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1953-09-18 第16回国会 衆議院 決算委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年九月十八日(金曜日)     午後一時四十五分開議  出席委員    委員長代理 理事 藤田 義光君    理事 天野 公義君 理事 松山 義雄君    理事 安井 大吉君 理事 柴田 義男君    理事 吉田 賢一君       有田 二郎君    大上  司君       三和 精一君    齋藤 憲三君       町村 金五君    山田 長司君       大矢 省三君    熊本 虎三君       杉村沖治郎君    山口 好一君  委員外出席者         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      植田 純一君         建設事務官         (計画局長)  渋江 操一君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大沢  実君         日本国有鉄道副         総裁      天坊 裕彦君         日本国有鉄道理         事         (経理局長)  高井 軍一君         日本国有鉄道理         事         (営業局長)  津田 弘孝君         日本国有鉄道理         事         (施設局長)  江藤  智君         参  考  人         (東京建設局         長)      滝尾 達也君         参  考  人         (東京建築局         長)      藤本勝満露君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館社長)   加賀山之雄君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館専務取締         役)      立花 次郎君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ――――――――――――― 九月十八日  委員舘林三喜男君、櫻井奎夫君前田榮之助君  及び山本勝市君辞任につき、その補欠として齋  藤憲三君、柴田義男君、大矢省三君及び山口好  一君が議長の指名で委員に選任された。 同日  柴田義男君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事互選  株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関  する件     ―――――――――――――
  2. 藤田義光

    藤田委員長代理 ただいまより決算委員会を開きます。  本日は委員長がやむを得ない事情のにめ出席できかねますので、理事の私が委員長の委嘱を受けましてその職務を代行いたしますから御了承願います。  本日は前会に引続きまして株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関する問題につき調査審議いたします。  調査に入るに先だちまして、理事補欠選任についてお諮りいたします。去る本月十一日理事柴田義男君が委員を辞任いたされましたので、その補欠選任をいたしたいと存じます。先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤田義光

    藤田委員長代理 御異議がないものと認め、本日委員に再任せられました柴田義男君を理事に指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 藤田義光

    藤田委員長代理 次に参考人の招致についてお諮りいたします。すなわち本日の参考人として東京都副知事岡安彦三郎君は病気のため出席できませんが、東京建設局長滝尾達也君、同建築局長藤本勝満露君、株式会社鉄道会館社長加賀山之雄君、同専務取締役立花次郎君の以上四名の方を指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤田義光

    藤田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  以上申し上げましたうち、東京建設局長滝尾達也君は、やむを得ざる所用のため四時半までしか当委員会出席できませんので、念のために御了承を求めておきます。  なおかねて当委員会から再三出席を要求いたしておりました石井運輸大臣が本日も欠席されておりますので、この際政府委員より出席できざる理由をお示し願いたいと思います。
  6. 植田純一

    植田説明員 石井運輸大臣は、本日もまことに申訳ございませんが、よんどころない事情のために出席ができません。実は詳しい用件につきましては私も存じませんが、いろいろと当面の問題につきまして飛びまわつておられるようでありまして、ただいまも私出て参ります前に秘書室に参りまして、さらにその連絡とつてもらうようにお願いしたわけでありますが、秘書官ともども不在でございまして、いろいろの人と面会するために飛びまわつておられるというわけで、目下のところ連絡がとれない、かような状況でございますので、どうぞあしからず御了承願いたいと思います。     〔藤田委員長代理退席柴田委員長代理着席
  7. 杉村沖治郎

    杉村委員 らよつとその問題について。ただいま政府委員から運輸大臣が出られないことの釈明をされたのですが、われわれはそんな釈明では満足することができない。決算委員政府が調べてもらいたいということを出して来ておるのですから、これは政府責任なのです。それにもかかわらずその出られない理由が今の御説明では、人に会うために飛びまわつておるとかなんとかいうようなはなはだ無責任な話であります。出て来て十分に決算委員会に対して釈明をすべきところは釈明し、そうして承認を求める義務があるところの運輸大臣が、ろくな説明もしないで、どういう用事でどうということをはつきり言われないで、人に会うために飛びまわつておるのでというようなことで決算委員会に当然出席しなければならない義務がある運輸大臣が出て来ないということは、はなはだ私は国会を軽視しておるものであるといわなければならない。でありまするから、きようは来ないものをこれ以上責めてもしかたがありませんが、次会には、いかなる理由、いかなる事情で出られないのか、国会に出るよりもより以上に重要な用があるのかどうか、それを明確にしてもらいたい。
  8. 柴田義男

    柴田委員長代理 それではこれより株式会社鉄道会館に対する問題について質疑を願います。藤田君。
  9. 藤田義光

    藤田委員 私は前会質問を保留しておりましたので、その続きをお尋ねしてみたいと思います。  まず第一にお尋ねいたしたいのは八重洲口敷地の問題でございます。先般の参考人の御答弁によれば、公有水面埋立法に基く義務違反云々の問題は、公有水面埋立法四十二条によつて適用がないのだ、準用はされないというようなお話でございましたが、それに間違いありませんかどうですか、お伺いしておきます。建設局長にお願いします。
  10. 滝尾達也

    滝尾参考人 これはこの間、私そういうふうに解釈されるように思われるということを申し上げまして、建設省の方で研究するというお答えであつたのでありまして、私はちよつと御答弁いたしかねるのでございます。
  11. 藤田義光

    藤田委員 実はあなた方を本日お招きしておる最大のポイントはこの点にあるのでありまして、執行の第一線におられまする建設局長が、すべてげたを建設省に預けたということでは、東京都の建設という大事業を託することにわれわれは非常に不安を感ずるのであります。従いまして、いまだにこういう重要問題に関する解釈東京都できまつていないということであれば、いずれ臨時国会におきましても、私たちはこういう問題に関しましては徹底的に安井知事の所見をただしたいということをここではつきりと申し上げておきます。  それでこの機会に、建設局長としてはどういうお考えでありますか。個人考えでもけつこうでありますから、お伺いしておきます。
  12. 滝尾達也

    滝尾参考人 この前詳しく申し上げませんでしたが、われわれの方でそういうふうに解釈いたしましたのは、この国の場合には、埋立ての免許でございませんで、承認であるという点、それから竣工認可はいたすのではなくて、国の方からの通知であるという点がきまつておりますので、そういう点から、国が埋立てをする場合には、地方長官監督を法が予想していないのではないかという解釈をいたしておるという意味なのでございます。それからなお公有水面埋立法施行令の三十条には「国二於テ埋立ヲ為ス場合二公有水面埋立法第四十二条第三項ノ規定二依ル準用範囲内二於テヲ準用ス」と規定しておりますが、こういうところから見ましても、四十二条第三項は制限規定で、この適用がないのじやないかというふうに、われわれの方で解釈いたしたわけでございます。
  13. 藤田義光

    藤田委員 この立法者は、古い法律でありますし、現存されていないようでありますが、私は法解釈に関しましては、ただいまの局長答弁とは大分異つた解釈が流布されていることを承知いたしております。東京都におきましては、安井誠一郎知事名前におきまして、昭和二十三年の六月十九日、東京告示第三百五十号をもつて「公有水面埋立の件を昭和二十三年六月十八日左の通り承認した。」という告示がございます。その告示の一部でありますが、運輸省関係におきましては、次のような告示内容があります。  一、起業者   運輸省  一、埋立場所    左岸 東京中央区自日本橋呉服橋一丁目地先      至槇町二丁目地先右岸 東京都千代田区自丸の内一丁目地先至丸の内二丁目      地先公有水面  一、埋立の面積 七千百九十四坪五合  一、埋立目的 東京本屋附属建物敷駅前広場道路敷造成  一、工事竣工期間 昭和二十四年三月三十一日迄 とありまして、もし東京都がこの告示をするにあたりまして、公有水面埋立法解釈はつきりとつかまれないでこういう告示をされたということになりますと、行政措置として重大な錯誤ないし過失があつたという認定をせざるを得ないのであります。その観点からしまして、当時の告示をされたいきさつに関しまして、この際局長の御説明を簡単にお伺いしておきます。
  14. 滝尾達也

    滝尾参考人 はなはだ申訳ありませんが、承認しました当時の事情をよく調べておりませんので……。
  15. 藤田義光

    藤田委員 時下数十億といわれますが、土一升金一升の貴重な場所であります。しかも国の所有にかかる土地でありまして、これが埋立てを委託されました東京都が、当時のいきさつについてはつきりした御説明がなければ、われわれはこの鉄道会館の問題に対する公正な判定ができないわけであります。従いまして、当時の状況を詳細知つておられる方を次の本委員会に出頭願いまして、この点は十分当委員会が納得するような御説明をお願いする次第であります。私がこの土地の問題を追究いたします理由は、公有水面埋立法の三十三条に「免許其ノ他ノ処分ノ条件又ハ第三十条ノ規定二依リ命スル義務ニ違反スル者アルトキハ地方長官ハ其違反因リテ生シタル事実ヲ更正セシメハ其違反ニ因リテ生スル損害防止スル必要ナル施設ヲ為サシムルコトヲ得」とあります。規定の外形は一応任意規定でありまして、強行規定でないようでありますが、全国民が重大な関心を持つております当地区の問題でありますから、私たちはこれに関しましては、都の最高責任者十分納得の行く御説明をこの際ぜひともほしいと思うのであります。局長は当時の事情をよく御存じないようでありますから、よく事情に通ぜられておりまする責任者からお伺いいたしたいと思います。参考人で出ておられまして、私があまりこの問題で追究することも、ほかの質問者に迷惑をかけると思いますが、建設局長の要職にあります方としましては、この問題に関しまして、少くとも重大な関心記憶を持つておられるということは一般の常識でありまして、御記憶もなく、当時の事情も知らぬということであればやむを得ないと思いまするが、そこで私がお伺いしたいのは、この埋立竣工後に、埋立ての目的に反せる築造物、たとえば日本カルテツクスという、アメリカの資本をたくさん入れまして、日本会社であるか、アメリカ会社であるかわからぬような会社が、あの一等地に堂々とガソリンスタンド築造いたしております。われわれは代議土というよりも、むしろ国民の一人として、非常な義憤を感じておりまするが、この東京告示にありまする埋立ての目的に反しまして、かかる築造物ができましたいきさつを、この機会国鉄当局責任者からお伺いいたしておきたいと思います。
  16. 江藤智

    江藤説明員 お答えいたします。今外ぼりの埋立ての問題につきまして、藤田委員から御質問がございました。この鉄道会館敷地は、実のところ、この告示によりまして発表された埋立地にはかかつていないのでございまして、鉄道会館のいわゆる一階の部分というものは、従来の鉄道用地にかかつております。鉄道用地内にできておるのでございまして、ごく一部、非常にわずかでございますが、いわゆる下水敷に一部かかつておりまして、この埋立地にはかかつておらないことをこの機会に御説明しておきたいと思います。  次にカルテックスと申しますか、ガソリンスタンド埋立地の中にできておる、これが東京都の承認なつております、いわゆる埋立ての使用目的に反しておるじやないかという御質問でございますが、もともとこの前御説明いたしましたように、当初の計画におきましては、駅の本屋がずつと前の、いわゆる埋立地の中まで入つて来るという設計でございました。ところがその後、それほど本屋が前の方に出て参りますと、駅前広場その他で前の方の土地を非常につぶすことになりますので、いろいろ設計上もくふういたしまして、そして外ぼりの手前まで駅本屋は後退さしたのでございます。その結果といたしまして、外ぼりの部分が、当初考えておりましたよりもあいて参つたのでございます。その当時はあの付近もまだすつかり戦災を受けておりまして、そして自動車給油その他につきましての設備も全然なかつたようであります。それで東京駅の表側の方におきましても、やはり東京駅に集まつて参りますたくさんの自動車に対する給油という問題のために、駅本屋の一部分をそういう給油設備に貸しておると同様に、裏の八重洲口の方面におきましても、駅付近に集まつて来る自動車給油あるいはそれの補修繕というようなために、交通上から申しても必要じやないか、しかもこれは仮設備と申しますか、そういうような考え許可がされておる、書類で見ますとそうなつております。
  17. 藤田義光

    藤田委員 そうしますると、このガソリンスタンド許可をとりましたのは、日本カルテックスが直接とつておりますか、あるいは国鉄関係者、現役ではないと想像されまするが、国鉄におられた方の名義で、最初許可したのではありませんか。その点をお伺いいたしておきま、
  18. 江藤智

    江藤説明員 出願者日本オートサービス株式会社取締役社長田誠氏でございます。私詳しくは存じませんが、このオートサービスとそれに対する給油関係で、そういう会社の面において密接な関係があるのじやないかというふうに思います。
  19. 藤田義光

    藤田委員 わかりました。ステーシヨン・ホテルの社長田誠氏が、裏のスタンドに対しましても、申請して許可を得ておるわけでございますね。
  20. 江藤智

    江藤説明員 さようであります。
  21. 藤田義光

    藤田委員 そうしますると、現実にスタンドをつくつております会社申請者が違うという結論が出て参つたのでありまして、私たちはこの問題に関しましても、いろいろと今後研究を要するところではないかと思うのであります。それから鉄道会館用地が、私の質問もなかつたのに対しまして、施設局長が、埋立地には全然触れておらぬ。下水的なものが多少触れておるという意味に聞き取れましたが、実際私は技術屋ではありません。しかし現地を見ますると、相当埋立地に触れておるのじやないか。先般天野委員の要求に基いてここに掲示されました地図は、あれは誤りではないかというふうに考えておりまするが、この機会にひとつ国会委員会の権威ある速記録に、いま一度施設局長答弁を拝聴して、載せておきたいと思うのであります。
  22. 江藤智

    江藤説明員 本屋敷地は、ただいま問題になつております埋立地にかかつておらないことは事実でございます。ただただいまは工事の施工中でございまして、根掘りその他の関係で、相当埋立地の方にかかつておりますけれども、竣工後にはかからないことを御説明いたします。
  23. 藤田義光

    藤田委員 ただいま築造中の鉄道会館の向う側に、国際観光会館というものが建設中であります。これは国鉄の七千数百坪の埋立地に建てられておるようにわれわれ了承いたしおりますが、間違いがございませんか。
  24. 江藤智

    江藤説明員 国際観光会館敷地が約一千坪でございまして、はつきりした数字は調べて申し上げたいと思いますが、私の見当では、約三分の一ばかり埋立地にかかつておると思います。
  25. 藤田義光

    藤田委員 この国際観光会館敷地使用願は、元運輸次官平山孝君の名前で申請されまして、そのまま観光会館社長たる平山孝使用許可されておりますかどうですか、お伺いいたします。
  26. 江藤智

    江藤説明員 さようであります。
  27. 藤田義光

    藤田委員 これは、おそらく固定資産の譲渡にあらずして、賃貸借であろうと思いまするが、料金は幾らになつておるか、この機会にお伺いしておきます。いつから徴収されておりますか。
  28. 津田弘孝

    津田説明員 ただいま藤田委員から御質問のございました国際観光会館使用料算定並びに時期について申し上げたいと思います。この国際観光会館使用料の査定につきましては、付近の似かよつた土地課税評価価格を調査いたしましたところ、中央税務署評価は、八重洲橋寄り最高といたしまして坪九万八千円、最低は四万一千円でございます。埋立地部分登記未済のために、完了後に指定することにいたしまして、その裏地に当る地域、つまり鉄道線路寄りの方でございますが、その裏地に当る地域は、最低評価価格、先ほど申し上げました四万一千円を相当と認め、これに年利六分を使用料として算定をいたしております。具体的に申し上げますと、四万一千円に年利六分を掛けまして、坪当り二千四百六十円でございます。この坪当りの二千四百六十円を平米当りに直しますと、七百四十五円四十五銭になります。その七百四十五円四十五銭に現在の平米でございます二千五百十九平米を掛けまして、百八十七万七千七百八十九円、これを年額の使用料といたしまして徴収をいたしております。
  29. 藤田義光

    藤田委員 いつから徴収をされておりますか。それから現にこの建築物建築を継続されておりますか。どの程度に完成されておりますか。事情を簡単にお示し願いたいと思います。
  30. 津田弘孝

    津田説明員 ちよつと資料によつて調べますから、もうしばらく御猶予を願いまして、ほかの質問にお移りくだされば幸いに存じます。
  31. 藤田義光

    藤田委員 それでは立花参考人が見えておるようでありますから、一、二簡単にお伺いいたします。先般の当委員会の前日、突如として立花次郎個人名前でわれわれに文書参つたのであります。これは立花専務が出されたのに間違いありませんか、どうですか。お伺いいたします。
  32. 立花次郎

    立花参考人 私個人考えを申し述べたものでございます。
  33. 藤田義光

    藤田委員 実はこの問題は、国民の代表たる国会において慎重に審議中でありまして、突如としてかかる文書委員の手元に配付されたということは、われわれは意外に考えておるのであります。どういう理由で突如としてこういうものを出されたのか。加賀山社長は――立花個人ということでありますが、鉄道会館専務であります。部下の専務たる立花次郎氏が、かかる個人的な見解委員に発表されるのに対しまして、御承知であつたかどうか、その点をお伺いいたしておきたいと思います。
  34. 加賀山之雄

    加賀山参考人 当時私地方を旅行中でございましたので、この内容につきましては私はタッチいたしませんでした。しかし帰りましてさつそくこれを見せてもらいましたが、われわれが考えましても、やはりかようなことを考える。また真相は明らかにしておくのがいいのだと考えております。
  35. 藤田義光

