な報告でありますが、以上御報告いたします。
  47. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、第二班の四国、九州班の御報告をお願いいたします。
  48. 一松政二

    一松政二君 それでは私から御報告を簡単にいたします。  四国と九州に当委員から派遣されましたのは私と加賀山委員との二人でございます。私が特に前の国会でいろいろ陸運、海運に対して、或いは港湾関係法律案がたくさん審議されて、その経過中に私みずから発言したこともありますので、特にそういう関係法律の実施、或いはそれに対する意見等をも詳細徴して来たのでありますけれども、そういう詳細なことは速記録のほうを御覧をお願いすることにいたしまして、ここでは単にアウト・ラインだけの御報告にとどめさして頂きたいと思うのであります。  去る九月の十九日から二十八日までの間に、香川、高知、愛媛、それから大分は通過いたしましたけれども、関係の者のも会つていろいろその事情を伺うし、それと福岡各県における運輸事情調査したわけであります。今重盛さんから北日本が忘れられたような感じがされたそうでありますが、私が四国に参りますというと、四国は一応私は本州に比べて交通機関その他或いは産業の点においてもかなり遅れておる面がある。殊に入交さんのいらつしやる高知県においてその感を特に交通問題において深くしたわけであります。四国のいわゆる産業はまあいろいろありますが、全体に調べると農林と水産が主なようであつて、いわゆる資源の開発はまだ十分でない。そこで四国総合開発計画というものがあつて、今後それに伴う、この委員会の関係しておる運輸交通の整備が必要になつて来るであろうと、かように考えるのでありますが、先ず順序を追いまして、第一に海運のことでございますけれども、四国はいわゆる面積及び人口に比較して島数や海岸線の長さが九州に次いで第三位となつておるが、この島内の住民の生活は、いわゆる日本それ自身が四つの島でありますが、その島の中の四国は四つの県の、昔から言われる四つの国の四国でありまして、それが本州、九州の間に挾まつておるわけでもございませんが、御承知のような状態で、海運に対する依存度が極めて強いということを感ずるわけであります。即ち四国は阪神工業地帯と北九州工業地帯に近接して、自然産業はこれらの近代産業と経済的に相互依存の関係に立つておる。それからその島外との輸送、いわゆる四国と本土との輸送は、宇高鉄道輸送が年間百五万トンのほかは、海上輸送年間五百十万トンに依存するのであつて、物資の八割が汽船か或いは機帆船によつて輸送せられておるという状態でありますから、自然海運というものは非常に重要性を認められておるわけであります。昭和三一十七年度における機帆船の船腹及びその輸送量は、全国海運局別に見ても、四国は船腹では全国第三位であるにもかかわらず、輸送量は九州に次いで第三位であるということは、海送の施策上、機帆船は四国の場合特に留意すべきものと思われる次第であります。離島航路のことは、今重盛さんからの御報告もありましたが、四国においても、いわゆる四国の更にその先に連らなるいわゆる豊後水道或いは瀬戸内海方面におけるその離島航海は、その経営も約四〇%のやはり赤字経営に喘いでおる。従つてやはり航路の補助とか融資、或いは港湾施設整備促進等、いずれをとつて見ても、いろいろ国の補助或いは融資等のこれまでの枠で満足すべき状態になつていないので、何らかの措置が必要であろうかと考えられる次第であります。  第二番目に、港湾関係についてでありますが、四国は海岸線が非常に屈曲し、その間のいわゆる港湾数が、重要港湾が七つ、公有水面埋立法による指定港湾が二百十四港、その他の港湾が四百三十で、海岸線のいわゆる五・五キロに一港の割合で大小の港湾が存在しておるわけであります。これらの港湾はいわゆる四国の総合開発計画によつて漸次その重要度が認識せられ、今後これらの港湾設備は着々と順を追つて整備されておるわけでありますけれども、至る所で港湾の問題は陳情を受けておる次第でありますが、それはいわゆる速記録に譲りたいと思います。