運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1953-06-29 第16回国会 参議院 通商産業委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十八年六月二十九日(月曜日) 午後一時四十五分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
中川
以良君
理事
小松 正雄君
委員
石原幹市郎
君 黒川 武雄君 小林 英三君 西川彌平治君 松平
勇雄
君 岸 良一君 豊田
雅孝
君 西田 隆男君 海野 三朗君 藤田 進君 白川 一雄君
政府委員
中小企業庁振興
部長
石井由太郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員
山本友太郎
君
常任委員会専門
員
小田橋貞壽
君
参考人
日本中小企業団
体連盟常任理事
武山 光信君
東京商工会議所
理事中小企業委
員長
五藤 齊三君
全国地方銀行協
会会長
亀山 甚君
商工組合中央金
庫理事
門司 正信君
国民金融公庫
総 裁 櫛田 光男君
全国信用金庫協
会常務理事
安武
善藏
君
全国相互銀行協
会常務理事
島崎
政勇
君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
参考人
の出頭に関する件 ○
中小企業金融公庫法案
(
内閣送付
)
—————————————
中川以良
1
○
委員長
(
中川以良君
) それでは只今より
通商産業委員会
を開きます。
最初
にお諮りをいたしたいことがございます。それは目下当
委員会
において審議中の
鉱業法
の一部を改正する
法律案
に関連いたしまして、
鉱業権
と
文化財保護法
との調整問題が先般来
論議
をされておりますことは御
承知
の
通り
でございます。これにつきましては、実は去る金曜日にこの問題を審議いたしまするはずでございましたところ、本
会議
の都合で流会となりましたので、本問題は次回水曜日に取上げたいと存じております。つきましては、これに関連いたしまして、
業界
の
代表者
として
事情
をよく知得をいたしておりまする
石灰石鉱業協会会長芳賀茂
内君を
参考人
といたしまして招致いたしたいと存じております。
参考人
として同君を呼びますことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川以良
2
○
委員長
(
中川以良君
) それではさように取計らうことに
決定
いたします。
—————————————
中川以良
3
○
委員長
(
中川以良君
) 本日は
最初
に
中小企業金融公庫法案
につきまして
政府側
の
内容説明
を聴取いたします。
石井由太郎
4
○
政府委員
(
石井由太郎
君)
中小企業金融公庫法
の
提案趣旨
その他につきましては、
提案理由
におきまして御説明申上げた通りでございますが、なお若干補足をいたしまして内容につき御説明申上げたいと思います。
中小企業
の安定と振興を図りまするためには、いろいろな施策が各方面から行われなければならんと考えるのでございます。先ず第一に
中小企業者
みずからがその経営を改善し、
合理化
し、よ
つて以
て、この激しい
競争場裡
に自立し得るという態勢を整えることが最も肝要でございまして、この点につきましては
企業者
みずからの創意と努力とを促しますると同時に、むしろ
企業合理化促進法
によりまして、政府並びに
地方機関
みずから
企業
の
合理化
のための
診断制度
を普及いたしまして、これによ
つて中小企業
の、通弊とされておりまする諸点を改善し、その将来経営上向うべき方向を指示し勧告するという
制度
をと
つて
おります。又
中小企業者自身
に対しまして、その共同の力で或いは大きな経営からの圧力に対抗し、或いは
中小企業者
みずから一人では行い得ない
事業
に新生面を開拓し乃至
経済界
の変動に対応いたしましてその
抵抗力
を強化組織化するということの方途も、
協同組合法
を中心といたしまして大いに推進をいたしておるところございます。同時にこれらの
協同組合
を育成いたしまして、その仕事を真に
経済性
のある合理的なものたらしめるためには、いろいろな
共同施設
の
助成金
を交付する等の方途を講じ、乃至
商工組合中央金
庫を通ずる
融資
の
円滑化等
を図
つて
おるのでございます。なお最近の傾向でございまする不況の
深刻化
に対処いたしまして、
中小企業者
みずからが、或いは
原料高
の克服のために、或いは
過当競争
の回避のために共同するための
中小企業安定法
の円滑なる運用ということも考えられておるわけでございます。 以上いろいろな施策がいろいろな方面から重合的に行われておるのでございまするけれども、
中小企業者
をいたしましてその
経済活動
を円滑ならしめるためにはその
不足勝ち
な資本を補充すること、即ち資本的に
中小企業者
を強化するための国家の助或施設が必要なわけでございまして、これがためには
中小企業
の
金融
、これを特に円滑にする必要上或いは
中小企業信用保険制度
乃至は
中小企業
に対する
信用保証協会制度
の活用というようなことが、
国民金融公庫
の活動でございますとか、
信用銀行
、
相互銀行
の強化といつたような
金融
上の諸施策と共に行われているわけでございまして、併しながら
中小企業者
をしてその必要といたしまする
長期
の
資金
を通常の
金融機関
から調達させまして、過不足なき運用をやらせるということになりますと、現在の
金融制度
上いわゆる
市中金融
に
頼つて
ばかりおりましたのではなかなか円滑に参らないのであります。それは各種の
金融機関
が、商工中金でございますとか、
長期信用銀行
でございますとかいうような
債券発行銀行
を別といたしますれば、大部分が短期の預金に
資金源
を仰いでいるわけでございまして、これらの
資金源
を以ちまして
中小企業者
に、特に
経済界
の変動を受けやすい
中小企業者
に
長期
の
資金供給
をいたさせますことはとかくに支障が多いのでございまして、これを何らかの形で補充し、補完してやる必要があると政府としても考えるわけでございます。このような見地から、
曾つて
の
復興金融金庫
におきまして、
中小企業
のための特別の枠を設定して
融資
を行いましたことは御承知の通りでございます。又見返
資金
の
特別会計
におきましても
国家枢要
の産業に対しまして集中的、
重点的融資
を行いますと同時に、
中小企業
に対しましては特に
重要産業
の
関連産業
、或いは
輸出産業
或いは重要な
民生物資
の
生産業
、こういつた面の
設備貧金
を中心といたしました
政府特別会計
からの直接貸等の方策を講じて参
つたの
であります。更には昨年私以来日本
開発銀行
におきまして、それまで
日本銀行
の扱いで行われておりました見返
資金
の
中小企業者向け融資
の
業務
を引継ぎまして、暫定的に
開発銀行
から市中の
金融機関
の機能に乗せまして、
中小企業
のための特殊の
長期資金
を出すという
制度
が行われておつたわけでございます。併しながら
開発銀行
によりまするこれらの
業務
は飽くまで
暫定的措置
として行われたのでありまして、近き将来におきまして
中小企業
に
長期
安定いたしました
資金
、殊にその財源を
財政資金
に仰ぎました
資金
を流しまして、機構の確立に待つというような態勢にあ
つたの
でございまするが、たまたま昨年年末に
衆参両院
におきまして
財政資金
を
中小企業
に流し得るための適当な機構を講ずるようにという御決議がございましたので、
予算折衝
の過程その他種々の経緯を経ました結果、
中小企業金融公庫
の設置となつたわけでございます。 法案の内容につきましては、お手許に配付してございまする
中小企業金融公庫設置要綱
を中心といたしまして御説明申上げるのが便宜かと思うのでございます。 先ず
中小企業金融公庫
の目的は、「
中小企業者
の行う
事業
の振興に必要な
長期資金
であ
つて
、一般の
金融機関
が融通することを困難とするものを融通することを目的」といたします。即ちこの
公庫
は
長期資金
を供給する
金融機関
であるということが一つ。第二は
一般金融機関
の融通が或いは期間の点で、或いは使途の点で、或いはその
事業
に対する
経済界
の変動の
見通し等
の点で
一般金融機関
の
融資
に乗りがたいという
事業
なるものにつきまして通常の
金融機関
との競合を避けようといたしているのでございます。 次に
公庫
の
融資対象
となります
中小企業者
の範囲でございます。
中小企業者
の範囲は従来いろいろな法律でございますとか、
制度
によ
つて
ややまちまちであ
つたの
でございます。或る場合には
従業員
二百人以下を抱えておりまする
事業者
を
中小企業者
と、或いは五百万円の
資本金
であるとか、或る場合には一千万円、いろいろな
制度
の目的によりまして出入りがあ
つたの
でございまするが、今回は
中小企業者
の範囲を次の四種類にいたしましてその範囲をやや従来より拡張いたしたのでございまするが、即ち第一に「資本の額又は
出資
の総額が一千万円以下の会社並びに常時使用する
従業員
の数が三百人以下の会社及び個人であ
つて
、政令で定める業種に属する
事業
を行うもの」という概念でございます。但し商業その他
サービス業
を主たる
事業
といたしまする
事業者
につきましては使用人の数を三十人とし、
鉱業
を主たる
事業
とする
事業者
については千人といたしたのでございます。従来
従業員
の数二百人程度で押えるという概念があ
つたの
でございまするけれども、現に
開発銀行
の
融資等
は三百人までの
従業者
を擁する業者を
中小企業者
として認めておりまする等の
関係
も考慮いたしまして、現在行われておりまする
制度
の中で、最も円滑に行くであろうという線を押えまして、これらの規模を確定いたしたのでございまするが、なお
鉱業
を主たる
事業
とする
事業者
については
従業者
千人といたしたのでありまするが、
鉱業
は御承知のように、
原始産業
でございまして、
インダストリー
、或いは商業と比べますと或いは
事業
の売上げ或いは
設備
の投入高等に比べまして、どういたしましても
雇用人員
が多くなるのでございます。
一般的業界
の通念といたしまして、大体千人以下の
鉱業事業者
というものは
中小企業
という通念であるという見解に従い、
かたがた曾つて
今までの
中小企業等協同組合法
におきましても、三百人以下の業者でありませんと
協同組合
が組織できないのでございまするけれども、
公正取引委員会
の承認を受けますれば、それを超える
従業員
を包容いたしていましても、特に
協同組合
を組織できると相成
つて
おのるでございまするが、それからの事例を調べましても、或いは五百人、或いは九百数十人といつた程度までが
中小
の
鉱業者
という見地から特に承認されている
事例等
もございまするので、このような取扱といたす考えでございます。第二には
中小企業
に関連いたしておりまする各種の
組合
でございます。
中小企業等協同組合
、
農業協同組合
、
農業協同組合
の
連合会
、或いは
水産業協同組合
、
森林組合
、
森林組合連合会等
でありまして、第一に掲げました
中小企業
と同じような
事業
を営むものもこの範囲に加えたのであります。農業や
森林業
、
水産業等
の
事業