    藤田委員 そうしますと、立花個人文書でありまするが、社長もまつたく同点見であるというふうに解釈してよろしゆうございますか。
  36. 加賀山之雄

    加賀山参考人 さように御解釈願います。
  37. 藤田義光

    藤田委員 十八日の東京タイムスに「国鉄問題を衝く」という特集が出ております。その中で立花専務見解が述べられておりますが、新聞見解を発表されたことは間違いありませんか、どうですか。
  38. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。実はあれを個人で差出しました理由は、二、三新聞の方が来られましていろいろお尋ねがございました。それでやはり駅の十二階をやるから駅前広場の問題が起るのだというように皆さん解釈しておられたので、これはよほど説明しなくてはわからぬ、そこでまた再び間違つた報道新聞に出てはいけないと思いまして、私はあのとき決算委員の皆様と同時に、主要の新聞社編集局長政治部長あるいは経済部長社会部長という方々にみな個人としてあの同じ内容のものをお送りしたわけでございます。それでこの東京タイムスの場合は、多分その中の部分を――全部ではございませんですが、おとりになつてここにおあげになつたのしやないかと存ずるのであります。
  39. 藤田義光

    藤田委員 私はこの新聞を拝読いたしまして、こういう感覚で元国鉄におつた人がおられるからいろいろと問題が起るのじやないかと思うのであります。立花専務見解を聞きますると、まつたく国鉄施設局長と同じような立場でものを言つておられる。これはまあ見解の相違であると言われますればそれまででありますが、こういう気持でこの問題等に臨んでおられるということは、私は重大なことじやないかと思うのであります。政府の重要な機関でありまする国鉄の幹部のような気持で一会社の重役がおるということは、さなきだに誤解を受けております国鉄の運営に今後もまた禍根を残すのではないかと思われるのでありますが、一会社をわざわざ取上げられてアジア・ビルができそうだというようなことまで暴露されて反論されておりますが、これはどういう理由でこういうことを言われましたか、お気持を伺つておきます。
  40. 立花次郎

    立花参考人 その点についてお答え申し上げます。実は私あるところでアジア・ビルデイングの設計と図面を拝見したのであります。りつぱな絵が写真にまでとられておりました。それで驚きまして、そういうことがあちこちに私どもが知らぬ間に相当流布されておることを知つたわけであります。それで私は原文には、もしもそういうことがあればというように書いておるつもりなのでございますが、その新聞には私の原文とはちよつと違つて出ておりますので、あるいは確定的なことを私が申しておるように出ておるかもしれませんが、私が申し上げましたのは、もしもそういうことがあるならばと、こう書いたわけでございます。
  41. 藤田義光

    藤田委員 当新聞あるいは過日の文書等は、当委員会の態度を決定するのに有力な資料になりますので、後刻理事会におきましてもひとつ研究を願いたいということを委員長に申し上げておきます。  次にお伺いしたいのは、建築基準法に関連する問題と、ただいま建設省計画局長がお見えになりましたので、先ほどの公有水面埋立法の四十二条の準用の問題であります。四十二条は、八重洲口の裏口に関しましては準用されるという積極的な意見でありましたが、渋江計画局長の御意見はどうでありますか、この際お伺いしておきます。
  42. 渋江操一

    渋江説明員 前回の委員会藤田委員からの御質問に対しまして答弁を保留さしていただいておりましたが、その後研究をいたしました。それでいわゆる公有水面埋立法との関係でございますが、私の研究しました範囲におきましては、いわゆる公有水面埋立てにおいて、埋立ての免許を受けた者が免許の際の条件に反した埋立地使用をした場合に、それに対する是正措置ということが規定されておるわけでございまして、つまりそういう免許者一般適用せらるべき公有水面埋立法規定がこの国有鉄道にも適用があるかどうか、こういう問題だと思います。結論的に申しますと、その点につきましては、国有鉄道法の六十三条に、いわゆる国有鉄道の各法規との関係におきます機関としての取扱いを規定いたしております。その鉄道法六十三条の解釈から参りますと、この場合におきまして、埋立法との男係においてはやはり国と同様の取扱い方をしておると解釈するよりほかに方法がない。従いまして、現在の埋立法の規定適用におきましては、御指摘になりました点に関しましては、国同様の取扱いをする、従つて直接には適用がない、かように考えられます。  それからなお、しからば現在の使用方法がどうかという点になつて参りますれば、これはいろいろ研究をいたしたのでございますが、これまた御質問がありますれば、その点に関してお答えを申し上げたいと思います。
  43. 藤田義光

    藤田委員 これは法理論でありまして、解釈の対立はやむを得ないのでありまするが、私は政府ないし政府機関埋立てまして、政府ないし政府機関がそれを処分する、そういう場合に義務違反があつた場合には四十二条を準用いたしまして、これは三十三条等の適用はないというふうに解釈するのでありますが、政府機関が介在しまして埋立てをやりまして、その後の処分において、その処分が、しかも民間の会社等に関連して来ました場合も、この四十二条の建前から全然義務違反の疑いはないというふうな解釈でございますか、お伺いしておきます。
  44. 渋江操一

    渋江説明員 三十三条の適用の問題については、やはり当事者として問題にさるべきものは、埋立ての免許権を受けた国有次道そのものであろうと思います。従つて、この国有鉄道埋立免許を受け、その用地を取得した、その取得された用地使用方法が問題になるということでありまして、それから先の民間会社その他の使用について云々するという関係は、この埋立法との関係には出て来ないというふうに考えているのでございます。
  45. 藤田義光

    藤田委員 そうしますと、政府ないし政府機関が介在して国有財産を埋立てた場合は、先ほどの計画局長の御答弁の中に直接という言葉がありましたので私はお聞きしているのであります。間接においても何か義務違反の疑いがあるじやないかというふうに先ほどの答弁からとつたのであります。わざわざ直接違反の云々というような御答弁があつたやに了承しましたので、この点をいま一度お伺いしておきたいと思います。
  46. 渋江操一

    渋江説明員 その点は、法律解釈問題とそれからその埋立条件との関係なつて参ると思いますが、埋立条件につきまして御指摘がありましたので、私もその後調べたわけであります。調べました当時、東京都との間において御承知のような覚書が埋立条件としてとりかわされている、その中の本問題に関連する条項を考えてみますれば、国有鉄道駅舎並びにその付属建物の用地その他の道路用地とか、いろいろの字句が入つておりますが、要するに、その付属建物等の中に入るかどうかということになるわけであります。それでその点は、現在問題になつております国際観光会館でございますか、それらの施設は付属建物と直接に言るかどうか、これはいろいろ異論はあると思いますけれども、実態的な用途が、その付属建物に大体想定されるであろういわゆる観光案内所でありますとか、交通公社の事務所とか、そういつたようなものに適用されるということでありますれば、その覚書の趣意から判断いたしまして、三十三条に要求するような義務違反を指摘して更正せしめる措置を講ずるほどの問題であるかどうかという点については、私どもは必ずしもさように考えないというふうな解釈を一応いたしているわけであります。
  47. 藤田義光

    藤田委員 そうしますと、滝尾参考人にお伺いしたいのでありますが、埋立ての条件と申しますか、目的の中にうたわれました範囲を逸脱いたしまして埋立地使用されておるということになりますと、これは覚書の違反であります。こういう場合に対する行政措置をひとつお示し願いたいと思います。
  48. 滝尾達也

    滝尾参考人 現在の段階におきましては、いわゆる三十三条の適用はないというふうに考えておりましたので、それになお国際観光会館でございますか、あれがこの付属建物という範疇に入らないという判定もまだちよつと下しかねるように存じておりますので、ただいま行政的にどういう処置をしようということは考えておりません。
  49. 藤田義光

    藤田委員 大体いつごろまでにあの国際観光会館に対する判定をされる予定でありますか、お伺いしておきます。
  50. 滝尾達也

    滝尾参考人 これは今のところは法理解釈によりますので、その結果によつてはつきりいたしたいと存じますので、ただいまいつとちよつと申し上げかねると存じます。
  51. 藤田義光

    藤田委員 建築審査会の決定がABCD、四回にわたり変更されたということは、先般地図によつて御説明があつた通りであります。私たち建築審査会の決定というものが非常に権威があるというふうに了解しておるのでありますが、時々刻々その決定が変更されておる。しかも前会参考人に出られた岡安副知事の御説明によりましても、大体Dラインがよろしい、杉村委員の御質問と思いまするが、これに対する答弁も確たる信念がなかつたようにわれわれは了解しおります。従いまして、このDラインというものも今後変更することはあり得ると思いまするが、大体D案が最後的なものであるかどうか、この問題に関しても実は東京タイムズに立花専務見解が出ておりますが、この際建設局長の御見解をお伺いしたいと思います。
  52. 滝尾達也

    滝尾参考人 この問題は決定したというふうに、岡安副知事も申し上げておらなかつたように、私は記憶しておりますが、決定しますためにA案からD案といろいろの案を考慮されておる。それでこの関係国鉄、それから建設省、それから東京都、こういうところに深い関係がございますので、この計画を決定するに際しましては、費用の分担という点もございますし、いろいろな点がございますから、いろいろの案を技術的に今検討しておつて、いろいろな線が出ておるという意味に申し上げたように聞いておりまして、決してまだ決定しておりませんので、これは至急よく協議いたしまして決定いたしたいというふうに存じておる実情でございます。
  53. 藤田義光

    藤田委員 私たちはこの鉄道会館建築そのものの不法、違法あるいは正当ということを追究するとともに、少くとも国民の誤解を受けましたかかる計画が具体化したということに関しまして、実際の計画の立案者をきわめることが最も重大であろうかと思うのでありまするが、この点に関しまして、実際この計画を、単に表面上は国有鉄道八十周年記念事業としてやるという大義名分でありますが、実際こういう設計あるいはこういう陣容を計画した人はどなたでありますか。副総裁もし御承知ならばこの際お示し願いたいと思います。
  54. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 鉄道会館の構想なり、こういう形態で運営するということについて、だれが最終の決定、立案者であるかという御質問でございますが、御承知のように、国有鉄道の本庁内の各局の分課の建前が、ほかのお役所の各局のわけ方とやや違いまして、たとえば通産省なら通産省で鉄鋼局長というような方は、鉄鋼部門に関する問題についてはほとんど最高責任者であります。その上に次官とか大臣とかがあつて乗つておられる。こういう性格でございますので、鉄鋼に関する問題についての主管局といえば非常にはつきりするわけでございます。ところが国有鉄道の問題につきましては、そういうふうに割切れておりませんで、設備の問願については、これは施設局が受持つとか、これの経営形態というような問題については営業局が関係があるとか、あるいは電気をつければ電気局の方にも関係がある、こういうような非常にまじつておりますので、一局に割切つてここだと言い切れないのでありまして、この問題を取上げまして、結局最終決定ということになりますと、総裁なり副総裁なりというところに参るということでございます。
  55. 藤田義光

    藤田委員 私の質問の要旨と御答弁が食い違つておりますが、この点はいずれまた機会を改めてお聞きしたいと思いますが、この鉄道会館の問題に対しまして、最後の決定をしたとき、立花専務はどういう地位におられましたか。それから現在職員局長をされております吾孫子さんは当時どんな肩書でございましたか、この機会にお示し願いたいと思います。
  56. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 立花さんは昨年の三月にやめられまして、この決定をいたしましたのは六月の末であつたと思います。  それから吾孫子君は現在と同じ職員局長の職におつたというように記憶いたします。
  57. 藤田義光

    藤田委員 ほかの委員質問がありますから、あと簡単にやりたいと思いますが、現在問題になつております鉄道会館と、先ほどお尋ねいたしました日本カルテックスガソリンスタンドとの間にあき地があります。約千坪近いと了解いたしておりますが、この使用に関しまして、運輸省の先輩である元運輸大臣をしておりました八田嘉明氏の名義で何か申請が出ておるやに私たちは聞いておりますが、そういう事実がありますかどうですか、お伺いいたします。
  58. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 ただいま御質問場所につきましては、御質問の通り、八田嘉明氏からあの場所を借りたいという陳情がございました。そのほかにも二、三あるようであります。
  59. 藤田義光

    藤田委員 この土地使用に関しまして、運輸委員会速記録を読んでみますと、いろいろ運輸省当局が介入しておるような印象を受けるのであります。その点に関しましては植田説明員からお伺いしたいのでありますが、どの程度に介入されておりますか。間接申請者を選考するというような絶対的な権限を持つておられたやの速記録がありますが、この機会にひとつ植田説明員から何か御承知あればお示し願いたいと思います。
  60. 植田純一

    植田説明員 私はその点に関しまして全然関知いたしておりません。
  61. 藤田義光

    藤田委員 私たちは当委員会の二箇月余にわたる論議を通じまして、この国鉄の大家族主義というものが、いわゆる上層階級のための家族主義でありまして、下層には全然恩典がないという重大な事実をつかんだのでありまして、また約千坪に余る敷地に関しましても、国鉄の大先輩が申請しておるというようなことをただいま副総裁から確認してもらいまして、当委員会の使命、結論というものが非常に重大であるということを再認識したのであります。いずれまた時間がありましたら後刻お伺いしたいと思いますが、その後委員会がこの問題を取上げましてから今日まで相当の時日を経過いたしております。この間に外郭団体に関しましていろいろと問題が出ております。日本交通公社、鉄道弘済会あるいは戦前のままの姿で昭和二十六年に監理委員会という民主的な組織ををつくつて外形を装つております帝都高速度交通営団等の問題もございますが、こういう外郭団体に対する誤解の一掃のために、何か国鉄あるいは運輸省において考えられたことがありをすかどうですか、この機会にお伺いしておきたいと思います。
  62. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 まだいろいろこの委員会等におきましても、そうした問題につきまして御審議中でございますので、特段の措置はいたしておりませんが、ただ繰返して、運輸委員会におきましても、またこの決算委員会のこの前の会でございましたか、その席におきましても、私どものいわゆる外郭団体と言われておりますものにつきましての考え方については、一応御説明申し上げたのでございますが、もう一度申させていただきますならば、非常に鉄道という名前をつけた部外の会社、団体等が非常にたくさんございます。しかしながら、私どもこれらをすべて外郭団体というふうなかつこうで考えているわけではございません。その多くの会社組織をもちまして、鉄道に物を納めたり、あるいは鉄道の仕事を請負つたり、そういうような仕事をいたしておるものが大部分でございます。これらにつきましては、結局鉄道もそのために物を買うことによつて、幾分でも安く買える、その会社自身も適正な利潤によつてやつて行ける、こういうようなコマーシヤル・ベースにおいての相互のやりとりで、その会社が存続できるものは存続させてやる、これができないのを無理して育てるということは私どもにはできない問題でございまして、その間に私どもの方でもいろいろと退職者等につきましてめんどう願つておる事実はございますけれども、それなるがゆえに特にどうするというようなやり方はできない問題であると考えております。ただこの前もお話がございましたが、国有鉄道といたしましてどうしても育てて行かなければならぬ、たとえばこれも御意見がおありのようでございましたが、運輸調査局でございますとか、あるいは鉄道弘済会でございますとか、交通協力会、こうしたものにつきましては、鉄道の内うらにおいて育てて行くよりも、鉄道の外郭団体としてこれを育成強化して行きたい、そしてそれの役割を十分果させたいというふうに考えておりますので、いろいろ誤解等もございますが、そうした考え方で私どもやつて行きたいという気持でおりますことを御了承願いたいと思います。
  63. 植田純一

    植田説明員 運輸省鉄道関係といたしましては、国鉄に対し、また私鉄に対しまして、また鉄道に関しますところの公私法人等、に対しましてそれぞれの法令の根拠に基いて監督いたしておるわけでございます。もちろんそれぞれの状態にようまして監督の精粗の差はございますが、いずれも交通関係一般公共に対しまして占めております重要な役割ということを十分念頭に置きまして、それぞれ監督法規の精神に沿つてやつておるわけであります。今後いろいろの問題につきましてさらに十分留意いたしまして、御趣旨に沿いたい、かように考えておる次第であります。
  64. 津田弘孝

    津田説明員 先ほど藤田委員から御質問がございました国際観光会館に対する土地使用料金の徴収の始期につきましてお答えいたします。用地使用の始期は、昭和三十六年十月の一日からでございます。
  65. 藤田義光

    藤田委員 最後に、この国鉄の問題に関連しておりますのでお伺いしたいのでありますが、帝都高速度交通営団というのがあります。戦時中にできたものでありまして、営団の名前を持つておる最後のものになつております。この役員の顔ぶれを見ますと、八名の理事と二名の監査役の計十名の中で民間人はただ一人であります。残り九名の役員は大蔵省出身あるいはかつての政府的色彩の強かつた興銀の代表、運輸省の出身者、建設省の出身者のみをもつて運営されております。いわば予備役官僚の道楽的な運営というふうな外形を持つておるのが現在の営団の姿でありまして、私たち国鉄法に即応せる監理委員会の設置によつて当面を糊塗せんとした昭和二十六年の改正も一応了承しますが、地下鉄運営の各国の実例等にもかんがみまして、この点に関しましては相当根本的な研究を要するのではないかと思うのであります。民間の叡知を導入いたしまして、国鉄と大蔵省の資金運用部と東京都が大体投資をいたしておりますし、そのほかに現に七億五千万の社債を募集中でありますが、この高速度交通営団の今後の運営に関しましてひとつ植田説明員から率直な見解を伺いたい。現在のままで、つまり戦争中と大体同じままで地下鉄というものはよろしいものかどうか、簡単に所見だけを伺いまして審議の参考に資したいと思います。
  66. 植田純一

    植田説明員 この帝都高速度交通営団ができましたのは、ただいま御指摘の通りでございまして、東京都市交通におきましてどうしても地上高速度交通というものを整備しなければならぬ、またこれには相当莫大な資金がいるわけでございまして、従いましてこれにつきましては、政府並びに関係の公共団体が一、二これに大きな努力を払つて、そうして地下鉄の整備をはかろうということで、こういう特別の公法人というのができたわけでございます。今日の状況におきましては、この公共団体や政府が十分な力を尽しましても、なかなかこの莫大な資金のために思うようになりませんが、しかし少くとも今後の地下鉄整備の形態といたしましては、この形態が目下のところ一番適当ではないかというような感じを持つております。なおただいまいろいろと御指摘の点、根本的にはそういう考えでおりまするが、いろいろ個々の点につきましては、なお今後十分検討しなければならぬ点があるかと存じます。そういう点につきましては検討いたしておりますが、根本の考え方といたしましては、この形で育成して参りたい、かように考えておるわけであります。
  67. 藤田義光

