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1952-11-28 第15回国会 参議院 文部委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月二十八日(金曜 日)    午後二時三十一分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     若木 勝藏君    理事            木村 守江君            堀越 儀郎君    委員            高橋 道男君            山本 勇造君            梅津 錦一君            相馬 助治君            三好  始君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   政府委員    文部政務次官  廣瀬與兵衞君    文部大臣官房会    計課長     小林 行雄君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君   説明員    文部省初等中等    教育局長    田中 義男君    文部省管理局長 近藤 直人君    文化財保護委員    会委員長    高橋誠一郎君    文化財保護委員    会事務局美術工    芸課長     本間 順治君    文化財保護委員    会事務局美術工    芸課勤務    松原 正業君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (文化財保護行政に関する件)   ―――――――――――――  (文部省関係予算に関する件)
  2. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) それではこれより本日の委員会を開会いたします。
  3. 相馬助治

    相馬助治君 予定されている議題に関してですね、高橋委員長がまだ出席しないようだから事務当局をして急がせて、その間懇談することを要求します。
  4. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 今の相馬君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) それではさように取扱います。ちよつと速記をとめて下さい    〔速記中止
  6. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記を始めて下さい。それでは高橋委員長が見えられましたから引続いて委員会を継続いたします。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  7. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) それでは速記を開始して下さい。
  8. 梅津錦一

    梅津錦一君 月光菩薩の件ですね、あれをまあ解体しておるすということは結局あれを再現する、こういう前提の下にあれは解体したのだと私は思う。解体するときにすでにその予算が何ぼかかるか予算査定が済んでいたか或いはこの解体した後においてどのよう方法によつてこれを再現すると、いろいろな方式があると思う、併しいずれの方式があつて解体後の、再現する技術家がすでに選定されておらなくちやならない、それを前提として解体すべきであるという立場から言えば、先ずこれの解体に要する予算に対して技術家査定が済んでおるか、或いは解体に対して非常に問題点があるということも修復に対して聞いてみれば、このはがれたところのまくれ上つたそういうものの修理は非常にむずかしいと思うのです。そのためにあの破片をなくさないで二つ取つておいたというくらいですから恐らく相当予算が組まれていなければならない。予算査定の問題とか、更に解体に対して技術家がすでに決定しておつたか、或いはそれに対して如何なる方式によつてこれをしようとしたか。そのことに対してこれは二道あると思うのですが、予算上の問題と解体後の再現に対する準備計画についてお話を願いたいと思います。
  9. 高橋誠一郎

    説明員高橋誠一郎君) この解体と申しますか、つまり鉄心を切りまして仏様のお首を下ろしましたときには、これは非常応急措置でございまして、このときには無論技官たちの頭の中に将来これを又つなぎますときのことも考えにあつたのでございましようけれども、併し如何なる方法によるべきであるかということは無論決定をみておつたわけではないのでございまして、又予算措置等も講ぜられておらなかつたのでございますが、その後になりまして一方におきましてはどういう方法によつてこれを繋ぐべきであるか、熔接という方法がいいのじやないか、まあ我々いろいろ意見を徴しておるのでありまするが、或いは全然熔接しないで、中を固めてそのままにして置くほうがいいのではないか、なまじつか熔接いたしますると色が著しく変る虞れがあるのでありまして、これは却つて不体裁なものとしてその芸術的な価値を減ずる虞れがあるというよう意見も聞いておりまするのでありまして、この点十分慎重を期したいと専門家を集めましてその意見を徴して十分慎重を期したいと存じております。  予算でありまするが、これは補正予算に組入れられることと考えておつたのでございまするが、補正予算がいろいろ遅れましたので、予備費の中からして、差当り本年分といたしまして二百二十二万なにがしを出してもらうことに決定いたしました次第でございます。
  10. 本間順治

    説明員本間順治君) 只今文化財保護委員長お話に、修理に対する計画は首を下ろしますときにはなかつた予算的には考えないというようお話があつたようでございますが、その下ろしますそのときは或いはそういうふうに考えておらなかつたかも知れませんが、向う技官達がおりますうちに私のほうから電報を打ちまして、すぐ予算措置をとれるように設定を考えてくれるようにという指図をいたしましたので帰りまして早速補正予算として差出したような次第であります。
  11. 梅津錦一

    梅津錦一君 現在鉄心を切つたままになつておるのだと思いますけれども、鉄心を切つたことがすでに問題になつて、あれの修復に対して手がついておらないのじやないか、ということは当然寺院側としてもそれは困ると思うのですよ。幸いに予算予備費から出るということになれば早急にやれると私は考えておりますけれども、ただその鉄心を切る前にそういう予算措置もおよそあやふやであり、これを熔接するか中から固めてそのまま形を残しておくかということすらすでにもう議論の余地があるわけです。そのときにこういう議論は出なかつたですか。あのまま置いておいて危険のないように支えをしてひと先ず安定の位置において、そうして予算措置が済んだのちに十分検討して修復方法を立てると、こういうような御意見があつたかどうか、その点も聞きたいと思います。
  12. 松原正業

    説明員松原正業君) 昨日倉田技官から説明がありましたが、頭部がぐらぐら動いたというお話がございました。そのことを山本委員におきましても御承認願つたように聞いております。寺の管長も側におりましたのでよくわかつていてくれると思うのでございますが、その首がぐらぐらと動いたということは、三つの理由を挙げて御説明ができると思うのでございます。  第一の点は上下亀裂面でございますが、その亀裂面が激しい吉野地震上下動によりまして左へ移行したということが挙げられると思うのでございます。と申しますのは、地震までは、こういうふうな軸だけになつておるのでございますが、軸だけになつておりますから両方断面がしつかりと噛み合つていたのでございますが、激しい吉野地震上下動によりましてこれが浮き上がりまして、全体の断面の高い部分の二、三箇所に全重量が垂下したという形になつたのでございます。言葉を換えて申しますと、局部的に全重量が落ちかかつたと、こういうふうな状態になつたのでございます。そのためにこういうふうに軽く押しますとぐらぐらと動くよう状態になつたのでございます。その反対にあれだけの推定六十貫という重量のものを床の上に置きまして、両方の手で押そうとしても絶対に動くものじやないのでございます。今申しましたよう状態になりましたので、ぐらぐらと簡単に右の手でも動くよう状態になつたのだと私は思います。  第二に申上げることができますのは、頸部粘土鉄心依存状態でございます。これはちよつと若し御質問が出たら御説明よう思つて図に書いて来たのでございますが、こういうふうな状態に丁度頸部に当りますところは中側粘土がなくなつてしまつているのでございます。鉄心丁度遊離状態に頸の中で遊んでおるのでございます。このことは丁度中世でございますが、鋳がらぐりと申しますけれども、鋳がらぐりによつて修理しているのでございます。丁度台座破損状態から考えまして、本堂が中世火災をこうむりまして、月光菩薩堂は北のほうへ倒れたのでございます。台座の板を破りまして北のほうへ若干倒れたのでございます。さような、殊に後に柱がありましてそれを二十五、六度くらいの角度で支えたと私は推定するのでございます。そのときに中世修理が入つておるのでございます。一寸八分の方形の穴をうがちまして、その穴から無理に粘土をかき出したのでございますが、そのために空洞になつておるのでございます。  もう一つ申上げたい第三の問題はかんじんの胴心でございます胴の中でございます。その中の状態が胸のところが大きくすでになくなつているのでございます。これは下から粘土をかき出すために、心棒が右左に動揺いたしますると、抜こうとした意図が明らかに見えるのでございますが、そのために鉄心の際の粘土はすでに落ちているのであります。こういうような中の鉄心が胴においても遊離しておりますし、頸部においても遊離しております。その上に六十貫の首が肩に心棒を加えて上つて来たというような形になるのでございます。これが私の一番何と申しますか、気がりにしておつたところなのでございますけれども、反対に胴のほうへ心が残りまして首がきれいに上つてくれますと、上から叩落きすという手があつたのでございます。私も心を切るのに、前を切つてしまうほうが楽だ、こういうよう見解でやつたのじやないのでございますけれども、苦慮ののち万やむなくやつた仕事でございます。反対の現象でございますと切らずに済んだのでございます。ところが中の粘土というものは、焼成度が非常に小さくなればなるほどよく焼けるのでございます。中の粘土は非常に堅く焼けているのでありまして胴心は大きいものでございますからよく焼けないのであります。焼成度の違いによりまして鉄心の際は粘土がやわらかかつたのでございます。こういう状態に上つて来たものですから、どうしても切らざるを得ないような絶対絶命というよう状態であつたのであります。
  13. 梅津錦一