をこれに加えましたことは、一見いたしまして或いは
農林漁業金融公庫
の仕事との重合を生ずる虞れがあるような感じを持たせるのでございまするが、狙いといたしておりまするところは、これらの
協同組合
が現に行な
つて
おりまするのは一般の
製造業
であるという事例が多いのでございまして、これらの事例を取上げまして
中小企業金融公庫
の
融資対象
といたそうと考えている次第でございます。第三の範疇は医業でございます。お医者さんの仕事が、いわゆる
中小企業
といつたような概念で把握できるものかは今いろいろと論議のあるところと存ずるのでございまするが、現に
中小企業信用保険制度
におきましても、お医者さんに対しまする
融資
を
信用保険
の対象として取上げておりまする等の事情もございまして、比較的小規模な医業、
医療事業
をこれらの対象として取上げようといたしておるわけでございます。第四の範疇は
調整組合
及び
調整組合連合会
でございます。
調整組合
と申しまするのは、先ほどもちよつと触れました
中小企業安定法
に基きまして
中小
の
事業者
が主として生産の
制限調節等
を行いまする目的で組織いたしまする
組合
でございます。いわば小規模なカルテルでございまして、その主たる仕事は、
組合員
たる
中小企業者
の
生産事業
、
経済事業
に対する
意思的規律
を行うことが
中小
でございまして、
経済事業
はその対象と相成
つて
おらないのでございますが、ただ
金融
の仕事だけは行い得るように相成
つて
おるのでございます。これはときによりましては
調整組合
におきまして
組合員
の
調整活動
に必要な
資金
の融通をいたす等の必要から設けられておる規定でございまするので、これらの活動に附随して
資金
が必要である場合も予想してこれを加えた次第でございます。 第三には、
中小企業金融公庫
は、他の
公庫
におけると同じようにこれを法人といたします。 第四は資本でございまするが、資本は
一般会計
からの
出資
百億と、後に述べます
産業投資特別会計
から
出資
があつたものとされますいわゆる
法定出資額
との合計と相成るのでございます。
公庫
の
資本金
をできる限り多くし、その
運用資金
をできるだけ多くしたいということは我々の念願であ
つたの
でございまするが、財政上のいろいろな
睨み合
から結論的に百億ということに相成つた次第でございます。
役職員
といたしましては、総裁一人、理事四人以内、監事二人以内を置くということにいたしまして、役員の任期は
一般公庫
におけると同じように四年ということに考えこおるのでございます。
公庫
の役員及び職員は刑法その他の罰則の適用ではこれを公務員とみなしまして、
業務
の公正を期したいと考えておる次第ございます。なお
公庫
の職員は出発の当初におきましては五十人程度の極めて簡素な組織を以てスタートいたしたいと考えておる次第でございます。
公庫
の
業務
でございまするが、
公庫
は
中小企業者
に対しまして安定しました
資金
を流すという第一条の目的を達するために、
中小企業者
に
貸付
の仕事を行う。保証とか或いは手形の割引でございますとかいうような仕事は
公庫
の
業務
の内容といたさないのでございまして、専ら
貸付
のみを行うことと考えておるのでございます。
貸付
の条件は、これは
公庫
が創立いたされますると、
公庫
みずからが
業務方法書
に規定いたしまして
主務大臣
の認可を受けることにな
つて
おるのでございまするが、現在大体次のような方式を以て
貸付
ける予定でございます。
設備資金
及び
長期
の
運転資金
、
設備資金
と申しますればこれは一般的に
長期資金
になりますことは御承知の通りであります。又
運転資金
に対しまして国家乃至は
政府機関
が
補充的金融
をやる必要も極めて少いのでございまするが、或いは
設備
の
増設等
からみ合
つて
必要といたしまする
長期
の
運転資金
乃至は積極的に苦難を打開いたします或いは
合理化
いたします等のために必要な
長期
の
運転資金
をば
公庫
から貸出させようと考えておる次第でございます。
貸付金額
は、一
企業者当り累計
一千万円までと考えておりまするが、
中小企業等協同組合
又は
調整組合
若しくは
調整組合連合会等
のいわゆる
合同体
にありましては三千万円までを
貸付限度
といたします。この
貸付限度
一千万円という点につきましては、やや多きに過ぎるのではないかというような御議論もよく伺うところでございます。従来見返
資金特別会計
の
資金
を
日本銀行
の窓を通じまして
中小企業
に放出いたしておりました時代は、これが五百万円あ
つたの
でございます。又現行の
中小企業信用保険法
におきまして、規定いたしておりまする一件の
貸付限度
も五百万円ということに相成
つて
おるのでございまして、或いは従来の常識から考えまするとその程度の
資金量
が
中小企業
のために必要な
最高限度
ではないかとも考えれるのでございまするが、実は
開発銀行
に対しまして私
ども中小企業行政
を担当いたしておりまする見地から申しましても、五百万円までの限度では足りない場合が相当あるのであります。それはお手許に
曾つて
配付いたしました
中小企業関係統計資料
によ
つて御覧
を願えばおわかりになると存ずるのでありまするが、
各種中小企業者
の業態を調べまして、いろいろと
設備
の更新等やらねばならぬ幾つかの
設備類
があるのでございます。併し、これを調べて見ますると、一件の金額が或いは六百万円或いは八百万円或いは一千万円程度のものでございまして、これを
指導診断
の結果等から考えまして
設備
いたさせませんとなかなかに
中小企業
が
合理化
されんという場合も多くありまする事実に鑑みまして、現在
開発銀行
におきまして一千万円までの
融資
を
中小企業向け
にいたしておるのでございまするが、今後も大体従来通り五百万円見当を中心的な狙いといたしまするが、或いは後に申上げまする
金融機関
に専決的な
貸付代理
をいたさせます時分などには勿論五百万円までといたして、特に只今申上げましたような或いは非常に
合理化
に役立つ機械を据付けるといつたような場合に
限つて
一千万円までの貸出を認める等の方法を講じまして、限度といたしましては一千万円と相成
つて
おりまして、事実は成るべくこの限られました
資金量
が広汎な
中小企業層
に向
つて
流入し得ますような措置を講じたく考えておるような次第であります。利率は、現在
開発銀行
の行
つて
おりまする
貸付
の利率の基準と同じく一割ということを一応の目途といたしておりますが、勿論
金利情勢等
が変動いたして参りますればそのときの利率によることと相成るわけでございます。
償還期限
は、一年以上五年以内、特に必要のありまする場合には五年以上の
資金
の
貸付
も認める考えでございます。一年以下の
資金
につきましては、これは政府の補完的な
金融
をいたしまする対象といたしましてはやや
補完的金融
をいたしまするほどの必要のない
資金
ではなかろうかという考えの下に、大体中期以下、
長期資金
という常識から考えまして、一年以上のものに
限つた
次第でございます。なお
設備資金等
でございますると、
据付運転等
のために相当の
据置期間
を認めてやる必要がございまするので、一年以内の据置を認めることと考えておるのであります。担保は、これら
信用業務
の性質上原則として
不動産殊
に当該でき
上り設備
といつたようなものを担保として徴収いたしまするが、或いは
運転資金融等
でどうしても担保が出せないというような場合には
保証人
を以て担保に代えることもできるような
業務扱い
といたしたい考えでございます。
公庫
の
業務
は、大部分を原則といたしまして
金融機関
に対しまして委託して運用させる考えなのでございます。即ち只今申上げましたように
公庫
の機構は極めて簡素なものでございまして、みずから支店、
支所等
を設けまして直接に
中小企業者
と
貸付
の
業務
をいたすということになりますると、厖大な陣容が必要でございまするのみならず、新らしい仕事でございまするから、その活動が滑り出すまでに大分の時間がかかるようでございまするので、各種の
金融機関
と
中小企業者
との従前の
取引関係等
に基きまして、ただ
資金
の使途や或いは
資金
の
償還期限
や、その他の
関係
から
財政資金
を投入するにふさわしいといつた用途をそれぞれの
金融機関
に選んで頂きまして運用してもらう考えでございます。
受託金融機関
に対する
受託方法
は全部
専決代理
の方式と一部代理の方式とを考えておるのでございます。
専決代理
の方式と申しまするのは借入の申込の受理から
貸付
の決定、担保の条件、
償還期限
その他すべてを
金融機関
に専決させる方式でございます。この場合におきましてはおおむね
元利金
の八割につきまして
当該金融機関
に責任を持
つて
もらうようにいたしたいと考えておるのでございます。又一部
受託方式
と申しまするのは、
貸付
についての申込の受理、審査、そのような一部を
金融機関
に委託いたしまして、最終的な
貸付
の決定は
公庫
みずからが行うという方法でございまするが、この場合におきましても各
金融機関
において責任ある
業務
をと
つて
頂きますために
貸付元利金
の三割程度について
金融機関
の
元利支払
の保証をとるという扱いといたしたい考えでございます。 第八は
公庫
の
会計
でございまするが、これは
公庫
の予算及び決算に関する法律の定めるところによりまして、おおむね国の
会計
に準じました処理をいたし、勿論予算は国会に提出いたしまして議決を仰ぐという
考え方
でございます。
公庫
に対しましては、
公庫
はなお
主務大臣
の認可を受け、予算の定めるところに従いまして
政府資金
の借入が行い得るということにいたしてございます。
公庫
の
資金源
といたしましては
一般会計
からの
出資
に多く頼るということが或いはその
資金コスト
を低下させる意味で非常に望ましいのでございまするけれども、これだけに
頼つて
おりましたのでは財政上の
規模等
の必要から十分なる
資金
を確保できないという場合もございまするので、或いは
資金運用部
或いはその他の
会計
から借入ができるようにした考えがこの第九の
借入金
の条章でございます。なおこれら
借入金
に対しましては一般の場合と異なりまする
関係
もございますので、利息につきまして加減、或いは利息の減免といつたようなこともでき得ることといたしたのでございます。 なお
公庫
は一〇〇%
政府関係機関
でございますので、国庫以外の或いは
日本銀行
に頼り或いは
市中金融機関等
から借入をいたすことはこれを禁じようと考えておる次第でございます。 なお次は
開発銀行
からの
債権
の承継でありますが、従来
復興金融金庫
、見返
資金特別会計等
の行な
つて
おりました
債権
はすべて現在
開発銀行
に一応引継がれまして同銀行の処理するところとな
つて
おるのでありまするが、これらはすべてこれを
公庫
に集中いたしまして、今後は
公庫
においてこれを管理し、その
回収金
は
貸付
の
資金源
に加えて参るという
考え方
なのであります。この点につきましては過去の国会特に当
通産委員会
においてもこれらを集中的に利用するようにという御意見も出ておつたところでありまして、その御意見に副い得たかと考えておるのであります。引継の
債権
の種類は、第一は、
開発銀行
が見返
資金特別会計
から承継した
中小企業者
に対する
貸付
に係る
債権