    藤田委員 ただいま現状維持の一つの大きな理由として、莫大な資金がいるということを言われております。ところが鉄道会館等に関しましては、大半が民間の資金を導入しようという国鉄の行き方であります。これに対する監督の立場にあります運輸省植田説明員答弁では、莫大な資金がいるから現在の公の法人がよろしいということを言われたのでありまして、私たち運輸省の運輸行政に対する一貫した方針がわからなくなるのであります。この点は現に民間の人で、地下鉄ならば投資したいというので相当多数の希望者があることも御存じの通りでありまして、資金の面からしまして、この公の法人を現状維持で推移させようという植田説明員の御答弁は、実情と大分遊離してしまつた答弁ではないかと思うのでありますが、いずれこの問題に関しましてはまた機会を改めまして、それぞれの責任者参考人としておいでいただきまして、ゆつくりとお聞きしたいと思いますので、私の質問はこの程度で終りたいと思います。
  68. 柴田義男

  69. 熊本虎三

    ○熊本委員 ずいぶん長い間各委員からあらゆる角度にわたつて質疑がかわされておりますが、私質問通告をいたしておきましたのは、運輸大臣国鉄総裁並びに大蔵省の有力な幹部に来てもらいまして、そうして重複あるいは三重の点を整備し、ある部面は再確認して、そうしてそれを集約する方向に質問の整理をしようと思つて通告をいたしておりましたが、先ほど委員長のお話によりまして運輸大臣国鉄総裁も出席がありません。従いまして私は、その通告いたしておりました根本的な内容については、次に出席される委員会にまでこれを留保しておきたいと思います。委員長においてよろしくおとりはからいの上、その際私に発言をお許し願うようにお願いしておきたいと存じます。なおこの機会に質疑が行われると思われる多少の点について質問をしてみたいと存じます。  第一には滝尾参考人にお尋ねするのですが、現在の鉄道会館は、その許可は八階建によつて許可されておるということを聞くのであるが、はたしてその通りかどうかということであります。
  70. 滝尾達也

    滝尾参考人 これはきよう参考人に来ております建築局長の所管でございますから、そちらから御答弁を願つたりよろしいかと存じます。
  71. 藤本勝満露

    ○藤本参考人 ただいま御質問のありましたように、八階建のものが破認をされております。その確認の年月日は二十八年の六月の二十二日でございます。
  72. 熊本虎三

    ○熊本委員 さらにお尋ねいたしますが、要望は十二階建でありますが、その十二階については許可する意思か、許可せざる意思か、まだその点の決定を見ておらぬようでありますから、見通しについてお答えを願いたいと存じます。
  73. 藤本勝満露

    ○藤本参考人 十二階建の問題につきましては、まだ確認の申請が出ておりません。但し建築基準法の五十七条によるところの高さ制限超過の許可申請が参つております。それにつきましては法律上建築審査会の意見を聞いて処置する、こういうことになつておりますので、都知事は建築審査会の意見を問いまして、その結果建築審査会におきましては条件が二つほどございますけれども、そのうちの主たる部面は道路の開鑿にわたりまして一連の適当な広場の開設を都知事が確認したる時期においてこれを建築することを同意する、こういうことに相なつておりますので、まだ都知事はその時期を確認しておりません。従つて基準法のこの制限超過の許可もまざ出ておらないような実情でございます。
  74. 熊本虎三

    ○熊本委員 国鉄並びに会社のどなたでもいいのでありますがお尋ねいたしたいと思います。特に国鉄の方はこれを保証して工事を進めておるのでありますから、国鉄責任者にお尋ねしたいと思いますが、ただいまお聞きの通りでございまして、八階から十二階に許可されるかされざるかはまだ未知数である。しかるに工事は着々として進行中である。一たび基礎並びにその上層建築について工事をなしたるものは、再びこれを補給するのはおおむね至難であろうと考えられる。従つて今日工事を進めつつある規模とそれからその様相は、十二階を目的として建築中であるのか、あるいは八階を目標として基礎並びに上層建築を進行しつつあるのか、その点について御答弁を願いたいと思います。
  75. 江藤智

    江藤説明員 お答えいたします。ただいま基礎工事は十二階の荷重に対しまして工事をやつております。これは運輸委員会のときにも御質問がございましたのですが、八階の建物にいたしましても相当固い地盤まで基礎を入れなければなりませんし、十二階にいたしましてもそこまで基礎が入つておりますと、大した経費の差にならないのでございます。従いましてただいま実施しております基礎工事は十二階建の場合でももつような計画によりまして工事を進めております。十二階の許可につきましては、先ほど都の建築局長が御説明になりましたように、向い側の広場の線が確定したあかつきにおきましては同意するというような答申になつておるのでございまして、この駅前広場の確定につきましては、前々からすでにいろいろな関係の方が御説明いたしましたように、過去におきましても早くあの前の計画というものはきめなければいけない。ただ非常に困難な面もございましたのでまだ確定はいたしておりませんけれども、しかし八重洲口というものをあそこに開設いたします以上は、前面の広場の線というものも、どういう線に確定するかは別といたしましても、これを決定しなければいけない。これが決定されたならば大体十二階というものは許可されるであろう、こういう見通しのもとに進めておるわけでございます。但し鉄骨製作その他につきましては――鉄骨などはこれは手配いたしておりますけれども、製作面におきましては、やはり良心的に考えまして現在許可を受けておるところまで進めておるのでございます。ただいまそういういきさつなつております。
  76. 熊本虎三

    ○熊本委員 すでに許可は目下審議中であり、しかもそれは前の広場の関連に伴う。しかしながら工事はどんどん十二階の目標をもつて進めておる。これは国鉄であるから、いわゆるその力をもつて遂に十二階を強引に許可せしめようという建前からそういうことが進められておるものと考える。もしも単なる民間事業にしてものを進める場合においては、やはり許可を受けてから初めて着手するのが順当であるはずであるにもかかわらず、そういうことを進められておるということについて、経費の点があまり大差はないなどと言われますけれども、それはわれわれしろうとといえども、八階と十二階とが大した相違なく基礎ができるなどということは妥当な答弁ではないと考える。しかしその点はそれでおきまして、次にお尋ねいたしたいのは、今のお言葉にもありましたように、かりに八階という建物を許可してそれで建設される場合と、十二階が許可されてそして十二階建があそこに建築される場合とでは、おのずからこれは都市計画法によつて広場の面積に相違を生ずることは当然であろうと私は思う。従つてその際において、この前から議論になりました現在の駅前広場は、現状において十二階を許し得る範囲にあるのか。あるいはさらにこれを拡大しなければならないのか。拡大するならばそれは一体国鉄所有の土地においてこれを融通し得るのか、あるいは一般民間のものを圧迫して、これを立ちのかしめてその地面をつくろうとするのか、これは一体どういう見通しであるかをお答え願いたい。
  77. 江藤智

    江藤説明員 この広場問題につきましては、国鉄側よりもむしろ都の方で御説明願つた方が適当だと思います。
  78. 熊本虎三

    ○熊本委員 私は、都の直接の関係でありますからあえてこばみません。しかしながらこれを実際に実行しつつあるのは国鉄であり会社である。これらの連中がそういうことの見通しがつかないで、おのれのやることだけはどんどんやつて行く。あとは都の方がかつてにしろということは、私ははなはだけしからぬと思う。そういう場合においては細大漏らさず連絡の上、将来十二階になつた場合はかくしてかくするというようなことが勘案されずしてものが進んでおるとは考えない。従つて都の方は八階を許しておる。八階に適応するところの広場があればよろしい。それをおいて十二階にしようという方が責任を負つてこれらのものを勘案すべきではないか。
  79. 江藤智

    江藤説明員 八階から十二階になつたために、特に駅前の広場が広がるというふうには考えないということにつきましては、前会におきましても、国鉄あるいは都の方で御説明をした通りでございます。もちろん地平部分だけで考えた場合、あるいは建築基準法の広場との関係よりも狭い場所でございましたならば、これは八階から十二階になればもちろん考えなければなりませんけれども、その建築基準法の制限よりもむしろ広く、八階の場合でもこれまで考えておつたわけなのでございます。しかも十二階になりますと、ある程度、それだけ分、大したことじやございませんが、そこに集まる自動車であるとか、人であるとかいうものがふえて参ります。こういうものにつきましては、設計上立体的に考えるということで補つておる、こういう御説明をいたしたわけでございます。しかしこれは当の国鉄側の方の意見なのでございますので、都の方からもやはりこれについての御意見があつた方がしかるべきではないか、こういうふうに私考えるわけであります。
  80. 滝尾達也

    滝尾参考人 この広場問題につきましては、十二階になりましたために広場を広くしなければならぬという状態を必要とすることはないのでありまして、その点の打合せは国鉄説明を聞いておりますが、要するに国鉄自身の地下、あるいはホームのうしろ、そういうところで八階以上の処理は十分できるという説明であります。またわれわれもでき得るというふうに考えておりますので、十二階になりましたために、われわれの方は広場を広くしようという必要を感じませんし、またそういう意思はないということを申し上げます。
  81. 熊本虎三

    ○熊本委員 先ほど前面広場ということが十二階を許可するかいなかの分岐点になつていると言われましたが、その前面広場とは何を言いますか。
  82. 滝尾達也

    滝尾参考人 広場関係は二十二年にきまつておるのでございます。この前に説明がございましたように、三十メートル見当駅舎が後退いたしましたために、従来決定している広場の必要はなくなりましたので、今度の駅舎の位置でこれだけ必要になるということを早く決定してしまわねばならないわけであります。この決定をしてしまえば駅前の煩雑ということも緩和されるわけでありますが、現在のようにまだ広場計画がどういうふうにきまるか全然わからないうちに、十二階だけできてしまうということになれば、現在の状態が一層混乱をするという意味において、そういう条件建築審査会でつけられたものであるというふうに解釈しております。
  83. 熊本虎三

    ○熊本委員 この前杉村委員が尋ねて、しまいに怒つたのですが、またそれと逆もどりのような形でまことに私は心外だと思うのであります。とにかく私どもはしろうとでありますからよくわからないのでありますけれども、やはり要所々々の広場は、単なる平面ではなくして立体的なものを勘案して一つの広場というものが決定されるのが妥当だと考えておる。そこで先ほどから言います駅前広場というものにつきまして、それが八階であろうと十二階であろうと、もつといえば全然なかろうと、広場は同じであつてさしつかえないという関連性については、われわれ了解がつかない。従つて現在の八階では、今の広場は余裕があり過ぎるので十二階を建ててもさしつかえないというのか、あるいはそうでなくて、広場の問題については、いろいろ駅の建設物の、たとえば計画が之等によつてまだその点は明確にならないというのか、そういうことをしろうとにわかるように説明をしてもらいたい。結論としてはあそこに十二階建を建てるという一営利会社のそういう建設物のために、あの一等地であるその周囲における民家を追い出さなければならないという結論の出ることは、穏やかならざることだと思うからこれを聞いておる。だからそういう御心配は断じてないということならば、さような保障をして願いたい。
  84. 滝尾達也

    滝尾参考人 今御質問の、十二階になるがために民家を追い出さなければならないということにはならないということを申し上げておきます。
  85. 熊本虎三

    ○熊本委員 私はこれについてはまだわかりませんから、あとでわかるように説明を願いたいと思います。われわれが聞くところによれば、先ほど藤田君も言つておりましたように、むやみやたらにあの重要地があれやこれやと高層建築物に利用される。そうすると都市計画に基いても、あるいは道路をまだ拡大するなりあるいは周囲を疎開して広場等によつてこれらの問題を緩和するなり何かの影響があるものとわれわれはしろうとで思いますが、それが全然なくてもよいということであれば、広場問題についてはわれわれは何も心配はないのであります。今の説明では私にはまだ納得が参りませんが、今のような答弁ならば、何回繰返しても同じことでありますから、あとで適当な時期にどういう理由でそうなるかということについて御説明を願うことにいたしたいと存じます。  次にお尋ねいたします。国鉄会社との間に契約をされておりますその中味は、やはり東京駅の建設に関連する幾多の社会公共の福祉を中心としたとりきめであるというふうにうかがわれるわけでありますが、それについてお尋ねいたしたい一、二点は、国鉄会社との貸借契約によりますと、このごろの説明によつて、坪時価十万円として、そうしてその算定についてはいろいろ説明がございました、妥当であるかどうかは、私どもまだ必ずしも無条件で納得したわけでありませんが、ただその十万円を基礎として、年利七分という形において地代その他が算定されておるようでありますが、そういうふうに算定をする理由は一体どこにあるのかということを、この機会にお尋ねしておきたいと思います。
  86. 津田弘孝

    津田説明員 ただいまの熊本委員の御質問年利について御質問がございましたが、国有鉄道の財産管理規定の六十四条によりますると、資本利子は国鉄における借入金の利率をくだらないことという一項がうたわれておるのでございますが、この七分と申しまするのは、現在国鉄が外部から借りておりまする借入金の利率が六分五厘ということになつておりますので、その六分五厘を下まわらない、むしろ上まわりました七分ということで算定をいたしておるのでございます。
  87. 熊本虎三

    ○熊本委員 そうしますと、国鉄としてはやはり公の仕事であるから、なるべくそこで利益をあげようとしない。要するに六十四条に基いて、いわゆる債務利子を下まわつてはいけないというから、ちよつぴり上まわりをしたんだ、こういうことで、その目的は社会公共のために不当なる利益等を目標とせざるという理由においてそうなつたのであろうと想像がつくのでありますが、それはさように考えてよろしいのでありますか。
  88. 津田弘孝

    津田説明員 この点につきましては、国鉄用地なり建物なりを賃貸いたしまする場合に、はたしてどの程度の家賃なりあるいは地代をとつたらいいかということにつきましては、いろいろと考え方があると思うのでございます。ただいま七分と定めましたのは、公正妥当なるものといたしまして、現在われわれが答えておるのでございますが、今後の問題として、一体ああいつた貴重な土地、ことにガード下等につきましてよく問題が起るのでございますが、もつと収益をはかつたらいいじやないか、あるいは時価程度までとればその間に中間搾取というようなことも起らないのではないかというようないろいろな問題を将来に向つて包蔵いたしているというふうに考えるのでございます。そのような意味におきまして、先般御説明申し上げたかとも思いますが、国鉄におきましては、民衆駅等の運営委員会、それから用地に対するところの評価委員会というような二つの委員会を最近につくりまして、民間の有識の方にも入つていただきまして、そのようなことにつきましての将来に向つての方向づけをしていただきたい、それを参考にして定めたいというふうに考えておる次第であります。
  89. 熊本虎三

    ○熊本委員 対象を一般国民、すなわち勤労大衆をも含めたるその社会福祉を意味するものであるならば――国鉄が多くの利益をとつて、そしてそれがあらゆる面に大衆消費の対象となるがごときことをわれわれは慫慂するものではない。でありますから、必ずしもこれを高くとれということばかりが私のねらいではないのであります。ただ営利会社に貸すに、そういう算定の仕方をしたということは、どこに根拠があるかをただしたにすぎません。  そこで資料をもらつておりますから一応はわかつたつもりでありますけれども、念のため伺いますが、十二階が完成されますと、総延坪数が一万六千坪を上まわると私は記憶いたしますが、どうですか。
  90. 加賀山之雄

    加賀山参考人 今言われました通り、十二階完成するといたしますれば、一万六千坪を上まわることになるのであります。
  91. 熊本虎三

    ○熊本委員 そのうちで大阪の大丸と貸借契約をされておるようであります。そわ大丸との契約の内容は、坪数は幾らになつておりますか。
  92. 加賀山之雄

    加賀山参考人 七千坪余になつておると思います。
  93. 熊本虎三

    ○熊本委員 そこでお尋ねしたいのでありますが、会社は大丸に契約をされまして、私は大丸の重役とも会つたのでありますが、聞くところによりますと、七億五千万円という前渡しをする。それは払い込みの度数がきまつておりまして、すでに一億円は会社の方の収入になつておるはずであり、さらに九月末でしたか二億円か二億五千万円を払い込む、こういうことを向うの重役から承つて参つたわけであります。さらにこれが完成のあかつきにおける間代は、総合して二億五千万円ということによつて契約をしておる、こういう話を承つたのでありますが、それはその通りでしようかどうかをお尋ねいたしたいと思います。
  94. 加賀山之雄

    加賀山参考人 大丸の契約の内容といたしましては、七億が入居保証金という形で申し受け、五千万円を敷金の杉で申し受け、合計七債五千万円を完成までに――一度ではございませんか、仕切りまして受け入れるという契約になつております。使用開始いたしましてからの、いわゆる賃貸料につきましては、大体私どもはこの売上げ等もやはり参酌しなければならぬのでございますが、最初の年度としては、最低大体二億くらいになりはしないか、その後の売上げ状況を見て改訂をし、上げて行きたい、かような希望条件を添えて契約をいたしております。
  95. 熊本虎三

    ○熊本委員 そういたしますと、大体大丸の使用する割合は約半分をちよつと上まわつておるという程度であります。しかも大丸はその使用する場所が相当高層の部屋まで及んでおるようでございまするから、われわれの想像から行けば、総部屋代の約半分という見当をつけております。そういたしますとあれが完成されてから毎年年額五億円の部屋代が会社には入る。こういうそろばんに相なるかと思うのでありますが、大体会社の見当もその通りでありましようかどうか。
  96. 加賀山之雄

