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1953-03-02 第15回国会 参議院 本会議 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月二日(月曜日)    午前十時二十七分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十八号   昭和二十八年三月二日    午前十時開議  第一 恩給法の一部を改正する法律案趣旨説明)  第二 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案趣旨説明)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。     —————————————
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、恩給法の一部を改正する法律案趣旨説明)、  本案につきましては、特に本会議において内閣より、その趣旨説明を聽取する必要がある旨議院運営委員会決定がございました。これより国務大臣趣旨税明を求めます。緒方国務大臣。    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  4. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 只今議題となりました恩給法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を説明申上げます。  政府が、今回この法律案を提案いたしました主たる理由は、昭和二十一年勅令第六十八号、恩給法特例に関する件によつて恩給廃止又は制限された旧軍人軍属及びその遺族方々に対しまして、国家財政その他諸般事情を勘案して恩給を給することとし、併せて一般公務員及びその遺族恩給につきまして適当な改正を加えることといたそうとするのであります。これらの旧軍人軍属及びその遺族方々は、一般文官及びその遺族方々と同様に恩給を給せられていたのでありますが、昭和二十年十一月二十四日附の連合国最高司令官からの覚書により、恩給廃止又は制限され、現在に至つているのであります。  ところで、平和条約が成立し、我が国の独立を見ました現在においても、なおこれら旧軍人軍属及びその遺族のかたがたの恩給をこのような状態に放任し、戦争責任をひとりこれらの人人のみに負わせているかのような状態にしておくことは好ましくないことと考えられましたので、政府は、先に恩給法特例に関る件の措置に関する法律により、恩給法特例審議会を設置し、これらの人々に対する恩給重要事項に関し調査審議を煩わしたのでありますが昨秋十一月二十二日、右審議会から調査審議の結果を政府に対し建議されたのであります。この建議は、これらの旧軍人軍属及びその遺族相当恩給を給すべきものと認め、特に遺族重傷病苦及び老齢者重点を置いて給すべき恩給内容等決定しているのでありますが、政府におきましては、の建議趣旨を尊重し、国家財政の許す範囲内において、これら旧軍人軍属及びその遺族に対し恩給を給することといたし、これに伴い一般文官恩給に対しましても、又若干の改正を加える等のため、恩給法の一部を改正することいたそうとするのであります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。(拍手
  5. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今国務大臣趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。山下義信君。    〔山下義信登壇拍手
  6. 山下義信

    山下義信君 私は日本社会党第二控室を代表して恩給法の一部を改正する法律案に対して、その主たる点について若干の質問を試みんとするものでありますが、その前に、先ず我々の基本的態度を明らかにいたして置きたいと存ずるのであります。  我々は、再軍備に連なる軍人優遇恩給復活には反対であります。併し、老齢軍人並びに扶助料生活者に対しすしては、社会保障見地からこれを認めんとするものであります。又戦没者遺族に対しましては、十分国家保障をなすべきでありまして、政府案平均二万七千円というがごとき少額には反対であります。我々は上下の区別を廃し、その標準を曹長と准尉の間に置きまして、倍率を三十割とし、平均四万二千六百円を支給せんとするものであります。その他、我が党は、社会保障制度の確立を要望し、その実現を見るまでの暫定的措置として、恩給法の一部改正によらずして、戦傷病者戦没者遺族等年金法特別立法をなさんとするものであります。以上、我々の態度を明らかにいたしまして、以下順次、政府の所見を質したいと思うのであります。  第一点は、本法提出についての政府意図、即ち再軍備との関係であります。これは首相にお尋ねいたします。従来、遺家族問題につきまして、現内閣が冷々淡々でありましたことは、更言うまでもございません。それがポツ勅廃止の結果といたしまして、止むなくここに解決を迫られ、遺族扶助料につきましては、いたし方なく出そうとい態度であり、又そういう内容であります。然るに生存軍人恩給復活につきましては、政府はこの際と言わんばかりに優遇を図つております。人員において一一%、金額において七%などとパーセンテージでごまかしてはなりません。敗戦国家としては破格の殊遇を与えんとするものであります。疑いもなく再軍備のための一布石とする考えに相違ないのであります。軍人恩給復活は、如何なる趣旨に基くものでありますか。吉田総理からお答えが願いたいのであります。  総理は、平生から持論といたしましてこういうことを言つておる。それは、再軍備といとは、國民世論盛り上りを待たなければならん。国民愛国心が発露して来なければならん。こういうことを言う。そうして、その国民愛国心を発揚するためには、先ず遺家族援護をやらなければならん。それをやつてからでなければ、これを求むることはできんということを繰返して平素述べておるのであります。然らば吉田総理は、本案提出によりまして、今後愛国心が発揚し来たると考えておるのでありましようか。如何でありましようか。二万七千円もの金を与えれば、一カ月二千円余りの金をやれば、国民は喜んで戦死すると思ろておるのでありましようか。国民愛国心が金で買われるということを考えるか。今日数グラムの輸血の血でさえも数千円であります。国民の血を僅少の金で購わんとする考え方は、誠に不遇の考え方と言わなければなりません。総理は、本案を以てしても、愛国心関係ありとするか或いはなしとするか。総理の平生の持論に鑑みまして、この際その所信を明らかにされたいのであります。  第二点は、本案所要経費援護費と合しまして五百億円につきまして、大蔵大臣にお尋ねいたしたい。向井蔵相は、明年度予算編成に当りまして、これを防衛諸費の枠内に入れまして財政計画を立てたのでありますが、単に防衛費の駈引きの具に使つたのみにとどまるか。或いは首相と同じく再軍備関連する支出考えておるのでありまするか。蔵相のお考えが聞きたいのであります。而して大蔵省は、昨年の遺家族援護問題の当時に、猛烈に社会保障的の支給論を主張いたしたことは、世間周知通りであります。然るに今回、従来の主張を一擲いたしまして、軍人恩給復活方式従つて遺族扶助料に同意しました。その豹変の理由はどこにあるのでありまするか。この際、一応承わつて置きたいと思います。  又蔵相は、今回の支給程度を以て最大限であり、もはや十分であると考えておりまするか。或いは今後財政の許す範囲におきましては増額を認めるお考えがあるかどうか。恩給総額におきまして、四百五十億と抑えたその根拠並びに将来の方針につきましてお答えが願いたいのであります。なお明年度予算には九カ月分しか計上されてありません。一四半期分がずらされておりますることは、一般恩給支給方法と異なりまして、誠にずるいやり方をしておるものと考えるのでありますが、なぜさような方法をとつたのでありまするか。又今後も引続き九ヵ月分の支払で行く考えであるかどうか承わりたいと思うのであります。  第三は、本案の実際支給は、いつ頃実施し得るというお見込でありまするか。これは官房長官並びに厚生大臣から、明白にそれぞれ御答弁を願いたい。と申しますのは、昭和二十七年度もすでに終ろうといたしておりまする今日ですら、今なお援護法支給が完了しないという不都合なる事実があるからであります。厚生大臣は、現在の処理状況をここで明白に報告されたいのであります。私の聞かんとするところは、ただ単に机上において事務的に何件処理されたという、そういう数字ではない。私が聞かんとすることは、弔慰公債が果して何人の遺族渡つたか。遺族年金が何人の未亡人や年老いた父母に実際に交付し得たかという数字が承わりたいのであります。体、遅々として進まず未だ三分の一にも手渡されていないという理由は、どこが隘路になつておるのでありまするか。政府はどれだけの手段を尽したのであるか。末端の実情を果して知つておるかどうか。公債支給につきましても、財務局で停滞しておるという事実がある。こういう状況でありまするから、この恩給法改正をいたしましても、いつ実際支給が行われるか、思い半ばに過ぎるものがある。恐らく第一回の支給は、九月、十月頃になるかもわからん。数百万の対象者、この法律ができれば明日にももらえると考えておる人々に失望を与えてはなりませんから、官房長官等は、正確なる支給予定の時期をこの際明確に示されたいのであります。  第四点は、階級存置について、官房長官にお尋ねいたします。今回の改正案におきまして、賛否いずれを問わず世論ことごとく反対いたしておりまする点は、上、大将から下、二等兵までの元の階級をそのまま存置したということであります。これは如何なる理由に基くものでありまするか。すでに軍隊なく、又階級のない今日、旧階級をそのまま用いんとする意図はどこにあるのでありまするか。