でございます。お手許に一枚紙の資料がお配りしてありますが、これを御覧願えばわかりやすいかと存ずるのでありますが、
中小企業者
に
政府関係機関
から貸出されました
資金
は三通りあるわけであります。第一番が見返
資金特別会計日銀扱
というのがございます。これから
中小企業者
に出たもの、第二は
復興金融金庫
から
中小企業者
に出たもの、第三が3とあります
中小企業
見返
資金
から出たもの、この三通りでございます。この三通りの
債権
が、現在では
復興金融金庫
の分は
開発銀行
が引継ぎ、又見返
資金特別会計
から
日銀扱
を以て
中小企業者
に出ておるものも
開発銀行
に引継がれておるのでありますが、これらを
中小企業金融公庫
に引継替えいたしまして、
中小企業金融公庫
から
中小企業者
に
貸付
けたこととして、将来整理して参るというのが第十に書いてございます承継の規定でございます。
開発銀行
が見返
資金特別会計
から承継した
中小企業者
に対する
貸付
に係る
債権
というのは1でございます。
開発銀行
が
復興金融金庫
から承継した
中小企業者
に対する
貸付
に係る
債権
と書いてございますのが2という
債権
でございまして、
開発銀行
が小
企業者
に対して行な
つた貸付
に係る
債権
と書いてございますのが、丁度真中のところにある3でございます。これらを引継ぐことといたしまして、そうしてこれら
引継債権
のうち第一号の
債権
即ち見返
資金特別会計
から
中小企業者
に出しておりました
資金
に相当する額は、
産業投資特別会計
を通じて引継がれまして、
中小企業金融公庫
への
出資
として扱い、その他の
債権
は
開発銀行
から
公庫
が借りたものとして扱うということにいたしたのであります。見返資す
特別会計
の
中小企業者
に対する
貸付金
は
産業投資特別会計
に引継がれまして、
産業投資特別会計
から
中小企業金融公庫
に
出資
、いわゆる
債権出資
の形で引継がれるという
関係
にいたしましたのが、冒頭に申上げました
資本金
のところでありますが、「
産業投資特別会計
から
出資
があつたものとされた金額との
合計額
」云々という条章に該当する規定でございます。なお
開発銀行
が本年四月一日から
公庫成立
の日までこれは
中小企業者向け
の
貸付
をいたしておりますが、この
貸付債権
は、
公庫
みずからが現金を以て買取る、
債権
を承継いたしまするが、無償ではございませんで、有償の現金払の承継ということに考えておるのであります。 次は
商工組合中央金
庫との
関係
でございますが、
公庫
の
出資
に振り替えられた
一般会計
からの商工中金に対する
貸付金
二十億円は、
公庫
の成立の日から二年以内で政令の定める期間
公庫
から商工中金へ
貸付
けたものとすること、昨年の十二月に商工中金に対しまして
一般会計
から二十億円の
資金
の
貸付
を行な
つて
おるのでございまするが、この三十億円の
債権
も、
公庫
の
資本金
にいたすという考えで、これは
一般会計
から商工中金に
出資
されることに相成るわけであります。従いまして
公庫
と商工中金との貸借
関係
を明らかにいたす
関係
がございますので、この条章を設けた次第でございます。この
公庫
の監督は、通産、大蔵両大臣に帰属するという主管を明らかにいたしておきたいと考える次第でございます。 以上が大体の要綱でございますが、予算的な
出資
につきましては、
一般会計
予算書の第三百五十頁、大蔵省所管の
中小企業金融公庫
の項に、
中小企業金融公庫
出資
に必要な
資金
として八十億円を計上してございます。なお
公庫
自身の歳入歳出は
政府関係機関
予算といたしまして本国会において御承認を頂くことに相成
つて
おるのでございまするが、その予算総則第三十条におきまして、
中小企業金融公庫
は、先ほど申上げました
借入金
のなし得る限度を二十億円というように定めてあるのでございます。従いまして
一般会計
からの
出資
二十億円、並びにこの予算総則三十条によりまして行います
借入金
二十億円、合せて百二十億円が
公庫
を運用いたしまする
資金
の一応の量でございまして、なお先ほど申上げました
開発銀行
からの
引継債権
の承継額、こういつたものが、
回収金
等が
公庫
の
運用資金
源と相成るわけでございます。収入支出につきましては
政府関係機関
予算書百七十五頁以下が
公庫
の予算を規定いたしてございまするが、これによりますれば
事業
益金収入五億九千四百余万円、支出合計三億六千一百余万円ということに相成
つて
おりまして、その差額が国庫に納入されるということに相成
つて
おるわけでございます。なお
開発銀行
の
業務
を引継ぎますると、これに伴いまして或いは
業務
管理のための経費と、人員等を要するわけでございまするが、その点は
政府関係機関
予算の総則第三十五条におきましていわゆる弾力条項を設けて支出の増額分は収入の増額で賄
つて
よろしいということについても併せて御承認を頂く予定と相成
つて
おるのでございます。なおこれに関連いたしまして御参照を願いまする条文といたしましては、大きなものといたしましては、民法の法人の不法行為についての
関係
条章及び
公庫
の予算及び決算に関する法律が主たるものでございまするが、添附の資料により御覧を願いたいと思います。なお従来の
中小企業向け
の
政府関係機関
等の
融資
の概況、その他につきましては配付申上げました横書の長い資料がございまするが、これによりまして従来各種の
金融機関
が
中小企業者
にどのような
資金
を流しておるかという程度乃至は復興
金融
公庫
関係
乃至は見返
資金特別会計
の
関係
、
開発銀行
の
中小企業者向け融資
等町の概況を明らかにいたしたつもりでございまするが、御審議の御参考にして頂きたいと思う次第でございます。
中川以良
5
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。 それでは
政府側
に対しまする質疑は次回にいたしまして、今日は
参考人
においで頂いておりますので、引続き
参考人
の御
意見
を承わることにいたします。
参考人
のかたに申上げますが、本日は御多用中のところをわざわざお出ましを頂きまして、誠に有難う存じました。御
承知
のごとく只今
中小企業金融公庫法案
に対しまして、本
委員会
におきまして慎重に審議をいたそうといたしております。つきましては、我々長い間
考え
ておりました
中小企業
の
金融
を円滑ならしむるために
法案
ができましたので、これが実施に当りましては是非とも
中小企業
関係
の人々の期待に副うようなものにいたして行きたいと
考え
ておりますので、この
法案
に対しまする
産業
団体並びに
金融
業者
方のいろいろ御
意見
、殊に実際の場面におきまするところ御注意等、又これに関連いたしまするいろいろな御指摘の点等を腹蔵なく承わりまして、私どもが本
法案
審議の下の尊き参考といたしたいと存じております。つきましてはどうぞ腹蔵なく十分に御
意見
をお述べ頂きたいと思います。ただ本日は遺憾ながら時間が十分ございませんので、お一人大体十分ぐらいの御予定を以てお述べを頂きたいと存じます。 それでは先ず
最初
に
日本中小企業団
体連盟常任理事
武山光信君にお願いいたします。
武山光信
6
○
参考人
(武山光信君) この
法案
の実施に当りましては、すでにこれまでいろいろ検討協議をされまして、現在ではこれのできました暁の
運用
上の問題が二、三あると思
つて
いるのであります。 その第一の問題としましては、
中小企業
の
協同組合
化、これの
運用
に当りまして、
組合
化が阻害されないような
方法
をと
つて
頂きたい。こういうことは具体的に申上げますと、商工中金が現在
協同組合
金融
を行な
つて
おりますが、これは単位
企業
に対する貸出もございますので、それと
組合
の
金融
というものがどういう工合にお互いに影響を受け合うか、こういう問題で、その点を心配しているのでございます。でありまするから
協同組合
化が阻害されないように、これの運営に当りましては特に御注意をして頂きたい、こういうことを一つ申上げたわけであります。 それから第二の問題としましては、
利息
が商工中金の場合は現在約一割三分
程度
にな
つて
おりますが、この点
公庫
を通じて見ますと一割ということになりますが、ここに又一つ差額ができますので、
考え
ようによりましては、一つは低くなるのだからいいではないかということにもなりますが、
業界
としましてはやはり商工中金の一割三分を一割になるように、低利の
資金
を商工中金のほうへ流すように御考慮願いたい、こういうことを特に希望しております。この点も一つ併せてお
考え
願いたいと、こういう工合に
考え
ております。 それからもう一つ、第三としましては、
中小企業
の中でも比較的大きな
企業
に流れるのではないかということを心配する向きも相当にございますが、この点も特に御注意の上
中小
を問わず公平に流して頂きたい、こういうことを
業界
でも非常に希望しておりますから、その点も一つお願いいたします。大体私から特に希望を申上げるのはその
程度
でございます。
中川以良
7
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。それでは次は
東京商工会議所
理事中小企業委
員長
五藤齊三君にお願いいたします。
五藤齊三
8
○
参考人
(五藤齊三君)
中小企業
界の
金融
の梗塞の様相は、過去数年に亘りまして各
方面
で大変問題にな
つたの
でありますが、殊に最近におきましての国際情勢の変化から
一般
産業
界の景気が後退いたしまして、御
承知
の
通り
過日来不渡手形の問題が大きく現われて参りましたのでありますが、少し前まではその不渡手形は大
部分
中小企業
のものである、こういうふうに見られております。
中小企業
の金詰りの深刻さを端的にその面からも現わしてお
つた
と思うのでありますが、最近に至りましては、御
承知
のように大
企業
の中からも続々不渡手形が出るというような深刻な経済の行詰り状態が見られるようにな
つたの
でありまして、従
つて
これらが更にそれに関連をいたしまする
中小企業
界に対する
金融
の圧迫とな
つて
現われておることは申すまでもない次第でありまして、全く
中小企業
界の
金融
問題としては容易ならん時期にあると
考え
る次第であります。でその時に当りまして
政府
が本
公庫
案を御提出にな
つて
、近くこれが
運用
に入られるということは非常に意義深いものがあると私ども大変賛意を表する次第であります。で、先ほど
政府委員
からも御説明がありましたように、従来の
中小企業
金融
の諸
施策
に更に補完的な意味を持たしてこの
公庫
の出現が見られるにいうところに特に私は深い意義があると
考え
るのであります。で、
中小企業
の
金融
に関しましてはその量におきましては
一般
市中
銀行
、地方
銀行
の役割が非常に大きく働いておりますることは、これ隠れなき事実でありまするけれども、この
市中
銀行
、地行
銀行
の特性からいたしまして、どうも
中小企業
に十分なる面倒を見てもらえない
事情
である、これ又隠れなき事実でありまして、皆様御
承知
の
通り
でありまするが、それは要するに
市中
銀行
の
資金
と申しまするものは、どうしてもその短期の
商業
手形を偏重して
運用
しなければならんという性格上の点がありまするのでありますから、
中小企業