    加賀山参考人 私ども会館といたしましての営業上一番苦しい点は、一階の非常に大きい部分が駅として使われることであります。普通一般のいわゆる貸ビルというのになりますと、一階が一番営業上重要なところになつてそこからの収益を非常に当てにするということになろうかと思いますが、御承知のように、四分の三は駅の部分として使われるわけでありまして、その四分の一に当る分をわずかに会社がお借りをして、そこで営業するというかつこうになつております。従いまして大丸が必ずしも総面積の半分になつておるというお考え方も、ちよつと私は違う点があると思いますし、それから御承知のように、上ほどやはり部屋代というものは安くなつて参ります。従いまして、会社が年々五億の収入があればそれは非常にありがたいと思いますけれども、とても営業もくろみ上、そこまで参らないのではないかと考えております。
  97. 熊本虎三

    ○熊本委員 私のしろうとの想像推計でありますから、私の五億円見当というものが確実だとはもちろん申し上げません。しかしながら、先ほどもお尋ねいたしておりますように、すでに前渡金を七億も支払つておく、さらに予約金といいますか、これを五千万円もその経営の緒につく以前において渡される。その上に年額二億五千万円という、七千坪に対する部屋代をとられる。先ほどの鉄道の御説明はお聞きの通りでありまして、すなわち国民大衆の利便を基調とし、その社会福祉を対象としてものを運行することのために、あえて国鉄の方の地代等につきましては、最高のしんしやくがされておる。そうして会社との契約の上にも、この根本原理を逸脱せざるようにということが条件の一つになつておる。しかるに、その総額がかりに二十七億といわれ、あるいは八億という建設費がいるといわれておりますけれども、それであるからということによつて、いわゆる前渡金を別にして、ここに五億に近き部屋代をとろうとすることが、はたして一般国民大衆の福利を基調とした経営方針とお思いになるかどうか。われわれから行きますならば、すなわち最高建築物であるその耐用年数は、少くとも六十年を下らないであろう。その経営が、社会福祉を中心とする経営の内容とするならば、それ相当の経営方針というものはあつてしかるべきだと考えておる。こういうようなことから行きまして、私のお尋ねせんとする社会福祉を中心とし、あるいは日本の動脈である国鉄の関門としての装備と並行して、かようなことが行われるという建前からいたしまして、私どもの考え方が間違つておるかどうか、はたして鉄道会館としてはそういう見地に立つて恥じざるところであるとおつしやるかどうか。念のためお尋ねをいたしておきたいと思います。
  98. 加賀山之雄

    加賀山参考人 お尋ねの趣旨が私にはよくわからなかつたのでございますが、そういうところにはもつと安く貸したらいいというような御質問のように聞えますが、私どもといたしましてま、少くとも株式会社として経営するわけでございまして、もちろんそこで非常に大きな収益を上げて大きな配当をするというもくろみは立てておりませんが、一般の不動産会社に相当するような経営は営まなければならない。従いまして大丸その他との契約は、まつたく商業ベースに基いて契約をいたしております。従いまして過当に安くせず、また不当に高くとらない。そこで初めて商業ベースによる契約が成り立つたものと私は解釈しておる次第であります。
  99. 熊本虎三

    ○熊本委員 天坊副総裁にお尋ねいたします。ただいま加賀山社長の御説明の通りの趣旨をもつて国鉄はこれと契約して、そうして国鉄のすべての目的は達成されるとお考えであるかどうか。
  100. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 加賀山さんが今申されました、大丸との関係、その他一般鉄道会館に事務所を借りる人との関係は、私はそうであろうと思いますが、結局鉄道会館というものは、でき上つて、これはもくろみ書等を見ましても、初めに非常に大きな利子もかかつておりますし、その点で一割の配当ができるかできぬかというような姿になるのではないか、従いまして一割見当の配当はできるような姿にならなければ、これは企業としても無理じやないか。また今熊本委員がおつしやいましたように、公共性の確保ということは、私どもとしてはどうしても今後会館の方にいろいろと御要望することもあろうと思います。そうした点も考えまして、ただいまのところ、かりに五億といたしましても、利子等の払いでどの程度の現実の利益が出て参りますか、そこら辺も私の見通しとして、そう楽な、非常に有利なかつこうでは今のところできていないというふうに考えております。
  101. 熊本虎三

    ○熊本委員 しろうとの私がくろうとに向つてかようなことを申し上げては恐縮でありますが、普通一般の事業でありますと、建設費のほかにやはり流動資本というものがいる。さらに製造工場であるならば、資材その他の多くのものがいるし、なおそこには生産に要する労働力等がいるわけであります。しかし鉄道会館の経営というものは建設物ができて、そうして貸し与えるというその瞬間から、他の経営内容とはことかわつておる。従つて普通の経営体のごとく、いわゆる経営費その他のものがいるはずは私はないと考える。念のために聞いておきますが、これの耐用年数は幾らという考え方で経営基礎をきめられておるのか、これも参考までに承つておきたいと存じます。私どもは、要するに東京八重洲口、そしていうところの八十年記念に出発して、国民本位の社会的事業としてこそ意義があるのであつて、ああいうところを利用して、一般商社と同じように営利追求の機関がここにのさばることは、われわれは反対であります。従つてそういうような観点からただそうとしておるのでありまして、加賀山さんは勇敢に、普通商社と同じだ、利益なくしては会社は成り立たぬとおつしやつた。それは経営の内容にもよるところである。配当は一割であつても、その経営が放漫であつて、トンネル会社式にどこかにもうける組織をつくれば、会館の配当は一割であるいは間に合うか合わないかという組織もできるのである。従つてそれは経営者の誠意によるものである。こういう点から参考までに私は伺おうとしておるのでありまして、耐用年数が幾らというそろばん算定の基礎をどこに置かれておるか、承つておきます。
  102. 加賀山之雄

    加賀山参考人 たいへん私の申し上げたことに誤解をお持ちのようで、これは根本的に申しまして、ああいうところにそういつた株式会社をつくるのがいかぬという御意見として承りましたが、私どもといたしましては、あくまでも公共的使命をりつぱに尽しつつ、せつかく貴重な土地であるから、民衆にも喜んでいただけるような設備をあわせつくつて、そこを極度に立体的に利用しよう、しかし株式会社にしますには、慈善事業ではないのでありますから、営利を考えなければならぬ、公共的負担を負いなが、ある仕度の営利を収めて行くというところに、私は会社経営のきわめてむずかしい点かあろうと考えて、誠心誠意これに当つておるわけでございまして、ただいまトンネル会社をつくつて、どんな悪いこともできると言われましたが、私どもに関する限りさようなりようけんを持つてやつておるつもりはございません。りつぱに公共的使命を果しつ、しかも株式会社として成り立つということを眼目として設立し、それに向つて精進を続けている次第であります。耐用年数の問題につきましては、私は確たることは知りません。立花専務からお答えいたさせます。
  103. 立花次郎

    立花参考人 耐用年数について申し上げます。鉄筋コンクリートのビルにつきましては七十年であります。中にございます電気設備、機械設備というのは非常に莫大な額になつておりまして、八億程度のものがあるのでございます。これは非常にこまかに二十五年あるいは十五年と、おのおの税法上きめられた耐用年数がございまして、それに従つてきちんと減価償却だけはして行きたい、こういうような起業もくろみになつております。なおその五億円の収支の問題でございますが、先ほどお話がございました入居保証金というものは借入金でありまして、これは返す金でございます。そのほかにいろいろの借入れをいたしまして莫大なる借入金に利子を払い、かつ十五年ないし二十年くらいでこれを全額返済するということはなかなかたいへんな問題でございまして、そのために莫大な費用がいるわけでございます。
  104. 熊本虎三

    ○熊本委員 いろいろ御答弁がございましたが、私どもといたしましては、そもそも出発の当初において、どうも公共性を重視して出発が行われておるというふうに善意に解釈することが残念ながらできないわけであります。従つてこの問題が問題になりつつあるのであります。でありますから、これらの問題につきましては、十分に数字をもつて、その経営につきましてもわれわれに示唆してもらわなければならないのであります。なるほど一割配当、こう言われますが、借金のあることはわかつております。しかしながら大丸から融通された七億五千万円というものには、これは私は利子はつかないものと解釈しております。そうしてほんとうにあなた方が出資される株は、現在では三億五千万円と記憶いたしますが、これが四億あるいは六億になるかもしれません。しかしながら六億になつたとしてもその一町配当ならばまことにささいなものであつて、他は融資の関係においてものが行われて来るわけであります。先ほど言われましたたとえば暖房、冷房等に関します機械設備におけるこれが償却等については一応考慮さるべきものがありますけれども、その他には見るべきものがないわけであります。こういう点からいたしまして、あなた方の経営の方針というものについて私どもは、十分なる検討を加えて行こう、こう考えてお尋ねしておるわけでありますが、ただいまの御説明によりまして、大体私ども見事がつきましたので、そういうような建前で論議してみたいと考えております。  なおいろいろ質問したいのでおりますが、一つだけ聞いておきたいと思います。これは立花さんにお尋ねをしておきたい。立花さんは国鉄の重鎮として、施設局長として、国家、国民のために、国鉄将来のために、嘱望されておつた方であります。そのためにこそ国鉄は多くの費用を出して、この困難なる国有鉄道経営の支柱となつてやつてもらおうとしたわけでありますが、その後間もなく三月には国鉄を退職されて、今日鉄道会館専務という位置におすわりになつておる。そういう点から考えますると、契約の内容は昨年の九月とかいうことになつておりますけれども、われわれの想像によれば、加賀山さんが総裁を御辞退になつたその根拠となるものは、桜木町事件の責任を痛感されておやめになつたものと、私どもその際考えておつたのでありまして、加賀山さんの非常な同情者であります。いかに国鉄総裁といえども、今日の国鉄経営の非常に困難な中で――常々言いますけれども、施設改良費一千六百億を要するという国鉄のこういう困難の中で、独立採算制をもつて引受けた国鉄の幹部に並々ならぬ困難があるときに、一電車と言つては失礼でありますけれども、そういう現状の中において桜木町事件が起つた。いろいろ当事者として責任を痛感されるということは、政治の信用というものの基本でありますから、これは感謝し敬意を表する。だが実質には、そういうような一台々々の電車の実情まで総裁が責任を負わなければならないという現状ではない。国鉄の現状まことに気の毒であり、その責めを負うてやめられた加賀山さんは、まことに尊敬に値する人だと考えておる。ところが鉄道会館の問題が出て参りまして、だんだん調査してみると、悪意ではないでしようが、そういう責めを負うてやめられる加賀山さんの将来のために、やはり人情的にも何かをもつて償わなければならないという相談がそれらと前後して起つて来ておる。その一つの現われとして鉄道会館が具現しておるとわれわれは推察しておる。これは邪推かどうか知りませんが、われわれはそういうふうなことも聞かされ、そうしてこの鉄道会館というものがますます疑惑と不信の頂上に達しつつある現状であることを思いますときに、これは私の考え違いであるとするならば、大いに加賀山氏自身に対して申訳ない限りとは存じますが、世間ではそういうことが喧伝されつある。立花さんがそういうお立場においておやめになつて、この鉄道会館へ身売りと言つては失礼でありますけれども、専務として行かれました動機や経過について、われわれ多くの疑惑を持つておるのでありますが、立花さん自身としてはこれは当然のことであるというお考えで、省みて何ら精神的にも悔いるところはないのかどうか。はなはだ質問が微妙な点に入つて申訳ありませんけれども、これは大事なことだと思いますから、御心境のほどを承つておきたいと存じます。
  105. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。私聞き違いかもしれませんが、私が最近外国へでも参りまして帰つてすぐ鉄道会館に入つたというようなお話でございましたが、それは非常な誤解でございまして、私海外留学生として鉄道から欧米に派遣されましたのはもうすでに十三、四年前であります。それ以来一ぺんも外国へ参つておりません。なお私の心境いかんとおつしやつていらつしやるのでございますが、私といたしましては満二十五年間国鉄で施設関係の仕事に御奉公いたしておりました。その間いろいろの時期を変遷いたしましたが、終戦後はいわゆるインフレーシヨンの波に国鉄が乗り遅れたと申しますか、常に赤字続きでありまして、施設も非常にうまく参りません。一方輸送の量の方は戦前にくらべまして非常にふえるわけでございます。それで施設がうまく行かないで私どもその当時の責任者といたしましてまことに切歯扼腕して、何とかしてもう少し国鉄設備をよくすべきであるということを考えておつたのであります。これがうまく行かないのは、貧乏な日本と申しますが、はなはだ残念である。たまたま駅の問題にいたしましても、国鉄の財政からいたしましてはなかなか駅舎というものはできないのでございます。しかしながら地方では、都心の復興もできたから、何とかして都市の表看板である鉄道の駅舎を復興したいという熱烈なる御要望がありまして、先般来お出しになつておりますところの民衆駅というものが戦後の形としてできたわけでございます。それで用京駅の八重洲口というのは終戦後も非常に問題になりまして、京橋、日本稿方面が一面の焼野原となり、鉄道の座上からずつと隅田川まで一目で見えていた時代、その時代からして何とかしてあれを早くつくつてくれ、そうしないと京橋、日本橋方面が発展しないという御要望がずいぶんございました。その当時から問題になつておつたのでございます。それがなかなかできませんで、私が鉄道を退官いたしますまで実はできなかつたのであります。
  106. 柴田義男

    柴田委員長代理 立花参考人に申しますが、簡潔に願います。
  107. 立花次郎

    立花参考人 かしこまりました。その後国鉄の八十周年記念事業としてこれが取上げられ、ただ国鉄自体としてはできないから、民間の資本を集めてこれに呼応してやるということについてお前も参画しないかというお話を受けたものですから、私は長い二十五年の御奉公の延長という気持で、喜んでこの仕事に従事しておるわけでありまして、これがうまくできなければ実際私どもは首をくくつておわびをしなければならぬというような気持でおります。
  108. 熊本虎三

    ○熊本委員 この程度でおきますが、今度この次の前々会には総裁並びに運輸大臣、それから幸いにして大蔵大臣が帰れば大蔵大臣、この三巨頭をぜひ出席させていただきまして、そうして私はこれについて質問をいたしたいと思いますから、あとは留保いたします。
  109. 柴田義男

    柴田委員長代理 さようとりはからいます。杉村君。
  110. 杉村沖治郎

    杉村委員 私は加賀山さんに、今の熊本委員が聞いたことに関連したことから聞いて行くことがよろしいと思いますので伺いますか、これは前々会にもあなたからお答えがあつたのです。大丸から七億円の入居保証金をとることになつておる、こういうのですが、はなはだ皮肉な質問であるかどうか知りませんが、あなたは参議院議員として、また前国鉄総裁として日本の法制にはすべて通暁せられておることと思うのですが、借地借家法を御存じでありますか。借地借家法によりますれば、いんなる名儀をもつてするといえども賃料以外のものをとることはできないというふうに、厳重に定められております。それにもかかわらず国有鉄道の総裁とこういうような株式会社鉄道会館というものを建設して、しかもその資本金たるやわずかに四億四千万であつて、全部を払い込んでも、その建設資金は三十二億であるとすれば、当初から当然にその資金の不足を承知の上でやつておる。そうしてここに入居保証金というものを七億とる、こういうことを国鉄八十周年記念事業としてやることははたして適法であるかどうか、これを簡潔にお答え願いたい。
  111. 加賀山之雄

    加賀山参考人 杉村先生のような法律家でございませんので、私は法律に通じてはおりません。借地借家法ももちろん一部は存じておりますが、詳しく存じておらないということを申し上げたいと存じます。今の入居保証金も世上あるいは社会通念上普通に行われておることと考えるのでありまして、最初から資金の不足はわかつておるというお話でございましたが、もちろんこの巨額な三十二億というものが簡単に調弁できるとは私ども考えておりません。従いまして今回の計画をするにあたりまして、やはり一番問題になるのは、一体どういうふうにして資金を獲得するかということが最大の問題である。それはあるいは余持ちで一ぺんに積んで、これでおれたちが引受けようという方があるかもしれませんが、しかしこの前申し上げておりますように、できるだけ特定の資本あるいは財閥等の援助を借りないで、しかも社会通念上間違いでない方法によつて、またそれをいわゆる商業的なベースに基いて獲得して行く、かような方法で考えた次第でありまして、この方法に非常な誤りがあれば契約上これは直さなければならないと存じておりますが、私の考えでは、やつて参りましたことが必ずしも間違つていた、直さなければならねというふうにただいまは考えておりません。
  112. 杉村沖治郎

    杉村委員 今のあなたのお答えは、私の尋ねておることについてピントがはずれておるように思われる。私の問いに対してのお答えではないのであります。なるほど法律家でないからとおつしやいますけれども、今日借家法がどうであるかぐらいのことはたいがいわかつているのではありませんか。いかなる名目をもつてしてもとることはできないというように借家法が厳に禁じておる。そしてあなたはトンネル会社ではないと言いますが、何ゆえにトンネル会社でないと言い得るか。資本金が四億四千万円であつて、三十二億の事業費がいる、そういう莫大な金を法が禁じておるにかりわらず方々からかき集めて、そうして利益会社をつくる、そういうのがトンネル会社だ。全部一銭も出さないでやるということになればそれは詐欺ですよ。そうでなくて三十二億も工事資金がいるにもかかわらず、四億四千万の資本金でそれも全部払い込んでない、そうして法の禁じておる入居保証金という七億の金をとり、しかも国鉄の八十周年記念事業を行うのに国家の法律を犯してまでもやることが適当であるかどうか。その点のお答えが願いたい。
  113. 加賀山之雄