    梅津錦一君 もう一度質問の要旨を明瞭にします。枠等作つてそのときの状態から落ちないようにできたかできないかということです。
  14. 松原正業

    説明員松原正業君) 私の見解ではできなかつたのでございます。  普通に考えられることは木材を立てましてロープもつてぐるぐる巻いて倒すという手でございますけれども、体部だけが千百五十貫あるのであります。頭部推定六十貫という重量のものを外部から巻いて、チエーン・ブロツクを三つぐらい使わなくちや駄目だということを言つてつたのでございますが、下ろすということは危険が伴うのでございます。物が世界的に名品でございますから、危険を伴う仕事というものはちよつとやはりやれなかつたのでございます。
  15. 梅津錦一

    梅津錦一君 質問はそうじやない。下ろす下ろさないは別として要するに安定の位置に置くために、それは勿論将来は修理をしなければならないとしても、ひとまずそれを安定に置くために措置がとれたかとれなかつたか、そういう技術があるかどうかということなんであります。
  16. 松原正業

    説明員松原正業君) それは今申上げました方法と、周りからいわゆる支柱を立ててそれから頭部をつるして置くという状態でございますけれでも、いずれにしましても、こういう現在の状態になつているものでございますから、こういう状態から判断いたしますと、転落寸前の姿だということが申上げられると思うのでございます。このことは誇張でも過言でも決してないであろうと、現場で以て私自身が感じたのでございます。最もいい方法というのは、頭部を下ろしまして体部を横たえることが、安全の方途であろうと判断したのであります。
  17. 梅津錦一

    梅津錦一君 修理方法が幾通りあるかお伺いしたい。
  18. 松原正業

    説明員松原正業君) 修理方法は現在芸術大の鋳造のほうの先生がたの御意見ですと熔接がいいということになつております。熔接にも電気熔接ガス熔接がございまして、大体ガス熔接がいいだろうという話になつておるのでございますけれども、この修理方法に対しては私は一応最後まで決して反対の態度をとらないのでございますけれども、私自身の一個人の考えといたしますと、先ほど委員長がおつしやつたように色が変るのでございます。丁度亀裂面を境といたしまして三寸ずつぐらい色が変るのでございます。この現在赤銅色であつて非常にきれいでございますが、芸術価値を喪失するものでございますから、色を変えないで六十貫の頭部上下に固定する方法がないかということを考えておるのでありますけれども、熔接でやりますと首を上下につけるのは一日か二日でできるのであります。修理はそういうふうに熔接法でやれば完全にできるということが現在わかつております。その前に熔接によらないで六十貫の首を固定するという方法考えますと、それを具体的に、これを自分が今考えておることでございますけれども、中に鉄枠を入れまして上下に固定するという方法もあるのではなかろうかということを考えております。ともかくあれだけ立派な世界的名品でございますから、熔接をやる前に私案としてそういう方法を一度採用して頂きたいと思つております。(「進行々々」と呼ぶ者あり)
  19. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 過日懇談会の席上でありまするが、我々現在調査をやつております月光菩薩の問題について、その当時の責任者である二人のうち一人が渡米されるという問題、これは古文化財展観のために必要であろうとは思うのでありまするが、併し古文化財の保存という問題については、我々にも非常に大事な問題であり、ひいては文化財保護委員会関係について考慮しなければならない多くの問題がありまして、今後も慎重に調査を続けて参りたいと思うのでございまするが、その際に当面の責任者の一人が欠けるということについて遺憾であるという意味の山本委員よりお申出があつたのでありまするが、これに対して高橋委員長から懇談では、とりやめることは甚だ困難であるが、更に一応考慮して善処する旨のお答えがあつたのであります。勿論懇談会の席上に起つた問題でありまするが、将来我々が審議を続け、更に調査を綿密にやる上から大事な問題であると思いますので、如何ようにその点御善処になつたか、委員長からちよつと聴いておきたいと思うのでありまするが。
  20. 高橋誠一郎

    説明員高橋誠一郎君) 昨日こちらから退出いたしまして、委員会に参りまして局長、次長、そのほかを集めまして、なおこの点を考究いたしまして、結局今日十時半から委員会を開いて倉田技官アメリカに直ちに派遣すべきや否やをもう一度検討してみよう、こういうことに決定いたしまして、直ちに委員諸君を招集いたしたのでありますが、一萬田委員は出張中でございまして、今日集まられませんでしたが、他の四人の委員が集まりまして協議をいたしましたわけであります。で、その席上におきましてやはりいろいろな意見が出たのであります。事務局側におきましては絶対に不可能だと言うことはできないのであるが、併しながら非常に困難である、他の人を以て倉田君に代えますことは非常に困難であるということでございました。又委員の中には、倉田君を特に必要とするということは、主として英語知識によるのであるが、アメリカに参るまではさほど英語知識は必要でないと思われる、で船があちらに着きますとこちらから派遣されました人たち向うに参つておるからして、英語が不自由でありましてもそれほど差支はないのではないかというよう意見も出ましたそれから又私はこういうことも考えられはしないか。私の意見というのではないのでありまするが、初めアメリカ側では、船について参りまする者は一人にしてくれろという要求であつたのであるが、こちらとしては、是非二人若しくは三人にしてもらいたい、少くとも二人にしてもらいたいという要求を出して、これが通つたのであるが、もう一度そこのところを考えて一人ではどうかというようなことも考えられはしないかと申したのでありますが、この点はすでに最小限二人という要求を出しておる以上、どうしても向う要求通り一人というわけには参らないということでございました。  それからなお又英語知識云々でございますが、この点もいろいろ考えられたのでありますが、どうも英語のできる人が僅かに一人だけ向うに行くということではやはり支障を生じはしないか。今度あちらに参りまする人たちの中に二人は英語相当しやべれる人があるのであります。つまり倉田君と石沢君と、この二人が英語が先ずしやべれるのでありますが、いま一人英語の堪能な人を出さなければならんという要求もある際でありまするので、少くとも船に乗つて参ります人たちの中にどうしてもやはり一人は英語のできる人がいなければ支障を生じがちであるという意見が強く出まして、それでいろいろ意見の交換を行いました結果今回はやはり倉田技官を明日船に乗せまして向うに出さなければならないだろうというふうに落着きましたのでありまして、今日倉田技官がこの席に列席することのできませんことも、初めは必要なしとせられておりました健康診断を受ける必要がございますので、そのためにそちらに参つておりまするので、出席できなかつたような次第でございまして、明日の出発を今日になりまして変更するということは非常に困難である。又先に参りまして支障を生じがちであるというところから、このよう決定いたしましたのでございまして、どうぞその点を御了承願いたいと存じます。
  21. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 只今高橋委員長より承わりました事情によると、我々としては甚だ遺憾ではありまするが、万やむを得ないものがあろうと思いまするけれども、併しこの問題に関しては非常に重大な問題でありまするから、責任当事者である倉田技官自身答弁が必ず必要となつて来ると私は思うのであります。併し万やむを得ないこういう事情によつて本人が欠席する場合、本人の偽らない事実の陳述に代る文書を提出され、更に我々の調査に遺憾のないよう高橋委員長において責任を持つて善処されるかどうか。その点を特に御意見を承わつておきたいと思います。
  22. 高橋誠一郎