界におきましての特性といたしまして
商業
手形の準備にいうものが比較的少い。特に零細
企業
の中では殆んど期待できないというようなことから
中小企業
金融
を
市中
銀行
が担任をするということは全般的には非常に困難であるのでありまするから、
中小企業者
の不満が
市中
銀行
、地行
銀行
に対しては相当に高ま
つて
おるわけでありまするが、そういう観点からこれらの既存の普通
銀行
は何と申しましましても大
企業
金融
に偏重せざるを得ない実情であると思うのでございます。そういう観点に立ちまして現下の
一般
産業
金融
の大勢を観察いたして見ますというと、大
企業
に対する
金融
措置
としてのいろいろの機関は日本興業
銀行
、或いは輸出入
銀行
、
開発銀行
、
長期信用銀行
等いろいろの
銀行
が政策的にも次々に設立をせられまして、その分野に応じて大
企業
の今後の育成の
金融
努力が払われておりますると思うのでありまするが、又
中小企業
に対しましても商工中金か系統機関としての重大な役割を果しておられますと共に、無尽
会社
と申しまする名前によ
つて
四十年前に誕生をいたしました庶民
金融機関
も今日は四十年の歴史と共に育
つて
参りまして、
相互銀行
という形において
中小
金融
の上に一つの重点を持つようにな
つた
と思うわけでありまして、そうして信用金庫及び
組合
におきましても、大体これは相互
金融
の
概念
から出発をいたしましたけれども、発達をいたしました信用金庫となりましたものは、今日では
中小企業
の
一般金融機関
とな
つて
育
つて
おると思うのであります。そのほかに
国民金融公庫
におきましても大体は社会政策的な庶民の
金融
を掌る機関として生れたと思うのでありますけれども、今日におきましては
中小企業
金融
に相当の役割を演じておられることを
承知
をいたすのでございます。そういう観点から申しますと、
中小企業
に対する
金融機関
及びその
施策
もだんだん完備をして来たように思うのでありまするが、そういう中におきましても
金融
梗塞の声はなお非常に強い。そういう観点からこれらの既存の機関も多々益々弁ずるように拡充しなければならんことは当然でありまするが、その中でも特に
金融
の梗塞をしている階層は、どんなところにあるだろうかというようなことを私どもの観点から観察をいたして見ますというと、一つは今日
市中
の闇
金融機関
のごとく
考え
られております株主相互
金融
会社
等の利用しかようやらないような零細
企業
層の
金融
が非常に梗塞をしておると思うのであります。いま一つは、
中小企業
の中の中大
企業
の
金融
がこれ又非常に逼迫をしておるように思われるのであります。で、即ち先ほど
政府委員
からもお話が出ましたように、いろいろの法令、
規定
で
中小企業
の
範疇
が謳われておるのでありますが、その中からだんだん軌道に乗りまして、育
つて
参りまして、その
範疇
を越えたようなもの、或いはその極点に近付いておるというような
企業
のほうには得てして
金融
が忘れ勝ちである。既存の大
企業
相手の
金融機関
はそういう面に殆んど相手にしてくれないし、従来ありますところの
中小企業
金融機関
も又少しく
規模
が大き過ぎるというような感を懐きまするような結果と思うのでありますが、相当にこの
方面
の
金融
が梗塞をしておるのではないかと思うのであります。 そういう観点からこの
公庫
ができまして、先ほど
政府委員
から一千万円の
融資
総額は大き過ぎるではないかという議論もあるがというお話がありましたのでありますが、
中小企業
或いは
中小企業
の
金融
のためにこの
公庫
が運営せられるかというところに一つの意義があるのではないかと思うのであります。で、零細
企業
に対しましては、今日
国民金融公庫
がそういう観点から、社会政策的な面における
活動
が行われておりまするに鑑みまして、
国民金融公庫
の今後の一層の拡充と、或いは株主相互
金融機関
等の健全なる育成と、監督を強化いたしまするための法制化等が望ましいと思う次第であります。 なお
中小企業
の団結から、今後の日本
産業
の進展のために不可欠の至上命題でありますることに鑑みまして、この集団的
中小企業
の系統
金融機関
でありまするところの商工中金が今後ますます弁ずるように、これらの系統
業者
の上に系統
金融
を図
つて
行かなければなりませんので、この
公庫
法におきましては、やや中金の圧迫をこうむるのではないかと思われるような点がありまするに鑑みまして、本法の三十四条の四項にありまするところの、商工中金に昨年十二月に
貸付
けた
金額
をこの
公庫
に肩替りをする
規定
が載
つて
おりまするが、これが二年以内の期限で返済をすべしというように明文化せられておるのでありますが、この
資金
のごときは、昨年国庫から御
融資
をなされましたときの
条件
は、五年未満の
貸付
をしてよろしいということで出されておるかのように私は拝聴いたしておりますが、そういう点からこの二年以内ということは、少くも五年以上というふうに訂正をせられるのが至当ではないかと、そういうところから商工中金の今後の育成を図
つて
行くべきではなかろうかと思うのであります。なおこれでは足りませんわけでありまして、
資金運用部
資金
等でいろいろ御勘案を願
つて
、商工中金のために多々益々二十八年度においても
資金
の追加支出をおやり頂きますように、切にお願いを申上げておきたいと思います。 それからこの
法案
の中で気が付きましたところでは、第二条中の
中小企業者
の
範囲
が
規定
せられておりまするが、これは既存の
各種
の
中小企業者
を律する
法律
の中にありますることを大体踏襲をいたされておりまするところと思いまするが、この中で
商業
及び
サービス業
の
範囲
を、
従業員
三十名未満とせられておりまするのは、今月の商取引の状況から
考え
まして問屋業等の中には、或いは
サービス業
等の中には三十名では到底足らない
中小企業
の分野があるということをいろいろの会合の席上でよくその主張を聞くことでありまするが、これらもこの有意義な金庫の
運用
に当りましては、せめて五十人まで
商業
及びサービスの
従業員
の
範囲
を拡げて頂くことをお願い申上げたいと存じます。 それから
法律
の中には見えておりませんが、通商
産業
省のお示しになりました要綱によりますると、
調整組合
への
貸付限度
が普通の
協同組合
と同様に三千万円以内というふうにな
つて
おりまするが、特定
中小企業
の安定に関する臨時
措置
法による
調整組合
ができまして、これに対する
融資
が必要というような段階にな
つて
参りますと、これは当然公益多数の
業者
の団体であるべきはずでありますので、これは三千万円
融資
総額では少しく小さ過ぎるのではないかと私は思うのであります。
調整組合
の
融資
に限りまして差当り五千万円以内というふうに改正をされたほうがいいのではないかと存じます。これは将来は一億円
程度
にして頂きたいと思うのであります。当初における総
資金量
に鑑みまして先ず五千万円
程度
で我慢をしておくべきではないかと存ずるのであります。そうしていま一つは法第二十五条第三項の
政府
の
貸付金
に対する
利息
の減免の
措置
が謳われておりまして、これは
中小企業
育成のために成るべく低コストの
資金
を得て安い金利で貸出しが行われるということを裏書をされている
規定
で非常に結構だと存ずるのでありますが、同時にこれを活用した結果といたしましては、個々の
業者
へ
貸付
ける金利も可及的に逓減するように運営せられるべきだということは、これは
運用
の問題でありますけれども、希望を申上げておきたいと存ずるのであります。そうして第二十六条に更に
公庫
の余裕金は国庫以外に預託してはならんという
規定
が明記せられておりますが、これは
公庫
の性格上、こういうことも言えるわけでございましようけれども、
中小企業
育成のためにおやりになります
公庫
といたしましては、余裕金のあ
つた
場合におきましては、
中小企業
金融機関
に預託をせられて本
公庫
の使命が倍加せられますように取扱われますことが必要ではないかというふうに
考え
る次第であります。 なお
公庫
の
一般金融機関
へ
業務
を委託するということはその
業務
の簡素化及び運営の経済化の観点からこれは至当であると思うのでありますが、ややもいたしますと、
一般金融機関
の中には過去にその
金融機関
が
貸付
けまして、どうも不良貸しの傾向が強いとい
つた
ようなものを、新らしいこういう
政府
施策
の
政府
の
金融
に肩替りするという傾向が従来相当にあ
つた
。それであるから、
一般金融機関
に
業務
委託をさせるのは絶対反対だとい
つた
ような意向も
中小企業
界には相当強く叫ばれておる。こういうことを一つ御記憶願いまして、この弊が起りませんような
運用
ができますように留意して頂くことを願
つて
おきたいと存じます。 それからこの
公庫
の
運用
に関しましては、是非とも民間
業界
の
代表者
を多数入れました運営
委員会
とい
つた
ようなものを作
つて
頂きたい、
政府
出資
によるいろいろの
金融
期間
もありますけれども、ややもいたしますと、それらの機関が官僚化するというような不平が相当に
業界
には起
つて
おる。そういうことから鑑みまして、本
公庫
は本当に
業者
のために新らしく
資金
が追加支出せられるのだという運営ができますように期待いたしたいと存するのであります。そういう意味におきまし、民間
業界
の代表を多数含めました運営
委員会
を
設置
するという一項を加えて頂くならば非常に結構だと思うのであります。 最後に
中小企業
界の
金融
の総括的な情勢は、私その数字の詳細を存じませんけれども、恐らく全
金融機関
を通じましては八千億を超えておる数字ではないかと
考え
るのでありますが、それに対しまして商工中金なり或いは本
公庫
なりの
資金
がまだまだ
中小企業
振興
育成のために十分な
金額
ではない、こういうことを
考え
る次第でありまして、本
公庫
の出現は百尺竿頭一歩を進めるという意味において非常に結構なことでありますけれども、本年だけでなくして、来年度、再来年度におきましても、
一般
財政資金
、或いは預金部
資金
を追加支出せらまして、真に
中小企業
の育成ができまするように御配慮を願うことをお願い申上げまして、私の陳述を終ります。
中川以良
9
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。それではちよつと皆様に申上げますが、
全国地方銀行協
会長の亀山さんは非常にお急ぎのようでありますのでありますので、今日直ちに御旅行にお出になるそうでありまするので、直ちにこれから亀山さんに順序を変えまして御説明を願いまして、なおのちほどの御質疑に対する御答弁は亀山さんの
代理
のかたにお願いすることに只今お話合いいたしましたので、御了承を願います。それでは
全国地方銀行協
会長亀山甚君。
亀山甚
10
○
参考人
(亀山甚君) 私から申上げます。私は今回の
法律
につきまして
中小企業金融公庫
の設立につきましては、その
目的
が
中小企業
に対する
金融
でありまして、
一般
の
金融機関
が
融通
することの困難なものについて
融通
するという点にあるのだろうと思います。
金融
ベースに乗りがたいものに
金融
が門戸を開くという意味で重要なる意義を有するものでありますので、地方
銀行