    加賀山参考人 法律上どうしてもこれは間違いであるということであれば、直さなければならぬと考えております。
  114. 杉村沖治郎

    杉村委員 それでは借地借家法に、いかなる名目をもつてするを問わずとつてはならないということが書いてあります。それは私は首をかけて保証するが、それでもあなたはそれが間違いでないと思いますか。借地借家法をごらんください。借地借家法に書いてある。――時間がかかるようですから、今すぐお答え願わぬで、その点はあとでけつこうです。  次に天坊副総裁にお伺いいたしますが、先ほどから八階、十二階のことが非常に問題になつておつたのですが、この八重洲口に十二階の建物を建てるということが、いわゆる国鉄の輸送力とかあるいはサービスとかいう面からいつて、どうしても必要なのであるかどうか。少くとも東京都の知事が許すか許さないかというような重大問題、普通であつたならば、建築法からいつて許されないような十二階以上の建物を記念事業なるがゆえに建てなければならないという必要性をひとつ伺いたい
  115. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 東京駅の八重洲口に十二階の建物が、もしできないものならば、無理にやろうという考えはございません。しかしながら十二階の建物は大阪でも許されたそうでございますし、一つの特徴として、許可を得られるものならばつくりたいというふうに考えております。
  116. 杉村沖治郎

    杉村委員 今のお答えも、私に対する答えにならないじやないですか。私の質問は、十二階の建物を建てるその必要性があるかないかという問題です。ものの必要性というものは、これだけのものを入れるのにこれだけのものが必要になるということになるでしよう。だからその必要性があるかないかということを聞くのです。答えていただきたい。
  117. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 そう大した費用の違いなくして利用のできるものならばできるだけ利用すべき階級の多い方がいいと思います。
  118. 杉村沖治郎

    杉村委員 多い方がいいと言うけれども、そういう必要性があるか、どういう必要があつて、そういう十二階の、建築法上許されないような建物を建てようとしているのか、それを聞くのです。それは多いほどいいかしれません。大は小を兼ねるようなことがあるかもしれないが、しかしそんないい加減なことはいかぬじやないか。そんな答弁でよろしいですか。いま少し誠意を持つて答弁してもらいたい。
  119. 柴田義男

    柴田委員長代理 国鉄という立場から、必要があるかどうか、こういうことです。
  120. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 前々からも御説明申し上げておりますように、鉄道の使います部かといたしましては一階以下の部分で、それ以上につきましては、建築上の問題として一つの特徴を出したいという考え方でございます。
  121. 杉村沖治郎

    杉村委員 建築法上の特徴というのは、どういうことです。
  122. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 東京駅の八重洲口として、一つのりつぱなものにしたいという意味からでございます。
  123. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると飾りという意味ですか。どういうことなんです。これほど日本の国が貧乏しておるのに、必要がないのに、八十周年記念だからといつてそんなものを建てる必要がどこにあるのか。飾りという意味ですか。
  124. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 ですから鉄道自身といたしましては、下の一階部分以下で鉄道の用は十分足りるわけでございます。しかしそれ以上を利用するという立場から広い方がいいということと、その建物の美観という点から考えて、できるものならば十二階にいたしたい、こういうわけであります。
  125. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、八階までは鉄道の必要があるという意味ですか。
  126. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 鉄道の駅といたしましては、一階以下で最小限度の用は足りるという意味であります。
  127. 杉村沖治郎

    杉村委員 立花参考人に伺いたいのですが、先ほど藤田委員が聞かれた、われわれに出した手紙なんですが、これはあなたから個人だというお答えがあつたけれども、これは個人でお出しになつたのでございますか。いま一応念を押しておきます。
  128. 立花次郎

    立花参考人 個人責任で出したつもりでおります。
  129. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、立花次郎株式会社鉄道会館専務取締役)ということが書いてあるのですが、これでもあなたは個人ということをおつしやられますか。
  130. 立花次郎

    立花参考人 参考までに今の立場を書いたのでございまして、あくまでその書典といたしましては、個人の立場でございます。
  131. 杉村沖治郎

    杉村委員 こんなことはどうでもいいようなものだけれども、あなたは個人ではない。いやしくも株式会社鉄道会館専務取締役と書いてあるから、これは立花次郎個へじやないでしよう。少くしも株式会、鉄道会館専務取締役という地位によつて出されたものとなるじやありませんか。そんなに決算委員会を甘く見ちやいけませんね。  次に、あなたがもしも個人であつたとしても、あるいは会社専務取締役であつたとしても、この印刷物の(三)のハの項にこういうことが書いてある。「奥行きの薄い貧弱さは、建築物の高さを増して補うこととし、もつて首都玄関としてはずかしからぬ建築設計した。」こういうあなたの考えは、ちようどこのごろ裏の方がマツチ箱のような家で、表ヘコンクリートをくつつけて、奥の方もコンクリートのように見せる建物がはやつておりますが、いやしくも日本の首都の玄関に、こういう気持で十二階を建てているのですか。だから先ほど私は天坊さんに聞いているのですが、必要もないのに、こんな薄つぺらな十二階を建てる必要はないじやありませんか。昔浅草に十二階があつたが、あれをこわすためには非常な騒ぎをした、あれがあつたために住民は、非常に不安の念に日夜襲われておつて、あれはついにいろいろな方法でこわしたのですが、鉄骨なるがゆえに、はたして日本のような地震国で、こんなものをやたら上に建てて安心だとはいわれない。これはあなた奥行きの薄い貧弱さを、建物を高くしてごまかそうという意味でしよう。こんな考えでこの仕事をやつているから、こういうような問題になつて来るので、こんなものを、いやしくも決算委員会に出すとは、何たる下謹慎さでありますか。  それから次にこういうことがある。「国鉄が現在有する建築線の権利を、三十メートルも放棄したことは」云々。あなたは国鉄の権利者ではないでしよう。この点は追つて天坊副総裁に聞きますけれども、はたして放棄したのですか。放棄したということになれば、もうあとどういうことがあつても建築しないということになる。あなたが個人としてこんなことを、われわれ決算委員会へ書いて出していいのか。国鉄がいうのであれば、そのいうたことが間違いであるとか何とかいうことになるけれども、あなたが個人であつても、あるいは株式会社専務取締役としても、国鉄が放棄したというようなこともいうて、われわれのところへこういう印刷物をくばるということは行き過ぎであつて、不謹慎じやないか。  それから、こちらの方には、「いろいろに世間に非常にゆがめられて報道されている。」こういうことを書いてある。ゆがめられて報道されているというのは、どういうことの報道があるのでしようか。われわれはあなた方のやつていることにむしろ疑惑を持つている。どういう点がゆがめられて報道されているか。こんなことを書いて、そしてわれわれに了解を得ようというても、われわれは了解できない。ますますあなたの思想、あるいはあなたの考えがきわめて悪いことを深めて行くということになるのであるが、あなたはどんな気持でこんなことを出されたか。
  132. 立花次郎

    立花参考人 簡単にお答え申し上げます。まず第一の建築美の問題でありますが、よく町の店屋に奥行きの薄いのが建つておりまして、奥行きがあるように見せている貧弱なものがあります。こういうことは首都の玄関だからぜひしたくない。それから建築の美から申せば、国連ビルのような、近代建築の美とされておりますような、そういうものを導入しようということにしたのであります。  第二に地震の問題でございますが、震度というものが構造物からきまつておりまして、鉄骨の今の計算では丁六というふうに、日本の地震に対しては非常に安全のようになつております。第三に建築線の問題でございますが、これは私は国鉄を代表するものではもちろんないのでありますが、ただ事実をお話するならさしつかえない、こう考えて書いたのでございますが、今建築をすでに三十メートル下げてしておりまするから、その前の方に建築をすることはないわけでございます。従つて建築線の権利は、三十メートル後退して放棄したことになります。
  133. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたははなはだ独断だ。国鉄土地じやありませんか。ビルができたら、あとはその前には絶対に建築はしないということは、あなたが保証し得るはずまないじやありませんか。つくる、つくらないは国鉄の権限でありましよう。そんなことはあなたの方の営利会社株式会社鉄道会館の利益のために言うのであつて、そんなことが断言できるはずはありません。またあなたが断言したからといつて、三文の価値もないので、こんなことでこの事件についてあまり時間をつぶすことはもつたいないのですが、こういうような不謹慎な考えを持つておることをあなた方に一言言つておかぬと、まだあなた方が省みる気持がないから、われわれは問題にするだけなんです。  それから津田営業局長に伺いたいのですが、東京駅が非常に混雑する、現在の状態ではまことにどうにもならぬということが九月十八日の東京タイムズの記事に出ておるのですが、こういう鉄道会館をつくつて、デパートだのパン屋だの、そば屋だの、ああいうものをつくれば今の東京駅の雑沓は緩和すると思うのですか、その点伺いたい。こういうことが記事に出ておる――こういうことを言わないとすれば別問題ですが、東京タイムズのきようの新聞に出ておるのですが、あなたが言つたか言わないか、まずそれから聞きましよう。それで言つたとすれば、どういうわけで緩和されるのですか。
  134. 津田弘孝

    津田説明員 東京タイムズの記者が参りまして、東京タイムズで何かこれでよいかというような題目で、連続的に記事を載せたい、それについて当委員会委員長の田中彰治氏が非常に厖大な資料東京タイムズに投稿をなすつておられます。それに対して、お前は国鉄の幹部なんだから、意見を言つてくれ、私は非常に忙しいからとても書いているひまはない、だから口で言うから、しかし口で言つたのでは間違いがあるからということで、きわめて簡単なものを東京タイムズの記者に先日手渡したのがそこに載つている文でございます。
  135. 柴田義男

    柴田委員長代理 杉村委員に申し上げますが、時間も大分経過しておりますので、簡潔に……。
  136. 杉村沖治郎

    杉村委員 まだ始まつたばかりで、委員長何ですか。
  137. 柴田義男

    柴田委員長代理 簡潔に願います。重複しないようにお願いいたします。
  138. 杉村沖治郎

    杉村委員 今の私の質問したことをきようだれか質問したのですか。きよう新聞に出ていることを言つているのです。あまり制限的なことを言わないでください。  さらにこの記事の中に、輸送力の増強になるということが書いてあるのですが、この株式会社鉄道会館をつくることによつて、どういうふうな輸送力が増強されるのですか、それを答えていただきたい
  139. 津田弘孝

    津田説明員 前々申し上げておりまするように、国鉄の施策といたしまして、当面第一に力を入れなければならぬことは、輸送力の増強でございます。従つて駅舎の建築の方は、どうしても後順位に置かれるということを書いておるのであります。しかしながら現在の東京駅、なかんずく八重洲口につきましては、その交通密度が全国的に申しましても最も高い一つでございますので、何とか東京駅の八重洲口に関する限りにおきましては、例外の一つとして、国鉄といたしましても乏しい予算の中から、その中のきわめて一部をさいて着手することにいたしたのでございますが、何分にも予算が非常に少うございます。しかも交通量が非常に多い。そこで考えましたのが全国のあちらこちらでやつておりまする民衆駅の構想でございまして、その対象に選ばれましたものが鉄道会館であるという点につきましては、先刻御承知の通りでございます。前々御説明しておりますように、国鉄の予算だけでございましたならば、あのような広い通路もあるいは待合室もおそらくできなかつたであろう。そこに鉄道会館からの若干の出店によりまして、今のような広い通路ができ、また広い待合室ができ、朝晩通勤される方は非常に便利になつたといつて喜んでおられるような現状でございまして、あれこれ考えますると、今回の東京駅の八重洲口の復興に鉄道会館を介入させたことが、間接ではございますが輸送力の増強に相なつているというふうに記事は書いてございます。
  140. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは見解の相違ですけれども、ああいうふうに東京駅にデパートとかあるいは商店を出さなければ、東京駅がどんなにでもゆるやかにできるじやありませんか。あなたはそういうことを言うが、それでは駅が雑踏はするが、少くとも静かになる気づかいはない、そういうことは言い訳にすぎない。  さらにあなたはこういうことを言つておる。鉄道会館の問題は国鉄の予算から見れば五厘にも当らないのだ、こういうことをこの記事に書いておるのだが、これは五厘にも当らないのだ、問題ではないのだ、こういうふうにわれわれにはとれるのです。これはあなた方がそういう気持かあるかないか知りませんけれども、こういう記事を書いておる。われわれがこれを見ると非常に不愉快なのですよ。これはあなたがここに書いているでしよう。一階だけで事足りるということが書いてあるにもかかわらず、さらにいろいろなことを書いてある。われわれは日本の敗戦後のこの貧乏国で、何もそんなお体裁を飾つて、東京駅ばかりりつぱにする必要はないので、それよりも全国の国鉄の駅あるいは線路等の改造改築をすべきだと思う。ちようど中央官衛ばかりがりつぱになつて、農村に行つたならば、非常に農村の、状態がひどい、こういうものを省みないで政府中央ばかりを大きくする。福助のように頭ばかりを大きくする。これと同じように国鉄東京駅ばかりいくらりつぱにしたつて、日本は決してりつぱになりはしません。だからあなたのような、営業局長か何か知らないが、当の責任者がこんな考えでおつたのでは、これは実に寒心にたえない。だからわれわれはいま少し考えを直してもらいたい。そうしてあなた方がこういうことを書いてみたり、あるいは立花専務がこんなことを出してみたりしているが、こういうものを出されれば、われわれはこれに対してはどうしても、はなはだ下都合ではないかという観念を持つのです。いま少しほんとうにまじめに研究したものを出してもらうならば、われわれも大いにこれを注目して、尊敬して見る。けれどもこんなものを出されるということは、あなた方は挑戦的にわれわれに出しておる。少し私は注意をしていただきたいと思う。  次に天坊さんに伺いたいのでありますが、この間国鉄会館の費用を二十八年度の予算編成において、どれからお出しになられたかということをお尋ねしたところが、線路の増設費及び駅の改良費の中から出された、こういうことになつておるのですが、それの内訳はどういうことになつておりますか、それを伺いたい。
  141. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 線路増設費の中の、田町田端間の線路増設という項目の中から六千万円出しております。それ以外は停車場の設備費の中から二億二千万円出しております。
  142. 杉村沖治郎

    杉村委員 どこの停車場の改良費から二億二千万円お出しになつたのですか。
  143. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 停車場改良費というものは東京駅その他数駅一緒にあつて、その中から東京駅にきめた分であります。
  144. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうするとあなた方の予算の款のうちに改良費という款があつて、その下に項があつて、その次に目があるのです。今の線路増設費というのは諸設備費の中の目になつておるのですが、その目のうちの駅改良費というのは、予算を立てるときには、どういうふうな計画のもとにこの予算を組んだのですか、それを伺いたい。駅の改良、どこの駅をどういうふうに改良するというようなこまかくまでは行かなくとも、大阪の駅がどうとか、あるいは東京の駅がどうとか、あるいは浦和の駅がどうとか、どういうような計算においてこの駅改良費をお出しになつたのか、その御説明を伺いたい。
  145. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 大体谷鉄道管理局から資料をとりまして、いろいろ復興を急がれておるところ、あるいはこわれておりますところというように、各駅の要求が出て参るわけであります。それらの中から、中央といたしまして取上げなければならないものを、大体この予算よりもう少し大きな幅で組みまして、その形式をもつて大蔵省と折衝いたしまして全体が査定を受けましたので、やや縮めたかつこうで現在の停車場設備費二十八億というのがきまつたわけであります。
  146. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、要するに昭和二十八年度のこの予算は国会に出ておるのですが、少くとも国会に予算の承認を求めに出すのですから、あなたの方で予算を組むときには、全国の国鉄のおのおの地区にその必要性を今あなたが言つたように問い合せるか、あるいは向うから申達して来るか、それに基いて私は予算の編成をされたものだと思うのです。してみれば国鉄の線路の増設費が幾らというように、あなた方は大ざつばに、ただつかみどりにこれを編成したものだとは私は思つておりません。もしもつかみどりに編成したということになれば、それはたいへんなことであります。少くともこの予算を編成するのには、今言つたように、線路につきましても駅舎につきましても、おのおのその必要性を申達して来る、あるいはあなた方が調査して、それに基いてこの予算が編成されたものと思う。しからばそのうちから、この国鉄のいわゆる株式会社鉄道会館をつくる費用というものは、その必要性のある予算からはねて、あなた方がこれを使つておるとしかわれわれには見られない。それであるからわれわれから言うなれば、ほんとうにかような重大問題、実に大きな問題としてこのたびの十六国会における決算委員会においても最も大きな問題として取上げられておる。これほど重要な事件であるのであるから、これをあなた方がそれほど正当である、あやまちでない、非常に重要である日本の首都の玄関である、かようなことを声たかだかと言われるほど重要であつたのであるなれば、何ゆえに国会にそういうものを項あるいは目のうちに入れて計上しなかつたか。この点において私は非常に誤りがあると思う。それも、もしもこのあとの方に予備費というのがあるが、予備費から出したというのであればあるいは考え方があるけれども、いやしくも線路の増設費あるいは駅舎の改築費――見てこらんなさい、どこへ行つても駅はほろほろになつているところがたくさんある。便所などはひどいのがある。線路などは、よく改良されてないでしよう。昨日かきようの新聞でありましたか、貨車が十三両か脱線しておるのです。このごろの脱線というものは実に多いじやありませんか。これは路線が悪くなつておる関係か、あるいは車輪が悪くなつておるか、そういうようにいずれにしても車輪か路線か何かの機械、機構が悪いために、あのように頻々と脱線が行われておる。それをも顧みずして、これの方の費用から天引きをしてこういうような営利会社と手を組んで、実際において必要もないところの十二階建の株式会社鉄道会館をつくろう。現に営業局長は一階で事足りると言つている。何のために貧乏国である日本が、虚勢を張る必要がありましようか。でありますから、あなた方がこの改良費の中から出したとすれば、地方のどこそこから必要を言つて来ておるのをあなた方は認めないで、そのうちからとつておることになるのです。あなた方は路線の増設ということについて予算をとつておるが、そのどことどこに必要があつてその路線を増設する費用を国会に要請したか、あるいは駅舎はどことどこの駅舎を改良する必要があつたか、あるいは防災設備というようなものについても――われわれは単に株式会社鉄道会館だけを追究しておるのではありません。株式会社鉄道会館は営利会社であつて、われわれは直接何ら関係はありません。われわれ決算委員がこの問題を取上げておるというのは、国鉄の決算を追究いたしておる。かるがゆえに、あるいは交通公社の問題あるいは日本通運の問題も起つて来るのでありまして、あなた方は単に、われわれ決算委員会国鉄の問題を追究しておるのは、株式会社鉄道会館の問題だけだというお考えではあるまいけれども、われわれはそういう意味じやないのであります。なおこの問題を解決するためにこの予算について、しかもこの予算に計上されておらない他の項のものに流用しておるのですが、本来他の行政官庁であれば――国有鉄道においては、この項を流用することは規定上できることになつておるのですね。それはわれわれも知つておる。国有鉄道は予算総則第十四条において、この項は総裁が流用できるようになつておるから、その流用したことをわれわれは決してとやかく言うのではありません。しかしながら少くとも路線の増設費あるいは駅舎の改良費ということと、あまりにもかけ離れたところの仕事に流用しておる。しかしもうしてしまつておるものはしかたがないから、だから私はこの予算にいろいろな費用をみな書いてあるから、このうちからあなた方がとつておるならば、これを今すぐお答えをなさいと言うたところでこれは至難のことであろうと思いますから、どうか次回の委員会までにこの予算に計上された必要な箇所をひとつ書いて出していただきたい。
  147. 加賀山之雄