    説明員高橋誠一郎君) 昨日も申上げましたように、この点は私におきまして飽くまでも責任を持ちまして文書を提出いたさせまするようにいたす覚悟でございます。
  23. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 と同時に我々の調査に十分万全を期してやりたいと思いまするし、公平なる判断を下す資料として必要なんでありますから、そういう点について遺憾のないよう十分責任を持つて委員長に善処せられんことを希望したいと思います。
  24. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) なお文化財保護関係につきまして御質問のあるかた御継続願いたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  25. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記を始めて下さい。  次は教育予算の問題を議題といたしたいと思います。先ず補正予算につきましての質問がありましたら次官も見えておりますから御質問願いたいと思います。
  26. 梅津錦一

    梅津錦一君 質問に入る前に文部省所管昭和二十七年度補正予算要求額事項別表がございますからこれについて説明をして頂いた後に質問したいと思います。
  27. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) この問題については補正予算一般の問題について前に説明伺つたのであります。ところが更に別表が出ていますから御要求ようにその点の説明を聞いてから質問に入つたらよかろうかと思います。それでは一つ説明を願いたいと思います。
  28. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 先だつて委員会でまだ折衝中でございました補正予算について一応の御説明を申上げましたが、その後の折衝数字のきまりましたものについて御説明を申上げますと、産業教育振興費でございますが、前回説明申上げましたときにはまだゼロでございましたのですが、その後折衝いたしました結果、最後的に一億二千六百万円ということにきまつたわけでございます。これは高等学校産業教育設備費補助といたしまして一億百九十万円、それから震習船建造費補助金といたしまして二千三百万円、それから共同案習所設備費補助金といたしまして百十万円、合計一億二千六百万円になつたわけでございます。それから日本育英職員給与改善費、これは日本育英会という財団で育英資金の貸付の仕事をしておりますが、この政府職員のベースアツプに伴いまする給与改善費補助金額でございます、五百六十五万四千円でございます。その次の日本芸術院会員年金改善でございますが、これは従来も政府職員につきまして給与改善が行われますことに年金も引上げられて参りました。現在までの年金額が一人一年十六万四千八百円でございましたものが、今回の改正によりまして、二十二万六千八百円になつたわけでございます。それから公立文教施設整備の中で、一番目の公立小中学校屋内運動場整備費補助は、前回説明申上げましたときにはまだゼロでございましたが、その後折衝いたしました結果、最後的に三億大百六十万円というふうに数字決定を見ました。これは御承知通り積雪地帯寒冷地帯湿潤地帯、こういう地方におきまする中学校屋内体操場を急速に整備するというので、本年度は時期も余りありませんので取りあえず二万四千九百坪を整備するということにいたしております。その二分の一の補助額と、それから事務処理に要する経費でございます。それから領土復帰に伴う義務教育施設整備費補助二千百七十四万二千円でございますが、これは前回にも一部分説明申上げたと思つておりますが、占領行政が解けましたので鹿児島県下の十島村が我が国の行政下へ庚つて参りましたので、その十島村にあります小学校、中学校の建物、これが非常に痛んでおりますので、この改築をする経費でございますが、この十島村は御承知かとも存じますが、非常に財政的に力が薄弱でございます。でこのためにこの補助金は特に全額を国で補助することにいたしまして予算案を計上いたしております。  それからあとその後にきまりましたものといたしましては、文化財保護委員会の中で、中尊寺国宝及び重要文化財収蔵庫建設に要する経費百四十二万七千円でございますが、これは平泉にあります中尊寺には重要文化財のもありますが、そうでないものといたしましてもいろいろ宝物がたくさんございます。重要文化財に指定されておりますものを含めまして重要な宝物が約三千点近くあるのでございますが、これが現在では十数カ所の木造建築物の中に分散されて保管されておる状況でございます。でこれにつきましていろいろ事故が起りました例もございまするし、又将来これが火災等で焼失するというようなことになりますと非常に大きな問題になると考えられますので、これを一カ所に集めまして鉄筋の収蔵庫を建築したいというので、その経費要求いたしました結果、本年度はその経費の一部を補助することを認められて百四十二万七千円が確定したのでございます。この中尊寺収蔵庫建築費補助につきましては、これは継続費ではございませんけれども明年度におきましても相当額が認められることと存じております。それから最後政府職員給与改善でございますが、これは御承知通り給与ペース・アツプに伴う超過勤務手当の増額、それから勤務地手当地域改訂その他によるものでございます。  前回説明申上げましたその後におきまして、数字決定いたしましたのは大体以上のようなものであります。
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 若干お伺いいたします。先般の委員会において老朽校舎改築費として二十六億六千万円の要求をし、これは是非とも実現させたいというようなことを事務当局並びに大臣から発言があつてつたわけですが、これはどうなりましたか。その交渉の経過、それを承わりたいのでございます。
  30. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 老朽校舎につきましては大体四十八万坪のいわゆる危険校舎というものがございまして、これは建築基準法によつて使用が制限され、或いは禁止されているものというものでございますが、大体そのうちの三分の一の十六万坪が、これは推定でございますが禁止に該当するものと考えまして、これに要する経費を二十八億ですか要求をいたしたわけでございます。この点につきまして事務当局といたしましてもできるだけの努力はいたしましたし、又大臣もいろいろこの老朽校舎予算につきましては尽力されたように承わつておりますが、事柄の性格上、これはとにかく補正で組むべきものではないということで、一応補正予算としては零になつように、これは私は洩れ承わつておるわけでございまして、閣議の模様はどういうことですか存じませんが、併しいずれにいたしましてもこの問題は極めて重大な問題でございますので、明年度予算におきましては、できるだけ老朽校舎改築費を獲得いたしまして改築の促進を図りたいというふうに考えておる次第でございます。
  31. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 老朽校舎改築費補助に関しての最後の閣議決定がどういうふうになつているか知らないというのはどういうわけですか。これほど数ヵ年に亘つて重大な問題になつている、而も大臣予算の復活要求に当つて重要事項として取上げたものを、事務当局責任者であるあなたがたが結果を知らないとはどういうわけですか。どなたか知つているかたから承わりたいと思います。どういう話合で最初閣議において零にしたのかですね。
  32. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) お答えいたします。老朽校舎の問題につきましては、只今会計課長の御説明通り大臣といたしましても非常に強い決意を持たれて交渉されたように伺つておりますが、結局二十八年度の本予算でこの問題を改めて検討するというような結論になりまして、補正では一応落したというふうに伺つております。
  33. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 二十八年度には改築補助費を組むということになつているのですか。それとも二十八年度の本予算の審議のときに改築補助費を出すか出さんかを白紙の立場において検討する、こういうことになつているのでございますか、いずれでございますか。