は全面的に賛成の意を表する次第あります。 なお
法案
によりますれば、既存
金融機関
を利用することにな
つて
いるが、この点については貸出すについての審査能力を有しまする
銀行
を初め、各
金融機関
を十二分に活用することになりました。又
公庫
と民間
金融機関
との競合が避けられることにもなりますので適当な
措置
と
考え
ております。この
金融機関
を利用することについては地方
銀行
は全国に隈なく店舗網を有しておりまして、丁度六十三行、全三千六百五十店舗があります。
公庫
の有力な窓口となり十分御期待に副い得るものと
考え
て、地行
銀行
全部が
公庫
の
受託金融機関
として活用せられることを期待している次第であります。 なお
公庫
に対する
政府
出
資金
は百億円と聞きますのですが、成るべくこれが増加をいたしますように御期待申上げる次第でございます。以上でございます。
中川以良
11
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。次は門司正信君。
門司正信
12
○
参考人
(門司正信君)
中小企業
に対しまする対策にいろいろございます中に、
業者
の組織化によりまする
合理化
ということが非常に重要であるということにつきましては、各
方面
において言われておるとところでございますが、商工中金といたしましては
協同組合
並びに
組合
関係
の貸出につきましてこの
公庫
の
資金
を
運用
するにつきましては
公庫
から商工中金に対して
資金
の
貸付
をして頂きまして、商工中金は自主的に
協同組合
並びに
組合
関係
にこれを
貸付
けるような仕組として頂きたいと存ずるのであります。現在昨年の十二月に五年の期限を以て
政府
からお
貸付
を願いました二十億円は二年間に返済しなければならないというような
法案
にな
つて
おるのでありますが、これは或いは一定
期間
内にお返しをしなければならないものであればお返しをするといたしまして、やはり
公庫
の
資金
事情
が許します際には、先ほど申しましたように
資金
を
貸付
けて頂く途も開いておいて頂きましたならば仕合せと存ずるのでおります。それから今回の
公庫
法案
によりましては、一貸出先に対しまして個人の場合一千万円以下、それから
組合
の場合は三千万円以下という
規定
がございまして、
金額
の点におきまして個人と
組合
とに差等が設けられてはまするけれども、これは
組合
は多数
業者
の団体であるというところから
考え
まするというと、いわばむしろ当然なことのようにも存ずるのでありまして、我々の立場からいたしまするというと、
政府
におかれて、一層
協同組合
の組織を促進し又育成強化を図るというそういう
見地
からいたしまして、でき得べくんば
公庫
の
貸付
利率
に対しましても、
中小企業等協同組合
に対しましては
一般
の貸出よりも若干でも低率にお取
扱い
願いまして、これによ
つて
広く
中小企業
界に対して組織化の方向へ向
つて
拍車をかけて頂くということができれば幸いに存ずるのであります。それから新
公庫
は一年以上五年の
長期
の
金融
をいたされるということに相成るわけでありますが、商工中金におきましても現在短期
運転資金
は勿論でありますが、一年以上五年
程度
の
融資
は実行をいたしておるのでありまして、而も
一般金融機関
の補完的な意味においての
金融
をしておるということも間違いないのでございまして、で、この
長期
の貸出のパーセンテージは現在のところ総貸出高の二二、三%
程度
でございますが、だんだんとそのパーセンテージは上昇をいたしつつあるのでございます。その
貸付
の
期間
は、大体三年
程度
のものが
中心
にな
つて
おるのでありますが、これは金庫が発行いたしまする債券は三年ものであるというところに一応根拠があるのでございまして、新らしくできまする
公庫
の
金融
が商工中金の行いまする
融資
とできるだけ重複をいたさないようにいたしますることが大切ではないかと思うのであります。そういう意味から申しまして、
公庫
の
資金
の
運用
に当りましては、一年以上五年とはございまするものの、或るべく三年から五年というような
長期
の
方面
に重点を置いて
運用
を願えたらと思うのであります。それから
公庫
は先ほど石井
振興
部長の御説明を承わりましても非常に簡素な
機構
でございます。全国に一店舗でございますが、
業務
遂行上いろいろ御不便もございましようから、我々商工中金の地方店舗を窓口として十二分に御活用を願いたいと存ずるのでございます。それから
業務
代理
機関の問題でございまするが、この点に関しましては単に従来の
資金
の量のみならず、質的な面に検討を加えられまして、適当に御配慮を願いたいと思うのであります。以上で陳述を終ります。
中川以良
13
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。それでは次に
国民金融公庫
総裁の櫛田光男君にお願いいたします。
櫛田光男
14
○
参考人
(櫛田光男君) 櫛田でございます。このたび
政府
から御提案にな
つて
おりまする
中小企業金融公庫法案
につきまして、私どもの感じと申しますか、率直にこの機会に御参考までに申述べさして頂きたいと存じます。先ず結論から先に申上げますと、この
公庫
法案
の御趣旨、大賛成であります。一日も早くかくのごとき
金融
公庫
ができ上りまして、現在私どものや
つて
おりまする
国民金融公庫
と手をつなぎまして、
中小企業
のためにできる限りの
金融
を今後ともや
つて
行きたいものだと熱望して止まない次第でございます。と申しますのは、或いは釈迦に説法というふうなことになるかも存じませんが、現在の国民経済の情勢におきまして、
中小企業
の育成がどれだけ大事であるかということは申上げるまでもございません。それにつきましては、いろいろな方策が必要でございましようが、取りわけ
金融
の問題は大事のうちの大事な問題であると申して過言でないと存じます。私の
考え
によりますると、あらゆる全国の
金融機関
がその総力を挙げても、なお足らないような分野がこの
中小企業
に対する
金融
分野であろう、これが現状であろうとさえ存じております。ところが
一般
の
金融機関
におきましては、或いは
資金
の点、或いは私
企業
的性格の点、そうい
つた
いろいろな点からいたしまして、自然その
金融
には限界がございます。つまり
中小企業
金融
として残された分野が非常に多いということが言えるかと存じますので、具体的に数字を、或いは御
承知
かも存じませんが、申上げてみますというと、この三月末におきまして私の推算によりますというと、この
中小企業金融公庫法案
に示されてありまするような
中小企業者
、それに対しまする
資金
の
融通
、各
金融機関
からの
貸付
状況は、大体
一般
銀行
におきまして八千億にな
つて
おろうかと存じます。又信用金庫、信用
協同組合
、
相互銀行
、無尽
会社
或いは商工中金、又私のような特別の
金融機関
或いは
開発銀行
その他の
方面
から出しております
金額
が大体三千六、七百億円に、或いはもつと以上になるかも知れません。その
程度
にはな
つて
おるのじやないかと思います。かように
考え
ますというと、総額において一兆二千八百億見当、大体一兆二千億というものが出ておるような現状でありますから、現在の経済情勢から見ますと、相当に出ておるということは或いは言えるかも知れません。併しながら他方全
金融機関
の
貸付
の総額を、これ又私の推算になりまして恐縮でありますが、二兆九千億見当になるのじやないかと思います。大体三兆に近い、かように
考え
て見ますというと、全体が四割足らずのものが、この
中小企業
とい
つた
ようなものに一応投ぜられておる現状だと存ずるのでありますが、
金額
はかように必ずしも多くないのみならず、問題は更にその
貸付
の
内容
であります。この
資金
の
内容
でございます。つまり
長期資金
が非常に手薄であるということ。
設備
なり、運転なりに
長期資金
が手薄である。又この
長期資金
が実は
中小企業
のかたがたに、殊に一昨年以来不況のしわ寄せを非常に受けておりまする
中小企業
のかたがたが最も現状において熱望しておるという状況でありますることは、ささやかでありますが、私の
金融
公庫
におきまして小さな経験から申しましても、しみじみとわかる事柄でございます。事実私どもの
金融
公庫
におきましては御
承知
の
通り
に、大体二年見当を
中心
といたしまして、月賦を以ちまして、極めて少額の
金融
をいたしておるのでありますが、そのかたがたが一様に申されますことは、こういうことであります。私どもの
金融
公庫
の
資金
を利用いたしまするというと、期限に追われるということが比較的少い結果、又月賦で元利を償却して行きまする結果、借りた金が
資本
として残り、その儲けを以て元利を返済して行くことができる。そうでない、或いは二カ月とか、三カ月とかに一応
資金
の返済等に追われるような状況にありますれば、儲けは若干残りましようが、
資本
として残る面が極めて少い。これが常に私どものお客さんから承わ
つて
おることであります。これが恐らく、小さな経験ではありますが、現在の
中小企業
全体に通じての大きな熱望なのではないかと、かように存じておる次第であります。かような点等から
考え
まして、今回
中小企業金融公庫法案
が成立いたしまして、このような
金融機関
が一日も早くできますることを、
中小企業
金融
の一部を担わして頂いておりまする私どもとしては非常に熱望いたしておるような次第でございます。なお若干附加えて、或いはこういう点があるのではないかと存じますので申上げたいと思うのであります。その点は他の
金融機関
ができないような
仕事
を大体この
中小企業金融公庫
がいたすわけでありますが、その場合におきましても若干他の
金融機関
との間に或いは競合とか重複とい
つた
ような問題も起り勝ちであろうと存じます。この点につきましては私は殊に
国民金融公庫
との間の競合をどうするかというような御疑問と申しますか、御心配が或いはあるのではないかというふうに忖度いたしまして、これから申上げるのでありますが、この
中小企業金融公庫
はこの
法律
にもございます
通り
、又その
法案
の要綱或いは又通産省当局からのかねてからの御説明等からお伺いいたしましても大体千万円まで、又特定の
組合
等におきましては三千万円まで、大きな
金額
をお貸しになるのが一つのお
狙い
であるようであります。で、
国民金融公庫
は現在最高二百万円までしか貸出しができないのであります。従
つて
二百万円を超える貸出しについては私のほうでは今、現状におきましては、何とも御便宜を図ることができない
事情
にあります。この点を
中小企業金融公庫
がおやり下さいますことは大変に望ましいところでありますと同時に、なお二百万円の何にしても競合する面があるのは、これはどうするかという問題が起きるのでありますが、この点につきましては私は多々益々弁ずるという感じを持
つて
おります。事実現在
国民金融公庫
におきましては、年間を通じまして一千億見当の
申込
がございます。その平均は、一件当り平均は三十万円の
申込
であります。
申込
の数から申しますと、大体
金額
において五%ぐらいが百万円以上の
申込
に相成ろうかと存じます。全体を平均いたしますと、三十万円見当であります。それに対して現状においてどのくらい貸出ができるかと申しますと、今の