第三は、陸上の輸送の関係でありますが、先ほども申上げましたように、四国は、陸上は道路におきましても、或いは鉄道におきましても、非常に本土よりも遅れておる。それで熾烈なる鉄道敷設の要求がある。殊に高知県の場合でありますが、まさに地図の上では繋りそうに見えてまだなかなか繋らない。その上に持つてつて迂回線路の敷設の問題もあつて、相互で場合によつては相牽制しておるような感じも見受けられたので、私どもはこの四国循環鉄道は、いずれにしてもともかく最も早く経済的な見地から、一応国家的な見地から見て、これの循環を完成して物資の移動及び車両、機関車等の効率をよくして、そうして一日も早くこの循環鉄道の完成をさせなければならんということを痛感した次第であります。なお殊に高知の室戸岬及び足摺岬のほうのいわゆる迂回線路ですが、これの建設の要望が非常に強いのでありますけれども、それらの点については、一応又速記録に譲らして頂きたいと思うのであります。  なお、いわゆる電化計画が非常に強く要望されておるいわゆる土讃線の電化計画であるとか、又いわゆる高松から高知に連らなるあのトンネルばかりの鉄道は、これはどうしても電化してもらいたい。或いは電化が早急に行かなければ、デイゼル・カーでも動かしてもらいたいという要求は実に熾烈なものでございました。  鉄道のほかに道路の幅が非常に狭いということも殆んどの、四国全体の問題である。或いはこれは日本全体の問題であるかも知れませんが、特に痛感されることは、いわゆる狭いならば狭いなりに自由に離合のできるいわゆる待避の場所をもつとたくさん作つてやればいいということを私どもは特に痛感しておるわけであります。非常に狭いために、一々とまつてそうして辛うじて交換をしておるという状態が随所に見受けられた次第であります。  次に、高松と宇野との航路の貨物輸送についてでありますが、全国にまあ比類がないというほどいわゆる輸送量が鉄道でたまつたのでありますけれども、今年の五月一日からいわゆる国鉄の第三宇高丸が就航して、そうして一日平均八十両の貨車輸送が増強されたので、四国対本土間の輸送が大幅に緩和されて、むしろ今日ではその能力ほど輸送量がないというほどの実情にまで来ておるとのことでありました。こういう状態で、機帆船或いは汽船及び陸上の鉄道との競争関係といいますか、四国はいわゆる大阪或いは中国、九州に対して汽船又は機帆船の輸送があり、そこに今度は鉄道が直通しておる。そのほか更にもう一つは、鳴戸と淡路と、淡路から明石に出る明石鉄道及び鳴戸鉄道自動車輸送、自動車をそのまま載せて走る、いわゆる構想が始まりましたので、これが完全にその能力を発揮するようになると、又その交通分野にかなりな変化が起つて来るだろうと考えるわけでありまして、これらは相依り相待つて交通は激しくなりますが、輸送機関それ自身の問題は、今後ますますお互いにどうすればいいか、お互いの経営の困難を訴えるものもありましようし、その変化によつて打撃を受けるもの等がそこに相当の…丁度汽車と自動車が常に輸送の競争をしておる、或いは船と競争をしておるということが、四国において特に強く感じられた次第であります。  第四番目に、海上保安関係でありますが、当管内においては、地理的にいつて島嶼間に生ずる海難事故が多く、又小型船舶を利用した密漁がかなりありますので、いわゆる海上の犯罪がかなり多い。従つてその海上の犯罪は全国一だということでありますが、現在の海上保安片の人員及び予算では業務の円滑は期しがたいという陳情でありまして、その機能の充足或いは船艇の増強、通信施設の整備等を必要とするのではないか。又は第十六国会に提出の政府予算中、行政費が非常に減少されて、それが非常に困つておるというような陳情があつたのでありますが、尤も経費節約による業務遂行上の困難は、これは運輸省の出先機関で、我々への至る所における陳情であつたわけであります。これはその程度にいたしておきたいと思うのであります。  