  34. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 二十八年度の本予算で改めて検討するというふうに伺つております。
  35. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それではそれと関連いたしますが、今度の起債の百二十億の増額との関連はどうなつていますか。老朽校舎改築に対する起債の枠に関係あるかないか、あるなういくらか。
  36. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 老朽校舎の起債の枠との関係でございますか。それにつきましては只今のところ私十分に承知いたしておりませんので、帰りましてよくその関係を調べました上でお答え申上げます。
  37. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 局長は私がお尋ねしていることをおわかりにならないのかも知れませんが、老朽校舎改築補助費を二十六億五千万円要求したのですが、他面起債額の今度の補正に当つても、老朽校舎改築に起債の枠というものを自治庁当局にあなたがたは要望をしただろうと思う。どのくらい要望してそれが入れられたのか入れられなかつたのかそういうことを承わりたい。と申すのは老朽校舎の問題は随分論じられた問題ですが、これは戦争中に一種の国策の犠牲として生れたものであつて、場合によつたら我々は国会で予算獲得のためには決議案も出さなくちやならんと思うのです。更に現在老朽校舎改築は如何に必要であるかということは、あなたがたのデータによつてはつきり示されている通りで、最近は改築補助費も待ち切れずに自力でこれを改築ようという場合に、起債の許可さえ得られないで非常に公共団体の設立者は困つておるわけなんですね。それで改築補助費の点について今御説明を承わつたが、起債のほうについてはどうなつておるかその点を承わりたい。若干の了解か何かなければ、百二十億ぶつ込んだ中で老朽校舎改築の起債を取ろうと言つても取れるものではないのです。それを文部当局の責任者はどういうふうに交渉されているかということについて承わたりたい。
  38. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 私甚だ申訳ないのでございますが、起債の点につきましてまだ十分話を伺つておりませんので、只今の御質問の点につきましては帰りましてよく調べまして後日お答え申上げたいと思います。
  39. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういう問題については重大関心を持つて頂きたいと思います。起債の枠があつてそれを地方公共団体に配分する場合に、各設立者が起債の許可を得ようとしてもなかなかそれだけではとり得ないので、文部当局としても、バツク・アツプする意味で十分関心を持つて見て頂きたいと思います。いずれ私のお伺いした点については後刻承わりたいと思います。  それからこれとも関連いたしますが、公立小中学校の校舎の設備費、例の〇・七坪のこぼれは、その三十二億の要求は第一次査定から最終決定までいずれも零となつているわけですが、この問題については第十三回国会における二十七年度予算審議の過程において、時の大蔵大臣池田さんは次の機会に考慮するということを委員会並びに本会議で言明されておられるわけですが、これは事務当局折衝の結果は来年度において如何なる処置をするかというような話合になつておるかどうか、その経過並びに結果を承つておきたい。
  40. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 〇・七坪の不足分につきましては、これは第十三国会のたしか予算委員会におきまして、時の大蔵大臣の御答弁によりまして落ちこぼれにつきましては考慮するということは伺つております。従いまして今回補正予算に落ちこぼれを要求いたしたのでございましたが、大蔵省との折衝の過程におきまして、この点につきましては本予算で検討するという話合になりまして我々は引下つたのでございますが、次の二十八年度の本予算におきましては是非この〇・七坪の不足分の予算を獲得すべく努力いたしたいと思つております。又これは大蔵当局といたしましても或る程度責任のある問題ではないかと自分は考えております。
  41. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつと只今の矢嶋君の質問に関連してですが、老朽校舎の問題ですが、老朽校舎については補正予算で得られなかつた補正予算で見るべき性質のものでないために二十八年度予算において計上するというようなことになつたというような話でありましたが、それについても起債の問題がはつきりしないというようなことでありましたが、この問題につきましては、御承知ように例えば老朽校舎の起債として認められておつても、貧弱町村においては起債が満度になつて到底その起債を認められないというよう状態にあり得ると思うのであります。ところが老朽校舎を全然どうにも手をつけられないというような町村は最も貧弱町村でありますが故に、老朽校舎に対する起債というものはもう起債の満度になつておるような町村にも、これは十分起債をなし得るような特別な方法をとつてもらわなければいけないと考えるのでありまして、そういう点特に明年度予算において折衝する場合には力説して確認してもらいたいと考える次第であります。  それから老朽校舎のいわゆる国庫の補助という問題につきましては随分前から論議されまして、公立小学校の建前というよう関係から、これは国庫が補助ずべきものではないというような観点から、なかなかこの補助の実現というものができ得ないよう状態になつておると思うわけです。併しながら先ほど矢嶋君が言われたよう老朽校舎は実際国策による戦争の犠牲のためにこういうよう状態が実現しておるというような観点から、これは決して二分の一というようなことを固執するのではなく、まあ産業振興の補助を主として三分の一を出しておるというようなこともあるのでありまして、これは少くとも補助を二分の一と限らないが出してもらうと、出させるというような線で進んで頂きたいと考えておるのであります。こういうような点につきまして局長は今までどういうふうにお考えであつたか、ちよつと御意見を伺いたいと思います。
  42. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 前段の起債の点でございますが、御趣旨誠に御尤もなことで、大体今までの考え方は老朽校舎につきましては起債で行くと、勿論文部当局といたしましては補助要求したのでございますが、大蔵当局並びに自治庁の考え方は非常に起債の線で行くという考え方が強うございまして、今日まで起債で参つたわけでございます。又起債の枠につきましては相当増加いたしまして、例えば二十六年度は約十六億の老朽校舎の起債の枠でございましたが、二十七年度はこれを四十億に拡充するというよう方法で参つたのでございます。只今のお話の満配の町村に対しまして更に起債の枠を補充するようにせよという御意見は誠に御尤もでございますので、今後私どもといたしまして、自治庁に対してそういう線で交渉をいたして参りたいと考えております。  それから第二点の補助の点でございますが、只今の要求は二分の一補助要求いたしております。併しながら産業振興のほうにおきまして三分の一の補助の例もありますので、場合によつて補助率は下つても極力これを要求するということも考えられますので、少くとも只今のところは是非二分の一の補助をもらいたい、而して又補助を必ずとりたいという決心を持つて大蔵省と折衝いたしております。
  43. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 現在地方公共団体で最も悩んでいる問題は、今質問されておりますところの危険校舎改築の問題と、それから数ヵ年間続けられて参りました六三建築の整備、この二点なんでございます。  ここで私は政務次官にお伺いいたしておきたいと思うのでございますが、危険校舎改築補助費を出すか出さんかですね。それと六三建築の整備に当つて、先ほど私が申上げたような前大蔵大臣の明言もあるわけですが、今度の補正予算ではゼロになつたが、次の二十八年度予算において必ず確保するかどうかですね。その点に関しまして政務次官の私は決意を承わつておきたいと思う。これは数ヵ年の問題でもう文部省にはあらゆるデータは完備しておるわけです。ただこれを認めて実際において金を出すか、起債の枠を与えるか与えないかというそれだけの問題で、事務当局間の話合の事実というものははつきりと明確化されておるわけですから、政務次官としての決意と見解を伺いたいと思います。
  44. 廣瀬與兵衞