    加賀山参考人 先ほどの杉村委員のお尋ねにお答えしてないので答えます。先ほど借地法並びに借家法を御指摘になつてたいへん恐縮でございましたが、いろいろと法案調べてみましたところ、その二法の中にはどこにもおつしやるようなことがございませんので、いろいろ調べましたら、その法律ではございませんで、地代家賃統制令の第十三条に、確かに言われるような条項が見当りました。しかしこれは明らかにこの二十三条の第二項によりまして、適用除外されておるように思うのでございます。
  148. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはどういう意味で除外されておるのですか。
  149. 加賀山之雄

    加賀山参考人 明文に出ておりますので、私法律家ではございませんけれども、先生は御存じだろうと思うのですが、十三条にはまさしく先生の言われたことが書いてございます。第二十三条には、適用除外と括弧がしてございます。「この勅令は、国又は都道府県が貸主である借地又は借家については、これを適用しない。」それからその第二項に、「左の各号の一に該当する土地又は建物及びその敷地についても、前項と同様とする。」とありまして、その第三号に、「事務所、店舗、市場、倉庫及び工場の用に供する建物及びその敷地」、事務所、店舗というようにはつきり出ております。
  150. 杉村沖治郎

    杉村委員 それは国が貸しているのではない、あなた方が貸しておるのでしよう。だから、国が貸しておるということにはなりません。国が貸す場合にはさしつかえない。だから、たとえば国有鉄道が貸す場合にはさしつかえないけれども、あなた方が国有鉄道から借りてやつているので、国が貸すのではない。それから店舗は、先般の統制令ではずれた。床面積十坪以上のところには、商店あるいは企業ということに利用される場合においては、さしつかえないということで、はずされたのですが、少くともそういうような権利金をとるということは――例外的にそういうような場合には例外をつくつたのですけれども、そういうような権利金をとることは、私は決して妥当ではないと言うのです。だから、あなたのように国が貸したということにはならない。
  151. 加賀山之雄

    加賀山参考人 私はここで先生と法律論をしようと思つておるのではございません。どうぞひとつ統制令第二十三条第二号をよくごらんいただきたいと思います。これは国以外のものになつております。
  152. 杉村沖治郎

    杉村委員 次に天坊副総裁に伺いたいのですが、この国有鉄道法で行けば、部外者に請負等をさせる場合においては、請願工事をやるというような場合においても、常に前に大体金をとらなければならぬという規則になつておる。保証金でやらしていいという規則はなかつたわけなんです。それにもかかわらず、株式会社鉄道会館に対しては、保証金で工事をして、さしつかえないというようなことをやつておる。それはもちろんその後に、昭和二十八年七月六日に、総裁達しとして、経理局長から各係に通達されておるのですが、少くともその総裁の決裁を受けたのは、昭和二十八年七月三日です。総裁が決裁したから、総裁が決裁した昭和二十八年七月三日以降ならば、よろしいのですが、その総裁決裁前においては、保証金などで、金をとることをとらないで済ませるということは、間違いじやないかと私は思う。ところがこの株式会社鉄道会館の場合においては、その前に、総裁の決裁のないうちに、昭和二十八年五月二十八日に、銀行保証で請願工事をやらしておる。そして五月二十八日に保証書を入れさせてやつておるけれども、これは非常な違法じやないかと思うが、天坊副総裁の御見解はいかがでありますか。
  153. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 部外の工事の委託を受けて処理いたします場合には、ただいまお話のように、鉄道請願工事処理規程というものによりましてやつているわけでございます。これによりがたい場合につきましては、総裁の特別の認可を得る必要がもちろんあろうと思いますが、具体的にどういう場合にそういう例が何件あつたかということにつきましては、私はよく存じません。ただ最近におきまして、片方で、たとえば電力工事というようなものが、資材運搬のために鉄道線路を敷きたいとか、あるいはまた鉄道会館の問題とか、非常に大きな工事が出て参りまして、そういうものを処理するために、やはり銀行保証というようなものを、一本通達として出した方が適当であるという話で、経理局長から相談を受けまして、ただいまの通達を出したわけであります。その前に現実にそういう処理をしたかどうかは、私は実は知らなかつたのでありますが、特別の認可を受けてやりますれば、それはさしつかえないかと思います。
  154. 杉村沖治郎

    杉村委員 それは他の事業でどうとかこうとかいうことではない。私はこの株式会社鉄道会館の問題について言つておるのです。そしてあなたの方かりお出しになられた資料について、私はあなたに尋ねておるのです。あなたの方から出された資料によれば、昭和二十八年七月三日に総裁の決裁を受けておる。保証でよろしいという総裁の次裁を受けるということは、やはり総裁の決裁がなくしてはいけないから、そういうことになつたのじやありませんか。あなたが先ほど言つたように、部外者に使用させる場合には、先にそり金を納めさせろということになつておる。それをしないでやらせるのであつたならば、総裁の決裁を受けなければいかぬということは、あなた方が言われておる。それがどういう場合に該当するかということについては、あなた方はいろいろなことを言われたけれども、よその場合はともかく、この場合においてあなた方の方で昭和二十八年七月三日にその決裁を受けておるから、その必要のあることはあなた方はお認めにならなければなりません。すなおにお認めになつていいじやありませんか。その決裁を総裁に受けておる。それでもあなたは必要がないとは言われないでしよう。必要があるのでしよう。それにもかかわらず、その決裁前である昨年の五月二十八日に、すでにそれを決裁なきにかかわらずやつたということは、非常に悪いことではありませんか。一億というような金を、一経理局長あたりが総裁の決裁もないのに、かつてに授受できるようなことをやつておつたということは、これはよくないのじやないかということを尋ねるのです。すなおに答えていただきたい。
  155. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 当然総裁の決裁を得てやるべきものだと思います。
  156. 杉村沖治郎

    杉村委員 なぜすなおに言われないのですか。総裁の決裁を受くべきものだと思いますということは、そうなんです。それでいいのだが、その以前に、総裁の決裁のない間に、こういうことをやつておつたことは、誤りではありませんかということを聞くのです。
  157. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 これは現場に対する訓示でございます。現場でかつてにそういうことはもちろんできないわけであります。そういう必要があつた場合には、結局特別の問題として、経理局長にお伺いを出して、経理局長は総裁の補佐として、それを特認するかしないか、そのときの判定によつてきめたものと思いまして、ただいま御指摘のありました五月の分は、経理局長のところで現場からの申請によりまして、特別にこれを認可したというふうに聞いております。
  158. 杉村沖治郎

    杉村委員 それは誤りではありませんかと私は言うのです。特別に経理局長は認可したとかしないとか、それをどうと言うのではない。総裁の決裁前において、こういう保証でそういう工事をやつて行くということは、それは誤りじやないかと言うのです。これが総裁決済後であれば、問題ありません。決裁前にこれをやつたことは、これは私は間違つておりはせぬかと言うのだけれども、どうぞ少し卒直に、簡単でけつこうですから、お答え願いたい。
  159. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 ただいま申しましたように、現場でかつてにやれば、これはまさしくいけないわけであります。それが申達を受けまして、一般の通達としてはまだ出ておりませんでしたが、特別の認可として受けたということで、その特別の認可を与えたこと自身は、そのときの処置としてやむを得ないと私は考えております。
  160. 杉村沖治郎

    杉村委員 経理局長はそんな認可をすることができるのですか、それを伺いたい。総裁の決済がないにもかかわらず、これを経理局長は認可できるのですか。
  161. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 経理局長の仕事といたしましては、総裁と打合せておりまして、大体の幅をもつて経理局長で選考する場合もあり得るわけであります。
  162. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると経理局長は、総裁の認可も何も受けないで、この規定にかわつたところの認許事項が、経理局長に与えられているのですか。これはそういうことになつて行くと、私はどこまでも納得するまで伺わなければならぬ。規則にはつきりなつておる。総裁の決裁を要することを決裁前にやつたことが、あなた方の誤りであつたとおつしやられれば、何をか言わんや。誤りであつたことを私はあくまでも追究しようとは思わないけれども、あなた方が何と言われようと、あなた方か出された言建て、七月三日に総裁が決済しておるにかかわらず、すでに五月二十八日にもう取引が行われておる。だからそれは誤りであつたのだろうと私は問うのです。それをあなたは経理局長が特別に認許したとかしないとか言われるから、しからばそういう総裁の決裁すべき事項を総裁決裁前に経理局長がかつてに認許することができるのかできないのか。なおそういうことになれば、経理局長規定をかつてに自分で変更する権限があるのかどうか、また与えられておるのかどうか、そういうことになつて来るのですが、いかがですか。
  163. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 もちろんそうした一般にきめました通達に対して個々にかつてにやつてよろしいと言うことは当然できないと思います。従いましてそれにかわるべきものとしては、一般の通達をもつてかえてやつて行かなければならない、その通りであります。ただ五月二十何日前後、私実は病院に入院いたしておつたわけでありますが、その当時経理局長は一々文書課長等と打合せをして、総裁にあとから報告するというようなやり方であつたかもしれないのであります。
  164. 杉村沖治郎

    杉村委員 そういう事情はいいんだが、それがいいか悪いかということ、イエスかノーだけなんです。総裁決裁前に一月も前にそういうことをやつたかどうか、またそうだとすればそれは悪いんじやないかと私は言うのだが、その返事はどうかということなんです。われわれ決算委員というのはすべて過去のことを調べるのですが、また過去のことを調べるのが決算委員ですから、私はそれを伺いたい。それがいいのならけつこうです。いいか悪いか。総裁が七月の三日に決裁しておる。その総裁の決裁の一月も二月も前に、経理局長が一億もの金を自由にできるようなこういうことをやつているが、それがいいか悪いか、それを聞きたいのです。
  165. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 当然通達をかえてやるのが本則であろうと思います。ただ特別詮議として、そういう場合にはそういうやり方が全然ないということも言えないと思います。
  166. 杉村沖治郎

    杉村委員 それではあなたに尋ねてもなんだから、会計検査院にひとつお答えが願いたい。東京都から提出されたところの資料によると、この部外者の請願工事等の場合においては、前に金を納めさせろという規定はつきりあるのです。でありますから金を納めない方法でやる場合であつたならば、少くとも総裁の何らかの許可、認可でもない限りは、それを部下がかつてにすることができない規定があるのです。それにもかかわらず株式会社鉄道会舘の問題につきまして、億裁が決裁したのが昭和二十八年の七月三日なんです。しかもその立案は六月二十九日です。これが五月十日ごろにでも立案をして総裁のもとに書類を出して置いたということであれば、総裁の決裁が、何か総裁が多忙のために、あるいは天坊副総裁が言つたように病院に入つておつたために、ついそれが決裁が遅れたというのであればまだしものことでありますが、少くともその起案、いわゆる総裁の決裁を求める書類を立案したというのが昭和二十八年の六月二十九日であります。そうして決裁をしたのが七月の三日でありまするから、幾日でもないでしよう。しかるにもかかわらず、この総裁の決裁すべき事項を決裁なく、五月二十八日において、すでに一億という金を経理局長あたりが自由に出したり、入れたりできるよりなことになつている。保証を入れさしているのですから。もし株式会社鉄道会館がこの金を入れなかつたならばこの保証金に対して、国有鉄道は金の引出しができるのでしよう。そうするこ、総裁の関知しないことについて、一億という金を経理局長が出したり入れたりすることができるようになつて来る。だからそれは誤りではなかつたかと尋ねているのですが、あなたのお聞きのように、これに対する答えがきわめて率直な答えがないので、はなはだ遺憾とするのです。会計検査院の御見解を伺いたい。
  167. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 結論を申しますと、妥当でないと思います。ただその妥当でないという結論に多少私の見解は違つているのであります。といいますのは、請願工事の予納規則というのがあります。請願工事とは、これこれをいうということがまつ先にありまして、鉄道会館工事のように、ああいう委託工事はその請願工事の予納の規定にはあるいは該当しないのではないか。だから新しく規定を設けてから予納なり保証金をとるということを当然すべきではなかつたかと思います。それがないうちに保証金だけとつた。そういう点において妥当でない。だから総裁の決裁を受けてからやるべきではなかつたかと、こう思います。
  168. 杉村沖治郎

    杉村委員 それからいまひとつ天坊副総裁に伺うのですが、昭和二十八年五月二十八日の第一銀行の保証書でありますが、この保証が営業部長小島伝三となつているのですが、これは会社を代表するところの資格を持つているのでありますか、ありませんか、天坊副総裁に伺いたい。
  169. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 その銀行の営業部長は代理権を持つているそうでありまして、それは有効だという解釈であります。
  170. 杉村沖治郎

    杉村委員 どうもわれわれはこういうのがただ営業部長小島伝三、こういうような署名だけでは、はたしてどうもわれわれが社会で一般の事件に対する取引をする場合においては、少くともこの第一銀行の代表取締役とかなんとかいう表示がわれわれは必要だと思う。われわれはただこうやつて、この写しだけをあなたの方から出していただいたのでは、これが取締役であるか何であるかわからない。少くとも私どもは、これは第一銀行代表取締役とか、あるいは何とかいうことにして取締役社長の印がいるべきものだと思うのでありますが、これに対してあなたの見解はいかがです。将来もこれでよろしいと思うかどうか。
  171. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 高井説明員に説明させていただきます。
  172. 高井軍一

    ○高井説明員 お答えいたします。今の商法の四十二条に「本店又ハ支店ノ営業の主任者タルコトヲ示スベキ名称ヲ附シタル使用人ハ之ヲ其ノ本店又ハ支店ノ支配人ト同一ノ権限ヲ有スルモノト看做ス」云々ということがございますが、この保証書には営業部長小島伝三というので表示いたしておりまして、在来この形式をもちまして保証をとつておるのでございます。
  173. 杉村沖治郎

    杉村委員 銀行の支払い保証というものは大体そういうことになつておるのでしようが、そこでさらに保証書に、左記工事の予納金としてあるのですが、東京八重洲本屋新築その他その一、躯体鉄骨工事と、こういうふうに上事が書いてあるのであつて、この保証というのは、これはどういう保証の意味でありましようか。保証には連帯保証があり、通常保証がある。通常保証には催告の抗弁というものが出て来るわけです。まず主たる債務者に催告してもらいたい、こういうような抗弁が出ますね。だからそういう場合は、この抗弁の出ない保証ということになるわけですか、伺つておきます。
  174. 高井軍一

    ○高井説明員 ただいまのお説の通りでありまして、商法の五百十一条の第二項に規定いたしておりますごとく、銀行の保証は、これは商行為でございますので、催告の抗弁ですか、決算の抗弁ですか、それはないものと考えております。連帯保証と同じ効力があるものと、かように考えております。
  175. 杉村沖治郎

    杉村委員 そこでさらに今の保証書に書いてありますところを天坊副総裁に伺いたいのですが、この東京八重洲本屋新築その他その一、躯体鉄骨工事その二、躯体鉄骨工事ということが書いてあるのですが、この工事のいわゆる工事資金はどれくらいになつているのですか、これを伺いたい。それを保証しているわけですから……。
  176. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 ただいまの、こちらから出ました参考書の題をちよつと知らせてください。
  177. 杉村沖治郎

    杉村委員 こういうことになりますと、これは実にたいへんなんだ。これはおそらく全体の工事をここに書いているのじやないかと思うんです。そうじやないですか。東京八重洲本屋新築その他一、躯体  躯体というのは何のことかわかりませんけれども、これはここに出ておる参考資料にあるかしれませんけれども、実は私も決算委員会に出てお尋ねするのですから、一応これを今までいただいた書類で調べて、判断してみたのですけれどもわからない。そこでどうもいささか疑問が起つて来ておるので伺つたわけですが、もしあなたの方から出ておる書類にあるとすれば、私もなお調べますが、もしあなたの方で出てなかつたとなれば、これは次会までにひとつ説明していただきたいと私は思う。  委員長、私はまだ聞きたいのです。実は熊本委員が言つたように運輸大臣あるいは長崎総裁等について十分聞きたいことがあるのです。きようはほかのことを伺つておるわけでありまして、まだほかのこともたくさんあるのですが、どうも皆さんがたいへん質問にお待ちかねのようでありまして、ほかの人が私にかわつて私が聞こうとするようなところを聞いてくだされば、私は一問も聞かないでいいのでありまして、まずこの程度で留保いたしまして、私の質問は今日はこの程度にいたします。
  178. 柴田義男