第五に、門司港及び苅田港について簡単に申上げますと、門司港は昭和二十四年十月掃海の完了によりまして、世界に航路の安全宣言を行なつて国際貿易港として漸次役割を果しておるのでありますが、朝鮮動乱を契機として、港の勢いは急速に進展を示しまして、昭和二十七年度港湾取扱貨物量は四百三十三万トンに達しまして、戦前の水準に迫ろうとしている勢いであります。併しながら本港の荷役能力はまだ復旧の途上にありまして、遠く戦前に及ばず、嘆かに九バースの内、外貿易岸壁によつて維持されておる。その上に朝鮮動乱により二つのバースが米軍の接収によつて荷役力が著しく阻害されておるわけであります。でありますから運輸省においては日米行政協定に基く接収施設の代替といたしまして、昭和二十八年度門司市の田ノ浦地区に一万トン級の岸壁一バース及び附属施設を総工費三億三千万円を以て、これは是非とも本年中に建設せなければならんというので昼夜兼行でやつておるわけでありまして、これが完成の暁には門司港の輸送力に一大寄与をするわけであると思うのであります。ただその陸上の施設においては、門司、いわゆる門司港駅から、門司築港株式会社か何か、名前はちよつと存じませんが、ただ軌道だけを以て田ノ浦港に行つておる。その先には農林省が倉庫を持ち、農林省の鉄道があつて、そうして今度はその先に今の田ノ浦港を作つておる。それは今度は運輸省のまあ鉄道或いは国鉄になりますか、ともかく一つの港に途中で三つの各別の線路が相連つておる。これは早晩早く何とか一本にせなければならんというような問題があつたわけでありますが、附加えて申上げておきます。  次に、苅田港でありますが、本港は若松港の関西向け石炭輸送に当つて関門海峡のいわゆる通過にかなり潮待ちをせねばならん。普通の天気でありましても潮待ち時間が上り下り共にありますので、これを避けて、そうして輸送力を合理化しようというので、戦前から南筑豊炭約六百万トンの輸送合理化と石炭の増産を目途として考えられたものでありまして、埋立岸壁を完成したところで終戦に至つたわけでありまして、その後港湾施設作業は一応三百万トン計画に縮小して岸壁三百メートルが完了しておるのが現状でございます。現在輸送実績は、月間最六十万トンに及んでおるのでありますけれども、常に輸送量のほうが設備能力を凌駕しておるために、まだいわゆるシュートで落すというだけでは七万トンより扱えない。従つて約あとの三万トンばかりはまだいわゆる肩荷役によつて、折角の近代設備でありながら若干の肩荷役がある。それで苅田港の今後ますます発展するというとは、若松港に比して設備が能力的であるということと、いわゆる今申上げましたように関門海峡の潮待ちをしない。そうして距離的にも近い。且つ、いわゆる天候に左右されないでそうして荷役ができるというようないろいろな条件を備えておるので、今後ますます発展するでございましよう。ただ陸上の輸送が非常に現在の鉄道の線だけでは能力的に足りないので、どうしてももう一本あそこへ線路を引いてくれという要望がかなり熾烈になつておるわけであります。いわゆる輸送の問題にいたしましては、北九州は今その輸送の合理化に対して小倉駅が今改築の殆んど四割に達しておつて、そうしてあそこの合理化を頻りに今やつておりますが、いずれにしましても非常に窮屈になつております。従つて日豊線の門司から少くとも行橋或いは柳ヶ浦という方面までこれは荷物と人の輸送が非常に今混雑しておりまして、どうしてもこれを一日も早く復線にする必要があると考えるわけであります。なお、いわゆる港湾運送事業法の一部改正で、特に苅田港は議論に私はしたつもりでありますが、これはほうぼうへ行きましても、私が委員会において論じた点は、私はどこへ行つてもそういう問題がある。そうして例えば福岡に行きましても、私は大分港においても、或いは苅田港においては特に業者からたくさん聞きましたが、幸いにして荷主関係が来ておりまして、その荷主側の意見も聞いたのでありますが、数量が多ければ多いほど、なかなか規定したいわゆる公示運賃も一本では到底行かない。やはり荷主によつていろいろ案がありますから、公示運賃があつても何らかの方法によつて必ず競争はやつておるというのが実情であります。  なお、道路運送その他につきましても、いろいろ意見あり、或いはほうぼうにおける陳情がございましたが、それらは挙げて速記録にお願いしまして、以上だけ簡単に御報告申上げる次第であります。