    政府委員廣瀬與兵衞君) 私は微力でございますが、岡野大臣が閣議から帰つて来まして非常にこれを要求した。併しながら補正予算にはどうも取れそうもない、先ず本予算に絶対に取るというような固い決意を持つて私どもに話しておりましたので必ずやつてくれるものと思います。又私も微力ながら十分大蔵当局に交渉してみたいと、こう考えております。
  45. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官はその点で努力して頂くことにしまして、岡野文部大臣にはいずれお伺いいたしますが、局長にお伺いいたしておきたい点は、あなたがたが今まで事務折衝して来た経過からおして、局長としては老朽校舎改築補助費並びに六三建築の整備の予算というものは、二十八年度において必ず取らなくちやならないという見通しをすでに立てておられるかどうか。事務当局折衝において大体あなたがたが見通しというものがすでに立つておられると思いますが、どういうふうに判断分析されておるか。その点を承わりたいと思います。
  46. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 大変むずかしい御質問でありますので果して御回答になるかどうかわかりませんが、少くともこの補正予算を通じまして私が大蔵省主計当局と折衝をいたしました過程におきましては、なかなか六三の予算を従前通りの調子で確保することは困難なふうに見受けられます。と申しますのは、六三の整備につきまして今日まで〇・七坪の点につきまして予算を今日まで獲得して参つております。只今まで約二百億の予算を六三の〇・七坪に投じて参つております。而して大蔵当局は二十七年度の三十四億の予算を以て〇・七坪は完了したという話をしております。併しながら実際実態を調査いたしましたところ、更に十六万八千坪という〇・七坪のこぼれがある。それが三十二億ということになつておりますのでこの点につきまして大蔵当局と我々とは見解の相違があるわけでございます。従いましてこの問題につきましては非常に困難なふうに見受けられますが、併しながら先ほど申上げました大蔵大臣お話がございます。又我々といたしましては何といたしましても〇・七坪の完成は是が非でもやらなければならんということがありますので、今後この点につきまして最大の努力を傾注して必ず二十八年度の本予算では実現いたしたいと、かよう考えております。  それから老朽の点につきましても、これは只今までのところここ数年起債で参つておりますので、勿論事務当局補助予算要求いたしておりますが、毎年これは削除されております。従つてこの補助要求もなかなか至難でございますが、万一不測の災害がありまして学校が潰れたというような場合に、大変児童に苦しみを与え、又文部当局といたしましても非常な責任を負わなければならんこいう段階があります。これは我々は何としてでも速かに建直しをしなければならん。それには財政の貧弱な町村が多いのでございますから、起債よりも補助を以てとにかく早くやりたいというので、只今四十八万坪のうち、三ヵ年計画を以て十六万坪につきまして補正で要求したわけでございます。
  47. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 見通し……。
  48. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) それが困難でありますので二十八年度の本予算では是が非でも補助をとりたい、又とらなければならん、又とり得ると自分は考えております。
  49. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この点は責任の立場にある局長に特に私は要望と激励をいたしておきますが、只今局長お話によれば六三整備費にすでに二百億云々と、随分巨額の支出をしておるというようなお気持で発言されたようですが、確かに六三整備費は発足以来七ヵ年です、二百六億を国会の承認を得ておる。ところが警察予備隊は三年そこそこで国会の承認を受けたところの予算はすでに一千百五十億に達しておるのですから、それらを考えるときに二百六億というのは決して十分なものでなくて、前大臣以来基準の引上げなんということを盛んにアドバルーンを上げてきておるわけで又それは必要なことなんですから、大臣並びに政務次官に信念を持つてデーターで説明され、十分責任者としての局長の使命を果されるように特に要望と激励を申しておきます。  以下ちよつと方向を変えて三点伺います。第一点は、私立学校振興会出資金の増額が零になつたわけですが、この交渉経過はどうなつておるのでございますかということと、それと関連して私立学校振興会による補助の対象を現行のままで行くか、それとも拡大するというようなお考えを持たれて研究されておるかどうか、それから次にお伺いいたす点は、産業教育振興の充実整備費が若干復活したことは結構でありますが、この予算化によつて地方公共団体でも若干の予算を組んで産業教育が逐次整備されつつある傾向は非常に結構だと思うのでございますが、当初の六億五千万と合せて金額は少額であるのにもよるのでありましようが、現在の既設の補助というのは殆んど高等学校のみに集中されておるわけです。これから私お伺いいたしたい点は、事務当局折衝の過程においてやはり信念を持つて折衝されておると思うのですが、現在の六三の三の職業教育というものをどういうふうに持つて行こうとされておるのか。現在の新制中学校の職業教育というものは、自分に適する職業を選択するところの能力を啓培するというような一つの大きな目標になつておるようでありますが、どういうふうにお考えになつておられるのか、それほど必要がないという立場に立たれておるのか。新制中学校の整備についてかくかく考えておるが、どうしてもとれないのだ、こういうような立場なのか、その点事務当局見解として聞いておきたいと思います。  それからもう一点は、十島村の復帰によるところの施設補助費が二・千万円ほど含まれておるわけでございますが、私ここに行つてみたごとがないのですが、伝え聞くところによると案に惨憺たる状況だということでございますが、文部省としてはどなたかすでに視察されたかどうか、されたとするならば極く簡単でいいですから状況とその対策というものをこの際承わつておきたいと思います。以上の点について答弁を願います。
  50. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 只今の御質問四点ございますが、私の所管いたします分につきまして御答弁申上げまして、あとの分につきましてはそれぞれ担当のかたにお願いいたしたいと思います。  第一点の私学振興会の出資金の予算要求でございますが、これは皆さんの御努力によりまして本年三月振興会法が成立いたしまして出資金が三億九千万円で発足いたしたのでございます。それと共に附帯決議といたしまして、出資金が余りにも過少であるから是非これをあらゆる機会において増額せよという決議があつたことを承知いたしておりますが、今回の補正の機会にでも当初約十一億要求をいたしました。併しながらこれもやはり補正の機会ではなしに本予算で問題とすべきことであるということになりまして削除されたようなわけでございますが、只今二十八年度の本予算に対しましては十八億五千万円という予算要求いたしておりまして折角交渉を続けております。  それから私学振興会の貸付の対象の問題でございますが、只今は御承知ように学校法人を主として対象にいたしております。これを各種学校にまで拡張することの御質問考えまするが、この点につきましては只今のところまだ、そこまでは考慮いたしておりません。当初のままで到底これ以上拡張することは予算関係もございますので不可能ではないかというふうに考えております。私の関係ではその二点でございますが、お答え申上げます。
  51. 田中義男