下士官以下の恩給受給者ば、実役十二年を要するのでありまするが、十二年も二筆兵、一等兵でおつた者が、一人でもあるのでありまするか。この階級存置は、実に政府の狡猾にして悪辣なる陰謀によるものである。それは、試みに私をして政府の肚を言わしめてみるならば、戦死者扶助料、即ち遺族年金をできるだけ少額に済まそうとする卑劣極まる考えから出ておるのである。それは戦死者の大部分が、実に等兵、上等兵という下級召集兵であるからであります。即ち上等兵は四十六万五千人、兵長は四十七万四千人、伍長は三十五万四千人戦死いたしておりまして、これら下級者合計百二十九万三千人は、全戦死者の七七%に及ぶのであります。然るに、大将戦死は十四万二百円以上に計算いたし、兵隊の戦死は僅かに二万五千六百円という差額をつけた。この差額をつけたことによつて政府財政支出を節約せんといたしたのである。傷痍軍人に対しても又然りでありまして、誠に誠意のないこと甚だしいと言わなければなりません。階級存置理由戦死扶助料厚薄を付けた理由を明白に示されたいのであります。  第五点は、社会保障制度との関係どう考えるかということであります。社会保障制度審議会は、軍人恩給反対答申をいたしておる。意見を出しておる。同じ政府審議会が一方においては建議し、一方においてはこれを非とする。然らば政府は、その方を採用した理由を明らかにいたさなければなりません。社会保障制度審議会意見は、一部軍人優遇であつてはならないこと、全国民戦争犠牲者も保障すべきこと、援護法増額でやるべきこと、老齢者にはフラットとすべきこと、労働者厚生年金保険法速かに改正すべきこと、というような意見を出しておるのでありまするが、今後政府は、般國民との公平なるバランス、平等の原則に立ちまして、本法案と共に社会保障制度の前進に如何なる考えを持つておるか。前段は政府を代表して官房長官から、後段は厚生大臣から御答弁が願いたい。又関連して長官に伺いますが、一般恩給については、二十四年度以前の者と以後の者との不均衡の問題であります。この問題は、一部は是正されたのでありますが、その他の部分と、なお一般恩給スライドアップを見込みまして、政府は当初予算に十九億を計上したにかかわらず、自由党の党内事情でこれを削つてしまつた。政府は将来この不均衡及びベース・アップについてどういう方針を持つておるか。これを明らかされたいのであります。  第六点は、戦没者の数が極めて不正確であるということです。終戦後すでに八カ年、調査は十分できたことであろうと思いますが、この機会に正確なる数字を発表されることを要求いたします。恩給局は大東亜戦争戦没者を百六十七万三千人とし、厚生省は先の援護法におきましては百七十六万人と称し、恩給審議会答申案に百四十三万三千人となし、而も本案予算におきましては百五十万四千人として計上されておるのでありますが、誠に杜撰極まる次第でありまして、年がら年中、裡騒動利権漁りばかりに熱中いたしまして、こういうまじめな仕事を放棄して顧みないのがこの内閣の性格なんであります。(拍手)  第七点は、若し政府にして、戦没者遺家族につきまして片の誠意を有するならば、戦没者の死因について十分再調査する考えがあるかどうか承わりたい。何分戦争時代におきましては、特殊公務普通公務病死等差別取扱は厳格なようでありまするが、不合理、不公平の点も少くないのであります。軍務に服したため発病した者も内地で死没すれば平病死に扱われ、戦地におきまして栄養失調による戦没も、皆平時普通死として判定されておるのであります。「風にそよぐ葦」のごとき実例は少くないのでありまして、政府はそれらの審査につきまして漏給なきを期する用意がありまするかどうか。恩給局所管大臣官房長官答弁を望むものであります。  第八点は、生活保護法との関係でありまして、換言すれば、戦死者遺家族にして生活に窮迫し極貧者として保護を受けている者をどうするかとい問題なんです。厚生大臣官房長官とにお尋ねいたします。先ず戦争遺家族にして、生活保護を受けている世帯は何世帯ありますか。又その人員、家族は合して何人となるか、お答え願いたいのであります。そしてこれらの世帯に対して、今まで何か特別の対策が講じてあるか。講じようとしたことがあるかどうか。実に八年間放置しておきまして、今度初めて正式の扶助料支給しようというのでありますが、すでに援護法におきまして、厚生省はこれを収入とみなして生活保護を打切るという冷酷極まる処置に出ておるのであります。我々は昨年の援護法の当時から、このことを心配いたしまして、没義道なことをしないように十分政府に要望したにかかわらず、厚生省は内翰を以て通牒を発し、保護の打切りをさせるのみか、遺族年金を以て石塔を刻むことも、借金を払うことも許さぬというがごとき冷酷な通牒を出している。末端の当事者の当惑、極貧の境遇にあるところの遺家族は、悲憤の涙に暮れている。生活扶助金を奪い返して、少額なる遺族年金で依然として悲惨なる生活を継続せよと言うのであるか。吉武前厚相は、第十三国会において「考慮する」と言い、山縣厚相は、本年二月五日厚生委員会で「不当の控除をして困窮の立場に陥れてはならない」と答弁しておるが、今後如何なる方針で進む考えであるか、ここで明らかにしてもらいたい。緒方官房長官は、戦没者遺家族をこういう極貧の悲境に置いて、一方で与えて方で奪うという、そういう冷酷な処置をとつても向差支えないと考えておられるのか。このことは政府は勿論、受くるほうの遺家族全体も問題にせねばならぬことで、これでは何のために遺族対策をするのか意味がなくなると思うのでありますが、誠意ある政府答弁を望むものであります。  最後に、浅井人事院総裁に聞きますが、国家公務員法によつて要請されておる文官恩給法作業現況はどうなつておりますか。又その構想の大体を人事院はどう考えておるか。又本法案関連して、今後如何なる点に影響を来たし、自然如何なる点に改正又は考慮を要する点があると考えておるか。マイヤースの勧告は棄てるかどうか。それらの諸点について、この際御答弁を望むものであります。  以上、私は本改正案の主要なる点数点質問にとどめたのでありまするが、政府案は、実は人員金額の多少にかかわらず旧軍人恩給復活重点とし、遺族扶助料は極力圧縮し、傷痕軍人の多数を切棄て、国家総動員法による国民犠牲者には顧も与えないなど、その内容は杜撰、不備不完全なるものでありまして、殊に広く社会保障この関連を無視するその態度につきまして、政府の強い反省を要望いたしまして、私の質問を終る次第でございます。(拍手、「狙いがどこにあるかはつきり答弁しろ」「傷庫軍人なんか可哀そうなものじやないか」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  7. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) お答えいたします。  今回の旧軍人恩給復活が、再軍備の準備ではないかという御質問でありますが、政府は再軍備はいたさないということはしばしば申しておりまして、この軍人恩給復活も、そういう予想の下にやつたものでございません。総理が盛り上る愛国心の上でなければ軍備というものはできない。或いは遺族援護方法も十分できていないときに再軍備どころではないじやないかと言われたことは、これは前の戦争の後始末もできない際に、再軍備を談るべき時期ではないと言われた意味であると考えます。今度の軍人恩給復活遺族に対して非常に冷淡である。殆んど、旧軍人恩給を盛ることによつて遺族に対する援護の手は非常に冷たいという仰せでありますが、今度の車人恩給の殆んど大部分は、九〇%というものは遺族扶助料になつておるのでありまして、そういう意味から、決して私は軍人遺族に関する限り冷たいものではないと考えております  それからこの改正案によつて、実際に金は体いつ出るのかという御質問であります。該当者が非常に多数ありまするから、これらすべてについて裁定を了えて、実際に支給するまでには若干の日子を要することはこれはどうもいたし方ないと考えます。裁定が付きたものからは、勿論支給をいたしして、あらゆる努力を払い、できるだけ全部に早く支給するように間に合わせたいと考えております。  それから本改正案において旧軍人階級差をそのまま存続させたのはどういうことかという御質問でありまするが、現在の恩給法、それから国家公務員共済組合法、その他類似の制度におきまして、一般給付退職時の条件に応じて支給されておるのが例であります。で軍人恩給につきましても、文官恩給が存続されておりまする限り、日本が独立した今日といたしましては、旧軍人にも恩給を、成るべく恩給の形で支給いたしたいというのが政府考えでありまして、そういう意味から退職時の条件に応ずるという観点から階級を存続したほうが適切であると考えたような次第であります。(戦争責任との関連性考えないのか」と呼ぶ者あり)  それから社会保障制度審議会答申をどうして採用しなかつたか。政府といたしましては今度の恩給法改正に当りまして、恩給法特例審議会及び社会保障制度審議会よりそれぞれ建議があつた。その建議に対しまして十分検討いたしました結果、現下の諸情勢におきましては、旧軍人恩給について、恩給法特例審議会建議趣旨を尊重し、国の財政の許す限りやつて参りたいという趣旨から、今回の軍人恩給復活をいたしたような次第であります。それから戦病死者の再調査を行う考えはないのかという御質問でありまするが、特にその事情についても十分に審査の上、公正な決定をいたしたいと考えております。  なお、文官恩給スライドアツプ財政関係上延ばしたのはどういうわけか。これは全く財政関係上でありまして、原則としてスライドアツプをやめたのではありません。財政の許しまする限り成るべく早い機会に善処いたしたいと考えております。(「戦没者の数も発表して下さい」と呼ぶ者あり、拍手)    〔国務大臣向井忠晴登壇拍手