資金量
並びに人手の
関係
等から申しまして、約二百五、六十億、二割五、六分見当しか貸出ができないのでありまして、私の感じを以てすれば、更に全体から申しまして四、五百億の貸出は或いは可能になるのではないか、又しなきやならんのではないかという工合に存じておるような次第でありますけれども、これが
財政
上のいろいろな御
事情
等の
関係
がございまして、現状においてはこの
程度
にとどまらざるを得ない。そういうような
事情
がございますから、私は大
部分
の
業務
の分野においては競合いたさないといたしましても、或いは若干の点において、両
公庫
がその
業務
の面において競合するところがあろうかと存じますけれども、ありましてもこれはいささかも意とすることはない、多々益々弁ずで、
中小企業
のために両者手を携えまして、できる限りのことをいたしたい。かように
考え
ておるような次第でございます。この点御了承をお願いいたしておきたいと存じます。なお細かい点につきましては、大体においてこの
法案
は
国民金融公庫
法案
と大同小異と申上げてよろしいかと存じます。
国民金融公庫
法と大体の構成なり、その他の点が似ておりますが、ただここで先般来から伺
つて
おりまする、主として
経営
を簡素化すると申しますか、そうい
つた
見地
から
代理
貸を
中心
として御実行されるような御方針のように承わ
つて
おります。私はこの点につきましても至極結構なお話であると存じますが、なお或いは場合によりましては直接貸とい
つた
ようなことも御必要なことがあるのではないか、さように実は
考え
られます。そうい
つた
意味から、これは
法律
そのものとは
関係
ございません、
法律
施行後におきまする運営の問題でありますから、そこら辺あらかじめ余りお縛りにならずにお
考え
にな
つた
ほうが、この
中小企業
全体のためにどうすればいいかということが大前提なんでありますから、余りお縛りにならずにかなりゆとりを持
つて
、機に応じていろいろ御
施策
ができるような途をと申しますか、お
考え
で初めからおやりにな
つた
ほうがよろしいのではないかというふうに
考え
ております。その点につきまして、一つこれは
法律
に
関係
があることでありますが、この
公庫
が新らしいこの
中小企業金融公庫
の余裕金の
運用
等でありますが、国債の保有と、それから
資金運用部
への預託、それからその次第二十六条の第二項であります。「
公庫
は、
業務
に係る現金を国庫以外に預託してはならない。」これは大体住宅
金融
公庫
の例におとりにな
つたの
じやないかと存じます。この点が
国民金融公庫
とは違
つて
おります。
国民金融公庫
におきましては、大体
事業
の六割から六割五分は直接貸出をいたしておるような次第でありますから、日常金の出入りがあるわけであります。極めて少額でありますが、少額のものがたくさん出入りがあるわけであります。むしろその点におきましては
銀行
の預金
業務
と余り変りない出し入れがあるわけであります。従いまして
公庫
といたしましては、その
業務
にかかる現金を
一般
の
金融機関
に預託いたしております。国庫以外に預託してはならないとなりますというと、これは
日本銀行
に参るわけでまありす。
日本銀行
から金を出しましたり入れましたりするには、かなりこれは手数がかかるわけであります。そうい
つた
点が若干気が付くのでございますが、ただこれも実際に当
つて
みました場合に私どもが先ほど申上げました
業務
の
内容
から行きますと、最近は
申込
が三十万円平均、貸出が一品平均が十五万円見当であります。極めて少額のものであります。それが又月賦の形で毎月還付して来るのでありますが、一件当りの出し入れというものは先ほど申上げましたように、
銀行
の預貯金等の取扱に当るようなわけなんでありますので、この
中小企業金融公庫
においては、或いはそれほど小口ではなく、もうちよつと大きなところということになる。又
据置
が一年以内で又認められる。又その償還
方法
が月賦等によらず、或いは半年年賦とか、いろいろに相成りますればそれほど日常の
資金
の出入りは多くない。又件数もそう嵩まない。こういうことでありまするならば、この第二項の
通り
、
業務
にかかる現金を国庫以外に預託しなくても、円滑に行くかと思いますが、まあこの点は
法律
の批評にな
つた
わけでありますが、極めて事務的な
見地
から見まして、或いは
中小企業金融公庫
が将来御不便を感ずることがありはしないか、まあかように存じましたものですから、一言私どもの経験から顧みまして申述べさして頂いた次第であります。大体その
程度
であります。
中川以良
15
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。それではその次に、
全国信用金庫協
会常務理事
安武
善藏
君にお願いいたします。
安武善藏
16
○
参考人
(安武
善藏
君) 今回
中小企業金融公庫
が創立されるということで、御提案にな
つて
おるのでございますが、元来
中小企業
の
金融
の解決につきましては、すでに御案内のように、短期
資金
の問題と、それから
長期
設備資金
の問題があるのでございまして、短期
資金
につきましては、既設の信用金庫なり
相互銀行
なり或いは商工中金等の
中小企業
の
金融機関
がそれぞれ
活動
いたしております。又
銀行
等におきましても、相当これに努力をして頂いておるわけでありまして、これらの
資金
の不足の場合におきましては、国庫の余裕金の導入というようなことの
施策
も行われておるわけでございますが、
長期
設備資金等
につきましては、今まで商工中金のほう、それから開銀の
中小企業
金融
という面だけでございまして、現在荒廃いたしました
中小企業
の
設備
を更新するなり、近代化して行くという面につきましての
施策
が十分でなか
つた
。従
つて
これを補充いたしまして、これを
中小企業
の
設備資金
或いは
長期
の
運転資金
を導入するということが
考え
られましたことにつきましては、私どもはこれに対しまして全幅の賛意を表する次第でございます。ただ、これの実効といいますか、
運用
につきまして一、二の
意見
を申上げてみますと、先ほど申しましたように、
中小企業
に
設備資金
が非常にたくさん要るというにもかかわりませず、これは
予算
等の
関係
もあるかも知れませんが、僅かに百億の
資本金
ということでございます。これは前回の案におきましては五十五億ということで、約倍額に増額をされておりますことは極めて結構でございますが、今後補正
予算
等が出ます場合、或いは次年度の
予算
等におきましては、この
公庫
の
資金
を更に増額されるように、継続的に増額されますように希望いたしたいと思うのでございます。 それから第二の問題は、
公庫
の運営につきましては、
原則
として
代理
者を
運用
されるということにつきましては、他の亀山さん等もお話になりましたように、
金融機関
側といたしましては、是非とも既設の
金融機関
を活用をして頂いて、徒らに直接貸をして経費の増嵩、或いは店舗の増設を必要とするということのないようにして頂く、そうして既設の
金融機関
の窓口なりを活用して頂くということにつきましても、我々としては賛意を表する次第でございます。併しながら、
代理
者の選定について、これは極めて重要な問題でございますが、従来
公庫
或いはその他の機関の
代理
者の設定につきましては、ともすると例えば
資金量
の如何というようなことでこれをきめられてお
つたの
でございます。特に住宅
金融
公庫
等の場合におきまして見ますことは、同一市内におきまして
公庫
の
代理
者をお設けになる場合におきましては、
銀行
さんもありますし、
相互銀行
もあります、或いは信用金庫もあるわけでございますが、その場合その
銀行
なり
相互銀行
なり、信用金庫なりの
資金
を
中心
として
代理
店を見てお
つたの
が実情でございます。こうなりますと、何といいましても
業務
区域が小さいし、金の量の小さい信用金庫等が次の次のあと廻しになるというのが現状でございますが、果してその地方におきまして信用金庫と
相互銀行
、或いは普通
銀行
というのがどういう
活動
をしておるかということになりますれば、あながち信用金庫が一番
活動
していないということにな
つて
はいないと思うのでありまして、こうしたことは形式的に、
資金量
というのでなくて、その土地におきます
金融
の実態ということと
睨み合
せて御
決定
を願いたい、こういうふうに思うわけでございます。そこに
代理
者の数等がいろいろ問題になりまして、同一の所におきましては一つしか置かないというような場合には、今申しましたような点が非常に問題にな
つて
参るのでありますが、私といたしましては、同一の市内におきましては、
相互銀行
のお客さん、
銀行
のお客さん、それから信用金庫の
対象
というものは、それぞれ分野が違うのでございますので、それぞれの各機関に
代理
者をお願いするというふうにいたしたほうがいいのではないかというふうに
考え
ておる次第でございます。それから特にこの点につきましては、地方
銀行
のほうにおきましても、いろいろ御希望があるのでございますが、地方
銀行
のほうにおきましては
長期資金
といたしましては、
長期信用銀行
ができまして、これの
代理
者をおやりにな
つて
おるわけでございます。これは必ずしも
中小企業
に貸してはいけないというものではございませんで、でき得れば地方
銀行
さんは
長期信用銀行
のほうの活用をして頂くことにいたしまして、信用金庫なり
相互銀行
なり、或いは商工中金なりの
中小企業
専門機関において、
代理
者として優先をして御
決定
願いたい、こういうふうに
考え
る次第でございます。 それから次に、
貸付
の
限度
の問題でございますが、先ほどからの
参考人
のかたの御陳述では、一千万では低過ぎるという議論でございます。現在の
中小企業
の
設備資金
にどの
程度
のものが適当かということになりますれば、極めてむずかしい問題でありますし、私も一千万
程度
の
設備
というものも
中小企業
において是非とも必要であり、それ以上のものも必要かとも思います。が、
最初
にありますような、
資本金
が百億という
程度
でございますと、一千万の貸出を仮にいたしますとすれば、年間千件しか貸せないわけでございます。これは必ずしも一千万円ばかりのものとはならないとは思いますけれども、どうしても貸します場合におきましては、
限度
が高くなりますと、
限度
に近い所に行くというのが実情でございます。従
つて
たくさんの
業者
に貸すということでございますれば、
資金
の少い間におきましては、
限度
を下げて、少くとも五百万円
程度
ぐらいにいたしまして、
協同組合
の場合におきまして一千万という
程度
でお始めにな
つた
らどうだろうかというふうに
考え
ます。そして、
資金
が増加いたしますに連れまして、
限度
を上げて行くという
方法
がよくはないかと
考え
ておる次第でございます。 それから最後に、
国民金融公庫
との問題では、只今総裁からもお話があ
つたの
でございますが、
公庫
のほうの御任務もこれはあるわけでございますが、これは私の気持といたしますれば、現在五十万、それから連帯の場合が二百万というように伺
つて
おりますが、この
程度
もでき得れば下げて頂きまして、今まで
中小企業金融公庫
がなか
つた
時代はそうした要求もあり、それの要望をいたして頂くことが必要であ