    説明員(田中義男君) 産業教育関係についてお答えを申上げます。お話ように従来は高等学校の設備を重点としてその補助いろいろ尽くして参つておるのでございますが、併しやはり産業教育振興のもとはやはり中学校にもあると考えられまして、従つて従来は限られた予算でやむを得ず早く効果を挙げるというような観点から高等学校の而も設備に重点をおかれたのでございますが、併し現状のままで進むのは適当でございませんので、特に中学校方面の実情をも考えまして、来年度においては中学校の設備の充実について私どもも新たな予算を計上して目下折團中なのでございます。それで中学校の職業科の問題につきましても御承知ように必修、選択がございますけれども、その必修について更に問題があり、選択については一層の問題がございまして、従つてそれらの点についてはいろいろ検討を加えまして、そうして本来の効果を挙げまするために検討をすべきものと考えて私どもも話合つておるようなわけでございまして、職業科の問題は私どもの大きい問題の一つとして取上げておるわけでございます。  それからなお十島関係でございますが、昨年の暮に私ども地方行政の立場からする者と、なお教科書なり或いは学校施設等の立場からする者と、三者のかだがだが出向きまして、いろいろ実地の視察をいたし御慰問申し上げるというようなことで参つておるわけでございます。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 実情はどのくらい予算を必要とするように見て来ておられるのですか。実情対策ですな。
  53. 田中義男

    説明員(田中義男君) 実は私まだ申訳ござませんが、その結果等について只今申上げる資料を持ちませんので、改めて調査をしてお答え申上げたいと思います。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 管理局長も聞いているでしよう。内地なみの教育施設を整備するのにはどの程度金がかかるか、それに対する対策。
  55. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) 施設の関係だけに限定いたしましてお答え申上げますと、十島村の、中の島小中学校ほか八校の学校の建物も最低基準まで整備することがどうしても必要であるという観点に立ちまして、それに要する経費を積算いたしまして詳しく申上げますと、中の島小中学校、朝日分校、平島分校、諏訪之瀬島分校……。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 トータルは……。
  57. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) トータルは四千百五十九万一千円でございます。
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 二分の一補助ですね。
  59. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) これは全額国庫負担です。
  60. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それで〇・七坪できるというわけですね。
  61. 近藤直人

    説明員(近藤直人君) そうでございます。それでブロック造とする経費要求したわけでございます。木造ではどういたしましても台風がしよつちうありますので到底駄目だというのでブロック造を要求いたしました。単価は坪当り整備の分が五万四千円、改築するものは四万八千円という要求をいたしました。それが大蔵省との折衝の結果、トータルで申上げますと、金額は先はどお話申しましたように二千百七十四万二千円となりまして、ブロック造がそのうち坪数で申上げますと三百五十七坪、金額で一千九百二十七万八千円、木造分が百十三坪半、金額三百十七万八千円、トータル二千二百四十五万六千円、このうちから改築の分の古材木を払下げしなければならんということになりまして、古材木が二百三十一坪分、それを単価六千円と見まして百三十八万六千円というものを差引きまして、それに補助費、事務費等を加えまして先ほどの数字が出たわけでございます。補助率は全額補助でございます。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 さつきの産業教育に関する答弁を裏返してもう一遍聞きますが、文部省としては中学校の職業教育施設は大変だ、これはまあ適当に今ぐらいにしておいて、それよりも手つとり早いところ卒業して高等学校に行かない生徒を昔の実業補修学校みたいた形で速成をやつたほうが金も余計かからないで能率が上るというような、私は今の学校教育に基く学校体系の変革を腹の底に持つておるのじやないか、こういうことを私は感ずるのですが、如何ですか。どうも六三の三に対する職業教育振興に対する熱意というものは、どうも積極性が見えないように私は感じて遺憾に思つておるのですが、その点重ねて答弁頂きたいと思います。  それから平衡交付金関係質問を申上げますが、あなたがた事務当局としては、地方公務員であるところの先生がたに対してこのたびの平均二〇%の国家公務員なみのペース・アツプをやろうとしておるのかどうか、又そういう希望を地方都道府県に対して要望されておられるのかどうか。  それと関連いたしますが、大蔵事務当局で言われているところの国家公務員よりも地方公務員である教職員のほうが平均三百四十九円高いというこの数字を、文部の事務当局としては肯定されておられるのか、おられないのか、若し肯定されておるとするならば、その三百四十九円の差額を埋め合せるために必要な平衡交付金の増額を幾らと計算されておられるのか、その点について。
  63. 田中義男

    説明員(田中義男君) 産業教育特に職業教育の問題について、私どもは決して中学校をいい加減に考えておるわけじやございません。今まで特に高等学校に重点をおきましたことはさつき申上げましたような理由でございまして、中学校を将来今までと同じように扱つて行こうということではございませんで、実は我々当局の中でも中学校の職員科の充実についていろいろ、検討をいたしておるのでございまして、お話ような点はないのでございます。  それから平衡交付金による今回のベース・アツプの問題でございますが、大体私どもといたしましてはできるだけのことをいたしたいと思つて、いろいろ自治庁等にも折衝を重ねて参つておるのでございますが、大体本年の一月一日の給料単価を基にしてそうしてそれに一年間の昇給分を考え、そうして二十七年度の単価を一応出しまして、それに扶養手当、勤務地手当等所要のものを加えましたものを一応本年度の基準として、それを約平均二割の税を見込んだもので今回の基準単価にいたしまして、而も人員の点につきましては定員定額によりませんで、御承知ように、小学校について一・五、中学校について一・八それに加えまするのに結核による者に対して一・三三という休職率を加えました場合に、大体現員現給よつてこれを処置いたします場合に、およそ私どもの考えておる線が維持できるのではないかと考えておるのでございます。  その次に三百四十九円の問題でございますが、これは御承知ように昨年のあの改訂の場合に案は三百七十五円という数字が大蔵当局方面から出まして、そうしてそれによつて一応差引かれてしまつたのでございますが、それは到底文部省として呑むわけに参りませんので、文部省としても一応の調査もいたしまして、そうしてその基礎に基いていろいろ折衝をいたしました結果、三百四十九円という数字が出たわけでございます。従つてその数字をもとにして今回も計算をされたわけでございまして、従つてこれは一応呑まざるを得ないようなことに相成つております。併しさつきも申しますように一応の財源措置としてはその基礎に基いて計算は出しておりますけれども、併しこれはどこまでも財源措置であり、而も全国平均単価で参つておりますので、各府県等にそれぞれ当つた場合には適当な配分措置ができるのではないかと考えておるのでございます。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 三百四十九円というこの数字は、文部省の事務当局としては肯定した数字ではないということを衆議院の文部委員会局長は答弁されているわけですが、現在のここにおける答弁を承わると肯定されているような御答弁でございますが、いずれが本当でございますか。
  65. 田中義男

    説明員(田中義男君) 衆議院において私がお答えいたしましたのも、いろいろ折衝の結果三百四十九円と相成りましたということを申上げたのございまして、そういたしますとこれを認めざるを得なくなつたと御了解を得ておるものと思うのであります。
  66. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その三百四十九という数字は文部省の調査によつて出て来た数字ですか。若しそうだとすれば、どういうよう調査をされたわけですか。
  67. 田中義男