  179. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 まず天坊さんにちよつと伺いますが、さきにあなた方のどなたかが、立花専務国鉄の辞職が決定しましたのは、二十七年の六月末、こういうようにお答えになつたと聞いたのですが、さように了承していいですか。
  180. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 二十七年の三月末でございます。
  181. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 三月末の退職願い、六月天の決定じやなかつたですか、繰返すようですが。
  182. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 立花さんが鉄道をやめましたのは二十七年三月でございます。半ばだつたか月末だつたかは忘れましたが、三月でございます。
  183. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 天坊さんに伺いたいのですが、土地、施設の貸付につきまして使用料算出に関する措置の問題で伺つてみたいと思います。これはあなたの方から提出した資料によりますると、資料によれば、国鉄構内営業規則を適用する、こういうことが明記してあるのですが、これは構内営業規則の適用であるのか、あるいは固定財産の管理規定適用しなかつたのか、この点はもう一度はつきりしておいてもらいたい。――これは天坊副総裁は御答弁が困難のようですか。もし一々津田局長に聞かなくちやならぬのならば、津田営業局長から伺うことにいたします。
  184. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 完全に津田営業局長の主管でございますので、便宜津田局長にお答えいたさせます。
  185. 津田弘孝

    津田説明員 大分以前に御提出申し上げました国鉄と会館との間にかわされました契約書、昨年の九月の二十五日、六日のあの分でございますが、あれの中に、別段の定めがない限り、構内営業規則の適用をするというような一項が第何条かにうたわれておるのでございます。しかし前々申し上げまするように、今回の鉄道会館がその一つの例でございまするが、民衆駅というような新しい……
  186. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなた発言中ですけれども、時間に相当制約されて来ておりますので、いろいろといわく来歴はまるべくよしていただきまして、適用しておるのかおらぬのか、そういう点についてひとつ簡潔に御答弁願つて、また来歴を聞く必要があれば伺いますから、……。
  187. 津田弘孝

    津田説明員 構内営業料金に対しては構内営業規則の条項により適用しております。
  188. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この問題の国鉄鉄道会館のビル並びに高架下の有名店街の使用、あるいは連絡上屋に関する土地等の使用、これはすべてそれに包含すると解していいのですか。
  189. 津田弘孝

    津田説明員 既存の構内営業規則条項で適用し得べきものにつきましては適用することにいたしております。
  190. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 得べきものと得べからざるものとの区別はどこでしておられますか。これは要綱の第十一条に別表が出ておりますから、それを指摘して御説明を願いたい。
  191. 津田弘孝

    津田説明員 今の料金関係等につきましては適用しております。それが一つの例でございます。適用しておりません新しい条項といたしましては、構内営業規則によりますと、構内営業は構内営業の許可を受けましたものが直接に自分で経営をしなければならぬという条項がございますが、この鉄道会館の場合は、また貸しを許可することを建前にいたしております。
  192. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたに伺つておりますのは、料金算出の問題でありまして、その他の使用条件等は伺つていない。でありますから、料金に関する限りにおいて御説明を願いたい。
  193. 津田弘孝

    津田説明員 先ほど申し上げました通りでございます。
  194. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 先ほど申し上げた通りといつてもわからないですから、あなたが適用したものとしないものとあると言つておりますが、したものとしないものの区別を聞きましようと言つておる。
  195. 津田弘孝

    津田説明員 構内営業料金に関しましては構内営業規則を適用しております。
  196. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 構内営業料金とは、しからば別表の高架下、連絡上屋、本屋、いずれがこれに該当しますか。
  197. 津田弘孝

    津田説明員 構内営業料金をわけまして、用地使用料と建物の使用料と、それから売上げに対しまして徴収いたしまする構内営業料、この三つを合せまして構内営業料金と称しております。
  198. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私のお尋ねしますのは、この使用料はあなたの方で区別して用地使用料、構内の営業料、建物の使用料、これを総括いたしまして私は冒頭に土地、施設等に対する使用料、こう言つたのでありますから、その内容に対して構内営業規則を適用して算出した部分と、しからざる部分とがあるというお答えならばその区別を聞きたい、こういうのが重ねての質問の趣旨なんです。
  199. 津田弘孝

    津田説明員 今の御質問に関する限りは、全面的に構内営業規則を適用いたしております。
  200. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 しからば構内営業規則でなしに、固定財産管理規程は適用しなかつたのでありますか。
  201. 津田弘孝

    津田説明員 構内営業規則の中に、土地、建物の使用料の算出につきましては、固定財産管理規程によるというふうにしておる次第でございます。
  202. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは構内営業規則の何条によつてさような御説明ができるのですか、御指摘を願いたいのであります。
  203. 津田弘孝

    津田説明員 日本国有鉄道構内営業規則の第四十四条に、「前条の料金」は、これが今申し上げました構内営業料金、三つのものでございますが、要は「次の各号によつて鉄道管理局長算定する」とございまして、営業料につきましては別表第四号表、それから土地使用料につきましてま二つございまして、「車両及びくつみがき台」、これは小さなものでございますが、それにつきましては別表の第五号表という表がござしまして、それ以外の「その他のもの」というのがございます。そのその他のものにつきましては鉄道財産使用承認心得、これが後に固定財産管理規程にかわりました規則でございます。そういうような関係に相なつております。
  204. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで伺いたいのですが、今の御説明をだんだん伺つて、また提出された資料によりますると、これは当初の契約条項の別表にもあり、またその後提出されました検査院の質問に対する回答の別表にもあり、またこれは東鉄の監理局長からの回答じやなしに、東営事第四一三二号、こういう書類によりましても規定してあるのですが、要するにこの料金をきめました部分的な準拠規則は構内営業規則とわれわれも了解するのであります。そこでこの構内営業規則なるものをまたつぶさに見てみますると、どうもこれは鉄道会館ビル並びにこれに付属しまする各般の事業を対象にしました根拠規則といたしましては、ほとんど死んだ規則に近いものではないのであろうか。たとえば構内営業規則の第一条によりますると、構内営業とは何をさすのか、説明にいわく、それは駅の構内で列車とか連絡船の旅客を対象とする営業である。ところが現実には、たとえばデパート、銀行、貸事務所等、それらに一万二千余坪を提供しようというような大仕掛な営業が開始されようとしておるのであります。でありまするから、第一条に当てはまらぬ事実が発生しておる。第四条によりますると、また駅の構内営業規則の場所でありますが、これが駅長が常に指導監督を行える地域なつておるが、十二階で日本一と称しまするこのビルをささたる駅長が指導監督するということは、これはほとんど痴人の空想に近いのではないかとさえ考えられる。またほかの条文をだんだん検討してみましても、第五条によりましても、営業の種目といたしまして、立売り、売店、自動車、人力車、手まわり品の運搬、ホテル、理髪店等、純然たる旅客対象の零細営業にすぎません。また三十二条によりましても、服装の腕章とか赤帽の規定もあり、あるいは三十九条によりましても営業者への帳簿提出要求の権限さえ付与されております。ところが大丸百貨店その他の銀行の支店に向つてこれをなし得ないというのも常識で明らかです。あるいはその他の販売の禁止規定すら設けられてあります。要するにこの六十六箇条にわたつておりまする提出されました構内営業規則なるものを通覧いたしまして、その構内なりあるいはこの規定目的といたしておりまするものが、ただいまの鉄道会館ビル、それの関連付随の営業等を経営するものを対象にしておるとは全然考えられません。こういう点から見まして、私どもはどうもこの使用料ないしは使用の対価を決定いたしまするところの準拠した規則なるものが構内営業規則であるということはこれはまつたく間違いである。少くとも他に何か求めるということが当然であろうと考えるのでありますので、固定財産管理規程も若干数字算出の根拠にはされておるようでありまするけれども、根本にこの規則をもつて来たということは、これはまつたく誤りでないかと思うのですが、副総裁の御意見はいかがですか。
  205. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 現在の構内営業規則というものは鉄道会館のような大きなものを対象としてはほとんど当てはまるところがないじやないかというお話でございますが、まつたく私も同感でございまして、構内営業規則はそのおい立ちから申しまして、駅の弁当屋さん、新聞屋さんとかいうものを相手にいたしたときからできて参つたものでございまして、最近の民衆駅というような式のものに対しては非常に当てはまりにくいというか、非常に無理があるという点は十分承知いたしておりまして、民衆駅というようなものができて参りますと同時に、構内営業規則というものについてはそういうものも包含して当てはまるような条項を入れるか、あるいは別個にでもそういう民衆駅というようなものに対する規則をこしらえるか、どちらかの処置をいたさなければならなかつたのでありまして、いわんや民衆駅の一つでございますけれども、さらに大きなかつこうでの鉄道会館というようなものについてはこれを当てはめることは非常に無理があろうと思います。ただ料金を定めますにつきましては、一応こういう条項がございますので、これに準じてやつたので、今後の問題といたしましては先ほど津田説明員説明いたしましたように、土地、財産等の査定委員会というようなものを設けまして、私どもの独善と申しますか、私どもだけの考え方でなく、専門家の御意見等も伺いまして適当に修正して参りたいと考えております。
  206. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 さようであれば、この例をあげますれば、検査院の質問に対する答弁といたされまして、別表の第十一条に、施設内の営業については国鉄構内営業規則を適用するとのみ書いてあつて、固定財産管理規程をあわせ適用すると書かないのはどういうわけですか。それを明らかにしておくということが必要な措置ではないでしようか。これは津田局長でいいです。
  207. 津田弘孝

    津田説明員 丁寧に書くならば両者を並べ書いた方がよかつたかもしれないのでございますが、先ほど申し上げましたように、この構内営業規則の中にうたつてありますから書かなかつたわけであります。
  208. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は丁寧に書くとか、あるいは丁寧に書かぬとかいうことを尋ねておるのではないのでありまして、これは構内営業規則を適用するということを明確に書いておられる。やはりこの算出の基礎が適当であつたか不当であつたか、適法であつたかどうかということが論議されておつたときのあなたの方の回答文書である。のみならず後に提出された資料によりましても同一の趣旨が繰返されておる。だから丁寧だとかどうとかいう、そういう意味ではないのであります。的確に構内営業規則によつておるのであるということであれば、私どもは構内営業規則のみを検討して行くのであります。そうでないというのであれば、そうでないものもあわせ検討せねばならぬのであります。だから尋ねておるのです。丁寧であるとか何とかいうのもきわめて不十分だ、まつたく足りない。その点いかがでしようか。
  209. 津田弘孝

    津田説明員 先ほどの繰返しになりますが、構内営業規則の四十四条に土地使用料につきましては「鉄道財産使用承認心得」によるというふうに書いてございます。そのもとになりまする構内営業規則によるのだということだけを契約書の中にはうたつた次第でございます。
  210. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたの方から提出されたこの「構内営業規則」並びに「同取扱細則」はこれは速記録にも添付されて記載されてあるのです。このものによりますれば、この四十四条の(2)の(二)というやつはまだ改正されておらぬのであります。でありますからさような資料を出しておいた以上は、やはり固定財産管理規程をあわせ適用するということを明らかにしておかなければ、根拠は明確でないということは、これは当然だろうと思うのです。きわめてあなたの答弁は誠意のない答弁であります。  次に聞きますが、この構内営業規則並びに固定財産管理規程の適用をしたとおつしやるが、構内営業規則については今も天坊副総裁所感のごとくに、まつたく時代錯誤の遺物のような感を呈した規則である。それならば固定財産管理規程によつてこの数字を算出する場合に、津田局長に信いたいのたが、第六十四条には使用料の算出については「近傍類似のものの適切な賃貸実例による。」ということを原則にしてある。そこでこの場合鉄道会館並びに高架下及び連絡上屋の場所につきまして、この条文の近傍の類似の賃貸の実例、これはどういうふうに参酌をせられたのでしようか。
  211. 津田弘孝

    津田説明員 現在鉄道会館の建つておりまする土地、あの辺は堀町でございますが、あの辺の一丁目から三丁目界隈にかけましての中央区の税務署の固定財産台帳と申しますか、そういつた権威あるもの等を参考といたしまして定めた次第でございます。
  212. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 前にこの十万円という算出をせられたことについては、それは都の税務署長の回答書ということになつておるという説明はもう聞いておるのです。そうじやなしにこれらの使用料等の算出について近傍の類似のもの――近傍の類似といえば相当あの辺の賃貸料はあるはずです。ですからどういうふうにその賃貸料をつかんで来られたか、それを聞きたい。もしその点それはそういうことをしなかつたならしなかつたでいいのですよ。ことさらにおつしやる必要もありません。ですからもうそこはできるだけ簡明に率直にお答え願いたい。
  213. 津田弘孝

    津田説明員 現在できておりますのは国鉄の駅でございます。また駅の上の鉄道会館でございます。従いましてそういつた種類の駅というものはあそこには東京駅以外にはないわけであります。従つて近傍類似の価格によるということが非常に困難でございますので、同条つまり六十四条の但書によりまして算定をいたした次第でございます。
  214. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これはまことに奇怪なずさんな答弁でございまして、これは副総裁に聞かなければなりません。駅が二つないということはこれは子供でも存じておりますが、やはりあの辺の場所であの辺の利用価値いかんということを他に類例を求めるということがこの規則の趣旨であります。これは文字で明瞭であると私は思うのであります。但書の算定がしにくいとか、そういうものにあてはめるのは少し押しつけた御説明でないかと思います。たくさんにビルもあれば商店もあればあるいはその他の建物もあるのですから、でありますから察するに今の御答弁はそういうものを、類似の賃貸の例を全然調べなかつたということに了解しなければならぬようなんですけれども、一体そういうことで固定財産管理規程の規程とあわせ適用したということが言えるのでしようか。やはりほんとうはこのあなたの方の資料にあるがごとくに、用地使用料十万円というのは税務署の回答書一本、構内営業料とか建物使用料等々もこういうように見て、財産管理規程を精細にあてはめて具体的な使用料を算出するということをしなかつたのがほんとうじやないのだろうか。近傍類似の賃貸の実例がない、従つて算出が困難だという今の局長答弁はきわめて私は不当だと思います。このことに対する天坊さんの御見解と、そして構内営業規則一本でやつたのがほんとうじやないか、こういうことについて副総裁の御意見を聞きます。
  215. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 実際問題といたしまして、近傍に類似の適切な実例を探すことがむずかしい、困難な実情が多いのでございます。従いまして津田君が言いましたような、駅が二つないという言い方はどうかと思いますけれども、この場合に近所に適切な実例は見当らなかつたというのが実情であろうと思います。  それから第二段の構内営業規則によつたということは、先ほど御参考に差上げました書類の中で引用条文といいますか、固定財産管理規程が名称が直つておりませんでしたので、これは非常に申訳ないのであります。当然面つておつて、一応構内営業規則によるというかつこうにしておつた点は御了承願いたいと思います。ただ構内営業規則につきましては、先ほど申し上げましたように、将来改正したいと考えております。
  216. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、駅を新設するということは、他に適切な類例が近所にないということは当然でありますので、こういう場合に六十四条というものは実際において無用の規定になると考えられます。それに対する御見解を聞いておきますことと、それからなお進みまして、六十八条によりますと、これは長期三年ということになつておるようであります。そこで実際問題といたしまして、たとえば大丸が七億円の投資をしてあそこの場所使用しようというような、次々の利用者があるわけであります。また何百万円の地代の前払いをして商店を経営しておる人々があるわけでありますが、こういうようなことを考えますと、事実賃料のとりきめの期間は別といたしまして、賃貸の期間というものはもつと長い期間をきめることが実情に即したものでないであろうか、こういうことにも実は考えるのでありますが、そういう考え方と、六十八条のこの三年まで延長することができるという趣旨とについては、どういう関連においてこれをつかめばいいのでしようか、それを伺つておきたいのです。
  217. 津田弘孝

    津田説明員 二つ問題がございますが、まずその一つの点の貸借の期間につきまして、ただいまお示しになりましたように「貸付局所長において支障がないと認めた場合は三年まで」と六十八条に規定してあります。しかしながらごういつた賃借の性質から申しまして、もつと長期の契約をしてもいいのではないかというような趣旨のお話があつたように思うのであります。今の条文の次の六十九条によりますと、前条の期間は更新することができるということがございまして、三年たちましてさらに三年間、あるいはさらに三年間というふうに更新をすることができるわけでございます。  それからその前にお話のございました六十四条の関係でございますが、一応坪当り十万円と算定いたしましたのは、先日も御苑明いたしましたように、あくまで概算でございまして、先ほど私が申し上げましたのといささか違つて恐縮ではございまするが、現実の問題といたしましては、概算としてとつたわけでございまするから、付近の賃貸実例等も参考にいたしたい、またいたさなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
  218. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 厳格にもし固定財産管理規程を適用して行かれるという御趣旨であれば、さきに指示しました四千百三十二号の東鉄の局長から加賀山社長に対する書類、ただいまの構内用地並びに建物使用承認についてという書類の第五条によりますと、期間が三年を超過いたしております。三年を超過するということは、こまかいようでありまするけれども、やはりこの規程の趣旨にそぐわないことになつておるのであります。これはどうして三年ということに限定をしなかつたのか。つまり六十八条に違反することになつておりますが、この点いかがですか。
  219. 津田弘孝

