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鍛冶委員 私は、ただいま御提案になりました
大橋君の
動議に
賛成をし、
中野君の
動議に絶対
反対の意を表明せんとするものであります。
去る七月三十一日の本
院予算委員会及び本
会議場における
混乱につきましては、
皆様とともにまことに遺憾とするところであります。会期末におけるこのような事態は、毎回遺憾ながら起る事実でありまして、その都度
世論よりきびしい
批判を受けております。これはまことに、
国会の
信用の上において、
国民の前に申訳ないことだと考えるのであります。ひとりこの
懲罰事犯にかか
つた人々のみならず、われわれ
議員一同党派を超越して深く反省せねばならぬことだと考えるのであります。しこうして、当日の
混乱の
実情をながめますと、
原因なくしてこの結果は起りません。
野党の
諸君は、あの
委員会における
混乱は、もつ
ぱら篠田君の
挑発によ
つて起
つたということを論拠として、この
議論を進めておられますが、
篠田君が何ゆえにあの
会場へはせつけたかということを、忘れてはおいでにならぬでありましようが、それを論ぜず、考えられないような風でありますことを最も遺憾とするものであります。先ほど来も申します
通り、
委員長の角田を束縛してお
つたことだけは間違いのない事実であります。
議事規則によ
つて委員会においては
委員長の
指揮に従い、本
会議においては
議長の
指揮に従わなか
つたら、
民主政治の
議会の
運営というものはうまく行くものではありません。それを力によ
つて暴圧し、もしくは妨害せんとし、もしくはその意に反して事をなさしめんとするがごときは、最も
議会の
品位を傷つけるものと考えるのであります。この結果
篠田君が
委員会に入られた。その結果
委員会は
混乱に陥りました。しかして、この
混乱の
状態を見ますると、われわれはもちろん
篠田君に
責任なしとは言わぬのでありまするが、これはおそらくあの
委員会で立ちまわりをした全
議員諸君の
責任だと申しても、決して不当でないと考えるのであります。しかし、全
議員を
懲罰するとい
つたつて不能なことでありますから、今
大橋君から言われましたように、最も大きなからだを持
つて、最も人の目につくように立ちまわられたる
伊藤卯四郎君、さらにまた、卓の上に
上つて同僚議員を足げにしたというがごとき、重大なる
行動をせられ
たる長君だけをここに取上げまして、
懲罰事犯の
申立てをしておるのであります。
野党の
諸君はこれらの
人々に
責任はないと言われ、
篠田君一人が
責任ありとして、
篠田君だけを
懲罰に付して、はたして
諸君の願
つておられる
国会の
品位を保持することができるであろうか。私は絶対にできないと思う。ことに長君の
行動については、
天下の
新聞に堂堂と
篠田君の首に足をかけておるのが現われておる。私は見ませんが、
日本全国にまわ
つておる
ニュース映画においては、もつとえらいことが現われておる。このような現実が現われておるにもかかわらず、長君には
責任がない、
篠田一人に
責任があるんだと
言つて、これで
国会の
信用が高められますか。
世論の
批判に対してあなた方は十分こたえるものとお思いになりましようか。私はこの点をまことに遺憾とするものであります。ゆえに私は、この際、願わくば全員に自粛をお願いいたしまするが、
篠田君に
陳謝文を読ませるならば、長君にも同様にやるべきが
世論に対するこたえであろうと思うのであります。しかしわれわれは、今までの周囲の
事情から考えまして、
篠田君も
公開議場における
戒告をすべしと
言つておりますから、これと同様に、長君及び
伊藤君にも
公開議場における
戒告を与えるのが、
世論にこたえる最も適切なものだと考えるのであります。
さらに、
森三樹二君の点に関しましては、これはいろいろありましよう。
原因もあろうし、また今言われたように、森君があすこへはせ上
つたことについては、森君
自身としてま主視力な
理由もあると思いますが、いずれにいたしましても、
議長の席に
迫つて、まず第一番に卓をたたいて
議事の妨害をせんとし、それでも物足らなくて遂にマイクを
とつぱずしてこれをこわし、そして
議場における音声の徹底を欠かしめたというがごときは、これはどうも不問に付していいとは申されないのであります。これに対して何らかの
責任があるということは、何人も
認めるところでります。そこでいろいろの
原因もありまするから、最も軽い
公開議場における
戒告をも
つてして
世論にこたえんとする
大橋君の
動議は、最も穏当なものであります。
篠田君一人を
懲罰にして、
あとは全部
懲罰にならないという
中野君の
動議は、まことに
国会信用のために惜しむべき
動議だと思いまするから、これに
反対いたすのであります。