つたの
でございますが、
政府機関
として
中小企業金融公庫
ができまして
国民金融公庫
との分野を明確にいたすためには
公庫
の貸出は五十万、それから連帯の場合に百万という
程度
にして頂きまして、
国民金融公庫
自身がもつと小さい所に満遍なくお働き願うというようなふうにして、
国家
機関の機能を明確化するということが望ましいのではないかと、こういうふうに
考え
ている次第でございます。以上の点私の
意見
として申上げます。
中川以良
17
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。それでは最後に
全国相互銀行協
会常務理事
島崎
政勇
君にお願いいたします。
島崎政勇
18
○
参考人
(島崎
政勇
君) 大変遅刻をいたしまして申訳ございません。大体先ほど安武さんからお話の
通り
、我々の行き方としまして、この今度の
公庫
の
資本金
が、
資金
が非常に少い。これも併し初めのうちは止むを得ないと思いますが、現在の
中小企業
の
金融
難が今後も、これはいつまでも続くと
考え
られますので、これは機会あるごとにこの
資本金
を増額、その他
政府
からの
資金
を導入されて、ますます大きくなられるようにお願いいたしたい。 それから
貸付
の
金額
でございますが、これは一千万を一応
考え
ておられる。それも結構でありますが、私どもはここで心配するのは、この
中小企業
と申しましても二百万、三百万、五百万そういうようような階層もたくさんございます。どうぞそういうような観点から、この
資金
の配分、そういう点についてはいわゆる
中小企業
とい
つて
も、大きいほうに金が余り流れるということについては、相当一つ
運用
面について御注意を願いたいと思
つて
おります。我々はこの
中小企業
と申しましても、どつちかというと、信用金庫さんと同じく割合に小口なものをや
つて
いる。その小口のものが非常にたくさんの
資金
の需要がございますので、一つ
代理
所をやられる場合でも、先ほど安武さんが言われたように、十分この
相互銀行
、信用金庫の、この
中小企業
に対するこの分野、こういう点も配慮に入れて一つどの金庫、
相互銀行
、信用金庫も
代理
所のできるようにしてもらいたい。それからもう一つはこれは
相互銀行
は必ずしもその府県だけに営業所が限定されていない。殊に六大都市におきましては、相当各
相互銀行
がございますので、
代理
所を指定される場合でも、その
相互銀行
全体というような角度から一つ御考慮を願いたいと思
つて
おります。又
資金
の配分をされる場合でも、我々としましてはできるだけ小さく
考え
てもらうと同時に、この
相互銀行
、信用金庫等の立場をよく理解されて、単にその
銀行
の
資本金
とか、或いは預金の残高とか、そういうような観点からこの各
金融機関
に配分される場合に、それだけに限られず、各
金融機関
の立場ということも一つ御考慮を願いたいと思
つて
おります。殊更に私からお願いするところはございませんが、ただ私ども櫛田総裁が言われたように、余裕金の
運用
でございますが、これについは単に
代理
店をや
つて
いる
金融機関
にも、この余裕金を預託されるというような形に一つ御改正を願いたいと思
つて
おります。大体のところは安武君の言われたのと殆んど同じでございますので、余り重複すると如何かと思いますので、これで終らせて頂きたいと存じます。
中川以良
19
○
委員長
(
中川以良君
) 有難うございました。只今の御説明に対しまして、又それの関連事項に関しまして、
委員
諸君より御質疑をお願いいたします。
小林英三
20
○小林英三君 この
中小企業金融公庫法案
につきましては、まだ
政府
に十分の質問をいたしておりませんから、どうも
参考人
の諸君に十分な質問もできないかも知れませんが、今いろいろ御
意見
がありました
範囲
内において質問をさして頂きたいと思います。先ほどこの第二条の
貸付
の総額の問題ですが、この問題につきまして全国信用金庫の安武君からして一千万円というのでなくて、成るべくたくさんの人に貸すという意味、
中小企業
の数多くの人々に
貸付
けるという意において、個人又は法人には一千万円とあるのを、むしろ五百万円にして、
組合
のほうには一千万円くらいにしたらどうかという御
意見
があ
つたの
ですが、私もこの点についてはやや同感なんですけれども、そのほかの
参考人
の諸君の御陳述によりますと、一千万円結構だというようなお説もあ
つたの
でありますが、先ほどの
国民金融公庫
の櫛田さんからのお話によりますと、
国民金融公庫
等におきましては、大体まあ平均の
申込
が三十万円、これに対して貸出の平均が十五万円だと、こういうお話がありまして、これによりますというと、大体四十三都府県といたしますと、一県下平均私ちよつと勘定して見ますというと、一万人くらいの人に貸出されているような零細の貸出をなさ
つて
おるように思うのですが、この一千万円ということになりますと、どうしても委託を受けた
金融
業者
というものは、そういうたくさんの金を借り得るような
中小企業
のほうが貸しやすいのだから、貸出はどうしてもその
方面
に走りやすいということになり、先ほどお話がありましたように仮に一千万円として貸出しすれば僅かに一千人、三百万円として貸せば三千人の人しか貸せないという結果になるのですが、この点につきまして最高を一千万円にするか、或いはそれ以下にするかという問題につきまして、他の
参考人
の五藤さんだとか、或いは武山さんだとか、門司さんだとかというかたがたの御
意見
も承わ
つて
おきたいと思うのであります。そういう問題について……。
中川以良
21
○
委員長
(
中川以良君
) それでは今の御質問に対しまして門司さんですか、
最初
に……、
門司正信
22
○
参考人
(門司正信君) 一千万円が適当か、五百万円が適当かという問題、なかなかむずかしい問題でございますが、私直接それにお答えいたしますることを御勘弁願いまして、商工中金の現在
融資
いたしておりまする実績から言
つて
、一件の貸出がどれくらい、一
組合
当りの貸出どれくらいにな
つて
いるかということを御参考に申上げさして頂きたいと思います。これは五月末の実績でございますが、一
組合
当りの貸出残高は五百九十二万六千円という数字にな
つて
おります。直接貸のほう、金庫で認められておりまする直接
融資
のほうは、一貸出先平均は百五十六万九千円と、こういうことにな
つて
いるのであります。その
程度
で一つ御勘弁を……。
武山光信
23
○
参考人
(武山光信君) 只今の一
企業者
当り
貸付
一千万円の問題ですが、大体私たちの知
つて
おります
範囲
では
中小企業
の中で中以上まあ大に属する
企業
では一千万円という数字は、実際面から見ましてそう大きなものではないし、又この一千万円以下で、一千万円を
最高限度
とするわけでありますから、それはそれぞれの
運用
の面で適宜斟酌して行けばいいのではないか、ここういう工合に
考え
ます。
五藤齊三
24
○
参考人
(五藤齊三君) 先ほど
国民金融公庫
の櫛田総裁からのお話を承わ
つて
おりますと、
公庫
における貸出の
限度
は二百万円であり、その一件平均額は十五万円だというお話でございましたが、仮にその
公庫
がこれをおやりにな
つた
ことといたしますと、その比例で行きますというと最高一千万円の場合には平均は七十五万円ということにまあなる勘定になると思うのであります。信用金庫のかたもお見えにな
つて
おりまするが、私ども
仕事
をいたしております
範囲
では、都市における
資金量
を多く持
つて
いる信用金庫の一件貸出平均は
国民金融公庫
の平均を倍以上上廻
つて
い現状だと思うのでありまして、これらは決して中大
企業
を
融資
の
対象
にしてないと思うのでおりますが、それでなお且つそんなふうに今日の
金融
情勢からはな
つて
いると思うのであります。で、私は先ほど申述べました趣旨の中に申上げました
通り
、今日の
金融
梗塞の状態を分解して
考え
て見ますというと、ずつと下のほうと、そうして
中小企業
としては中以上のところに
金融
梗塞が多く存在していると思うのであります。そういう観点から私はこの
公庫
ができまして、従来の機関の補完的な
金融
を掌
つて
おいでになるという観点からは、むしろその隘路を打開するという意味において最大
限度
は大きいほうがよろしい、こういうふうに私は
考え
てます。併し実際
運用
面においてはこの一件貸出平均額は決して多くはならないはずだ。これは多くの
中小企業
金融
をおやりにな
つて
いる機関の平均を調べて見ますとこれはわかりますように、この
程度
で十分
目的
が達せられるのではないか。決して一千万円だけの貸出が行われるわけではない。五十万円も三十万円も行われるのであろう、こういうふうに私は
考え
るのであります。この
法案
に盛られております一千万円はそれでよろしいのではないか、そう
考え
ます。
小林英三
25
○小林英三君 重ねて武山君か五藤さんにお答えを承わりたいと思いますが、
中小企業
の中でも業種によりますというと、三十人乃至五十人くらい使
つて
いるような
中小企業
が、その
業界
としてはもう中堅層の
中小企業
である。百人も使
つて
いるような工場でありますと、そういう業種というものはもう殆んど第一流の
業者
であるというような業種もたくさんある。例えば鋳物工業のごとき尤も大阪の久保田鉄工所その他少数の大工場は別でありますが、大体百人も
従業員
を持
つて
おります鋳物工場はこれは一流の工場であるとされておりますね。そういうようなこともありましてこれは鋳物工場ばかりでなしに、他にいろんなそういう業種があるだろうと思う。その業種といたしましては大工場がなくて
中小企業
しかない。而も
中小企業
といたしましてはそのくらいの
程度
のものが最高のものである、或いは一流のものであるというような業種が私は日本にはたくさんあると思う。そういう観点からいたしまして、それじやそういう人がおれに一千万円貸してくれ、或いはおれに五百万円貸してくれと言えば貸すだけの資格があれば貸さんわけに行かんと思う、窓口は……。そういうことを
考え
ました場合において成るべく日本の五十何方ありますか、とにかく九十何%ある
中小企業
に対してできるだけこの
中小企業金融公庫
ができた以上はできるだけ満遍なくこれを均霑させ、将来
資金
をどんどん殖やして行く、或いはこの五百万円を将来一千万円にして行こうということもあり得るでありましようが、これが開かれた場合において、成るべく多くの
中小企業
に多く均霑させて行くという意味からいたしまして、私は先ほど安武君がおつしや
つた
ような
意見
も、ちよつと私はまだ
政府
に十分の質問をいたしておりませんからして十分のことは言えませんけれども、そういうような感じがちよつといたしたものですから、武山さんと五藤さんにお伺いしたのですが、その点これはどうでしようか。この一千万円という点についてどうでしようか、五藤さん。
五藤齊三
26
○
参考人
(五藤齊三君) 御趣旨は誠に御尤もと存じまするけれども、先ほども申上げましたように、実際
公庫
ができまして運営をおやりになりますというと、そんな大口に偏重することはないと私は
考え
るのであります。これは現に櫛田総裁がさつきおつしやいましたように、
国民金融公庫
でも二百万円まで貸せるのでございまするけれども、決して二百万円に偏重した貸出はおやりにな
つて