    説明員(田中義男君) 私どものほうで調査をいたしましたのは、一応各中小学校等におきまして約七三%を占めております短期大学卒の教員につきまして、大体それらが国立の学校に行つた場合と、そうして公立の学校に行きました場合とをいろいろ一度実態調査を当時いたしております。それは二十数万の先生になつておるのでございますが、それらの点につきましていろいろ細かい計算の下に基準をそれぞれに当てはめるよう考えました結果、大体平均いたしましてそんな数字を得たのでございますが、併しその当時は三百七十五円というそのことに非常な不満を持つて、そうして私どもとしてもさよう調査をいたしたのでございますが、それによつて一応話合が三百四十九円と当時相成つた経過でございます。
  68. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは私の若干意見になるかも知れないけれども、地方公務員の場合でも都道府県の吏員と教員の場合、同じ給与準則で給与を支給しておつても、理論給与は同じであろうが、実態給与というものは相当つて来る。国家公務員の場合でも学校の教官とそうでもない国家公務との実態給与というものは相当違うと思うのです。従つて国立学校の教官の給与が若し低いとするならば、私は地方国家公務員を通じて、而も教員であるとないとを通じて、全公務員を通じて私は国立学校の教官の給与というものが実体給与においても或いは一番低いようなことがあるのじやないかと思うのです。そいつと地方公務員のだけ比べて、そうして国家公務員の実体給与を算出することなく、その地方の教職員は三百四十九円高いのだというような結論を出して平衡交付金なんかの算出をやるということは、私は最も不遇な立場にある国立学校の教官の低いレベルに、教職員を低い線に合せるというようなことになりはしないかと恐れるもので誠に遺憾千万に存ずるのですが、要は理論給与と実体給与というものを区別して、国家公務員の実態と地方公務員の案態を比べなければどちらが優遇されているかということは即断でさないと思う。而もあなた方の調査というのは単なるサンプル調査に過ぎないのだから、この調査の如何に欠陥があるかということは、市町村吏員が国家公務員よりも五百七十六円高いなんていう全くこつけい千万な数字であるわけなんです。その点は私は遺憾に思うのですが、併し局長としてはここで国家公務員なみに二〇%程度のベース上げが可能である、こういうふうに考えておるという御答弁ですが、そうして国家公務員なみに地方の先生方の給与も引上げてほしいという念願も持たれているようでございますので、この際文部当局としてはそういう見通しなり要望を、都道府県当局に対して要請を希望するという用意があるかどうか。それを伺いたいと思うのですが如何ですか。
  69. 田中義男

    説明員(田中義男君) お話ように国が仮に低い基準にあるといたしまして、すべてそれによいものを下げるというようなことは誠に好ましくないことではございますが、ただ理論的に申しまして、御承知よう教育公務員特例法等の規定もございますものですから、その規定の原則には一応従わざるを得ないような立場もございまして非常に不十分な結果を招いていると存じます。それで実際の配分等については実は今回のあの国家公務員等に対する個々の昇給基準というものがきまるのが非常に実は遅れておりまして、実はまだ私どものほうも個々に当つてそれぞれの級別等について計算を確実にはじき出すところまで参つておりません。従つて私どもの希望としては御承知よう相当教職員は率が高うございますから、従つて一般の他の公務員等に比べてもそこに問題があり得るところでございますので、従つて不公平、不均衡のないようにいたしたいと実は考えておりまして、自治庁等もそれらの点についていろいろ話合をいたしておるのでございます。いま少しはつきりいたしましたところで私どもの態度をきめたいとかよう考えております。
  70. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 問題は旅費とかその他の実体給与を共に比較しなければ高い低いとかいうことは論ぜられないということを私は申しでいる。そういう点が明確にならないでこういうデータを呑まざるを得ないという態度は、どうも全国の教職員の生活安定と教育の振興を念願されているあなたがたとしては非常に消極的だということを指摘しているわけなんです。解決の方法として都道府県当局に対して是非とも国家公務員なみの引上げをやつてほしい、それが教育振興の一環として必要である、而も政府の処置したところの財政処置によつてそれは可能だと思うというような意思表示と要請を文部当局から都道府県当局に出してほしい、そういう用意があるかどうかということを承わつておきたいと思います。
  71. 田中義男

    説明員(田中義男君) 先ほども申上げましたように案は私どもが期待いたしておりますように滞りなく措置できますかどうかは実は只今まだはつきりいたしません。数字上の計算の問題もございますので、従つてもう近目のうちにはつきりいたしますからその場合においてどういうふうな措置をいたしますかを考えたいと思います。なお御希望の点は私どもよくお伺いいたしておきます。
  72. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 一つの願望を持つておられて、それができるかできないかはつきり見通しも立たないのに相手の数字を呑まざるを得ないと呑んでおいて、そうして願望だけを持つておるというのはそれはお話にならんと思う。願望を持つて而もそれが正しい、通さなければならんと考えておるならば、相手の数字を呑むか呑まないかというときにはつきりした態度をとられなくちやならんと思う。そういう点について非常に弱いというか消極的だと思う、当局は。そういう点において遺憾に存じます。  この給与に関連して更に承わつておきたい点は、文部省としては人事院当局に対して給与準則の政府並びに国会への勧告を現在要望されておられるかどうかですね。それからその給与準則は勧告をされるに当つては、文部の事務当局としてはいわゆる二本建を考えておられるのか、三本建が適当だと考えておられるのか、それから更に現在事務当局は一つの成案を持つておられるかどうか、研究中であるかどうか、若し研究中ならばどういう目標を以て研究されておられるか、その点承わつておきたい。
  73. 田中義男

    説明員(田中義男君) 折角の御質問でございますのに、大変失礼でございますけれども、実はその問題についての折衝は私のほうで直接いたしておりません関係上、不明確な点もございますのでお答えすることは適当でございませんので、一つ他日の機会に然るべきかたにお願いしたいと思います。
  74. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事務当局のほうの答弁をお願したわけで、あなたか管理局長かどちらかができるはずだと思うのですがね、この答弁は。どの局長さんが直接の答弁できるおかたでしようか。私は事務当局見解として伺つている。
  75. 田中義男

    説明員(田中義男君) 実は直接にいろいろ折衝を人事院等の関係においていたしておりますのは案は人事課長のほうでやつておりますので、私ども不正確な点等もございますので、ちよつと私からお答えするのは不適当と思いますので御了承を願いたいと思います。
  76. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 どうも局長が三人もここにおられて答弁できんというのはおかしいですね。あなたがた何ですか、こういう問題について省内の会議なんかは今まで開いたことがないのでございますか。省内で会議を恐らく開かれておるだろうと思いますがね。そうしたならば私は意思決定がなされているだろうと思いますね。事務当局としてはどういう方向に行つているか。人事課長がおられなければ答弁できないというのは、これだけの重要な当面の問題について、三人も局長がおられて答弁できないということはない……。
  77. 岩間正男

    ○岩間正男君 政治的な考慮を離れて事務当局意見が述べられないか。態勢が変つてどこかの党がそんなことをきめるとそれに迎合するというようなことでは困る。
  78. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大学学術局長が逃げるということはあるかも知れませんが、初等中等局長が逃げるという手はないと思いますね。一応答弁して下さい。現在において正確なところの事務当局見解を。(「余り言うとおこられるのじやないか」と呼ぶ者あり)
  79. 田中義男

    説明員(田中義男君) 先ほど申しましたようなことで不正確である(「不正確でもいいよ」と呼ぶ者あり)かも存じませんで、その点は私自信もございませんし、なおいろいろ研究交渉等もいたししておりますのは私直接でございませんので、相当開きがあるかも存じませんが、ただ私が挙知いたしておりますところでは、はつきりしたいわゆる二本建、三本建についての結論を只今持つておりますかどうかについては私はつきりした自信を持ちません。私の承知いたしているところではそれらの点についての検討を続けているというその過程でございます。
  80. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは一点だけお伺いいたしますが、このたびのベースアップに伴つて人事院の勧告もございますし、給与法の一部改正法律案というものが国会に提案されてそれが十一月から実施されることになるわけですが、その際に或いは二本建、三本建というような問題も解決されるのか、それまでに結論があなたがたの現在の研究過程においては出そうにないか、その点だけ一つ承つておきたい。
  81. 田中義男