  8. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 閣議に提出しました大蔵省の原案では、旧軍人恩給及び遺家族援護費防衛支出金及び保安庁経費と一括して盛りましたが、これは金額がきまりませんために、このような表の作り方をいたしたのに過ぎません。防衛支出金及び保安庁経費と、旧軍人恩給遺家族援護費とは別に関係があるわけではございません。(「なぜそこへ入れた、関係のないものを」と呼ぶ者あり)  旧軍人恩給は一月から実施することも考えたのでございますが、財政上も困難でございますので、本年四月から復活するということにいたしました。その後においては、一年分十二カ月支給するつもりでございます。今後増額するかということをお開きでございましたが、只今のところでは旧軍人恩給増額することは財政上困難と考えております。  社会保障的な建前の支給方法を主張していたのがどうしてこう変つたかということは、予算編成の過程におきまして、種々の見地から検討しまして、今回の案は恩給法臨時特例審議会建議を尊重して作成したものでございます。(拍手)    〔国務大臣山縣勝見登壇拍手
  9. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答えを申上げます。  お尋ねの援護法によりまする弔慰金年金支給状況でありまするが、この点につきましては、昨年の春に援護法が制定せられまして以来、その細則或いは現地におきまするいろいろな手続上に遺憾の点が当初ございまして支給が非常に遅れておりましたことは、厚生省といたしましても遺憾に考えまして、直ちに両回に亘つて手続簡素化、或いは人員流用、或いは臨時雇等をいたしまして、昨年の年末までには、できれば本省裁定申請のありましたものは大部分、殆んど裁定を済ませまして、通知をいたしたい。さようなことで人員措置をとりましたことは山下先生も御承知の通りでありますが、それによりまして昨年末に百数万件の裁定通知をいたしまして、只今、二月の二十六日現在におきましては、受付が百六十四万一千八百五十九件でございまして、そのうち裁定を了しましたのが百四十五万七千百十二件であります。なお、このうち通知を了しましたのが百三十九万七百六十二件であります。そのほかに傷害年金がございまするが、これは裁定通知を了しましたのが四万四千六百四十二件であります。但し、これは本省におきまして、市町村を通じて府県から申請を受けましたものに対して裁定通知をいたしたのでありまするが、先ほど御指摘通り、この弔慰金が、財務局を通じまして実際に遺族方々の手に入りますること、なお又年金等が、郵便局等を通じまして遺族方々の手に入りまする間に、手続上多少遅れまする点がありまするので、折魚本省といたしまして相当予算も取つて臨時雇、或いは人員流用もいたし、又土曜日曜も返上いたして、かような促進を図りましたにかかわらず、現場において多少遅れておりましたので、現在大蔵省或いは郵政省と連絡をとりまして、できるだけかような裁定通知が、実際にお金になつて遺族方々に渡りまするように、折角只今努力中であります。  なお、第二の社会保障関係でありまするが、この点につきましては先ほど御指摘通り、或いは今回の軍人恩給社会保障的な考え支給いたしたらどうかというお考えでありますが、この点につきましては、先ほど官房長官及び大蔵大臣から御答弁がありましたのでありまするが、勿論厚生省といたしましては、社会保障制度審議会答申いたしました両回に亘ります審議会答申に対しましては、その答申を尊重いたして、原則的には勿論その答申に対して賛意を表して、その線に従つて財政の許す範囲日本社会保障制度拡充強化努力をいたして参つておるのであります。殊に社会保障制度審議会答申重点は、先ず以て社会保障重点社会保険に置き、殊に社会保険重点的な措置として、この予算編成に当つては、先ず以て国民健康保険に対する給付費国庫負担重点的にやれということを第二回の答申に言つておりまするが、それに対しまして、只今審議を願つております昭和二十八年度の予算においては、先ず以て国家財政の許す最高限度措置といたしまして、一割五分の給付費国庫負担をいたしたのであります。なおそのほかに、社会保険その他に八十億、それから国家扶助に対して二百四十二億、公衆衛生及び医療関係において約二百八億、その他社会福祉に対して六十八億、合計六百一億を今回の予算に計上いたしております。勿論これでは社会保障制度審議会答申のものを全的に採用いたしたというわけに参りませんけれども、今後これに対して十分の努力を払つて参りたいと思うのであります。  今回の恩給社会保障制度審議会の先般の答申の線に従つて社会保障的な考えでやつてはどうかというお考えでありましたが、これは今回の恩給は、先ほど官房長官のお話がありました通り、純然たる社会保障の対象とすることにつきましては、多少これは論議があろうと思うのであります。勿論これはボツ勅によつて停止されました旧軍人に対する恩給権でありまするから、厳格な意味の既得権ではありませんけれども、或いはこれは又潜在的な既得権と申せられましようし、公務によつていわゆる経済獲得能力を失いました者に対する国家としての措置でありますから、純然たる社会保障意味に解釈できない部面もあるやに考えるのであります。要は今後社会保障制度審議会答申の線に沿つて、国家としてもこの面に対して別途の考慮をいたすということであろうと思いますから、その点に対して政府は最大の努力を払いたいと思うのであります。  なお、最後の生活保護法との関係でございますが、これは実は只今、先生のお説もございまして、気持といたしましては勿論、今回軍人恩給復活せられまして、折角多年遺族方々戎いは旧老齢軍人方々が待つておられたのでありまするから、生活保護法と個に差上げたいとは思いまするけれども、現在のいわゆる社会保障制度に関する日本の立法体系から申しますれば、生活保護法は、すべての収入を算定いたしまして、そしてその基準と比較いたして最低生活を確保するということでございまするから、これは話は、日本の現状から申して生活保護の基準が高いか低いかという問題に帰するのであつて、一応これは、(「具体的に」と呼ぶ者あり)問題は生活保護法基準を如何に考えるかということでございまするが、これにつきましては今回の予算の補正におきましても、御承知の通り生活或いは教育、住宅等の補助も合せまして、九千二百十二円まで上げて参つたので、勿論これもまだ足りませんと思いますが、今後とも努力をいたしたいと、かように考えておるのであります。(拍手、「生活困窮者の世帯数を聞いているのだ」と呼ぶ者あり)    〔政府委員浅井清君登壇拍手
  10. 浅井清

    政府委員(浅井清君) お答えを申げます。  一般職公務員の恩給制度改正につきましては、御指摘の、ごとく国家公務員法に基きまして人事院において相当長い間研究をいたしまして、一応の案を得たのでございまするが、これは山下さんが申されましたいわゆるマイヤース勧告を更に我が国の実情に適するように考慮いたしたものでございます。この案は前例によりまして昨年来社保障制度審議会に非公式に提出いたしまして、その意見を求めて参りましたが、最近同審議会よりも非公式に意見を伝えられましたので、これらに基き更に検討中でございまするが、恐らく遠からず成案を提出し得るものと考えております。  次に、人事院として目下考えておりまする恩給制度の基礎、方針は何かとのお尋ねでございましたが、その主なるものは、第一に恩給制度を保険数理基礎の上におこうといたしておりますこと、第二には、いわゆる官吏のみの恩給制度でありましたものを、広く一般職公務員に拡充しようと考えておりまする点であろうと思つております。従つて人事院の勧告が、将来現行恩給制度のどのような点に影響を最も及ぼすかと申しますれば、これらの点であろうと存じます。    〔山下義信君「只今答弁になお不満の点がありまするので、再質問のお許しを願いたいと思います」と述ぶ〕
  11. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 時間が一ぱいでありますから再質問は……。    〔山下義信君「まだ私の質問答弁しておりません。戦没者の数、又生活保護法生活困窮者、遺族世帯数及び人員の発表を求めております。この御答弁を願います」と述ぶ〕    〔「時間の問題ではない」「答弁洩れだ」と呼ぶ者あり〕    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  12. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 戦没者の数の調査は非常に困難でございまして、十分に正確を期することはどうかと思いますが、只今政府で調べておりまるのは、大体百六十七万なにがしでございます。(「予算の計上と違うじやないか」と呼ぶ者あり)生活保護法のほうは、厚生大臣から御答弁があります。    〔国務大臣山縣勝見登壇拍手
  13. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) 今回の旧軍人に対しまする恩給支給によりまして、生活保護法の面から外れると申しますか、さような人数に対してお答え申上げたいと思います。  大体各種の恩給の受給者が二百十八万九千百七十人であります。それに対しまして、例えば増加恩給でありますと、世帯人員を四・七、或いは被保護者の率を一七%といたしまして算定いたしました結果、大体三十万五千百四十四人、これらの方々が、軍人恩給支給によつて生活保護法の面を外れる。かように考えております。大体においてそれの平均額は六百二十三円八十四銭と算定いたしておりますから、(「遺族世帯数を聞いておる」と呼ぶ者あり)それを年間にいたしまして、額にいたして約十八億になるのであります。(「答弁が違う」と呼ぶ者あり、拍手
  14. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 成瀬幡治君。    〔成瀬幡治君登壇拍手