  49. 前田穰

    委員長前田穰君) それでは只今御報告中にございましたように、詳細につきましては、報告書が出ておりまするので会議録に掲載いたすことにしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたしました。   —————————————
  51. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、水害対策委員会に出ております専門員から大綱を一つ報告を願いたいと思います。
  52. 古谷善亮

    専門員(古谷善亮君) 私ども水害対策委員会に協力いたすように言われておりまして、この休会中におきまする同委員会に出席いたしておりましたが、これは経過等につきましては、公報等によりましてすでに御覧済みのことでありましようし、内部の審議状態につきましては、それぞれ又各党の内部の御会合で御承知のことと思いますので、ただ問題となりました点だけを極めて簡明に一言申上げて置きたいと思つております。  同委員会におきましては、最初派遣議員説明がありまして、政府から実際の実情を聞かれましたあとで、主として審議の対象政令案の内容と予算に集中いたしまして、政令案につきましては一関係各省が多いのでいろいろ御審議が重ねられたのでありますが、鉄道関係におきましては、先ほど御配付申上げましたような案に御意見の一致をみたのであります。但し、ここに参りますまでにいろいろと問題がございまして、先ほども話に出ましたように、静岡県が原案に載つておりましたのが削除いたすような政府の態度でございました。  次は予算のことでございますが、一体どのくらいの予算がこの臨時国会に必要かということにつきましては、随分いろいろと御議論が出たようでございます。従いましてその一々はとても御紹介申上げることもできませんしするのでありますが、先ほど政府から予算の話がすらすら出ましたけれども、事実はなかなか言こうすらすらきまつたようには思われないのでございます。最後の日まで予算の額がどの程度であるということは、私どもも十分把握できなかつたような状態でございまして、最後に至りまして、先ほどもお話が出ましたように、鉄道軌道につきまして、約一億、港湾関係につきまして約五億の予算額というものが委員会に報告されたような次第でございます。なお、この実際の実施に当りまして、過日成立いたしました法律施行に当りまして、思わざる不合理と申しまするか、釣合の悪い点を一件発見いたしておるのでございます。その点を議員からも御指摘がございまして、その点につきましていろいろ事務的の検討が重ねられたのでございます。その結果、或いは過般成立いたしました法律につきまして改正等の必要が起るのではないかという懸念が十分ございます。  それともう一つは、十三号台風につきましてどうするかというお話が出ておりました。これは大体におきまして、今回の国会におきまして何とか措置するというようお話がまとまつたようにお見受けいたした次第であります。先ほど申しましたどうも辻棲の合わない点があると申しますことは、国庫負担の問題でございまして、この点につきましては、特にその点につきまして主査になつて頂いております田倉専門員から御説明申上げたほうがいいと思いますので、私と代りまして田倉専門員から申上げることにいたします。
  53. 田倉八郎

    専門員(田倉八郎君) 今の点ですが、実は前国会の臨時立法の一つであります災害地域内のたい積土砂の排除に関する特別措置法という法律の中に、第九条というのがありまして、農業用施設、林業用施設、漁場、漁港及び港湾政令で定めるものの区域内に堆積した土砂を排除するその事業をやる者には、国が事業費の全額を補助するという規定があるのでありますが、これはこの事業を誰がやるかということは何も書いてないのでありまして、普通の場合には、地方公共団体その他の管理者ということになるのでありましようが、ともかく国以外のものがやる場合には、その事業費の全額を補助すると書いてあるだけでありまして、国みずからが直轄でやるという場合のことは何ら謳つてないのであります。