いらつしやらない。実際は一件平均十五万円というような零細なことにな
つて
いる。こういう観点から
考え
まして、その御心配は先ず杞憂ではないかと私は
考え
るのでございます。半面
企業
の中には今日の物価水準から申しましてこれが
長期
の
設備資金
或いは
長期
の
運転資金
に限られた
運用
をおやりになります上から
考え
ますというと、
中小企業
の中には一千万円ではとても足らないという
企業
が相当に私は半面あると思うのであります。その
限度
をそこにおきめにな
つて
置くということは、単に今までの機関で、先ほども櫛田総裁がおつしやいましたように、既設機関で十分賄えない面を補足的に賄うという妙味がそこに出て来るんじやないか、こういうふうに私は思うのであります。
小林英三
27
○小林英三君 今の五藤さんのおつしやることも一応納得できるのですが、ただ私どもは立法機関といたしまして、初めて折角できる
公庫
法が、
最初
にスタートするときに、一千万円でもいいというのでなしに、つまりこういう
法律
を出す以上は、
中小企業
の零細な、たくさんに何千万もいらつしやることを
考え
て、ポイントを一千万円に置いたほうがいいか、或いは五百万に置いたほうがいいかということを我々は
考え
たいものですから、お伺いしたわけでありますが、一千万円としても実際貸すときには、もつと少く貸すんだからいいじやないかというのでなしに、この
法律
を立法する上において、どこにポイントを置いたほうがいいかということを、参考のために聞いておるわけでありますから、もう一遍重ねて御答弁願いたいと思います。
五藤齊三
28
○
参考人
(五藤齊三君) 何遍も申上げますように私はこの
公庫
が従来の大
企業
対象
の
金融機関
の補完的の素質を以て生れ出ると、こういうところに、むしろ高いところに目標……高いと申しましてもその
限度
は一千万円でございますが、このところに最高の目標が置かれておることこそ、私は非常に意義があると、こう思います。ただ実際は一千万円と言
つて
来ても五百万円しか貸さんというのでなしに、真に一千万円必要とする向には一千万円の
融資
ができて然るべきだと存じますが、実際はそういう
業者
だけではない、たくさんの
業者
から
申込
があるものを、これをケース・バイ・ケースでお貸出しにな
つて
おいでにな
つて
、実際の平均はずつと下になるというのが、従来の経験に鑑みましても実情ではないか、こういうことを
考え
ますると、むしろ
限度
は高いところに置いて、真に必要の場合には、それが賄えると、こういうことが私は望ましいと思います。
小林英三
29
○小林英三君 然らば安武君にもう一遍その問題についてあなたの御
意見
を……。
安武善藏
30
○
参考人
(安武
善藏
君) 只今商工中金のほうから貸出の御実績について、一件当りの御報告があ
つたの
ですが、私はその詳細な数字は持
つて
おりませんが、
開発銀行
の現在
中小企業
保険をや
つて
おりますものの平均が百二十万か或いはそれ以下だというぐらいに聞いております。従
つて
現状におきます
開発銀行
の
出資
が一千万を最高としておりますが、百二十万ぐらいの
程度
だということであれば、先ほどおつしやいましたように一千万でも百二十万
程度
にしかならないようだという議論もありますが、若しそうであるならば五百万で現実に平均でお貸ししておる、実際に近いところでお始めになるということが望ましいのじやないかという点で私は五百万
程度
が適当であろうという
意見
を申上げます。
中川以良
31
○
委員長
(
中川以良君
) ほかに御質疑ございませんか。……それじやちよつとこの機会にお伺いをしたいのでございますが、丁度
中小企業
関係
の
金融
のかたがおいでにな
つて
おられますので……。最近いろいろ株主
相互銀行
とか相互
金融
とかいろいろのことで、正当でない闇
金融
が横行して来まして、そういう面に正常な預金が流れているのじやないか、又ああいう正当でない
金融機関
がはびこりますると、将来零細な金がそういうところへ流れまして、このまま放置して置くと、これは大きな社会問題も起しかねんような状態でございますので、最近取締を始めたようでございまするが、これらに対しまして一つ皆様がたの御
意見
ございましたら伺いたいのでございます。
五藤齊三
32
○
参考人
(五藤齊三君) 私その問題につきましてちよつと
最初
の陳述で触れました
関係
上申述べさして頂きたいと存じますが、先ほども私が申上げましたように今日の
金融
梗塞のポイントがどこにあるかということを
考え
まする上におきまして、一つは中以下の零細
企業者
の
金融
が非常に梗塞しておる、これらは今あるままの
金融機関
は十分な利用ができない、或いは
担保
力が非常に欠けておる、或いは
経営
がシステマテイツクに行
つて
いない、こうい
つた
ようなことから、いわゆる
金融機関
が取上げられないとい
つた
ような階層の零細
企業者
が非常に私は多いと思うのであります。そういう面の自然的欲求からああい
つた
ようなものが生れて来ておるのではないかと思うのでありますが、今日大きな流行を見まして、中には非常な害毒を流しておるものがある、これを取締を始めておられるということは当然のことでありまして、十分な監査、監督をなさる必要があると思うのでありますが、ただああい
つた
ようなものが社会情勢上
金融
の面に求められておるという社会情勢も又
考え
なければならんのじやないか、こう
考え
るのでございます。その件に鑑みまして、私は今から四十年前に遡りまして、今日の
相互銀行
が初めて営業無尽として無尽
会社
というものが認められました当時のことを回顧いたしてみますというと、明治の末年から大正の初葉にかけまして、従来日本の隣保援助の美風として残
つて
おりました頼母子講というものが営業化しまして、営業無尽という名の下に全国に燎原の火のごとく普及したことがあるのであります。丁度今日の株主相互
金融
というものがその当時のその状態に私は防御としておると思うのであります。私はやはりその当時庶民
金融
というものの機関が非常に欠けておる、今法大総長をや
つて
おります大内兵衛氏が当時大学を出られて、大蔵省の特別
銀行
課に属官としてお勤めにな
つて
、この情勢を御覧にな
つて
、どうしても庶民
金融
を規制しなければならん、又一面においては伸張しなければならんという観点から無尽業法の立案を担任せられて、たしか大正四年であ
つたの
ではないかと記憶いたしますが、初めて営業無尽が業法によ
つて
縛られることにな
つて
免許
事業
にな
つた
。こういう歴史があるのでありますが、爾来四十年の年月を閲しまして健全な発達をお遂げにな
つて
、今日ではいわゆる
相互銀行
という
一般金融機関
に成長せられたわけでありますが、でありまするから、一階上
つて
できるようにな
つたの
で下が抜けてしまうというのが今日の社会情勢からの本当の下級
金融機関
の欠除の現状ではないかと思うのでありますが、これをまあ街でや
つて
おるのが今日の株主相互
金融
ではないかと思うのであります。これはアメリカのシステムに則
つて
や
つて
いるので、
制度
そのものは私は悪くないと思いますが、これを律する何らの法令がない、或いは監督する権限がどこの行政官庁にもないとい
つた
ようなことで、全く野放しにな
つて
、ほしいままに不正運営がなされているというところに問題があるのではないか。これはよろしく一つ検査監督をなさ
つて
、そうして準拠する法令をお作りにな
つて
、最下層の
資金
を賄う
金融機関
として、これをむしろお認めにな
つて
、そうして適正な運営をおさせになる、これが私、四十年前に無尽業法ができました、以来四十年を閲してこれが発達したあとに又必要の
範囲
が生れて来ている、こういう観点から御検討なさる必要があるように私は
考え
るのであります。
安武善藏
33
○
参考人
(安武
善藏
君) 現在類似
金融
の問題につきましては、第一点に、先ほど御指摘のように
一般
の
金融機関
から手が着けられないクラスの人たちが、
金融
の便を得るために自主的に作
つた
ということも一つはあろうかと思いますし、その人たちを
金融
のベースに乗せるということにつきましては、これは私どもも相当の努力はしているのでありますが、何しろ信用がない、
担保
がないということでありますれば、どうしてもこの
金融
のベースに乗つけるわけには行かない。従
つて
これを解決いたしますのには、もう少しこの
中小
のそういう人たちに対しての
保証
制度
と言いますか、保険
制度
を拡充して頂きたい。そうして現在も
中小企業
信用保険
なり、或いは府県の信用
保証
協会というような
制度
があるのでございまするが、これが更に拡充強化されまして、そうしてそうした
一般
の
金融機関
から救えない人たちに対して、
保証
をして
金融
ベースに乗せるということが必要ではないかと思います。 それからもう一つは、果して現在株主相互
金融
等を利用しておりますのは、そうした
金融機関
のベースに乗らないといいますか、零細
企業者
ばかりであろうかと
考え
て見ますというと、最近の不渡手形等の問題にも関連して見られますことは、大
企業
の
関係
につきましても、この類似
金融
を非常に利用してお
つた
ということが非常に如実に出ているわけであります。従
つて
その金利に追われまして、遂にああいう状態にな
つて
いるという
事例
も出ているのでありまして、そういうものの点はむしろこの類似
金融
という
制度
を新らしく作るということが私は適当なのではないか。これはむしろ株主相互
金融
の場合におきまして、そういうほうにおきます授権
資本
の濫用である。それから又もう一つの形としては匿名
組合
契約によります保全経済会式のものも現在あるのでありますが、これはやはり匿名契約によります商法の
規定
の行過ぎじやないかというふうな点を
考え
まして、そうした点では商法の改正もして頂きまして、これらの点の徹底的な取締を要望したいのでございます。特に巷間ありますものが、この
一般
の名前、或いは更に金庫というような名前を利用いたしておりますもの、信用金庫が一昨年から発足いたしましてまだ十分社会的にも
一般
大衆に親しまれておらない、名前自身が親しまれておりません
関係
から、類似
金融
の何とか金庫と混同されまして、信用金庫が非常に迷惑を受けている
事例
が少くないのでありまして、そういう点から
政府
のほうも類似機関の金庫という名称の使用を禁止する
法律
を今
国会
に提出されているような次第でございまして、私どもといたしましては、こうした機関の法制化は反対でありまして、今申しますように、むしろ
保証
制度
を拡充強化することによりまして、それから既存の
中小企業
専門機関を何らかの形で育成強化することによりましてこれは解決されるのじやないかというふうに
考え
ております。
中川以良
34
○
委員長
(
中川以良君
) なおいろいろ御発言もあるようでありますが、実は只今議長より各
委員会
は直ちに中止して全部議場に議員は出席をするようにということを通告して参りましたので、本日は一応このくらいで打切りをいたしたいと思います。本日は御多用中のところ、
参考人
の皆様がたには御出席を賜わりまして、誠に尊い御
意見
を数々御陳述して頂きまして、今後本
委員会
が
公庫
法案
を審議いたします上に得がたき参考ともなりまして誠に感銘を深ういたしました。ここに謹んで厚くお礼を申上げます。 それでは本日はこれにて散会をいたします。 午後三時五十二分散会