  15. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は日本社会党を代表いたしまして、政府提案による恩給法の一部改正について若干の質問をいたします。その前に、吉田総理に私は質問するように実は用意しておつたのでございますが、総理は例の所労によつて出席ないのであります。参議院軽視なのか、或いは政治に対して熱意と責任感を失われたのかわかりませんけれども、そういう熱意と責任感のない人に、お答えを願うのも如何かと存じまして、(笑声)官房長官に、副総理としての緒方さんに御答弁を願いたいと思います。  そこで先ず緒方副総理にお伺いするのでございますが、軍人軍属関係恩給法の停止は覚書に基く勅令六十八号でなされて、その精神は平和憲法とも重大な関係があるのでありますが、傷病者並びに遺族に対する今日までの政府態度或いは施策などを考えて参りますときに、今回の処置はどうしても納得のできない点があるのであります。軍人恩給復活によるところの今回の改正は、どういう精神に立脚してなされておるのか。戦争の犠牲者は単に軍人だけでないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)どういう精神に立脚して今日のこの改正をなしたのか。警察法、独禁法などと共に、占領政策の是正であるとか、或いは行過ぎの点を是正するのだというふうなことも承わつておるのでございますが、そういう意図によるのか、お答え願いたいのであります。  第二点は、憲法第二十五条、国家公務員法、マイヤース勧告など、いずれも社会保障制度の確立を示し、社会保障制度審議会が二回に亘つて厚生年金保険、公務員の恩給軍人恩給などの年金制度について勧告並びに意見書を発表しております。その内容は、貧困を防ぎ、国民の最低生活を保障するためには、現行法のごとく各種年金制度がその理念の明確さを欠くことによつて、甚だしく不均衡に陥つておる点を指摘し、近代的な社会保障の理念に基いて、総合一貫性のある公平にして而も均衡のとれた制度に整備すべきであると、その必要性を強調しておるのであります。即ち社会保障制度の確立によつて問題を総合的に解決すべきであると主張しております。これは全く私ども同感でございまして、そうして間違いのない正しいことだと思います。政府はこの正しい勧告、意見に対しまして、あえて耳や目を塞いで、恩給法特例審議会を新らしく設け、その建議案を中心として単に軍人恩給復活のみを主点としたところの法律改正を今回提案しておるのでありますが、政府恩給制度年金制度に対して、基本的に如何なる態度を今後とろうとするのか。抜本的、総合的見地から、社会保障制度の一環として恩給制度を再検討する用意があるのかないのか、併せてお答えを願いたいのでございます。  現行法で社会立法として一応考えられるところの健康保険、生活保護社会福祉、児童福祉、それに厚生年金恩給などありますが、これらはすべてそれぞれ違つた行政機構の上で、それぞれ独自の立場から問題が取上げられております。そのために独善的に、名目的に終始しておつて国民生活の安定、民生の安定には、政府が言うがごとく、又期待しておるようには実績を上げておらないのが事実であります。政府は本当に国民生活の安定、民生安定のことを真剣に考えられ、その施策を進めるというなら、この雑然としたところの理念の下で、不公平、不均衡、而も独善的なこれらの施策を社会保障制度の理念の下に総合的に解決を図るべきであると考えます。これらの社会立法は、口先だけで国民をこまかすためのものであり、国民に言訳をするために法律を用意しているのだと、こう政府が言うなら問題は別であります。現下社会保障制度の確立は急務あるにかかわらず、今回単に軍人恩給のみを復活させるところのかような法案を提案し、基本的、根本的に問題の解決を見送つてお茶を濁そうとしておるのでありますが、その態度は全く了解に苦しむ態度であり、研究或いは準備が不足しておつて出せなかつたというならば、その怠慢の責任は免かれ得ないものがあるのであります。  吉田総理は、道義の高揚をしばしば説かれるし、又社会不安からの暴動に備えるための保安隊の設置、増強を力説されて参りましたが、およそ道義の頽廃であるとか、社会不安の原因は、時の政治が公平、明朗、而も民主的に行われているかどうかにかかつておるのであります。或る一部の者のみにうまい汁だけを吸わして、他方に犠牲、負担を強要するような不公平な独善的な施策は、国民の間に不平不満を起させ、社会に動揺を与える以外に何の役にも立たないのであります。均衡のとれた公平な犠牲、負担は、たとえ国民は苦しくとも、不平不満を言わないものでございます。保安隊を設け、警察法を改正して、威嚇と権力によつて社会不安の除去と防止に努めましても、それは防ぎおわせるものではありません。国民生活の安定こそが、すべて唯一にして根本的解決策であります。それであるにもかかわらず、民生安定関係費は七百三十億で、県予算の七%にしか過ぎません。而もこの割合は、昭和二十五年度から据置のままでありましたが、今回これに恩給関係四百五十億は加わりますが、それでも余りに少な過ぎるのであります。七百三十億と四百五十億の計千百八十億で総予算額の約二%に当るのでありますが、諸外国の例をとりましても、これは余りに少な過ぎます。これでは今次戦争犠牲者に対して不公平、不均衡な差別的な取扱いをしなければならない結果になつてしまいまして、国民生活は安定しないし、又不公平、不平不満から来るところの社会不安は取り除けないのであります。従つて威嚇と権力、力の政治というような結果になるのであります。力の政治は、即ち政治の貧困から来るのであります。力の政治は、国民に如何に悲惨、苦しみを与えるかは過去の歴史が雄弁に物語つております。吉田内閣がすでに政治に力を必要とすることは、公平な民主的な政治をやらない物的証拠であります。向井大蔵大臣は、この際国民生活の安定と戦争犠牲者が、公平にして均衡のある取扱いを受けるために準軍事費予算と目されるところの千六百五十億と前年度残の六百億、こうしたものをすべて恩給制度などを含めたところの社会保障制度に廻す用意がないのか。又追加予算考えておるかどうか。この点をお伺いするのでございます。  次に、本法案の提案責任者であるところの緒方官房長官にお尋ねしますが、今次戦争によるところの犠牲は、単に軍人のみではない。国の補償、救済は戦争の犠牲、被害を受けたすべてのものに対して公平にして納得の行く処置がとられなければならないのであります。今次戦争によるところの最大の被害者は般の国民であります。特にお気の毒に堪えないのは、一般人で空襲、爆撃などで死亡された人、傷を受けて一生不具の身になられた人、又勤労学徒、徴用工、挺身隊、勤労報国隊、それから船舶関係などで死亡し又は負傷した人々であります。政府はこれらの人に対して補償をしたというのか、又生命は保つておるとしても、戦災によつて職業を失い、家を失い、その生活の根拠を失つた場合には、国民に何の体補償をしたと言うのでありますか。戦争の犠牲は単に軍人のみではありません。差別待過を何故やるのか、又何故般国民とこの軍人との差別待遇を行うのか。又法律に種々除外規定を設けておりますために、同じ軍人であつても差別待遇を受けるのであります。即ち連続勤務七年以下の者は、退職金すらもらえないのであります。又加算を認めておらないことによつて多くの軍人は何らの恩典にも浴せないことになるのであります。これらの人が一般応召兵であることは勿論であります。これでは軍人の中の特権階級たる職業軍人のみが応召兵の犠牲によつて救われることであつて、(「その通り」と呼ぶ者あり)特権階級職業軍人優遇のために本法案を提案したというのであるか。又負傷者の中で七項症以下二日症までは、終戦時の兵にして最高万八千円の時金の支給がなされておるのですが、これで事足れりとし除外したというのでありますか。無給軍属は、死亡し負傷した者でも全部が現在まで何らの国からの恩典を受けておらないのであります。これらの人は放つておけばそれでよい。こういう態度でありますか。数え上げれば、私はきりのない不均衡、矛盾がこの中から出ると思うのであげますが、官房長官にしつかりお答え願いたい点は、今次戦争の犠牲者は単に軍人のみではない。戦争犠牲者すべてが公平に均衡のとれた補償を受けなければならないと思うが、何故に差別酌取扱いをするのか。旧法律に準拠したから止むを得ないと言うなら、国の保護は万人に対して平等であり、基本的原理に基いて悪法は潔よく改めてやるべきが最も妥当だと思うが、(拍手)どうしてこうした差別待遇をしておるのかお答え願いたい。  第二点は、先に述べましたところの補償や救済から除去され、取残されておる人たちへの対策はどうなつておるのか。第三点は、一般年金に対しまして、公務員給与のベース・アップがなされたときに、いつも問題になるのでございますが、今度のこうした年金制度に対しては、公務員のペース・アツプがなされるときに同じようにやるのかどうか。この三点をつ明確にお答え願いたいのであります。  なお副総理としての緒方さんにお伺いしますが、法律の附則の第二十四条の第二項で、戦争の元兇たるA級戦犯に対しまして、拘禁が解除されたときは恩給その他を支給するというのでありますが、B級、C級戦犯は別といたしまして、戦争責任者であり、元兇であるA級戦犯に恩典を与えられて、そうして他方多くのこの戦争犠牲者を見向きもしないのは全く了解に苦しむのであります。公務員の恩給は、懲役に処せられてさえ恩給権は消滅するのであります。矛盾も甚だしいものがあります。今次戦争責任は体誰が負うのか。誰が責任者と考えておるのか。平和を念願している多くの国民に与える影響並びに世界の国々に及ぼす影響も重大と考えますから、本法案の提案の狙いが何であるか。これと関連して、一つお答えを願いたいのでございます。  次に山縣厚生大臣に伺いますが、戦争によるところの傷病痍者で現在なお治療を受けるために療養所或いは国立病院に入つておるのでございますが、昭和二十四年四月以降、国庫補助の減額と国立病院、療養所の独立採算制のため、入院患者に対して厚生省が勝手にこの人は扶養者があるのかないのかを断定いたしまして、扶養者のある者に対しましては、入院費を請求しておるのであります。そうしてその支払がなされないときは、こういうことが書いてあるのであります。