そこで、それならば港湾内に堆積した土砂を国みずからが直轄でやるとすればどういうことになるかという問題なんですが、事実上法律の有無にかかわらず、大蔵省予算を盛つて、そうして国会がそれを認めれば何も問題がないのでありますが、実際問題として法律の裏付けがないと出しにくいということを大蔵当局は言うのだそうであります。然るに一方昭和二十六年の法律に、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という法律がありまして、その第三条、四条、五条等を読んでみますと、かかる場合には、若し国が直轄で災害復旧をやる場合には、その二割に該当する金額を、当該港湾を管理しておるその地区の公共団体から出させる、地元負担をやらせる、こういう趣旨になつておるのであります。そこでおかしなことになつたわけです。地方公共団体なり、何なり、国以外のものがやるときには、全額を補助する。それから国自体がやるときには、八割だけは国が出して、地元は二割を負担しなければならん、こういうまあ変なことになつてしまつたわけです。そこでそれをどう直すかという問題になつたのですが、先ほど古谷専門員からもお話がありました通り、この前国会にできました水害関係の一連の特別措置法については、十三号台風が全部入つておりませんので、すべてにその十三号台風被害も入れるといつたような意味で、それをひつくるめた一本の法律を出して、その一連の法律それぞれを全部直すといつたような法案が出るらしいのであります。昨日とか一昨日とか次官会議でもそれがきまつたという段階まで進んでおるようであります。然るに今申上げました港湾の堆積土砂の排除に関するアンバランスに関しては、その法律案には無視されておるのであります。主たる理由は、大蔵省が賛成しないという事情ようであります。なぜ賛成しないかと言いますと、予算がだんだん膨らむので、その二割といえども出さずに済むならば出さんほうがいいという意味らしく思うのであります。然るにこの水害対策委員会では、そのアンバランスを発見しまして、それをバランスのとれたものに直したらどうか、直すについては政府提出の法律案として直したらどうか、こういう意味で港湾局が作つた試案と、それから参議院の法制局が作つた試案と二つを並べて、どちらがいいだろうということについて審議しました結果、港湾局で作りました試案は、主として自分の関係のある港湾を狙つた匂いが極めて濃厚であるのに対し、法制局で作りました試案は、単に港湾のみならず、例えば第三条にあります河川道路等における堆積土砂の排除も含むよう一般的な幅広な建前になつておりますので、そのほうがいいだろうというわけで、その趣旨に従つて政府が修正案を出すように勧告してあるわけでありますが、先ほど来申上げたような理由で、政府ではとうとう参議院水害対策委員会の趣旨に副うた改正案は出しそうもないというのが現状であります。そこでこれは勿論水害対策委員会がきめる問題でありますが、運輸委員会としても、港湾に関することでありまするから、この問題をどう措置するかということが残されてある問題かと思うのであります。大蔵省法律の条文そのものの如何を問わず、人がやるときでさえ全額出すのだから、国がみずからやるときは勿論自分が全部出すのだというふうに類推解釈で以て予算を出せば問題ないのですが、それがなかなか出しにくいというような恰好になつておるようであります。ですから、是非全部国が、直轄の場合も全額国が負担するというふうにさせるためには、予算案を修正するか、或いは先ほど来申上げるような趣旨でこの条文を修正するか、いずれか十万だろうと思います。  以上現状報告を申上げます。
  54. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御発言ございませんか。御発言ございませんければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十一分散会