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松原一彦君
最後に、私は
要望申上げておきます。
只今の御
説明は一応了承いたしますが、私の了承するところでは、
大蔵省も
恩給制度に対しては別に御異議はないのであ
つて、今回の
予算計上の面におきましても、不足ではあるけれ
ども、一応は
恩給局の
要求をも入れてべ
ース・アツプに伴う
スライド・
アツプをば計上せられたという事実を確認いたします。どうかこの事実をばどこどこまでもひた押しに推し進めまして今後も御継続願いたい。併しながら今回あらゆる
事情の面からして、仮に流用、削除でないにしましても十一月に
ベース・アツプがありましたのは二割八分以上のものであります。そうしますと十月に
退職した者と十一月以後において
退職した者との間においては、この平均面におきましてもすでに
恩給額の上に二割八分の差がつく、これは実に大きいのであります。殊に最近におきまして、
退職公務員に対しましては、行政整理の名目の下に
恩給法に示していないところの別個の
退職金が出ます。これは東京都の小学校長など二百万円、これは一時
恩給でも何でもないのが出るのであります。現金で即時に出るのであります。その上に今回の
ベース・アツプによりますと二十数万円の
恩給になる。これは余りにも過去のものとの間に差がつき過ぎる。若しアンバランスを論ずるならば、目の前に大蔵当局は、バランスの破れを作
つておるのです。大きな破れです。而もその額が従来に見ないところのおびただしい開きをそこに生じておる。そして一方においては、
軍人の六百五十一億円というのは、一万円
ベースによ
つて計上せられたものであ
つて、それを更に削除して、まあ九カ月分、四百五十億というても、その
ベースはダウンしておるのであります。ここに又非常に大きなアンバランスが生じておるのでありますが、私は政道は正しくなくてはならん。信を失
つてはならないと思う。
大蔵省もすでに法に
従つて行動せられておる以上は、たとえ今日明文によ
つて、
ベース・アツプをしなければならんということが書いてなくとも、法の精神が、今回まで慣例として
スライドして来ておる以上は、かくのごとき大きなアンバランスをこの際新たに作るということは許されないことである。どうしてもこの
恩給というものが亡国的なものであり、手に負えないものとするならば、
恩給法全体を更改をすべきものであ
つて、今かくのごとき小細工をして、暫らくこれだけ抑えて置こうということはよろしくない。断じてよろしくない。支払わねばならないものは支払うのが当然である。万止むを得ざる場合においては、国民の同意を得て法を変えてやる。そうでなければ私は許されんと思います。
大蔵省の誠意を疑いません。一応計上せられたところのその
趣旨を貫かれまして、大多数の国民の信を失わないように、どうか今後の御
措置を願いたい。
まだ伺いたいことはたくさんありますが、本日は私としては一応ここに留めておきまして改めてお伺いします。