「種々御都合もございましようが、御支払が遅れますと、貴殿に対し御迷惑をかけるような手続を執らなければなりませんので、何月何日までに是非御払込み下され度く」云々と、こういう請求書が出されておるのですが、これは言葉は丁寧でも、支払がなされない場合は病院から、療養所から追出すということであります。傷病痍者にとりましては、全くの脅迫状であるのでありますが、傷病痍者の家庭を考えて参りますとその生活の中心を失つた家族は自分たちの生活を支えるのが、私はやつとだと思うのでございます。一体こういう人たちは、今回の改正によつて優遇されるのか。もう脅迫状をもらわないでもすむのか。この点をお答え願いたいのでございます。次に、傷病痍者に対するところの職業斡旋であるとか或いは職業補導をどういうふうにされておるのか。私は大臣といえども、十分であるとはお考えになつておらないと思う。今後どうされるかお答えを願いたいのでございます。  最後に官房長官に伺いますが、本法案は要するに戦争犠牲者の犠牲の上に職業軍人たる特権階級を作り出すものであり、戦争犠牲者の多くを除外するための法律であります。不公平と不均衡を社会に産み出すところの法律であります。内容におきましては、家に対するところの観念は恩給法援護法とが違つておるのでございます。公務員法にないところの雇用員を恩給法では認めておるのでございます。常勤的非常勤職員に対して恩給はどうするのか。とにかく矛盾と穴だらけの法案でございます。困苦と窮乏に喘ぐところの老人、未亡人、傷病痍者、孤児等は、すべてが旧軍人関係ばかりではございません。国の保護は、万人に対して平等であるべきが鉄則であります。一部の特権階級の満足をさせるがために、他方に多くの犠牲を強要するような、こうした片手落の本法案は、この際あつさりと撤回されて、社会保障制度に立脚されて再提案をされるところの意思があるのかないのかをお伺いしまして、私の質問を終ります。(拍手)    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  16. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) お答えをいたします。  旧軍人恩給復活した理由は奈辺にあるのかというのが最初の御質問と承りましたが、政府といたしましては、本来文官恩給が存続いたします限り、軍人恩給廃止すべきではなかつたという考えでおるのであります。戦争後、占領軍の覚書によりまして一時これを停止又は制限いたしましたけれども、今日再び日本が独立を回復いたしました以上、同時に文官恩給が存続されておりまする以上、やはり軍人恩給復活すべきであると考えまして、先に恩給法特例に関する件の措置に関する法律を議会の承認を得まして、それに基いてやつたような次第でございます。  なお社会保障制度を確立して、恩給法等に関する措置はすべて総合した一貫性のあるものにすべきではないかと———これは私は理想といたしましては全く同感であります。ただ今日旧軍人生活状態を見まして、この社会保障制度の確立を待つ余裕がありませんので、政府はこの前の国会に、今申上げました恩給法特例に関する件の措置に関する法律案提出いたしまして、国会の承認を得まして、それに基いて恩給特例審議会を作り、その審議会建議に基いて、今回の恩給法の一部改正に関する法律案提出いたしたような次第でありまして、すべて国会の御承認に基いてこれを行なつておるのであります。旧軍人のみに厚いではないかという御意見もありますが、それは国会の御承認を得た上でやつたことでありまして、その点につきましては、国として止むを得ない措置であつたと考えるのであります。  それからA級戦犯について恩給をどうするつもりであるかというお話であります。これも、いわゆる戦争挑発者の最も責任の重かつたものは、すでに生存していないりでありますが、その他のものにつきましては、やはりそれが旧軍人でありました以上、恩給法上の措置といたしまして、一般軍人軍属及びその遺族並びに一般公務員及びその遺族と同様であるべきものと考えまして、これに恩給を給する考えでおります。併しながら諸般の情勢から、拘禁中のものの恩給は、拘禁中は支給をいたしておりません。  それから戦争犠牲者の解釈は、一体どうとつておるか。今回の措置は、職業軍人のみを対象としておるが、広く戦争被害者に対して国家保障の途を講ずべきではないかという御質問でありますが、今回の改正は、決して職業軍人のみを対象といたしたものではないのでありまして、今度の復活によりまする旧軍人恩給の大部分は、職業軍人にあらざる軍人及びその遺族扶助料であるのであります。戦争被害者全般に対しまして国家保障の措置を講ずることは、勿論これは国として責任を感ずることではありますけれども、今日の国家財政の現状からいたしましては、直ちに如何ともいたし難い状態にあることは御了承を願うほかはないと考えております。(拍手、「撤回しなさい」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣向井忠晴登壇拍手
  17. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 今度の予算におきまして、防衛支出金とか保安庁費というふうな性質の費用がございますのは、これは必要止むを得ざる経費で、ございまして、これを割いて民生安定のほうに廻すということは、遺憾ながらできないのでございます。追加予算というお話でございましたが、これを編成する意思はございません。(拍手)    〔国務大臣山縣勝見登壇拍手
  18. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答えを申上げます。  只今お尋ねのごとき傷庫軍人方々に対する療養の問題でありますが、未復員中の公務傷害によつて傷害等を受けられた方々に対しましては、従来は未復員者給与法によつて、帰つて来られて病院におられましても三年間は無料で療養をいたし、なおその間、若し必要ならば、厚生医療費の給付とか或いは補装具の交付とか、或いは症状が固定いたしたような方々に対しましては国立療養所に入るとか何とかいうことで、万全の措置を講じておりますが、なお、さようにして三年間療養いたされても、ただ治癒がいたさんような方々に対しましては、更に三年間延長いたして療養を続けております。只今お尋ねの方々は、さような未復員中の公務傷害に該当しない方か、或いは又一応療養所等において治癒いたしたと認定いたした方か、何らかさような、どう言いますか、未復員者給与法、今後は留守家族等援護法によりますが、さような条件に該当しないような方ではないかと思いますが、なお応調べてみたいと思います。該当する方々に対しましては、法律の規定によつて万全の治癒に対する措置を講じております。(拍手
  19. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 松原一彦君。    〔松原一彦君登壇拍手
  20. 松原一彦

    ○松原一彦君 この問題は、いろいろ多岐に分れます。詳細は委員会のほうでお尋することとしまして、私は三つの質問と一つの希望とを申述べたいと思います。  第一は、政府は元軍人に対して如何なるお考えをお持ちになるかという根本の考え方を一つお聞きいたしたいのであります。戦争終結後における占領軍の治下にありましては、戦争という思想を根絶し、そうして軍事に加担したる者は子々孫々に災いがあるぞよという、一つの懲りさせる手段をとつて参つたのであります。従つて勅令第六十八号のごとき、軍人を殆んど懲罰に付するような性質のものをも用いたのでありますが、併しこれは占領治下であります。政府も止むを得ずこれに同ぜられたものとは思いますけれども、その占領が終つた七年後の昨年四月、独立した時には釜の蓋があいたのであります。釜の監があいた以上は、ここに何らかの新らしい考え方が、手段が用意しておられなくてはならなかつたのでありまするが、用意せられたのは六十八号を一カ年間延長するということであつた。そうして申訳ばかりの援護法が備えられたに過ぎなかつたことは諸君も御承知の通りであります。一体こんなことでよかつたのかどうか。戦争に従事した者を懲罰するというのならば、必ずしもわからんことはありません。元凶は懲罰せられております。併し西ドイツは一九五〇年十二月、今から三年以前に、国費の二割以上を割いて立派にこの戦争に従事した者の救済をいたしておる、恩給を与えておる、援護もやつておるのであります。一体日本政府は何をしたか。元軍人は伏して叛乱者じやないのであります。法によつて戦さをした、命によつて降伏したのであります。応召者といえども、或いは職業軍人であるといえども、勝手に戦さをしたのでもなければ、勝手に降伏したものでもない、腹かつさばいて死ぬべきはずであつたけれども、命によつて万止むを得ず降伏しにのである。これに対して、世間は誠に冷たい眼を以てこれを見ておる。今日の質疑の中にも、相当私は軍人に対する反感が出ておると思う。私どもは平和を愛好し、戦争を憎むことにおいては断じて人後に落ちません。併しながらそれあるが故に、曾つて日本の極めて忠良であつたところの軍人に対して侮辱を加えることは、私は許されんと思う。(拍手)皆さん、今度の戦争は負けました。負けたけれどもが、兵隊が弱くて負けた証拠はどこにあります。軍人が弱くて負けたのじやないのです。むしろ軍人は強過ぎたのです。強過ぎたから、世界の憎しみの眼がここにかかつて来ておるのである。負けたのは原子兵器がなかつたからである。国力が乏しかつたからである。負うべき敗戦の責任は、これは国が負うべきものであつて、成る一部の軍人のみに負わせるとは、誠に残酷であると私は思うのです。(拍手)そういう性質のものではない。現に国会はこれを協賛しておる。政府がこれを敢行し、天皇がこれを命じておる。それを敗戦の今日、今になつて軍人だけに責めを負わせ、而も職業軍人だけに責めを負わせるかのごとき言辞が弄せらるることは、私は甚だ当を得ていないと思う。そういう性質のものじやない。国を挙げての不明である。全国民を挙げてこれは共同の責任と申さなければならんと思うのです。従つて戦後の処理に対しまして、戦争というものに対する強い反省から、今後かくあるべしということを論ずるのは何ら異議がありません。