    津田説明員 吉田委員から御指摘のように、これは三年間で打切るということが当然であつたと思います。しかしながら、その始期が二月の十七日というふうに三年を越えることわずかに十二、三日ということでございまするので、便宜三十一年三月――三年をちよつと越えまするが、そういう契約をした次第でございます。
  220. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この固定財産管理規程というものは、事務当局が適当に伸ばしたり縮めたり、そういうことができるという考え方自体が、私はこういう問題を生む一つの原因になつておるのじやないかと思うのであります。小さいようでありまするけれども、それはやはり全体の一部として重視しておかねばならぬと思うので伺つた次第です。  それから同じくこの七十条によりますと、(5)におきまして、これは他の委員から質疑が以前にあつたのでありまするけれども、なお解釈といたしましてこの際確かめておきたいのでありまするが、鉄道会館の各種営業を見ると、ほとんど全体が、自巳使用でなしに、他人使用なつておりますので、従つて形は転貸しになつております。転貸しは禁止するということが、この固定財産管理規程の原則になつておる。ところがたとえば鉄道弘済会において、大阪の構内あるいは三ノ宮の高架下、そういうものも例外ないほどに転貸しになつておる。この場合もまた例外なしに転貸しになつておる。転貸しというものはかなり厳格に解すべきもののようにわれわれも考え、あるいは他の資料によりましても、そういう趣旨の規定もあるのですが、これが平気で犯されておるというのはどういう次第なのか。この点について一応天坊副総裁に聞いておきたいと思います。
  221. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 先ほど構内営業規則につきまして、いろいろ民衆駅等については当てはまらないところが多いということを申し上げたのでございます。か、たとえば今度の鉄道会館というような不動産事業というようなかつこうになるものにつきましては、初めから人に貸すことが建前になつておるのでございまして、こうしたものにつきましては、先ほど申しましたように、転貸しを建前としてでき上るものと予想して、そういうことができる建前の規則を一つくるべきであると考えております。さらに高架下等につきましての場合におきましても、原則は原則でありますが、もし高架下、ガード下等を一括信託会社筆に処理させるというような場合には、またそういうことができる建前にせねばならないと考えますが、今の吉田委員のお話の気持は、はつきりすべきものははつきりすべきだ、例外とすべきものについては例外とすべきである、はつきりしておけ、こういう御趣旨と考えまして、そういう点は直したいと考えております。
  222. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この問題は現われたことはささいなことでありますけれども、しかし随意契約を不当に行い、そうして国鉄法の趣旨を曲解せられ、既成事実を合理化するような答弁がしばしば当委員会で行われる、こういう経緯にかんがみてみますると、このみずからつくつた規則をみずから蹂躙して行く、それから法律はできておるけれども、なるべくそのときの便宜に解釈しておる、少々足が出ても、手が出ても便宜にやりましたというような、まつたく法律ないしは規程を尊重するという考え方がなくなつておるということにも聞き得るのでありまして、これはゆゆしい大事であります。もし随意に恣意にどうにでも解釈し濫用し得るというのであれば、何も法律、規則あるいは会計規程基本事項というようなこともきめる必要はないのであります。個人が自由に何らかかつてに他人と契約してもいい、それと同様に扱えばいいということは、国鉄が会計におきましてかなり紊乱しておる、あるいは契約等においてきわめて不当な事実がだんだんと現われ乗るというようなことのよつて起る一つの原因が、法律なり規則なりをみずから尊重しないという思想が、あなたら幹部の中に共通のものでないのだろうか、こういうふうにも考えるのであります。なるほど後日適正規則をいろいろとさらに定め、あるいは委員をたくさんにつくつてというような御説明もありまするが、それは将来の問題といたしまして、国会においてやかましくなつて来ましたので改正されるというふうにも解されるのだが、ともかくでき上つた問題を糾明する建前からいたしますと、ことごとく法律を無視しておる。規則を無視しておる。みずからつくつた法律を他に尊重させることは強硬で、みずからは実に放漫な、恣意な扱い方になつておるということはいなみがたいと私どもは考えるのであります。でありますから、この点につきまして、副総裁はひとつ総裁のような気持なつて、その点についての感想を一言おつしやつておいてもらいたい。
  223. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 鉄道会館の問題につきましては、初めから、私どもといたしまして、構内、土地、建物等は主として監理局長にまかしております建前上、その監理局長等の従事員が守らなければならぬ規則として管理規程で縛つてあるのに対して、鉄道会館の場合は、明らかにはみ出すことを承知して、これを例外として認めた次第でございますが、その他監理局長にまかせておりますガード下、高架下等の問題におきまして、いろいろ又貸し等の実例があることを十分承知しておりますので、これらの問題につきましては今のお話のように、私どものそういう仕事のやり方について、十分反省すべき点があると考えております。ただ申し上げておきたいのは、特に東京近所、大阪近所が問題でございまして、しかも私どもの仕事の仕方として、これが施設系統の技術的な部分と、それから構内営業、先ほどからお話の出ています営業局系統の仕事と、いろいろわかれておりますような関係もありまして、事務的にこれを管理いたしますのに支障があるということを感じまして、一昨年以来、東京鉄道局に、それを一緒にいたしました事業課というようなものをこしらえて、東京近傍のガード下の対策というものに乗り出しておるような実情でございます。いまだ成果が十分上つておりませんけれども、私どももそういう点をおろそかにしておつたのではなくして、努力をいたしておつたのですが、まだもう一歩というところが足らなかつたという点を十分反省させられましたので、今後その点は十分改めて行きたいと思います。
  224. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、今後改められるというのではなくして、やはり問題の起りました根源の重要なかぎとして、法規規定を非常に軽視した、そこに原因が伏在しておるのではないかというのが、私のお尋ねの趣旨であつたのであります。そこで、これらの問題につきましては一応この程度にいたしておきますが、この資料によりますると、その後国鉄鉄道会館との間に、先般問題にしました上屋の将来の権利義務国鉄が過大な負担を将来負う危険があるということを指摘しておきましたが、若干修正と称して改められておるようであります。  ところでお尋ねしておきたいことは、利害関係者は第三者もありまして、多額の前渡金を地代として支払つた商店がずいぶんあるわけでありますから、こういう人々の権利関係とか利益の関係とかいうものは――国鉄鉄道会館との間には、一方的に命ずる、それに従うというふうに、簡単に撤去することがよしんば可能であるといたしましても、利害がひついておりまするところの第三者の商店が、莫大な犠牲を払つてそこに占拠使用しておるという関係がすでに発生しておりますので、これらの補償とか、そういう問題については、国鉄並びに鉄道会館の両者とも考慮しないのですか、どうですか。これは総裁、副総裁、それから加賀山社長に伺つておきたい。
  225. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 鉄道会館と私の方との契約につきましては、いろいろ細部協定に入りますと、明らかにすべきものをもつと明らかにしなければならぬという問題もございましようし、またこうするのが合理的だという問題もございまして、そういう点はいろいろ具体的問題をめぐつて、細部に入るに従つて訂正すべきものは訂正して参つております。ただ、ただいま御指摘のように、それが第三者にどういう影響を持つかということは重大な問題でございますが、ただ高架下等の人たちの上に、もし線路が通るようになつた場合にどうするというような大きな問題につきましては、鉄道会館がその第三者に契約なさるときに、十分はつきりしたとりきめをしていただいておるはずでございまして、そういう点では御迷惑をかけることはないというふうに考えております。
  226. 加賀山之雄

    加賀山参考人 ただいま天坊副総裁から言われた通りでございまして、これは二十年先になりますか、何年先になりますか、あそこに設備をするということは、いろいろな意味で非常に重要な改良工事になる場合でございます。その場合を考慮いたしまして、今回契約いたしました商店とは厳密な契約をして、これが必要になつた場合にはいつでもどいてもらう。しかし私どもといたしましては、それで商店の利益を全然無視して顧みないということではいけないと存じます。また上を高架が通るようになりましても、これは一時工事のためにあそこを使用できなくなることは、その通りでございますが、またいわゆるガード下というような部分が結局生ずるわけでございまして、現在の高架下と同じようなかつこうに相なるわけでございますので、それらの点を勘案いたしまして、できるだけ商店街の利益を守つて行きたい、かように考えております。
  227. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 加賀山さんに重ねてお尋ねいたしますが、あなたは何十年か先というような御説明が今ありました。しかし契約は三年を限度としております。更新する場合は別でありますけれども、やはり一応建前としては厳格に守るのが規定の趣旨であります。現に国鉄側はその趣旨を述べております。あなたはあらかじめ数十年後までこれが使えるという考え方を持つておりましたら、また三年という規定はなきにひとしい。全然期間というものを念頭に置かないというのが、むしろ両君の底意じやないかということまで疑われて来るのであります。そういう点はいかがですか。
  228. 加賀山之雄

    加賀山参考人 ただいま吉田委員のお話を、私は結局あそこへ設備しなければならなくなつた場合はどうするかというように伺つたものですから、さようにお答えしたのであります。契約期間としては、さようにとりきめの通りいたしておるわけであります。
  229. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 天坊副総裁にさらに別の問題を尋ねてみたいと思います。時間もありませんから簡単にいたしますが、これはちよつと重要なことでありますから、ひとつ要点につきまして適切簡明な御答弁を願いたいのであります。これは根本の随意契約に関する件であります。随意契約につきまして、帝国鉄道会計契約事務規程というものがございます。これは昭和二十四年六月一日に、総裁達といたしまして、日本国有鉄道設立に伴う規程の取扱い方、及び暫定措置に関する規程といたしまして、ただいま読みましたところの帝国鉄道会計契約事務規程は生きております。この規程の五十八条によりますと、随意契約によるときにはなるべく信用、経験確実な者二人以上から見積書を徴すべし、こういう規定なつておる。これはやはり他の立法例の、たとえば電電公社の契約事務規程にいたしましても、四十三条によりまして、強行的な規定なつております。あるいは日本専売公社の会計規程の施行細則の百七十八条によりましても、同趣旨で二人以上の見積書を出さなければならないということが書いてありますので、この点につきましてはどういうふうな御解釈ができたのか、伺つておきたい。――お答えはないのですか。それじやもう一ぺん聞きますが、この随意契約をするに際して、去年の九月二十六日の使用承認の決定ができるまでの間に、他から見積書を出させるような措置を講じましたかどうか。この規定との関連において答えていただきたい。
  230. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 ただいま御指摘がございました帝国鉄道会計契約事務規程の点は、私実はよく存じません。また今回の鉄道会館のとりきめをいたしまするについて、他から見積りをとる措置はとつておりません。
  231. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 副総裁が御承知でないのなら、ほかに知つた人はおりませんか。
  232. 高井軍一

    ○高井説明員 前の契約事務規程は、この会計基本事項を設定いたしまして、日本国有鉄道会計規程を十月四日から実施いたしておりますので、前の規程は適用をいたしておりません。
  233. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、この日本国有鉄道会計規程ができましてからは、ただいまの私が読みましたものは無効に帰したのですか。
  234. 高井軍一

    ○高井説明員 前の規程は無効になりまして、会計基本事項に基きまして日本国有鉄道会計規程をきめまして、これによりまして会計は規律されるのでございます’。
  235. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それはどの規程から無効に帰したのでしよう。
  236. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 この規程の問題につきましては、この次まで調べさせていただきたいと思います。
  237. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 では調べてもらうことにいたしましよう。それとあわせまして、法律の解釈だけじやなしに、やはり随意契約するについて各般のこういうものを十分に考慮してなすべきであつたと思いまするので、そういう辺についても御答弁を伺うことにいたします。  私は質疑は保留いたしまして、この際資料のお取寄せを願つておきたいと思います。だんだん鉄道会館をめぐる調査の過程も終了に近づいて参りまするが、しかしこの際各般にわたりまする関連事項は、できるだけ明確にしておきたいと思います。そこで、外郭団体ではないと思いますけれども、一部資料が来ておりまするが、各局別におきまして、現在年間一億円以上国鉄工事を請負つておりまする建設業者の名前及び構成、幹部、そのうち国鉄出身者の名前、請負金額、それから最近年度における貸借対照表、財産目録、損益計算書、これをあわせて各局について提出するようにおとりはからいを願いたいこと、並びに外郭の団体の問題につきまして、鉄道弘済会、日本食堂株式会社日本通運株式会社、これについて同様に会計の状況がわかりますよう、並びに人的構成につきましてもう少し具体的にわかりますよう、貸借対照表あるいは損益計算書、財産目録など最近年度のもの、それから日本交通公社につきまして、これも資料といたしまして、本年八月末現在における全国並びに東鉄管内の国鉄への代売代金の未済分の総計、但しその未済分のうちにはいつそれが支払う時期に規定されておるのに該当するかということも、あわせて記載すること、それから弘済会につきましては、東京局の関係におきまして、国鉄所有の固定資産の貸付等の使用状況並びにわかる範囲におきまして賃料の大体のところ、賃料の不払い等があればその総計、これは最近のものです、こういうものをあわせて一括資料として出すように希望申し上げます。それから日本通運株式会社につきましては、昭和二十四年以降の国鉄へ支払うべき債務の未払いの集計並びに最近の年度別残、また支払いの指定しておる時期があるのならば、あわせ記載すること、以上をお取寄せ順いたいことと、それからなお国鉄から資料として出しております国鉄鉄道会館との間の契約事項について、修正した修正したというふうに書いてあるんだが、いつ修正したのかどうも一向わからぬ。要するに問題が当委員会において取上げられた以後修正したことには、速記録等によつて大体間違いないと思いますけれども、何か表にいたしまして、どの事項はいつ修正したか、これも明らかにしていただきたい。  以上資料のお取寄せを願いたいと思います。
  238. 柴田義男

    柴田委員長代理 さようとりはからいます。  本日はこれくらいにしまして、次会は追つて決定いたします。  本日は ……。
  239. 杉村沖治郎

    杉村委員 前回の委員会において二十五日には長崎総裁に必ず出てもらうということがきまつておる、その日を変更するのですか、しないのですか。委員会において決定したことを理事会においては変更しようとするのですか。あなたが追つてというから念を押すのです。
  240. 柴田義男

    柴田委員長代理 お諮りいたします。私は前の委員会には出席いたしておりませんので、失礼いたしましたが、ただちに理事会を開いてやりましようか。
  241. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 委員会の運営につきましてちよつと発言を許していただきたい。前回の理事会におきまして次の委員会の川口がきめられ、それからいま一つ長崎総裁の証人出頭の件につきましては来る二十五日、つまり前会から見れば次の次にはぜひとも天坊副総裁が連れて来る、こういうことを確約になつたのであります。といういきさつは、藤田委員から臨床尋問の動議が出たのでありますが、そういう確約がありましたので、一応動議は取消しまして確約に従つて行こう、実はこういう申合せができておりますので、その点についてはそれを今御変更にならすに、他の運営につきましていろいろと御相談したらと思いますので、終了後理事会を開いてもらいたい。  それからもう一つ私からお願いしたいことは、これも理事会で御相談したいと思つておりますが、これだけ天下の視聴を集めております重大な案件でありますので、この結論を公明正大にいたしますために、当委員会において近い時期に公聴会、もしくは適当な参考人それから社会の輿論を代表するよりな人に意見を開陳してもらう機会をつくつていただくようにおはからいを願いたいと思うのであります。
  242. 大上司

    ○大上委員 ただいま同僚委員から二十五日の委員会の問題が出ておりましたが、当無しかるべきだと思います。だが、その後の経過を見ておりますと、ちようど二十五日あたりには、われわれ自由党の方において議員総会またはこれにかわるべきものが行われるかのように、ごく最近に至つて――この前の委員会ではなくて、それ以後において聞かされておるのであります。従つてこの問題は、原則は今の杉村委員のおつしやつた遮りだが、余裕を残しておいてもらいたい。すでに一週間も経過しておりますし、事態がかわつておりますから、その点は本委員会において、特に理事会において御審査願いたい。
  243. 杉村沖治郎

    杉村委員 二十五日にはとにかく長崎総裁が出るということできまつたのであつて、自由党はどういう御用があるのか知りませんけれども、私どもは自由党の方がおいでくださらなくたつてちつとも痛痒は感じない。     〔「そういうわけには行かない」「委員会の構成というものがわからないのか」と呼び、その他発言する者多し〕
  244. 柴田義男

    柴田委員長代理 御静粛に願います。
  245. 杉村沖治郎

    杉村委員 自由党の党のかつてのために、国会で一たびきまつた期日を変更することは反対だ。特に懇談でもされてということならば別でありますけれども、自由党の党の会議のためにということを当面の理由としてそういうことを言うのは私は反対だ。     〔「事情があるなら理事会できめればいいじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕
  246. 柴田義男

    柴田委員長代理 御静粛に願います。
  247. 杉村沖治郎

    杉村委員 自由党の会議のために、委員会できまつた期日を変更してもらいたいという動議が出たことを速記に残してもらいたい。     〔「動議じやないよ」「だれが出したんだ」と呼ぶ者あり〕
  248. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 委員会の運営につきまして重ねて発言させてもらいたいのでありますが、やはり委員会できまつたことはさまつたこと、それはそれでよろしい、それから理事会理事会としてまた各般の事情から委員会の運営を相談する、そういうふうにして行きたいと思いますから、ひとつよろしく願います。
  249. 杉村沖治郎

    杉村委員 この委員会できまつたことでありまして、二十五日には長崎総裁が必ず出るという確約があるのですから、日にちが変更されたために長崎総裁か出ないということがあつても、もちろん困ることであります。ことに自由党が党の会議のためにというようなことで、この国会決算委員会できまつたことを変更ざれるということは重大な問題です。ことに当日は長い間の懸案となつておりますところの総裁が出る日なんです。それを変更されるということは理事会においても絶対に反対です。
  250. 柴田義男

    柴田委員長代理 前の委員会ですでに二十五日ということは決定しておつたようでございますので、その趣旨にのつとりまして理事会を開催することに決定いたしたいと存じます。さよう御了承を願います。
  251. 大矢省三

    大矢委員 吉田君からもいろいろ注文があつたようですが、私も資料についてぜひお願いしたい。それは最近世上でも問題になつておりますところの機関車の払下げについて、その払下げの相手方、価格、数量、その点をぜひこの次の機会に出していただきたいと思います。
  252. 柴田義男

    柴田委員長代理 さようとりはからいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時四十六分散会