    説明員(田中義男君) これも的確にお答えいたしかねるのでございますけれども……。
  82. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 見通しは持つているでしよう仕事をされる場合にですね。今国会は二十二日で終るのですよ。
  83. 田中義男

    説明員(田中義男君) この今度のべース・アツプの問題については、直接その問題に関連をいたしては私ども考えておらんのでございますが、併し問題の性質上そういつまでも結論が出ないままで行くというようなことはなかろうと思いますけれども……。
  84. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私がお伺いしている点は直接関連があるわけではないのであるが、今度のベースアツプに伴う給与法の改正と時を同じうして、現在問題になつているその問題の解決の終止符はいつになるか、解決の終止符を打つという目標を持つて研究を進められておられるのか、そういう見通しを持つておられるのか。それともその問題と同時には解決できない、将来の問題に持越されるという態勢であるか、その点を伺つている。
  85. 田中義男

    説明員(田中義男君) 私の承知いたしておる限りでは今回の、べース・アツプとその問題とは必然的な関係において考えておりませんので、恐らくベース・アツプと只今の問題とを併せて同時に解決しようというところまでは考えておらんと思います。
  86. 岩間正男

    ○岩間正男君 大体二点についてお伺いします。これは政務次官にお伺いしたほうがいいと思います。さつきの老朽校舎の問題が出ましたが、どうも老朽校舎がどこかやられて、そうして犠牲者が出ないうちはこの問題は解決しないという政治ではこれは困る。この点は先ほどから来年は大いに努力するというお話であつたのでありますけれども、そういうみじめな恰好が来ないうちにこの問題を解決できるかどうかというところは、政治力ある政務次官の力だと思う。で、廣瀬政務次官の時代にそういう一つ先例を開いて頂きたい、これが一つ。それから廣瀬政務次官の立場は二本建、三本建という今の問題はなかなか事務当局苦しいところに追込まれているようです。どうも今の公務員の立場ではどうもうつかりすると自分の身分上のことにかかわらんものでもない。で、やはりものが言えなくなる。そういう態勢は私どももよく了解する。そういう点からあなたは自由党出身なんでこれは特に是非聞いて頂きたいと思うのですが、二本建、三本建の問題で自由党は三本建を決定した、こういうことらしいのです。これはどうも甚だ教育の実情に合わない、教育のつまり実際から見ますとこういうことによつて教育がばらばらになつて階級制をつけることになる、そうじやない、もつと教育改革の本旨はこういうことをやらないところにあるのです。もつとその例えば小学校の先生の労働の質と高等学校の労働の質が違うとか何とか言う、こういう学歴とかそういうことでこの問題を左右するという考え方が非常に非教育的であるということは今まで検討されて結論がついている。それを時代に逆行して若し自由党が三本建にするということになると大きな障害が来る。我々は徹底的に闘う、これははつきり声明しておいていい。そういう点から自由党から出ておられる次官の立場として、逆に文部省もこの問題は天野さん時代にもはつきりこれは二本建で行くんだ、そういう見解をとつておられた。それから文部省の事務の当局もいろいろ当つてみると、はつきりそういうことが決定し、これは人事院においても殆んど決定されているのです。総裁に私は直接会つてこの問題を確かめている。それを横紙破りに自由党の時代になつてこれをやつてしまうということになれば相当な問題になると思う。だからそういう点から考えてみると、これは逆に文部次官として自由党の中の頑迷固陋な諸君を説得して頂きたいと思うのです。私はこの二点をお伺いしておきたいのですがどうですか。
  87. 廣瀬與兵衞

    政府委員廣瀬與兵衞君) 先ほどお答えいたしました通り老朽校舎については大臣も非常な決心を持つております。私も及ばずながら皆さんの御援助によりまして解決したい、こう考えております。  それから二本建、三本建の問題でございますが、これは私は極めて素人でありますので、宰は一昨々目でしたか午前中は二本建に責められて午後は三本建に陳情をされて弱つております。まあはつきり申上げることはできませんけれども、今岩間さんの言われたよう意見もあるようでありますし事務当局も非常に困つていることも事案であります。そこで私はその中間に入つて一生懸命にやつて参りたいというようなことを考えております。
  88. 岩間正男

    ○岩間正男君 行ける了見ですか。
  89. 廣瀬與兵衞

    政府委員廣瀬與兵衞君) それでとにかく岩間さんのような先輩に実情をよく教わつてやりたいと、こう考えております。よろしくお願いいたします。
  90. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いや、それで次官にお伺いしておきたい点は、今人事院制度があつて、あそこには御承知ように、給与局、更に研究課というものがあつてすばらしいスタッフをもつて仕事をやつているわけです。そういう専門機関の意向というものを政府、殊に自由党は尊重して行くのか行かないのか、この点を政務次官という立場において如何に考えておられるか、明確に答弁しておいて頂きたい。人事院の給与局の研究課というのが非常にスタッフを揃えてやつております。そういうところの研究、そういうところの意見というものを尊重してやられるのか、それともそういうものは問題にしていないのか、その基本的な態度を承わつておきたい。
  91. 廣瀬與兵衞

    政府委員廣瀬與兵衞君) そういう立派なスタッフがあるならば一応は私尊重すべきものと思います。併し党がどういうふうにやりますか、これは党人でありますので非常にむずかしい問題じやないかと、こう思つております。
  92. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私のお伺いする点は、党人としての、ことにあなたは如何にあるのが正しいというお考えでおられるか。政府次官個人の見解、そういう問題を取扱う場合において、如何に取扱うのが最も望ましいかということを、政務次官あなたの個人としての意見を承わつておきたい。
  93. 廣瀬與兵衞

    政府委員廣瀬與兵衞君) 私極めて新米でありまして、研究いたしましていいはうにつきたいと思います。こういう考えであります。
  94. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いや私は研究していいほうにつくことははつきりしているのだが、伺つているポイントは、法律によつて人事院というものが設置されて給与局というのがあつてその中で職階課とかいろいろありましてね、実施課とか、研究課とか、そういう専門の機関があつて、スタツフを揃えてやつているわけです。随分専門化してやつていますが、そういうところの結論というものを尊重してそれを生かす行き方がより望ましいか。それは一応単なる参考として、党がどれだけのスタツフを揃えられているかどうかは別として党という立場において、単なる参考として行かれるのが望ましい形か、いずれを次官個人はお考えになるか、その点を承わりたいというわけです。あなた個人の御見解を承わつているのです。党のことは一つ忘れて答弁して下さい。
  95. 廣瀬與兵衞

    政府委員廣瀬與兵衞君) 実は新米のうちはよくやり損うのでございまして、岩間君と一緒に無所属クラブにいたのです。それから私自由党に行きまして自由党に行つたところが、競輪を始めるというので、ばくちをやる法があるものかと私は一人で反対したのです。そうすると私のおやじがやはり参議院に行つておりまして、お前とんでもない、党へ入つて党に反対する奴があるか、脱党しろ、こういうふうにおどかされたのです。それでも知らん顔をしておりましたが結局党議に従わされたのです。政務次官として果してどつちをとるべきかということはもう少し答えを待たして頂きたい。こういうことでございます。
  96. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 速急に検討して頂きたいと思います。
  97. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 他に御発言がなければ、今日はこれで散会いたします。    午後四時三十九分散会