新憲法の下において、平和第一主義であるべきことは当然でありますが、と申してかくのごとく残酷に、七年以上も軍人を食われないような目に遭わして、そうして済むかどうか。政府は一体今回の恩給法復活すると申しますけれどもが、恩給じやないのであります。上を削り、下を削り、真ん中を削り、恩給の体をなさない恩給がここに生れようといたしておる。勿論国の財政が乏しいから万止むを得んというならばわかります。それならば私は礼を厚うして、相済まないが債務は払えないと言うべきものである。当り前だといつたようなふうに、蹴飛ばすような態度をとるべきものではないと思う。この点に対しまして政府は、元軍人に対して如何なるお考えをお持ちになるかを承わりたい。これが私の質問の第一点であります。  とは申すものの、戦争によつて日本の国は夥しい打撃を受けております。先祖伝来の田畑も、農地改革の下には取上げられておる。在外資産も失われておる。権利必ずしも権利じやない。公共福祉のためには我々の権利は抑制せられます。軍人恩給といえども或いは抑制せられて然るべきでありましよう。それならば、すでに軍人というものがなくなつておる今日に、軍人主体としたる恩給復活考えることは如何なものでありましよう。勿論昭和二十一年法律第三十一号第二条は、従前の務員であつたものが恩給をもらう場合においては、「なお従前の例による」とありまするから、恩給は続いておるのであります。軍人恩給は厳として継続いたしておる。軍人が公務員である以上は、国家公務員法第百七条によれば、公務員であつて相当年限忠実に勤務した者に対しては、恩給を与えねばならんということは明記いたしてある。それならば一体軍人がいつ忠実に勤務しなかつたか。法律の命ずる担当年限勤めておる。従つて正当なる恩給を給することは当然である。恩給であるから階級差別がつく。退職当時の条件に応じというのは、即ちその退職当時の俸給であります。その後において適当なる生活を支うるに足るべき給与所得を与えねばならないと書いておる。この恩給法の精神も、国家公務員法の命ずる通りにおとりになるならば、正しい恩給を与えねばならない責任がある。儲けるはずで戦さをしたが、実は負けた。だからしてお前ら戦争したやつはけしからんというわけには私は参らんと思う。儲けようが儲けまいが、勝とうが勝つまいが、明治維新以来厳として戦争に行く者に対しては、国家保障がつけてある。それが恩給法である。それをこの際若し形を変えるならば、元軍人恩給特別措置法とでも申すべき別個の法律を制定し、生活保護でもない、援護でもない、この大戦争の後始末をつけるべき一つの新らしい創作的な考え方を以て臨まれることが正しいのじやないかということをお尋ねする。これが第二点です。  第三点は、恩給に対する考え方であります。一体恩給というものに対する考え方をどうお持ちであるか。この文字がよろしくない。恩賜の恵与といつたように聞える。これあるがために今日どれほど迷惑しておるかわからない。今日天皇の恩恵によつて給与を受けておるのではないのであります。それならば一体政府は、恩給というものをどう考えて今後処理しようとせられるのか。勿論国家公務員法には、只今申しましたように、恩給に対する定義もありますが、それは実は政府は行なつていないのであります。私は恩給は恵与ではないと思う。恩恵でもない。捨扶持でもない。当然、相当年限会務に従事したる者が、忠実に勤務した場合、不忠実ならいざ知らず、忠実に勤務した者に対しては、その退職後における昔の地位に相当する、相当生活のできることをば保障するだけの所得を与えねばならないという、新国家公務員法に命ずるところの恩給の定義が守られなければならないのだと思うのでありまするが、これに対して政府は如何なる所見をお持ちでありましようか。  私の最後の希望と申しますのは、皆さんもう幾度か日本には恩給亡国論が起つておる。今日再び私は起るであろうと思う。不生産的な恩給などによつておびただしい国費を割いてはならないという議論が必ず起るでありましよう。これを防ぎとめるのは、さつき浅井人事院総裁がここで以て説明せられましたように、恩給法というものを全然変えて、これをば保険数理の下に組直して、俸給の中から一定量の醵出金をとつて、これを積立てるところの特別会計制度とし人事院において管理するという、あの法文の通りに行なつて行くならば、私は恩給亡国論は断じて起らんと思う恩給を公務員に付ける最も大きな条件の一つは、長年の勤続であり、能率を高めることであり、その公務員の数を少くすることであり、彼らの後顧の憂いなからしむるところの条件を以て忠実に勤務せしむるということが恩給法制定の根本原則と思う。これが行われなかつたならば、将来私は公務員に安定の生活をさせることはできないと思う。この原則の上に立つて、一日も早く国家公務員法の制定と共に、恩給法が新らしい角度から年金法とでも名を変えて設けられねばならないのにかかわらず、昭和二十二年十月に国家公務員法が制定せられ、すでに五カ年以上を経過して、なお且つ今日、その姿を現わしておらん。若しこれが新らしい意味においてできておつたならば、今日は軍人恩給復活などは、ここに出て来わしないのであります。別個の恩給法が新らしく積立制によつてできた場合、軍人恩給は、これは保険数理ではできないのであります。一遍に大量の者が死んでしまうのである。殊に今後の戦争ではどういう者が死ぬかわからない。何人戦死が出るかわからない。それは保険数理ではできない、積立性ではできないのであります。これは別値のものにしなければなりませんが、日本にはもう軍人はないのであります。軍人に似た者は保安隊、警備隊となつて現われておりますが、これは国家公務員でありますから国家公務員の恩給法によつて結構賄える。私は政府が一日も早くこの人事院の勧告を容れて、ロバート・マイヤースがすでに明らかにしておるような、あの保険数理に基く新恩給法を一日も早く制定して、すべての公務員に安心して公務に従事せしめると同時に、かくのごとき場合における元軍人等の処理があいまいな間に、いい加減な、恩給でもなければ、援護法でもないと言つたようなふうに処理せられないようにせられることをば特に希望申上げまして、私の質問を終ります。(拍手)    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  21. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) お答えをいたします。  元軍人に対してどういう考えを持つておるかという第一の御質問でありますが、終戦後、戦勝国が戦敗国に対する多少懲罰的な意味もありまして、軍人恩給の停止又は制限を命じましたけれども、今日になりまして日本が独立を回復いたしました今日、戦争責任を元軍人にのみ負わして行くことは、これは私は正義に反すると思う。それが今日旧軍人恩給に特別の措置を講じました根本の理念であります。  それから第二に、元軍人恩給につきましては、元軍人恩給特別措置法ともいうべき別個の法律を作つたらどうかという御質問でありますが、今回軍人恩給復活するに当りまして、元軍人諸君の殆んど圧倒的とでも申してよいと思う希望は、これが既得権に属する恩給である、決して社会援護ではないのだ。恩給である形と、それから文官との平等ということが圧倒的の希望であります。私は、それがそれらの人の希望である限り、これを政府の今回の措置に取入れるのはむしろいい態度であると考えるのでありまして、今回の恩給法改正をいたしましたような次第であります。  それから第三の、国家公務員の新らしい恩給制度についての御意見でありましたが、これは先ほど来、人事院総裁からも他の質問者に御答弁いたしましたように、人事院において目下根本的に研究中でございます。以上であります。(拍手
  22. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 木村禧八郎君。    〔木村禧八郎君登壇拍手
  23. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 割当時間が五分しかございませんので、旧軍人恩給復活の基本的な考え方、根本理念につきまして御質問をいたしたいのであります。繊細は予算委員会その他において質問いたしたいと思います。  私は、この軍人恩給復活の問題は、戦争犠牲の衡平化の一環である。そういう点から、これの問題を見なければならないと信じております。もう軍人制度というのはないのであります。軍人恩給の停止されましたのは、これは戦争の犠牲なんです、やはり。軍人制度がないのに、その制度を前提として作られた軍人恩給復活するということは、その基本においてやはり軍人制度というのが依然存置されておるのである。これは私は根本品に間違いである。恩給が停止されたのは戦争犠牲なんですよ、やはり。そういたしますとですよ、戦争犠牲の観念からこの問題を考えますれば、戦争犠性とは、財産上の犠牲と身体生命の犠性と二つあるわけであります。そこで政府は、旧軍人に対して身体生命のこの戦争犠牲を救済する以上は、財産上の戦争犠牲或いはその他の身体生命、そういうものの戦争犠牲を救済しなければならんと思う。これでは戦争犠牲の衡平化が期せられない。財産上の戦争犠牲には、在外資産の喪失、或いは戦災、疎開、或いは農地改革、企業整理、預金封鎖による切捨等たくさんあります。更に又身体生命の犠牲につきまし、ては、軍人軍属で亡くなつた人、これは二百万人、そればかりでなく勤労報国隊、挺身隊、学徒報国隊、徴用工、船員、こうした人たちもありますし、その地空襲、原子爆弾によつて受けた戦災者三十万人がおります。或いは又栄養失調その他間接的な戦争影響によつて生命を失つた人がたくさんおります。従つて政府は、旧軍人恩給復活によつて一部の戦争犠牲者を救う以上は、私はそういう今挙げたところの広汎な戦争犠牲者政府はこれから救済して行く。そういう方針をお持ちになつているのかどうか。そうでなければ戦争犠牲の衡平化は期せられません。そうでなければ、これは軍人制度復活を前提としたものと断ぜざるを得ない。併しながら戦争犠牲を全部これを救済するとしたら、財政上これは大変なことになる。軍人恩給復活の観念から言つても二千億円は要ります。併し軍人恩給制度だけでこれを貫こうとしても矛盾があるのですが、戦争犠牲の衡平化の観念から、やはり私は数千億円要ると思います。併しそれでは実際に解決できない。そこで私は戦争犠牲を実際的に衡平化する途は、この問題を社会保障として考えるべきであると思う。そうして旧軍人遺家族或いは徴用工、学徒報国隊その他空爆或いは原子爆弾によつて亡くなつた人たちの遺家族生活に困つたり、そういう人たちについて社会保障の観点から私はこれを救済する。この観念によつて私はこの問題を処理しなければ、矛盾撞着、あらゆる点において矛盾撞着をして行くと思うので、私はこんなおかしい法律案はないと思う。従いまして政府は今後、その他の戦争犠牲についても、順次これを戦争犠牲の衡平化の観点から救済するという気持をお持ちになるか、身体生命或いは財産上の犠牲について……。そうでなければ、この問題は非常な不衡平を来たすと思います。旧軍人制度復活を予定していると言われても、私は弁解の余地はないと思う。特に身体生命犠牲の衡平化を期する場合に、大将が四十九万、中将が三十九万、少将が二十九万、その他一等下の人が五万五千円、このような戦争犠牲の衡平化、このような戦争犠牲の衡平化がございますか。一体政府戦争による犠牲をこれまでどういうふうにして衡平的にこれを処理する政策をとつて来たのであるか。戦後の諸政策は不衡平極る。大きな資本家を戦争によつて儲けさせ、インフレによつて儲けさせ、そうして今度又軍国主義の復活によつて軍需生産を中心にして儲けさせているじやありませんか。私はこの点から、この四百五十億円という今の日本国家財政から見て相当大きな金額を見積つた軍人恩給に対して、どういう理念から、どういう立場から、この改正案をいたされたか。これは私ははつきり承わりたい。今日総理大臣はいらつしやいませんが、他日総理大臣から明確な御答弁を伺いたい。併せて官房長官、それから大蔵大臣に対しましても、四百五十億の予算を組んだ以上、これに対するはつきりした理念がなければならんはずである。それから厚生大臣におかれましても答弁を要求いたしたいと思います。  これを以て私の質問を終ります。(拍手)    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  24. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) お答えいたします。  只今木村君のおつしやつた御意見も確かに私は一つの御意見であると考えます。今日におきましても、旧軍人恩給のみを取上げるのはどうかという議論もありますし、又旧軍人恩給そのものに、正面から反対する意見もあるのであります。そういう事情がありますために、政府といたしましては、この旧軍人恩給と称せられるものを復活するにつきましては、特に慎重な態度をとりまして、前の国会に恩給法特例に関する件の措置に関する法律案というものを出しまして、そうして国会の慎重なる御検討を頂いて、その法律に基きまして、特例審議会を作つて、その審議会建議に基きまして今回の法律案を用意したような次第でありまして、金額といたしましては今お話がありましたが、若し旧軍人恩給をそのまま復活いたしますならば、恐らく千三百億以上に上ると思います。又建議案そのものでは六百五十億以上だつたと思いますが、それを国家財政と睨み合せまして、今回の、年間といたしまして五百七十億程度のものに圧縮をいたしたのであります。最初よりこの軍人恩給の問題につきましては、世上いろいろな問題がありますので、この法案を用意いたしまするまでには、いろいろな角度から研究をいたし、特別に慎重な態度をとつて参つたということを御了承をお願いいたしたいのであります。(拍手)    〔国務大臣向井忠晴登壇拍手
  25. 向井忠晴

    国務大臣向井忠晴君) 旧軍人恩給につきましては昨年の六月以来、恩給特例審議会において慎重に検討を加えました結果、公務による経済獲得能力の喪失者に対しては、国家が使用者としての立場から保障するのが恩給制度の本旨であり、これらの旧軍人軍属及びその遺族生活の現状に鑑みまして、これ等の者に対して相当恩給を給すべきものであるという審議会建議趣旨尊重しまして、現在及び将来の財政の許す限度において、これを復活しようと存じたのでございます。只今戦争による犠牲はできるだけ衡平化すべしという御意見は御尤もでございますが、これには諸般事情を勘案しなければならないので、先ず軍人恩給は、その大部分遺家族戦傷病者等に支給されるものであつて、且つそれが公務に起因したものであるので、この際これを取上げる必要があると存じます。(拍手)    〔国務大臣山縣勝見登壇拍手
  26. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答えを申上げます。  戦争犠牲の衡平化という見地から、旧軍人以外の一般国民、殊に勤労学徒、或いは徴用工、或いは船員等に対して、どういうふうにするかというお尋ね、その他、ございましたが、徴用工なるものは、只今指摘のものに対しては、御承知の援護法によつてすでに給付金を出しております。なお船員につきましては特に考慮をいたしまして、今回の援護法改正に当りましては、いわゆる援護の対象に改めて入れましたのでありますので、その他の一般国民に対して、戦争犠牲衡平化の日地から、社会保障制度的の或いは場合によつて恩給法の対象としてはどうかという御質問でありましたが、その点につきましては、只今官房長官並びに大蔵大臣の仰せられた通りであります。ただ政府といたしましては、社会保障見地に立つて、その面の推進に当りましては、先ほど他の議員からの御質問に対してお答えした通りでありまして、例えば今回の恩給の四百五十億の中の普通恩給は三十億でありますが、三十億を仮に社会保障のほうに廻しましても、只今大蔵大臣のお話のように、これは主として公務扶助料でありますから、やはり社会保障制度の役目を大半は果しておるのであります。なお現在、昭和二十八年度の予算政府が要求いたしております将来の社会保障費は、大体このプロパーのもので六百億ばかりのものでありますが、そういう見地から申しましても、三十億、而もそれが殆んど公務扶助料でありますが、遺族方々に廻るものでありますから、さような見地から、これは必ずしも恩給と、それから社会保障とは別個のものにあらずして、大半はいわゆる社会保障意味を持つておりまする公務扶助料に廻るのであります。  なお、社会保障制度の推進に対する御意見に対しましては、先ほど来たびたび御答弁申上げております通り政府は今後とも努力いたしたいと考えております。
  27. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 岩間正男君。    〔岩間正男君登壇拍手
  28. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は日本共産党を代表して本改正案に対し総理並びに関係大臣に質問する者であります。  先ず総理に対して尋ねたいのでありますが、今議事堂の向う、三宅坂に立つている平和の群像の前にテントを張り、戦傷病者のぎりぎりの書くの要求貫徹のため、不自由な身体を張つてつている戦傷病者の一人は、次のように語つているのであります。「都内の街頭やお祭りで私たちが募金をすると、乞食は問題にしないでそのままに放つている日本の警察は、私たちに対しては、まるで親の仇のようにおどかし、そして追払うのです。」と言つているのであります。政府が本当に戦争犠牲者の救済を真剣に考えているならば、先ず戦傷病者の問題を解決すべきであると思うのである。今まで戦傷病者遺家族は、ぎりぎりの生活を何とかしてくれと要求して来たのであります。ところが政府と自由党は、マッカーサーの支配下にあつたときにおきましては、占領政策のため旧軍人を特別には扱えないのであるとうそぶいて来たのである。この点をよく耳に入れておいてもらいたい。旧軍人を特別には扱えないのであると言つたのであります。この点をよく耳に入れておいてもらいたいと思う。ところが今になつて、独立の破れ太鼓を叩いて出して来たところの軍人恩給とは一体どんなものか。戦傷病者遺家族生活を保障することなく、その他の戦争犠牲者は全く一顧さえ与えられず、大将、中将をはじめとする職業軍人とその遺家族だけが、感謝に堪えない待遇が与えられるというしろ物であります。この法案に対し戦傷病者はもとより、生活に喘いでいる兵士諸君の遺家族は挙げて反対し、喜んでいるのは職業軍人のみであるという事実に対し、総理は何と一体答えるか。この答弁が承わりたいところであります。  緒方官房長官は、二月初め衆議院の面会所で、両眼を失い、片手をも失つた一戦傷病者代表に訪ねられたことをよもやお忘れになつてはいないと思うのであります。その戦傷病者はこう言つている。会社がつぶれれば退職金が出る。軍国主義日本も一度解散し、その際高級将校はしこたま退職金を抱えて帰つたはずです。兵士は雀の涙どころか、一銭ももらわなかつた者が多い。生活に困つているならいざ知らず、今回大将は年に十六万円などと優遇され、生きることもできない私たち戦争犠性者、今生活に喘いでいる困窮者は放つたらかしにされている。これは一体どういうことなのか、と激しく詰問されたことをよもやお忘れにはなつていないと思うのであります。私はこの日本国民の憤りの言葉をそつくり私の質問として、官房長官の明快な答弁を求める者であります。  この法案こそは、戦争の悲劇を忘れさせ再び戦争をしようと企らんでいる者の作つた法案であると言わざるを得ないのであります。職業軍人優遇して鼓舞激励し再軍備に拍車をかけ、軍国主義の黴菌をばら撒かせよう。そうしてもう一度、日本の平和を愛する国民を騙し、米日反動のために殺し、片輪にしようと企らんでいるのであります。これこそはアイゼンハワーの叫んだアジア人同士をして戦わしめよという米国の政策の具体的な措置であり、日本国民を今度は日本のためじやなく、アメリカ製の墓場に導こうとする一つのわなにほかならないのであります。  私はここに戦傷病者遺家族生活の事実の上に立つて改正案を見たいと思うのでありますが、戦争病者に対しては、増加恩給が与えられるが、片脚を失い、働く職場のない元二等兵に対しては、年七万五千円しか与えられないのであります。この増加恩給にも、大将から二等兵までの階級差がつけてあるのであります。そうして第七項症以下の人のうち、殆んど大部分の十四万は全く恩給から除外され、見棄てられてしまうのであります。又一方遺家族扶助料はどうであろうか。大将未亡人には年間十四万円、二等兵の未亡人には僅か二万四千円しか与えられないのであります。本当に生活に喘いでいる遺族は、この二等兵の遺族であります。厚生大臣は一人で月二千円で生きて行けると考えるかどうか。普通恩給資格のある元軍人中には、兵隊は殆んどいないのであります。一般兵士、学徒、挺身隊等は全く対象外にされていることは、しばしばほかの諸君によつて指摘されたところでありますが、こういうような恩典を受けるのは、大将以下の旧職業軍人だけであります。遊んでいても、元大将は年に十六万四千八百円、これに比べて一方朝から晩まで働いても、職安の日雇労働者は年六万円にしかならないということ、この事実が現実の日本の姿をまざまざと何よりもよく物語つていると私は思うのであります。このようにしてこの恩給法によつて曾ての軍閥職業軍人は無条件生活が保障される。これがこの法案の本質であります。  一方厚生省調査でさえ、生活が困窮し、保護を要する国民は約一千万人と見ております。ところが二十八年度予算では百八十万人しか生活保護費が組まれていない。五人世帯で月八千円しかもらえないのであります。社会保障制度審議会が、社会保障のぺールさへ脱ぎ棄てた露骨な軍人恩給復活に対し、意見書を提出したのは当然であります。山縣厚生大臣は、以上の事実に対し如何なる見解を有するか、その答弁を伺いたいものであります。  我々日本共産党は、このような人殺し、再軍備のための本改正案の撤回を要求します国民生活が苦しくなければ、誰も忌わしい戦争を思い出す軍人恩給などは振り向きもしないのであります。ましてやアメリカの要求するアジア侵略戦争国民を引ずりこむための陥し穴として作られたこの改正案は、国民を愚弄するも甚だしいと言わなければならないのであります。政府は一切の再軍備のための予算を、社会保障の拡大や、教育文化に廻し、戦傷病者遺家族をはじめとするすべての戦争犠牲者生活困窮者の生活を保障すべきであります。我が党は、このことを主張し、吉田政府責任ある答弁を要求するものであります。(拍手)    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  29. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) お答えいたします。本法案をよく御覧頂けばわかるのでありますが、この法案は旧軍人恩給と申しましても、殆んど実質的には軍人遺家族扶助料老齢軍人、傷病者に対する手当でありまして、今お話の職業軍人のみに厚いということは事実でありません。職業軍人はむしろその極く小さい一部分でありまして、多くは職業軍人にあらざる軍人及びその遺家族に対する恩給或いは扶助料であるのであります。その間階級差を設けたことは、先ほど来たびたび繰返して申上げましたが、恩給復活の形をとる以上、これは止むを得なかつたと存じます。  なおこの法案を撤回しないかという御意見でありますが、政府といたしましては、これを撤回するつもりはございません。(拍手)    〔国務大臣山縣勝見登壇拍手
  30. 山縣勝見

    国務大臣山縣勝見君) お答えを申上げます。  只今の御質問に対しましては、先ほど来他の議員の質問に対してお答えいたしました通りでありまして、即ち今回の恩給の対象になつておりまするのは、老齢軍人の方もありますけれども、数においてはそれはむしろ少いのであります。大部分は公務傷病死によつてつておられる遺族に対する公務扶助料が大部分でありますから、これは同時に社会保障的な意味を多分に持つておるのであります。従つて社会保障制度審議会答申も、ございましたが、今回の恩給は先ほど来たびたび申上げております通り、画然たる厳格な意味での既得権ではありませんけれども、やはり潜在的な既得権であり、普通の社会保障制度と同様に考えるべきものではないのであります。従つて今回の恩給恩給といたしまして、而もその恩給内容は、主として社会保障的な意味を持つておりまするし、日本社会保障制度の推進拡充に対しては別個の線として努力をする。かように考えておるのであります。  以上お答えを申上げます。(拍手)    〔岩間正男君発言の許可を求む〕
  31. 佐藤尚武

    ○(佐藤尚武君) 岩間君何ですか。
  32. 岩間正男

    ○岩間正男君 再質問をしたいと思います。
  33. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 再質問を許します。登壇を願います。    〔岩間正男君登壇
  34. 岩間正男

    ○岩間正男君 只今答弁によりますというと、職業軍人階級の上のほうの人に対しては、これは数が少い。だから実際は下級の元の軍人に対して恩典が多く及ぼされるのだと。こういうことを政府は口を極めて説いておりますけれども、そんならなぜ、何故にこれを平等にしないか。私はここで先ほどもお聞きしたのでありますが、一九四五年に占領軍が出しましたところの日本の軍閥廃止に対するこの精神というものが、完全に現在の内閣においては遂行されていない。むしろこれが本当に正しく遂行されているとしたならば、何故にこういう段階におきまして、一体軍人恩給というような階級差を持ちました、書くとその旧軍国時代を想起するような、このような制度復活する必要がどこにあるかという問題であります。あなたたちの論拠によれば、今数は少いのだから別に差支えないということを言つている。そんならば同時に、平等にこれを取扱うということが重要だと思うのでありますが、そういう点から行きますならば、当然我々はこれは軍人恩給とか何とかというような建前はやめて、社会保障の全般的な施策の中でこの問題を行うとということが、当然あなたたちの論拠からも出て来ると思うのであります。然るに先ほどの答弁を聞きますというと、この点については明確に触れていない。この点について私ははつきり軍人制度、軍閥制度を撤廃すべきだというあの指令が、どのように一体考えられておるか。そうしてこれに対して関連した只今答弁の点を明らかにされんことを私は切望するものであります。    〔国務大臣緒方竹虎登壇拍手
  35. 緒方竹虎

    国務大臣緒方竹虎君) 連合国の指令に対しましては、政府といたしましては意見のあるものもあります。旧軍人恩給を停止し又は制限いたしたことに対する政府態度もその一つであります。只今のお話の間に、これは平等にすべきではないかというお話がありましたが、政府といたしましては、政府考えに基きまして、軍人恩給を或る意味において復活をする。恩給でありまする以上は、これは退職時の、退職時と申しますか停止時の待遇に類似したものを作るのはこれは当然でありまして、そういう意味においてやつたのであります。(「軍隊というものはなくなつている」と呼ぶ者あり)  それからなおこの問題につきましては、いろいろ御議論もありまするので、先ほど木村君にもお答えいたしたのでありまするが、あらかじめ本国会におきまして、恩給法特例に関する件の措置に関する法律というものを提出いたしまして、国会の御承認を得て、それに基いてやつた次第であります。政府としては何らその措置に間違いないと存じます。
  36. 佐藤尚武

    ○(佐藤尚武君) これにて通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。  議事の都合により、これにて午後一時まで休憩いたします。    午後零時十七分休憩      —————・—————    午後一時二十四分開議
  37. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。高良とみ君から海外旅行のため、引続き十四日間請暇の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて許可することに決しました。
  39. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、お諮りいたします。中共地域からの帰還者に対する帰還事務及び生活援護等に関する調査のため、十七名からなる特別委員会を設置いたしたいと存じます。御異議、ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて中共地域からの帰還者に対する帰還事務及び生活援護等に関する調査のため、十七名からなる特別委員会を設置することに決しました。  本院規則第三十条により、議長において選定いた七ました特別委員の氏名を参事に朗読させます。    〔参事朗読〕  中共地域からの帰還者援護に関する  特別委員    大谷 瑩潤君   木村 守江君    草葉 隆圓君   瀧井治三郎君    長島 銀藏君   飯島連次郎君    高田  寛君   常岡 一郎君    上條 愛一君   堂森 芳夫君    藤原 道子君   三橋八次郎君    紅露 みつ君   谷口弥三郎君    千田  正君   堀  眞琴君    須藤 五郎君
  41. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 議事の都合により、本日はこれにて延会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十七分散会 ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 恩給法の一部を改正する法律案趣旨説明)  一、議員の請願  一、中共地域からの帰還者援護に関する特別委員会設置の件